特許第6199410号(P6199410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6199410アルキルピログルタミン酸を調製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199410
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】アルキルピログルタミン酸を調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 213/08 20060101AFI20170911BHJP
   C07C 217/08 20060101ALI20170911BHJP
   B01J 25/02 20060101ALI20170911BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170911BHJP
【FI】
   C07C213/08
   C07C217/08
   B01J25/02 Z
   !C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-549779(P2015-549779)
(86)(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公表番号】特表2016-503064(P2016-503064A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】US2013076930
(87)【国際公開番号】WO2014100591
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月15日
(31)【優先権主張番号】61/740,063
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591252611
【氏名又は名称】アンガス ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ムーア デイビッド ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ブガイスキ ダグラス ジョン
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04698446(US,A)
【文献】 国際公開第2011/044472(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
(式中、
、R、R、R、R、及びRが独立して、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、及びヘテロアリール(C−Cアルキル)から選択され、
Xが、C−C20アルキレン、C−C20ヘテロアルキレン、C−C20アルケニレン、C−C20アルキニレン、C−Cシクロアルキル、アリール、及び−Y−Z−Y−から選択され、
各Yが独立して、C−C10アルキレンまたはC−C10ヘテロアルキレンであり、Zが、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルである)
の化合物の生成方法であって、
該方法は、以下の式(II):
(式中、R、R、R、R、R、R、及びXが、上に定義された通りである)
の化合物を、溶媒中で、かつ、a)触媒、b)1つ以上のOH基で置換されていてもよい少なくとも0.1モル当量のニトロ(C−C10アルカン)、及びc)少なくとも0.1モル当量のホルムアルデヒドの存在下で、Hと反応させる段階を含む、前記方法。
【請求項2】
反応段階が、d)塩基アミンの存在下において行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基アミンが、トリエチルアミン、トリ(C−Cアルキル)アミン、トリ(ヒドロキシC−Cアルキル)アミン、キヌクリジン、モルホリン、ピペリジン、ピリジン、イミダゾール、およびアルキルイミダゾールからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
塩基アミンが、0.0005〜0.2モル当量のトリエチルアミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒が、ニッケル系または白金系である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ニトロ(C−C10アルカン)が、2−ニトロプロパン、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、または2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ニトロ(C−C10アルカン)が、2−ニトロプロパンまたは2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノールである、請求項に記載の方法。
【請求項8】
ニトロ(C−C10アルカン)が、0.1〜2モル当量で存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ホルムアルデヒドが、0.05〜2モル当量で存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
、R、R、R、R、及びRが独立して、H及びC−Cアルキルから選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
Xが、C−C20アルキレンまたはC−C20ヘテロアルキレンである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記式(I)の化合物が、
である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
Xが、同一または異なる2つ以上のオキシアルキル基を有するポリオキシアルキレン部分である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
Xが、−(CH−O−(CH−O−(CH−である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
反応段階が、30〜100℃の温度、および100psi〜1500psiの圧力で行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月20日出願の米国仮出願61/740,063の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、1つ以上のニトロ官能基(−NO)の、それらの対応するアミン(−NH)への水素化還元中の、不所望の逆マンニッヒ反応を制限するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
