(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199367
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】非接触警報器
(51)【国際特許分類】
G01M 3/18 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
G01M3/18
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-247299(P2015-247299)
(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2017-111084(P2017-111084A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年1月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成27年 9月10日〜12日 インテックス大阪にて第17回管工機材・設備総合展に展示
(73)【特許権者】
【識別番号】396021793
【氏名又は名称】大興電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(72)【発明者】
【氏名】荻内 國雄
(72)【発明者】
【氏名】増田 昌幸
【審査官】
東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05343738(US,A)
【文献】
米国特許第05305798(US,A)
【文献】
米国特許第05176025(US,A)
【文献】
特許第2558334(JP,B2)
【文献】
米国特許第04723441(US,A)
【文献】
特開平02−150726(JP,A)
【文献】
特開平06−194212(JP,A)
【文献】
特開2006−071296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00− 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管と外管からなる二重管の前記外管の外側に設けた被検知部の外周面に少なくとも部分的に対向するように配置された電極対と、
前記電極対と電気的に接続されており、前記電極対の間の静電容量の変化に基づいて前記内管からの液体の漏出を検知して警報を発する警報部と
を備え、
前記被検知部は、前記二重管同士を流体的に接続するT字型のドレン管に連通する非金属製の検知管であり、
前記検知管には前記検知管からの液体の流出を阻止するためのコックが設けられ、
前記電極対は、前記コックの直上に配置されている、非接触警報器。
【請求項2】
前記ドレン管は、前記内管から漏出した液体が前記検知管に集まるようにY字型に傾斜して形成されている、請求項1に記載の非接触警報器。
【請求項3】
内管と外管からなる二重管の前記外管の外側に設けた被検知部の外周面に少なくとも部分的に対向するように配置された電極対と、
前記電極対と電気的に接続されており、前記電極対の間の静電容量の変化に基づいて前記内管からの液体の漏出を検知して警報を発する警報部と
を備え、
前記被検知部は、前記二重管の前記外管に流体的に接続される非金属製の検知管であり、
前記検知管は、一端に前記外管と流体的に接続される導入部が設けられ、他端に前記検知管からの液体の流出を阻止するためのコックが設けられ、
前記電極対は、前記コックの直上に配置されている、非接触警報器。
【請求項4】
内管と外管からなる二重管の前記外管の外側に設けた被検知部の外周面に少なくとも部分的に対向するように配置された電極対と、
前記電極対と電気的に接続されており、前記電極対の間の静電容量の変化に基づいて前記内管からの液体の漏出を検知して警報を発する警報部と
を備え、
前記被検知部は、非金属製であり、前記二重管の前記外管の一部であり、
前記電極対は、前記二重管の最下部を挟んで対向するように配置されている、非接触警報器。
【請求項5】
前記電極対は、シート部材に貼着されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の非接触警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重管内における漏液を検知して警報を行う非接触警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
