特許第6199006号(P6199006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199006
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】固体電解コンデンサ要素
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/028 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   H01G9/02 331G
【請求項の数】22
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2011-233359(P2011-233359)
(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公開番号】特開2012-104816(P2012-104816A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2014年5月23日
【審判番号】不服2016-6892(P2016-6892/J1)
【審判請求日】2016年5月11日
(31)【優先権主張番号】12/945,010
(32)【優先日】2010年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511167272
【氏名又は名称】エイヴィーエックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ラディスラフ ヴィルク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ペトルジレック
【合議体】
【審判長】 森川 幸俊
【審判官】 井上 信一
【審判官】 関谷 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−65179(JP,A)
【文献】 特開2009−194200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/028
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面、後面、上面、底面、第1の側面、及び第2の側面を有する固体電解コンデンサ要素であって、
バルブ金属組成物を含有するアノード本体と、
前記アノード本体の上に重なる誘電体と、
前記誘電体の上に重なる固体電解質と、
前記固体電解コンデンサ要素の前記前面から、アノード端子にレーザー溶接するために延びるアノードワイヤと、
光反射層及び応力散逸層を含む多層保護コーティングと、
前記固体電解質と前記多層保護コーティングの間に位置決めされた外部コーティングと、
を含み、
前記光反射層は、前記固体電解質の上に重なり、前記応力散逸層は、該光反射層の上に重なり、
前記光反射層は、前記前面及び、前記上面又は前記底面又は前記第1の側面又は前記第2の側面又はそれらの組み合わせの、少なくとも前記前面に隣接する部分に配置され、
前記光反射層は、複数の非金属反射性粒子を含有し、
前記応力散逸層は、複数の金属粒子を含み、
前記外部コーティングは、前記固体電解質の上に重なる炭素質層及び該炭素質層の上に重なる金属層を含み、
前記金属粒子は、0.1から50μmのメジアン径を有することを特徴とする固体電解コンデンサ要素。
【請求項2】
前記非金属反射性粒子は、1.7又はそれよりも大きい屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項3】
前記非金属反射性粒子は、無機粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項4】
前記無機粒子は、二酸化チタンを含むことを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項5】
前記二酸化チタンは、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項6】
前記非金属反射性粒子は、0.1から1μmの平均径を有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項7】
前記非金属反射性粒子は、前記光反射層の80重量%から100重量%を構成することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項8】
前記光反射層は、20から80μmの厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項9】
前記応力散逸層は、1から100μmの厚みを有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項10】
前記金属粒子は、銀を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項11】
前記金属層は、銀粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項12】
前記保護コーティングは、実質的に前記側面全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項13】
前記保護コーティングは、前記側面の一部分のみを覆うことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項14】
付加的な応力散逸層が、コンデンサ要素の前記後面に位置することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項15】
前記バルブ金属組成物は、タンタル、ニオブ、又はそれらの導電性酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項16】
前記固体電解質は、導電性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項17】
前記導電性ポリマーは、置換ポリチオフェンであることを特徴とする請求項16に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項18】
前記置換ポリチオフェンは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする請求項17に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項19】
前記固体電解質は、予重合された導電性ポリマー粒子の分散液から形成されることを特徴とする請求項16に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項20】
前記固体電解質は、カウンタイオンを更に含むことを特徴とする請求項19に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項21】
前記導電性ポリマー粒子は、前記誘電体と接触していることを特徴とする請求項19に記載の固体電解コンデンサ要素。
【請求項22】
前記固体電解質は、予重合された置換ポリチオフェン粒子の分散液から形成されることを特徴とする請求項19に記載の固体電解コンデンサ要素。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来型の固体電解コンデンサは、アノード本体と、誘電体層と、固体電解質とを収容する。アノード本体を端子に電気的に接続するために、アノードワイヤがコンデンサの表面から突出する。アノードワイヤを端子に接続するのに使用されることのある1つの有利な技術は、レーザ溶接である。レーザは、誘導放出によって光子を放射することができるレーザ媒体と、レーザ媒体の元素を励起するエネルギ源とを一般的に収容する。エネルギ源は、連続レーザビームを放射するためにレーザ媒体に連続エネルギを供給することができ、又はパルスレーザビームを放射するためのエネルギ放出を供給することができる。適切なレーザの1つの種類は、レーザ媒体が、ニオジムでドープされ、励起粒子がニオジムイオンNd3+であるイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)から構成されるものである。そのようなレーザは、赤外線スペクトル内の約1064nmの波長の光を典型的に放射する。残念なことに、小型ケースサイズに対してコンデンサのレーザ溶接を試みる時には、問題に直面することが多い。すなわち、小型ケースサイズは、レーザがアノードワイヤ及び端子の位置に比較的近く位置決めされることを必要とする。しかし、こうした近接位置では、レーザは、ワイヤ又はアノード端子によって容易に偏向され、コンデンサの固体電解質と衝突する場合がある。偏向したレーザビームは、その高エネルギのために、固体電解質の温度をそれが炭化を開始する程度まで有意に高める。固体電解質の炭化した部分は、誘電体層に接触し、従って、得られるコンデンサにおける不十分な電気的性能(例えば、大きい漏れ電流)の原因になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第6,322,912号明細書
【特許文献2】米国特許第6,391,275号明細書
【特許文献3】米国特許第6,416,730号明細書
【特許文献4】米国特許第6,527,937号明細書
【特許文献5】米国特許第6,576,099号明細書
【特許文献6】米国特許第6,592,740号明細書
【特許文献7】米国特許第6,639,787号明細書
【特許文献8】米国特許第7,220,397号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0019581号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0103638号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0013765号明細書
