特許第6199412号(P6199412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6199412無線通信のための送信電力制御機器、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199412
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】無線通信のための送信電力制御機器、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0426 20170101AFI20170911BHJP
   H04B 7/0452 20170101ALI20170911BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20170911BHJP
【FI】
   H04B7/0426 200
   H04B7/0452
   H04W16/28
【請求項の数】21
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2015-551878(P2015-551878)
(86)(22)【出願日】2014年2月6日
(65)【公表番号】特表2016-510531(P2016-510531A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】US2014015015
(87)【国際公開番号】WO2014126773
(87)【国際公開日】20140821
【審査請求日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】61/765,363
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/870,105
(32)【優先日】2013年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マルツェフ,アレクサンデル
(72)【発明者】
【氏名】サドリ,アリ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ピュデイエフ,アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ニコルズ,リチャード ビー.
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−532437(JP,A)
【文献】 特開2000−224097(JP,A)
【文献】 特開2011−082705(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02557861(EP,A1)
【文献】 特開2007−013285(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0033390(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0199604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04W 16/28
CiNii
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機器であって、当該機器が、
無線通信のための信号を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するための制御装置を備え、
前記制御装置が、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて前記複数の送信電力を制御するためのものであり、
前記第1の電力限界値が、前記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、
前記第2の電力限界値が、前記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含み、
前記制御装置が、下記の基準に従って前記送信電力を決定するためのものであり、
【数2】
ここで、Nが前記複数の指向性ビームの数を表し、Pがi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pが前記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxが前記全送信電力限界値を表す、機器。
【請求項2】
前記制御装置が、前記複数の送信電力により達成可能な前記指向性ビームのスループットに基づいて前記送信電力を制御するためのものである、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記制御装置が、前記指向性ビームの前記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて前記送信電力を制御するためのものである、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
無線通信機器であって、当該機器が、
無線通信のための信号を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するための制御装置を備え、
前記制御装置が、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて前記複数の送信電力を制御するためのものであり、
前記第1の電力限界値が、前記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、
前記第2の電力限界値が、前記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含み、
前記制御装置が、下記の基準に従って前記送信電力を決定するためのものであり、
【数1】
ここで、Pがi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gが前記i番目の指向性ビームの方向における前記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rが予め定義された距離を表し、Smaxが前記電力密度限界値を表す、機器。
【請求項5】
前記アンテナアレイが複数のアンテナモジュールを備え、各アンテナモジュールが共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む、請求項4に記載の機器。
【請求項6】
前記制御装置が、前記電力密度限界値に等しいか、又は前記電力密度限界値より小さい電力密度を有する前記指向性ビームのそれぞれを生成するために、前記複数の送信電力を制御するためのものである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
前記無線通信が、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項8】
前記無線通信が、多入力多出力(MIMO)通信を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項9】
前記無線通信がマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、前記複数の指向性ビームが複数のユーザに向けられる、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記制御装置が、前記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて前記複数のユーザを選択するためのものである、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記制御装置が、前記複数の送信電力により達成可能な前記複数のユーザに対するスループットに基づいて前記送信電力を制御するためのものである、請求項9に記載の機器。
【請求項12】
前記アンテナアレイが複数のアンテナモジュールを備え、各アンテナモジュールが共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項13】
前記無線通信が、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介した通信を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の機器。
【請求項14】
無線通信システムであって、当該システムが、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の機器を含む無線通信装置を備え、前記無線通信装置が、
前記アンテナアレイと、
前記制御装置と、
前記無線通信の一部分として通信されるべき情報を処理するためのプロセッサとを含む、システム。
【請求項15】
無線通信方法であって、当該方法が、
無線通信のための信号を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するステップを含み、
前記複数の送信電力を制御するステップが、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて前記送信電力を制御するステップを含み、
前記第1の電力限界値が、前記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、
前記第2の電力限界値が、前記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含み、
前記複数の送信電力を制御するステップが、下記の基準に従って前記送信電力を決定するステップを含み、
【数4】
