(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カムは、前記弁ストッパを支持する前記枢動アームの第2の枢動軸に対して約90°の向きに向けられた第1の枢動軸のまわりに枢動可能に前記フィルタ筐体の前記底部と接続された、請求項1に記載のフィルタ保持器。
前記フィルタ筐体は、前記フィルタ保持器のハンドル部と一体の座部に配置され、前記枢動アーム及び前記カムは、前記フィルタ筐体と前記座部の底部との間に配置された、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルタ保持器。
前記スライダを前記非動作位置に弾力的に付勢するための第2の弾力性部材が、前記フィルタ筐体に配置され、前記フィルタ筐体と前記カム支持部との間に配置された、請求項7に記載のフィルタ保持器。
前記フィルタ筐体のまわりに配置され、前記スライダと協働する、作動環を更に有し、前記作動環は、前記フィルタ筐体に対して限られた角度の動きだけが可能であり、前記作動環は、前記フィルタ保持器が装着された前記係止環と協働する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフィルタ保持器。
選択的に、前記スライダに前記作動環を拘束したり、前記作動環に対して前記スライダが角度的に動くことができるように前記作動環から前記スライダを解放したりするための、ラッチ機構を更に有する、請求項9に記載のフィルタ保持器。
前記ラッチ機構は、前記スライダに拘束された第1の歯と、前記作動環に拘束された第2の歯と、を有し、前記第1の歯と前記第2の歯とは互いに協働して、選択的に、前記作動環に前記スライダを拘束したり、前記スライダと前記作動環とを互いから解放したりする、請求項10に記載のフィルタ保持器。
前記第2の歯は、解放位置へと径方向外側に動くことができ、前記作動環と前記フィルタ筐体とが相互の角度的なシフトを達成すると、前記第1の歯と前記第2の歯とが、互いから離される、請求項11に記載のフィルタ保持器。
前記第2の歯は、前記フィルタ筐体に拘束されたカム輪郭と係合し、前記カム輪郭は、前記作動環と前記フィルタ筐体とが、互いに対して所定の程度だけ変位したとき、前記第2の歯が前記第1の歯から径方向外側に向かって離れるよう動くように構成された、請求項11又は12に記載のフィルタ保持器。
前記フィルタ筐体に対する前記作動環の角度的なシフトが、前記非動作位置から前記動作位置への前記スライダの対応する動きを引き起こし、それ故、前記第1の位置から前記第2の位置への前記カムの動きを引き起こし、前記作動環からの前記スライダの角度的な開放の際に、前記スライダが前記非動作位置に向けて弾力的に押されて戻される、請求項11乃至13のいずれか一項に記載のフィルタ保持器。
請求項1乃至14のいずれか一項に記載のフィルタ保持器と、係止環と、を含む飲料製造機であって、前記フィルタ保持器は、前記係止環に係合可能であり前記係止環から取り外し可能である、飲料製造機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によれば、以上に説明されたタイプのフィルタ保持器であって、前記フィルタ保持器が負荷環に装着されたときに、弁ストッパを閉じ、前記フィルタ保持器における煎出圧力が達成されると、弁ストッパを開位置に係止するための、改善された装置を有する、改善されたフィルタ保持器が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、底部及び前記底部を通る供給管又は開口を持つフィルタ筐体を有する、フィルタ保持器が提供される。弁ストッパを備えた弁が、該供給管又は開口を選択的に開閉するよう構成され、該弁ストッパは、枢動アームにより支持され、閉位置へと弾力的に付勢される。該弁ストッパは、フィルタ保持器が飲料製造機の温水供給ユニットに装着されたときに閉じられ、これにより、加圧された温水が、フィルタカップに入れられた、例えばコーヒー粉のような飲料の原料を浸す。該弁は、フィルタカップにおいて特定の圧力が達成されると開くように校正される。該弁ストッパは、開かれると、以下に説明される構成によって、フィルタカップ内の圧力にかかわらず開いたままとされる。該フィルタ保持器は更に、フィルタ筐体の底部と、弁ストッパを支持する枢動アームとの間に配置された、カムを有する。該カムは、枢動アームと協働するカム輪郭を持つ。該カムは、種々の位置を選択的にとるよう、好適には枢動軸又はヒンジ軸のまわりに、動くことができる。更に詳細には、該カムは少なくとも、カム輪郭が弁ストッパの閉じる動きを防止する第1の位置と、カム輪郭が弁ストッパの閉じる動きを許容する第2の位置と、を持つ。該カムは、例えばねじりばねといったばねのような、適切な弾力性部材によって、第1の位置に向けて弾力的に付勢される。更に、該フィルタ保持器は、該カムと協働して、該カムにかかる弾力作用に抗して、第1の位置から第2の位置へと該カムを動かすスライダを有する。該スライダは有利にも、非動作位置に弾力的に付勢され、該フィルタ保持器が装着された水供給ユニットの固定要素との直接的な又は間接的な協働により、動作位置に向けて動かされる。該スライダは、該非動作位置から動作位置への動きの間、該スライダが、第2の位置即ち弁ストッパが閉じることを許容するカム位置へとカムを押すよう構成される。該スライダにかかる弾力は、上述した固定要素との該スライダの協働により打ち克たれる。固定要素との協働が終わると、該スライダは非動作位置へと弾力的に戻される。