【特許文献12】米国特許第6,197,252号明細書
【特許文献13】米国特許第6,191,936号明細書
【特許文献14】米国特許第5,949,639号明細書
【特許文献15】米国特許第3,345,545号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0270725号明細書
【特許文献17】米国特許第6,987,663号明細書
【特許文献18】米国特許第5,111,327号明細書
【特許文献19】米国特許第6,635,729号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2006/0038304号明細書
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Bruanauer、Emmet、及びTeller、米国化学学会誌、60巻、1938、p.309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、レーザ溶接することができ、しかも優れた特性を保持することができる固体電解コンデンサに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態により、バルブ金属組成物を含有するアノード本体と、アノード本体の上に重なる誘電体と、誘電体の上に重なる固体電解質と、光反射層及び応力散逸層を含む多層保護コーティングとを含む固体電解コンデンサ要素を開示する。光反射層は、固体電解質の上に重なり、応力散逸層は、光反射層の上に重なる。光反射層は、複数の非金属反射粒子を含有し、応力散逸層は、複数の金属粒子を含む。ある一定の実施形態では、コンデンサ要素はまた、固体電解質と多層保護コーティングの間に位置決めされた外部コーティング(例えば、炭素質層及び銀層)を含むことができる。
【0006】
本発明の他の特徴及び態様をより詳細に以下に説明する。
【0007】
当業者を対象とした最良の方法を含む本発明の完全かつ有効な開示を添付図面への参照を含む本明細書の残り部分でより詳細に説明する。
【0008】
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じか又は類似の特徴又は要素を表すことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の固体電解コンデンサ要素の一実施形態の斜視図である。
図2図1のコンデンサの上面断面図である。
図3】本発明の固体電解コンデンサ要素の別の実施形態の上面断面図である。
図4】本発明の固体電解コンデンサ要素の更に別の実施形態の上面断面図である。
図5図1のコンデンサ要素がアノード端子にレーザ溶接された一実施形態の概略図である。
図6】ケーシング内に封入された図1のコンデンサ要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本説明は、例示的な実施形態の説明であるのみであり、例示的な構成に具現化された本発明のより広範な態様の制限としては意図されないことは、当業者によって理解されるものとする。
【0011】
一般的には、本発明は、その電気的性能における有意な劣化なしにレーザ溶接に耐えることができる固体電解コンデンサ要素に関する。このコンデンサ要素は、アノード本体と、誘電体と、固体電解質とを含有する。そうでなければコンデンサの製造中に発生する可能性がある損傷から固体電解質を防護するのに役立てるために、固体電解質の少なくとも一部分の上に重なる多層保護コーティングが本発明において用いられる。より詳細には、この保護コーティングは、固体電解質の上に重なる光反射層と、光反射層の上に重なる応力散逸層とを含む。光反射層は、例えば、レーザ溶接中にコンデンサの方向に不慮的に伝わるあらゆる光を反射することを助けることができる。これは、固体電解質のレーザへの接触の低下をもたらし、従って、そうでなければ炭化によって生成されたであろうこの電解質内の欠陥を最小にする。応力散逸層は、コンデンサが受ける応力(例えば、封入、リフロー中など)を消散させるのに更を助けることができ、それによってこの応力は固体電解質に損傷を与えないことになる。応力散逸層は、本質的に比較的多孔質とすることができ、それによってコンデンサに閉じ込められた湿分は、脱出可能であり、かつそうでなければ固体電解質に伝達される可能性がある圧力を低減する。その結果、得られるコンデンサは、比較的低いESR及び低い漏れ電流のような性能特性によって特徴付けられる。
【0012】
ここで、本発明の様々な実施形態をより詳細に以下に説明する。
【0013】
I.アノード
固体電解コンデンサのアノードは、約2,000μF*V/gから約700,000μF*V/g、一部の実施形態において約5,000から約300,000μF*V/g、一部の実施形態において約20,000から約200,000μF*V/gの広範囲にある比電荷を有するバルブ金属組成物から形成することができる。バルブ金属組成物は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、それらの合金、それらの酸化物、及びそれらの窒化物などのようなバルブ金属(すなわち、酸化の可能な金属)又はバルブ金属ベースの化合物を含有する。例えば、バルブ金属組成物は、1:1.0±1.0、一部の実施形態において1:10±0.3、一部の実施形態において1:10±0.1、一部の実施形態において1:1±0.05のニオブの酸素に対する原子比を有するニオブ酸化物のようなニオブの導電性酸化物を含有することができる。例えば、ニオブ酸化物は、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1、及びNbO2とすることができる。好ましい実施形態では、この組成物は、NbO1.0を含有し、これは、高温での焼結の後であっても化学的に安定のままとすることができる。そのようなバルブ金属酸化物の例は、Fifeに付与された米国特許第6,322,912号明細書、Fife他に付与された第6,391,275号明細書、Fife他に付与された第6,416,730号明細書、Fifeに付与された第6,527,937号明細書、Kimmel他に付与された第6,576,099号明細書、Fife他に付与された第6,592,740号明細書、及びKimmel他に付与された第6,639,787号明細書、及びKimmel他に付与された第7,220,397号明細書、並びにSchnitterに付与された米国特許出願公開第2005/0019581号明細書、Schnitter他に付与された第2005/0103638号明細書、Thomas他に付与された第2005/0013765号明細書に説明されており、それらの全ては、全ての目的に対してそれへの引用により全体として本明細書に組み込まれている。
【0014】
従来型の製造手順をアノード本体を形成するために一般的に利用することができる。一実施形態では、ある一定の粒径を有するタンタル又はニオブ酸化物が最初に選択される。例えば、この粒子は、薄片状、角状、結節状、及びそれらの混合又は変形とすることができる。粒子は、典型的に少なくとも約60メッシュ、一部の実施形態において約60から約325メッシュ、一部の実施形態において約100から約200メッシュの篩サイズ分布も有する。更に、比表面積は、約0.1から約10.0m2/g、一部の実施形態において約0.5から約5.0m2/g、一部の実施形態において約1.0から約2.0m2/gである。用語「比表面積」は、吸着気体として窒素を用いたBruanauer、Emmet、及びTeller、米国化学学会誌、60巻、1938、p.309の物理的気体吸着(B.E.T.)法によって測定された表面積を意味する。更に、バルク(又はScott)密度は、典型的に約0.1から約5.0グラム/立方センチ(g/cm3)、一部の実施形態において約0.2から約4.0g/cm3、一部の実施形態において約0.5から約3.0g/cm3である。
【0015】
アノード本体の構成を容易にするために、他の成分をこの粉末に添加することができる。例えば、粒子が、アノード本体を形成するためにプレスされる時に相互に適切に接着することを保証するために、結合剤及び/又は滑剤を使用することができる。適切な結合剤としては、樟脳、ステアリン酸及び他の石けんのような脂肪酸、カーボワックス(Union Carbide)、グリプタル(General Electric)、ナフタリン、植物性ワックス、及びマイクロワックス(精製パラフィン)を含むことができる。結合剤は、溶媒中に溶解又は分散させることができる。例示的な溶媒としては、水及びアルコールなどを含むことができる。利用される場合、結合剤及び/又は滑剤の比率は、全量の約0.1重量%から約8重量%まで変えることができる。しかし、本発明においては、結合剤及び滑剤は要求されないことを理解すべきである。
【0016】
得られた粉末は、あらゆる従来型の粉末プレス成形を用いて圧密化することができる。例えば、プレス成形は、ダイと1つ又は複数のパンチとを用いる単一ステーション圧密プレス成形とすることができる。代替的に、アンビル型圧密プレス成形を使用することができ、これは、ダイと単一のより低いパンチとをのみ用いる。単一ステーション圧密プレス成形は、シングルアクション、ダブルアクション、フローティング・ダイ、可動プラテン、対向ラム、スクリュー、衝撃、ホットプレス、コイニング、又はサイジングのような様々な機能を有するカム、トグル/ナックル、及び偏心/クランクのようないくつかの基本型で利用することができる。必要に応じて、形成されたペレットをある一定の温度(例えば、約150℃から約500℃)で数分間真空の下で加熱するなどにより、あらゆる結合剤/滑剤を圧密化の後に除去することができる。代替的に、Bishop他に付与された米国特許第6,197,252号明細書に説明されているように、ペレットと水溶液の接触によって結合剤/滑剤を除去することができ、この特許は、全ての目的に対してその引用により全体として本明細書に組み込まれている。
【0017】
