(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記はんだが第1のはんだ層であり、前記超音波振動子がさらに、前記集積回路と前記インターポーザの導体素子との間に係合された第2のはんだ層を含み、前記インターポーザの導体素子が前記はんだを通して前記集積回路に電気的に接続される、請求項1記載の超音波振動子。
前記はんだが個々のはんだ素子を含み、それぞれの個々のはんだ素子が前記音響素子のアレイの少なくとも2つの音響素子に係合されている、請求項1記載の超音波振動子。
前記音響素子のアレイ、前記インターポーザ、および前記集積回路が層に配置され、前記インターポーザが前記層内の前記集積回路と前記音響素子のアレイとの間を延びる、請求項1記載の超音波振動子。
前記はんだが第1のはんだ層であり、前記集積回路が電気接点を含み、前記超音波振動子がさらに、前記インターポーザの導体素子と前記集積回路の電気接点との間に係合された第2のはんだ層を含み、前記集積回路の電気接点が前記第2のはんだ層を通して前記インターポーザの導体素子に電気的に接続される、請求項1記載の超音波振動子。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の発明の概要および以下のある実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されるであろう。様々な実施形態の機能ブロック図が図示されているが、機能ブロックは必ずしもハードウェア回路が分かれていることを示すものではない。したがって、例えば1つまたは複数の機能ブロック(例えば、プロセッサまたはメモリ)を、1つのハードウェア(例えば、汎用信号プロセッサまたはランダムアクセスメモリのブロック、ハードディスクなど)または複数のハードウェアで実施することができる。同様にプログラムは、スタンドアロンプログラムとすることができ、オペレーティングシステムにサブルーチンとして組み込むことができ、インストールされたソフトウェアパッケージの機能とすることができるなどである。様々な実施形態は図に示す配置および装置に制限されないことに留意されたい。
【0011】
本明細書で使用される、単数形および「a」「an」とともに記載される要素またはステップは、特に明確な記載がない限り、その要素またはステップの複数形を除外するものではない。さらに、「一実施形態」とは、記載された特徴を組み込む別の実施形態も存在することを除外すると解釈されるべきではない。また、特に明確な反対の記載がない限り、特定の特性を有する1つまたは複数の要素を「含む」または「有する」実施形態は、その特性を有さない別の要素を含むこともできる。
【0012】
様々な実施形態は、超音波振動子および超音波振動子の製造方法を提供する。様々な実施形態による超音波振動子は、音響素子およびインターポーザのアレイを含む。インターポーザは導体素子を含む。インターポーザを音響素子のアレイに電気的に接続するために、はんだがインターポーザの導体素子に係合する。
【0013】
少なくともいくつかの実施形態の技術的効果は、超音波振動子の様々な構成部品のはんだを使用した連結を提供し、連結は、例えば水および/または他の液体にさらされることによって連結が切断されないように、あらかじめ定められた機械的強度を有する。少なくともいくつかの実施形態の技術的効果は、超音波振動子の様々な構成部品のはんだを使用した連結を提供し、連結は、より速い硬化時間および/または優れた結合強度を有する。少なくともいくつかの実施形態の技術的効果は、より短時間で製造することができ、温度変化に対してより堅固であり、および/または水および/または他の液体への浸漬に対してより堅固である、超音波振動子を提供する。
【0014】
図1は、様々な実施形態で形成される超音波振動子16の一部分の分解斜視図である。
図2は、超音波振動子16の分解されていない断面図である。超音波振動子16は、音響素子14のアレイ、集積回路36、および音響素子14と集積回路36を電気的に接続するインターポーザ38を含む。超音波振動子16は、レンズ40、裏打ち42、および/または放熱板44も含むことができる。裏打ち42は、裏側の音響エネルギーを弱めるように、比較的高い音響減衰の材料とすることができる。以下でより詳細に説明するように、インターポーザ38は、はんだ46を使用して音響素子14および/または集積回路36に電気的に接続されている。はんだ46はまた、インターポーザ38を音響素子14および/または集積回路36に機械的に接続する。はんだ46は、明確性のために
図1には示されていない。
【0015】
例示的な実施形態では、レンズ40、音響素子14のアレイ、インターポーザ38、集積回路36、裏打ち42、および放熱板44が、
図1および2に見ることができるように層に配置されている。層内では、インターポーザ38が集積回路36と音響素子14との間を延びている。図示された層に加えて、またはその代わりに、レンズ40、音響素子14、インターポーザ38、集積回路36、裏打ち42、および放熱板44の他の相対的な配置を設けることができる。
【0016】
音響素子14は、任意の次元数で配置することができる。例えば、音響素子14は、1次元(1D)アレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2次元(2D)アレイなどとすることができる。様々な配列を使用することができる。
【0017】
それぞれの音響素子14は、音響エネルギーを生成して身体または他の容積へと送信し、身体または他の容積から後方散乱された音響信号を受信して画像を生成し表示するように構成されている。音響層48は、限定はされないが、約3MRaylsから約35MRaylsなど、任意の値の音響インピーダンスを有することができる。音響層48は電極(図示せず)を含むことができる。音響層48は、限定はされないが、圧電セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、マグネシウムニオブ酸チタン酸鉛(PMN−PT)など)、圧電複合材料、圧電結晶、圧電単結晶、圧電ポリマーなど、任意の材料から形成される任意のタイプの音響層とすることができる。いくつかの実施形態では、音響層48は、1つの材料または2つ以上の異なる材料の複数のサブ層を含むことができる。言い換えると、いくつかの実施形態では、音響層48は同じ材料の複数のサブ層を含むことができるが、他の実施形態では、音響層48は異なる材料の複数の層を含むことができる。
【0018】
それぞれの音響素子14は、音響層48に加えて、1つまたは複数の他の層を含むことができる。例えば、それぞれの音響素子14は、1つまたは複数のマッチング層(図示せず)、1つまたは複数の導電フィルム層(図示せず)、および/または1つまたは複数のデマッチング層(図示せず)を含むことができる。それぞれの音響素子14は、全体的に任意の数の層を含むことができる。例示的な実施形態では、それぞれの音響素子14は、1つのデマッチング層50および3つのマッチング層52を含む。しかし、それぞれの音響素子14は、任意の数のデマッチング層50を含むことができ、任意の数のマッチング層52を含むことができる。
