(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[チャネル選択システムSの構成]
図1は、第1実施形態に係るチャネル選択システムS及び当該チャネル選択システムSの外部環境を示す図である。チャネル選択システムSは、インターネット等のネットワークNを介して複数の外部サーバ3に接続されている。チャネル選択システムSは、複数の端末1と、チャネル選択装置として機能する所定のアクセスポイント2とを備える。
【0024】
複数の端末1のそれぞれは、所定の住宅の住人等が使用するスマートフォン等の携帯電話機、タブレット、及びゲーム機等の携帯端末である。なお、端末1は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのように固定端末であってもよい。
【0025】
所定のアクセスポイント2は、所定の住宅に設置されており、端末1のそれぞれと無線により通信を行う。所定のアクセスポイント2は、例えば、ケーブルテレビ放送等の放送信号を受信し、映像及び音声等の信号に変換して出力したり、インターネット上の外部サーバ3が提供するコンテンツを取得して端末1に無線送信したりすることができるセットトップボックスである。なお、所定のアクセスポイント2は、上述した機能を有していない無線LANのアクセスポイントであってもよい。以下、所定のアクセスポイント2を単にアクセスポイント2という。
【0026】
複数の他のアクセスポイント5は、アクセスポイント2が設置されている所定の住宅の近隣の住宅等に設置されており、当該近隣の住宅等のユーザの端末(不図示)と無線により通信を行う。以下、図においてアクセスポイントをAPとも表現する。
【0027】
図2は、第1実施形態に係るアクセスポイント2が無線により通信可能なエリアを示す通信可能エリアと、複数の他のアクセスポイント5の通信可能エリアとの関係例を示す図である。
【0028】
図2に示すように、ユーザ宅100では、リビングにアクセスポイント2が設置され、無線LAN環境が整備されている。一方、ユーザ宅100の近隣の近隣宅101−1、101−2及び101−3には、それぞれ他のアクセスポイント5−1、5−2及び5−3が設置される。
【0029】
図2において破線で示される複数の楕円は、各アクセスポイントのそれぞれが発した電波の電波強度が等しい地点を示しており、当該楕円の内側のエリアは、当該アクセスポイントを介して通信可能なエリアであることを示している。ここで、電波強度とは、各アクセスポイントが発信する電波の受信信号強度(RSSI)をいう。
【0030】
例えば、
図2では、アクセスポイント2を中心として3つの楕円が表示されている。この3つの楕円のうち、最も内側の楕円は、第1の電波強度の地点を示しており、次に内側の楕円は、第1の電波強度よりも弱い第2の電波強度の地点を示しており、最も外側の楕円は、第2の電波強度よりも弱い第3の電波強度の地点を示している。ここで、端末1は、最も外側の楕円よりも内側のエリアでアクセスポイント2と無線通信が可能であるものとする。
【0031】
また、ユーザ宅100には、他のアクセスポイント5−1、5−2及び5−3から発信した電波が到達し、ユーザ宅100の無線LAN環境に干渉する。このとき、ユーザ宅100のリビング、寝室、子供部屋では、干渉の度合いがそれぞれ異なる。即ち、リビングでは近隣宅101−1の他のアクセスポイント5−1が強く干渉し、寝室では近隣宅101−2の他のアクセスポイント5−2が強く干渉し、子供部屋では近隣宅101−3の他のアクセスポイント5−3が強く干渉する。
【0032】
このため、例えば、端末1を頻繁に利用する場所がリビングである場合には、アクセスポイント2のチャネルを他のアクセスポイント5−1との干渉が起こりにくいチャネルに設定することが好ましく、端末1を頻繁に利用する場所が子供部屋である場合には、アクセスポイント2のチャネルを他のアクセスポイント5−3との干渉が起こりにくいチャネルに設定することが好ましい。
また、端末1を頻繁に利用する場所が定まっておらず、各部屋において満遍なく利用される場合には、アクセスポイント2のチャネルを、アクセスポイント2の通信可能エリアの複数の地点で干渉が起こりにくく安定して通信を行うことができるチャネルに設定することが好ましい。
【0033】
ところで、チャネル選択システムSのように、アクセスポイント2から発信した電波を利用する端末1が複数存在する場合、ある端末1はリビングで頻繁に利用されるものの、他の端末1は子供部屋で頻繁に利用される等のように頻繁に利用される場所が端末1毎に異なることがある。この点、チャネル選択システムSでは、複数の端末1のうちの一の端末1を優先端末と設定し、この優先端末の電波環境が他の端末1の電波環境よりも良くなるようにチャネルの設定を行う。
以下、チャネル選択システムSを構成する端末1及びアクセスポイント2の機能構成について説明する。
【0034】
[端末1の構成例]
図3は、第1実施形態に係る端末1の機能構成図である。なお、複数の端末1は、基本的に同一の構成である。端末1は、入力部11と、表示部12と、無線部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0035】
入力部11は、例えば、ボタンや、表示部12に重畳して配置される接触センサ等により構成されており、端末1のユーザから操作入力を受け付ける。なお、端末1がデスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ等である場合には、入力部11は、マウスやキーボードより構成されていてもよい。
【0036】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部12は、制御部15の制御に応じて文字や図形等を表示する。
【0037】
無線部13は、制御部15から出力された信号を変調してRF(Radio Frequency)信号を生成し、アンテナ(不図示)を介して当該RF信号をアクセスポイント2に無線送信する。無線部13は、アンテナを介してアクセスポイント2から受信したRF信号を復調し、復調により得られた信号を制御部15に出力する。ここで、無線部13は、無線規格(IEEE 802.11)により規定される2.4GHz(チャネル数13)又は5GHz(チャネル数19)の無線周波数帯の周波数を利用してアクセスポイント2と通信を行う。
【0038】
記憶部14は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部14は、端末1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部14は、端末1の制御部15を、後述する測定部151、送信部152、コンテンツ取得部153として機能させるためのコンテンツ取得用プログラムを記憶する。記憶部14は、外部メモリ等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って記憶してもよく、ネットワークNを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
【0039】
制御部15は、例えば、CPUにより構成される。制御部15は、記憶部14に記憶されている各種プログラムを実行することにより、端末1に係る機能を統括的に制御する。制御部15は、測定部151と、送信部152と、コンテンツ取得部153とを備える。
【0040】