プレスされたアノード本体の厚みは、約4ミリメートル又はそれ未満、一部の実施形態では約0.05から約2ミリメートル、一部の実施形態では約0.1から約1ミリメートルのような比較的薄いものとすることができる。アノード本体の形状も、得られるコンデンサの電気的特性を改善するように選択することができる。例えば、アノード本体は、湾曲、正弦波、矩形、U字形、V字形などである形状を有することができる。アノード本体は、表面の容積に対する比率を高めてESRをできるだけ低下させ、かつキャパシタンスの周波数応答を拡張させるために、その中に1つ又はそれよりも多くの山、溝、凹部、又は欠刻を含む「溝付き」形状も有することができる。そのような「溝付き」アノードは、例えば、Webber他に付与された米国特許第6,191,936号明細書、Maeda他に付与された第5,949,639号明細書、及びBourqault他に付与された第3,345,545号明細書、並びにHahn他に付与された米国特許出願公開第2005/0270725号明細書に説明されており、それらの全ては、全ての目的に対してそれへの引用により全体として本明細書に組み込まれている。
【0018】
必要に応じて、アノードリードもアノード本体に取り付けることができる。アノードリードは、ワイヤ、シートのような形態とすることができ、タンタル、ニオブ、ニオブ酸化物などのようなバルブ金属化合物から形成することができる。リードの取り付けは、リードを本体に溶接するか又は成形中にアノード本体内部にリードを埋め込むことによるなどの公知の技術によって達成することができる。
【0019】
また、アノードは、誘電体で被覆される。誘電体は、焼結されたアノードを陽極的に酸化(陽極酸化)することによって形成することができ、それによって誘電体層が、アノードを覆い、及び/又はアノード内部に形成される。例えば、タンタル(Ta)アノードは、五酸化タンタル(Ta25)に陽極酸化することができる。一般的に、陽極酸化は、例えば、アノードを電解質内に浸漬するなどして、アノードに溶液を最初に付加することによって行われる。水(例えば、脱イオン水)のような溶媒が一般的に用いられる。イオン伝導度を高めるために、この溶媒内で解離できてイオンを形成する化合物を用いることができる。そのような化合物の例としては、この電解質に関して、例えば、以下に説明するような酸が挙げられる。例えば、酸(例えば、リン酸)は、陽極酸化溶液の約0.01重量%から約5重量%、一部の実施形態において約0.05重量%から約0.8重量%、一部の実施形態において約0.1重量%から約0.5重量%を構成することができる。必要に応じて、酸の配合物も用いることができる。
【0020】
陽極酸化溶液を通過して電流が流され、誘電体層が形成される。形成電圧の値は、誘電体層の厚みを管理する。例えば、電力供給は、必要な電圧に到達するまでガルバノスタットモードに最初に設定することができる。その後、電力供給は、ポテンショスタットモードに切り換えることができ、望ましい誘電体厚みがアノードの全面を覆って形成されることが保証される。言うまでもなく、パルス又はステップポテンショスタット法のような他の公知の方法を使用することもできる。陽極酸化が行われる電圧は、典型的に約4から約250V、一部の実施形態において約9から約200V、一部の実施形態において約20から約150Vの範囲である。酸化の期間、陽極酸化溶液は、約30℃又はそれよりも高く、一部の実施形態において約40℃から約200℃、一部の実施形態において約50℃から約100℃のような高い温度に維持することができる。陽極酸化は、室温で又はそれ未満で行うことができる。得られる誘電体層は、アノード表面上及びその空隙内部に形成することができる。
【0021】
II.カソード
上述のように、固体電解質が誘電体の上に重なり、これは、一般的にコンデンサのためのカソードとして機能する。固体電解質は、無機材料(例えば、二酸化マンガン)又は有機材料(例えば、導電性ポリマー、7,7’,8,8’−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体など)のような様々な公知の材料から形成することができる。1つの特定の実施形態では、導電性ポリマーが、固体電解質として用いられる。一般的に、こうした導電性ポリマーは、π共役であり、例えば、酸化の後での少なくとも1μScm-1の導電率のような酸化又還元の後での真性導電率を有する。そのようなπ共役導電性ポリマーの例としては、例えば、ポリヘテロ環(例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなど)、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェノレートなどが挙げられる。特に適切な導電性ポリマーは、以下の一般構造、
を有する置換ポリチオフェンであり、ここで、Tは、O又はSであり、Dは、任意的に置換されたC1からC5アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレンなど)であり、R7は、直鎖又は分岐の任意的に置換されたC1からC18のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−,iso−,sec−又はtert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなど)、任意的に置換されたC5からC12のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなど)、任意的に置換されたC6からC14のアリール基(例えば、フェニル、ナフチルなど)、任意的に置換されたC7からC18のアラルキル基(例えば、ベンジル、o−,m−,p−トリル,2,3−,2,4−,2,5−,2,6−,3,4−,3,5−キシリル、メシチルなど)、任意的に置換されたC1からC4のヒドロキシアルキル基、又はヒドロキシル基であり、qは、0から8、一部の実施形態において0から2の整数であり、一部の実施形態において0であり、nは、2から5,000、一部の実施形態において4から2,000、一部の実施形態において5から1,000である。化学基「D」又は「R7」のための置換基の例としては、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、アミノ、アルデヒド、ケト、カルボン酸エステル、カルボン酸、カーボネート、カルボキシレート、シアノ、アルキルシラン及びアルコキシシラン基、カルボキシアミド基などが挙げられる。
【0022】
特に適切なチオフェンポリマーは、「D」が任意的に置換されたC2からC3のアルキレン基のものである。例えば、このポリマーは、任意的に置換されたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であり、これは、以下の一般構造:
を有する。
【0023】
上述したような導電性ポリマーを形成する方法は、当業技術で公知である。例えば、本明細書にその全ての目的に対して引用により全体として組み込まれているMerker他に付与された米国特許第6,987,663号明細書は、モノマー前駆体から置換ポリチオフェンを形成する様々な技術を説明している。モノマー前駆体は、例えば、以下に構造:
を有し、ここで、T、D、R7、及びqは、上記に定められている。特に適切なチオフェンモノマーは、「D」が、任意的に置換されたC2からC3アルキレン基のものである。例えば、以下の一般構造:
を有する任意的に置換された3,4−アルキレンジオキシチオフェンを使用することができ、ここで、R7及びqは、上記に定められている。1つの特定の実施形態では、「q」は0である。3,4−エチレンジオキシチオフェンの市販の適切な一例は、「H.C.Starck GmbH」から「Clevios(登録商標)M」の名称で入手可能である。他の適切なモノマーは、本明細書にその全ての目的に対して引用により全体として組み込まれているBlohm他に付与された米国特許第5,111,327号明細書及びGroenedaal他に付与された米国特許第6,635,729号明細書にも説明されている。これらのモノマーの誘導体を使用することもでき、それらは、上述のモノマーのダイマー又はトライマーである。より高分子の誘導体、すなわち、モノマーのテトラマー、ペンタマーなどは、本発明での使用に適切である。この誘導体は、同一の又は異なるモノマー単位から構成することができ、かつ純粋形態、並びに相互との混合物及び/又はモノマーとの混合物の状態で使用することができる。これらの前駆体の酸化又は還元型も用いることができる。
【0024】
このチオフェンモノマーは、酸化触媒の存在下で化学重合することができる。酸化触媒は、アンモニウム、ナトリウム、金、鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(IV)、マンガン(VII)、又はルテニウム(III)カチオンなどのような遷移金属カチオンを含有する有機又は無機酸の塩のような遷移金属塩とすることができる。特に適切な遷移金属塩としては、ハロゲン化物(例えば、FeCl3又はHAuCl4)、他の無機酸の塩(例えば、Fe(ClO43、Fe2(SO43、(NH4228、又はNa3Mo12PO40)、及び有機基を含む有機酸及び無機酸の塩が挙げられる。有機基を有する無機酸の塩の例としては、例えば、C1からC20アルカノールの硫酸モノエステルの鉄(III)塩(例えば、ラウリルサルフェートの鉄(III)塩)が挙げられる。同様に、有機酸の塩の例としては、例えば、C1からC20のアルカンスルホン酸(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、又はドデカンスルホン酸)の鉄(III)塩、脂肪族ペルフルオロスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、又はペルフルオロオクタンスルホン酸)の鉄(III)塩、C1からC20の脂肪族カルボン酸(例えば、2−エチルヘキシルカルボン酸)の鉄(III)塩、脂肪族ペルフルオロカルボン酸(例えば、トリフルオロ酢酸、又はペルフルオロオクタン酸)の鉄(III)塩、C1からC20のアルキル基によって任意的に置換された芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はドデシルベンゼンスルホン酸)の鉄(III)塩、及びシクロアルカンスルホン酸(例えば、カンファースルホン酸)の鉄(III)塩などが挙げられる。これらの上述の塩の混合物を使用することもできる。