ゼロVOC(揮発性有機化合物)塗料中和剤の生成は、1つ以上のニトロ官能基(−NO)の、それらの対応するアミン(−NH)への水素化を必要とする。しかし、この水素化は、逆マンニッヒ反応による、不所望の副生成物の生成も引き起こす。これはゼロVOC塗料中和剤の実用性を制限する。ゼロVOC塗料の適用における世界的な使用のために材料を適格とするために、最終生成物は、不所望の副生成物を実質的に含まなくあらねばならない。
【発明の概要】
【0004】
広範な態様において、本開示は、不所望の副生成物を生じる逆マンニッヒ反応が最小限に抑えられる水素化プロセスを提供する。特に、本開示は、1つ以上のニトロ官能基(−NO)の、それらの対応するアミン(−NH)への還元中の、不所望の逆マンニッヒ反応を制限するための方法を提供する。かかる方法は、ゼロVOC(揮発性有機化合物)塗料中和剤の生成方法において特に有用である。
【0005】
よって、本開示の一態様(実施形態1)は、以下の式(I)の化合物の生成方法を提供し、
式中、
、R、R、R、R、及びRが独立して、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、及びヘテロアリール(C−Cアルキル)から選択され、
Xが、C−C20アルキレン、C−C20ヘテロアルキレン、C−C20アルケニレン、C−C20アルキニレン、C−Cシクロアルキル、アリール、及び−Y−Z−Y−から選択され、
各Yが独立して、C−C10アルキレンまたはC−C10ヘテロアルキレンであり、Zが、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
本方法は、以下の式(II)の化合物であって、
式中、
、R、R、R、R、R、及びXが、上に定義される通りである、化合物と、
溶媒中で、かつ、a)触媒、b)1つ以上のOH基で任意選択的に置換されていてもよい少なくとも約0.1モル当量のニトロ(C−C10アルカン)、及びc)少なくとも約0.1モル当量のホルムアルデヒドの存在下で、Hと反応させることを含む。
【0006】
本開示の別の態様(実施形態2)は、以下の式の化合物の生成方法を提供し、
式中、
、R、R、R、R、及びRが独立して、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル(C−Cアルキル)、アリール、アリール(C−Cアルキル)、ヘテロアリール、及びヘテロアリール(C−Cアルキル)から選択され、
Xが、C−C20アルキレン、C−C20ヘテロアルキレン、C−C20アルケニレン、C−C20アルキニレン、C−Cシクロアルキル、アリール、及び−Y−Z−Y−から選択され、
各Yが独立して、C−C10アルキレンまたはC−C10ヘテロアルキレンであり、Zが、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、
本方法は、以下の式の化合物であって、
式中、R、R、R、R、R、R、及びXが、上に定義された通りである、化合物と、
触媒の存在下で、水素ガスと反応させることを含み、
改善は、a)1つ以上のOH基で任意選択的に置換された少なくとも約0.1モル当量のニトロ(C−C10アルカン)、及びb)少なくとも約0.1モル当量のホルムアルデヒドの存在下で反応を行うことを含む。
[本発明1001]
以下の式
式中、
1、R2、R3、R4、R5、及びR6が独立して、H、C1−C6アルキル、C3−C8シクロアルキル、C3−C8シクロアルキル(C1−C6アルキル)、アリール、アリール(C1−C6アルキル)、ヘテロアリール、及びヘテロアリール(C1−C6アルキル)から選択され、
Xが、C2−C20アルキレン、C2−C20ヘテロアルキレン、C2−C20アルケニレン、C2−C20アルキニレン、C3−C8シクロアルキル、アリール、及び−Y−Z−Y−から選択され、
各Yが独立して、C1−C10アルキレンまたはC2−C10ヘテロアルキレンであり、Zが、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルである、
上記式の化合物の生成方法であって、
該方法は、以下の式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びXが、上に定義された通りである、以下の式
の化合物を、溶媒中で、かつ、a)触媒、b)1つ以上のOH基で任意選択的に置換されていてもよい少なくとも約0.1モル当量のニトロ(C1−C10アルカン)、及びc)少なくとも約0.1モル当量のホルムアルデヒドの存在下で、H2と反応させる段階を含む、前記方法。
[本発明1002]
反応段階が、任意選択的にd)約0.0005〜約0.2モル当量のトリエチルアミンの存在下においてである、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記触媒が、ラネーニッケルである、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
ニトロ(C1−C10アルカン)が、2−ニトロプロパン、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、または2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールである、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
ニトロ(C1−C10アルカン)が、2−ニトロプロパンである、本発明1004の方法。
[本発明1006]
ニトロ(C1−C10アルカン)が、約0.5モル当量で存在する、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
ホルムアルデヒドが、約0.5モル当量で存在する、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
1、R2、R3、R4、R5、及びR6が独立して、H及びC1−C6アルキルから選択される、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
Xが、C2−C20アルキレンまたはC2−C20ヘテロアルキレンである、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記化合物が、
である、本発明1001の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明の詳細な説明
