(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組成物の全量に対して、それぞれ、3〜8重量%のミノキシジル、24〜35重量%のブチレングリコール、及び45〜60重量%のエタノール、並びに水を含有し、pHが6.6〜8である外用組成物であって、外用組成物に接する面の一部又は全部がポリオレフィン及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器に収容されていることを特徴とする外用組成物。
【背景技術】
【0002】
ミノキシジル(6−(1−ピペリジニル)2,4−ピリミジン−3−オキサイド)は、外用により優れた育毛、養毛効果が得られるため、脱毛症の改善薬として広く使われている。
ところが、ミノキシジルは、水やエタノールへの溶解性が悪く、特に、低温で保存すると結晶が析出し易い。また、ミノキシジルを含む液剤は、経時的に着色して、商品価値が低下する。
【0003】
ここで、特許文献1は、ミノキシジルの溶解性を向上させるために、多価アルコールを大量に配合することを提案しているが、多価アルコールを大量に配合すると、頭皮にべたつきが残ったり、髪がべたついて、いつまでも乾かないなどの使用上の問題がある。
また、特許文献2は、多価アルコールを8〜30重量%配合しつつ、組成物のpHを5.5〜6.5にすることで、ミノキシジルの結晶析出を抑制することを提案している。しかし、特許文献2の方法では、ミノキシジル含有液剤の着色を抑制することはできない。
【0004】
ミノキシジル含有液剤の経時的な着色を抑制する試みとして、特許文献3は、ミノキシジル含有液剤にアミノ酸を配合することを教えており、特許文献4は、ミノキシジル含有液剤に抗酸化剤を配合し、かつpHを5.5〜7.0にすることを教えており、特許文献5は、ミノキシジル含有液剤にジブチルヒドロキシトルエンやジブチルヒドロキシアニソールを配合し、かつpHを5.7〜6.4にすることを教えている。しかし、これらの文献記載の方法では、ミノキシジル含有液剤の着色を実用上十分に抑制することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ミノキシジルを配合した外用組成物であって、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な着色が抑制されており、しかも使用感に優れた組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、ミノキシジルを含有する水含有組成物に、比較的大量のブチレングリコール及びエタノールを配合し、組成物のpHを6.6〜8に調整することにより、ミノキシジルの結晶析出が抑制されており、熱や光に曝されても着色し難く、さらにベタツキが抑制された組成物になることを見出した。
具体的には、組成物の全量に対して、それぞれ、3〜8重量%のミノキシジル、24〜35重量%のブチレングリコール、及び45〜60重量%のエタノール、並びに水を含有し、pHが6.6〜8の外用組成物は、ミノキシジルの結晶析出が抑制されており、熱や光に曝されても着色し難く、さらにベタツキが抑制された外用組成物になることを見出した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の外用組成物を提供する。
項1. 組成物の全量に対して、それぞれ、3〜8重量%のミノキシジル、24〜35重量%のブチレングリコール、及び45〜60重量%のエタノール、並びに水を含有し、pHが6.6〜8である外用組成物。
項2. 水の含有量が、組成物の全量に対して、4〜28重量%である項1に記載の外用組成物。
項3. 育毛、養毛、又は発毛用である項1又は2に記載の外用組成物。
項4. 外用組成物に接する面の一部又は全部が、ポリオレフィン、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器に項1〜3の何れかに記載の外用組成物が収容された容器入り外用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の外用組成物は、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な着色が抑制されており、しかもベタツキが抑えられた良好な使用感のものである。
ミノキシジルは、特に、低温下で結晶析出し易いが、本発明の外用組成物は、低温保存時の結晶析出も抑制されている。従って、寒冷地への流通、冬季の保管にも耐える。また、高温下や光に曝された場合の着色も抑制されているため、必ずしも遮光容器に充填しなくてもよい。従って、極めて実用的な商品価値の高いミノキシジル含有製剤である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、組成物の全量に対して、それぞれ、3〜8重量%のミノキシジル、24〜35重量%のブチレングリコール、及び45〜60重量%のエタノール、並びに水を含有し、pHが6.6〜8の組成物である。
【0011】
ミノキシジル
ミノキシジルは市販されており、例えば、東京化成工業社から購入できる。
ミノキシジルの含有量は、組成物の全量に対して、約3重量%以上であり、約3.5重量%以上が好ましく、約4重量%以上がより好ましい。一般にこの範囲でミノキシジルを含む組成物はミノキシジルの溶解性が悪く、また経時的に着色し易いので、この範囲が本発明の好適な対象である。