【0025】
必要に応じて、モノマーの重合が前駆体溶液中で行うことができる。水、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジプロピレングリコールなど)、グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、イソプロピルグリコールエーテルなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリリック/カプリック脂肪酸アミド、及びN−アルキルピロリドン)、スルホキシド又はスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン)、フェノール化合物(例えば、トルエン、キシレンなど)などのような溶媒(例えば、極性プロトン性又は非極性)をこの溶液に使用することができる。この反応のためには、水が特に適切な溶媒である。用いられる時に、前駆体溶液内の溶剤の全量は、約40重量%から約90重量%、一部の実施形態において約50重量%から約85重量%、一部の実施形態において約60重量%から約80重量%を構成することができる。
【0026】
チオフェンモノマーの重合は、約10℃から約100℃、一部の実施形態において約15℃から約75℃の温度で一般的に行われる。反応が完了すると、公知の濾過技術をあらゆる塩不純物を除去するために使用することができる。分散液を精製するために、1つ又はそれよりも多くの洗浄段階を使用することもできる。
【0027】
固体電解質をアノード部分上に付加するために様々な方法を利用することができる。一実施形態では、酸化剤とモノマー前駆体が、順番に又は一緒に付加され、それによって重合反応がこの部分上に原位置で生じるようになっている。導電性ポリマーコーティングを形成するために使用することができる適切な付加技術としては、スクリーン印刷、浸漬、電着コーティング、及び噴霧が挙げられる。例示的に、モノマー前駆体(例えば、3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)がまず酸化剤と混合することができ、溶液が形成される。1つの適切な酸化剤は、「CLEVIOS(登録商標)C」であり、これは、トルエンスルホン酸鉄IIIである。「CLEVIOS(登録商標)C」は、PEDTのモノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンである「CELVIOS(登録商標)M」のための市販の触媒である。混合物が形成されると、次に、アノード部分は、この溶液に浸漬することができ、それによってポリマーがアノード部分の表面上に形成される。代替的に、酸化剤と前駆体は、個別にアノード部分に付加することができる。一実施形態では、例えば、酸化剤は溶媒(例えば、ブタノール)に溶解され、次に、浸漬溶液としてアノード部分に付加される。アノード部分は、次に、乾燥することができ、それから溶媒が除去される。その後、アノード部分は、適切なモノマーを含有する溶液内に浸漬することができる。
【0028】
原位置付加に加えて、固体電解質は、予め重合された固体導電性ポリマー粒子の分散液の形態でこの部分に付加することができる。それらの粒径は、変えることができるが、アノード部分に付加することができる表面積を増大させる小さい直径を有することが典型的に望ましい。例えば、この粒子は、約1から約200ナノメートル、一部の実施形態において約2から約100ナノメートル、一部の実施形態では約4から約50ナノメートルの平均径を有することができる。粒径は、超遠心、レーザ回折などによるなどの公知の技術を用いて測定することができる。粒子の形状も、同様に変えることができる。例えば、1つの特定の実施形態において、この粒子は、球状の形状である。しかし、プレート、ロッド、ディスク、バー、チューブ、不規則形状などのような他の形状も本発明によって意図されることを理解すべきである。分散液内の粒子の濃度は、分散液の望ましい粘性及び分散液がコンデンサに付加される特定の方式に基づいて変えることができる。しかし、典型的にこの粒子は、分散液の約0.1から約10重量%、一部の実施形態において約0.4から約5重量%、一部の実施形態において約0.5から約4重量%を構成する。
【0029】
必要に応じて、微粒子形態への導電性ポリマーの形成は、帯電した導電性ポリマー(例えば、ポリチオフェン)を中和する個別のカウンタイオンの使用によって容易にされる。すなわち、典型的に固体電解質に使用される導電性ポリマー(例えば、ポリチオフェン又はそれらの誘導体)は、中性又は陽性(カチオン性)である主ポリマー鎖に電荷を典型的に有する。例えば、ポリチオフェン誘導体は、主ポリマー鎖内に陽電荷を典型的に有する。場合によっては、ポリマーは、構造単位内に陽及び陰電荷を有し、陽電荷は主鎖上に位置し、陰電荷は、任意的に、スルホネート基又はカルボキシレート基のような化学基「R」の置換基上に位置する。主鎖の陽電荷は、化学基「R」上に任意的に存在するアニオン基で部分的又は全体的に飽和することができる。全体的にみると、このポリチオフェンは、これらの場合には、カチオン性、中性、又は更にはアニオン性とすることができる。それにも関わらず、それらは、全てカチオン性ポリチオフェンと見なされ、これは、ポリチオフェン主鎖が陽電荷を有するからである。
【0030】
カウンタイオンは、モノマーアニオン又はポリマーアニオンとすることができる。ポリマーアニオンは、例えば、ポリマーカルボン酸(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマーレイン酸など)、ポリマースルホン酸(例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸など)などとすることができる。この酸は、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸と、アクリル酸エステル及びスチレンのような他の重合可能モノマーとのコポリマーのようなコポリマーとすることができる。更に、適切なモノマーアニオンとしては、例えば、C1からC20のアルカンスルホン酸(例えば、ドデカンスルホン酸)、脂肪族ペルフルオロスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、又はペルフルオロオクタンスルホン酸)、C1からC20の脂肪族カルボン酸(例えば、2−エチルヘキシルカルボン酸)、脂肪族ペルフルオロカルボン酸(例えば、トリフルオロ酢酸、又はペルフルオロオクタン酸)、C1からC20のアルキル基によって任意的に置換された芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はドデシルベンゼンスルホン酸)、及びシクロアルカンスルホン酸(例えば、カンファースルホン酸又はテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート又はヘキサクロロアンチモネート)などのアニオンが挙げられる。特に適切なカウンタイオンは、ポリマーカルボン酸又はポリマースルホン酸(例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS))のようなポリマーアニオンである。こうしたポリマーアニオンの分子量は、一般的に、約1,000から約2,000,000、一部の実施形態において約2,000から約500,000の範囲にある。
【0031】
用いられる時に、固体電解質の所定の層内のこうしたカウンタイオンの導電性ポリマーに対する重量比率は、典型的に約0.5:1から約50:1、一部の実施形態において約1:1から約30:1、一部の実施形態において約2:1から約20:1である。上述の重量比率に参照される導電性ポリマーの重量は、重合中に完全な変換が起こると仮定して、使用されるモノマーの加わった部分に対応している。
【0032】
導電性ポリマー及び任意的なカウンタイオンに加えて、分散液は、1つ又はそれよりも多くの結合剤を含有することができ、ポリマー層の付加特性が更に改善され、分散液内の粒子の安定性も高められる。結合剤は、本質的に有機性とすることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸アミド、ポリアクリロニトリル、スチレン/アクリル酸エステル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル及びエチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、メラミン・ホルムアミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はセルロースのようなものである。結合剤の付加機能を高めるために、架橋剤も用いることができる。こうした架橋剤としては、例えば、メラミン化合物、マスクドイソシアネート又は3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、テトラエトキシシラン及びテトラエトキシシラン加水分解物のような官能性シラン又はポリウレタン、ポリアクリレート又はポリオレフィンのような架橋可能ポリマーが挙げられ、並びにその後の架橋が含まれる。
【0033】
固体電解質の形成とそれをアノード部分に付加する機能とを容易にするために、分散剤も用いることができる。適切な分散剤としては、脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、i−プロパノール及びブタノール)、脂肪族ケトン(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、脂肪族カルボン酸エステル(例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン及びキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサン)、塩素化炭化水素(例えば、ジクロロメタン及びジクロロエタン)、脂肪族ニトリル(例えば、アセトニトリル)、脂肪族スルホキシド及びスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド及びスルホラン)、脂肪族カルボン酸アミド(例えば、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミド)、脂肪族及びアラリファチックエーテル(例えば、ジエチルエーテル及びアニソール)、水、及び上記溶媒のあらゆる混合物が挙げられる。特に適切な分散剤は、水である。