ここで、Nが前記複数の指向性ビームの数を表し、Pがi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pが前記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxが前記全送信電力限界値を表す、方法。
【請求項16】
前記複数の送信電力により達成可能な前記指向性ビームのスループットに基づいて前記送信電力を制御するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
無線通信方法であって、当該方法が、
無線通信のための信号を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するステップを含み、
前記複数の送信電力を制御するステップが、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて前記送信電力を制御するステップを含み、
前記第1の電力限界値が、前記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、
前記第2の電力限界値が、前記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含み、
前記複数の送信電力を制御するステップが、下記の基準に従って前記送信電力を決定するステップを含み、
【数3】
ここで、Pがi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gが前記i番目の指向性ビームの方向における前記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rが予め定義された距離を表し、Smaxが前記電力密度限界値を表す、方法。
【請求項18】
前記アンテナアレイが複数のアンテナモジュールを備え、各アンテナモジュールが共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記無線通信がマルチユーザ(MU) 多入力多出力(MIMO)通信を含み、前記複数の指向性ビームが複数のユーザに向けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
機械により実行された場合に請求項15から請求項19のいずれか一項に記載の方法をもたらす命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで説明された実施例は、一般に、無線通信に関する。
【0002】
この出願は、2013年2月15日に出願され、“Intelligent Transmit Power Control for mmWave MU-MIMO Systems with Power Density Limitations”と表題が付けられた米国仮特許出願第61/765,363号の利益、及び米国仮特許出願第61/765,363号からの優先権を主張するとともに、その全体の開示は参照によりここに組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
電子装置(例えば、ラップトップ、タブレット、ノートブック、ネットブック(netbook)、携帯情報機器(PDA)、パーソナルコンピュータ、携帯電話など)は、多くの場合、様々な無線通信能力を含む。そのような能力は、ミリメートル波(ミリ波)領域、例えば60ギガヘルツ(GHz)周波数帯域のような、より高い周波数範囲の通信スペクトラムにおける通信を必要とし得る。これらのより高い周波数範囲は、より高いデータ転送速度を有利に提供することができる。
【0004】
ミリ波伝搬は、より低い周波数帯域、例えば2.4〜5GHzの周波数帯域と比較すると、少しの際だった独特の特徴を有している。例えば、ミリ波伝搬は、より低い周波数帯域における伝搬損失より大きい伝搬損失を有しているかもしれず、そして準光学的な伝搬特性を有しているかもしれない。
【0005】
ミリ波通信システムは、大きな経路損失を補償するか、及び/又はビームステアリング技術を使用するために高利得指向性アンテナを使用し得る。適切なアンテナシステム及び/又は更なる信号処理の設計は、ミリ波通信システム開発の重要な側面であり得る。
【0006】
多素子フェイズドアンテナアレイ(phased antenna array:位相アンテナ配列)は、例えば、指向性アンテナパターンの生成のために使用され得る。フェイズドアンテナアレイは、適切な信号位相をアンテナ素子に設定することによってステアリング(指向制御)され得る、指向性アンテナパターン又はビームを形成し得る。
【0007】
様々な規制及び制限、例えば政府による規制及び制限が、1つ又は複数の周波数帯域を介して実行される伝送に適用され得る。例えば、米国連邦通信委員会(FCC)は、ミリメートル波帯域、例えば59.05〜64GHzの周波数帯域に対して、送信アンテナから3メートルで測定されたSmax=18μW/cmの最大電力密度のピーク放射限界値、及び全送信電力限界値Pmax=500mWを課す。同様の制限は、他の国々の規制及び/又は他の周波数帯域に対する規制に存在する。
【0008】
図解の簡素化及び明瞭化のために、図面において示された要素は、一定の比率で必ずしも描かれたわけではない。例えば、いくつかの要素の寸法は、表示の明瞭化のために、他の要素と比較して誇張されているかもしれない。さらに、参照符号は、対応する又は同様の要素を示すために、図面の間で繰り返して使用されるかもしれない。それらの図面は下記でリストされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】いくつかの例示的な実施例によるシステムの概略のブロック図の説明図である。
図2】いくつかの例示的な実施例によるシングルユーザ(Single-User:SU)伝送の信号電力密度、及びマルチユーザ(Multi-User:MU)伝送の信号電力密度の概略の説明図である。
図3】いくつかの例示的な実施例による送信電力制御装置を含む通信装置の概略の説明図である。
図4A】いくつかの例示的な実施例によるアンテナモジュールのアンテナ指向性図の等角図である。
図4B】いくつかの例示的な実施例によるアンテナモジュールのアンテナ指向性図の側面図である。
図4C】いくつかの例示的な実施例によるアンテナモジュールのアンテナ指向性図の上面図である。
図4D】アンテナアレイにより生成される合成ビームを概略的に例示する図である。
図4E】いくつかの例示的な実施例による合成ビームをステアリングするための第1のビームフォーミング(beamforming:BF)スキームを概略的に例示する図である。
図4F】いくつかの例示的な実施例による合成ビームをステアリングするための第2のBFスキームを概略的に例示する図である。
図5A】いくつかの例示的な実施例によるアンテナアレイの有効範囲領域の概略の説明図である。
図5B】いくつかの例示的な実施例によるアンテナアレイの有効範囲領域の概略の説明図である。
図5C】いくつかの例示的な実施例による合成ビームの細かい方位角BFを概略的に例示する図である。
図5D】いくつかの例示的な実施例による第1の方位角有効範囲セクタ及び第2の方位角有効範囲セクタを概略的に例示する図である。
図6】いくつかの例示的な実施例による無線通信のための送信電力制御方法の概略のフローチャートの説明図である。
図7】いくつかの例示的な実施例による製造製品の概略の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の詳細な説明において、多数の特定の詳細が、いくつかの実施例の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、いくつかの実施例はこれらの特定の詳細なしで実施され得る、ということが当業者によって理解されることになる。他の場合において、周知の方法、手順、構成要素、ユニット、及び/又は回路は、議論を不明瞭にしないために、詳細に説明されなかった。
【0011】
例えば、“処理する(processing)”、“演算する(computing)”、“計算する(calculating)”、“判定する(determining)”、“確立する(establishing)”、“分析する(analyzing)”、“チェックする(checking)”などのような用語を使用するここにおける議論は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば電子的)な量として表されたデータを、コンピュータのレジスタ及び/若しくはメモリ内、又は、動作及び/若しくは処理を実行するための命令を格納し得る他の情報記憶媒体内の物理的な量として同様に表された他のデータに処理するか、及び/又は変換する、コンピュータ、計算プラットフォーム、計算システム、又は他の電子計算装置の(複数の)動作及び/若しくは(複数の)処理を参照し得る。
【0012】
ここで使用される“多数(plurality)”及び“複数(a plurality)”という用語は、例えば、“倍数(multiple)”又は“2つ以上”を含む。例えば、“複数のアイテム”は、2つ以上のアイテムを含む。
【0013】
“一実施例”、“実施例”、“例示的な実施例”、“各種の実施例”などへの言及は、そのように説明された(複数の)実施例が特定の特徴、構造、又は特性を含むかもしれないが、しかし、全ての実施例が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らない、ということを示す。さらに、“一実施例において”という言い回し(phrase)の繰り返された使用は、同じ実施例を参照する場合もあるが、同じ実施例を必ずしも参照するとは限らない。
【0014】
ここで使用されるように、特に指定のない限り、共通の物体を説明するための順序の形容詞である“第1の”、“第2の”、“第3の”などの使用は、単に、同様の物体の異なる事例が言及されるということを示すとともに、時間的に、空間的に、ランキングで、又はあらゆる他の方法のいずれにおいても、そのように説明された物体が所定の順序でなければならない、と示唆することを意図していない。