測定部151は、アクセスポイント2の通信可能エリアにおいて、アクセスポイント2の電波強度と、アクセスポイント2とは異なる他のアクセスポイント5の電波強度と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルとを測定する。測定部151は、測定時に、他のアクセスポイント5のMACアドレス、ESSIDを取得する。測定部151は、例えば、コンテンツ取得用プログラムが実行されたことに応じて測定を開始する。
【0041】
なお、測定部151は、コンテンツ取得用プログラムが実行されている場合に、定期的(例えば、1週間に1回)に測定を行うようにしてもよい。また、測定部151は、コンテンツ取得部153が外部サーバ3からコンテンツを取得している場合、即ち、端末1のユーザが当該コンテンツを閲覧している場合にバックグラウンドで測定を行うようにしてもよい。
【0042】
送信部152は、アクセスポイント2の電波強度と、他のアクセスポイント5の電波強度を示す情報と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルを示す情報と、他のアクセスポイント5のMACアドレス及びESSIDと、測定した日付及び時刻とを含む電波強度情報をアクセスポイント2に送信する。
また、送信部152は、端末1の属性情報をアクセスポイント2に送信する。なお、端末1の属性情報は、例えば、端末1のハードウェア構成、端末1のアプリケーション種別、端末1が対応している無線規格についての情報等ある。
【0043】
ここで、端末1のハードウェア構成とは、例えば、端末1の機種名、端末1の型番、端末1の種別(タブレット、スマートフォン、スマートフォン以外の携帯電話)や端末1の表示部12の大きさや解像度等である。また、端末1のアプリケーション種別とは、端末1にインストールされているアプリケーションの種別であり、例えば、動画再生アプリケーション、Webブラウザ等の有無及びその種別等である。また、端末1が対応している無線規格とは、IEEE 802.11において規定されている各種規格であり、利用可能な無線周波数帯(2.4GHz,5GHz)の特定に用いられる。また、MIMO(multiple-input and multiple-output)やチャネルボンディングの対応有無等も含むこととしてもよい。
【0044】
コンテンツ取得部153は、入力部11によりコンテンツの取得操作が行われたことに応じて、アクセスポイント2を介して外部サーバ3からコンテンツを取得する。コンテンツ取得部153は、取得したコンテンツがテキスト情報、画像情報、又は映像情報である場合、表示部12に表示させる。コンテンツ取得部153は、取得したコンテンツに音声情報が含まれている場合、当該音声情報に基づいた音声を端末1が備えているスピーカー(不図示)から出力させてもよい。
【0045】
[アクセスポイント2の構成例]
続いて、アクセスポイント2の機能構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係るアクセスポイント2の機能構成図である。アクセスポイント2は、無線部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。
【0046】
無線部21は、制御部24から出力された信号を変調してRF信号を生成し、アンテナ(不図示)を介して当該RF信号を端末1に無線送信する。無線部21は、アンテナを介して端末1から受信したRF信号を復調し、復調により得られた信号を制御部24に出力する。なお、無線部21は、2.4GHz又は5GHzの無線周波数帯の周波数を利用して端末1と通信を行う。
通信部22は、有線により外部機器と通信を行う。具体的には、通信部22は、ネットワークNを介して外部サーバ3と通信を行う。
【0047】
記憶部23は、例えば、ROM及びRAM等により構成される。記憶部23は、アクセスポイント2を機能させるための各種プログラムを記憶する。記憶部23は、ネットワークNを介して外部機器からダウンロードされたプログラムを記憶してもよい。
また、記憶部23は、複数の端末1から取得した電波強度情報(
図5参照)及び複数の端末1の属性情報(
図6参照)を記憶する。
【0048】
ここで、
図5を参照して、記憶部23に記憶される電波強度情報について説明する。
図5に示すように、記憶部23は、電波強度を測定した日時を識別する識別情報(No)に対応付けて、電波強度情報を記憶する。
なお、電波強度情報は、電波強度を測定した端末1の端末ID、電波強度を測定した日付及び時刻、アクセスポイント2の電波強度(RSSI_0)、他のアクセスポイント5のMACアドレス、他のアクセスポイント5のESSID、他のアクセスポイント5が使用しているチャネル、他のアクセスポイント5の電波強度(他APのRSSI)、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値(RSSI_0−他APのRSSI)を含む情報である。
【0049】
続いて、
図6を参照して、記憶部23に記憶される端末1の属性情報について説明する。
図6(A)に示すように、記憶部23は、端末1の端末IDに対応付けて、端末1の属性情報を記憶する。ここで、属性情報は、端末1の特徴を示す任意の情報であり、本実施形態では、例えば、端末1のハードウェア構成、端末1のアプリケーション種別、端末1が利用したデータ通信量及び端末1が対応している無線規格(又は端末1が利用可能な無線周波数帯)を含む。
なお、記憶部23に記憶される端末1の属性情報は、端末1から送信される情報に基づいて取得することとしてもよく、また、アクセスポイント2自体が測定することで取得することとしてもよい。
【0050】
端末1のハードウェア構成、端末1のアプリケーション種別及び端末1が対応している無線規格については既に上述した通りである。また、端末1が利用したデータ通信量とは、アクセスポイント2から端末1へのダウンストリームのデータ通信量である(
図6(B)参照)。
【0051】
図4に戻り、制御部24は、例えば、CPUにより構成される。制御部24は、記憶部23に記憶されている各種プログラムを実行することにより、アクセスポイント2に係る機能を統括的に制御する。制御部24は、取得部240と、優先端末設定部241と、利用傾向特定部242と、算出方式選択部243と、算出部244と、チャネル選択部248と、チャネル設定部249と、コンテンツ送信部250とを備える。
【0052】
取得部240は、アクセスポイント2の通信可能エリアにおいて端末1が測定した、アクセスポイント2の電波強度と、他のアクセスポイント5の電波強度と、他のアクセスポイント5が使用するチャネルと、他のアクセスポイント5のMACアドレス及びESSIDと、測定した日付及び時刻とを含む電波強度情報を複数の端末1のそれぞれから取得する。また、取得部240は、端末1のハードウェア構成等を含む属性情報を、複数の端末1のそれぞれから取得する。
【0053】
取得部240は、電波強度情報を取得すると、電波強度情報に、測定した日時及び場所を識別する識別情報、電波強度を測定した端末1を識別する端末ID及びアクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算したときの値を付加して記憶部23に記憶させる。
また、取得部240は、端末1の属性情報を複数の端末1のそれぞれから取得すると、端末1を識別する端末IDを付加して記憶部23に記憶させる。
【0054】
優先端末設定部241は、アクセスポイント2が発する電波を利用する複数の端末1のうち電波環境を優先する優先端末を設定する。なお、優先端末設定部241による優先端末の設定方法は任意であるが、例えば以下の方法により優先端末を設定することができる。
【0055】
ハードウェア構成が異なる端末1では、アクセスポイント2が発する電波の利用態様が異なることが想定される。例えば、タブレットのような端末1では、アクセスポイント2が発する電波を利用して動画を視聴することも想定されるが、端末1が携帯電話である場合、携帯電話の種別によっては動画の視聴が想定されないことがある。