【0034】
上述したものに加えて、更に他の成分も分散液内に使用することができる。例えば、約10ナノメートルから約100マイクロメートル、一部の実施形態において約50ナノメートルから約50マイクロメートル、一部の実施形態において約100ナノメートルから約30マイクロメートルのサイズを有する従来型の充填剤を使用することができる。こうした充填剤の例としては、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、シリカ、硫酸カルシウム又はバリウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維又はガラス球、木粉、セルロース粉末カーボンブラック、導電性ポリマーなどが挙げられる。充填剤は、粉末の形態で分散液内に導入することができるが、繊維のような別の形態で存在することができる。
【0035】
イオン性又は非イオン性界面活性剤のような界面活物質も分散液内に用いることができる。更に、有機官能性シラン又はそれらの加水分解物である、例えば、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はオクチルトリエトキシシランのような接着剤も用いることができる。分散液は、エーテル基含有化合物(例えば、テトラヒドロフラン)、ラクトン基含有化合物(例えば、γ−ブチロラクトン又はγ−バレロラクトン)、アミド又はラクタム基含有化合物(例えば、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン(NMP)、N−オクチルピロリドン、又はピロリドン)、スルホン及びスルホキシド(例えば、スルホラン(テトラメチレンスルホン)又はジメチルスルホキシド(DMSO))、糖又は糖誘導体(例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、又は乳糖)、糖アルコール(ソルビット又はマンニット)、フラン誘導体(例えば、2−フランカルボン酸又は3−フランカルボン酸)、アルコール(例えば、エチレングリコール、グリセリン、ジ−又はトリエチレングリコール)のような導電性を高める添加剤も含むことができる。
【0036】
ポリマー分散液は、スピンコーティング、含浸、注加、液滴毎付加、注入、噴霧、ドクターブレーディング、刷毛塗り、印刷(例えば、インクジェット、スクリーン、又はパッド印刷)のような様々な公知の技術を使用することによってこの部分に付加することができる。分散液の粘性は、用いられる付加技術に基づいて変えることができるが、典型的に約0.1から約100,000mPas(100s-1の剪断速度で測定して)、一部の実施形態において約10から約1,500mPas、一部の実施形態において約100から約1000mPasである。付加されると、層は、乾燥させて洗浄することができる。
【0037】
こうした導電性ポリマー粒子の分散液を用いる1つの利点は、分散液が、コンデンサ本体のエッジ領域内に浸透し、誘電体と接触してそれとの接着性を高めることができることである。これは、より機械的に頑強な部分をもたらし、等価直列抵抗及び漏れ電流を低減することができる。こうした分散液は、原位置重合中に生成され、イオン移動によって高電界の下での絶縁破壊を引き起こす可能性があるイオン種(例えば、Fe2+又はFe3+)の存在を最小にすることができる。従って、導電性ポリマーを原位置重合によってではなく分散液として付加することにより、得られたコンデンサは、漏れ電流が1mAに達するまで3ボルトづつ印加電圧を高めて測定された時に、約60ボルト又はそれよりも高く、一部の実施形態において約80ボルト又はそれよりも高く、一部の実施形態において約100ボルト又はそれよりも高く、一部の実施形態において約120ボルトから約200ボルトのような比較的高い「降伏電圧」(コンデンサが損なわれる電圧)を示すことができる。
【0038】
必要に応じて、固体電解質は、1つ又は複数の層から形成することができる。複数の層が使用される時に、この層の1つ又はそれよりも多くは、原位置重合によって及び/又は分散液として形成された導電性ポリマーを含むことができる。しかし、非常に高い降伏電圧(例えば、約120から200ボルト)を得ることが要求される時に、固体電解質は、上述のポリマー分散液から基本的に典型的に形成され、原位置重合によって形成された導電性ポリマーを一般的に含まない。使用される層の数に関わらず、得られた固体電解質は、典型的に約1マイクロメートル(μm)から約200μm、一部の実施形態において約2μmから約50μm、一部の実施形態において約5μmから約30μmの全体厚みを有する。
【0039】
アノード部分に付加されると、固体電解質は、任意的にヒーリング処理することができる。ヒーリング処理は、固体電解質層の各々の付加の後、又はコーティング全体の付加の後に行うことができる。一部の実施形態では、例えば、固体電解質は、酸の溶液のような電解質溶液内にペレットを浸漬し、その後、電流が予め設定したレベルに低下するまで一定電圧を印加することによって行われる。必要に応じて、こうしたヒーリング処理は複数の段階で達成することができる。上述した一部又は全ての層の付加の後、得られる部分は、必要に応じて次に洗浄することができ、様々な副産物、過剰の酸化剤などが除去される。更に、一部の場合には、上述の浸漬操作のうちの一部又は全ての後に乾燥を利用することができる。例えば、酸化剤の付加の後及び/又はペレットの洗浄の後にこの部分の空隙を開き、それによってそれが次の浸漬段階の時に液体を受け取ることができるように、乾燥が望ましい場合がある。
【0040】
固体電解質に加えて、カソードには、当業技術で公知な様々な他の層も用いることができる。例えば、コンデンサは、固体電解質の上に重なる金属層を使用することができる。金属層は、コンデンサのための半田付け可能導体、接触層、及び/又は電荷コレクターとして機能を果たすことができ、銅、ニッケル、銀、ニッケル、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びそれらの合金のような導電性金属から形成することができる。この層での使用ためには、銀が特に適切な導電性金属である。必要に応じて、炭素質層は、カソード内に含まれて固体電解質と金属層の間に配置することができ、金属層と固体電解質層の間の接触が制限され、そうでなければこの接触は、コンデンサの抵抗を増大させるであろう。個々の炭素質層は、グラファイト、活性炭、カーボンブラックなどのような様々な公知の炭素質材料から形成することができる。炭素質層の厚みは、典型的に約1μmから約50μm、一部の実施形態において約2μmから約30μm、一部の実施形態において約5μmから約10μmの範囲である。更に、金属層の厚みは、典型的に約1μmから100μm、一部の実施形態において約5μmから約50μm、一部の実施形態において約10μmから約25μmの範囲である。
【0041】
III.多層保護コーティング
本発明のコンデンサは、少なくとも1つの光反射層及び少なくとも1つの応力散逸層を含む多層保護コーティングも含む。光反射層は、固体電解質の上に重なり、応力散逸層は、光反射層の上に重なる。本明細書での用語「上に重なる」の使用は、特定のコーティング又は層が先行する層の後で付加されることを単に意味することを理解すべきである。しかし、このコーティング又は層の何らかの部分は、先行コーティング又は層と混合し又はそれらを通過して流れ、そのためにこのコーティング又は層が先行コーティング又は層全体を厳密には覆わない場合がある。例えば、光反射層の何らかの部分は、固体電解質のないアノード本体の空隙内に通される場合がある。それにも関わらず、光反射層は、依然として固体電解質の上に重なっている。更に、用語「上に重なる」は、先行層の間の追加層の使用を除外しない。例えば、1つ又はそれよりも多くの層は、固体電解質と保護コーティングの間に付加することができ、このコーティングは、それにも関わらず固体電解質の上に重なると見なされる。1つの特定の実施形態では、上述のように、外部コーティング(例えば、炭素質層及び金属層)が固体電解質と保護コーティングの間に位置決めされる。
【0042】
A.光反射層
光反射層は、ある一定の種類の入射光(例えば、レーザ光)を反射するように構成され、それによってこの光が固体電解質に実質的に接触せず、潜在的炭化が抑制されるようになっている。光反射層は、約1.7又はそれよりも高く、一部の実施形態において約2.0又はそれよりも高く、一部の実施形態において約2.2つ又はそれよりも高く、一部の実施形態において約2.4又はそれよりも高い比較的高い屈折率を有する粒子を一般的に含有する。コンデンサの電気的特性を最適化するために、光反射層は非金属性であり、かつ任意的に非導電性であることも典型的に望ましい。これに関連して、この反射性粒子は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、粘土、ガラス粉末、及びゼオライトなどである無機粒子、及び有機粒子などのような誘電体から典型的に形成される。光反射層に使用するために特に適切な絶縁性粒子としては、ルチル型二酸化チタン(約2.73の屈折率)、アナターゼ型二酸化チタン(約2.55の屈折率)、硫化亜鉛(約2.32の屈折率)、及び酸化亜鉛(約2.0の屈折率)が挙げられる。
【0043】
