特許第6199283号(P6199283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199283
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/21 20060101AFI20170911BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   H04M1/21 E
   H04R1/10 104C
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-513888(P2014-513888)
(86)(22)【出願日】2012年4月16日
(65)【公表番号】特表2014-517623(P2014-517623A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】CN2012074086
(87)【国際公開番号】WO2012167668
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】201110156052.4
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201120193874.5
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513311594
【氏名又は名称】新▲ジアン▼天地集▲團▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 大清
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−269073(JP,A)
【文献】 米国特許第06374126(US,B1)
【文献】 特開平09−307981(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0101633(US,A1)
【文献】 特開平09−307615(JP,A)
【文献】 特開2010−141864(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01954012(EP,A1)
【文献】 実開平01−162996(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0317274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/02−1/23
H04R1/10
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器であって、
前記伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器は端末機器のハウジング(1)とイヤホンとイヤホン線巻き込み装置(4)とを含み、
前記端末機器のハウジング(1)は、収容空間を有し、
前記イヤホンは、前記収容空間内に収容され、イヤホンアセンブリ(2)とイヤホン線(3)とを有し、
前記イヤホンアセンブリ(2)と前記イヤホン線(3)とは、前記収容空間内から引き出し可能であり、
前記イヤホン線巻き込み装置(4)は、前記収容空間内に設置され、
前記イヤホンアセンブリ(2)は前記イヤホン線(3)を介してイヤホン線巻き込み装置(4)に接続され、
前記イヤホン線巻き込み装置(4)から引き出される信号線が、前記端末機器の音声信号線に接続され、
前記イヤホンアセンブリ(2)と前記イヤホン線(3)とが、前記イヤホン線巻き込み装置(4)によって前記収容空間の外部から回収可能であり、
前記イヤホンアセンブリ(2)は親イヤホンアセンブリ(21)と子イヤホンアセンブリ(22)とイヤホンロッド(23)とを含み、前記イヤホンロッド(23)が前記親イヤホンアセンブリ(21)に設けられ、前記イヤホンロッド(23)には収納口が設けられ、前記子イヤホンアセンブリ(22)には接続部が設けられ、前記接続部が前記収納口に挿入されることによって、前記子イヤホンアセンブリ(22)が着脱可能に前記イヤホンロッド(23)に設置され
前記イヤホンロッド(23)には、前記子イヤホンアセンブリ(22)と接続される子イヤホン線(312)を巻き取るための巻線溝が設けられていることを特徴とする伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項2】
前記イヤホン線(3)は親子ダブルイヤホン線(31)とシングルイヤホン線(32)とを含み、親子ダブルイヤホン線(31)は親イヤホン線(311)と子イヤホン線(312)とを含み、前記親イヤホン線(311)は前記親イヤホンアセンブリ(21)と接続され、前記子イヤホン線(312)は前記子イヤホンアセンブリ(22)と接続されることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項3】
前記親子ダブルイヤホン線(31)は、アダプター(5)を介して前記シングルイヤホン線(32)に変換され、前記アダプター(5)には送話器(6)が設置されていることを特徴とする請求項2に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項4】
前記シングルイヤホン線(32)は、前記イヤホン線巻き込み装置(4)のリールに巻き取られることを特徴とする請求項2に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項5】
前記イヤホン線巻き込み装置(4)にはマイクロモータにより駆動力が提供され、前記マイクロモータは導線を介して端末機器の電池モジュールに接続されることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項6】
前記イヤホン線巻き込み装置(4)には、バネにより駆動力が提供されることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【請求項7】