【0015】
いくつかの実施例は、様々な装置及びシステム、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウルトラブック(登録商標)コンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルド装置、携帯情報端末(PDA)装置、ハンドヘルドPDA装置、オンボード装置、オフボード装置、ハイブリッド装置、車両装置(vehicular device)、非車両装置(non-vehicular device)、モバイル又はポータブル装置、民生用装置、非モバイル又は非ポータブル装置、無線通信ステーション、無線通信装置、無線アクセスポイント(AP)、有線又は無線ルータ、有線又は無線モデム、ビデオ装置、オーディオ装置、オーディオ−ビデオ(A/V)装置、有線又は無線ネットワーク、無線エリアネットワーク、無線ビデオエリアネットワーク(Wireless Video Area Network:WVAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(Personal Area Network:PAN)、無線PAN(Wireless PAN:WPAN)など、と共に使用され得る。
【0016】
いくつかの実施例は、既存のワイヤレスギガバイトアライアンス(Wireless-Gigabit-Alliance:WGA)仕様書(Wireless Gigabit Alliance, Inc WiGig MAC and PHY Specification Version 1.1, April 2011, 最終仕様書)、及び/若しくはその将来版、及び/若しくはその派生物に従って動作する装置並びに/又はネットワーク、既存のIEEE802.11標準(IEEE 802.11-2012, IEEE Standard for Information technology-Telecommunications and information exchange between systems Local and metropolitan area networks-Specific requirements Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications, March 29, 2012; IEEE802.11 task group ac (TGac) ("IEEE802.1l-09/0308rl2-TGac Channel Model Addendum Document"); IEEE 802.11 task group ad (TGad) (IEEE P802.11ad Standard for Information Technology-Telecommunications and Information Exchange Between Systems-Local and Metropolitan Area Networks-Specific Requirements-Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications-Amendment 3: Enhancements for Very High Throughput in the 60GHz Band))、及び/若しくはその将来版、及び/若しくはその派生物に従って動作する装置並びに/又はネットワーク、既存のWirelessHD(登録商標)仕様書、及び/若しくはその将来版、及び/若しくはその派生物に従って動作する装置並びに/又はネットワーク、上記のネットワークの一部分であるユニット並びに/又は装置など、と共に使用され得る。
【0017】
いくつかの実施例は、一方向及び/又は双方向無線通信システム、セルラ無線電話通信システム、移動電話、セルラ電話、無線電話、パーソナル移動通信システム(Personal Communication System:PCS)装置、無線通信装置を組み込むPDA装置、モバイル又はポータブル全地球測位システム(GPS)装置、GPS受信機又はGPSトランシーバ又はGPSチップを組み込む装置、RFID素子又はRFIDチップを組み込む装置、多入力多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)トランシーバ又はMIMO装置、単一入力多出力(Single Input Multiple Output:SIMO)トランシーバ又はSIMO装置、多入力単一出力(Multiple Input Single Output:MISO)トランシーバ又はMISO装置、1つ又は複数の内部アンテナ及び/又は外部アンテナを有する装置、デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcast:DVB)装置又はDVBシステム、マルチ標準ラジオ装置又はマルチ標準ラジオシステム、有線又は無線ハンドヘルド装置、例えばスマートフォン、ワイヤレスアプリケーションプログラム(Wireless Application Protocol:WAP)装置など、と共に使用され得る。
【0018】
いくつかの実施例は、例えば、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、周波数分割多重化(FDM)、直交FDM(OFDM)、時分割多重化(TDM)、時分割多重アクセス(TDMA)、拡張TDMA(Extended TDMA:E−TDMA)、汎用パケット無線システム(General Packet Radio Service:GPRS)、拡張GPRS、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA2000、シングルキャリアCDMA、マルチキャリアCDMA、マルチキャリア変調(MDM)、離散マルチトーン(DMT)、ブルートゥース(登録商標)、全地球測位システム(GPS)、ワイファイ、ワイマックス、ジグビー(登録商標)、ウルトラワイドバンド(Ultra-Wideband:UWB)、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))、2G、2.5G、3G、3.5G、4G、第5世代(5G)のモバイルネットワーク、3GPPロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、GSM(登録商標)進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM(登録商標) Evolution:EDGE)などの、1つ又は複数のタイプの無線通信信号及び/又は無線通信システムと共に使用され得る。他の実施例が、様々な他の装置、システム、及び/又はネットワークにおいて使用され得る。
【0019】
ここで使用される“無線装置”という用語は、例えば、無線通信が可能である装置、無線通信が可能である通信装置、無線通信が可能である通信ステーション、無線通信が可能であるポータブル装置又は非ポータブル装置などを含む。いくつかの例示的な実施例において、無線装置は、コンピュータに統合される周辺装置若しくはコンピュータに取り付けられる周辺装置であり得るか、又は、コンピュータに統合される周辺装置若しくはコンピュータに取り付けられる周辺装置を含み得る。いくつかの例示的な実施例において、“無線装置”という用語は、無線サービスを任意に含み得る。
【0020】
無線通信信号に関してここで使用される“通信する(communicating)”という用語は、無線通信信号を送信すること、及び/又は無線通信信号を受信することを含む。例えば、無線通信信号を通信することが可能である無線通信ユニットは、無線通信信号を少なくとも1つの他の無線通信ユニットに送信するための無線通信送信機、及び/又は無線通信信号を少なくとも1つの他の無線通信ユニットから受信するための無線通信受信機を含み得る。
【0021】
いくつかの例示的な実施例は、WLANと共に使用され得る。他の実施例が、あらゆる他の適切な無線通信ネットワーク、例えば無線エリアネットワーク、“ピコネット(piconet)”、WPAN、WVANなどと共に使用され得る。
【0022】
いくつかの例示的な実施例は、60ギガヘルツ(GHz)の周波数帯域を介して通信する無線通信ネットワークと共に使用され得る。しかしながら、他の実施例が、あらゆる他の適切な無線通信周波数帯域、例えば超高周波(Extremely High Frequency:EHF)帯域(ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域)、例えば20GHzから300GHzの間の周波数帯域の中の周波数帯域、WLAN周波数帯域、WPAN周波数帯域、WGA仕様書に基づいた周波数帯域などを利用して実装され得る。
【0023】
ここで使用される“ピアツーピア(PTP又はP2P)通信”という言い回しは、一組の装置の間の無線リンク(ピアツーピアリンク)を介したデバイスツーデバイス(device-to-device:装置間)通信に関係し得る。P2P通信は、例えば、QoS基本サービスセット(BSS)内の直接リンクを介した無線通信、トンネル化直接リンクセットアップ(tunneled direct-link setup:TDLS)リンク、独立基本サービスセット(independent basic service set:IBSS)におけるステーション間(station-to-station:STA−to−STA)通信などを含み得る。
【0024】
ここで使用される“アンテナ”という用語は、1つ又は複数のアンテナ素子、コンポーネント、ユニット、アセンブリ、及び/又はアレイのあらゆる適切な構成、構造、及び/又は配置を含み得る。いくつかの実施例において、アンテナは、別個の送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子を使用して、送信機能及び受信機能を実施し得る。いくつかの実施例において、アンテナは、共通の及び/又は統合された送信/受信素子を使用して、送信機能及び受信機能を実施し得る。例えば、アンテナは、フェーズドアレイアンテナ、単一素子アンテナ、ビーム切換アンテナ(switched beam antenna)のセット、及び/又は同様のアンテナを含み得る。
