(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外部機器から送信される前記動作に関する情報を前記近距離無線通信手段にて受信した場合、前記記憶手段に記憶されている情報を、受信した前記動作に関する情報に書き換えるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
前記動作は、他の無線通信装置と縁組みを行う動作、電波強度測定用の電波を前記無線網を介して送信する動作、及び他の無線通信装置から送信される電波の電波強度を測定する動作の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の無線通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、センタ側の構成として、ホストコンピュータ11及びセンタ側網制御装置12を備え、端末側の構成として、無線親機21、無線子機22,22,…,22、及びメータ23,23,…,23を備える。メータ23は、例えば個人宅、会社、各種施設毎に設置され、ガス、水道、電気などの使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。無線テレメータシステムは、メータ23の検針値を示すデータ、無線親機21及び無線子機22の動作状態を示すデータなど端末側から出力される各種データを、無線通信を利用してセンタ側へ送信すると共に、無線親機21及び無線子機22の動作を制御するためのコマンド等を含んだ各種データをセンタ側から端末側へ送信することを特徴の1つとしている。
【0015】
センタ側網制御装置12と端末側の無線親機21とは、例えばPHS網、FOMA網などの広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介して無線通信を行う。なお、
図1に示す例では、広域無線網N1に接続されている無線親機21の数を1つとしたが、複数の無線親機21が接続されていてもよいことは勿論のことである。
【0016】
センタ側網制御装置12は、例えば通信事業者の公衆網に設けられ、広域無線網N1を介した端末側との通信を制御する機能を有する。センタ側網制御装置12は、ホストコンピュータ11から端末側へ送信すべきデータが入力された場合、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式にて、端末側へデータを送信する。また、端末側から送信されたデータを広域無線網N1を介して受信した場合、受信したデータをホストコンピュータ11へ送信するように構成されている。
【0017】
無線親機21は、広域無線網N1を介してセンタ側に接続されると共に、縁組みされた複数の無線子機22,22,…,22との間で狭域無線網N2を形成する。無線親機21は、広域無線網N1を介してセンタ側のホストコンピュータ11と無線通信を行うと共に、狭域無線網N2を介して無線子機22,22,…,22と無線通信を行うように構成されている。
【0018】
無線子機22は、自機に接続されたメータ23から検針値を取得した場合、検針値を示すデータを狭域無線網N2を介して無線親機21へ送信する。また、無線親機21は、無線子機22から送信されるデータを受信した場合、及び自機においてホストコンピュータ11へ通知すべきイベントが発生した場合、広域無線網N1を介してホストコンピュータ11と無線通信を行う。
【0019】
無線子機22は、例えば、無線親機21又は他の無線子機22と縁組みするための縁組モード、電波強度測定用の電波を発射する電波発射モード、無線親機21又は他の無線子機22から発射された電波の電波強度を測定する電波測定モードなどの種々の動作モードを備える。
【0020】
また、無線子機22は、後述するように近距離無線通信部226(
図3を参照)を備え、外部のNFC(Near Field Communication)リーダライタ30と近距離無線通信を行う。本実施の形態では、NFCリーダライタ30を用いて、無線子機22に対して各種動作モードの実行指示を与えることができるように構成されている。
【0021】
NFCリーダライタ30は、具体的には、NFC機能搭載の携帯電話機、タブレット端末等である。NFCリーダライタ30は、自機にインストールされたアプリケーションプログラム(不図示)を実行することにより、本発明の外部装置として機能するように構成されている。
【0022】
図2は実施の形態1に係る無線親機21の内部構成を示すブロック図である。無線親機21は、制御部210、記憶部211、広域無線通信部212、狭域無線通信部213、表示部214、操作部215などを備える。無線親機21が備えるハードウェア各部は、電池219から供給される電力により動作するように構成されている。
【0023】
制御部210は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをRAMに読み出し、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、機器全体を本発明に係る無線通信装置として機能させる。
【0024】
記憶部211は、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、自機の設定情報、無線子機22との縁組みに必要な自機のID等を記憶する。