【0019】
デマッチング層50は比較的高い音響インピーダンスを有し、音響エネルギーのほとんどが振動子の前方に送信されるように、音響層48を固定するように機能する。しかし、比較的少ない量の裏側の音響エネルギーがまだ存在し、前面へと反射されることがあり、これが超音波振動子によって取得される超音波信号から生成される超音波画像にアーチファクトを生じさせることがある。したがって、裏打ち層42は、裏側の音響エネルギーを弱めるように、比較的高い音響減衰の材料とすることが一般に好ましい。裏打ち層42は、限定はされないが、約1mmから約5mmなど、任意の厚さとすることができる。したがって、音響エネルギーの大部分が音響層48の前面から反射される。デマッチング層50は、限定はされないが、約40MRaylsから約120MRayls、約60MRaylsから約100MRayls、および/または約70MRayls超など、任意の値の音響インピーダンスを有することができる。いくつかの実施形態では、デマッチング層50は音響層48の音響インピーダンスより高い音響インピーダンスを有する。デマッチング層50は、音響層48によって生成される熱を超音波振動子16の裏側および放熱板44へと運び、伝達することができる比較的良好な熱伝導性を有することができる。
【0020】
デマッチング層50は、限定はされないが、炭化化合物材料など(例えば、ジルコニア、タングステン、シリコン、チタン、炭化タンタルなど)、任意の材料から形成される任意のタイプのデマッチング層とすることができる。デマッチング層50は、超音波振動子16の周波数に依存することができる任意の厚さを有することができる。デマッチング層50の厚さの例は、限定はされないが、約50μmから約350μmを含む。デマッチング層50は、限定はされないが、約5μm未満の例示的な厚さを有するエポキシなど、任意の適切な方法、構造、プロセス、手段などを使用して、音響層48に積層することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、デマッチング層50は、金属の導電性被覆(図示せず)および/または別の導電体で被覆される。導電性被覆は、デマッチング層50とはんだ46との電気的接続を促進することができる。デマッチング層50は、適切な方法、構造、プロセス、手段などを使用して導電性被覆で被覆することができる。デマッチング層50に導電性被覆を形成する1つの例は、まずシード層としてNiまたはCr材料をスパッタし(例えば、約0.1μm未満)、次いで金の層を付加する(例えば、約1μm未満)。次いで、酸化を防ぐために金の層の外側をNi(例えば、約5μm未満)および金(例えば、約0.2μm未満)で電気めっきし、または電気分解することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、デマッチング層50の導電性被覆に加えて、またはその代わりに、音響素子14は、導電性被覆以外の構造を有する電気接点(図示せず)を備えることができる。音響素子14のそのような電気接点は、限定はされないが、はんだパッド、はんだバンプ、スタッドバンプ、めっきバンプなどとすることができる。
【0023】
マッチング層52は、音響素子14と患者との間に存在することがあるインピーダンス差異のマッチングを促進する。任意の数のマッチング層52を設けることができる。それぞれのマッチング層52は、限定はされないが、約2MRaylsから約15MRayls、および/または約10MRayls未満など、任意の値の音響インピーダンスを有することができる。いくつかの実施形態では、それぞれのマッチング層52は音響層48の音響インピーダンスより低い音響インピーダンスを有する。いくつかの実施形態では、音響層48から音響インピーダンスを連続的に減少するマッチング層52が設けられる。例えば、いくつかの実施形態では、3つのマッチング層52が設けられ、音響層48に最も近いマッチング層52が約15MRaylsであり、次のマッチング層52が約8MRaylsであり、音響層48から最も遠いマッチング層52が約3MRaylsである。
【0024】
それぞれのマッチング層52は、限定はされないが、充填エポキシ、金属含浸グラファイト、ガラスセラミックなど、任意の材料から形成される任意のタイプのマッチング層とすることができる。それぞれのマッチング層52は、導電性または非導電性とすることができる。マッチング層52が非導電性の場合、マッチング層52は、マッチング層52上に導電フィルム層(図示せず)を含むことができる。1つまたは複数のマッチング層52(および/またはマッチング層52上の導電フィルム層)は、対応する音響素子14の電気的接地接続を提供することができる。それぞれのマッチング層52は任意の厚さを有することができ、マッチング層52は組み合わされた任意の厚さを有することができる。マッチング層52の組み合わされた厚さの例は、限定はされないが、共振周波数の約4分の1波長(1/4)λの厚さを含む。
【0025】
集積回路36は、限定はされないが、特定用途向け集積回路(ASIC)など、任意のタイプの集積回路とすることができる。超音波システム(例えば、
図5に示す超音波システム10)の様々な構成部品を集積回路36内に含むことができる。例示的な実施形態では、集積回路36は、超音波システム10の送信機12(
図5に示す)、受信機18(
図5に示す)、およびビーム形成電子部品20(
図5に示す)を含む。
【0026】
集積回路36は、インターポーザ側面54およびインターポーザ側面54に沿って延びる複数の電気接点56を含む。集積回路36は、電気的トレース、電気的ビア、および/または集積回路36の様々な構成部品の動作および機能の実施を容易にする電気的回路を含むことができる。集積回路36の電気接点56は、以下で説明するように集積回路36とインターポーザ38との電気的接続を確立するように、インターポーザ38の対応する導体素子58に電気的に接続されるように構成されている。電気接点56は、はんだパッドとして
図1および2に示されている。しかし、それぞれの電気接点56は、それに加えて、またはその代わりに、限定はされないが、はんだバンプ、スタッドバンプ、めっきバンプなどの任意の他の構造を含むことができる。
【0027】
集積回路36の電気接点56は、限定はされないが、センサーパッド、単一の入力/出力(I/O)、電源、制御機能、比較的高電圧接続、比較的低ノイズ接続など、複数の様々なタイプの接続を含むことができる。例えば、本明細書で示す電気接点56は、インターポーザ38を通して対応する音響素子14に電気的に接続されたセンサーパッドである。集積回路36の電気接点56は、センサーパッドに加えて他の機能を表し(限定はされないが、単一の入力/出力(I/O)、電源、制御機能など)、はんだパッドに関して以下で説明し本明細書で図示するのと実質的に同様の方法で、はんだ46を使用してインターポーザ38に電気的に接続される電気接点(図示せず)をさらに含むことができる。
【0028】