化学溶液や各種処理廃液等の装置間の搬送には配管の施設が必要である。近年施行された水質汚濁防止法により、有害物質を貯蔵する施設等の設置者は有害物質を含む水の漏洩を防止できる材質・構造とするか、目視等で容易に漏洩を監視出来るように設置すること等が求められているが、このような法規制に対応するために有害物質を扱う施設では二重管が使用されている。
【0003】
一般的に、このような二重管構造においては外管が内管を被包しているため、漏液を正確に検知することは困難である。検知するためには、特許文献1に記載のように、電極などの検知部材等を配管内に設置して漏液による電気抵抗の変化等を測定することが考えられるが、このような検知部材の配管内への設置は施工が複雑である。さらに、配管内に検知部材を設置する場合、対象となる液体が限定される。例えば、金属に対して腐食性を有する特定の化学溶液を対象とすると、検知部材がこれらの溶液と接触した際に腐食するため使用できない場合等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2558334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、容易に設置することができ、二重管内の漏液を迅速に検知して警報を行う非接触警報器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の非接触警報器は、内管と外管からなる二重管の前記外管
の外側に設けた被検知部の外周面に少なくとも部分的に対向するように配置された電極対と、前記電極対と電気的に接続されており、前記電極対の間の静電容量の変化に基づいて前記内管からの液体の漏出を検知して警報を発する警報部とを備える。
【0007】
この構成によれば、二重管の被検知部の外側に設置された対向する電極対によって、管内に漏液が生じた際の静電容量の変化に基づいて漏液を検知して報知できる。また、二重管の被検知部の外側に電極対が配置されるため、施工も容易である。さらに、電極対は、管内の液体と接触しないため腐食等が発生しない。従って、液体の種類によらず様々な漏液を検知して報知できる。
【0008】
前記被検知部は、前記二重管同士を流体的に接続するT字型のドレン管に連通する
非金属製の検知管であり、前記検知管には前記検知管からの液体の流出を阻止するためのコックが設けられ、前記電極対は、前記コックの直上に配置されていてもよい。
【0009】
検知管がドレン管に流体的に接続されることで、二重管からの漏液をドレン管を通して検知管に収集し、この検知管で漏液を確実に検知できる。また、検知管の他端に、液体の流出を阻止するコックを備えることで漏液を貯留できるため、液体が貯留されることによる大きな静電容量の変化をとらえることができる。さらに、検知する漏液が水質汚濁防止法の観点等から外部への漏出が禁止されている種類のものである場合も安全に液体を回収できる。
【0010】
前記ドレン管は、前記内管から漏出した液体が前記検知管に収集されるようにY字型に傾斜して形成されていてもよい。
【0011】
ドレン管をY字型に傾斜させることで二重管における漏液が検知管に収集されるため、漏液を確実に検知して報知できる。
【0012】
前記被検知部は、前記二重管の前記外管に流体的に接続される
非金属製の検知管であり、前記検知管は、一端に前記外管と流体的に接続される導入部が設けられ、他端に前記検知管からの液体の流出を阻止するためのコックが設けられ、前記電極対は、前記コックの直上に配置されていてもよい。
【0013】
検知管が直接外管に流体的に接続されることでドレン管のような継手等の部材を要することなく、二重管内の漏液を検知して報知できる。
【0014】
前記被検知部は、
非金属製であり、前記二重管の前記外管の一部であり、前記電極対は、前記二重管の最下部を挟んで対向するように配置されていてもよい。
【0015】
外管を検知管として直接外管の外周面に電極対を配置するため、新たに検知管を設けることなく簡単な構成で漏液を検知して報知できる。
【0016】
前記電極対は、シート部材に貼着されていてもよい。
【0017】
シート部材に電極対を貼着することで電極対の施工が容易となる。また、電極対の配置を一定の態様で行えるため、施工の際の電極対の位置ずれを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、二重管内の漏液を検知して報知する非接触警報器において、二重管の被検出部の外側に配置された対向する電極対によって、管内に漏液が生じた際の静電容量の変化に基づいて漏液を検知して報知できる。また、二重管の被検出部の外側に電極対が配置されるため、施工が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る非接触警報器の設置図。