前記端末機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビ、ハンドヘルドコンピュータ、電話機、個人用視聴覚機器、デジタルプレーヤー、ナビゲーション装置、ゲーム機のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末機器に関し、特に伸縮可能なイヤホンを内蔵した端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品、特に携帯電話、ノートパソコン、補聴機能付き移動端末の応用がますます普及することにつれて、上記端末製品の従来のイヤホンは、使用時に絡んだり、結び目ができたりしまうことがよくあり、携帯と保存が不便であり、多数の使用者に多くの不便をもたらし、その結果、多数の使用者がイヤホンという重要な機能の使用を諦めることになっている。
【0003】
また、電子製品を直接に使用するとき、電子製品(携帯電話など)から生じる電磁放射による使用者への健康と安全上の大きな潜在的危険を回避できない。例えば、携帯電話を直接に耳に当て、そのスピーカを利用して通話するときに、携帯電話による電磁放射が直接に人体の大脳の中枢神経に危害を与えることになる。実験と研究から、携帯電話が人体の大脳から一定距離を維持すると、電磁放射による危害を効果的に低減できることがわかった。たとえば、携帯電話の内蔵スピーカの代わりに、携帯電話のイヤホンを利用して音声情報を聞き取ることによって、携帯電話の電磁波による人体の大脳への影響を90%以上低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術課題を解決するために、本発明は、伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器を提供して、端末機器の電磁波による危害を効果的に低減し、ユーザの使用を便利にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器を提供し、該伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器は端末機器のハウジングとイヤホンとイヤホン線巻き込み装置とを含み、前記端末機器のハウジングは、収容空間を有し、前記イヤホンは、前記収容空間内に収容され、イヤホンアセンブリとイヤホン線とを有し、前記イヤホンアセンブリと前記イヤホン線とは、前記収容空間内から引き出し可能であり、前記イヤホン線巻き込み装置は、前記収容空間内に設置され、前記イヤホンアセンブリは前記イヤホン線を介してイヤホン線巻き込み装置に連通され、前記イヤホン線巻き込み装置から引き出される信号線が、前記端末機器の音声信号に連通され、前記イヤホンアセンブリと前記イヤホン線とが、前記イヤホン線巻き込み装置によって前記収容空間の外部から回収可能である。
【0006】
好ましくは、前記イヤホンアセンブリは親イヤホンアセンブリと子イヤホンアセンブリとイヤホンロッドとを含み、前記子イヤホンアセンブリが着脱可能に前記イヤホンロッドに装着され、前記イヤホン線は親子ダブルイヤホン線とシングルイヤホン線とを含み、親子ダブルイヤホン線は親イヤホン線と子イヤホン線とを含み、前記親イヤホン線は前記親イヤホンアセンブリと接続され、前記子イヤホン線は前記子イヤホンアセンブリと接続される。
【0007】
好ましくは、前記イヤホンロッドには、前記子イヤホン線を巻き取るための巻線溝が設けられている。
【0008】
好ましくは、前記親子ダブルイヤホン線は、アダプターを介して前記シングルイヤホン線に変換され、前記アダプターには送話器が設置されている。
【0009】
好ましくは、前記シングルイヤホン線は、前記イヤホン線巻き込み装置のリールに巻き取られる。
【0010】
好ましくは、前記イヤホン線巻き込み装置にはマイクロモータにより駆動力が提供され、前記マイクロモータは導線を介して端末機器の電池モジュールに接続される。
【0011】
好ましくは、前記イヤホン線巻き込み装置には、バネにより駆動力が提供される。
【0012】
好ましくは、前記端末機器は、携帯電話、タブレット型パソコン、ノード型パソコン、デスクトップ型パソコン、テレビ、ハンドヘルドコンピュータ、電話機、個人用視聴覚機器、デジタルプレーヤー、ナビゲーション装置、ゲーム機のうちのいずれか一つである。
【0013】
上記技術案から、本発明の実施例によって下記の有益効果を有することが分かる。該伸縮可能イヤホン内蔵構造によって端末機器のイヤホン資源の浪費問題を徹底的に解決でき、端末機器を使用する(例えば電話する)際に、端末機器を頭部まで挙げる必要がなく、内蔵する伸縮可能なイヤホンアセンブリとイヤホン線を端末機器のハウジングから直接的に引き出し、通話終了後、イヤホンアセンブリとイヤホン線が端末機器のハウジング内に自動的に回収できる。このように、頭部が端末機器の電磁放射から遠く離れるだけではなく、両手も解放されることとなり、より映像通話など端末機器の使用に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例における伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器の構造概略図である。
図2】本発明の実施例におけるイヤホンアセンブリの構造概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の目的、技術案及びメリットをより明確かつ明瞭にするために、以下、実施例と図面を参照して、本発明の実施例を更に詳しく説明する。ここで、本発明の例示的な実施例及び説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0016】
本実施例では、該端末機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビ、ハンドヘルドコンピュータ、電話機、個人用視聴覚機器、デジタルプレーヤー、ナビゲーション装置、ゲーム機のうちのいずれか一つである。
【0017】