反射性粒子は、それらの吸光度をできるだけ小さくするために、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、及びマンガンのような有色元素の含量が典型的に低い。例えば、5ppm又はそれ未満のバナジウム含量を有する酸化チタンを使用することができる。そのような粒子は、塩素法によって製造することができ、塩素法では主として酸化チタンから構成されるルチル鉱が高温オーブン内で約1,000℃で塩素と反応し、四塩化チタンが生成される。次に、四塩化チタンは、酸素を用いて燃焼され、高純度の酸化チタンが形成される。有色元素の含量が典型的に低くても、それでもなおこの粒子には、他の特性(例えば、分散性)を改善するための処理剤を加えることができる。そのような処理剤の例としては、脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0044】
反射性粒子の粒径は、この層の光散乱を最適化するように選択することができる。例えば、高屈折率粒子に対して最大散乱が見られる粒径(D)は、次式:
によって推算することができ、ここで、λは、入射光の波長であり、n1は、粒子の屈折率であり、n2は、層の連続相の屈折率(例えば、水の屈折率は、約1.33)である。例えば、Nd:YAGレーザは、赤外線スペクトルでの1064nmの波長を有する光を典型的に放射する。この波長で、ルチル型及びアナターゼ型二酸化チタンに関する推算された最適散乱粒径は、それぞれ約0.47μm及び約0.55μmである。上記を考慮して、本発明の反射性粒子は、約0.01から約5μm、一部の実施形態において約0.05から約2μm、一部の実施形態において約0.1から1μmの範囲にある平均粒径を有するように選択することができる。
【0045】
光反射層を形成するために、反射性粒子は、一般的に溶媒に分散される。水、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、及びジプロピレングリコール)、グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、及びイソプロピルグリコールエーテル)、エーテル(例えば、ジメチルエーテル及びテトラヒドロフラン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール)、トリグリセライド、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールアセテート、及びメトキシプロピルアセテート)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリリック/カプリック脂肪酸アミド、及びN−アルキルピロリドン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びベンゾニトリル)、及びスルホキシド又はスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン)などのような様々な溶媒のうちのいずれかの溶媒を使用することができる。本発明の1つの特定の利点は、水性溶媒(例えば、水)を使用することができることである。実際には、水は、コーティング調製物に使用される溶媒の約20重量%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約50重量%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約75重量%から100重量%を構成することができる。
【0046】
コーティング調製物に使用される溶媒の全濃度は変えることができるが、典型的にコーティング調製物の約10重量%から約90重量%、一部の実施形態において約20重量%から約85重量%、一部の実施形態において約40重量%から約80重量%である。言うまでもなく、使用される溶媒の特定の量は、コーティング調製物の望ましい固形物含量及び/又は粘性によってある程度定まる。例えば、固形物含量は、約10重量%から約90重量%、より詳細には、約15重量%から約80重量%、かつ更に詳細には、約20重量%から約60重量%の範囲とすることができる。コーティング調製物の固形物含量を変化させることにより、コーティング調製物中の光反射粒子の存在を制御することができる。例えば、光反射粒子をより高レベルで有するコーティング調製物を形成するために、この調製物は、比較的高い固形物含量をもたらすことができ、それによってこの粒子のより大きい百分率がこの層内に組み込まれる。更に、コーティング調製物の粘性も、使用される付加方法及び/又は溶媒の種類に基づいて変えることができる。しかし、この粘性は、30rpm及び25℃で作動するスピンドルNo2を使用して「Brookfield DV−1」粘度計で測定した時に、典型的に約5から約500センチポアズ、一部の実施形態において約10から約450センチポアズ、一部の実施形態において約50から約400センチポアズである。必要に応じて、粘性を増大させ又は低下させるために、増粘剤又は他の粘度調整剤をコーティング調製物に使用することができる。
【0047】
コーティング調製物には、溶媒がコーティング調製物から除去された後にコンデンサ上に光反射粒子を保持するのに役立つように結合剤を使用することもできる。あらゆる結合剤を使用することができるが、有機結合剤が本発明での使用に特に適切である。こうした結合剤の例としては、例えば、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びメチルヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系ポリマー、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコール(例えば、「Dow Chemical Co.」が提供するカーボワックス)、ポリ(メチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)のようなシリコンポリマー、ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン)、ポリアミド、ポリイミド、及びポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、及びフルオロオレフィンコポリマーのようなフルオロポリマー、及びポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(低級アルキルアクリレート)、ポリ(低級アルキルメタアクリレート)及び低級アルキルアクリレート及びメタアクリレートのコポリマーのようなアクリルポリマーを含むことができる。コーティング調製物に使用する特に適切な結合剤は、得られるコーティング調製物の可撓性が実質的に制限されないように50℃又はそれ未満のガラス転移温度を有するラテックスポリマー結合剤である。更に、このラテックスポリマーは、その粘着性をできるだけ小さくするために約−35℃又はそれを超えるガラス転移温度も典型的に有する。本発明で利用することができる一部の適切なポリマー格子は、以下に制限されるものではないが、スチレン−ブタジエンポリマー、ポリ酢酸ビニルホモポリマー、酢酸ビニル−エチレンコポリマー、酢酸ビニル−アクリル又はメタアクリルポリマー、エチレン−塩化ビニルポリマー、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ニトリルポリマー、及び当業技術で公知のあらゆる適切なラテックスポリマーのようなポリマーに基づくことができる。
【0048】
結合剤に加えて、コーティング調製物は、光反射粒子のコンデンサへの付加を容易にする他の成分も含むことができる。例えば、1つ又はそれよりも多くの分散剤は、懸濁液の表面張力を低下させるためにコーティング調製物に使用することができる。1つの部類の適切な分散剤は、酸基を有するアニオン性ポリマー又はそれらの塩を含む。例えば、こうしたポリマーは、少なくとも1つのエチレン性不飽和酸含有モノマーと任意的に少なくとも1つのエチレン性不飽和非イオン性モノマーとを典型的に含有する。適切な酸モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、フマール酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸モノメチル、フマール酸モノメチル、及びフマル酸モノブチルのようなカルボン酸基を有するモノマー、無水マレイン酸及び無水イタコン酸のような無水物、又はその組合せが挙げられる。適切なエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、及びメタアクリル酸メチルのような(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、及びメタアクリル酸ヒドロキシプロピルのような(メタ)アクリル酸のヒドロキシエステル、スチレン及びα−メチルスチレンのような芳香族モノマー、及びジイソブチレンのようなアルケンが挙げられる。
【0049】
望ましい展着性を有することができる均質的に一様なコーティング調製物の形成を容易にするために、湿潤剤又は界面活性剤もコーティング調製物に使用することができる。適切な界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤などを含むことができる。非イオン性界面活性剤は、例えば、長鎖アルキル基又はアルキル化アリール基のような疎水基と、ある一定の数(例えば、1から約30)のエトキシ及び/又はプロポキシ部分を含む親水鎖とを有することができる。使用することができる一部の部類の非イオン性界面活性剤の例としては、以下に制限されるものではないが、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化又はプロポキシル化脂肪族アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトルのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸(C8−C18)のエトキシル化エステル、エチレンオキシドの長鎖アミン又はアミドとの縮合生成物、エチレンオキシドのアルコールとの縮合生成物、及びそれらの混合物が挙げられる。特に適切な非イオン性界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖アルキル基の状態での約8から18の炭素原子を含む1モルのアルキルフェノールの約5から30モルのエチレンオキシドとのポリエンチレンオキシド縮合物を含むことができる。アルキルフェノールエトキシレートの特定の例としては、ノニルフェノール1モル当たり約9.5モルのエチレンオキシドと縮合したノニル、フェノール1モル当たり約12モルのエチレンオキシドと縮合したジノニルフェノール、フェノール1モル当たり約15モルのエチレンオキシドと縮合したジノニルフェノール、及びフェノール1モル当たり約12モルのエチレンオキシドと縮合したジイソオクチルフェノールが挙げられる。そのような化合物は、ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Chemical Co.」から「Triton(登録商標)CF−100」の商品名で市販されている。