【0025】
ここで使用される“ミリ波周波数帯域”という言い回しは、20GHzを越える周波数帯域、例えば20GHzと300GHzとの間の周波数帯域に関係し得る。
【0026】
ここで使用される“指向性マルチギガビット(directional multi-gigabit:DMG)”及び“指向性帯域(directional band:DBand)”という言い回しは、チャネル開始周波数が40GHzより上である周波数帯域に関係し得る。
【0027】
“DMG STA”及び“ミリ波STA(mSTA)”という言い回しは、ミリ波又はDMG帯域内に存在するチャネル上で動作する無線送信機を有するSTA(ステーション)に関係し得る。
【0028】
ここで使用される“ビームフォーミング”という用語は、1つ又は複数の特性、例えば意図した受信機における受信信号電力又は信号対雑音比(SNR)を改善するために送信機及び/又は受信機において使用され得る空間フィルタリングメカニズムに関係し得る。
【0029】
ここで使用される“セル”という用語は、ネットワーク資源の組み合わせ、例えば下りリンク資源及び任意に上りリンク資源を含み得る。それらの資源は、例えば、無線通信ノード(同様に“ノード”又は“基地局”とも呼ばれる)などにより、制御され得るか、及び/又は割り当てられ得る。下りリンク資源の搬送周波数と上りリンク資源の搬送周波数との間の結合は、下りリンク資源で送信されるシステム情報において示され得る。
【0030】
いくつかの例示的な実施例によるシステム100のブロック図を概略的に例示する図1をここで参照する。
【0031】
図1において示されるように、いくつかの例示的な実施例において、システム100は、無線媒体(wireless medium:WM)を通して内容、データ、情報、及び/又は信号を通信することが可能である1つ又は複数の無線通信装置を含み得る。例えば、システム100は、例えばノード101を含んでいる1つ又は複数の無線通信ノードと、例えば移動機140及び移動機150を含んでいる1つ又は複数の移動機とを含み得る。無線媒体は、例えば、ラジオチャネル、セルラチャネル、RFチャネル、ワイヤレスフィディリティ(Wireless Fidelity:WiFi:ワイファイ)チャネル、IRチャネルなどを含み得る。システム100の1つ又は複数の要素は、任意にあらゆる適切な有線通信リンクを介して通信することが可能であり得る。
【0032】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101、移動機150、及び移動機140は、1つ若しくは複数の無線通信ネットワークの一部分を形成し得るか、又は1つ若しくは複数の無線通信ネットワークの一部分として通信し得る。例えば、ノード101、並びに、移動機140及び移動機150は、例えば下記で説明されるように、無線通信セルの一部分を形成し得るか、又は無線通信セルの一部分として通信し得る。
【0033】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101は、基地局(BS)、マクロBS、マイクロBS、アクセスポイント(AP)、ワイファイノード、ワイマックスノード、セルラノード、例えば進化型ノードB(eNB)、LTEノード、放送局(station)、ホットスポット(hot spot)、ネットワーク制御装置などを含み得るか、又はこれらの機能を実行し得る。
【0034】
いくつかの例示的な実施例において、移動機140及び/又は移動機150は、例えば、ユーザ機器(UE)、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウルトラブック(登録商標)コンピュータ、モバイルインターネット装置、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルド装置、ソフトウェア装置、PDA装置、ハンドヘルドPDA装置、オンボード装置、オフボード装置、ハイブリッド装置(例えばセルラ電話機能とPDA装置機能を組み合わせる)、民生用装置、車両装置(vehicular device)、非車両装置(non-vehicular device)、ポータブル装置、移動電話、セルラ電話、PCS装置、モバイル又はポータブルGPS装置、DVB装置、比較的小さな計算装置、非デスクトップコンピュータ、CSLL(Carry Small Live Large)装置、ウルトラモバイル装置(Ultra Mobile Device:UMD)、ウルトラモバイルPC(Ultra Mobile PC:UMPC)、モバイルインターネット装置(Mobile Internet Device:MID)、“Origami”装置又は“Origami”計算装置、ビデオ装置、オーディオ装置、A/V装置、ゲーミング装置、メディアプレーヤ、スマートフォンなどを含み得る。
【0035】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101、移動機150、及び/又は移動機140は、例えば下記で説明されるように、ノード101、移動機150、及び/若しくは移動機140の間で、並びに/又は、1つ又は複数の他の無線通信装置と、無線通信を行うために、1つ又は複数の無線通信ユニットを含み得る。例えば、ノード101は、無線通信ユニット102を含むことができ、移動機150は、無線通信ユニット152を含むことができ、及び/又は移動機140は、無線通信ユニット142を含むことができる。
【0036】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ユニット102、152、及び142は、1つ若しくは複数のアンテナを含み得るか、又は1つ若しくは複数のアンテナに結合され得る。一実施例において、無線通信ユニット102は、少なくとも1つのアンテナアレイ108と結合されることができ、無線通信ユニット152は、1つ若しくは複数のアンテナアレイ154と結合されることができ、及び/又は無線通信ユニット142は、1つ若しくは複数のアンテナアレイ144と結合されることができる。
【0037】
アンテナ108、154、及び/又は144は、無線通信信号、ブロック、フレーム、伝送ストリーム、パケット、メッセージ及び/若しくはデータを送信すること、並びに/又は受信することに適切なあらゆるタイプのアンテナを含み得る。例えば、アンテナ108、154、及び/若しくは144は、1つ若しくは複数のアンテナ素子、コンポーネント、ユニット、アセンブリ、及び/若しくはアレイのあらゆる適切な構成、構造、並びに/又は配置を含み得る。例えば、アンテナ108、154、及び/又は144は、例えばビームフォーミング技術を使用する指向性通信に適切なアンテナを含み得る。例えば、アンテナ108、154、及び/又は144は、フェーズドアレイアンテナ、多素子アンテナ、ビーム切換アンテナ(switched beam antenna)のセット、及び/又は同様のアンテナを含み得る。いくつかの実施例において、アンテナ108、154、及び/又は144は、別個の送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子を使用して、送信機能及び受信機能を実施し得る。いくつかの実施例において、アンテナ108、154、及び/又は144は、共通の及び/又は統合された送信/受信素子を使用して、送信機能及び受信機能を実施し得る。
【0038】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、ノード101は、同様に、プロセッサ120、メモリユニット122、及び記憶(storage:ストレージ)ユニット124のうちの1つ又は複数を含み得る。ノード101は、他の適切なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントを任意に含み得る。いくつかの例示的な実施例において、ノード101の構成要素のいくつか又は全てが共通の筐体又は容器に収容され得るとともに、1つ又は複数の有線リンク又は無線リンクを用いて、相互接続され得るか、又は操作可能に結合され得る。他の実施例において、ノード101の構成要素は、複数又は個別の装置に分配され得る。
【0039】
プロセッサ120は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、1つ若しくは複数のプロセッサコア、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ホストプロセッサ、制御装置、複数のプロセッサ若しくは制御装置、チップ、マイクロチップ、1つ若しくは複数の回路、回路、ロジックユニット、集積回路(IC)、特定用途向けIC(ASIC)、又は、あらゆる他の適切な多目的の若しくは特有のプロセッサ若しくは制御装置を含む。プロセッサ120は、例えば、ノード101のオペレーティングシステム(OS)の命令、及び/又は、1つ若しくは複数の適切なアプリケーションの命令を実行する。
【0040】
メモリユニット122は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックメモリ(DRAM)、シンクロナスDRAM(SD−RAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット(short term memory unit)、長期メモリユニット(long term memory unit)、又は、他の適切なメモリユニットを含む。記憶ユニット124は、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、又は、他の適切な取り外し可能記憶ユニット若しくは取り外し不可能記憶ユニットを含む。例えば、メモリユニット122及び/又は記憶ユニット124は、ノード101により処理されたデータを格納し得る。