以下、単に該端末機器が携帯電話である例を紹介する。その他のタイプの端末機器の構造は、これに類似するものであり、ここで繰り返し説明しない。
【0018】
図1は、本発明の実施例における伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器の構造概略図である。
【0019】
該伸縮可能イヤホン内蔵の端末機器は、
収容空間を有する端末機器のハウジング1と、
前記収容空間内に設置され、前記収容空間内から引き出し可能なイヤホンアセンブリ2とイヤホン線3とを有するイヤホンと、
前記収容空間内に収容され、前記イヤホン線3を介して前記イヤホンアセンブリ2と連通するイヤホン線巻き込み装置4と、を含み、
前記イヤホン線巻き込み装置4から引き出される信号線が前記端末機器の音声信号と連通し、前記イヤホンアセンブリ2と前記イヤホン線と3が前記イヤホン線巻き込み装置4によって前記収容空間外から回収可能である。
【0020】
すなわち、電話に出るまたは電話を掛けるとき、内蔵されたイヤホンアセンブリ2とイヤホン線3とを端末機器のハウジング1から直接的に引き出せばよく、通話終了後、イヤホンアセンブリ2とイヤホン線3とがイヤホン線巻き込み装置4によって端末機器のハウジング内1に自動的に回収できる。
【0021】
本実施例では、該収納空間に送話器、受話器、カメラモジュール、端末機器の処理チップなど、端末機器のほかの構成も収納されている。
【0022】
該端末機器のハウジング1の形状は、具体的な状況に応じて調整可能である。本実施例では、該端末機器のハウジング1の形状を限定しない。
【0023】
本実施例では、収容空間における該イヤホンの設置位置は、具体的な状況に応じて調整可能であり、例えば、収容空間の左上部に設置することができる(図1に示す)。もちろん、本実施例では、収容空間における該イヤホンの具体的な位置を限定しない。
【0024】
図2は、本発明の実施例におけるイヤホンアセンブリの構造概略図である。該イヤホンアセンブリ2は、親イヤホンアセンブリ21と、子イヤホンアセンブリ22と、イヤホンロッド23と、を含み、前記子イヤホンアセンブリ22が着脱可能にイヤホンロッド23に設置されている。使用必要時に、子イヤホンアセンブリ22をイヤホンロッド23から取り外すことができる。使用終了後、子イヤホンアセンブリ22をイヤホンロッド23に係合させる。
【0025】
例えば、イヤホンロッド23には収納部が設置されている。子イヤホンアセンブリ22は、その上の接続部と収納部とによって、前記子イヤホンアセンブリ22の着脱可能な接続を実現する。
【0026】
2チャンネル、ステレオが必要でないとき、親イヤホンアセンブリ21のみを使用すればよい。2チャンネル、ステレオが必要のとき、親イヤホンアセンブリ21と子イヤホンアセンブリ22とをそれぞれ使用者の左右の耳に付けて音声を聞くことで、使用者に2チャンネル、ステレオ効果を提供できる。
【0027】
また、操作を便利にするために、前記イヤホンには線巻き込みスイッチ(図示せず)が更に設置されている。前記線巻き込みスイッチは、前記イヤホン線3内に設置されている信号線を介してイヤホン線巻き込み装置4における駆動装置(例えばマイクロモータ)の電源のオン/オフを制御し、それによってイヤホン線3の線巻き込み操作を柔軟に制御できる。
【0028】
図1図2から分かるように、前記イヤホン線3は、親子ダブルイヤホン線31と、シングルイヤホン線32とを含む。親子ダブルイヤホン線31は、親イヤホン線311と子イヤホン線312とを含む。前記親イヤホン線311は、前記親イヤホンアセンブリ21に接続されている。前記子イヤホン線312は、前記子イヤホンアセンブリ22に接続されている。
【0029】
本実施例では、前記イヤホンロッド23には、前記子イヤホン線312を巻き付けるための巻線溝(図示せず)が設けられている。
【0030】
引き続き図1を参照する。前記親子ダブルイヤホン線31は、アダプター5を介して前記シングルイヤホン線32に変換される。前記アダプター5に送話器6が設置されている。
【0031】
本実施例では、前記シングルイヤホン線32は、前記イヤホン線巻き込み装置4のリール(図示せず)に巻き取られる。
【0032】
本実施例では、前記イヤホン線巻き込み装置4は、マイクロモータから駆動力を提供される。マイクロモータによってイヤホン線巻き込み装置4内のリールを回転させて、シングルイヤホン線32の巻き込みを実現する。
【0033】
本実施例では、イヤホン線巻き込み装置4のマイクロモータは、導線を介して端末機器の電池モジュールに接続する。端末機器の電池モジュールからマイクロモータに給電する。もちろん該イヤホン線巻き込み装置4自身が電源を具備してもよい。本実施例では、イヤホン線巻き込み装置4の具体的な構造を限定しない。
【0034】
もちろん、本実施例では、イヤホン線巻き込み装置4の駆動力を限定しない。マイクロモータから駆動力を提供されてもよいし、バネから駆動力を提供されてもよい。本実施例では、これについて限定しない。
【0035】
前記技術案から、本発明の実施例によって下記の有益効果を有することが分かる。該伸縮可能イヤホン内蔵構造によって端末機器のイヤホン資源の浪費問題を徹底的に解決でき、端末機器を使用する(例えば電話する)際に、端末機器を頭部まで挙げる必要がなく、内蔵された伸縮可能なイヤホンを端末機器のハウジングから直接的に引き出すことができ、端末機器の電磁放射による危害を効果的に低減する。
【0036】
以上は、本発明の好ましい実施方式に過ぎない。なお、当該分野の一般技術者にとって、本発明の原理を背離しない前提で、若干の改進や修飾が考えられる。ただし、これらの改進や修飾も本発明の保護範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0037】
1 ・・・ハウジング
2 ・・・イヤホンアセンブリ
3 ・・・イヤホン線
4 ・・・イヤホン線巻き込み装置
5 ・・・アダプター
6 ・・・送話器
21 ・・・親イヤホンアセンブリ
22 ・・・子イヤホンアセンブリ
23 ・・・イヤホンロッド
31 ・・・親子ダブルイヤホン線
32 ・・・シングルイヤホン線
311 ・・・親イヤホン線
312 ・・・子イヤホン線
図1
図2