【0005】
本構成によれば、スライダがカムを第2の位置へと動かすと、弁ストッパが弾性力により閉じられる。カム輪郭は、弁ストッパが再び開くまで、カムにかかる弾性力の下でカムの戻る動きが可能とならないように構成される。該カムと該弁ストッパを支持する枢動アームとの間の摩擦力によって、該カムは第2の位置に保持される。該摩擦力は、例えば螺旋圧縮ばねのようなばねによって、弁ストッパにかけられる弾性力によって生成される。
【0006】
フィルタカップ内の煎出圧力が、弁ストッパを閉位置に保持する弾性力に打ち克つのに十分な値に到達した場合にのみ、弁ストッパが開き、枢動アームの枢動を引き起こす。斯くして該カムは解放され、かけられる弾性力の下で第1の位置に戻る。例えばエスプレッソ煎出サイクルの終了時に、フィルタカップ内の圧力が低下すると、第1の、弁が閉じるのを防止する位置に動いている弁ストッパが閉じることが、カムにより防止される。
【0007】
スライダの動き、従ってカムの動きは、ユーザの特別な動作を必要としない。フィルタ保持器を温水供給ユニットに接続するために必要とされる単純な接続動作が、スライダの動き、及び従って弁の動きをもたらす。
【0008】
幾つかの実施例においては、前記フィルタ保持器は、前記フィルタ保持器を前記温水供給ユニットに係止するための、バヨネット型係止機構を持つ。該フィルタ保持器は、温水供給ユニットにおける対応する係止輪郭と協働する、少なくとも2つの対向する接線方向のリブを持つ。ユーザは、例えば約30°乃至約80°といった、180°よりも小さい角度だけの、温水供給ユニットに対するフィルタ保持器の単純な回転により、フィルタ保持器を温水供給ユニットに係止する。温水供給ユニットへのフィルタ保持器の係止動作の間に、温水供給ユニットの固定要素との、スライダの直接的な又は間接的な協働が、第1の位置から第2の位置へのカムの動きを引き起こす。
【0009】
好適な実施例においては、前記フィルタ保持器は、前記フィルタ保持器の取り扱いを簡便且つ安全にするハンドル部を備える。
【0010】
幾つかの実施例においては、前記カムは、前記フィルタ筐体の底部と略直交していても良い、即ち、フィルタ保持器が温水供給ユニットに係止されたときに、フィルタ保持器の回転の軸に略平行な、第1の枢動軸のまわりに、フィルタ筐体の底部に枢動可能に接続される。カムの枢動軸は好適には、第2の枢動軸(該第2の枢動軸のまわりに弁ストッパを支持する枢動アームが動く)に対して約90°の向きとされる。
【0011】
スライダは好適には、ガイド部材によりガイドされる。例えば、幾つかの実施例においては、ガイド部材が備えられ、スライダが該ガイド部材上に装着される。ガイド部材は、フィルタ筐体及びフィルタ保持器のハンドル部に拘束され、それにより、温水供給ユニットへのフィルタ保持器の係止の間にフィルタ保持器により実行される動きの間、ガイド部材が該フィルタ筐体及びハンドル部と一体的に動く。
【0012】
有利にも、前記ガイド部材は円形の形状を持ち、前記弁ストッパと略同軸に延在する。
【0013】
フィルタ保持器は通常、2つの主な構成要素、即ちフィルタ筐体及びハンドル部を有する。該ハンドル部はフィルタ筐体に拘束され、共に回転する。有利な実施例においては、フィルタ筐体は、ハンドル部に拘束されハンドル部と共に回転するものであっても良い座部に装着される。フィルタ筐体は次いで座部に制約され、該座部と共に回転する。斯くして、フィルタ保持器の製造及び組み立てが、特に効率の良いものとされる。カムは、座部とフィルタ筐体との間の空間に配置されても良い。このことは、特に効果的な構成要素の構成に帰着する。フィルタ筐体が配置される、フィルタ保持器の座部の底壁に、ガイドが一体的に形成されても良い。
【0014】
前記弁ストッパを支持する枢動アーム及びカムは、前記フィルタ筐体と座部の底壁との間に配置されても良い。座部の底壁は、1つ以上の、典型的には2つの、飲料供給口を備えても良い。供給開口を通りフィルタ保持器から流れる飲料は、フィルタ筐体が配置された座部の底壁に形成された供給口を通して供給される。
【0015】
幾つかの実施例によれば、該座部は、成型された金属又はプラスチック材料からつくられても良く、隆線又は突出部を伴って形成され、スライダが装着されるガイドを形成しても良い。
【0016】
弁ストッパを閉位置に向けて弾力的に付勢する、例えば螺旋圧縮ばねといった圧縮ばねのような第1の弾力性部材が、座部の底部と弁ストッパとの間に配置されても良い。座部の底部は、ばねの一方の端が配置され得る凹部を持っても良い。ばねの反対側の端は、弁ストッパと一体の円筒形の保持部材のなかに又は該保持部材のまわりに配置されても良い。
【0017】