インターポーザ38は、基板60および導体素子58を含む。基板60は、反対側の側面62および64を含む。側面62は音響素子14に面し、側面64は集積回路36のインターポーザ側面54に面する。導体素子58は基板60によって保持され、電気接点66aおよび66bを含む。導体素子58の電気接点66aは、音響素子14との電気的接続のために基板60の側面62に沿って延びる。導体素子58の電気接点66bは、集積回路36の電気接点56との電気的接続のために基板60の側面64に沿って延びる。例示的な実施形態では、電気接点66aは、電気接点66bのパターンおよびピッチと同じパターンおよびピッチを有する。あるいは、例えば音響素子14のアレイが集積回路36の電気接点56と異なるパターンおよび/またはピッチを有する実施形態では、電気接点66a、66bは異なるパターンおよびピッチを有する。
【0029】
例示的な実施形態では、導電素子58は、電気接点66aおよび66bおよび対応する電気接点66aから対応する66bへと基板60を通って延びる内部セグメント68を含む単部品素子である。それに加えて、またはその代わりに、導体素子58の1つまたは複数は、基板60へと延びる電気的ビア(図示せず)、基板60の側面62、側面64、および/もしくは内部層(図示せず)、ならびに/または他の電気回路を含む。例えば、いくつかの実施形態では、導体素子58の電気接点66aおよび66bは、インターポーザ38の1つまたは複数の電気的トレースを通して互いに機械的および電気的に接続される別個の構造である。さらに、例えば、いくつかの実施形態では導体素子58は導電性ビアを含み、導体素子58の対応する電気接点66aおよび66bは導電性ビアのはんだパッドである。電気接点66aおよび66bはそれぞれ、限定はされないが、はんだパッド(本明細書に図示する通り)、はんだバンプ、スタッドバンプ、めっきバンプなど、任意の構造を有する任意のタイプの電気接点とすることができる。導体素子58はそれぞれ、限定はされないが、金属、導電性エポキシ、銀エポキシなど、任意の材料から作製することができる。電気接点66aおよび66bはそれぞれ、各側面62および64上を外向きに延びるものとして図示されているが、その代わりに、それぞれの電気接点66aおよび66bは各側面62および64に対して同一面または凹状とすることもできる。
【0030】
インターポーザ38の基板60は、任意の材料から作製することができる。基板60の材料の例は、限定はされないが、比較的低い音響インピーダンスの材料(例えば、約10MRayls未満の音響インピーダンス)、有機材料、ポリイミド(例えば、Kapton(登録商標))などを含む。基板60は単一の層のみを含むものとして示されているが、基板60は任意の数の層を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板60は全体的に可橈性であり、インターポーザ38がフレキシブル回路(「フレックス回路」ともいうことがある)になっている。インターポーザ38は、限定はされないが、約10MRayls未満および/または約2MRaylsから約15MRaylsなどの音響インピーダンスを有することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、インターポーザ38は、超音波振動子16を超音波システム(例えば、
図5に示す超音波システム10)の他の構成部品に電気的に接続するケーブルである。例えば、インターポーザ38は、信号、接地、制御および/または超音波振動子16とRFプロセッサ22(
図5に示す)との間の電気接続、メモリ24(
図5に示す)、信号プロセッサ26(
図5に示す)、ユーザ入力30(
図5に示す)、メモリ32(
図5に示す)および/またはディスプレイシステム28(
図5に示す)を提供するケーブルとすることができる。インターポーザ38がケーブルおよびフレキシブル回路であるいくつかの実施形態では、インターポーザ38は、「フラットフレックス回路」、「フラットフレキシブル導体ケーブル」、「フレックスケーブル」、「ケーブルフレックス回路」および/または「フレキシブルフラットケーブル」ということもあるフラットフレキシブルケーブルである。
【0032】
ここで
図2のみを参照すると、例示的な実施形態では、インターポーザ38は、はんだ46を使用して、音響素子14のアレイと集積回路36の両方に電気的に接続されている。より詳細には、はんだ46の層46aは、インターポーザ38の導体素子58および音響素子14のデマッチング層50の両方に係合する。したがって、インターポーザ38および音響素子14のアレイは、はんだ46の層46aを通して互いに電気的に接続される。同様に、はんだ46の層46bは、インターポーザ38の導体素子58および集積回路36の電気接点56に係合する。したがって、インターポーザ38および集積回路36は、はんだ46の層46bを通して互いに電気的に接続される。インターポーザ38は、音響素子14のアレイを集積回路36に電気的に接続する。集積回路36の電気接点56は、複数の異なるタイプの接続(例えば、比較的高電圧接続および比較的低ノイズ接続)を含むことができ、はんだ層46bは、集積回路36の複数の異なるタイプの接続をインターポーザ38に電気的に接続することができる。はんだ46の層46aは、本明細書では「第1のはんだ層」ということができ、はんだ46の層46bは、本明細書では「第2のはんだ層」ということができる。
【0033】
図2に見ることができるように、はんだ46のそれぞれの層46aおよび46bは、複数の個々のはんだ素子の46aおよび46bを含む。音響素子14とインターポーザ38との間を延びるはんだ46の層46aをまず参照すると、それぞれの個々のはんだ素子46aaは、インターポーザ38の1つまたは複数の対応する電気接点66aと1つまたは複数の対応する音響素子14のデマッチング層50との間で係合する。言い換えると、それぞれの個々のはんだ素子46aaは、電気接続において対応する電気接点66aおよび対応するデマッチング層50と係合する。デマッチング層50に導電性被覆が含まれている実施形態では、はんだ素子46aaは対応するデマッチング層50の導電性被覆に係合する。それぞれの個々のはんだ素子46aaは、インターポーザ38の対応する電気接点66aと対応する音響素子14との間で、伝導軸70に沿って電気経路を提供する。したがって、インターポーザ38の電気接点66aは、はんだ46の層46aの個々のはんだ素子46aaを通して、音響素子14に電気的に接続される。個々のはんだ素子46aaは、電気エネルギーを伝導軸70に沿って方向AおよびBの両方に伝える。したがって、はんだ層46aは信号の伝達および受信を伝えるように構成されている。
【0034】
はんだ46の層46aは、任意の数の電気接点66aおよび任意の数の音響素子14のための任意の数の個々のはんだ素子46aaを含むことができる。例えば、個々のはんだ素子46aaが係合する音響素子14の数が個々のはんだ素子46aaが係合する電気接点66aと同じであるかどうかにかかわらず、それぞれの個々のはんだ素子46aaは任意の数の音響素子14および任意の数の電気接点66aと係合することができる。いくつかの実施形態では、それぞれの個々のはんだ素子46aaは、少なくとも2つの音響素子14と係合する。それぞれの個々のはんだ素子46aaは、限定はされないが、約75μm未満および/または約25μm未満など、任意の厚さを伝導軸70に沿って有することができる。