【
図3】ドレン管、二重管、及び検知管の部分断面図。
【
図4】電極対の保護構造を有する検知管の一部を示す斜視図。
【
図5】1箇所で漏液を検知する場合の非接触警報器の回路図。
【
図6】漏液の有無によるコンパレータに入力される電流の変化を示すグラフ。
【
図7】複数個所で漏液を検知する場合の非接触警報器の回路図。
【
図8】
図7の回路図におけるコンパレータの出力信号の切り替えを示すグラフ。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る非接触警報器のドレン管の断面図。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る非接触警報器の二重管及び検知管の斜視図。
【
図11】本発明の第4実施形態に係る非接触警報器の二重管及び電極対の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示す本実施形態の非接触警報器1はドレン管2に収集される二重管4からの漏液を検知して警報を発する。
【0022】
2つの二重管4,4は、T字型のドレン管2により左右方向に直線的に流体的に接続されている。二重管4は、内管4aと、内管4aを囲む外管4bとを備える。内管4a及び外管4bは、共に断面円形であり、同心に配置されている。内管4a内には水などの液体が流れ、液体は図示しない装置間で搬送されている。二重管4,4は、透明な樹脂材料で形成されており、内部の液体を視認できる。
【0023】
図2を合わせて参照すると、ドレン管2は、断面円形の3つの開口部2a〜2cを有している。左右方向の開口部2a,2bには二重管4,4が流体的に接続され、下方向の開口部2cには断面円形の検知管(被検知部)12が流体的に接続されている。ドレン管2は、二重管4と同様に透明な樹脂材料で形成されており、内部の液体を視認できる。
【0024】
図3を参照して、ドレン管2における接続構造を説明する。ドレン管2の左右方向の開口部2a,2bは二重管4,4と接続するために内管2d及び外管2eからなる二重管構造をしている一方、下方向の開口部2cは外管2eのみで構成されている。そのため、内管2dと検知管12とは流体的に連通しておらず、検知管12には、通常、内管4a内の液体が流入しない。ただし、仮に内管4aから外管4bへの漏液が存在した場合、外管4bを介して検知管12に漏液が流入する。
【0025】
ドレン管2における接続は、二重管4,4及び検知管12をドレン管2の開口部2a〜2cに挿入することでなされる。ドレン管2の左右方向に延びる内管2d及び外管2eは、二重管4,4の内管4a及び外管4bの径よりもそれぞれわずかに大きく形成され、二重管4,4をドレン管2に挿入可能である。同様に、ドレン管2の下方向に延びる外管2eは、検知管12の径よりもわずかに大きく形成され、検知管12をドレン管2に挿入可能である。二重管4,4の内管4a,4aは、ドレン管2と接続を容易にするために外管4b,4bからそれぞれ突出している。これに対応して、ドレン管2の内管2dは、両端部が外管2e内に収容されている。挿入による接続は、各管4a,4a,12,4b,4bの端面がドレン管2の内周にわたって形成された当接面2f〜2jにそれぞれ当接した状態で完了する。
【0026】
検知管12は、断面円形であり、透明な樹脂材料で形成され内部の液体を視認できる。検知管12は、一端がドレン管2に流体的に接続されており、他端には検知管12からの液体の流出を阻止するためのコック14が設けられている。コック14にはハンドル14aが設けられており、ハンドル14aを回してコック14を開閉することで検知管12の他端からの液体の流出を許容又は遮断できる。コック14の直上には、検知管12の外周面に対向するように銅箔の電極対16が配置(貼着)されている。ただし、電極対16の材質は導電性を有する金属製であれば特に限定されない。検知管12の外周面に貼着された電極対16により静電容量の変化を検知できる。また、電極対16をコック14の直上に配置することで、溜まった液体による静電容量の変化を迅速に検知できる。なお、
図1および
図2に示す電極対16の配置は、説明の明瞭性のため、後述するノイズ低減のための保護構造を省略して図示している。
【0027】
図4に示すように、実際上、電極対16の上にはノイズを低減させる保護構造が設けられている。すなわち、電極対16の上に絶縁テープ17aが巻き付けられ、絶縁テープ17aの上に金属製のシールド電極17bが配置され、シールド電極17bの上に樹脂製の保護テープ17cが巻き付けられている。このようにすることで、静電容量の変化に応じて電極対16に流れる電流にノイズが混入することを抑制し、検知精度を向上させている。