幾つかの実施例においては、前記フィルタ筐体は、前記フィルタ筐体の外側面において、即ちフィルタ筐体と座部との間において、フィルタ筐体の底部に装着されたカム支持部を有しても良い。カムは、該カム支持部に枢動可能に接続されても良い。該カム支持部は、単一部品のプラスチックとして成型され、枢動アームを装着するためのヒンジ、及びカムを枢動可能に装着するためのヒンジを提供しても良い。枢動アーム及びカムは、カム支持部において組み立てられも良く、該カム支持部は次いで、フィルタ筐体に装着され、フィルタ筐体の底部から突出しても良い。このことは、製造及び組み立て手順を簡略化する。フィルタ筐体及びカム支持部により形成されるユニットは、次いで座部に装着されても良い。斯くして、特に簡便で安価な構成が得られる。
【0018】
幾つかの実施例においては、前記フィルタ筐体は、凹部を形成するカップ型の本体を有しても良く、前記凹部において、フィルタカップ又はポッド、カプセル若しくはカートリッジが直接配置されても良い。フィルタ保持器のカップ型の本体は、凹部の内部に面する面と、カム及び弁ストッパを支持する枢動アームと共にカム支持部が装着される反対側の面とを備えた底壁を持つ。
【0019】
スライダを非動作位置に弾力的に付勢するため、フィルタ筐体に第2の弾力性部材が配置されても良い。第2の弾力性部材は好適には、フィルタ筐体と該フィルタ筐体に拘束されたカム支持部との間に配置される。例えば、互いと共に組み立てられたカム支持部及びフィルタ筐体の下面は、この間に凹部を形成し得るものであり、該凹部において第2の弾力性部材が収容されても良い。幾つかの実施例においては、第2の弾力性部材は、開いた環の形状を持ち、第1の端がフィルタ筐体に拘束され、第2の端が前記凹部から突出してスライダに対して作用する。
【0020】
幾つかの実施例においては、前記カムを第1の位置に弾力的に付勢するため、好適にはカム支持部において、第3の弾力性部材がフィルタ筐体に拘束される。
【0021】
フィルタ保持器が温水供給ユニットに装着され係止されたときに、スライダ及びカムを角度的に変位させるため、例えばバヨネット接続によって、フィルタ保持器が接続された係止環に、レバー又は同様の要素が拘束されても良い。レバーはスライダとの協働のため構成されても良く、これにより、フィルタ保持器が最終的な角度位置に到達する前に、スライダが係止環に対して所定の角度位置において停止するようにしても良い。斯くして、フィルタ保持器の回転を継続させることが、フィルタ保持器に対するスライダの角運動を引き起こす。この動きは、カムを枢動させ、弁ストッパが閉じることを許容する位置をとらせる。係止環におけるレバー及びスライダは、一定量だけカムが回転させられ、弁ストッパが閉じることを許容すると、レバーがスライダを解放するようにし、次いでスライダが、作用している弾力性部材によってフィルタ保持器に対して元の角度位置に押し戻される。
【0022】
他の特に有利な実施例によれば、係止環におけるレバーを枢動させる必要性を回避するため、前記フィルタ保持器が、前記フィルタ筐体のまわりに配置され、前記スライダ及び係止環と協働する、作動環を有しても良い。該作動環は、フィルタ筐体に対して、限られた角運動のみを行っても良い。該作動環は、温水供給ユニットの固定要素と協働する突出部又は隆線を備えても良い。幾つかの実施例においては、該作動環は、2つの略径方向反対側にある隆線を備えても良い。フィルタ筐体に対する作動環の第1の相互角度位置においては、これら隆線は、フィルタ筐体の対応する接線方向のリブと角度的に整合される。第2の相互角度位置においては、該リブは角度的にオフセットされ、即ち、作動環が、フィルタ筐体に対して角度的にシフトされる。当該角度的な変位は、固定された温水供給ユニットとの作動環の協働によって得られ、温水供給ユニットにおけるバヨネット式ラッチ機構が、フィルタ保持器が最終的な係止角度位置に到達する前に、作動環の隆線が当接する当接を形成する。斯くして、フィルタ保持器は更に回転させられる一方、作動環は固定されたままとなり、これにより該作動環は実際には、フィルタ保持器の残りの構成要素に対して、とりわけフィルタ筐体に対して、回転することとなる。
【0023】
作動環はスライダと協働し、スライダは作動環に一時的に係止されたままであるため、作動環とフィルタ保持器との間の相対運動が、フィルタ筐体に対するスライダの角運動を引き起こす。
【0024】
幾つかの実施例においては、前記作動環と前記スライダとの間の接続は、選択的に、前記作動環を前記スライダに拘束し、前記フィルタ筐体に対する前記スライダの一定の角度的な変位が到達されると前記作動環から前記スライダを解放する、ラッチ機構により提供されても良い。解放されると、該スライダは、作動環に対して角度的にシフトされ得る。
【0025】
実施例に関連して以下に詳細に説明されるように、作動環によって同調される間、スライダはフィルタ筐体に対して角度的に動き、カムを第1の位置から第2の位置へと変位させる。スライダとフィルタ筐体との間の角度的な変位が終了すると、スライダは作動環から解放され、元の位置へと弾力的に戻され、その一方でカムは、枢動アームとカムとの間の摩擦によって、作動環の制御及びスライダの制御の下で実現される第2の位置に留まる。カムは、フィルタカップにおける水の圧力の下で弁ストッパが開かれたっときのみ解放され、第1の位置へと弾力的に戻される。