また、ミノキシジルの含有量は、組成物の全量に対して、約8重量%以下であり、約7重量%以下が好ましく、約6重量%以下がより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの結晶析出、及び経時的な組成物の着色が抑制される。
組成物の全量に対するミノキシジルの含有量としては、約3〜8重量%、約3〜7重量%、約3〜6重量%、約3.5〜8重量%、約3.5〜7重量%、約3.5〜6重量%、約4〜8重量%、約4〜7重量%、約4〜6重量%が挙げられる。
【0012】
ブチレングリコール
ブチレングリコールの含有量は、組成物の全量に対して、約24重量%以上であり、約26重量%以上が好ましく、約28重量%以上がより好ましい。一般にpHが高いとミノキシジルの溶解性が悪いが、本発明の組成物は、上記範囲でブチレングリコールを含むため、ミノキシジルの溶解性が良好になり、結晶析出が十分に抑制される。また、経時的な組成物の着色が十分に抑制される。さらに、本発明の組成物は比較的大量のエタノールを含むが、上記範囲でブチレングリコールを含むことにより、エタノールの揮発による塗布後の皮膚の乾燥感が抑制されている。
また、ブチレングリコールの含有量は、組成物の全量に対して、約35重量%以下であり、約34重量%以下が好ましく、約32重量%以下がより好ましい。この範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
組成物の全量に対するブチレングリコールの含有量としては、約24〜35重量%、約24〜34重量%、約24〜32重量%、約26〜35重量%、約26〜34重量%、約26〜32重量%、約28〜35重量%、約28〜34重量%、約28〜32重量%が挙げられる。
【0013】
ブチレングリコールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約3重量部以上が好ましく、約4重量部以上がより好ましく、約5重量部以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になり、結晶析出が十分に抑制される。また、経時的な組成物の着色が十分に抑制される。さらに、エタノールの揮発による塗布後の皮膚の乾燥感が抑制されている。
また、ブチレングリコールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約10重量部以下が好ましく、約8重量部以下がより好ましく、約7重量部以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
ミノキシジルの1重量部に対するブチレングリコールの含有量の比率としては、約3〜10重量部、約3〜8重量部、約3〜7重量部、約4〜10重量部、約4〜8重量部、約4〜7重量部、約5〜10重量部、約5〜8重量部、約5〜7重量部が挙げられる。
【0014】
エタノール
エタノールの含有量は、組成物の全量に対して、約45重量%以上であり、約47重量%以上が好ましく、約49重量%以上がより好ましい。上記範囲であれば、ミノキシジルの経皮吸収性、及び速乾性に優れた組成物となる。
また、エタノールの含有量は、組成物の全量に対して、約60重量%以下であり、約55重量%以下が好ましく、約52重量%以下がより好ましい。この範囲であれば、組成物を塗布後の皮膚の乾燥感が抑えられている。
組成物の全量に対するエタノールの含有量としては、約45〜60重量%、約45〜55重量%、約45〜52重量%、約47〜60重量%、約47〜55重量%、約47〜52重量%、約49〜60重量%、約49〜55重量%、約49〜52重量%が挙げられる。
【0015】
エタノールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約6重量部以上が好ましく、約7重量部以上がより好ましく、約8重量部以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、ミノキシジルの経皮吸収性、及び速乾性に優れた組成物となる。
また、エタノールの含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約20重量部以下が好ましく、約18重量部以下がより好ましく、約17重量部以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、組成物を塗布後の皮膚の乾燥感が抑えられている。
ミノキシジルの1重量部に対するエタノールの含有量の比率としては、約6〜20重量部、約6〜18重量部、約6〜17重量部、約7〜20重量部、約7〜18重量部、約7〜17重量部、約8〜20重量部、約8〜18重量部、約8〜17重量部が挙げられる。
【0016】
水
本発明の外用組成物は水を含む。
水の含有量は、組成物の全量に対して、約4重量%以上が好ましく、約8重量%以上がより好ましく、約12重量%以上がさらにより好ましい。一般に、水を多く含むとミノキシジルの溶解性が悪くなるので、この範囲で水を含む組成物が本発明の好適な対象となる。
水の含有量は、組成物の全量に対して、約28重量%以下が好ましく、約24重量%以下がより好ましく、約20重量%以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になる。