【0050】
コーティング調製物の膜形成特性を改善するために、可塑剤もコーティング調製物に使用することができる。可塑剤は公知であり、広範囲の可塑剤を使用することができる。代表的な可塑剤の例としては、鉱物油、プロピレングリコールのようなグリコール、ジオクチルフタレート及びベンジルブチルフタレートのようなフタール酸エステル、及びオレイン酸及びステアリン酸のような長鎖脂肪族酸、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
コーティング調製物の各成分の濃度は、要求される熱の量、利用される付加方法の湿潤ピックアップなどに応じて変えることができる。例えば、コーティング調製物内の光反射粒子の量は、約10重量%から約80重量%、一部の実施形態において約20重量%から約75重量%、一部の実施形態において約25重量%から約50重量%の範囲とすることができる。結合剤もコーティング調製物の約0.01重量%から約20重量%、一部の実施形態において約0.1重量%から約15重量%、一部の実施形態において約0.5重量%から約10重量%を構成することができる。分散剤、界面活性剤、可塑剤などのような他の成分は、コーティング調製物の約0.001重量%から約10重量%、一部の実施形態の実施形態において約0.01重量%から約5重量%、一部の実施形態において約0.1重量%から約3重量%を各々構成することができる。
【0052】
コーティング調製物は、それが形成される特定の方式に関わらず、浸漬、噴霧、印刷、成形、押出などのような公知の方法を用いてコンデンサの表面に堆積される。例えば、コンデンサは、望ましいレベルまでコーティング調製物内に単に浸漬することができる。被覆されたコンデンサは、次に、周囲条件の下で又は加熱段階において乾燥させることができ、それによって全部でないとしても大部分の溶媒が除去される。例えば、コンデンサは、約50℃から約300℃、一部の実施形態において約60℃から約200℃、一部の実施形態において約70℃から150℃での1つ又はそれよりも多くの段階で加熱することができる。加熱は、大気中で又は制御された雰囲気の下で(例えば、真空下で)行うことができる。最終乾燥させたコーティングは、約80重量%から100重量%、一部の実施形態において約85重量%から約99.9重量%、一部の実施形態において約90重量%から約99重量%の量で反射性粒子を有する。その反射率を最適化するために、このコーティングは、約100μm又はそれ未満、一部の実施形態において約20から約80μm、一部の実施形態において約30から約60μmのような比較的薄い厚みも典型的に有する。
【0053】
B.応力散逸層
保護コーティングの応力散逸層は、特に、コンデンサが(例えば、封入、リフロー中に)受ける応力を消散するのに役立ち、それによってこの応力がコンデンサに損傷を引き起こし難くする。応力散逸層はまた、本質的に比較的多孔質とすることができ、それによってコンデンサ(例えば、固体電解質)に閉じ込められた湿分が脱出することができ、そうでなければ固体電解質に伝達される可能性がある圧力が低減される。一般的に、応力散逸層は、端子、別のコンデンサ要素などへの導電性取り付けを強化するために導電性でもあることが望ましい。これら及び他の機能を達成するために、応力散逸層は、複数の導電性金属粒子を一般的に含む。この粒子の形成に使用するために適切な金属の例としては、例えば、ニッケル、銅、金、銀、銀被覆銅、銀被覆ニッケル、錫、鉛、パラジウム、アルミニウムなど、並びにそれらの合金が挙げられる。銀が、本発明での使用に特に適切である。粒子は、コンデンサ要素の表面に付加された(例えば、コーティング、浸漬、噴霧、印刷などされた)ペーストの形態のような当業技術で公知のあらゆる技術を用いてコンデンサ要素に付加することができる。このペーストは、次に硬化処理又は乾燥させてその中に存在するあらゆる溶媒が除去される。
【0054】
金属粒子は、コンデンサの体積効率に悪影響を与えないようにした十分に小さく、かつこの層が望ましい応力消散を達成するのに必要な最小厚みを得ることを保証して別の部分への信頼性のある機械的接続の保証に役立つように十分に大きくすることができる。大部分の実施形態では、従って、金属粒子は、約0.1μmから約50μm、一部の実施形態において約0.2μmから約10μm、一部の実施形態において約0.5μmから約5μmのメジアン径を有する。本明細書で用いられる用語「メジアン」は、粒子の「D50」粒径分布に関連する。当業技術で公知のように、表示「D50」は、粒子の少なくとも50%が、表された粒径を有することを意味する。更に、得られる応力散逸層の厚みは、典型的に約1から約100μm、一部の実施形態において約10から約70μm、一部の実施形態において約20から約50μmである。また、多層保護コーティングの全体厚みは、約10μmから約300μm、一部の実施形態において約30から約200μm、一部の実施形態において約50から約150μmの範囲とすることができる。
【0055】
一般的に、多層保護コーティングは、それが固体電解質の入射光(例えば、レーザ)との接触を低減することができるようコンデンサのあらゆる表面に付加することができる。例えば、保護コーティングは、コンデンサの上面、底面、及び/又は側面に置くことができる。更に、保護コーティングは、コンデンサの前面及び/又は後面に置くことができる。光反射層は、それが付加される表面の全面積又は一部分のみの面積を覆うことができる。例えば、一実施形態では、保護コーティングは、それが付加されるコンデンサの表面の約30%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約40%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約50%又はそれよりも多くを覆う。
【0056】
例えば、図1図2を参照すると、ほぼ矩形の形状を有し、前面36、後面38、上面37、底面39、第1の側面32a、及び第2の側面32bを収容するコンデンサ30の一実施形態が示されている。アノードワイヤ34は、コンデンサ30の前面36から縦方向(「y」方向)に延びている。特別には示されていないが、コンデンサ30は、陽極酸化されたアノード本体と、固体電解質、固体電解質の上に重なるグラファイト層、及びグラファイト層の上に重なる銀層を含むカソードとを含有する。一般的に、固体電解質は、コンデンサ30の各表面で、すなわち、前面36、後面38、上面37、底面39、並びに側面32a及び32bでアノード本体の上に重なる。更に、グラファイト層及び銀層は、一般的に、前面36を除いたコンデンサ30の各表面で固体電解質の上に重なる。従って、この実施形態では、前面36は、固体電解質を含有するが一般的にグラファイト層及び銀層は含まない。言うまでもなく、こうした層は、コンデンサのあらゆる表面に付加することができ、図示の方式で付加されることを要しないことを理解すべきである。
【0057】
コンデンサ30は、光反射層60と応力散逸層65を含む本発明によって形成された保護コーティング63も収容する。この特定の実施形態では、保護コーティング63は、後面38、上面37、底面39、第1の側面32a、及び第2の側面32bで固体電解質の上に重なる。言うまでもなく、保護コーティング63は、コンデンサ30のこうした表面上に置かれる必要がないことを理解すべきである。例えば、図3を参照すると、光反射層160及び応力消散層165から形成された保護コーティング163を含むコンデンサ130が示されている。この特定の実施形態では、保護コーティング163は、コンデンサ130の第1の側面32a及び第2の側面32bにのみ置かれる。
【0058】
保護コーティングは、それがどこに置かれるかに関わらず、この表面のあらゆる所望部分を覆うことができる。例えば、図1及び図3の実施形態では、保護コーティング63及び163は、その上にそれらが置かれる表面の約90%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約95%又はそれよりも多くのような実質的に全体を覆う。しかし、ここでもまた、これは、任意的に過ぎず、このコーティングは、この表面のこうした大幅な部分を覆う必要はない。例えば、図4を参照すると、光反射層260及び応力消散層265から形成された保護コーティング263を含むコンデンサ230の一実施形態が示されている。この特定の実施形態では、コーティング263は、側面32a及び32bの各々の面積の約40%を覆うのみである。この表面の一部分を覆う場合であっても、保護コーティングがコンデンサに望ましい特性を提供するのになお役立たせることができることを本発明者は見出している。
【0059】