【0041】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ108は、例えば下記で説明されるように、複数のアンテナ素子を含み得る。アンテナアレイの複数のアンテナ素子は、例えば、複数の高指向性アンテナパターンの生成用に構成され得る。複数のアンテナ素子は、予め定義された配列に配置され得る、例えば、約16個から36個のアンテナ素子、又はあらゆる他の数のアンテナ素子を含み得る。複数のアンテナ素子は、例えば下記で説明されるように、適切な信号位相をアンテナ素子に設定することによってステアリング(指向制御)され得る、複数の非常に指向性のあるアンテナパターン又はビームを形成するように構成され得る。
【0042】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ユニット102は、例えば移動機140及び移動機150を含んでいる複数の他の装置に向けられるべき複数のビームを生成してステアリングするために、アンテナアレイ108を制御するように構成され得る。無線通信ユニット102は、下記で詳細に説明されるように、アンテナアレイ108により形成される複数のビームによって、複数の無線通信リンクを通して、複数の他の装置と通信し得る。
【0043】
いくつかの例示的な実施例において、システム100の1つ又は複数の要素は、比較的大きな有効範囲領域に無線の接続性を提供するために、ミリ波通信帯域を利用し得る。一実施例において、例えば、システム100の要素は、例えば街路、競技場などの戸外の空間、及び/又は例えば会議場などの大きな室内の領域に配置され得る。
【0044】
例えば、システム100は、複数の小さなセル、例えば大きな有効範囲領域をカバーするように配置され得る多数の小さなセルを含み得る。セルは、例えば、比較的小さな数のユーザ、例えばユーザ機器(UE)などの移動機をカバーするか、及び/又は、比較的小さな数のユーザ、例えばユーザ機器(UE)などの移動機を扱うように構成され得る無線通信ノード、例えばAP又はBSを含み得る。小さなセルの配置は、例えば、多くのユーザによる通信に対して、例えば同時に、高速無線アクセスを提供し得る。
【0045】
一実施例において、セルは、例えば移動機140及び移動機150を含んでいる1つ又は複数のユーザを扱い得るノード101を含み得る。
【0046】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ノード101は、複数の無線通信リンク(アクセスリンク)を通して、第1のセルの移動機140及び移動機150と通信し得る。例えば、無線通信ノード101は、無線アクセスリンク103を通して移動機140と通信し得るとともに、無線アクセスリンク119を通して移動機150と通信し得る。無線アクセスリンク103は、無線通信ノード101から移動機140に下りリンクデータを通信するための下りリンク、及び/又は移動機140から無線通信ノード101に上りリンクデータを通信するための上りリンクを含み得る。無線アクセスリンク119は、無線通信ノード101から移動機150に下りリンクデータを通信するための下りリンク、及び/又は移動機150から無線通信ノード101に上りリンクデータを通信するための上りリンクを含み得る。
【0047】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101は、コアネットワークに接続され得る。例えば、無線通信ノード101は、1つ又は複数の有線接続及び/又は無線接続を通して少なくとも1つのコアネットワーク、例えば電話網、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)などと通信するように構成される少なくとも1つのネットワークインタフェース130を含み得る。例えば、ネットワークインタフェース130は、変復調装置(モデム)、ケーブルモデム、ルータなどを含み得る。
【0048】
いくつかの例示的な実施例において、コアネットワークは、有線接続を介した、無線通信ネットワークの1つ又は複数の要素、例えば複数のノードの間の通信を可能にするように任意に構成され得る。
【0049】
複数の移動機、例えば移動機140及び移動機150と通信するために、例えば、1つのアンテナアレイ、例えば単一のアンテナアレイであるアンテナアレイ108を利用する装置、例えばノード101に関して、いくつかの例示的な実施例がここで説明される。しかしながら、他の実施例において、装置、例えばノード又はあらゆる他の適切な装置は、複数のアンテナアレイを含み得る。
【0050】
いくつかの例示的な実施例において、無線アクセスリンク103及び/又は無線アクセスリンク119は、ミリ波帯域、例えばDMG帯域を介した無線通信リンクを含み得る。
【0051】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101、移動機150、及び/又は移動機140は、ミリ波STA、例えばDMGステーション(“DMG STA”)の機能を実行し得る。例えば、ノード101、移動機140、及び/又は移動機150は、DMG帯域を介して通信するように構成され得る。
【0052】
いくつかの例示的な実施例において、無線アクセスリンク103及び/又は無線アクセスリンク119は、無線のビームフォーミングされたリンクを含み得る。
【0053】
いくつかの例示的な実施例において、無線アクセスリンク103及び/又は無線アクセスリンク119は、無線ギガビット(wireless gigabit:WiGig)リンクを含み得る。例えば、無線アクセスリンク103及び/又は無線アクセスリンク119は、60GHz周波数帯域を介した無線のビームフォーミングされたリンクを含み得る。
【0054】
他の実施例において、無線アクセスリンク103及び/又は無線アクセスリンク119は、あらゆる他の適切なリンクを含み得るか、及び/又はあらゆる他の適切な無線通信技術を利用し得る。
【0055】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ユニット102は、例えば下記で説明されるように、例えばアクセスリンク103及びアクセスリンク119を含んでいる複数のアクセスリンクを介して、例えば移動機140及び移動機150を含んでいる1つ又は複数の移動機と通信するために、例えばビーム147及びビーム157を含んでいる複数の指向性ビームを形成するように、アンテナアレイ108を制御し得る。
【0056】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ユニット102は、マルチユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)スキームに従って、アクセスリンク103及びアクセスリンク119を介して通信するように、アンテナアレイ108を制御し得る。例えば、無線通信ユニットは、移動機150に向けられたビーム157及び移動機140に向けられたビーム147を含んでいる複数のビームを介してMIMO通信を通信するように、アンテナアレイ108を制御し得る。
【0057】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ108は、下記で詳細に説明されるように、非常に大きな開口度のモジュラアンテナアレイ(Modular Antenna Array:MAA)を実装し得る。
【0058】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ108は、複数のアンテナモジュール194を含み得る。
【0059】
ここで使用される“アンテナモジュール”という言い回しは、無線周波数(RF)回路に連結されたアンテナサブアレイに関係し得る。
【0060】
ここで使用される“アンテナサブアレイ”という言い回しは、共通のRF回路に連結された複数のアンテナ素子を含み得る。
【0061】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール194のそれぞれは、例えば、共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含み得る。RF回路は、例えば、RFのビームフォーミングのために利用され得る。
【0062】
いくつかの例示的な実施例において、複数のアンテナモジュール194は、例えばベースバンド(baseband:BB)プロセッサ、中間周波数(Intermediate Frequency:IF)プロセッサ、又はRFプロセッサの一部分として実装され得る中央のビームフォーミングプロセッサ197に接続され得る。BFプロセッサ197は、アンテナアレイ108を通して実行される通信に対して1つ又は複数のMIMO技術を適用するように構成され得る。全アレイが、シングルユーザの方向における非常に高いアンテナ利得を達成するために、及び/又はあらゆる他の目的のために使用され得る場合に、MIMO処理は、例えば、特定のユーザの有効範囲に対するMU−MIMO処理によるスループット強化目的のために設定され得る。
【0063】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ108は、例えば、MIMO通信、例えば移動機140及び移動機150に向けられたMU−MIMO伝送の一部分として、アクセスリンク119及びアクセスリンク103を介して同時に通信するために、複数の指向性ビーム、例えばビーム147及びビーム157を介して同時に通信し得る。
【0064】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ノード101は、1つ又は複数の周波数帯域を介して実行される通信に関して、様々な規制及び制限、例えば政府による規制及び制限に支配され得る。例えば、米国連邦通信委員会(FCC)は、ミリメートル波帯域、例えば59.05〜64GHzの周波数帯域に対して、送信アンテナから3メートルで測定されたSmax=18マイクロワットパー平方センチメートル(μW/cm)の最大電力密度のピーク放射限界値、及び全送信電力限界値Pmax=500ミリワット(mW)を課す。同様の制限は、他の国々の規制に存在する。