実施形態3において、本開示は、反応が任意選択的にd)約0.0005〜約0.2モル当量のトリエチルアミンの存在下においてである、実施形態1または2に記載の方法を提供する。実施形態4は、約0.005〜約0.05モル当量のトリエチルアミンが使用される、実施形態3に記載の方法を提供する。実施形態5は、約0.01〜約0.04モル当量のトリエチルアミンが使用される、実施形態3または4のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態6おいて、本開示は、約0.01〜約0.03モル当量のトリエチルアミンが使用される、実施形態3〜5のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態7において、本開示は、約0.025のトリエチルアミンが使用される、実施形態3〜6のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態8において、本開示は、別の塩基アミンがトリエチルアミンの代わりに使用され得る、実施形態3〜7のいずれか1つに記載の方法を提供する。他の適した塩基アミンの例として、トリ(C−Cアルキル)アミン、トリ(ヒドロキシC−Cアルキル)アミン、キヌクリジン、モルホリン、ピペリジン、ピリジン、イミダゾール、またはアルキルイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
実施形態9において、本開示は、触媒がニッケル系または白金系触媒である、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態10において、本開示は、触媒がニッケル系触媒である、実施形態9に記載の方法を提供する。実施形態11において、実施形態10に記載の触媒は、ラネーニッケル(Ra/Ni)触媒である。実施形態12において、本開示は、触媒が白金系触媒である、実施形態9に記載の方法を提供する。実施形態13において、実施形態12に記載の触媒は、PtO触媒である。
【0009】
実施形態14において、本開示は、ニトロ(C−C10アルカン)が2−ニトロプロパン、2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノール、または2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールである、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態15は、ニトロ(C−C10アルカン)が2−ニトロプロパンである、実施形態14に記載の方法を提供する。実施形態16は、ニトロ(C−C10アルカン)が2−メチル−2−ニトロ−1−プロパノールである、実施形態14に記載の方法を提供する。実施形態17は、ニトロ(C−C10アルカン)が2−メチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールである、実施形態14に記載の方法を提供する。
【0010】
実施形態18において、本開示は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.1〜約2モル当量で存在する、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態19は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.1〜約1モル当量で存在する、実施形態18に記載の方法を提供する。実施形態20は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.2〜約0.8モル当量で存在する、実施形態18に記載の方法を提供する。実施形態21は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.4〜約0.6モル当量で存在する、実施形態18に記載の方法を提供する。実施形態22は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.5モル当量で存在する、実施形態18に記載の方法を提供する。実施形態23は、ニトロ(C−C10アルカン)が約0.25モル当量で存在する、実施形態18に記載の方法を提供する。
【0011】
実施形態24において、本開示は、ホルムアルデヒドが約0.05〜約2モル当量で存在する、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態25は、ホルムアルデヒドが約0.1〜約1モル当量で存在する、実施形態24に記載の方法を提供する。実施形態26は、ホルムアルデヒドが約0.2〜約0.8モル当量で存在する、実施形態24に記載の方法を提供する。実施形態27は、ホルムアルデヒドが約0.4〜約0.6モル当量で存在する、実施形態24に記載の方法を提供する。実施形態28は、ホルムアルデヒドが約0.5モル当量で存在する、実施形態24に記載の方法を提供する。実施形態29は、ホルムアルデヒドが約0.25モル当量で存在する、実施形態24に記載の方法を提供する。
【0012】
本開示の方法において使用するために適した溶媒として、アルコール、グリコール、有機プロトン溶媒、有機非プロトン溶媒、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、他の低級アルコール、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、アセトン、トルエン、ベンゼン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。実施形態30において、本開示は、溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン、トルエン、ベンゼン、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態31において、本開示は、溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態32において、本開示は、溶媒がメタノールである、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0013】
実施形態33は、R、R、R、R、R、及びRが独立して、H及びC−Cアルキルから選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態34において、実施形態33に記載の方法が、R、R、R、及びRが独立して、C−Cアルキルから選択される。実施形態35は、R、R、R、及びRが各々、メチルである、実施形態35に記載の方法を提供する。
【0014】
実施形態36は、R及びRが独立して、Hから選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態37は、R、R、R、及びRが独立して、H及びC−Cアルキルから選択される、実施形態36に記載の方法を提供する。実施形態38において、実施形態36に記載の方法が、R、R、R、及びRが独立して、C−Cアルキルから選択される。実施形態39において、実施形態38に記載の方法が、R、R、R、及びRが各々、メチルである。