そこで、優先端末設定部241は、端末1のハードウェア構成に基づいて、複数の端末1から優先端末を設定することとしてもよい。一例として、動画視聴が想定される端末1を優先端末とし、動画視聴が想定されない端末1よりも電波環境を優先する。
【0056】
また、インストールされているアプリケーションの種別が異なる端末1では、アクセスポイント2が発する電波の利用態様が異なることが想定される。例えば、動画再生アプリケーションがインストールされている端末1では、アクセスポイント2が発する電波を利用して動画を視聴することも想定されるが、動画再生アプリケーションがインストールされていない端末1では、動画の視聴を想定する必要がない。
そこで、優先端末設定部241は、端末1のアプリケーション種別に基づいて、複数の端末1から優先端末を設定することとしてもよい。一例として、動画再生アプリケーションがインストールされている端末1を優先端末とし、動画再生アプリケーションがインストールされていない端末1よりも電波環境を優先する。
【0057】
なお、端末1のハードウェア構成やアプリケーション種別からではなく、端末1の利用実態から端末1における電波の利用態様を特定し、優先端末を設定することとしてもよい。例えば、優先端末設定部241は、複数の端末1のそれぞれにおけるアクセスポイント2が発する電波を利用する頻度に基づいて優先端末を設定することとしてもよい。この場合、優先端末設定部241は、例えば、利用頻度の高い端末1を優先端末として設定する。また、優先端末設定部241は、複数の端末1のそれぞれにおいて利用されるコンテンツの傾向に基づいて優先端末を設定することとしてもよい。この場合、優先端末設定部241は、より強い電波を必要とするコンテンツを利用する端末1を優先端末として設定する。
利用頻度やコンテンツの傾向は任意の方法で特定することができるが、本実施形態では、記憶部23に記憶される端末1の属性情報(例えば、データ通信量)に基づいて利用頻度やコンテンツの傾向を特定する。
【0058】
ここで、
図6(B)を参照して、データ通信量から利用頻度やコンテンツの傾向を特定する方法の一例について説明する。
図6(B)は、過去n日間のアクセスポイント2から端末1へのダウンストリームのデータ通信量の推移を示すグラフである。
【0059】
図6(B)においてデータ通信量A1[Mbps]は、アクセスポイント2が発する電波が端末1において利用されたか否かを判定するための基準となるデータ通信量である。即ち、A1[Mbps]を超えるデータ通信量である場合、端末1において電波が利用されていることを示す。
優先端末設定部241は、ダウンストリームのデータ通信量がA1[Mbps]以上である状態が継続している時間を計数し、計数した総時間に基づき利用頻度を特定する。即ち、優先端末設定部241は、計数した総時間が長い端末1を利用頻度が高い端末1と特定し、電波環境を優先する優先端末1として設定する。
【0060】
また、
図6(B)においてデータ通信量A2[Mbps]は、動画視聴が行われているか否かを判定するための基準となるデータ通信量である。即ち、A2[Mbps]を超えるデータ通信量である場合、端末1において動画視聴が行われていることを示す。
優先端末設定部241は、ダウンストリームのデータ通信量がA2[Mbps]以上である状態がT秒間継続している日を計数し、過去n日間において所定日以上が計数された場合に、利用コンテンツの傾向として動画視聴有と特定し、所定日未満である場合に、利用コンテンツの傾向として動画視聴無と特定する。そして、優先端末設定部241は、利用コンテンツの傾向が動画視聴有である端末1を電波環境を優先する優先端末1として設定する。
【0061】
なお、
図6(B)では、特定する利用コンテンツの傾向を、動画視聴の有無に限っているが、これに限られるものではない。例えば、視聴する動画の画質(高画質、低画質)の傾向を特定することとしてもよく、また、動画に限らず、利用コンテンツの傾向が音声情報、画像情報、テキスト情報等であるか否かを特定することとしてもよい。
このような場合、判定するための基準となるデータ通信量(A2[Mbps])を適宜設定することで、様々な利用コンテンツの傾向を特定することができる。
【0062】
また、利用頻度やコンテンツの傾向は、データ通信量ではなく、その他の情報から特定することとしてもよい。一例として、端末1からコンテンツの利用履歴(利用したコンテンツの種別及び利用日時)を適宜のタイミングで取得することで、利用頻度やコンテンツの傾向を直接的に特定することとしてもよい。
また、利用頻度は、単なる電波の利用頻度ではなく、コンテンツ毎の利用頻度を用いることとしてもよい。即ち、優先端末設定部241は、動画視聴有の端末1が複数存在する場合に、動画視聴の頻度を参照し、動画視聴の頻度が高い端末1を優先端末として設定することとしてもよい。
【0063】
図4に戻り、優先端末設定部241による優先端末の設定方法の別例について説明する。例えば、両親と成人していない子供とが同居するユーザ宅では、子供が所有する端末1の利用に制限をかけ、両親が所有する端末1を優先する場合がある。ユーザにとってみれば、このような場合には、端末1のハードウェア構成や利用態様からではなく、ユーザの意思により優先端末を設定可能にすることが好ましい。
そこで、優先端末設定部241は、複数の端末1から一の端末1を選択する選択操作に基づいて、優先端末を設定することとしてもよい。
【0064】
利用傾向特定部242は、優先端末におけるアクセスポイント2が発する電波の利用傾向を特定する。なお、利用傾向特定部242が特定する電波の利用傾向には、優先端末1がユーザにより利用される利用場所の傾向と上述した利用コンテンツの傾向とが少なくとも含まれる。ここで、利用コンテンツの傾向の特定方法は、既に上述した通りであるため、以下では、利用場所の傾向の特定方法について説明する。
【0065】
利用傾向特定部242は、優先端末が測定したアクセスポイント2の電波強度に基づいて、優先端末における利用場所の傾向を特定する。具体的には、利用傾向特定部242は、所定期間(例えば、1週間)内に優先端末が測定したアクセスポイント2の電波強度(RSSI_0)を定期的に参照し、アクセスポイント2からの距離に対応する複数の範囲のそれぞれにおける測定回数を集計し、当該複数の範囲それぞれの測定回数の割合を算出する。
【0066】
より具体的には、利用傾向特定部242は、アクセスポイント2からの距離に対応する第1の範囲、第2の範囲、及び第3の範囲における測定回数を集計する。ここで、第1の範囲は、電波強度が第1の閾値(例えば、−30dBm)以上の範囲であり、アクセスポイント2からの距離が近距離とされる範囲である。第2の範囲は、電波強度が第1の閾値未満、かつ、第2の閾値(−70dBm)以上の範囲であり、アクセスポイント2からの距離が中距離とされる範囲である。第3の範囲は、電波強度が第2の閾値未満の範囲であり、アクセスポイント2からの距離が長距離とされる範囲である。
【0067】
例えば、
図5に示す電波強度情報において、No1に対応するアクセスポイント2の電波強度は、−30dBmであるので、第1の範囲に属する。また、No2、No3及びNo4に対応するアクセスポイント2の電波強度は、それぞれ、−50dBm、−70dBm、−55dBmであるので、いずれも第2の範囲に属する。
【0068】
図7は、アクセスポイント2からの距離に対応する複数の範囲における測定回数及び割合の一例を示す図である。
図7に示す例では、第1の範囲で20回、第2の範囲で9回、第3の範囲で6回、電波強度が測定され、全測定回数(35回)に対する割合は、それぞれ、0.69、0.17、0.14である。