【0065】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナによって送信される伝送の信号電力密度は、例えば、下記の通りに計算され得る。
【0066】
【数1】
【0067】
ここで、Sは、適切な単位、例えばmW/cmにおける電力密度を表し、Pは、適切な単位、例えばmWにおけるアンテナに対する電力入力を表し、Gは、伝送の方向におけるアンテナの電力利得を表し、Rは、適切な単位、例えばcmにおけるアンテナの放射の中心に対する距離を表し、EIRPは、等価等方放射電力(equivalent isotropically radiated power)を表す。
【0068】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ108の全送信電力及び/又はアンテナアレイ108によって実行された伝送の信号電力密度は、例えばもし各アンテナモジュールが予め定義された送信電力を利用したならば、アンテナアレイ108によって利用されたアンテナモジュールの数に関係し得る。
【0069】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、増加した数のアンテナモジュールは、アンテナ開口度を増加させ得る、言い換えるとより高いアンテナ利得を提供し得るので、アンテナモジュールの数が増加すると、伝送のためにアンテナアレイ108によって利用される全送信電力Pは増加し得るか、及び/又は、アンテナアレイ108の電力利得Gは、アンテナモジュールの数と共に増加し得る。アンテナアレイ108は、同様に、アンテナアレイ108の複数のアンテナモジュールによって利用され得る最大の送信電力の合計を含み得る、Pで表される最大の利用可能送信電力に制限され得る。
【0070】
一実施例において、例えばもし各アンテナモジュールが10mWの固定の送信電力を有しているならば、アンテナアレイ、例えばアンテナアレイ108の送信電力、アンテナ利得、EIRP、電力密度、及び受信距離は、例えば下記の通りに、アンテナモジュールの数に関係し得る。
【0071】
【表1】
【0072】
いくつかの例示的な実施例において、テーブル1から分かり得るように、シングルユーザ(single user:SU)モードにおいて、例えば全てのアンテナモジュールに対して同じ予め定義された送信電力を利用しているならば、8個のモジュールのアンテナアレイは、FCCの信号電力密度限界値に達するかもしれず、一方、16個のモジュール又は32個のモジュールのアンテナアレイは、FCCの要求に違反する。例えばFCCの要求を満たすために、それぞれのアンテナモジュールの送信信号電力を減少させることは、システムスループットにおける減少をもたらし得る。
【0073】
いくつかの例示的な実施例において、例えばシステムの効率低下を回避するために、送信電力制御スキームが、送信電力を制御するために利用され得る。
【0074】
いくつかの例示的な実施例において、送信電力制御スキームは、例えば、MU−MIMO技術のために、又はあらゆる他のMIMO技術のために利用され得る知的送信電力制御アルゴリズム(Intelligent Transmit Power Control Algorithm)を含み得る。
【0075】
いくつかの例示的な実施例において、送信電力制御スキームは、例えば、送信電力要求、例えばFCC要求又はあらゆる他の要求に違反せずに、大きな開口度のMAAの最大送信電力を有効に使用することを可能にし得る。
【0076】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、もしアンテナアレイ108の伝送が、最大出力(full power:フルパワー)で、かつ最も高い可能なアンテナ利得で行われるならば、アンテナアレイ108は、スペクトル電力密度の制限に違反するかもしれない。
【0077】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ノード101は、下記で詳細に説明されるように、例えば移動機150及び移動機140に対して無線通信を送信するために、アンテナアレイ108により形成される指向性ビーム、例えば指向性ビーム147及び指向性ビーム157の複数の送信電力を制御するように、制御装置(同様に“送信電力制御装置”とも言われる)198を含み得る。
【0078】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、無線通信ユニット102の一部分として実装され得る。一実施例において、制御装置198は、無線通信ユニット102のBBプロセッサの一部分として実装され得る。他の実施例において、制御装置198は、ノード101の専用の要素として、又はノード101のあらゆる他の要素の一部分として実装され得る。一実施例において、制御装置198は、ノード101のホストモジュールの一部分として実装され得る。
【0079】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて複数の送信電力を制御することができ、第1の電力限界値は、複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、第2の電力限界値は、送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む。
【0080】
いくつかの例示的な実施例は、FCCが最大の電力密度の限界値、例えば測定距離における1平方センチメートル当たりの電力を指定するという事実を有効に使用するように構成され得る。
【0081】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、ビームフォーミングされたダイバシティ伝送の送信電力を制御するように構成され得る。
【0082】
いくつかの例示的な実施例において、ビームフォーミングされたダイバシティ無線伝送は、多入力多出力(MIMO)伝送を含み得る。
【0083】
ここで使用される“ビームフォーミングされたダイバシティ通信”という言い回しは、複数のビームを利用する通信に関係し得る。
【0084】
通信システム、例えば、送信(TX)側及び受信(RX)側の両方、例えばノード101、並びに移動機140及び移動機150がMIMO伝送を通信するためにアンテナアレイを利用する、無線通信システム100に関して、いくつかの例示的な実施例がここで説明される。しかしながら、あらゆる他のダイバシティ通信を通信するように構成されるシステム、例えば、Tx側及びRx側のうちの1つだけが、例えば単一入力多出力(Single Input Multiple Output:SIMO)及び/又は多入力単一出力(Multiple Input Single Output:MISO)のビームフォーミングされたリンクを形成するためにマルチビームトランシーバを利用するシステムに関して、他の実施例が実施され得る。例えば、Tx側及びRx側のうちの一方は、無指向性のアンテナを利用することができ、Tx側及びRx側のうちのもう一方は、マルチビームトランシーバ、例えば無線通信ユニット142又は無線通信ユニット152を利用することができる。いくつかの例示的な実施例において、ビームフォーミングされたダイバシティ無線伝送は、シングルユーザ(Single-User:SU)MIMO伝送を含み得る。
【0085】
いくつかの例示的な実施例において、ビームフォーミングされたダイバシティ無線伝送は、例えば下記で説明されるように、マルチユーザ(Multi-User:MU)MIMO伝送を含み得る。
【0086】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば同じ全送信電力を維持しながら、例えば、複数のユーザ、例えば移動機140及び移動機150の複数の異なる方向における伝送を同時に手配し得る。その結果、同じ全送信電力にもかかわらず、信号電力密度の実際の値は、比例的に低くなり得る。これは、有利に、FCC又はあらゆる他の電力密度要求が満たされることを可能にする。
【0087】
いくつかの例示的な実施例によるSU伝送の信号電力密度202、及びMU伝送の信号電力密度204を概略的に例示する図2を同様に参照する。
【0088】
図2において示されるように、もし複数のアンテナモジュールを含むアンテナアレイ、例えばアンテナアレイ108(図1)の全送信電力がシングルユーザの方向へ放射されるならば、例えばFCC要求による電力密度限界値206は違反され得る。
【0089】
図2において同様に示されるように、いくつかの例示的な実施例において、ユーザ#1及びユーザ#2として表される2つのユーザに対するMU伝送は、移動機140及び移動機150(図1)に対して向けられた2つの指向性ビーム、例えば指向性ビーム147及び指向性ビーム157(図1)によって送信され得る。そのようなMU伝送は、例えばもし両方のユーザが同じ距離に配置され、P=P及びS=Sであるならば、例えば最大の送信電力Pに設定され得る全送信電力を維持しながら、2倍の電力密度の減少を可能にし得る。
【0090】
再度図1を参照すると、いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、送信電力により達成可能な指向性ビーム147及び指向性ビーム157のスループットに基づいて、指向性ビーム147及び指向性ビーム157の送信電力を制御し得る。
【0091】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、指向性ビーム147及び指向性ビーム157のスループットに対応する最大結合スループットに基づいて、指向性ビーム147及び指向性ビーム157の送信電力を制御し得る。
【0092】