【0015】
実施形態40は、XがC−C20アルキレンまたはC−C20ヘテロアルキレンである、実施形態1〜39のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0016】
実施形態41は、XがC−C20アルキレンである、実施形態1〜40のいずれか1つに記載の組成物を提供する。実施形態42において、Xは、ヘキシレンである。
【0017】
実施形態43は、Xが−(CH−O−(CH−O−(CH−である、実施形態1〜40のいずれか1つに記載の組成物を提供する。
【0018】
実施形態44は、XがC−C20ヘテロアルキレンであり、これが同一または異なる2つ以上のオキシアルキル基を有するポリオキシアルキレン部分である、実施形態1〜40のいずれか1つに記載の組成物を提供する。実施形態45において、ヘテロアルキレンは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、またはそれらの組み合わせである。実施形態46において、ヘテロアルキレンは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそれらの組み合わせである。実施形態47は、ヘテロアルキレンがポリエチレングリコールである、実施形態1〜46のいずれかに記載の組成物を提供する。実施形態48において、本開示は、ポリオキシアルキレン部分(例えば、ポリエチレングリコール)が約100〜約2000の分子量を有する、実施形態44〜47のいずれか1つに記載の組成物を提供する。実施形態49において、分子量は、約100〜約1000である。実施形態50において、分子量は、約200〜約1000である。
【0019】
本開示の方法によって調製され得る化合物(即ち、式(I)の化合物)は、
,N’−(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)、または
,N(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)
,N1’−(3,3’−(2,2’−オキシビス(エタン−2,1−ジイル)ビス(オキシ))ビス(プロパン−3,1−ジイル))ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)
,N1’−(Jeffamine(登録商標)D−230)ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)、を含む(実施形態51)。
【0020】
実施形態52において、本開示は、式(I)の化合物が、
,N’−(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)、または
,N(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)である、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0021】
実施形態53において、本開示は、式(II)の化合物の反応が約30〜約100℃の温度で行われる、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態54において、温度は、約40〜約80℃である。実施形態55において、温度は、約50〜約70℃である。実施形態48において、温度は、約50℃である。実施形態56において、温度は、約65℃である。
【0022】
実施形態57において、本開示は、式(II)の化合物の反応が約100psi〜約1500psiの圧力で行われる、実施形態1〜56のいずれか1つに記載の方法を提供する。実施形態58において、圧力は、約300psi〜約1000psiである。実施形態59において、圧力は、約500psi〜約1000psiである。実施形態60において、圧力は、約600psi〜約800psiである。実施形態61において、圧力は、約600psiである。実施形態62において、圧力は、約700psiである。実施形態63において、圧力は、約750psiである。実施形態64において、圧力は、約800psiである。
【0023】
定義
使用される以下の用語及び表現は、その示される意味を有する。
【0024】
本明細書で使用される用語には、明示される置換基とその親部分との間の結合の結合順を示すために、一重ダッシュ「−」または二重ダッシュ「=」が先行する、及び/または後に続く場合があり、一重ダッシュは、単結合を示し、二重ダッシュは、二重結合を示す。「
」は、単結合または二重結合を意味する。一重または二重ダッシュが無い場合、単結合が置換基とその親部分との間で形成されることが理解され、さらに、ダッシュが別な様式で示さない限り、置換基は「左から右」に読まれることが意図される。例えば、C−Cアルコキシカルボニルオキシ及び−OC(O)C−Cアルキルは、同一の官能性を示し、同様に、アリールアルキル及び−アルキルアリールは、同一の官能性を示す。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、別途指定がない限り、2〜20個の炭素を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。アルケニルの代表例として、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル、3−デセニル、及び3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエニル、及び2−プロピル−2−ヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルケニレン」は、二価のアルケニル基を指し、この場合アルケニルは本明細書で定義される通りである。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、本明細書で定義される、酸素原子を通して親分子部分に付加されるアルキル基を意味する。アルコキシの代表例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、及びヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、別途指定がない限り、1〜20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例として、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、及びn−デシルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルキレン」は、二価のアルキル基を指し、この場合アルキルは本明細書で定義される通りである。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、別途指定がない限り、2〜10個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。アルキニルの代表例として、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、及び1−ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルキニレン」は、二価のアルキニル基を指し、この場合アルキニルは本明細書で定義される通りである。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、フェニル(即ち、単環式アリール)、または少なくとも1つのフェニル環を含有する二環式環系もしくは芳香族二環式環系中に炭素原子のみを含有する芳香族二環式環を意味する。二環性アリールは、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、もしくは単環式ヘテロシクリルに融合されるアズレニル、ナフチル、またはフェニルであり得る。二環性アリールは、二環性系のフェニル部内に含有される任意の炭素原子、またはナフチルもしくはアズレニル環を有する任意の炭素原子を通して、親分子部分に付着される。
【0030】
「アラルキル」基または「アリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合的に付着されるアリール基を含み、そのいずれかが独立して、任意選択的に置換される。好ましくは、アラルキル基が、アリール(C−C)アルキルであり、ベンジル、フェネチル、及びナフチルメチルを制限なく含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「シアノ」及び「ニトリル」は、−CN基を意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、単環式または二環性シクロアルキル環系を意味する。単環式環系は、3〜8個の炭素原子を含有する環状炭化水素基であり、かかる基は、飽和または不飽和され得るが、芳香族ではない。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、完全に飽和される。単環式シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。二環式環系の代表例として、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、及びビシクロ[4.2.1]ノナンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、−Cl、−Br、−I、または−Fを意味する。
【0034】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、及び「ハロアルコキシ」は、アルキル、アルケニル、またはアルコキシ基を指し、場合によっては、1個以上のハロゲン原子によって置換される。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」は、炭素原子のうち少なくとも1個が、O、NR′、またはSによって取って代わられているアルキル基を指し、R′が、水素、アルキル、アリール、またはアラルキルである。用語「ヘテロアルキレン」は、二価のヘテロアルキル基を指し、この場合ヘテロアルキルは本明細書で定義される通りである。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのヘテロ芳香族環を含有する単環式ヘテロアリールまたは二環式環系を意味する。単環式ヘテロアリールは、5または6員環であり得る。5員環は、2つの二重結合及び1個、2個、3個、または4個の窒素原子、ならびに任意選択的に1個の酸素または硫黄原子からなる。6員環は、3つの二重結合及び1個、2個、3個、または4個の窒素原子からなる。5または6員ヘテロアリールは、ヘテロアリール内に含有される任意の炭素原子または任意の窒素原子を通して親分子部分に結合される。二環性ヘテロアリールは、フェニルに融合される単環式ヘテロアリール、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式ヘテロシクリル、または単環式ヘテロアリールからなる。ヘテロアリールの代表例として、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、トリアジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズオキサチアジアゾリル、ベンズオキサチアゾリル、シノリニル、5,6−ジヒドロキノリン−2−イル、5,6−ジヒドロイソキノリン−1−イル、フロピリジニル、インダゾリル、インドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キノリニル、またはプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」は、単環式ヘテロ環または二環性ヘテロ環を意味する。単環式ヘテロ環は、環が、飽和または不飽和されるが、芳香族ではない、O、N、及びSからなる基から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する3、4、5、6、または7員環である。3または4員環は、O、N、及びSからなる基から選択される1個のヘテロ原子を含有する。5員環は、ゼロまたは1つの二重結合ならびにO、N、及びSからなる基から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有し得る。6または7員環は、ゼロ、1つ、または2つの二重結合ならびにO、N、及びSからなる基から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。二環性ヘテロ環は、フェニル、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、単環式ヘテロ環、または単環式ヘテロアリールのいずれかに融合される単環式ヘテロ環である。ヘテロ環の代表例として、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、モルフォリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルフォリニル、1,1−ジオキシドチオモルフォリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、トリチアニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル、及びインドリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用される場合、句「1つ以上の」置換基は、利用可能な結合部位の数に基づいて、1から可能な置換基の最大数と等しい置換基の数を指すが、安定性及び化学的実現可能性の上記条件が満たされることを条件とする。別途示されない限り、任意選択的に置換される基は、基の各置換可能な位置で置換基を有してもよく、置換基は、同一または相違のいずれかである。本明細書で使用される場合、用語「独立して選択される」は、同一または異なる値が、単一の化合物における所与の変数の複数の事例のために選択されてもよいことを意味する。
【0039】
「任意の」または「任意選択的に」は、後述される事象または状況が、発生してもしなくてもよいことを意味し、その記述は、該事象または状況が発生する事例及びそれが発生しない事例を含むことを意味する。当業者であれば、1つ以上の任意の置換基を含有すると記述される任意の分子について、立体的に実用的及び/または総合的に実現可能な化合物が当然含まれていることを理解されよう。「任意選択的に置換される」は、別途記述されない限り、用語中の全ての後続の修飾語句を指す。
【0040】
用語「ポリオキシアルキレン」は、所望の寸法及び重量のポリマー部分を提供するために、同一または異なるアルキレンオキシドモノマーのうちの2つ以上を重合化または共重合化することによって形成される部分を指し、このポリマー部分は、キャップ型または非キャップ型であり得る。ポリマーは、ブロックまたはランダムポリマー、または両方であり得る。通常、アルキレンオキシドモノマーは独立して、1〜8個、好ましくは2〜5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖基である。ポリマー部分が、2つ以上のポリオキシアルキレン基を含む場合、個々のポリオキシアルキレン基は、リンカー基によってお互いに結合されてもよい。適したリンカー基の例は、−C(O)−、−O−、−O−C(O)O−、−C(O)CHCHC(O)−、−S−S−、及び−NR−であり、Rが水素、またはC−Cアルキルである。ポリオキシアルキレン基の非制限の例として、ポリオキシエチレン、直鎖または分枝鎖ポリオキシプロピレン、及び直鎖または分枝鎖ポリオキシブチレンが挙げられる。ポリオキシアルキレンポリマー部分は、約30〜3000Daの分子量を有してもよく、これらの部分のいずれもが、複数のより短く、独立したサイズの単位に形成されてもよい。単位は、約40(即ち、ポリエチレングリコールの1つの反復単位)、50、80、200、または500Da〜最大約2000Daの範囲の分子量を独立して有してもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「置換」は、指定部分の水素ラジカルが、特定の置換基のラジカルによって取って代わられることを意味するが、置換が、安定または化学的に実現可能な化合物をもたらすことを条件とする。用語「置換可能な」は、指定原子を参照する上で使用される際、原子へ付着されるのは、水素ラジカルであり、それは、適した置換基のラジカルによって取って代わられ得ることを意味する。
【実施例】
【0042】
当業者は、以下の実施例によって示されるように、出発材料及び反応条件が変化してもよく、反応の順序が変更されてもよく、かつ追加のステップが本開示によって包含される方法を実行する上で用いられてもよいことを認識するであろう。これらの実施例は、本開示の範囲または趣旨をそれらに記載される特定の手順及び化合物に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0043】
出発材料は、再生可能な供給源を含む商業的供給源から取得され得るか、または当業者に既知であるよく確立された文献に記載の方法によって調製され得る。反応は、用いられる試薬及び材料に適しており、影響を受ける転換に適切な溶媒中で実行される。分子上の官能基の存在が、提唱される転換と矛盾すべきでないことが有機合成の当業者に理解されよう。本開示の所望の化合物を取得するために、合成ステップの順番の修正、または1つの特定の工程計画を別のものから選択するという判断を必要とすることもあるであろう。幾つかの事例において、特定の反応性官能基の保護が、上記の転換のいくつかを達成するために必要とされ得る。通常、かかる保護基の必要性、ならびにかかる基を付着及び除去するために必要な条件は、有機合成の当業者には明らかになるであろう。
【0044】
本出願中で記述される、特許を含む全ての記事及び参考文献の開示は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0045】
比較例
ステンレス鋼の反応器を、53.6グラム(0.153モル)のΝ,Ν’−(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(2−メチル−2−ニトロプロパン−1−アミン)(EDBDA−ビス−NMPと略記)、57mLのメタノール、及び7.7グラムのBK111WRaNi触媒で装填した。反応器を窒素で流し、次に水素で加圧した。還元は、65℃で、750psigの水素で行われた。還元は、約1.5時間で完了した。反応器の混合物を濾過して、触媒を除去すると、その濾液は、透明及び無着色であった。保持時間は、米国特許公開2012/0196963で報告されるGC/MS不純物同定に基づいた。メタノール及び水を回転式蒸発によって濾液から除去し、170.2グラム(88.5%)のN,N’−(2,2’−(エタン−1,2−ジイルビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(2−メチルプロパン−1,2−ジアミン)である透明、無着色に近い液体を供した。IR、H−NMR、及び13C−NMR分析法は、提唱される構造と矛盾していなかった。GC/MSは、4.8%のN−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−2−メチルプロパン−1,2−ジアミンの存在も検知した。さらに、3つの追加の副生成物が回収され、これは20分を超える保持時間(RT)を有した。これらは、N−(2−(2−(2−(2−アミノ−2−メチルプロピルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)−N1,2−ジメチルプロパン−1,2−ジアミン(1%)、N−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−N1−(2−(2−(2−(2−アミノ−2−メチルプロピルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)−2−メチルプロパン−1,2−ジアミン(1.6%)、及びN−(2−(2−(2−(4,4−ジメチルイミダゾリジン−1−イル)エトキシ)エトキシ)エチル)−2−メチルプロパン−1,2−ジアミン(1.2%)であった。
【0046】
実施例1
300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのHPLCグレードのメタノール(MeOH)及び7.7gのR−3111Ra/Ni触媒を装填した。6gのHPLC MeOHで希釈した53.6g(0.153モル)のEDBDA−ビス−NMP供給材料を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。オートクレーブを密封し、窒素(N)で3回、水素(H)で3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が65℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/MeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の35分後(約25%の反応が完了)、反応器試料を取り出した。増加供給を再開した。EDBDA−ビス−NMP/MeOH供給のさらに1時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの完了後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、65℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0047】
実施例2
300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのHPLCグレードのメタノール及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。9.1gの2−メチル−2−ニトロプロパン−1−オル(NMPと略記、Angus Chemical Company,Buffalo Grove,IL)結晶を、53.6g(0.153モル)のEDBDA−ビス−NMP及び6gのMeOHに入れ、混合しながら溶解した。NMP/EDBDA−NMP/MeOH混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が65℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/NMP/MeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、65℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0048】
実施例3
4.2gのMethyl Formcel(Celanese Corp,Irving,TX)、6.8gの2−ニトロプロパン(NiPar S−20,Angus Chemical Company,Buffalo Grove,IL)、53.6g(0.153モル)のEDBDA−ビス−NMP、及び0.8gのトリエチルアミン(TEAと略記)を、15分間混合した。上述の混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのMeOH及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が65℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/2−NP−Methyl Formcel/TEAのMeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、65℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0049】
実施例4
1.1gのパラホルムアルデヒドプリル、3.4gのNiPar S−20、及び53.6g(0.153モル)のEDBDA−ビス−NMPを、プリルが完全に溶解するまで、24時間、室温で混合した。プリル/NiPar S−20/EDBDA−ビス−NMPの混合物に、0.6gのTEAを添加し、混合をさらに10分継続した。上述の混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのMeOH及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が65℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/2−NP−パラホルムアルデヒド/TEAのMeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのMeOHを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、65℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0050】
実施例5
2.3gのパラホルムアルデヒドプリル、6.8gのNiPar S−20、及び53.6gのEDBDA−ビス−NMPを、プリルが完全に溶解するまで、24時間、室温で混合した。プリル/NiPer S−20/EDBDA−NMPの混合物に、0.6gのTEAを添加し、混合をさらに10分継続した。上述の混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのMeOH及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が65℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/2−NP−パラホルムアルデヒド/TEA/のMeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、65℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0051】
実施例6
2.3gのパラホルムアルデヒドプリル、6.8gのNiPar S−20、及び53.6gのEDBDA−ビス−NMPを、プリルが完全に溶解するまで、24時間、室温で混合した。プリル/NiPer S−20/EDBDA−NMPの混合物に、0.6gのTEAを添加し、混合をさらに10分継続した。上述の混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのMeOH及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が50℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/2−NP−パラホルムアルデヒド/TEAのMeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、50℃でさらに10分保持した。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0052】
実施例7
2.3gのパラホルムアルデヒドプリル、6.8gのNiPar S−20、及び53.6gのEDBDA−ビス−NMPを、プリルが完全に溶解するまで、24時間、室温で混合した。プリル/NiPer S−20/EDBDA−NMPの混合物に、0.6gのTEAを添加し、混合をさらに10分継続した。上述の混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填した。300mLのParrのステンレス鋼オートクレーブに、45gのMeOH及び7.7gのBK−111WRa/Niの触媒を装填した。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約500psigのHになるように加圧及び調整した。撹拌を開始し、600rpmに設定した。オートクレーブの温度が50℃になるまで熱した。EDBDA−ビス−NMP/2−NP−パラホルムアルデヒド/TEAのMeOH供給材料を、0.6〜0.7mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加えた。供給添加の約2.5時間後、20mLのメタノールを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込んだ。MeOHの流し込みの約30分後、ポンプを遮断した。反応器を隔離し、50℃でさらに10分保持した。オートクレーブを30℃未満に冷却し、通気した。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去した。
【0053】
実施例1〜7のための全ての調製を、GC分析法にかけた。副生成物の相対量を最小限に抑えるためには、約15分の保持時間でのものが所望の構成成分であった。これらの調製の結果は、表1にまとめられる。
(表1)
NMP=2−メチル−2−ニトロプロパン−1−オル
NP=2−ニトロプロパン
Methyl Formcel=ホルムアルデヒド(55%)、MeOH(35%)、及びHO(10%)(Celanese Corp,Irving,TX)
TEA=トリエチルアミン
パラホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド源としての働きをする。
【0054】
実施例1を、基準線として使用した。実施例2、3、及び5は、最も低い効果から最も高い効果の順で、効果がNMP→NP/Methyl Formcel→NP/パラホルムアルデヒドであったことを示す。実施例5と比較して、実施例4は試薬の量を低減し、これは10.1〜20分の保持時間で構成成分のレベルを増加させた。温度及び/または圧力を減少させるが、実施例5〜実施例6及び7の同一の試薬量を使用することが、パラメーターの典型的な製造全体の工程が比較的構造的に安定していることを示した。
【0055】
実施例8:NMPD(0.5モル当量)の水素化条件
ステンレス鋼オートクレーブに、45gのHPLCグレードのテトルヒドロフラン及び1.5gのBK−111WRa/Niの触媒を装填する。2.6gの2−ニトロ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(NMPD)結晶(ANGUS)を、約0.037モルのHPLCテトラヒドロフラン(THF)中の出発ニトロ化合物供給材料及び6gの追加のTHFに入れ、混合しながら溶解する。出発材料/NMPD/THFの混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填する。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整する。撹拌を開始し、600rpmに設定する。オートクレーブの温度が50℃になるまで熱する。出発材料/NMPD/THF供給材料を、0.8〜0.9mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加える。供給添加が完了したところで(約1.5時間)、20mLのTHFを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込む。THFの流し込みの約20分後、ポンプを遮断する。反応器を隔離し、50℃でさらに10分保持する。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気する。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去する。
【0056】
実施例9:NE/ホルムアルデヒド(0.5モル当量)の水素化条件
HPLCテトラヒドロフラン(THF)中の1.1gのパラホルムアルデヒドプリル、1.4gのニトロエタン(NE)、及び約0.037モルの出発ニトロ化合物供給材料を、プリルが完全に溶解するまで、24時間、室温で混合する。混合物を、供給ポンプを備え付けた150mLのステンレス鋼の円筒に装填する。ステンレス鋼オートクレーブに、45gのTHF及び1.5gのBK−111WRa/Niの触媒を装填する。オートクレーブを密封し、Nで3回、Hで3回加圧パージし、続いて、約750psigのHになるように加圧及び調整する。撹拌を開始し、600rpmに設定する。オートクレーブの温度が50℃になるまで熱する。出発材料/NE−パラホルムアルデヒド/THF供給材料を、0.8〜0.9mL/分の供給速度を目標にしてEldex Duros系列のポンプを通して反応器に加える。供給添加の約1.5時間後、20mLのTHFを、ステンレス鋼の供給タンクに装填しオートクレーブ中に流し込む。THFの流し込みの約20分後、ポンプを遮断する。反応器を隔離し、50℃でさらに10分保持する。オートクレーブを、30℃未満に冷却し通気する。反応生成物を、ガラスマイクロ繊維の濾過装置を通して濾過して、触媒を除去する。
【0057】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のためのみであることが理解されよう。文脈によって明確に除外されない限り、本発明の一態様のために開示される全ての実施形態は、本発明の他の態様のために開示される実施形態と、任意の適した組み合わせで組み合わされ得る。種々の修正及び変更が、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明において行われ得ることが当業者には明らかになるであろう。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入ることを条件として、本発明の修正及び変更を網羅することが意図される。本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照することにより本明細書に組み込まれる。