【0069】
利用傾向特定部242は、複数の範囲それぞれにおける集計結果の割合を算出した結果、一の範囲に対応する割合が所定の閾値(例えば、0.5)を超えた場合、当該一の範囲において優先端末がアクセスポイント2の電波を利用する傾向が強いと特定する。例えば、
図7に示す例では、第1の範囲に対応する割合が所定の閾値を超えていることから、利用傾向特定部242は、アクセスポイント2からの距離が近距離の範囲で優先端末が利用されている傾向が強いと特定する。
また、利用傾向特定部242は、複数の範囲に対応する割合がいずれも所定の閾値を超えていない場合、優先端末が、アクセスポイント2の電波強度が異なる複数の位置において電波を利用する傾向が強いと特定する。
【0070】
算出方式選択部243は、特定した利用傾向に基づいて、他のアクセスポイント5の電波強度に基づいてアクセスポイント2が発する電波に対する干渉度を算出する複数の算出方式から、一の算出方式を選択する。
【0071】
ここで、算出方式には、他のアクセスポイント5それぞれの電波強度のうち、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い電波強度に基づいて干渉度を算出する第1算出方式と、アクセスポイント2の通信可能エリア内の特定の位置における他のアクセスポイント5の電波強度に基づいて干渉度を算出する第2算出方式とが含まれる。
【0072】
第1算出方式は、アクセスポイント2からの距離に関わらず安定して通信を行うことができる方式、言い換えるとアクセスポイント2の通信可能エリアの複数の地点において(即ち、通信可能エリアのどこにいても)安定して通信を行うことができる方式である。第1算出方式は、他のアクセスポイント5それぞれの電波強度が強いエリア(ワーストケース)に着目し、干渉度を算出する。
【0073】
一方、第2算出方式は、アクセスポイント2からの距離が特定の距離である場合に安定して通信を行うことができる方式であり、アクセスポイント2からの距離が近距離である場合に安定して通信を行うことができる近距離優先方式、アクセスポイント2からの距離が中距離である場合に安定して通信を行うことができる中距離優先方式、及びアクセスポイント2からの距離が長距離である場合に安定して通信を行うことができる長距離優先方式が含まれる。
【0074】
算出方式選択部243は、利用傾向特定部242によって特定された利用傾向(即ち利用場所の傾向及び/又は利用コンテンツの傾向)に基づいて、第1算出方式及び第2算出方式の中から一の算出方式を選択する。
例えば、算出方式選択部243は、優先端末の利用場所に好適な算出方式を選択する。具体的には、算出方式選択部243は、優先端末が、アクセスポイント2の電波強度が異なる複数の位置において電波を利用する傾向が強い場合、第1算出方式を選択し、優先端末が、アクセスポイント2の電波強度が所定範囲内である特定の位置において電波を利用する傾向が強い場合、第2算出方式を選択する。
【0075】
より具体的には、算出方式選択部243は、優先端末が、アクセスポイント2から近距離の範囲で利用される傾向が強い場合、第2算出方式の近距離優先方式を選択する。また、算出方式選択部243は、優先端末が、アクセスポイント2から中距離の範囲で利用される傾向が強い場合、第2算出方式の中距離優先方式を選択する。また、算出方式選択部243は、優先端末が、アクセスポイント2から長距離の範囲で利用される傾向が強い場合、第2算出方式の長距離優先方式を選択する。
【0076】
また、算出方式選択部243は、優先端末の利用コンテンツに好適な算出方式を選択することとしてもよい。例えば、優先端末で利用されるコンテンツがテキスト情報である場合、アクセスポイント2の電波強度は低くてよいが、優先端末で利用されるコンテンツが動画である場合は一定以上の電波強度が要求される。
そこで、優先端末の利用コンテンツの傾向が動画視聴無である場合、算出方式選択部243は、第1算出方式を選択する。他方、優先端末の利用コンテンツの傾向が動画視聴有である場合、算出方式選択部243は、優先端末の利用場所の傾向にあった位置において好適な第2算出方式(近距離優先方式、中距離優先方式、長距離優先方式)を選択する。
【0077】
算出部244は、選択された一の算出方式を用いて複数のチャネルそれぞれの干渉度を算出する。具体的には、算出部244は、電波強度選択部245と、電波強度推定部246と、干渉度算出部247とを備える。
【0078】
電波強度選択部245は、選択された一の算出方式に基づいて、記憶部23に記憶された電波強度情報から、後述の電波強度推定部246における電波強度の推定に用いられる電波強度を選択する。
電波強度選択部245は、第1算出方式が選択されると、記憶部23に記憶された電波強度情報から、アクセスポイント2に対する影響が相対的に強い他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。具体的には、電波強度選択部245は、記憶部23に記憶されている電波強度情報を参照し、他のアクセスポイント5の電波強度のうち最も高い電波強度を、他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択する。この選択方式を、方式Aという。
【0079】
図8は、各アクセスポイントから発せられる電波の電波強度を端末1が測定した地点を示す図である。
図8に示す地点P1〜P7は、端末1が各アクセスポイントから発せられる電波強度を測定した地点を示している。また、
図8に示す電波強度の等しい地点を示す楕円上には、当該地点の電波強度を示している。
【0080】
方式Aでは、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、取得部240が取得した他のアクセスポイント5の電波強度のうち、最も高い電波強度を選択する。そのため、電波強度選択部245は、
図8に示す例において、他のアクセスポイント5−1に対応して地点P1において測定された電波強度を選択し、他のアクセスポイント5−2に対応して地点P3において測定された電波強度を選択し、他のアクセスポイント5−3に対応して地点P5において測定された電波強度を選択する。
例えば、
図5に示す電波強度情報の場合、電波強度選択部245は、ESSIDが「OtherAP1」の他のアクセスポイント5について、最も高い電波強度として「−40」[dBm]を選択する。電波強度選択部245は、同様に、「OtherAP2」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を「−62」、「OtherAP3」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を「−55」、「OtherAP4」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を「−40」、「OtherAP5」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を「−60」、「OtherAP6」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度を「−65」と選択する。
【0081】
なお、電波強度選択部245は、第1算出方式において、方式Aの代わりに、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算した値が最小となる電波強度を選択してもよい。この選択方式を方式Bという。
【0082】