組成物の全量に対する水の含有量としては、約4〜28重量%、約4〜24重量%、約4〜20重量%、約8〜28重量%、約8〜24重量%、約8〜20重量%、約12〜28重量%、約12〜24重量%、約12〜20重量%が挙げられる。
【0017】
水の含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約1重量部以上が好ましく、約1.5重量部以上がより好ましく、約2重量部以上がさらにより好ましい。一般に、水を多く含むとミノキシジルの溶解性が悪くなるので、この範囲で水を含む組成物が本発明の好適な対象となる。
また、水の含有量は、ミノキシジルの1重量部に対して、約9重量部以下が好ましく、約7重量部以下がより好ましく、約5重量部以下がさらにより好ましい。この範囲であれば、ミノキシジルの溶解性が良好になる。
ミノキシジルの1重量部に対する水の含有量の比率としては、約1〜9重量部、約1〜7重量部、約1〜5重量部、約1.5〜9重量部、約1.5〜7重量部、約1.5〜5重量部、約2〜9重量部、約2〜7重量部、約2〜5重量部が挙げられる。
【0018】
基剤又は担体
本発明の外用組成物は、水、及びエタノールの他にも、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体を含むことができる。
このような基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバターのような油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、及びラノリンのようなロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、及びコレステロールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのようなビニル系高分子;メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、test-ブチルアルコール等のような低級(炭素数1〜4)アルコール;並びにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、エリスリトール、キシリトールなどのポリオール類などが挙げられる。
【0019】
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
添加剤
本発明の外用組成物は、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬学的又は生理学的に許容される添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、溶解補助剤等が挙げられる。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0021】
薬理活性成分・生理活性成分
本発明の外用組成物は、ミノキシジル以外の、医薬外用剤、医薬部外品、化粧品用の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。このような成分としては、血行促進成分、血管新生促進因子、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、角質軟化若しくは角質溶解成分、美白成分、収斂成分、血管拡張成分、抗ヒスタミン成分、抗酸化成分、代謝賦活剤、清涼化剤等が挙げられる。また、例えば、スピラノラクトン、センブリエキス、カプサイシノイド、角質増殖因子(KGF;FGF−7)、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、人参エキス等のミノキシジル以外の育毛成分を含むこともできる。
薬理活性成分又は生理活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
剤型
本発明の外用組成物の形態は、特に限定されず、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、及びエアゾール剤等が挙げられる。また、ミノキシジルを溶解させることができる程度の水を含む場合は軟膏とすることもできる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、エアゾール剤が好ましく、液剤、ローション剤、エアゾール剤がより好ましい。
クリーム剤、乳剤、及び場合により軟膏剤、エアゾール剤等のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、使用感が良い点で、O/W型が好ましい。
製剤は、第16改正日本薬局方総則に従い、又はこれに準拠して、各成分を混合することにより製造できる。
【0023】
pH
本発明の組成物のpHは、約6.6以上であり、約6.7以上が好ましく、約6.8以上がより好ましい。この範囲であれば、経時的な組成物の着色が十分に抑制される。
また、本発明の組成物のpHは、約8以下であり、約7.4以下が好ましく、約6.9以下がより好ましい。上記範囲であれば、高pHによる頭皮への刺激を避けることができる。また、ミノキシジルが溶解し易くなる。