【0028】
電極対16はケーブル18を通じて警報器本体(警報部)20に電気的に接続されている(
図1参照)。ケーブル18は、銅テープや樹脂テープで被覆された電気線と、シールド電極17bに接続されたシールド線とを有するシールド構造が採用されている。シールド構造を採用することでノイズの影響を低減でき、10mから20m程度であれば機器を接続できる。
【0029】
図1に示すように、警報器本体20は、内部に後述の電子回路を構成する電子機器を備え、外表面に警報用のランプ20aを備える。警報器本体20では、測定信号に基づいて警報を発するか否かの判断がなされる。
【0030】
この構成によれば、二重管4の被検知部である検知管12の外側に配置された対向する電極対16によって、二重管4内での漏液がドレン管2を介して収集されることによって生じる検知管12内の静電容量の変化に基づいて漏液を検知して警報を発することができる。また、検知管12の外側に電極対16が配置されるため、施工も容易である。さらに、電極対16は、検知管12内の液体と接触しないため腐食等が発生しない。従って、液体の種類によらず様々な漏液を検知して警報を発することができる。
【0031】
検知管12がドレン管2に流体的に接続されることで、ドレン管2を通して検知管12に収集される漏液を確実に検知できる。また、検知管12の他端に、液体の流出を阻止するコック14を備えることで漏液を貯留できるため、液体が貯留されることによる大きな静電容量の変化をとらえることができる。さらに、検知する漏液が水質汚濁防止法の観点等から外部への漏出が禁止されている種類のものである場合も安全に液体を回収できる。
【0032】
図5は、本実施形態の警報器本体20を含む回路図を示す。電極対16の一方の電極は、アンプ24を介して交流電源22に電気的に接続され、電極対16の他方の電極は、アンプ25を介して出力器26に電気的に接続されている。電極対16は、交流電源22からアンプ24を介して信号(電流)が送られ、漏液によって電極対の間の静電容量が変化すると、電極対16からアンプ25を介して出力器26に静電容量の変化に応じた信号(電流)が送られる。出力器26は、ノイズフィルタやコンパレータ等を含み、コンパレータに入力される電流が一定以上となった場合に出力動作を行う。ここで回路を構成する交流電源22、アンプ24,25、及び出力器26等の電気要素は、警報器本体20(合わせて
図1参照)内に設けられている。
【0033】
図6は、通常時の漏液が生じていない場合の出力器26に入力される電流の時間変化を示す実線のグラフと、異常時の漏液が生じている場合の出力器26に入力される電流の時間変化を示す破線のグラフを示す。図のように、漏液が生じると電流が増加するため、これを検知することで警報を発する。例えば、本実施形態では、出力器26に入力される電流の値が一定以上の場合、ランプ20aを点灯して警報を発すると共に図示しないスピーカから警報音を発する。報知の方法は、ランプ20aの発光やスピーカによる警報音に限定されず、その他の知覚できる方法であってよい。
【0034】
図7に示すように、本実施形態の変形例として漏液を検知する電極対16を配管の所定の位置に複数(図ではA〜Cの3つ)設置してもよい。A,B,Cの電極対16の一方の電極は、アンプ24を介して交流電源22に電気的に接続され、電極対16の他方の電極は、スイッチ28の各端子に接続され、スイッチ28の共通端子はアンプ25を介して出力器26に電気的に接続されている。この場合、1つの警報器本体20で複数個所の漏液を検知できる。具体的には、交流電源22からアンプ24を介して並列に複数の電極対16(A〜C)に信号(電流)が送られ、電極対16(A〜C)から静電容量の変化に応じてスイッチ28及びアンプ25を介して出力器26に信号(電流)が送られる。スイッチ28は、制御装置30によって動作を制御されており、各電極対16(A〜C)からの信号を一定時間ごとに順に切り替える。
【0035】
図8は、出力器26内のコンパレータの出力信号を示す。漏洩があればコンパレータから信号が出力され、漏洩が無ければ出力されない。スイッチ28は、t1,t2,t3,t4,…のように一定時間ごとにAからCの出力信号を切り替えている。従って、時間を測定することでいずれの電極対16が漏洩を検知したのかを特定できる。図では、一定時間ごとにBの電極対16からの信号が出力されている様子が示されており、時間を測定してt2,t5,…のときに信号が出力されていることを特定することでBの電極対16からの信号であることを特定できる。このように特定した漏液の箇所を示す情報は、出力するランプ20aの色やスピーカで発する音を変更して警報を発してもよいし、別途モニターを設置して直接ユーザに漏液の箇所を示す情報を示してもよい。なお、使用される配管2,4,12は透明であるため、漏液の存在のみをユーザに示しても目視で漏液箇所を特定できる。