【0035】
ここでインターポーザ38と集積回路36との間を延びるはんだ46の層46bを参照すると、それぞれの個々のはんだ素子46bbは、インターポーザ38の1つまたは複数の対応する電気接点66bと集積回路36の1つまたは複数の対応する電気接点56との間で係合する。言い換えると、それぞれの個々のはんだ素子46bbは、電気接続において対応する電気接点66bおよび対応する電気接点56と係合する。それぞれの個々のはんだ素子46bbは、インターポーザ38の対応する電気接点66bと対応する電気接点56との間で、伝導軸70に沿って電気経路を提供する。したがって、インターポーザ38の電気接点66bは、はんだ46の層46bの個々のはんだ素子46bbを通して、集積回路36に電気的に接続される。個々のはんだ素子46bbは、電気エネルギーを伝導軸70に沿って方向AおよびBの両方に伝える。したがって、はんだ層46bは信号の伝達および受信を伝えるように構成されている。
【0036】
はんだ46の層46bは、任意の数の電気接点66bおよび任意の数の電気接点56のための任意の数の個々のはんだ素子46bbを含むことができる。例えば、個々のはんだ素子46bbが係合する電気接点56の数が個々のはんだ素子46bbが係合する電気接点66bと同じであるかどうかにかかわらず、それぞれの個々のはんだ素子46bbは任意の数の音響素子56および任意の数の電気接点66bと係合することができる。それぞれの個々のはんだ素子46bbは、限定はされないが、約50μm未満および/または約25μm未満など、任意の厚さを伝導軸70に沿って有することができる。圧力および温度など、密閉された環境ではんだが硬化するとき、厚さを均一に制御する必要があることがあり、超音波信号経路への衝撃が最小限になるように十分に薄くなければならない。はんだ付けおよび組み立てステップは、限定はされないが、例えば、半導体業界で使用されているピックアンドプレース機器など、業界標準機器によって処理することができる。
【0037】
はんだ46の層46aおよび46bは、インターポーザ38と音響素子14との間およびインターポーザ38と集積回路36との間の機械的接続をそれぞれ提供する。いくつかの実施形態では、接着剤(図示せず)が、(はんだ層46aによって提供される電気接点66aと音響素子14との間の機械的接続に加えて)基板60と音響素子14との間の機械的接続を提供するように、インターポーザ38の基板60と音響素子14との間を延びる。いくつかの実施形態では、接着剤(図示せず)が、(はんだ層46bによって提供される電気接点66aと電気接点56との間の機械的接続に加えて)基板60と集積回路36との間の機械的接続を提供するように、インターポーザ38の基板60と集積回路36との間を延びる。接着剤に加えて、またはその代わりに、いくつかの実施形態では、任意の他の構造、締結具、手段などを使用して、インターポーザ38を音響素子14のアレイおよび/または集積回路36に機械的に接続する。
【0038】
はんだ層46bの代わりに、集積回路36の電気接点56は、異方導電性の導電性接着剤(図示せず)を使用して、インターポーザ38の電気接点66bに電気的に接続することができる。言い換えると、いくつかの実施形態では、超音波振動子16ははんだ46の層46bを含まない。「異方導電性」とは、導電性接着剤は、電気エネルギーを少なくとも伝導軸70に沿って伝えるが、電気エネルギーを、伝導軸70に対して零以外の角度に向いている少なくとも1つの他の軸に沿って伝えない。
【0039】
図3は、様々な実施形態で形成される別の超音波振動子116の断面図である。
図3は、超音波振動子116が熱裏打ち層136を含む実施形態を示す。超音波振動子116は、音響素子14のアレイ、インターポーザ138、および熱裏打ち層136を含む。超音波振動子116は、レンズ140、裏打ち142、および/または放熱板144も含むことができる。以下でより詳細に説明するように、インターポーザ138は、はんだ146を使用して音響素子114に電気的に接続されている。はんだ146はまた、インターポーザ138を音響素子114に機械的に接続する。
【0040】
例示的な実施形態では、レンズ140、音響素子114のアレイ、インターポーザ138、熱裏打ち層136、裏打ち142、および放熱板144が、
図3に見ることができるように層に配置されている。層内では、インターポーザ138が熱裏打ち層136と音響素子114との間を延びている。図示された層に加えて、またはその代わりに、レンズ140、音響素子114、インターポーザ138、熱裏打ち層136、裏打ち142、および放熱板144の他の相対的な配置を設けることができる。
【0041】
音響素子114は、任意の次元数で配置することができる。例えば、音響素子114は、1次元(1D)アレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2次元(2D)アレイなどとすることができる。様々な配列を使用することができる。例示的な実施形態では、それぞれの音響素子114は、1つの音響層148,1つのデマッチング層150、および3つのマッチング層152を含む。しかし、それぞれの音響素子114は、任意の数のデマッチング層150を含むことができ、任意の数のマッチング層152を含むことができる。インターポーザ138は、個々の音響素子114によって形成される特定の配列の、多チャンネルケーブルを通る外部チャンネルとの電気的接続として使用される。超音波振動子の音響素子114は、多チャンネルケーブルを使用して、システムと接続される。
【0042】
インターポーザ138は、基板160および導体素子158を含む。基板160は、反対側の側面162および164を含む。熱裏打ち層136は、
図3に見ることができるように、インターポーザ138の側面164上でインターポーザ138に機械的に接続される。導電素子158は基板160によって保持され、電気接点166を含む。導体素子158の電気接点166は、音響素子114との電気的接続のために基板160の側面162に沿って延びる。いくつかの実施形態では、基板160は全体的に可橈性であり、インターポーザ138がフレキシブル回路(「フレックス回路」ともいうことがある)になっている。さらに、いくつかの実施形態では、インターポーザ138は、超音波振動子116を超音波システム(例えば、
図5に示す超音波システム10)の他の構成部品に電気的に接続するケーブルである。インターポーザ138がケーブルおよびフレキシブル回路であるいくつかの実施形態では、インターポーザ138は、「フラットフレックス回路」、「フラットフレキシブル導体ケーブル」、「フレックスケーブル」、「ケーブルフレックス回路」および/または「フレキシブルフラットケーブル」ということもあるフラットフレキシブルケーブルである。
【0043】