【0026】
幾つかの実施例においては、前記作動環と前記スライダとの間のラッチ機構は、前記作動環に拘束された第1の歯と、前記スライダに拘束された第2の歯と、を有しても良い。前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いと協働して選択的に、前記作動環に前記スライダを角度的に拘束し、前記スライダ及び前記作動環を互いから角度的に解放する。
【0027】
幾つかの実施例においては、前記第2の歯は、前記作動環及び前記フィルタ筐体が相互の角度的なシフトを実現したとき、前記第1の歯と前記第2の歯とが互いから離される解放位置へと、径方向外側に移動可能である。該歯の径方向外側への移動は、カム輪郭により制御されても良い。該カム輪郭は、例えばフィルタ筐体が配置された座部の底部において備えられても良い。
【0028】
本発明によるフィルタ保持器の更なる特徴及び実施例は以下に説明され、本明細書の一体部分を形成する従属請求項において開示される。
【0029】
本発明はまた、温水供給ユニットと、例えばバヨネット型の係止機構によって、該温水供給ユニットに接続されても良い、以上に説明されたフィルタ保持器と、を含む飲料製造機に関する。
【0030】
本発明及びその利点の多くのより完全な理解は、本発明の限定するものではない例を示す添付図面と関連して考慮されたときに、以下の詳細な説明を参照しながら、より良く理解され、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の実施例の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図における同一の参照番号は、同一の又は同様の要素を示す。更に、図面は必ずしも定縮尺で描かれたものではない。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。本発明の範囲はあくまで、添付される請求項により定義される。
【0033】
本明細書を通して、「一実施例」、「実施例」又は「幾つかの実施例」とは、当該実施例と組み合わせて記載される特定の特徴、構成又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書の各所における「一実施例において」、「実施例において」又は「幾つかの実施例において」なる語句の出現は、必ずしも全てが、同一の実施例を参照しているわけではない。更に、特定の特徴、構成又は特性が、1つ以上の実施例において、いずれかの適切な態様で組み合わせられても良い。
【0034】
以下の説明においては、コーヒー粉からコーヒーを煎出するためのフィルタ保持器への参照が為される。しかしながら、同じフィルタ保持器が、予めパッケージに入れられた形態であっても又はバルク形態(即ちばらけた形態)であっても、フィルタ保持器に1つ以上の飲料の原料を入れることによる種々の飲料の製造のために利用され得ることは、理解されるべきである。
【0035】
本発明の幾つかの実施例によれば、座部5堅固に接続されたフィルタ保持器ハンドル部3を持つフィルタ保持器1が備えられる。座部5はフィルタ筐体7を収容し、フィルタ筐体7は座部5のなかに配置され座部5に拘束される。
図1は、コーヒーマシン2、より詳細には本実施例においてはエスプレッソマシンと組み合わせて、フィルタ保持器1を示している。該コーヒーマシンは、係止環37を有する温水供給ユニットを有し、該係止環にフィルタ保持器1が逆方向に装着される。
【0036】
該フィルタ筐体は、コーヒー粉を含むカプセル、ポッド又はカートリッジのような、1杯分用のパッケージを受容するよう設計されても良い。他の実施例においては、該フィルタ保持器は、バルク状のコーヒー粉を受容するよう構成されても良い。この場合には、フィルタ筐体にフィルタカップが着脱可能に配置されても良く、該フィルタカップは穴の開いた底部を持ち、コーヒーが通って流れることを許容しつつ、コーヒー粉がカップから出てしまうことを防いでも良い。
【0037】
該フィルタ保持器の構造が、
図2乃至12を特に参照しながら、まず説明される。
図3は、コーヒーマシン2の係止環に部分的に接続されたフィルタ保持器の断面図を示し、
図2は、
図3における線II−IIによる断面図を示す。フィルタ保持器の構造のより良い理解のため、
図4乃至12において、必要であれば種々の図で、該フィルタ保持器の主な構成要素が独立して示され、
図13及び14は、コーヒーマシン2の一部を形成する係止環を、それぞれ斜視図及び上面図で示す。
【0038】
図面に示された実施例においては、フィルタ筐体7は、導管又は開口11(特に
図3参照)を備えた底部を有し、該底部を通ってコーヒーが供給される。フィルタ筐体7の内部には、1杯分用のカートリッジ又はカプセルが配置されることができ、これらを通って加圧された熱水が供給され、カプセルに含まれるコーヒー粉から成分を抽出し、開口9を通って流れるコーヒーを生成する。