アクセスポイント2に対する影響を考えた場合、他のアクセスポイント5だけでなく、アクセスポイント2自体の電波強度を考慮した方が適切に算出できる場合がある。即ち、アクセスポイント2の電波強度が十分に高い場所であれば、他のアクセスポイント5の電波強度に関わらずアクセスポイント2に対する影響が小さい場合があり、また、アクセスポイント2の電波強度が低い場所であれば、他のアクセスポイント5の電波強度が低くてもアクセスポイント2に対する影響が大きい場合がある。
そこで、方式Bでは、他のアクセスポイント5の電波強度として、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算した値が最小となる電波強度を選択する。
【0083】
例えば、
図8に示す例では、地点P1は、アクセスポイント2の電波強度が約−30dBmであり、他のアクセスポイント5−1の電波強度が約−50dBmである。地点P2は、アクセスポイント2の電波強度が約−60dBmであり、他のアクセスポイント5−1の電波強度が約−55dBmである。よって、地点P2は、地点P1に比べて他のアクセスポイント5−1の電波強度が弱いものの、アクセスポイント2の電波強度も弱く、地点P1に比べてアクセスポイント2が干渉の影響を受けやすい。同様に、地点P4は、地点P3に比べて他のアクセスポイント5−2の電波強度が弱いものの、地点P3に比べてアクセスポイント2が干渉の影響を受けやすい。
【0084】
そこで、電波強度選択部245は、方式Bにより電波強度を選択する場合、他のアクセスポイント5−1に対応して地点P2において測定された電波強度を選択し、他のアクセスポイント5−2に対応して地点P4において測定された電波強度を選択し、他のアクセスポイント5−3に対応して地点P5において測定された電波強度を選択する。このように選択することで、電波強度選択部245は、干渉が発生しやすい地点を適切に選択することができる。
【0085】
また、電波強度選択部245は、方式A、Bの代わりに、第1算出方式において、チャネル毎に影響が高い他のアクセスポイント5(ドミナントアクセスポイント)の電波強度を選択してもよい。この方式を方式Cという。
第1算出方式は、アクセスポイント2の通信可能エリアのどこにいても安定して通信をすることができる方式であり、ワーストケースを考慮してアクセスポイント2に対する干渉度を算出する。この点、方式A、Bは、他のアクセスポイント5の電波強度に着目し、他のアクセスポイント5の電波強度が最も高い又は、アクセスポイント2の電波強度から他のアクセスポイント5の電波強度を減算した値が最小となる地点をワーストケースとして特定する。これに対して、方式Cでは、チャネル毎に干渉の程度が相対的に高い地点をワーストケースとして特定し、これらの地点において測定された他のアクセスポイント5の電波強度に基づいて、アクセスポイント2に対する干渉度を算出する。
【0086】
図9は、ユーザ宅100におけるチャネル毎に干渉の程度が相対的に高い領域を示す図である。なお、
図9では、チャネル1、5、10について干渉の程度が相対的に高い領域を示し、その他のチャネルについては図示を省略している。
図9において、領域301は、アクセスポイント2がチャネル1を用いて通信を行った場合に干渉の程度が相対的に高い領域であり、領域302は、アクセスポイント2がチャネル5を用いて通信を行った場合に干渉の程度が相対的に高い領域であり、領域303は、アクセスポイント2がチャネル10を用いて通信を行った場合に干渉の程度が相対的に高い領域である。そのため、チャネル1に着目すると、領域301内で測定された他のアクセスポイント5の電波強度に基づいてアクセスポイント2に対する干渉度を算出することが、チャネル1におけるワーストケースに相当する。
【0087】
そこで、電波強度選択部245は、方式Cにより電波強度を選択する場合、チャネル1については、領域301内の地点P11において測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択し、チャネル5については、領域302内の地点P12において測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択し、チャネル10については、領域303内の地点P13において測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。
このようにすることで、複数のチャネルのそれぞれに対して干渉が発生しやすい地点における他のアクセスポイント5の電波強度を選択することができる。
【0088】
図4に戻り、電波強度選択部245は、第2算出方式が選択されると、記憶部23に記憶された電波強度情報から、アクセスポイント2の電波強度として所定の電波強度が測定された測定タイミング(日付、時刻)を特定する。なお、所定の電波強度は、近距離優先方式、中距離優先方式、長距離優先方式によってそれぞれ異なり、近距離優先方式の場合には第1の閾値以上、中距離優先方式の場合には第1の閾値未満、かつ、第2の閾値以上、長距離優先方式の場合には第2の閾値未満の電波強度が対応する。
電波強度選択部245は、所定の電波強度が測定された測定タイミングと同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。
【0089】
具体的には、電波強度選択部245は、近距離優先方式が選択されると、アクセスポイント2の電波強度のうち、第1の閾値以上の電波強度を特定し、当該電波強度と同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。
【0090】
例えば、電波強度選択部245は、
図5に示す電波強度情報を参照し、アクセスポイント2の電波強度「−30」[dBm]を測定したタイミングを特定し、この電波強度と同時に測定された、「OtherAP1」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度「−40」、「OtherAP2」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度「−62」、「OtherAP6」に対応する他のアクセスポイント5の電波強度「−70」を選択する。ここで、「OtherAP3」、「OtherAP4」及び「OtherAP5」に対応する他のアクセスポイント5については電波強度が同時に測定されていないため、電波強度選択部245は、これら他のアクセスポイント5の電波強度として、ほとんど影響がない電波強度である「−100」[dBm]を割り当てる。
【0091】
また、電波強度選択部245は、中距離優先方式が選択されると、アクセスポイント2の電波強度のうち、第1の閾値未満、かつ、第2の閾値以上の電波強度を測定したタイミングを特定し、この電波強度と同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。
また、電波強度選択部245は、長距離優先方式が選択されると、アクセスポイント2の電波強度のうち、第2の閾値未満の電波強度を測定したタイミングを特定し、この電波強度と同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を選択する。
【0092】
このように、電波強度選択部245が算出方式に応じて適切な他のアクセスポイント5の電波強度を選択することで、後述の電波強度推定部246において、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5の電波強度を推定できるようになる。
【0093】
ここで、電波強度選択部245は、所定期間以内に取得された他のアクセスポイント5の電波強度から、電波強度を選択してもよい。このようにすることで、近隣宅における他のアクセスポイント5の配置状況に変化があっても、その変化に対応して他のアクセスポイント5の電波強度を選択することができる。