上記で簡潔に説明したように、インターポーザ138ははんだ146を使用して、音響素子114のアレイに電気的に接続される。より詳細には、はんだ146の層146aは、インターポーザ138の導体素子158および音響素子114のデマッチング層150に係合する。はんだ146の層146aは、複数の個々のはんだ素子146aaを含む。それぞれのはんだ素子146aaは、インターポーザ138の1つまたは複数の対応する電気接点166と1つまたは複数の対応する音響素子114のデマッチング層150との間で係合する。言い換えると、それぞれの個々のはんだ素子146aaは、電気接続において対応する電気接点166および対応するデマッチング層150と係合する。デマッチング層150に導電性被覆が含まれている実施形態では、はんだ素子146aaは対応するデマッチング層150の導電性被覆に係合する。それぞれの個々のはんだ素子146aaは、インターポーザ138の対応する電気接点166と対応する音響素子114との間で、電気経路を提供する。したがって、インターポーザ138の電気接点166は、はんだ146の層146aの個々のはんだ素子146aaを通して、音響素子114に電気的に接続される。はんだ層146aは信号の伝達および受信を伝えるように構成されている。
【0044】
図4は、様々な実施形態による超音波振動子の製造方法200を示すフローチャートである。方法200の例示的な使用には、
図1、2および5に示す超音波振動子16または
図3に示す超音波振動子116を製造することを含む。方法200は、202で、音響素子のアレイ(例えば、
図1、2および5に示す音響素子14または
図3に示す音響素子114)を設けることを含む。いくつかの実施形態では、202で、音響素子は単一の連続部材(例えば、単一の連続シート)として設けられる。他の実施形態では、202で、音響素子は複数の別個の個々の音響素子として、または音響素子の複数の別個の群として設けられる。
【0045】
204で、方法200は、インターポーザ(例えば、
図1および2に示すインターポーザ38または
図3に示すインターポーザ138)を設けることを含み、インターポーザは複数の導体素子(例えば、
図1および2に示す導体素子58または
図3に示す導体素子158)を含む。方法200は、206で、集積回路(例えば、
図1および2に示す集積回路36)と層にされた音響素子のアレイおよびインターポーザおよび/または熱裏打ち層(例えば、
図3に示す熱裏打ち層136)を配置することを含むことができる。インターポーザは、音響素子のアレイに面する側面および集積回路および/または熱裏打ち層に面する側面を含むことができ、側面は同じ側または反対側とすることができる。例えば、音響素子のアレイならびに集積回路および/または熱裏打ち層とともに層内に配置されるとき、インターポーザは、音響素子のアレイに面する側面および集積回路および/または熱裏打ち層に面する反対側の側面を有する。さらに、例えば、インターポーザが層内に配置されないとき、インターポーザの同じ側面が音響素子のアレイならびに集積回路および/または熱裏打ち層に面することができ、またはインターポーザの異なる側面が音響素子のアレイならびに集積回路および/または熱裏打ち層に面することができる。
【0046】
208で、方法200は、はんだ(例えば、
図2に示すはんだ46または
図3に示すはんだ146)を使用して、インターポーザの導体素子を音響素子のアレイに電気的に接続する。208でインターポーザを音響素子のアレイに電気的に接続することは、208aではんだを音響素子および/またはインターポーザの導体素子に適用することを含むことができる。いくつかの実施形態では、208aではんだを音響素子および/またはインターポーザの導体素子に適用することは、208aaで、以下でより詳細に説明するように、ステンシル(図示せず)を使用してはんだを音響素子および/または導体素子に適用することを含む。
【0047】
208bで、方法200は、音響素子がはんだを通してインターポーザの導体素子に電気的に接続するように、はんだをインターポーザの導体素子と音響素子との間に係合することを含む。208cでは、方法ステップ208は、リフロープロセスを使用して、はんだを硬化することを含む。硬化すると、はんだは、インターポーザと音響素子との機械的および電気的接続をもたらす。ステップ208は、限定はされないが、ピックアンドプレース自動機器、半導体バンピング技術などを使用して、任意のはんだ付けプロセス、機器などを使用して実施することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法200で製造される超音波振動子は、集積回路を含む。例えば、上記で説明したように、方法200は、206で、音響素子のアレイおよびインターポーザを集積回路との層に配置することを含むことができる。210で、方法200は、はんだ(例えば、
図2に示すはんだ46)を使用してインターポーザの導体素子を集積回路に電気的に接続することを含むことができる。210でインターポーザを集積回路に電気的に接続することは、210aで、はんだを集積回路の電気接点(例えば、
図1および2に示す電気接点56)および/またはインターポーザの導体素子に適用することを含むことができる。いくつかの実施形態では、210aではんだを電気接点および/または導体素子に適用することは、210aaで、以下でより詳細に説明するように、ステンシル(図示せず)を使用してはんだを電気接点および/または導体素子に適用することを含む。
【0049】
210bで、方法200は、集積回路の電気接点がはんだを通してインターポーザの導体素子に電気的に接続するように、はんだをインターポーザの導体素子と集積回路の電気接点との間に係合することを含むことができる。210cでは、方法ステップ210は、リフロープロセスを使用して、はんだを硬化することを含むことができる。硬化すると、はんだは、インターポーザと集積回路との機械的および電気的接続をもたらす。ステップ210は、限定はされないが、ピックアンドプレース自動機器、半導体バンピング技術などを使用して、任意のはんだ付けプロセス、機器などを使用して実施することができる。
【0050】
図1および2に示す集積回路36に関して上記で説明したように、集積回路の電気接点は、限定はされないが、センサーパッド、単一の入力/出力(I/O)、電源、制御機能、比較的高電圧接続、比較的低ノイズ接続など、複数の様々なタイプの接続を含むことができる。そのような実施形態では、インターポーザの導体素子を集積回路に電気的に接続するステップ210は、集積回路の複数の異なるタイプの接続を1回の動作(例えば、1回の硬化および圧力周期)でインターポーザに電気的に接続することを含むことができ、これにより超音波振動子を製造する費用、時間、困難性および/または複雑性を低減することができる。さらに、集積回路の複数の異なるタイプの接続を1回の動作でインターポーザに電気的に接続することにより、集積回路の電気接点をより密接させることができ、これにより集積回路および/またはインターポーザの設置面積をより小さくすることができる。
【0051】
202で、音響素子が単一の連続部材として設けられる実施形態では、方法200は、212で、音響素子の単一の連続部材を複数の別個の個々の音響素子または音響素子の2つ以上の別個の群に分割することを含むことができる。そのような実施形態では、インターポーザの導体素子を音響素子のアレイに電気的に接続するステップ208を1回の動作(例えば、1回の硬化および圧力周期)で実施することができ、これにより超音波振動子を製造する費用、時間、困難性および/または複雑性を低減することができる。202で、音響素子が複数の別個の個々の音響素子または音響素子の2つ以上の別個の群として設けられる実施形態では、それぞれの個々の音響素子または音響素子の群は、ステップ208の異なる動作またはステップ208の1回の動作で、インターポーザに電気的に接続することができる。