図5に最も良く示されているように、フィルタ筐体7が収容された座部5は、コーヒー出口5Aを持ち、該コーヒー出口を通って、コーヒーがカップ等に供給されることができる。
【0039】
フィルタ筐体7は、該筐体の構造のより良い説明のため、
図6及び7において側面図及び平面図で独立して示されている。
【0040】
特に
図3を参照すると、フィルタ筐体7の下において、弁ストッパ13を備えた弁12が配置されている。弁ストッパ13は、コーヒー供給開口11を選択的に開閉するよう構成される。弁ストッパ13は、参照番号15Aにおいて支持部材17にヒンジ接続されている枢動アーム15により支持されていても良い。支持部材17は、
図10において斜視図で単独で示されており、該図においては、構造を良く示すように、支持部10が上下回転されている。より詳細には、枢動アーム15は、支持部材17により形成された又は支持部材17に装着されたブラケット17Aにヒンジ接続されている。
【0041】
好適な実施例においては、支持部材17は、フィルタ筐体7の底部9の外側面に接続されている(例えばねじ止めされている)。
【0042】
幾つかの実施例においては、弁ストッパ13は、参照番号13Aにおいて枢動アーム15にヒンジ接続されていても良い。弁ストッパ13は、例えば
図3に示されるように、弁ストッパ13と座部5の底部との間に配置されていても良い、例えば螺旋圧縮ばね19のといったばねのような、第1の弾力性部材により、開口11に向けて弾力的に付勢される。
【0043】
フィルタ筐体7には、略環状のカム又は楔21が、枢動可能に接続される。カム21は、構造を良く示すように、
図11において単独で示されている。カム21は、枢動軸21Aを持ち、該軸21Aのまわりの回転のため、支持部材17のブラケット17Bに、旋回軸23によってヒンジ接続されている。枢動軸21Aは、一般的にフィルタ筐体7の底部9に直交し、一般的に枢動アーム15の枢動軸15Aに対して90°である。
【0044】
図11に最も良く示されているように、カム21は、可変の厚さを持ち、枢動アーム15と支持部材17との間に配置された、楔型の部分又はカム輪郭21Wを持つ。装置1の動作の説明からより明らかとなるように、カム21の楔型の部分21Wは、動作ステップに依存して、弁ストッパ13が閉じることを選択的に防止又は許容するために用いられる。より詳細には、カム21は、該カムが弁ストッパ13が閉じることを防止する第1の位置(
図3参照)と、カム21が弁ストッパ13が閉じることを許容する第2の位置(
図23)との間で動かされることができる。第1の位置においては、カム21の楔型の部分21Wの厚い部分が、枢動アーム15と支持部材17との間に位置させられ、第2の位置においては、カム21の楔型の部分21Wの薄い部分が、枢動アーム15と支持部材17との間に位置させられる。
【0045】
カム21は、例えばねじりばね25(特に
図16参照)のような、第2の弾力性部材によって、第1の位置に向けて弾力的に付勢される。幾つかの実施例においては、ねじりばね25は、カム21に作用する第1のばね端25Aと、フィルタ筐体7に拘束された要素に作用する第2のばね端25Bと、を持っても良い。例えば、第2のばね端25Bは、支持部材17の突出部17D(
図10及び16)に作用しても良い。支持部材17のピン17C又はその他のフィルタ筐体7に拘束された部材にばね25を拘束するために、ばね25の中間ループ25Cが利用されても良い。
【0046】
ばね25の弾性力に抗して軸21Aのまわりにカム21を枢動させるため、スライダ31がフィルタ保持器1に滑動可能に配置される。該スライダは、
図12において斜視図で単独で示されている。幾つかの実施例においては、スライダ31は、フィルタ筐体の座部5と一体の円形のガイド部33に装着される(特に
図3、4、5参照)。有利にも、ガイド部33は、座部5の底部に配置されても良い。円形のガイド部33は、一般的に弁ストッパ13及び開口11の軸と同軸であり、これによりスライダ31が、座部5及びフィルタ筐体7と同軸の円形の軌道に沿って動く。
【0047】
スライダ31の実施例の形状は、
図12を参照することにより最も良く理解され得る。幾つかの実施例によれば、スライダ31は、一般的に弓型の形状を持ち、ガイド部33に係合する環状のスロット31Bを備えた、スライダ本体31Aを持つ。弓型のスライダ本体31Aの径方向外側を向く側面において、歯31Cが備えられる。幾つかの実施例においては、歯31Cは、一般的に三角形の形状を持っても良い。歯31Cから或る距離をおいて、弓型のスライダ本体31Aの径方向外側を向く側面から突出する、突出部31Dが備えられても良い。突出部31Dは、舌状部31Eをスライダ本体31Aに堅固に接続する。舌状部31Eは、弓型の形状を持っても良く、好適には弓型のスライダ本体31Aと同心である。突出部31Fが、スライダ本体31の径方向内側の側面から延在する。突出部31Fは、以下に更に開示されるように、カム軸21Aのまわりのカム21の枢動を制御するため、カム21と協働する。
【0048】