いくつかの例示的な実施例において、指向性ビーム147及び/又は指向性ビーム157の指向性ビームの電力密度は、指向性ビームの送信電力、及び指向性ビームの方向におけるアンテナアレイ108のアンテナ利得に基づき得る。例えば、指向性ビームの電力密度は、例えば下記のように、式(1)に従って決定され得る。
【0093】
【数2】
【0094】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gはi番目の指向性ビームの方向におけるアンテナアレイ108のアンテナ利得を表し、Rは電力密度が判定されるべき場所のアンテナアレイ108からの距離を表し、Sはi番目の指向性ビームに対応する電力密度を表す。
【0095】
いくつかの例示的な実施例において、電力密度限界値は、アンテナアレイ108からの予め定義された距離における電力密度に関係し得る。例えばFCC要求による電力密度限界値は、例えば、距離R=3メートル(m)に関係し得る。
【0096】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記の基準に従って、電力密度限界値Smaxに等しいか、又は電力密度限界値Smaxより小さい電力密度を有する複数の指向性ビームのそれぞれ、例えば指向性ビーム147及び指向性ビーム157を生成するために、複数の送信電力P、例えばビーム147及びビーム157の送信電力を制御し得る。
【0097】
【数3】
【0098】
いくつかの例示的な実施例において、例えばミリ波周波数帯域に対するFCC要求によれば、電力密度限界値Smaxは、Smax=18μW/cmの値を有し得る。他の実施例において、電力密度限界値Smaxは、例えば、あらゆる他の要求、規則、及び/若しくは規制に対応するか、並びに/又は、あらゆる他の周波数帯域に対応する、あらゆる他の値を有し得る。
【0099】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、MU−MIMO伝送に含まれるべき複数のユーザを選択し得る。例えば、制御装置198は、複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて、複数のユーザを選択し得る。
【0100】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する複数のユーザを選択し得る。
【0101】
他の実施例において、制御装置198は、あらゆる他の追加の基準又は代替の基準に基づいて、MU−MIMO伝送のためのユーザのうちの1つ又は複数を選択し得る。
【0102】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、複数の送信電力Pにより達成可能な、複数のユーザに対するスループットに基づいて、複数の指向性ビーム、例えばビーム147及びビーム157の複数の送信電力Pを制御し得る。
【0103】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、ユーザに対するスループットに対応する最大結合スループットに基づいて、複数の送信電力Pを制御し得る。
【0104】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、知的送信電力制御アルゴリズム(Intelligent Transmit Power Control Algorithm)に従って、複数の指向性ビームのために使用されるべき複数の送信電力を制御し得る。他の実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明される操作及び/又は他の操作のうちの1つ又は複数を含んでいるあらゆる他の操作、基準、及び/又はアルゴリズムに従って、複数の指向性ビームのために使用されるべき複数の送信電力を制御し得る。
【0105】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、ノード101とMU−MIMO通信に関して考察されるべきユーザとの間のチャネルに対応する1つ又は複数のチャネル関連特性を表しているチャネル情報を受信し得る。例えば、チャネル情報は、例えば伝搬損失を含んでいる、i番目のユーザとの間のチャネルに対応するHで表されるチャネル伝達関数、チャネルを介して通信された信号の電力を表している信号強度インジケータ、例えば受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator:RSSI)などを含み得る。一実施例において、例えば、RSSIは、無線通信ユニット102により受信された信号に対応することができ、例えば、無線通信ユニット102は、例えばユーザから受信された上りリンク伝送に基づいて、ユーザに対応するRSSIを測定することができる。別の実施例において、RSSIは、ユーザにより受信された信号に対してユーザにより実行された測定に対応することができ、例えば、無線通信ユニット102は、ユーザからの上りリンク伝送の一部分としてRSSIを受信することができる。
【0106】
例えば、制御装置198は、例えばノード101と移動機140との間の第1のチャネルに対応するチャネル伝達関数、第1のチャネルの伝搬損失、及び/若しくは第1のチャネルに対応するRSSIを含んでいる、移動機140に対応する第1のチャネル情報、並びに/又は、例えばノード101と移動機150との間の第2のチャネルに対応するチャネル伝達関数、第2のチャネルの伝搬損失、及び/若しくは第2のチャネルに対応するRSSIを含んでいる、移動機150に対応する第2のチャネル情報を受信し得る。制御装置198は、MU−MIMO伝送に関して考察されるべき1つ又は複数の追加のユーザ(図1には図示せず)に対応する他のチャネル情報を受信し得る。
【0107】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、MU−MIMO伝送のためのユーザの1つ又は複数のセットに含まれるべき1つ又は複数のユーザを選択し得る。例えば、ユーザのセットは、無線通信ユニット102により送信される共通のMU−MIMO伝送を受信することを指定された複数のユーザを含み得る。一実施例において、制御装置198は、例えば第1のMIMO伝送を受信する第1のユーザのセット、第2のMIMO伝送を受信する第2のユーザのセットなどを含んでいる、複数のユーザのセットを選択し得る。
【0108】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、ユーザに対応するチャネル情報に基づいて、共通のセットに割り当てられるべきユーザを選択し得る。他の実施例において、制御装置198は、あらゆる追加の情報及び/若しくは基準、又は、代替の情報及び/若しくは基準に基づいて、共通のセットに割り当てられるべきユーザを選択し得る。
【0109】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、ユーザに対応する伝搬損失に基づいて、ユーザの1つ又は複数のセットを選択し得る。
【0110】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、同様の伝搬損失を有するユーザをセットに含むように選択し得る。
【0111】
例えば、制御装置198は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内にあるチャネル伝搬損失を有する複数のユーザをセットに含むように選択し得る。
【0112】
一実施例において、制御装置198は、セットにおけるユーザの最も高い伝搬損失とセットにおけるユーザの最も低い伝搬損失との間の差異が予め定義された伝搬損失しきい値より小さくなるように、セットに含まれるべきユーザを選択し得る。
【0113】
例えば、制御装置198は、移動機140及び移動機150を第1のセットに含み得るとともに、移動機の1つ又は複数の他のグループ(図示せず)を1つ又は複数の他のセットに含み得る。
【0114】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、セットのユーザに、例えば共通のMU−MIMO伝送グループの一部分としての同時の下りリンク伝送を予定し得る。
【0115】
いくつかの例示的な実施例において、セット内のNusersで表されるユーザの数は、アンテナアレイ108を通して通信され得る可能なMUデータストリームの数により制限され得る。
【0116】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、ユーザのセットにおける複数のユーザに向けられた複数の指向性ビームを通信するために使用されるべき複数の送信電力Pを決定し得る。
【0117】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、ユーザのセットにおける複数のユーザに対する合計の達成可能なスループットに関連する合計のセルスループット基準に従って複数の送信電力Pを決定し得る。
【0118】
他の実施例において、制御装置198は、あらゆる追加の基準又は代替の基準に従って複数の送信電力Pを決定し得る。
【0119】
いくつかの例示的な実施例において、ノード101とユーザのセットのi番目のユーザとの間のリンクの達成可能なスループットは、i番目のユーザに向けられたi番目の指向性ビームの送信電力Pによって決まり得る。例えば、セットの1つ又は複数のユーザは、例えば効率的な変調及び符号化方法(Modulation and Coding Scheme:MCS)及び/又はあらゆる他の特性を達成するために、比較的高い送信電力を使用することを必要とする可能性があり、一方、セットの1つ又は複数の他のユーザは、例えばもしそれらのユーザが比較的ノード101の近くに位置しているならば、比較的低い送信電力を必要とする可能性がある。
【0120】