多層保護コーティングは、コンデンサの少なくとも1つの表面上に使用することができるが、このコーティングの個別の層をコンデンサの他の箇所で個別に使用することができることを理解すべきである。例えば、ある一定の実施形態では、光反射層は、応力散逸層なしに用いることができる。これは、応力消散、湿分取り込みなどのような全体的な保護コーティングによって対処される問題に比べて光反射がより重要であるコンデンサの領域において有用とすることができる。例えば、図2図4に示す実施形態では、コンデンサの前面36に置かれる第2の光反射層91も使用される。一般的に、光反射層91は、前面36の約90%又はそれよりも多く、一部の実施形態において約95%又はそれよりも多ぅのような前面36の実質的に全体を覆う。図4に示す実施形態では、光反射層92及び93も、側面32a及び32b上の全体の保護コーティング263が置かれていない箇所でそれぞれ使用することができる。必要に応じて、保護コーティングに使用される応力散逸層は、光反射層を伴わない個別の層として使用することができる。例えば、後面は、製造中に入射光に一般的に接触しないので、光反射層を必要としない場合がある。それにも関わらず、応力散逸層によって与えられる特性(例えば、応力消散)はなお要求される。従って、図3図4に示す実施形態では、第2の応力散逸層95をカソードに直接隣接してコンデンサの後面38に置くことができる。
【0060】
コンデンサは、コンデンサが形成される特定の方式に関わらず、当業技術で公知のように端子に接続することができる。例えば、アノード端子及びカソード端子は、それぞれアノードワイヤ及びカソードに電気的に接続することができる。端子の特定の構成は、当業技術で公知のように変えることができる。例えば、図5を参照すると、アノード端子70及びカソード端子80を含む一実施形態が示されている。この特定の実施形態では、カソード端子は、第2の部分84と実質的に直角に位置する第1の部分82を収容する。第1の部分82は、コンデンサ30の下面39と電気的に接触し、第2の部分84は、コンデンサ30の後面39と電気的に接触する。コンデンサ30をカソード端子80に取り付けるために、当業技術で公知のように導電性接着剤を使用することができる。導電性接着剤は、例えば、樹脂組成物に含有された導電性金属粒子から形成することができる。金属粒子は、銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマスなどとすることができる。樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、硬化剤(例えば、酸無水物)、及びカプリング剤(例えば、シランカプリング剤)を含むことができる。適切な導電性接着剤は、Osako他に付与された米国特許出願公開第2006/0038304号明細書に説明されており、この出願は、全ての目的に対して本明細書にその全内容が引用により組み込まれている。
【0061】
アノード端子70は、第2の部分74と実質的に直角に位置する第1の部分76を収容する。第2の部分74は、アノードワイヤ34を担持する領域を含む。図示の実施形態では、領域51は、ワイヤ34の表面接触及び機械的安定性の更なる改善のために「U字形状」を有する。次に、アノードワイヤ34は、レーザ90を用いて領域51に溶接される。図5に示すように、レーザビームの接触は、コンデンサ30に向う光の反射を引き起こす場合がある。しかし、本発明による保護コーティングの存在により、この光は、固体電解質を有意には損傷又は炭化しないと考えられる。
【0062】
コンデンサが端子に取り付けられた状態で、これは、樹脂ケーシング内に封入され、ケーシングは、次に、シリカ又はあらゆる他の公知の封入材料で充填することができる。ケースの幅及び長さは、意図された用途に基づいて変えることができる。しかし、ケーシングの全体の厚みは、得られるアセンブリが薄型製品(例えば、「ICカード」)に容易に組み込まれるように典型的に小さい。例えば、ケーシングの厚みは、約4.0ミリメートル又はそれ未満、一部の実施形態において約0.1から約2.5ミリメートル、一部の実施形態において約0.15から約2.0ミリメートルの範囲とすることができる。適切なケーシングとしては、例えば、「A」、「B」、「H」、又は「T」ケース(AVX Corporation)を含むことができる。例えば、図6を参照すると、コンデンサアセンブリ100のためのそのような封入ケースの1つの特定の実施形態が、要素88として示されている。封入ケース88は、コンデンサアセンブリ100のための付加的な構造的及び熱的保護を提供する。封入の後、それぞれのアノード及びカソード端子の露出した部分はエージングされ、スクリーニングされ、かつ切り取ることができる。必要に応じて、この露出部分は、ケーシング88の外側に沿って2回任意的に曲げることができる(例えば、約90°の角度で)。
【0063】
本発明の結果として、優れた電気的特性を示すコンデンサを形成することができる。例えば、本発明のコンデンサは、約1000ミリオーム(mオーム)未満、一部の実施形態において約500mオーム未満、一部の実施形態において約100mオーム未満のESRを典型的に有する。コンデンサの等価直列抵抗は、電気回路内での充電及び放電の時にコンデンサが抵抗として作用する程度を一般的に意味し、コンデンサと直列にある抵抗として通例表現される。更に、1つの導体から誘電体を通じて隣接する導体に流れる電流を一般的に意味する得られる漏れ電流は、比較的低レベルに維持することができる。例えば、本発明のコンデンサの正規化漏れ電流の数値は、約0.1μA/μF*V未満、一部の実施形態において約0.01μA/μF*V未満、一部の実施形態において約0.001μA/μF*V未満であり、ここでμAは、マイクロアンペア、μF*Vは、キャパシタンスと定格電圧の積である。
【0064】
本発明は、以下の実施例の参照によって更に良好に理解することができる。
【0065】
試験手順
漏れ電流:漏れ電流(DCL)は、25℃の温度及び所定の定格電圧で最低限60秒後の漏れ電流を測定する漏れ試験セットを用いて測定された。漏れ電流はまた、従来型の無鉛リフロー・プロフィールが行われた後に測定され、かつ25℃及び定格電圧での30分のリラクゼーションの後に測定された。
【実施例1】
【0066】
1.8mm×2.4mm×1.2mmのサイズを有するタンタルアノードが、液体電解質内で16Vで150μFまで陽極酸化された。次に、導電性ポリマーコーティングが、アノードをトルエンスルホン酸鉄(III)のブタノール溶液(Clevios(登録商標)C、H.C.Starck)中に5分間浸漬され、次に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(Clevios(登録商標)M、H.C.Starck)中に1分間浸漬することによって形成された。重合の45分後に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の薄い層が、誘電体の表面上に形成された。この部分は、反応副産物を除去するためにメタノール中で洗浄され、液体電解質中で陽極酸化され、かつメタノール中で再度洗浄された。重合サイクルが12回反復された。次に、この部分は、グラファイト及び銀によって被覆され、アノードをリードフレームポケット内に接着し、アノードワイヤを切断してリードフレーム垂直部にレーザ溶接し、かつコンデンサを成形することによって組み立てられた。
【実施例2】
【0067】
1.8mm×2.4mm×1.2mmのサイズを有するタンタルアノードが、液体電解質内で16Vで150μFまで陽極酸化された。次に、導電性ポリマーコーティングが、アノードをトルエンスルホン酸鉄(III)のブタノール溶液(Clevios(登録商標)C、H.C.Starck)中に5分間浸漬され、次に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(Clevios(登録商標)M、H.C.Starck)中に1分間浸漬することによって形成された。重合の45分後に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の薄い層が誘電体の表面上に形成された。この部分は、反応副産物を除去するためにメタノール中で洗浄され、液体電解質中で陽極酸化され、かつメタノール中で再度洗浄された。重合サイクルが12回反復された。次に、この部分は、グラファイト及び銀によって被覆された。
【0068】
次に、これらの部分は、多層保護コーティングで被覆された。光反射層を形成するために、水58.5重量%、二酸化チタン38.5重量%、ヒドロキシエチルセルロース0.31重量%、ポリビニルアルコール1.2重量%、ナトリウムポリサルフェート0.12重量%、ポリアクリル酸塩0.87重量%、安定剤0.3重量%、及び消泡剤0.19重量%を含有する組成物が、「Primalex a.s.」(チェコ共和国)から得られた。これらの部分は、上面を完全に覆うようにその肩部にわたってこの組成物中に浸漬された。反射コーティングの付加の後2分以内に、この部分は、紙に3回吸い取られ、125℃で30分間乾燥させた。応力散逸層を形成するために、銀72重量%、アクリル樹脂10重量%、及び酢酸ブチル18重量%を含有するT「hermoset(登録商標)K611−14」の組成物(25℃での粘性が、500cps及び25℃での体積抵抗率が1.10-4)が、「Lord Co.」(米国)から得られた。この部分は、この組成物中に浸漬され、周囲温度で60分保持され、最後に125℃で30分乾燥させた。次に、この部分は、アノードをリードフレームポケット内に接着し、アノードワイヤを切断してリードフレーム垂直部にレーザ溶接し、かつコンデンサを成形することによって組み立てられた。
【0069】
次に、実施例1及び実施例2の完成コンデンサは、漏れ電流の電気的性能に対して試験された。また、リフロー後の電気的性能の品質を判断するために、漏れ電流測定値が再測定された。漏れ電流の中間結果(成形の前及び後)は、以下に示されている。
【0070】
(表)
【0071】
本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって実施することができる。更に、様々な実施形態の態様は、全部又は一部の両方で入れ替えることができることを理解すべきである。更に、以上の説明は、例証としてのみのものであり、特許請求の範囲に更に説明される本発明を制限する意図ではないことを当業者は認めるであろう。
【符号の説明】
【0072】
30 コンデンサ
34 アノードワイヤ
36 前面
37 上面
38 後面
39 底面
図1
図2
図3
図4
図5
図6