図15に示されるように、スライダ31は、例えばばね鋼の開いた環でつくられたばねといったばねのような、第3の弾力性部材34により、弾力的に付勢される。ばね34は、支持部材17の凹状の面とフィルタ筐体7の底部9との間に形成された空間32(
図3)に収容されても良い。幾つかの実施例においては、ばね34は、も良い。フィルタ筐体7の底部により一体的に形成されるか又は該底部に拘束されても良いピン34Bに拘束された、小穴を形成する第1の端34Bを持っても良い(
図15参照)。ばね34は更に、空間32から自由に突出し、スライダ31を押す、第2の端34Cを持つ。スライダ31は、フィルタ保持器の動作の説明から明確となるように、動作位置と非動作位置との間で、ガイド部33に沿って動くことができる。ばね34は、スライダ31を非動作位置に向けて付勢する。
【0049】
図示された実施例においては、スライダ31は、フィルタ保持器1に装着された作動環35と協働して、以下により詳細に説明されるように、座部5及びフィルタ筐体7に対して角度的に動くことができるようにされる。例えば、作動環35は、座部5の側壁5Bとフィルタ筐体7の側壁7Aとの間の環状の間隙に装着されても良く、これら2つの側壁5B、7Aは、互いに同心であり、作動環35と同心である(
図3参照)。
【0050】
作動環35は、
図8及び9において単独で示されている。
【0051】
作動環35は、1つ以上の上方に突出した付属部35Aを備えても良い。図示された例においては、2つの径方向反対側の付属部35Aが備えられている。付属部35Aは、コーヒーマシン2の一部である係止環37に形成された固定要素又は当接部37Y(
図17)との協働のために構成され、該係止環に、フィルタ保持器1が、例えばバヨネット型の接続によって接続されても良い。
【0052】
係止環37は、
図13及び14において単独で示されている。係止環37は、略円筒形の内部空洞空間37Cを持ち、フィルタ保持器1が係止環37に接続されたときに、該空洞において、フィルタ筐体7が導入される。2つの弓型の隆線37Aが、空洞空間37Cにおいて径方向内側に突出し、2つの弓型の隆線37Aが中断される2つの部分37Bによって、互いから離隔されている。各弓型の隆線37Aの一方の端は、参照番号37Dにおいて丸められ又は傾斜させられ、フィルタ筐体7の羽根部7B(
図6、7参照)が、隆線37Aに載り、これによりフィルタ保持器1と係止環37との間のバヨネット接続を確立するようにする。
【0053】
付属部35Aとは反対側の作動環35の側面において、作動環35は、歯35C及びピン35Dを有する弾力的に変形可能なアーム35B(
図8及び9)を備える。歯35Cは、スライダ31の歯31Cとの協働のために構成され、ピン35Dは、座部5の底部に配置されていても良いカム輪郭39との協働のために構成される。歯35C及び31Cはラッチ機構を形成し、フィルタ保持器の動作の以下の説明からより理解されるように、スライダ31を作動環35に一時的に拘束する。
【0054】
図5に最も良く示されるように、カム輪郭39は、好適にはチャネルの形をとり、径方向外側に突出する突起部39Aと、座部5の円筒壁と略同軸である部分39Bと、座部5の円筒壁に接近するよう傾斜させられた部分39Cと、を持ち、その目的は、フィルタ保持器の動作の説明から明確となるであろう。
【0055】
以上に説明されたフィルタ保持器の動作は、以下のとおりである。
【0056】
一般的に、フィルタ保持器1は、係止環37に対して第1の角度位置に配置され、フィルタ筐体の上部が係止環37の円筒空洞37Cの中となるよう導入される。開始位置において、カム21は、弁ストッパ13が開位置(
図3)に保持されるように位置させられる。次いで、ハンドル部3によって、フィルタ保持器1は回転させられ、バヨネット接続によってフィルタ保持器を係止環に係止させる。フィルタ保持器1の回転の間、スライダ31及び作動環35は、弾力性部材19及び34と組み合わせて、カム21を、弁ストッパ13が閉じることを許容する位置に動かす。弁ストッパ13は、弾力性部材19によって閉じられ、フィルタ保持器に十分な水圧が確立されるまで、閉位置のままとされる。加圧水の影響の下で弁ストッパ13が開くと、カム21が弁構成に作用し、弁ストッパ13が閉じることが防止される。
【0057】
より詳細には、以上に要約された工程は、以下のとおりとなる。
【0058】
係止環37に対するフィルタ保持器1の開始位置が、
図2に示される。フィルタ保持器の内側の構成要素の位置は、
図3に示される。環状のカム21は、楔型の部分21Wの厚い部分が、支持部材17と枢動アーム15との間に位置させられるように、角度的に配置される(
図3)。斯くして、枢動アーム15は、フィルタ筐体7の底部9から離隔されるよう維持され、弁ストッパ13は、開口11を閉じることを防止される。作動環35は、付属部35Aがフィルタ筐体7の羽根部7Bと整合されるように、フィルタ筐体7及び座部5に対して角度的に配置される(
図2参照)。フィルタ筐体7に、カートリッジ若しくはカプセル又はばらけたコーヒー粉(図示されていない)が導入されても良く、フィルタ保持器1がコーヒーマシンの係止環37と係合するよう動かされても良い。
【0059】
この目的のため、フィルタ保持器1は、