【0036】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る非接触警報器1のドレン管2の断面図である。本実施形態のドレン管2は、二重管4(
図1参照)と接続する左右方向の開口部2a,2bが上方へ傾斜していることに関する以外の構成は
図1から
図3の第1実施形態と実質的に同様である。従って、
図1から
図3に示した構成と同様の部分については説明を省略する。
【0037】
本第2実施形態のドレン管2は、二重管4と接続する開口部2a,2bが上方へ傾斜している。即ち、ドレン管2は、内管4aから漏出した液体が重力により図の矢印のように検知管12(
図1参照)に集まるようにY字型に傾斜して形成されている。そのため、検知管12において漏液を確実に検知して報知できる。
【0038】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る非接触警報器1の検知管12の斜視図である。本実施形態の検知管12は、ドレン管2を介さず二重管4と直接流体的に接続される。これに関することを除く構成は
図1から
図3の第1実施形態と実質的に同様である。従って、
図1から
図3に示した構成と同様の部分については説明を省略する。
【0039】
本第3実施形態では、二重管4の外管4bに漏液を導出する穴である導出部4cが設けられている。一方、検知管12には上端に導入部12aが設けられている。導入部12aは、液体が流入する小口部12bと、小口部12bの周囲に曲面状に広がるフランジ部12cとを有する。小口部12bはフランジ部12cから上方に突出しており、フランジ部12cの曲面は外管4bの外周面に沿うように形成されている。従って、検知管12と外管4bは、検知管12の小口部12bが外管4bの導出部4cに挿入され、フランジ部12cが外管4bの外周面に当接して接続される。
【0040】
このように、検知管12が直接外管4bに流体的に接続されることで継手等の部材を要することなく、二重管4内の漏液を検知して警報を発することができる。
【0041】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る非接触警報器1の電極対16の斜視図である。本実施形態の電極対16は、シート部材32に貼着されている。これに関することを除く構成は
図1から
図3の第1実施形態と実質的に同様である。従って、
図1から
図3に示した構成と同様の部分については説明を省略する。
【0042】
本第4実施形態の電極対16はシート部材32に貼着されている。このようにシート部材32に電極対16を貼着することで電極対16の二重管4への施工が容易となる。電極対16は、二重管4の最下部を挟んで対向するように配置される。電極対16の配置を一定の態様で行えるため、施工の際の電極対16の位置ずれを防止できる。
【0043】
また、本実施形態では二重管4の外管4bの外周面に直接電極対16が配置される。従って、本実施形態では、本発明における二重管4の外管4bと検知管12とが同じ部品として構成されている。このように外管4bを検知管12として直接外管4bの外周面に電極対16を配置するため、新たに検知管12を設けることなく簡単な構成で漏液を検知して報知できる。本実施形態では、本発明の被検知部は、二重管4の外管4bの一部である。
【0044】
上記の各実施形態を通じて、漏液を検知する対象の液体は特に限定されず、化学溶液や各種処理廃液等の様々な液体であってよい。また、二重管4及び検知管12の形状や材質は、特に限定されない。具体的に材質は、測定する静電容量に対して影響を及ぼさない材質であればよく、概略非金属性であればよい。
【符号の説明】
【0045】
1 非接触警報器
2 ドレン管
2a,2b,2c 開口部
2d 内管
2e 外管
2f,2g,2h,2i,2j 当接面
4 二重管
4a 内管
4b 外管(被検知部)
4c 導出部
12 検知管(被検知部)
12a 導入部
12b 小口部
12c フランジ部
14 コック
14a ハンドル
16 電極対
17a 絶縁テープ
17b シールド電極
17c 保護テープ
18 ケーブル
20 警報器本体(警報部)
20a ランプ
22 交流電源
24,25 アンプ
26 出力器
28 スイッチ
30 制御装置
32 シート部材