【0094】
電波強度推定部246は、電波強度選択部245が他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択した電波強度と、記憶部23に予め記憶されている、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度とに基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。
図10は、チャネルの周波数間隔(Δchi)による電波干渉の影響度ω(Δchi)を示す図である。ここで、Δchiの「i」は、離れている間隔を示す値である。
【0095】
図10では、2.4GHz帯におけるチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度と、5GHz帯におけるチャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度とを示している。
図10のように、電波干渉の影響度は、無線通信において用いる周波数帯によって異なる。例えば、2.4GHz帯では、チャネルが1離れると、電波干渉の影響度ω(Δch1)は、−2dBmとなり、チャネルが2離れると、電波干渉の影響度ω(Δch2)は、−5dBmとなる。また、5GHz帯では、チャネルが1離れると、電波干渉の影響度ω(Δch1)は、−100dBmとなる。
なお、
図10に示す電波干渉の影響度ω(Δchi)は一例に過ぎず、適宜異なる値を設定することとしてもよい。
【0096】
電波強度推定部246は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度、及び電波強度選択部245が他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択された電波強度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。以下に、電波強度推定部246が電波強度を推定する処理について、第1算出方式が選択された場合における、ESSIDが「OtherAP1」の他のアクセスポイント5の電波強度を推定する例を用いて説明する。なお、ここでは、方式Aによって電波強度が選択された例を用いて説明する。
【0097】
まず、電波強度選択部245が「OtherAP1」について、方式Aに対応して、最も高い電波強度として「−40」を選択する。「OtherAP1」に対応するチャネルは「6」であることから、電波強度推定部246は、チャネル「6」に対応する電波強度を「−40」とする。
【0098】
続いて、電波強度推定部246は、チャネル「6」から1チャネル離れているチャネル「5」及び「7」の電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−2」を加算した「−42」と推定する。また、電波強度推定部246は、チャネル「6」から2チャネル離れているチャネル「4」及び「8」に対応する電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−5」を加算した「−45」と推定する。同様に、電波強度推定部246は、チャネル「3」及び「9」に対応する電波強度を「−50」と推定し、チャネル「2」及び「10」に対応する電波強度を「−68」と推定し、チャネル「1」及び「11」に対応する電波強度を「−140」と推定する。
【0099】
また、チャネル「12」及び「13」は、チャネル「6」から5チャネル以上離れていることから、電波強度推定部246は、チャネル「12」及び「13」に対応する電波強度を、チャネル「6」に対応する電波強度「−40」に影響度「−100」を加算した「−140」と推定する。
【0100】
なお、電波強度推定部246は、方式B、及び第2算出方式においても上述した説明と同様に複数の他のアクセスポイント5のそれぞれの電波強度を推定する。
また、電波強度推定部246は、電波強度選択部245が方式Cを用いて他のアクセスポイント5の電波強度を選択した場合、以下の手順で各チャネルにおける複数の他のアクセスポイント5の電波強度を推定する。
【0101】
まず、電波強度推定部246は、各チャネルにおいて選択された電波強度と同時に測定された他のアクセスポイント5の電波強度を特定する。ここで、電波強度推定部246は、同時に測定されなかった他のアクセスポイント5の電波強度に「−100」を割り当て、さらに、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度を加算することにより電波強度を推定する。例えば、チャネル「3」における他のアクセスポイント5の電波強度を推定する際に、同時に測定されなかった他のアクセスポイント5のチャネルが「6」である場合、電波強度推定部246は、電波強度に「−100」を割り当てる。さらに、チャネルが3離れていることから、電波強度推定部246は、「−100」に対して電波干渉の影響度「−10」を加算した「−110」を当該他のアクセスポイント5の電波強度と推定する。
【0102】
図4に戻り、干渉度算出部247は、複数のチャネルのそれぞれについて、推定した他のアクセスポイント5それぞれの電波強度に基づいてアクセスポイント2が発する電波に対する干渉度を算出する。具体的には、干渉度算出部247は、キャリア対干渉波の電力比(CIR)からアクセスポイント2の電波強度(RSSI_0)を減算した値(CIR−RSSI_0)を干渉度として算出する。この干渉度は、以下の式で求められる。なお、Nは、他のアクセスポイント5の台数である。
【数1】
【0103】
ここで、(1)式により算出された値(CIR−RSSI_0)が大きい場合、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが小さく、(1)式により算出された値が小さい場合、アクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが大きい。
【0104】
図11は、第1算出方式(方式A)が選択された場合において、複数のチャネルのそれぞれに対して推定された他のアクセスポイント5の電波強度、及び算出された干渉度を示す図である。
図11では、チャネル「1」のCIR−RSSI_0が最も大きいことから、チャネル「1」においてアクセスポイント2に対する他のアクセスポイント5の干渉度合いが最も小さいことが確認できる。
【0105】
チャネル選択部248は、算出された複数のチャネルそれぞれの干渉度に基づいて、アクセスポイント2のチャネルを選択する。具体的には、チャネル選択部248は、複数のチャネルそれぞれの干渉度を示す値(CIR−RSSI_0)が最も大きいチャネルを選択する。
【0106】
チャネル設定部249は、チャネル選択部248がチャネルを選択したことに応じて、無線部21が使用するチャネルを、チャネル選択部248が選択したチャネルに設定する。チャネル設定部249は、コンテンツ送信部250がコンテンツを送信していない場合にチャネルを設定するようにしてもよい。
【0107】
コンテンツ送信部250は、端末1の入力部11によりコンテンツの取得操作が行われたことに応じて、外部サーバ3からコンテンツを取得する。コンテンツ送信部250は、外部サーバ3から取得したコンテンツを、無線部21を介して端末1に送信する。
【0108】
[アクセスポイント2の処理]
続いて、