図2の上面図及び部分断面図において最も良く示されているように、係止環37の弓型の隆線37Aが中断される位置37Bと羽根部7B及び付属部35Aが整合させられるような位置に、ハンドル部3によって保持される。羽根部7Bは、隆線37Aよりも高い位置において、垂直方向に動かされることができる。
【0060】
この点において、操作者は、
図15乃至23に示された中間位置を通って動き、
図24、25の最終位置が実現されるまで、ハンドル部によって徐々にフィルタ保持器1を回転させることができる。フィルタ保持器1の中に配置された構成要素により実行される動きのシーケンスのより良い理解のため、種々の角度位置でフィルタ保持器を示す図において、係止環37及び/又はフィルタ保持器のハンドル部3の軸3Aが示されている。このことは、フィルタ保持器1をコーヒーマシン2に係止する工程の種々の段階の間の、係止環37に対するフィルタ保持器1の実際の角度位置の明確な示唆を与える。
【0061】
図2の初期位置から開始して、
図15において、フィルタ保持器1は、例えば約8°の第1の角度を実行している。当該第1の回転ステップの間、フィルタ保持器1のなかに配置された又はフィルタ保持器1により支持された全ての構成要素が、ハンドル部3、座部5及びフィルタ筐体7と共に回転する。
図15及び16の角度位置において、作動環35の付属部35Aが、係止環37に備えられた当接部37Y(
図17参照)と当接し、更に回転することを防止される。斯くして、フィルタ保持器1が係止環37の軸37X(
図3)のまわりに更に回転させられ、
図19及び20の位置に到達するとき、作動環35は、係止環37に対して固定されたままである。
【0062】
ここで
図19及び20を参照し、
図15及び16も引き続いて参照すると、例えば約30°の更なる回転が、フィルタ保持器1に対する作動環35の相互の動きを引き起こす。実際には、作動環35は、
図15、16の角度位置に係止されたままであり、一方フィルタ保持器1及び残りの構成要素は、30°だけ回転して、
図19及び20の位置に到達する。この相互の変位の結果、フィルタ保持器1がと共に回転するスライダ31の歯31Cは、作動環35の弾力的に変形可能なアーム35Bに配置された歯35Cと当接する。
図15、16の位置から
図19、20の位置までの動きの間、作動環35のピン35Dは、チャネル39のなかを動き、スライダ31の弓型の舌状部31Eは、作動環35のアーム35Bの背後を動き、アーム35Bが径方向外側に曲がることを防止する。当該位置が到達されると、スライダ31は係止され、歯35Cが歯31Cを捕捉しているため、フィルタ保持器1と共に更に回転することを防止される。
【0063】
ここで
図21、22を参照すると、ユーザにより作用させられたフィルタ保持器1の回転は、例えば更に20°継続されている。フィルタ保持器1が当該更なる角度位置に向けて回転しているとき、スライダ31は、作動環35に係止されたままであり、従って係止環37に対して固定されたままである。
図21、22の位置において、フィルタ保持器1は、更に約20°だけ回転させられており、一方でスライダ31は、以前に到達された位置において係止されたままである(
図18、20と比較のこと)。ばね34の第2の端34Cはスライダ31により係止されたままである一方、該ばね34の第1の端34Bはフィルタ保持器1のハンドル部3の動きに追従するため、ばね34は荷重を受ける。
【0064】
図19、20の位置から
図21、22の位置までの角度的な変位の間、突出部31Fは固定されたままであり、カム21は突出部31Fに当接しているのでカム21を係止する。従って、
図21、22の位置において、カム21は、一定の角度だけ回転軸21Aのまわりに回転している。カム21の回転運動は、楔部21Wをアーム15に対して変位させている。このとき、楔部21Wの薄い部分が、フィルタ筐体7の底部9との間に配置されている。斯くして、アーム15は、第1の弾力性部材19によって、底部9に向けて上方に枢動させられる。斯くして、
図23の垂直断面図に示されるように、弁ストッパ13は開口11を閉じる。
【0065】
図19、20の位置から
図21、22の位置までの動きの間、作動環35のピン35Dはチャネル39に載り、作動環35のアーム35Bが径方向外側に曲がることを防ぎ、これにより、
図21、22の角度位置が到達されるまで、歯31Cと35Cとが互いと係合したままとなる。この点において、ピン35Dは、フィルタの座部5の周縁部に向かって傾斜させられたチャネル39の部分39Cに沿って動き、斯くしてアーム35Bの径方向外側に向けた変位を引き起こし、従って歯35Cの径方向外側に向けた動きを引き起こす。このことは最終的に、歯31Cを歯35Cから離させる。
【0066】
歯35Cが離れるとすぐに、ばね34に蓄えられたエネルギーがスライダ31を前方に押し(
図22の矢印f31参照)、スライダ31が座部5と一体の止め部5Cに当接するまで、座部5に対してガイド部33に沿ってスライダ31の動きを引き起こす。
図24、25は、フィルタ保持器1及びその構成要素の最終的な位置を示す。スライダ31は、止め部5Cと当接した最終位置に到達している。突出部31は、カム21から離隔されている。しかしながら、カム21と第1の弾力性部材19により押されているアーム15との間の摩擦が、第2の弾力性部材25によりかけられるトルクよりも高い抵抗トルクをカム21に生成するため、カム21は、第3の弾力性部材25の押し力の下で動かない。
【0067】
斯くしてフィルタ保持器により達成される位置は、煎出サイクルが開始し得る、最終係止位置である。斯くして、フィルタ筐体7に配置されたカプセル又はコーヒー固形物(図示されていない)へと、熱水が係止環37を通して供給される。フィルタ筐体に圧力が高まり、コーヒー粉が熱い加圧された水に浸される。フィルタ筐体7における圧力が、ばね19の力に打ち克つのに十分となるとすぐに、弁ストッパ13が開き、枢動アーム15が軸15Aのまわりに下向きに動き、カム21を解放する。ばね25は、カム21を第1の位置に向けて付勢し、該位置において、楔型の部分21Wの厚い部分が、支持部材17と枢動アーム15との間に位置させられる。即ち、カム21は、
図3の位置に戻る。
【0068】
煎出サイクルが完了するまで、コーヒーが開口11及び出口5Aを通して供給される。煎出サイクルが完了すると、加圧された水の供給が停止され、弁ストッパ13が開位置にあるままであるため、フィルタ筐体7における圧力が開口11及び出口5Aを通して解放される。枢動アーム15の上に動いているカム21の楔型の部分21Wの厚い部分によって、弁ストッパ13が閉じることが防止される。
【0069】
フィルタ保持器1は次いで、係止環37から取り外され、コーヒーマシン2から取り外されても良い。
【0070】
図26乃至28は、
図25と同様の図による、取り外しステップの第1の段階における、フィルタ保持器1、スライダ31及び作動環35の動きを示す。ハンドル部3によるフィルタ保持器1の回転(
図26乃至28における矢印f1)は、止め部35Cに、作動環35の歯35Cに対してスライダ31及び該スライダの歯31Cを押し付けさせる。歯35Cに対する歯31Cの押しは、アーム35Bの径方向外側に向けた変位を引き起こす。該動きは、突起部39Aにおいて押されているピン35Dにより可能とされる。
図27に示されるように、歯31Cは歯35Cの上に乗り、次いで歯35Cは静置位置へと戻されることができる。フィルタ保持器1の更なる回転(
図28)は次いで、スライダ31及び作動環35を、
図15及び16の開始位置へと戻す。フィルタ保持器1が
図2の角度位置へと戻されると、フィルタ保持器1は係止環37から取り外されることができる。
【0071】
次いで使い終わったコーヒー又はカプセルがフィルタ保持器1から取り外され、フィルタ保持器1が洗浄されることができる。カム21により開位置に維持されている弁ストッパ13によって、フィルタ保持器1の種々の構成要素を通って水が自由に流れることができる。
【0072】
フィルタ保持器1にコーヒーが再び入れられ、係止環37に係止されて以上に説明された手順を繰り返すまで、弁12及び弁ストッパ13の開位置(
図3)が維持される。
【0073】
以上の説明から分かるように、本発明によるフィルタ保持器は、カム21を動かすことにより、係止環における該フィルタ保持器の最終的な係止位置が接近されるまで、常に開いた状態に維持されることができる弁を持つ。真に最終の係止位置が到達されると、カム21は再び弁を抑止する位置、即ちカムが弁ストッパ13が閉じることを防止する位置に動かされる。弁ストッパ13は、加圧された水の作用の下で開き、再び閉じることを防止される。
【0074】
全体の工程は、ユーザ側にいずれの動作をも必要とすることなく実行され、ユーザは、最終的な角度位置(
図21及び22)に到達するまで、第1の挿入位置(
図2)から、ハンドル部3によってフィルタ保持器を回転させるだけで良い。フィルタ保持器1の中の部材の全体の動きは、一方においては係止環との、他方においてはスライダ31との、作動環35の相互作用によって、及びスライダ31とカム21との間の相互作用によって、自動的に引き起こされる。
【0075】
ここで説明された本発明の開示された実施例は、特に幾つかの実施例と関連して詳細に図面において示され以上に完全に説明されたが、ここで示された新規な教示、原理及び概念、並びに添付される請求項に記載された本発明の利点から実質的に逸脱することなく、多くの変形、変更及び省略が可能であることは、当業者には明らかであろう。それ故、開示された発明の適切な範囲は、斯かる変形、変更及び省略の全てを包含するよう、添付される請求項の最も広い解釈によってのみ決定されるべきである。「有する(comprising)」なる語は、請求項に記載されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する「1つの(a又はan)」なる語は、複数の斯かる要素の存在を除外するものではない。幾つかの手段を列記した装置請求項において、これら手段の幾つかは同一のハードウェアのアイテムによって実施化されても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。