【0052】
上記で説明したように、方法200は、ステンシルを使用してはんだを適用するステップ208aaおよび/またはステップ210aaを含むことができる。例えば、プリントスクリーン技術を使用してステンシルによってはんだを適用することができる。ステンシルは、個々のはんだ素子(例えば、
図2に示す個々のはんだ素子46aa、
図2に示す個々のはんだ素子46bb、または
図3に示す個々のはんだ素子146aa)を受けるための複数の開口を含む。ステンシルは、任意の数のインターポーザの導体素子、任意の数の音響素子、および任意の数の集積回路の電気接点のための任意の数の開口を含むことができる。例えば、それぞれの開口は、任意の数の音響素子、任意の数のインターポーザの導体素子、および/または任意の数の集積回路の電気接点と係合する個々のはんだ素子を受けることができる。いくつかの実施形態では、ステンシルのそれぞれの開口は、少なくとも2つの音響素子と係合する個々のはんだ素子を受ける。例示的な実施形態では、ステンシルのそれぞれの開口は、4つの音響素子と係合する個々のはんだ素子を受ける。
【0053】
ステンシルは、限定はされないが、約75μm未満および/または約25μm未満など、任意の厚さを有することができる。ステンシルの厚さは、インターポーザと音響素子との間および/またはインターポーザと集積回路との間の隙間を低減しまたは排除し、および/または音響反射を低減しまたは排除し、それにより、超音波振動子によって取得された超音波信号から生成される超音波画像のアーチファクトを低減しまたは排除する、あらかじめ定められた接着強度をもたらす厚さを個々のはんだ素子に与えるように、選択することができる。
【0054】
方法ステップ210および212を方法ステップ208の後に実施するものとして本明細書で示し、上記で説明したが、その代わりに、ステップ210および/またはステップ212は、ステップ208の前またはステップ208と同時に実施される。
【0055】
図5は、様々な実施形態を実施することができる超音波システム10のブロック図である。超音波システム10は、例えば、超音波データを取得し、超音波画像を生成するために使用することができる。超音波システム10は、パルス超音波信号を身体または他の容積へと放出するように、超音波振動子16内の、または超音波振動子16の一部として形成された音響素子14(例えば、振動子素子)のアレイを駆動する送信機12を含む。超音波信号は、身体または他の容積(例えば、体内の血液細胞、脂肪組織、および/または筋組織)の密度境界および/または構造から後方散乱されて、音響素子14へと戻るエコーを生成する。エコーは受信機18で受信される。受信されたエコーは、ビーム形成を実施しRF信号を出力するビーム形成電子部品20を通過する。次いで、RF信号はRFプロセッサ22を通過する。RFプロセッサ22は、エコー信号を表すIQデータ対を形成するようにRF信号を復調する複合復調器(図示せず)を含むことができる。次いで、RFまたはIQ信号データを保存(例えば、一時保存)のために直接メモリ24に送ることができる。
【0056】
超音波システム10はまた、取得された超音波情報(例えば、RF信号データまたはIQデータ対)を処理し、ディスプレイシステム28に表示するために超音波情報のフレームを準備する信号プロセッサ26も含む。信号プロセッサ26は、取得された超音波情報の複数の選択可能な超音波モダリティにしたがって、1つまたは複数の処理動作を実施するように適合されている。取得された超音波情報は、エコー信号を受信しながらスキャニングセッション中にリアルタイムで処理し、および/または表示することができる。それに加えて、またはその代わりに、超音波情報をスキャニングセッション中にメモリ24に一時的に保存し、次いでライブまたはオフライン動作でリアルタイム未満で処理し、および/または表示することができる。
【0057】
信号プロセッサ26は、超音波システム10の動作を制御することができるユーザ入力デバイス30に接続されている。ユーザ入力デバイス30は、例えば、スキャンのタイプまたはスキャンで使用される振動子のタイプを制御するように、ユーザ入力を受け取るための任意の適切なデバイスおよび/またはユーザインターフェースとすることができる。ディスプレイシステム28は、診断超音波画像を含む患者情報を、診断および/または分析のためにユーザに表示する1つまたは複数のモニタを含む。超音波システム10は、直ちに表示される予定のない、取得された超音波情報の処理済フレームを保存するためのメモリ32を含むことができる。メモリ24およびメモリ32の一方または両方は、超音波データの3次元(3D)データセットを保存することができ、そのような3Dデータセットは2Dおよび/または3D画像を表示するためにアクセスされる。リアルタイム3Dまたは4D表示を提供するように、複数の連続3Dデータセットを取得し、時間の経過とともに保存することもできる。画像は修正することができ、および/またはディスプレイシステム28の表示設定は、ユーザ入力デバイス30を使用して手動で調整することができる。
【0058】
音響素子14に加えて、超音波システム10の様々な他の構成部品を、超音波振動子16の構成部品としてみなすことができる。例えば、送信機12、受信機18、および/またはビーム形成電子部品20を、それぞれ超音波振動子16の構成部品とすることができる。いくつかの実施形態では、超音波システム10の2つ以上の構成部品が集積回路(例えば、
図1および2に示す集積回路36)に組み込まれており、超音波システム16の構成部品とすることができる。例えば、送信機12、受信機18、および/またはビーム形成電子部品20を、集積回路に組み込むことができる。
【0059】
超音波システム10は、超音波振動子16の1つまたは複数の様々な構成部品を保持する超音波プローブ34を含むことができる。例えば、
図5に示すように、超音波プローブ34は、音響素子14のアレイを保持する。音響素子14に加えて、例えば、超音波プローブ34は、送信機12、受信機18、ビーム形成電子部品20、および/または構成部品12、18、および/または20のいずれかを含む1つまたは複数の集積回路を保持することができる。
【0060】
超音波システム10は、限定はされないが、ラップトップコンピュータまたはポケットサイズシステムなどの小型システム、ならびにより大きいコンソールタイプシステムで実施することができる。
図6および7は小型システムを示し、
図8はより大きいシステムを示す。
【0061】
図6は、3D超音波データまたは多面超音波データを取得するように構成された超音波振動子332を有する3D可能な小型化超音波システム300を示す。例えば、超音波振動子332は、
図1、2および5の超音波振動子16に関して上記で説明したように、音響素子の2Dアレイを有することができる。オペレータからコマンドを受け取るように、ユーザインターフェース334(一体型ディスプレイ336も含むことができる)が設けられている。本明細書で使用される「小型化」という用語は、超音波システム330が手持ち式または携帯型デバイスであり、または手、ポケット、ブリーフケースサイズのケースまたはバックパックで携帯されるように構成されていることを意味する。例えば、超音波システム330は、一般的なラップトップコンピュータのサイズの携帯型デバイスとすることができる。超音波システム330は、オペレータによる持ち運びが簡単である。一体型ディスプレイ336(例えば、内部ディスプレイ)は、例えば、1つまたは複数の医療画像を表示するように構成されている。
【0062】
超音波データは、有線または無線ネットワーク340を通して(または、例えば、シリアルまたはパラレルケーブルまたはUSBポートを通して直接)、外部デバイス338へと送ることができる。いくつかの実施形態では、外部デバイス338は、ディスプレイを有するコンピュータまたはワークステーション、または様々な実施形態のDVRとすることができる。あるいは、外部デバイス338は、別個の外部ディスプレイ、または画像データを携帯型超音波システム330から受信し、一体型ディスプレイ336より高い解像度を有することができる画像を表示または印刷することができるプリンタとすることができる。
【0063】
図7は、携帯型またはポケットサイズの超音波画像化システム350を示し、ディスプレイ352およびユーザインターフェース354が単一ユニットを形成する。例として、ポケットサイズの超音波画像化システム350は、幅約2インチ、長さ約4インチ、奥行約5インチ、重さ3オンス未満のポケットサイズまたは携帯型超音波システムとすることができる。ポケットサイズの超音波画像化システム350は、一般に、ディスプレイ352、キーボードタイプのインターフェースを含む、または含まないことができるユーザインターフェース354、例えばスキャニングデバイスと接続するための入力/出力(I/O)ポート、および超音波振動子356を含む。ディスプレイ352は、例えば、(医療画像390を表示することができる)320×320ピクセルカラーLCDディスプレイとすることができる。ユーザインターフェース354には、ボタン382のタイプライター様のキーボード380を任意で含むことができる。
【0064】
多機能制御部384にはそれぞれ、システムオペレーションのモードにしたがって機能を割り当てることができる(例えば、異なるビューを表示する)。したがって、それぞれの多機能制御部384は、複数の異なる動作を提供するように構成することができる。多機能制御部384と関連付けられたラベル表示領域386を、必要に応じてディスプレイ352に含むことができる。システム350はまた、限定はされないが、「フリーズ」、「深さ制御」、「ゲイン制御」、「カラーモード」、「印刷」および「保存」などを含むことができる特定目的機能のための追加キーおよび/または制御部388も含むことができる。
【0065】
1つまたは複数のラベル表示領域386は、表示されるビューを示すように、または画像化された対象の異なるビューの表示をユーザが選択することができるように、ラベル392を含むことができる。異なるビューの選択はまた、関連付けられた多機能制御部384によって提供することもできる。ディスプレイ352は、表示された画像ビューに関する情報(例えば、表示された画像に関連付けられたラベル)を表示するためのテキスト表示領域394を含むこともできる。
【0066】
様々な寸法、重量および消費電力を有する小型化または小型超音波システムに関して、様々な実施形態を実施することができることに留意されたい。例えば、ポケットサイズ超音波画像化システム350および小型化超音波システム300は、システム10(
図5に示す)と同じスキャニングおよび処理機能を提供することができる。
【0067】
図8は、可動式ベース402に設けられた超音波画像化システム400を示す。可搬式超音波画像化システム400は、カートベースシステムということもできる。ディスプレイ404およびユーザインターフェース406が設けられており、ディスプレイ404はユーザインターフェース406と別個とし、またはユーザインターフェース406から分離可能とすることができることを理解されたい。ユーザインターフェース406は、任意で、オペレータが表示された画像、アイコンなどに触ることによって選択肢を選択することができるタッチスクリーンとすることができる。
【0068】
ユーザインターフェース406はまた、所望または必要に応じて、および/または一般的に設けられているように、可搬式超音波画像化システム400を制御するために使用することができるコントロールボタン408も含む。ユーザインターフェース406は、ユーザが超音波データおよび表示することができる他のデータと相互通信し、情報を入力し、スキャニングパラメータおよび表示角度などを設定および変更するように、物理的に操作することができる複数のインターフェースオプションを提供する。例えば、キーボード410、トラックボール412および/または多機能制御部414を設けることができる。
【0069】
図9は、様々な実施形態で形成される別の超音波振動子616の一部分の斜視図である。上記で説明したように、本明細書で説明し、および/または図示した超音波振動子の実施形態は集積回路36(
図1および2に示す)、インターポーザ38(
図1および2に示す)、および音響素子14のアレイ(
図1、2および5に示す)の積層配置に制限されない。
図9は、積層配置されていない集積回路636、インターポーザ638、および音響素子614のアレイを有する超音波振動子616の別の実施形態を示す。
【0070】
超音波振動子616は、スキャンヘッド602および1つまたは複数の集積回路636を含む。スキャンヘッド602は、音響素子614のアレイを含む。集積回路636は、スキャンヘッド602から離れた位置にあり、集積回路636が音響素子614のアレイとの層内に配置されていない。集積回路636は、インターポーザ638を通して、音響素子614のアレイに電気的に接続される。インターポーザ638は、スキャンヘッド602の長さから集積回路636へと延びるフレックス回路である。
図9に見ることができるように、インターポーザ638は、インターポーザ638の長さに沿って複数位置で曲がっている。インターポーザ638は、反対側の側面658および660を含む。
【0071】
インターポーザ638は、はんだ(図示せず)を使用して、音響素子614のアレイおよび/または集積回路636に電気的に接続される。インターポーザ638は、はんだ46(
図2に示す)を使用するインターポーザ38と音響素子14のアレイとの接続に関して上記で説明し図示したものと実質的に同様の方法で、はんだを使用して、音響素子614のアレイに電気的に接続することができる。インターポーザ638は、はんだ46を使用するインターポーザ38と集積回路36との接続に関して本明細書で説明し図示したものと実質的に同様の方法で、はんだを使用して、集積回路636に電気的に接続することができる。
【0072】
超音波システムに関して様々な実施形態を説明することができるが、方法およびシステムは、超音波画像化またはその特定の構成に制限されないことを理解されたい。超音波画像化の様々な実施形態は、様々なタイプの画像化システム、例えば、超音波画像化システム、なかでもX線画像化システム、磁気共鳴画像化(MRI)システム、コンピュータ断層撮影(CT)画像化システム、ポジトロン放出断層撮影(PET)画像化システムの1つを有するマルチモダリティ画像化システムと組み合わせて実施することができる。さらに、様々な実施形態を、例えば、超音波溶接検査システムまたは空港手荷物スキャニングシステムなどの非破壊検査システムなど、医療以外の画像化システムで実施することができる。
【0073】
様々な実施形態をハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実施することができることを理解されたい。様々な実施形態および/または構成部品、例えばモジュールなど、またはそれに含まれる構成部品および制御部も、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサの一部として実施することができる。コンピュータまたはプロセッサは、計算デバイス、入力デバイス、表示部、および、例えばインターネットにアクセスするためのインターフェースを含むことができる。コンピュータまたはプロセッサは、マイクロプロセッサを含むことができる。マイクロプロセッサは、通信バスに接続することができる。コンピュータまたはプロセッサは、メモリを含むこともできる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)を含むことができる。コンピュータまたはプロセッサはさらに、ハードディスクドライブ、または、ソリッドステートドライブ、光学ドライブなどのリムーバブルストレージドライブとすることができるストレージデバイスを含むことができる。ストレージデバイスは、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータまたはプロセッサにロードするための他の同様の手段とすることもできる。
【0074】
本明細書で使用する「コンピュータ」または「モジュール」という用語は、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、ASIC、論理回路、および本明細書で説明した機能を実行することができる任意の他の回路またはプロセッサを使用するプロセッサベースまたはマイクロプロセッサベースのシステムを含むことができる。上記の例は例示的なものに過ぎず、したがって「コンピュータ」という用語の定義および/または意味をどのようにも制限するものではない。
【0075】
コンピュータまたはプロセッサは、入力データを処理するために、1つまたは複数のストレージ要素に保存された命令のセットを実行する。ストレージ要素は、所望または必要に応じて、データまたは他の情報も保存する。ストレージ要素は、情報ソースまたはプロセッシングマシン内の物理的メモリ要素の形態とすることができる。
【0076】
命令のセットは、本発明の様々な実施形態の方法およびプロセスなどの特定の動作を実施するプロセッシングマシンとしてコンピュータまたはプロセッサに指示する、様々なコマンドを含むことができる。命令のセットはソフトウェアプログラムの形態とすることができる。ソフトウェアは、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアなど様々な形態とすることができ、具体的な非一時的コンピュータ読取り可能な媒体として実施することができる。さらに、ソフトウェアは別個のプログラムまたはモジュールの集合、より大きいプログラム内のプログラムモジュール、またはプログラムモジュールの一部の形態とすることができる。ソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュラープログラミングを含むこともできる。プロセッシングマシンによる入力データの処理は、オペレータコマンドに応じて、または前回の処理の結果に応じて、または別のプロセッシングマシンによってなされた要求に応じて、実施することができる。
【0077】
本明細書で使用される「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は置き換え可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む、コンピュータによって実行するためのメモリに保存された、任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリのタイプは例示的なものに過ぎず、したがって、コンピュータプログラムの保存のために使用可能なメモリのタイプを制限するものではない。
【0078】
上記の説明は例示的なものに過ぎず、限定的ではないことを理解されたい。例えば、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、様々な実施形態の教示には、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料に適合させるように多くの修正を行うことができる。本明細書で説明した材料の寸法およびタイプは様々な実施形態のパラメータを定義することが意図されているが、実施形態はどのようにも制限されず、例示的な実施形態である。上記の説明を読めば、当業者には多くの他の実施形態が明らかであろう。したがって、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲によるあらゆる均等物の範囲とともに決定される。添付の特許請求の範囲において、「including」および「in which」という用語はそれぞれ、「comprising」および「wherein」という用語に相当する平易な英語として使用するものである。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」などという用語は、単にラベルとして使用するものであり、それらの対象物に数的要件を課すものではない。さらに、添付の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記載されておらず、そのような特許請求の範囲の限定が、さらに構造を伴わない機能の記述が後に続く「means for」というフレーズを明確に使用していない限り、米国特許法§112第6パラグラフに基づいて解釈されるものではない。
【0079】
本明細書は、最良の形態を含む様々な実施形態を開示するため、およびデバイスまたはシステムの作成と使用および組み込まれた方法の実施を含む様々な実施形態を当業者が実行することができるように、例を使用している。様々な実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文字通りの用語と同じ構成要素を含む場合、または実施例が特許請求の範囲の文字通りの用語とごくわずかしか違わない同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内に含まれる。