図12を参照して、アクセスポイント2が優先端末に好適なチャネルを選択する処理の流れについて説明する。なお、以下では、優先端末の利用場所の傾向に基づきチャネルを選択する例をとり、アクセスポイント2の処理について説明する。また、記憶部23には、取得部240によって取得された電波強度情報が記憶されているものとする。
【0109】
まず、優先端末設定部241は、複数の端末1の中から電波環境を優先する優先端末を設定する(ステップS1)。この処理では、優先端末設定部241は、端末1のハードウェア構成や利用態様に基づいて、また、ユーザからの選択操作に基づいて、優先端末を設定する。
【0110】
続いて、利用傾向特定部242は、優先端末の利用傾向を特定する(ステップS2)。特定する利用傾向は、優先端末の利用場所の傾向や優先端末で利用されるコンテンツの傾向であってもよいが、本実施形態では、優先端末の利用場所の傾向を特定する。即ち、利用傾向特定部242は、優先端末が測定した電波強度が第1の範囲、第2の範囲及び第3の範囲のそれぞれに属する回数に基づいて、優先端末の利用場所の傾向を特定する。
【0111】
続いて、算出方式選択部243は、優先端末の利用傾向に基づいて、一の算出方式を選択する(ステップS3)。なお、この処理の詳細については後述する。続いて、電波強度選択部245は、選択した一の算出方法に基づいて、複数の他のアクセスポイント5のそれぞれの電波強度を電波強度情報から取得する(ステップS4)。
【0112】
続いて、電波強度選択部245、電波強度推定部246及び干渉度算出部247は、選択した算出方式に基づいて各チャネルそれぞれの干渉度を算出する(ステップS5)。なお、この処理の詳細については後述する。
【0113】
続いて、チャネル選択部248は、算出された複数のチャネルそれぞれの干渉度に基づいて、アクセスポイント2のチャネルを選択し(ステップS6)、処理を終了する。
【0114】
続いて、
図13を参照して、アクセスポイント2が算出方式を選択する処理(ステップS3)の詳細について説明する。
まず、算出方式選択部243は、アクセスポイント2の電波強度が異なる複数の位置で、優先端末が利用される傾向が強いか否かを判定する(ステップS31)。算出方式選択部243は、異なる複数の位置で利用される傾向が強いと判定した場合(判定がYESの場合)、ステップS32に処理を移し、第1算出方式を選択する。また、算出方式選択部243は、異なる複数の位置で利用される傾向が強くないと判定した場合(判定がNOの場合)、ステップS33に処理を移す。
【0115】
ステップS33では、算出方式選択部243は、アクセスポイント2から近距離において優先端末が利用される傾向が強いか否かを判定する。算出方式選択部243は、近距離において利用される傾向が強いと判定した場合(判定がYESの場合)、ステップS34に処理を移し、第2算出方式の近距離優先方式を選択する。また、算出方式選択部243は、近距離において利用される傾向が強くないと判定した場合(判定がNOの場合)、ステップS35に処理を移す。
【0116】
ステップS35では、算出方式選択部243は、アクセスポイント2から中距離において優先端末が利用される傾向が強いか否かを判定する。算出方式選択部243は、中距離において利用される傾向が強いと判定した場合(判定がYESの場合)、ステップS36に処理を移し、第2算出方式の中距離優先方式を選択する。また、算出方式選択部243は、中距離において利用される傾向が強くないと判定した場合(判定がNOの場合)、長距離において利用される傾向が強いと判定し、第2算出方式の長距離優先方式を選択し(ステップS37)、処理を終了する。
【0117】
続いて、
図14を参照して、アクセスポイント2が算出方式に基づいて干渉度を算出する処理(ステップS5)の詳細について説明する。
まず、電波強度選択部245は、選択された算出方式が第1算出方式であるか否かを判定する(ステップS51)。電波強度選択部245は、選択された算出方式が第1算出方式である場合(判定がYESの場合)、第1算出方式(例えば、方式A)に基づいて電波強度を選択する。即ち、電波強度選択部245は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、最も高い電波強度を選択しステップS58に処理を移す。
【0118】
他方、選択された算出方式が第1算出方式ではない場合(ステップS51の判定がNOの場合)、電波強度選択部245は、選択された算出方式が第2算出方式の近距離優先方式であるか否かを判定する(ステップS53)。電波強度選択部245は、選択された算出方式が近距離優先方式である場合(判定がYESの場合)、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、アクセスポイント2の電波強度が第1値の閾値以上の地点の他のアクセスポイント5の電波強度を選択し(ステップS54)、ステップS58に処理を移す。
【0119】
他方、選択された算出方式が近距離優先方式ではない場合(ステップS53の判定がNOの場合)、電波強度選択部245は、選択された算出方式が第2算出方式の中距離優先方式であるか否かを判定する(ステップS55)。電波強度選択部245は、選択された算出方式が中距離優先方式である場合(判定がYESの場合)、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、アクセスポイント2の電波強度が第1値の閾値未満、第2の閾値以上の地点の他のアクセスポイント5の電波強度を選択し(ステップS56)、ステップS58に処理を移す。
【0120】
他方、選択された算出方式が中距離優先方式ではない場合、選択された算出方式は長距離優先方式であるため、電波強度選択部245は、他のアクセスポイント5のそれぞれについて、アクセスポイント2の電波強度が第2値の閾値未満の地点の他のアクセスポイント5の電波強度を選択し(ステップS57)、ステップS58に処理を移す。
【0121】
ステップS58では、電波強度推定部246は、チャネルの周波数間隔による電波干渉の影響度、及び他のアクセスポイント5のそれぞれについて選択された電波強度に基づいて、複数のチャネルのそれぞれに対応する他のアクセスポイント5それぞれの電波強度を推定する。続いて、干渉度算出部247は、各チャネルのそれぞれについて、上述した(1)式に基づいて干渉度を算出し(ステップS59)、処理を終了する。
【0122】
[第1実施形態のチャネル選択システムSの効果]
以上、本発明のチャネル選択システムSの第1実施形態について説明した。続いて、チャネル選択システムSにおける効果について説明する。
【0123】
チャネル選択システムSでは、ユーザ宅に設置されたアクセスポイント2が発する電波を利用する複数の端末1のうち電波環境を優先する優先端末を設定すると、この優先端末における電波の利用傾向に対応した算出方式で、複数のチャネルそれぞれの干渉度を算出し、アクセスポイント2のチャネルを設定する。
これにより、チャネル選択システムSでは、アクセスポイント2を利用する複数の端末1のうち優先端末の利用傾向に対応して好適なチャネルを設定することができる。一例として、利用傾向として利用場所の傾向を用いた場合、アクセスポイント2には、優先端末の利用場所で他のアクセスポイント5からの干渉が生じにくいチャネルが設定されることになるため、ユーザは、電波環境が良い状態で優先端末を利用することができる。
【0124】
なお、優先端末の設定は任意の方法により行われ、例えば、端末1のハードウェア構成、端末1のアプリケーション種別、電波の利用頻度、利用コンテンツの傾向又はユーザの選択操作に基づいて優先端末を設定する。このような設定方法により、複数の端末1から電波環境を優先する優先端末を適切に設定することができる。
【0125】