【0025】
広域無線通信部212は、アンテナ212aを通じて電波を発信または受信することによって、広域無線網N1を介した無線通信を行う。無線親機21は、例えば、自機と縁組みされた無線子機22を通じてメータ23の検針値を取得した場合、検針値を示すデータをセンタ側のホストコンピュータ11へ送信する。広域無線通信部212は、制御部210を通じて送信すべきデータを取得した場合、アンテナ212aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した形式にてデータを送信する処理を行う。
【0026】
また、広域無線通信部212は、アンテナ212aにて電波を受信した場合、その電波の電波強度を検出すると共に、受信電波をデコードすることにより所定の形式のデータを取得する。アンテナ212aにて受信する受信電波には、例えば、ホストコンピュータ11からの起動指令などの各種制御コマンドが含まれる。広域無線通信部212は、電波強度の検出結果及びデコードして得られるデータを制御部210へ出力する。制御部210は、広域無線通信部212から出力されたデータを取得した場合、そのデータに基づいて各種の制御を行う。
【0027】
狭域無線通信部213は、アンテナ213aを通じて電波を発信または受信することによって、予め縁組みされた複数の無線子機22,22,…,22と所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば特定小電力無線方式が採用される。無線親機21の狭域無線通信部213は、送信すべきデータを有する無線子機22を探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。また、狭域無線通信部213は、無線子機22から送信されるビーコンを受信した場合であって、自装置が送信すべきデータを有するとき、当該データをビーコンの送信元へ送信する。
【0028】
表示部214は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部210から出力される制御信号に基づいて、保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
【0029】
操作部215は、例えば保守作業を行う作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部210は、操作部215から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部211に記憶させる。
【0030】
本実施の形態では、無線親機21がNCUの機能を有するものとして説明を行ったが、NCUの機能を有する網制御装置を個別の装置として用意し、無線親機21を網制御装置に接続する構成であってもよい。この場合、無線親機21は、網制御装置を接続する接続インタフェースを備え、接続インタフェースに接続された網制御装置を介してセンタ側と通信を行う構成とすればよい。
【0031】
図3は実施の形態1に係る無線子機22の内部構成を示すブロック図である。無線子機22は、制御部220、記憶部221、狭域無線通信部222、メータIF223、表示部224、操作部225などを備える。無線子機22が備えるハードウェア各部は、電池229から供給される電力により動作するように構成されている。
【0032】
制御部220は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備え、ROMに予め格納された制御プログラムをRAMに読み出し、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、機器全体を本発明に係る無線通信装置として機能させる。
【0033】
記憶部221は、例えば、EPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、自機の設定情報、無線親機21又は他の無線子機22との縁組みに必要な自機のID等を記憶する。
【0034】
狭域無線通信部222は、アンテナ222aを通じて電波を発信または受信することによって、予め縁組みされた無線親機21及び他の無線子機22と所定の無線通信方式にて通信を行う。無線通信方式としては、例えば特定小電力無線方式が採用される。無線子機22の狭域無線通信部222は、送信すべきデータを有する無線親機21又は他の無線子機22を探索するための探索信号として、ビーコンを間欠的に送信する。また、狭域無線通信部222は、無線親機21又は他の無線子機22から送信されるビーコンを受信した場合であって、自装置が送信すべきデータを有するとき、当該データをビーコンの送信元へ送信する。
【0035】
メータIF223は、ガス、水道などの使用量を計測するためのメータ23に接続される。メータIF223は、接続されたメータ23から検針値を取得した場合、検針値を示すデータを制御部220へ送出する。
【0036】
表示部224は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部220から出力される制御信号に基づいて、保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
【0037】
操作部225は、例えば保守作業を行う作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部220は、操作部225から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部221に記憶させる。
【0038】
近距離無線通信部226は、NFCリーダライタ30と近距離無線通信を行う。
図4は近距離無線通信部226の構成例を示すブロック図である。近距離無線通信部226は、例えばNFC回路部2261、NFC送受信アンテナ2262、及びNFCメモリ2263を備える。NFC回路部2261は、制御部220に接続されており、NFCリーダライタ30を介して無線子機22の制御部220を起動し、記憶部221のデータを読み書きできるように構成されている。
【0039】
近距離無線通信部226は、無給電状態で設置されており、NFCリーダライタ30から近距離無線通信により供給される電力で動作するように構成されている。すなわち、無線子機22から所定の距離範囲内(例えば10cm以下)にNFCリーダライタ30が接近し、NFCリーダライタ30から発信される電波をNFC送受信アンテナ2262にて受信した場合、NFC回路部2261に電力が誘起されるように構成されている。
【0040】
近距離無線通信部226のNFC回路部2261は、NFC送受信アンテナ2262にて受信した電波をデコードすることによりNFCリーダライタ30からの要求コマンドを取得する。NFC回路部2261は、NFCリーダライタ30からの要求コマンドに応じて、NFCメモリ2263に記憶されている情報を書き換える処理、無線子機22の制御部220へ要求コマンドを送出する処理等を実行する。
【0041】
以下、実施の形態1に係る無線子機22の動作について説明する。
図5は電波測定モードによる動作を実行する際の処理手順を示すフローチャートである。無線子機22の待機状態においてNFCリーダライタ30が所定の距離範囲内に接近した場合、無線子機22は、近距離無線通信部226を通じて起動される(ステップS11)。
【0042】
NFCリーダライタ30から送信される電波測定モードに係る要求コマンドを近距離無線通信部226に受信した場合(ステップS12)、近距離無線通信部226は当該要求コマンドを制御部220へ送出する(ステップS13)。このとき、測定対象となる無線親機21又は他の無線子機22は電波発射モードによる動作を実行し、電波強度測定用の電波を間欠的に送信しているものとする。
【0043】
近距離無線通信部226が送出する要求コマンドを制御部220が取得した場合、制御部220は当該要求コマンドに従って電波測定動作を実行する(ステップS14)。このとき、制御部220は、狭域無線通信部222を制御することにより、アンテナ222aにて受信した電波の電波強度を測定させ、測定結果である電波強度を取得する。そして、制御部220は、取得した電波強度を記憶部221に記憶させる処理、表示部224に表示する処理等を行う。
【0044】
次いで、制御部220は、電波測定動作が完了したか否かを判断する(ステップS15)。電波測定動作が完了していない場合(S15:NO)、制御部220は、電波測定動作が完了するまで待機する。
【0045】
電波測定動作が完了したと判断した場合(S15:YES)、制御部220は、装置全体を待機状態へ移行させ(ステップS16)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0046】
以上のように、実施の形態1に係る無線子機22は、NFCリーダライタ30との近距離無線通信を契機として、NFCリーダライタ30から要求される動作を実行することができる。
【0047】
なお、実施の形態1では、一例として電波強度測定モードの実行手順について説明したが、電波発射モード、縁組モードなどの他の動作モードに適用できることは勿論のことである。
【0048】
また、実施の形態1では、電波測定動作が完了した場合に待機状態に移行させる構成としたが、電波測定開始後の経過時間を制御部220の内蔵タイマ(不図示)により計時して、所定時間が経過した場合に電波測定動作を終了させて待機状態に移行させる構成としてもよい。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態1では、NFCリーダライタ30との近距離無線通信を契機として、要求される動作を実行する構成としたが、無線子機22の制御部220がNFCメモリ2263に記憶されている情報を監視し、NFCメモリ2263に記憶されている情報が書き換えられた場合、その情報に基づいて動作モードの動作を実行する構成としてもよい。
なお、実施の形態2における無線テレメータシステムのシステム構成、無線親機21及び無線子機22の内部構成は実施の形態1と全く同様であるため、その説明を省略することとする。
【0050】
以下、実施の形態2に係る無線子機22の動作について説明する。
図6は縁組モードによる動作を実行する際の処理手順を示すフローチャートである。無線子機22の待機状態においてNFCリーダライタ30が所定の距離範囲内に接近した場合、無線子機22は、近距離無線通信部226を通じて起動される(ステップS21)。
【0051】
NFCリーダライタ30から送信される縁組モードに係る要求コマンドを近距離無線通信部226にて受信した場合(ステップS22)、NFC回路部2261は、受信した要求コマンドに従ってNFCメモリ2263に設けた縁組ビットを書き換える処理を行う(ステップS23)。通常の運用時には縁組動作を行わないため、縁組ビットは例えば「オフ」に設定されており、NFCリーダライタ30からの要求コマンドを受信した場合にのみ、NFC回路部2261は縁組ビットを「オン」に書き換える処理を行う。
【0052】
無線子機22の制御部220は、ステップS21で起動された後、定期的にNFCメモリ2263内の縁組ビットを確認し、縁組ビットが「オフ」から「オン」に書き換えられたか否かを判断する(ステップS24)。縁組ビットが書き換えられていない場合(S24:NO)、制御部220は、縁組みビットが書き換えられるまで待機する。
【0053】
縁組ビットが書き換えられたと判断した場合(S24:YES)、制御部220は、縁組動作を実行する(ステップS25)。このとき、制御部220は、記憶部221に予め記憶されている自装置のIDを縁組みの相手となる無線親機21又は他の無線子機22へ狭域無線通信部222を通じて送信し、無線親機21又は他の無線子機22から送信される縁組み相手のIDを狭域無線通信部222を通じて受信する。制御部220は、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを記憶部221に記憶させる。
【0054】
次いで、制御部220は、縁組動作が完了したか否かを判断する(ステップS26)。縁組動作が完了していない場合(S26:NO)、制御部220は、縁組動作が完了するまで待機する。
【0055】
制御部220が、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを取得し、記憶部221に記憶させた場合、縁組動作が完了したと判断し(S26:YES)、NFCメモリ2263の縁組ビットを「オフ」に書き戻し(ステップS27)、縁組モードによる動作を終了させる。そして、制御部220は、装置全体を待機状態へ移行させ(ステップS28)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0056】
以上のように、実施の形態2に係る無線子機22は、NFCリーダライタ30を用いて無線子機22が備えるNFCメモリ2263内の情報が書き換えられたことを契機として、NFCリーダライタ30から要求される動作モードの動作を実行することができる。
【0057】
(実施の形態3)
実施の形態2では、縁組ビットが「オン」から「オフ」に書き換えられたことを契機として縁組動作を実行する構成としたが、縁組ビットとは別に、実行開始指示を与えるトリガビットをNFCメモリ2263内に設け、このトリガビットが「オン」となったことを契機として縁組動作を実行する構成としてもよい。
なお、実施の形態3における無線テレメータシステムのシステム構成、無線親機21及び無線子機22の内部構成は実施の形態1と全く同様であるため、その説明を省略することとする。
【0058】
以下、実施の形態3に係る無線子機22の動作について説明する。
図7は縁組モードによる動作を実行する際の処理手順を示すフローチャートである。無線子機22の待機状態においてNFCリーダライタ30が所定の距離範囲内に接近した場合、無線子機22は、近距離無線通信部226を通じて起動される(ステップS31)。
【0059】
NFCリーダライタ30から送信される縁組モードに係る要求コマンドを近距離無線通信部226にて受信した場合(ステップS32)、NFC回路部2261は、受信した要求コマンドに従ってNFCメモリ2263内に設けた縁組ビットを書き換える処理を行う(ステップS33)。通常の運用時には、縁組ビットは例えば「オフ」に設定されており、NFCリーダライタ30からの要求コマンドを受信した場合にのみ、NFC回路部2261は縁組ビットを「オン」に書き換える処理を行う。
【0060】
無線子機22の制御部220は、ステップS31で起動された後、定期的にNFCメモリ2263内の縁組ビットを確認する。縁組ビットが「オフ」から「オン」に書き換えられた場合、制御部220は、縁組モードが選択された旨を表示部224に表示する(ステップS34)。これにより、作業員は実際に縁組動作を開始させる前に、縁組モードが選択されたことを確認することができる。
【0061】
縁組モードが選択された後に、NFCリーダライタ30から送信される動作開始指示に係る要求コマンドを近距離無線通信部226にて受信した場合(ステップS35)、NFC回路部2261は、受信した要求コマンドに従ってNFCメモリ2263内のトリガビットを書き換える処理を行う(ステップS36)。縁組モードが選択されていない場合、縁組動作を開始させる必要がないので、トリガビットは「オフ」に設定されており、縁組モードが選択された後に、動作開始指示に係る要求コマンドを受信した場合にのみ、NFC回路部2261はトリガビットを「オン」に書き換える処理を行う。
【0062】
無線子機22の制御部220は、ステップS33で縁組ビットの書き換えが行われた後、定期的にNFCメモリ2263内のトリガビットを確認し、トリガビットが「オフ」から「オン」に書き換えられたか否かを判断する(ステップS37)。トリガビットが書き換えられていない場合(S37:NO)、制御部220は、トリガビットが書き換えられるまで待機する。
【0063】
トリガビットが書き換えられたと判断した場合(S37:YES)、制御部220は、縁組動作を実行する(ステップS38)。このとき、制御部220は、記憶部221に予め記憶されている自装置のIDを縁組みの相手となる無線親機21又は他の無線子機22へ狭域無線通信部222を通じて送信し、無線親機21又は他の無線子機22から送信される縁組み相手のIDを狭域無線通信部222を通じて受信する。制御部220は、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを記憶部221に記憶させる。
【0064】
次いで、制御部220は、縁組動作が完了したか否かを判断する(ステップS39)。縁組動作が完了していない場合(S39:NO)、制御部220は、縁組動作が完了するまで待機する。
【0065】
制御部220が、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを取得し、記憶部221に記憶させた場合、縁組動作が完了したと判断し(S39:YES)、NFCメモリ2263の縁組ビット及びトリガビットをそれぞれ「オフ」に書き戻し(ステップS40)、縁組モードによる動作を終了させる。そして、制御部220は、装置全体を待機状態へ移行させ(ステップS41)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0066】
以上のように、実施の形態3に係る無線子機22は、NFCリーダライタ30を用いて動作モードを指定するビットが書き換えられ、更に動作開始指示を示すトリガビットが書き換えられた場合、NFCリーダライタ30から要求される動作モードの動作を実行することができる。
【0067】
(実施の形態4)
実施の形態3では、トリガビットがオンとなったことを契機として縁組動作を実行する構成としたが、縁組動作が選択された後に無線子機22の操作部225にて所定の操作を受付けた場合に縁組動作を開始させる構成としてもよい。
なお、実施の形態4における無線テレメータシステムのシステム構成、無線親機21及び無線子機22の内部構成は実施の形態1と全く同様であるため、その説明を省略することとする。
【0068】
以下、実施の形態4に係る無線子機22の動作について説明する。
図8は縁組モードによる動作を実行する際の処理手順を示すフローチャートである。無線子機22の待機状態においてNFCリーダライタ30が所定の距離範囲内に接近した場合、無線子機22は、近距離無線通信部226を通じて起動される(ステップS51)。
【0069】
NFCリーダライタ30から送信される縁組モードに係る要求コマンドを近距離無線通信部226にて受信した場合(ステップS52)、NFC回路部2261は、受信した要求コマンドに従ってNFCメモリ2263内に設けた縁組ビットを書き換える処理を行う(ステップS53)。通常の運用時には、縁組ビットは例えば「オフ」に設定されており、NFCリーダライタ30からの要求コマンドを受信した場合にのみ、NFC回路部2261は縁組ビットを「オン」に書き換える処理を行う。
【0070】
無線子機22の制御部220は、ステップS51で起動された後、定期的にNFCメモリ2263内の縁組ビットを確認する。縁組ビットが「オン」から「オフ」に書き換えられた場合、制御部220は、縁組モードが選択された旨を表示部224に表示する(ステップS54)。これにより、作業員は実際に縁組動作を開始させる前に、縁組モードが選択されたことを確認することができる。
【0071】
縁組モードが選択された後に、制御部220は、動作開始指示を与える所定の操作(例えばトリガボタンの操作)を操作部225にて受付けたか否かを判断する(ステップS55)。トリガボタンの操作を受け付けていない場合(S55:NO)、制御部220は、トリガボタンの操作を受付けるまで待機する。
【0072】
トリガボタンの操作を受付けた場合(S55:YES)、制御部220は、縁組動作を実行する(ステップS56)。このとき、制御部220は、記憶部221に予め記憶されている自装置のIDを縁組みの相手となる無線親機21又は他の無線子機22へ狭域無線通信部222を通じて送信し、無線親機21又は他の無線子機22から送信される縁組み相手のIDを狭域無線通信部222を通じて受信する。制御部220は、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを記憶部221に記憶させる。
【0073】
次いで、制御部220は、縁組動作が完了したか否かを判断する(ステップS57)。縁組動作が完了していない場合(S57:NO)、制御部220は、縁組動作が完了するまで待機する。
【0074】
制御部220が、狭域無線通信部222を通じて受信した縁組み相手のIDを取得し、記憶部221に記憶させた場合、縁組動作が完了したと判断し(S57:YES)、NFCメモリ2263の縁組ビットを「オフ」に書き戻し(ステップS58)、縁組モードによる動作を終了させる。そして、制御部220は、装置全体を待機状態へ移行させ(ステップS59)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0075】
以上のように、実施の形態4に係る無線子機22は、NFCリーダライタ30を用いて動作モードを指定するビットが書き換えられ、更に動作開始指示を与える所定の操作を操作部225にて受付けた場合、NFCリーダライタ30から要求される動作モードの動作を実行することができる。
【0076】
なお、実施の形態2〜4では、一例として縁組モードの実行手順について説明したが、電波発射モード、電波測定モードなどの他の動作モードに適用できることは勿論のことである。また、実施の形態2において、トリガビットは、動作モード毎に用意してもよく、各動作モードに共通のものであってもよい。
【0077】
また、実施の形態2〜4では、縁組動作が完了した場合に待機状態に移行させる構成としたが、縁組動作開始後の経過時間を制御部220の内蔵タイマ(不図示)により計時して、所定時間が経過した場合に縁組動作を終了させて待機状態に移行させる構成としてもよい。
【0078】
また、実施の形態1〜4では、無線子機22に搭載された動作モードをNFCリーダライタ30により実行させる構成について説明したが、無線親機21に搭載された各種動作モードをNFCリーダライタ30を用いて実行させる構成としてもよい。この場合、無線親機21は、上述した無線子機22と同様に近距離無線通信部を備え、
図5〜
図8に示す手順にて、各動作モードの動作を実行させる構成とすればよい。
【0079】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0080】
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0081】
本願の無線通信装置は、計測対象物の使用量を計測するメータ(23)からの計測結果を無線網(N2)を介して送受信する無線テレメータシステムにおける無線通信装置において、外部機器(30)と近距離無線通信を行う近距離無線通信手段(226)と、前記外部機器(30)より書き換え可能になしてあり、自装置の動作に関する情報を記憶する記憶手段(2263)と、前記近距離無線通信手段(226)により前記外部機器(30)と近距離無線通信を行った場合、前記記憶手段(2263)に記憶された動作に関する情報を読み出して前記動作を実行する制御手段(220)とを備えることを特徴とする。
【0082】
本願では、無線通信装置に外部機器を近づけて両者の間で近距離無線通信が実行された場合、記憶部に記憶されている動作に関する情報を読み出して動作を実行するので、物理的なスイッチ及びボタンによる操作を受付けることなく各種動作モードによる動作を実施することができる。また、無線通信装置に搭載される動作モードが多様化した場合であっても、記憶手段にて各動作に関する情報を記憶しておくことで各動作モードの動作を実行することができるので、多数のスイッチ及びボタンを設けることに伴う製造コストの上昇及び故障率の増加を抑えることができる。
【0083】
本願の無線通信装置は、前記外部機器(30)から送信される前記動作に関する情報を前記近距離無線通信手段(226)にて受信した場合、前記記憶手段(2263)に記憶されている情報を、受信した前記動作に関する情報に書き換えるようにしてあることを特徴とする。
【0084】
本願では、無線通信装置が特定の動作を実行するときに参照する情報を近距離無線通信機能を有する外部装置を用いて書き換えることができる。このため、無線通信装置に有線で接続される専用の設定装置等を用いることなく、汎用性を有する近距離無線通信機能を搭載した携帯電話機、タブレット端末等を用いて、動作条件の設定を行ったり、動作指示を与えたりすることができる。また、無線通信装置に搭載される動作モードの仕様等が変更した場合、新たな動作モードを追加する場合であっても、携帯電話機、タブレット端末等により実行されるアプリケーションプログラムを変更することで対応できるので、開発効率を大幅に高めることができる。
【0085】
本願の無線通信装置は、前記制御手段(220)は、前記記憶手段(2263)に記憶されている情報が書き換えられたか否かを判断する手段(S24)を備え、前記記憶手段(2263)に記憶されている情報が書き換えられたことを契機として、書き換えられた情報を前記記憶手段(2263)から読み出し、前記動作を実行するようにしてあることを特徴とする。
【0086】
本願では、無線通信装置内の制御手段が記憶手段に記憶された情報の書き換えを監視し、書き換えられたことをトリガとして動作を実行するので、動作開始のための特定のコマンドを用意する必要がなくなる。
【0087】
本願の無線通信装置は、前記動作が終了した場合、書き換えられた前記情報を元の情報に書き戻すようにしてあることを特徴とする。
【0088】
本願では、特定の動作モードによる動作を実行しない場合には、記憶手段が記憶する動作に関する情報は常に同一となるため、この情報の書き換えを検知することで特定の動作モードによる動作を開始させることができる。
【0089】
本願の無線通信装置は、前記動作は、他の無線通信装置(21,22)と縁組みを行う動作、電波強度測定用の電波を前記無線網(N2)を介して送信する動作、及び他の無線通信装置(21,22)から送信される電波の電波強度を測定する動作の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0090】
本願では、近距離無線通信機能を備えた外部機器を用いることにより、他の無線通信装置と縁組みを行う動作、電波強度測定用の電波を無線網を介して送信する動作、及び他の無線通信装置から送信される電波の電波強度を測定する動作に関する情報を設定することができる。