本発明の組成物のpH範囲としては、約6.6〜8、約6.6〜7.4、約6.6〜6.9、約6.7〜8、約6.7〜7.4、約6.7〜6.9、約6.8〜8、約6.8〜7.4、約6.8〜6.9が挙げられる。
【0024】
pHの調整は、乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムのような有機酸;リン酸、塩酸、硫酸のような無機酸などのpH調整剤を用いて行えばよい。また、必要に応じて、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような有機塩基;水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基などのpH調整剤を用いて行えばよい。
pH調整剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】
容器
本発明の外用組成物を充填する容器は特に限定されない。医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。
このような容器材質として、例えば、外用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン、アクリル酸樹脂、テレフタル酸エステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル、ポリカーボネート、ポリメチルテルペン、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
【0026】
中でも、組成物の経時的な着色を一層効果的に抑制できる点で、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマーのようなポリオレフィン;ガラス等が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラスがより好ましい。
【0027】
使用方法
本発明の外用組成物の使用方法は、使用対象の毛髪の状態、頭皮の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、約0.5〜2g、又は0.5〜2ml)を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。また、ミノキシジルの1日使用量が、例えば約1〜1000mgとなるように組成物を皮膚(例えば、頭皮)に適用すればよい。適用方法は、剤型に合わせて、塗布、又は噴霧等とすればよい。適用期間は、例えば約7日間以上とすればよい。また、育毛効果が十分に得られるまで適用すればよく、例えば6か月以内、少なくとも4か月以内とすればよい。
本発明の外用組成物は、育毛、養毛、又は発毛のために使用できる。
【実施例】
【0028】
以下、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
結晶析出・着色・使用感の評価
後掲の表1、表2に示す組成に従い、各成分を混合溶解し、50ml容量の容器に充填した。容器材質は、原則、ガラスとし、容器材質の影響を検討する場合は、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエチレンテレフタレート製の容器を用いた。
【0030】
低温安定性の評価は、各組成物を4℃の恒温器で約1か月静置した後、目視で結晶析出を観察することにより行った。結晶の析出が認められなかった場合を〇、認められた場合を×とした。
【0031】
熱安定性の評価は、各組成物を40℃の恒温器で約2か月静置した後、目視で黄色の着色の程度を観察することにより行った。着色が認められない場合を−、僅かな着色が認められた場合を+、着色がより強く認められるごとに、+の数を増やして表示した。
【0032】
光安定性の評価は、SUNTESTER XLS+(東洋精機社)を用いて、30℃以下で、350W/m
2を72時間照射し、目視で黄色の着色の程度を観察することにより行った。着色が認められない場合を−、僅かな着色が認められた場合を+、着色がより強く認められるごとに、+の数を増やして表示した。
【0033】
使用感の評価は、5名の社内の男性パネリストが、毛髪のある頭部に1ml塗布し、ベタツキ、製剤の皮膚へのなじみ、臭い、及び塗布後の感触を総合的に判定することで行った。5名中3名以上が使用上の問題がないと判定した場合を〇、5名中1〜2名が使用上の問題がないと判定した場合を△、使用上の問題がないと判定したパネリストが無かった場合を×とした。
結果を、表1、表2に併せて示す。表1、表2の各成分の含有量の単位は重量%である。
【0034】
【表1】
表1が示すように、pHが6.6を下回る比較例1の製剤は、熱及び光に対して不安定で経時的な着色が認められた。これに対して、pH6.6以上である実施例1の製剤は、経時的な着色は認められず、低温での結晶析出も認められず、使用感も良好であった。
【0035】
【表2】
PET:ポリエチレンテレフタレート
PE :ポリエチレン
PP :ポリプロピレン
表2が示すように、着色の程度は容器材質の影響を受け、プラスティック容器の中では、ポリエチレン容器、又はポリプロピレン容器を使用した場合、着色が一層効果的に抑制され、ガラス容器を使用した場合は、着色がさらに一層効果的に抑制された。