また、アクセスポイント2では、干渉度を算出する算出方式として、アクセスポイント2からの距離に関わらず安定して通信を行うことができる第1算出方式と、アクセスポイント2からの距離が特定の距離である場合に安定して通信を行うことができる第2算出方式とを有し、優先端末の利用傾向に応じて一の算出方式を選択する。一例として、優先端末が特定の位置で利用される傾向がある場合、第2算出方式を用いて干渉度を算出し、優先端末が複数の位置で利用されるといったように優先端末の利用場所の傾向に特徴がない場合、第1算出方式を用いて干渉度を算出する。これにより、優先端末の利用傾向に適したチャネルを設定することができる。
【0126】
<第2実施形態>
続いて、チャネル選択システムSの第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態のチャネル選択システムSを構成する複数の端末1及びアクセスポイント2の構成は、基本的に第1実施形態と同一であるため、図示及び詳細な説明は省略する。
【0127】
チャネル選択システムSでは複数の端末1から優先端末を設定するところ、第1実施形態では、複数の端末1のうち一台の端末1を優先端末として設定することとしている。ここで、チャネル選択システムSを利用するユーザによっては、複数の端末1を優先端末として設定することを望むことがある。この点、第2実施形態のチャネル選択システムSは、優先端末として複数の端末1を設定することを可能にするとともに、複数の端末1を優先端末として設定した場合であっても、アクセスポイント2に対して好適なチャネルを設定可能にしている。
【0128】
具体的には、第2実施形態のチャネル選択システムSでは、優先端末の台数に応じて干渉度を算出する算出方式を変更する、又は、優先端末の台数に応じて利用する無線周波数帯を変更することで、複数の優先端末に適したチャネルを設定する。
【0129】
[算出方式の変更]
アクセスポイント2が発する電波の利用傾向は、端末1のユーザ毎に異なるため、優先端末が複数設定された場合には、複数の利用傾向に適したチャネルを設定する必要がある。例えば、優先端末Xはリビングで利用される傾向が強い一方で、優先端末Yは寝室で利用される傾向が強い場合、リビング及び寝室の双方において干渉度合いが低いチャネルを設定する必要がある。
【0130】
そこで、アクセスポイント2の算出方式選択部243は、二以上の端末1が優先端末として設定されることを条件に、干渉度を算出する算出方式として第1算出方式を選択し、一の端末1が優先端末として設定されることを条件に、干渉度を算出する算出方式として第2算出方式を選択する。
これにより、優先端末が一台のみである場合には、優先端末が利用される傾向の強い位置において安定するチャネルを設定することができるとともに、優先端末が複数ある場合には、通信可能エリアのどこにいても一定の安定性が確保されるチャネルを設定することができる。
【0131】
[無線周波数帯の変更]
無線LAN環境では、複数の無線周波数帯を利用することができ、現在では、2.4GHzの無線周波数帯と5GHzの無線周波数帯との2つの無線周波数帯が利用されている。端末1が利用可能な無線周波数帯は、端末1が対応している無線規格により異なるため、複数の優先端末によって利用可能な無線周波数帯が異なることがある。例えば、優先端末Xは、2.4GHz及び5GHzの無線周波数帯を利用可能である一方で、優先端末Yは、2.4GHzの無線周波数帯のみが利用可能で5GHzの無線周波数帯を使用できないことがある。
このような場合に、第2実施形態のチャネル選択システムSでは、アクセスポイント2に対して各無線周波数帯におけるチャネルを設定する。即ち、優先端末Yが2.4GHzの無線周波数帯しか利用できないため、2.4GHzの無線周波数帯については優先端末Yの利用傾向に好適なチャネルを設定し、5GHzの無線周波数帯については優先端末Xの利用傾向に好適なチャネルを設定する。
【0132】
より具体的には、算出部244は、2台の端末X,Yが優先端末として設定されることを条件に、優先端末Xが利用可能な無線周波数帯における干渉度と、優先端末Yが利用可能な無線周波数帯における干渉度とを算出する。なお、干渉度の具体的な算出方法は、第1実施形態で既に説明した通りであり、算出部244は、例えば、優先端末X,Yのそれぞれの利用傾向に応じた算出方式に従い、干渉度を算出する。
そして、チャネル選択部248は、各無線周波数帯において算出された干渉度に基づいて各無線周波数帯におけるチャネルを選択し、チャネル設定部249は、この選択に応じてアクセスポイント2に対して、各無線周波数帯のチャネルを設定する。
【0133】
なお、上述の例では、優先端末Xが双方の無線周波数帯を利用可能であるのに対して、優先端末Yは一方の無線周波数帯のみを利用可能としている。この点、優先端末X,Yが共に双方の無線周波数帯を利用可能であってもよく、この場合には、2.4GHzの無線周波数帯のチャネルを優先端末X,Yのいずれかの利用傾向に基づいて設定し、5GHzの無線周波数帯のチャネルを他方の利用傾向に基づいて設定する。
【0134】
ここで、2.4GHzの無線周波数帯と5GHzの無線周波数帯とでは、通常、5GHzの無線周波数帯の方が他のアクセスポイント5からの干渉を受けにくい。
そこで、5GHzの無線周波数帯を利用する優先端末を、優先端末X,Yの関係性から設定することとしてもよい。例えば、優先端末X,Yのうち利用頻度がより高い優先端末を、5GHzの無線周波数帯を利用する優先端末と設定したり、動画視聴の傾向がより高い優先端末を、5GHzの無線周波数帯を利用する優先端末と設定したりすることとしてもよい。
【0135】
また、障害物(例えば、壁)に伴う電波の減衰量は周波数帯が高いほど大きいため、アクセスポイント2が設置された部屋と異なる部屋で電波を利用する場合、5GHzの無線周波数帯では2.4GHzの無線周波数帯に比べて電波環境が悪くなる。
そこで、5GHzの無線周波数帯を利用する優先端末を、優先端末X,Yの利用場所の傾向に応じて設定することとしてもよい。即ち、利用場所の傾向がアクセスポイント2と同室である優先端末を5GHzの無線周波数帯を利用する優先端末として設定し、利用場所の傾向がアクセスポイント2と別室である優先端末を2.4GHzの無線周波数帯を利用する優先端末として設定することとしてもよい。
【0136】
[第2実施形態のチャネル選択システムSの効果]
第2実施形態のチャネル選択システムSでは、複数の端末1が優先端末として設定されると第1算出方式に基づき干渉度を算出し、一台の端末1が優先端末として設定されると第2算出方式に基づき干渉度を算出する。これにより、優先端末が一台のみである場合には、優先端末が利用される傾向の強い位置において安定するチャネルを設定することができるとともに、優先端末が複数ある場合には、通信可能エリアのどこにいても一定の安定性が確保されるチャネルを設定することができる。
【0137】
また、第2実施形態のチャネル選択システムSでは、無線LAN環境において利用可能な無線周波数帯の数以下の端末1が優先端末として設定された場合、各無線周波数帯における干渉度を算出する。
これにより、利用可能な無線周波数帯毎に最適なチャネルを設定することができるため、複数の優先端末のそれぞれの電波環境を最適にすることができる。
【0138】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、本実施形態に記載されたアクセスポイント2の制御部24が備える機能を、無線LANのアクセスポイントとは異なる他の装置に実装させるようにしてもよい。ここで、他の装置は、例えば、自身をアクセスポイントとして機能させるテザリング機能を有するスマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよい。