特許第6199087号(P6199087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199087
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】仕分け装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/68 20060101AFI20170911BHJP
   B65G 13/06 20060101ALI20170911BHJP
   B65G 13/10 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   B65G47/68 D
   B65G13/06
   B65G13/10
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-125140(P2013-125140)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-779(P2015-779A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108166
【氏名又は名称】セントラルコンベヤー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智弘
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−137687(JP,A)
【文献】 特開2013−024407(JP,A)
【文献】 特開平09−240818(JP,A)
【文献】 特開2004−075387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/68 − 47/71
B65G 13/00 − 13/12
B65G 39/00 − 39/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置において、
前記搬送経路中に配置される支持台と、
該支持台の表面に回動可能に配置された複数の回転台と、
該回転台を同期させて回動させる方向変更手段と、
前記回転台に回転可能に配置され前記被搬送物を搬送する搬送ローラと、
該搬送ローラを回転させるローラ駆動手段と、を有し、
前記搬送ローラは、一対の車輪と、該車輪を連結する車軸と、該車軸に配置された円筒磁石と、を備え、
前記ローラ駆動手段は、半径部分が前記円筒磁石の周面と対峙するように配置される円盤磁石と、該円盤磁石を回転させる円盤回転手段と、を備え、
前記車輪は、対峙する内側に凹部を有し、該凹部に前記円盤磁石が配置されるように構成されている、
ことを特徴とする仕分け装置。
【請求項2】
搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置において、
前記搬送経路中に配置される支持台と、
該支持台の表面に回動可能に配置された複数の回転台と、
該回転台を同期させて回動させる方向変更手段と、
前記回転台に回転可能に配置され前記被搬送物を搬送する搬送ローラと、
該搬送ローラを回転させるローラ駆動手段と、を有し、
前記搬送ローラは、一対の車輪と、該車輪を連結する車軸と、該車軸に配置された円筒磁石と、を備え、
前記ローラ駆動手段は、半径部分が前記円筒磁石の周面と対峙するように配置される円盤磁石と、該円盤磁石を回転させる円盤回転手段と、を備え、
前記円盤回転手段は、一端に前記円盤磁石が配置された回転軸と、該回転軸の他端の外周に沿って配置された回転子と、隣り合う前記回転軸が反対回りとなるように前記回転子に斜めに掛け回される無端索条体と、該無端索条体を駆動させる駆動モータと、を有する、
ことを特徴とする仕分け装置。
【請求項3】
前記車輪は、対峙する内側に凹部を有し、該凹部に前記円盤磁石が配置されるように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の仕分け装置。
【請求項4】
前記円盤回転手段は、一端に前記円盤磁石が配置された回転軸と、該回転軸の他端に配置された第二円盤磁石と、該第二円盤磁石と対峙するように配置された駆動軸と、前記第二円盤磁石の半径部分に対応するように前記駆動軸に配置された第二円筒磁石と、前記駆動軸を回転させる駆動モータと、を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け装置に関し、特に、ベルトコンベヤ等の搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤ等の搬送装置によって搬送される被搬送物(荷物)は、その種類や行先等に応じて搬送経路を変更しなければならない。この被搬送物の搬送経路を変更する手段として種々の仕分け装置(分岐装置や振り分け装置という場合もある)が既に提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された仕分け装置(分岐手段)は、主搬送経路中に設けられた回転体と、この回転体に連動連結された向き変更装置と、前記回転体に配設されて搬送面を形成するローラ群と、これらローラに連動連結される回転駆動装置とを有し、この回転駆動装置は、駆動軸が機枠側に配設され、この駆動軸側の駆動輪体とローラ群とに亘って1個の無端回動体が巻回されることによって構成されている。
【0004】
特許文献2に記載された仕分け装置(振り分けコンベヤ)は、並列配置した各搬送ローラに内蔵する複数の永久磁石を同一線上に並ぶように配置し、前記各搬送ローラの各列の永久磁石と対応する位置に駆動磁気車を前記各搬送ローラの外周面と非接触で且つ交差させて回転自在に接近配置し、前記各駆動磁気車を回転して前記搬送ローラを回転させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−82351号公報
【特許文献2】特開2008−74505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載された仕分け装置では、無端回動体の回転軸に対して、無端回動体が巻回された状態のまま、搬送ローラの回転軸の向きが変更されることから、無端回動体としてベルトやロープ等の弾力性を有するものが使用される。そして、搬送ローラの回転に伴って無端回動体が捻れることとなるため、無端回動体が摩擦により摩耗したり、繰り返し疲労によって劣化したりしてしまい、破断してしまうという問題があった。また、無端回動体を破断させないためには、定期的にメンテナンスをしなければならず、作業効率が低下してしまう、コストアップの要因となってしまう等の問題もあった。
【0007】
上述した特許文献2に記載された仕分け装置では、磁石を利用して搬送ローラの向きを非接触状態で変更するようにしたことから、摩耗部分がなく、メンテナンスフリーにすることができる。しかしながら、搬送ローラを回転させるために、元駆動磁気車の動力を中間伝達磁気車、回転軸及び駆動磁気車を介して搬送ローラに伝達していることから、動力伝達機構が複雑であり、エネルギー効率が低下してしまうという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、動力伝達機構の簡素化を図るとともにメンテナンスフリーにすることができる仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置において、前記搬送経路中に配置される支持台と、該支持台の表面に回動可能に配置された複数の回転台と、該回転台を同期させて回動させる方向変更手段と、前記回転台に回転可能に配置され前記被搬送物を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラを回転させるローラ駆動手段と、を有し、前記搬送ローラは、一対の車輪と、該車輪を連結する車軸と、該車軸に配置された円筒磁石と、を備え、前記ローラ駆動手段は、半径部分が前記円筒磁石の周面と対峙するように配置される円盤磁石と、該円盤磁石を回転させる円盤回転手段と、を備え、前記車輪は、対峙する内側に凹部を有し、該凹部に前記円盤磁石が配置されるように構成されている、ことを特徴とする仕分け装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置において、前記搬送経路中に配置される支持台と、該支持台の表面に回動可能に配置された複数の回転台と、該回転台を同期させて回動させる方向変更手段と、前記回転台に回転可能に配置され前記被搬送物を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラを回転させるローラ駆動手段と、を有し、前記搬送ローラは、一対の車輪と、該車輪を連結する車軸と、該車軸に配置された円筒磁石と、を備え、前記ローラ駆動手段は、半径部分が前記円筒磁石の周面と対峙するように配置される円盤磁石と、該円盤磁石を回転させる円盤回転手段と、を備え、前記円盤回転手段は、一端に前記円盤磁石が配置された回転軸と、該回転軸の他端の外周に沿って配置された回転子と、隣り合う前記回転軸が反対回りとなるように前記回転子に斜めに掛け回される無端索条体と、該無端索条体を駆動させる駆動モータと、を有する、ことを特徴とする仕分け装置が提供される。また、前記車輪は、対峙する内側に凹部を有し、該凹部に前記円盤磁石が配置されるように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記円盤回転手段は、一端に前記円盤磁石が配置された回転軸と、該回転軸の他端に配置された第二円盤磁石と、該第二円盤磁石と対峙するように配置された駆動軸と、前記第二円盤磁石の半径部分に対応するように前記駆動軸に配置された第二円筒磁石と、前記駆動軸を回転させる駆動モータと、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明に係る仕分け装置によれば、搬送ローラの駆動手段(ローラ駆動手段)として磁石を用いた非接触式動力伝達機構を採用したことにより、動力伝達機構の摩耗を低減することができ、メンテナンスフリーにすることができる。また、円盤磁石と円筒磁石との組み合わせにより非接触式動力伝達機構を構成したことにより、円盤磁石を回転させるだけで搬送ローラ(円筒磁石)を駆動させることができ、動力伝達機構の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態に係る仕分け装置を示す全体構成図であり、(A)は平面図、(B)は図1(A)におけるB−B断面図、(C)は底面図、である。
図2】ローラ駆動手段を示す説明図であり、(A)は拡大図、(B)は原理説明図、である。
図3】本発明の実施形態に係る仕分け装置の作用を示す説明図であり、(A)は直進時、(B)は進路変更時、を示している。
図4】本発明の他の実施形態に係る仕分け装置を示す底面図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第四実施形態、を示している。
図5】本発明の他の実施形態に係る仕分け装置を示す部分断面図であり、(A)は第五実施形態、(B)は第六実施形態、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図1図5を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る仕分け装置を示す全体構成図であり、(A)は平面図、(B)は図1(A)におけるB−B断面図、(C)は底面図、である。図2は、ローラ駆動手段を示す説明図であり、(A)は拡大図、(B)は原理説明図、である。なお、図1(B)及び図2(A)において、方向変更手段の図を省略してある。
【0016】
本発明の第一実施形態に係る仕分け装置1は、図1図2に示したように、搬送経路中に配置され被搬送物の進路を変更する仕分け装置であって、搬送経路中に配置される支持台2と、支持台2の表面に回動可能に配置された複数の回転台3と、回転台3を同期させて回動させる方向変更手段4と、回転台3に回転可能に配置され被搬送物を搬送する搬送ローラ5と、搬送ローラ5を回転させるローラ駆動手段6と、を有し、搬送ローラ5は、一対の車輪51と、車輪51を連結する車軸52と、車軸52に配置された円筒磁石53と、を備え、ローラ駆動手段6は、半径部分が円筒磁石53の周面と対峙するように配置される円盤磁石61と、円盤磁石61を回転させる円盤回転手段62と、を備えている。
【0017】
支持台2は、搬送ローラ5を備えた回転台3を支持する部品である。支持台2は、例えば、図1(B)に示したように、ローラ駆動手段6を支持する支持フレーム21と、支持フレーム21を支持する脚部22と、回転台3と同一平面を形成するカバー体23と、を有している。支持フレーム21は、水平方向に延設された略角筒形状を有しており、長手方向に沿って複数のローラ駆動手段6が並列に回転可能に配置されている。脚部22は、床面に接地されるとともに支持フレーム21を水平に支持する。カバー体23は、支持フレーム21に接続されローラ駆動手段6を覆うとともに、回転台3と略同一平面を形成する。なお、図1(A)に示した仕分け装置1では、二つの支持台2を連結している。
【0018】
回転台3は、搬送ローラ5の向きを変更するために支持する部品である。回転台3は、例えば、図2(A)に示したように、ローラ駆動手段6に対して相対回転可能に接続された底部31と、底部31の上部に接続された円筒形状の側壁部32と、側壁部32の上部を覆う蓋体33と、を有している。回転台3は、図1(A)及び(B)に示したように、支持フレーム21の長手方向に沿って複数配置される。なお、かかる回転台3の構成は単なる一例であり、側壁部32は搬送ローラ5を回転可能に支持する平板部材であってもよいし、蓋体33を省略するようにしてもよい。
【0019】
方向変更手段4は、回転台3を回動させて搬送ローラ5の向きを変更させる動力伝達機構である。方向変更手段4は、例えば、図1(A)に示したように、各回転台3の底部31にピン結合されるロッド41と、ロッド41を往復動させるアクチュエータ42と、を有している。アクチュエータ42は、支持台2上に配置された台座により支持される。かかる方向変更手段4の構成は、単なる一例であり、ロッド41にリンク機構を介して接続された電動モータにより往復動させるようにしてもよい。
【0020】
搬送ローラ5は、被搬送物と接触して回転によって被搬送物を移動させる部品である。車軸52は、回転台3の側壁部32に回転可能に水平に掛け渡されている。車軸52の両端部には一対の車輪51が接続されている。車輪51の中間部の車軸52には、円筒磁石53が接続されている。円筒磁石53は、車輪51の回転方向に合わせて回転台3の中心軸からずれた位置に配置される。具体的には、円筒磁石53は、周面が円盤磁石61の半径部分と対峙する位置に配置される。
【0021】
また、車輪51は、対峙する内側に凹部54を有し、凹部54に円盤磁石61が配置されるように構成されている。かかる凹部54を形成することにより、車軸52の中央部に非接触式動力伝達機構の一部(円筒磁石53及び円盤磁石61)が配置された場合であっても、車輪51の間隔及び幅を任意に調整することができ、搬送ローラ5の搬送力を担保することができる。なお、車輪51は、金属材又は樹脂材により構成され、表面には被搬送物との摩擦力を高めるための樹脂材や弾性材をコーティングするようにしてもよい。
【0022】
ローラ駆動手段6は、搬送ローラ5に回転力を付与する動力伝達機構である。ローラ駆動手段6は、例えば、図1(C)及び図2(A)に示したように、円盤磁石61と、円盤回転手段62と、を有し、円盤回転手段62は、一端に円盤磁石61が配置された回転軸63と、回転軸63の他端の外周に沿って配置された回転子64と、隣り合う回転軸63が反対回りとなるように回転子64に斜めに掛け回される無端索条体65と、無端索条体65を駆動させる駆動モータ66と、を有している。図示した第一実施形態では、回転子64が歯車により構成され、無端索条体65がチェーンにより構成されている。
【0023】
図1(C)に示したように、駆動モータ66により回転されるギア66aに掛け回された無端索条体65は、反時計回りに、最初の回転軸63の回転子64に右側から掛け回され、二番目の回転軸63の回転子64に左側から掛け回され、三番目の回転軸63の回転子64に右側から掛け回され、以後順に右側と左側の交互に掛け回される。このように無端索条体65をジグザグに斜めに掛け回すことによって、隣接する回転軸63の回転子64の間で無端索条体65の張力を一定に保持し易くすることができ、駆動モータ66の動力をロスなく回転軸63に伝達することができる。
【0024】
このとき、隣り合う回転軸63は反対方向に回転することになる。そこで、円盤磁石61上に非接触に配置される円筒磁石53は、図1(B)に示したように、交互に配置位置が変更される。具体的には、例えば、図示したように、右端の搬送ローラ5に配置された円筒磁石53は円盤磁石61の左側の半径部分に配置され、右から二番目の搬送ローラ5に配置された円筒磁石53は円盤磁石61の右側の半径部分に配置され、右から三番目の搬送ローラ5に配置された円筒磁石53は円盤磁石61の右側の半径部分に配置され、以後交互に配置される。
【0025】
ここで、本実施形態において採用する磁石を用いた非接触式動力伝達機構の原理について、図2(B)に基づいて説明する。非接触式動力伝達機構は、一定方向に回転される円盤磁石Dと、円盤磁石Dの右側の半径部分に周面が対峙するように配置された円筒磁石Rと、により構成される。また、円盤磁石Dは略放射状にN極とS極とが交互に配置された構成を有し、円筒磁石Rは略周方向にN極とS極とが交互に配置された構成を有している。そして、図示したように、円盤磁石Dを反時計回りに回転させると、磁極による吸引と反発の作用により、円筒磁石Rは非接触であるにも拘わらず手前側に回転されることとなる。
【0026】
なお、図示しないが、円筒磁石Rを円盤磁石Dの左側の半径部分に周面が対峙するように配置した場合には、円盤磁石Dを反時計回りに回転させると、磁極による吸引と反発の作用により、円筒磁石Rは非接触であるにも拘わらず奥側に回転されることとなる。すなわち、円筒磁石Rを円盤磁石Dの左側に配置するか、右側に配置するかによって、円盤磁石Dの回転方向を変更することなく、円筒磁石Rを反対方向に回転させることができる。
【0027】
かかる原理を用いたのが本実施形態であり、回転軸63を交互に反対方向に回転させた場合であっても、円盤磁石61に対する円筒磁石53の配置位置を変更することにより、全ての搬送ローラ5(車輪51)を同一方向に回転させることができる。
【0028】
次に、上述した仕分け装置1の作用について、図3を参照しつつ説明する。ここで、図3は、本発明の実施形態に係る仕分け装置の作用を示す説明図であり、(A)は直進時、(B)は進路変更時、を示している。
【0029】
搬送経路は、例えば、仕分け装置1の上流側に配置された第一ベルトコンベヤ11と、仕分け装置1の下流側に配置された第二ベルトコンベヤ12と、により構成されている。かかる搬送経路の側面部には分岐路を構成する仕分けコンベヤ13が配置されている。仕分けコンベヤ13は、例えば、図示したように、被搬送物Pの進行方向との角度が鋭角となるように斜めに配置されたり、被搬送物Pの進行方向に対して直交するように配置されたりする。
【0030】
図3(A)に示したように、被搬送物Pを直進させる場合には、仕分け装置1における搬送ローラ5の車軸52を被搬送物Pの進行方向に対して直交するように位置決めし、搬送ローラ5の回転によって、被搬送物Pを第一ベルトコンベヤ11から第二ベルトコンベヤ12に移送させる。
【0031】
図3(B)に示したように、被搬送物Pの進路を変更させる場合には、仕分け装置1の回転台3を方向変更手段4により所定の角度θだけ回動させて、搬送ローラ5の車軸52を被搬送物Pの進行方向に対して傾斜するように位置決めし、搬送ローラ5の回転によって、被搬送物Pを第一ベルトコンベヤ11から仕分けコンベヤ13に移送させる。
【0032】
なお、ここでは、搬送経路(第一ベルトコンベヤ11及び第二ベルトコンベヤ12)の一方の側(図の右側)に仕分けコンベヤ13が配置された場合について説明しているが、搬送経路の他方の側(図の左側)に仕分けコンベヤ13が配置されている場合には、回転台3を反対方向に回動させるようにすればよい。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態に係る仕分け装置について、図4及び図5を参照しつつ説明する。ここで、図4は、本発明の他の実施形態に係る仕分け装置を示す底面図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第四実施形態、を示している。図5は、本発明の他の実施形態に係る仕分け装置を示す部分断面図であり、(A)は第五実施形態、(B)は第六実施形態、を示している。なお、各図において、上述した第一実施形態に係る仕分け装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0034】
図4(A)に示した第二実施形態に係る仕分け装置1は、支持台2を一つの支持フレーム21により構成したものである。例えば、被搬送物が軽量である場合や小型である場合には、搬送ローラ5を有する回転台3は一列に配置されていれば十分である。無端索条体65は、複数の中継歯車67を介して駆動モータ66のギア66a及び複数の回転子64に掛け回される。
【0035】
図4(B)に示した第三実施形態に係る仕分け装置1は、隣接した回転子64の中間に無端索条体65に張力を付与するスプロケット68を配置したものである。かかる第三実施形態では、各回転子64に対して、無端索条体65が同じ側(図では右側)から掛け回されることから、無端索条体65の回転に伴って回転子64(すなわち、回転軸63)は同じ方向に回転されることとなる。したがって、図示しないが、第三実施形態における円筒磁石53は、円盤磁石61に対して全て同じ位置となるように配置される。
【0036】
図4(C)に示した第四実施形態に係る仕分け装置1は、回転子64をプーリーにより構成し、無端索条体65をベルトにより構成したものである。かかるベルト駆動機構であっても第一実施形態に示したチェーン駆動機構と同一の動作をさせることができる。また、かかるベルト駆動機構において、図4(A)に示したように、支持台2を一つの支持フレーム21により構成してもよいし、図4(B)に示したように、隣接した回転子64の中間に無端索条体65に張力を付与するプーリーを配置するようにしてもよい。
【0037】
図5(A)に示した第五実施形態に係る仕分け装置1は、搬送ローラ5の車輪51を円柱形状に形成したものである。すなわち、第一実施形態における車輪51の内側に形成した凹部54を省略したものである。車輪51の間隔が広くても被搬送物を搬送できる場合や、円盤磁石61の半径が小さくて凹部54を形成しなくても車輪51の間隔を適切な間隔に形成できる場合には、本実施形態のように凹部54を省略してもよい。
【0038】
図5(B)に示した第六実施形態に係る仕分け装置1は、円盤回転手段62に磁石を用いた非接触式動力伝達機構を採用したものである。具体的には、円盤回転手段62は、一端に円盤磁石61が配置された回転軸63と、回転軸63の他端に配置された第二円盤磁石69と、第二円盤磁石69と対峙するように配置された駆動軸70と、第二円盤磁石69の半径部分に対応するように駆動軸70に配置された第二円筒磁石71と、駆動軸70を回転させる駆動モータ72と、支持フレーム21の下面に配置され駆動軸70を回転可能に支持する支持アーム73と、を有している。
【0039】
このとき、隣接する回転軸63は全て同じ方向に回転させればよいことから、第二円筒磁石71は第二円盤磁石69に対して全て同じ側(例えば、図の右側)に配置される。このように円盤回転手段62にも非接触式動力伝達機構を採用することにより、搬送ローラ5の駆動に際し摩擦部分を究極的に低減することができ、メンテナンスフリーな環境を構築することができる。
【0040】
なお、円盤回転手段62としての非接触式動力伝達機構の構成は、単なる一例であり、例えば、二つの円筒磁石を非接触状態に交差させて配置し、動力を伝達させるようにしてもよい。
【0041】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 仕分け装置
2 支持台
3 回転台
4 方向変更手段
5 搬送ローラ
6 ローラ駆動手段
11 第一ベルトコンベヤ
12 第二ベルトコンベヤ
13 仕分けコンベヤ
21 支持フレーム
22 脚部
23 カバー体
31 底部
32 側壁部
33 蓋体
41 ロッド
42 アクチュエータ
51 車輪
52 車軸
53 円筒磁石
54 凹部
61 円盤磁石
62 円盤回転手段
63 回転軸
64 回転子
65 無端索条体
66 駆動モータ
66a ギア
67 中継歯車
68 スプロケット
69 第二円盤磁石
70 駆動軸
71 第二円筒磁石
72 駆動モータ
73 支持アーム

図1
図2
図3
図4
図5