一実施例において、ノード101と移動機140との間のリンク103の達成可能なスループットは、移動機140に向けられる指向性ビーム147の送信電力Pによって決まり得るか、及び/又は、ノード101と移動機150との間のリンク119の達成可能なスループットは、移動機150に向けられる指向性ビーム157の送信電力Pによって決まり得る。
【0121】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、複数の指向性ビームのスループットに対応する最大結合スループットに基づいて、複数の送信電力Pを制御し得る。
【0122】
例えば、制御装置198は、送信電力P及び送信電力Pにより達成可能な結合スループットに基づいて、移動機140に向けられる指向性ビーム147の送信電力P、及び移動機150に向けられる指向性ビーム157の送信電力Pを決定し得る。
【0123】
一実施例において、制御装置198は、例えば指向性ビーム147に対する送信電力Pを使用してリンク103を介して達成可能な第1のスループットと指向性ビーム157に対する送信電力Pを使用してリンク119を介して達成可能な第2のスループットとの合計を最大化するように、送信電力P及び送信電力Pを決定し得る。
【0124】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記のように、Thtotalで表される合計のスループット、例えば合計のセルスループットを最大化するように、複数の送信電力Pを決定し得る。
【0125】
【数4】
【0126】
ここで、Thは、送信電力Pを使用してi番目のユーザに向けられたi番目の指向性ビームにより達成可能なi番目のスループットを表す。
【0127】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば下記で説明されるように、2つの制限を満たしながら、式(4)の基準に従って送信電力Pを決定し得る。他の実施例において、制御装置198は、あらゆる他の追加の制限又は代替の制限を満たしながら、例えばあらゆる他の規則、規制、及び/又は要求に照らして、式(4)の基準に従って送信電力Pを決定し得る。
【0128】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、下記の制限に従って送信電力Pを決定し得る。
【0129】
【数5】
【0130】
ここで、Pmaxは、例えばFCCの要求に従う全送信電力限界値、例えばPmax=500mW、又はあらゆる他の全送信電力限界値を表す。
【0131】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば上記で論じられたように、下記の制限に従って送信電力Pを決定し得る。
【0132】
【数6】
【0133】
いくつかの例示的な実施例において、電力密度限界値Smaxは、例えばミリ波周波数帯域に対するFCC要求によれば、Smax=18μW/cmの値を有し得る。他の実施例において、例えばあらゆる他の要求、規則、及び/若しくは規制に対応して、並びに/又はあらゆる他の周波数帯域に対応して、電力密度限界値Smaxはあらゆる他の値を有し得るか、並びに/又は、距離Rは3mより大きいか若しくは3mより小さいあらゆる他の値に設定され得る。
【0134】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、制限(5)及び制限(6)の制約を伴う式(4)に従って最適化問題を解決することにより、送信電力Pを決定し得る。
【0135】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、下記のように、1つの解決スキームに従って、例えばSmaxの値に等しい電力密度Sを達成するように送信電力Pを設定することにより、最適化問題を解決し得る。
【0136】
【数7】
【0137】
この解決スキームは、比較的単純化されるとともに直接的な解決スキームを提供し得る。
【0138】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置198は、例えば非線形最適化アルゴリズムを利用する1つの解決スキームに従って最適化問題を解決し得る。一実施例において、制御装置198は、カルーシュ−キューン−タッカー(Karush-Kuhn-Tucker:KKT)アルゴリズムに従って、例えばKKT費用関数として基準(4)を使用し、KKT条件として制限(5)及び制限(6)を使用することにより、最適化問題を解決し得る。
【0139】
他の実施例において、制御装置198は、あらゆる他のアルゴリズムに従って最適化問題を解決し得る。
【0140】
いくつかの例示的な実施例において、例えばここで説明されたように送信電力Pを制御することは、MU−MIMO通信に関して、改善された、例えば最高の達成可能なスループットを提供しながら、信号電力密度の要求に従うことを可能にし得る。
【0141】
いくつかの例示的な実施例において、SU伝送に関して、例えばここで説明されたように送信電力Pを制御することは、信号電力密度の要求に従うようにTX電力を制限し得る。
【0142】
いくつかの例示的な実施例による送信電力制御装置302を含む通信装置300を概略的に例示する図3を参照する。例えば、通信装置300は、無線通信ノード101(図1)の機能を実行し得るか、及び/又は、送信電力制御装置302は、制御装置198(図1)の機能を実行し得る。
【0143】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信装置300は、モジュラアンテナアレイ310を含み得る。例えば、アンテナアレイ310は、アンテナアレイ108(図1)の機能を実行し得る。
【0144】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ310は、アンテナモジュールの配列(アレイ)によって形成されるアンテナ素子の2次元配列を含み得る。例えば、図3において示されるように、アンテナ素子の2次元配列は、垂直方向に方向付けられたアンテナモジュールの配列によって形成され得る。
【0145】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ310は、アンテナモジュールの少なくとも1つの行(row)を含むことができ、ここで、各アンテナモジュールは、アンテナ素子の少なくとも1つの列(column)を有するアンテナサブアレイを含む。
【0146】
例えば、図3において示されるように、アンテナアレイ310は、8個のアンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326の行を含むことができ、アンテナモジュールの行は、例えば水平軸に沿って連結されることができる。アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326のそれぞれは、アンテナ素子311の2つの列を含んでいるアンテナサブアレイを含むことができ、アンテナサブアレイは、例えば垂直軸に沿って配置されることができる。例えば、図3において示されるように、アンテナモジュール312は、8個のアンテナ素子311の第1の列328、及び8個のアンテナ素子311の第2の列329を含み得る。
【0147】
図3において示された実例によれば、アンテナアレイ310は、8行及び16列の2次元配列に配置される128個のアンテナ素子311を含み得る。他の実施例において、アンテナアレイは、あらゆる他の数のアンテナモジュールの中のあらゆる他の数の列に配置されるあらゆる他の数のアンテナ素子を含み得る。
【0148】
いくつかの例示的な実施例において、アレイ310のアンテナモジュールのアンテナ素子311は、共通のRF回路に連結され得る。例えば、図3において示されるように、アンテナモジュール312の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路313に連結されることができ、アンテナモジュール314の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路315に連結されることができ、アンテナモジュール316の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路317に連結されることができ、アンテナモジュール318の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路319に連結されることができ、アンテナモジュール320の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路321に連結されることができ、アンテナモジュール322の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路323に連結されることができ、アンテナモジュール324の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路325に連結されることができ、アンテナモジュール326の16個のアンテナ素子311は、共通のRF回路327に連結されることができる。
【0149】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326は、複数の指向性ビーム、例えば最高8個までの指向性ビームを生成することが可能であり得る。
【0150】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326の垂直の方向性は、複数のビームを垂直面において、例えば垂直軸に沿ってステアリングすることを可能にし得る。垂直面におけるビームのステアリングは、例えば、RF回路313、315、317、319、321、323、325、及び/又は327によって制御され得るRFビームフォーミングにより実行され得る。例えば、RF回路313は、例えば、列328及び/又は列329のアンテナ素子311に対してRF回路313により適用される位相シフトを調整することによって、垂直面においてステアリング可能であり得る指向性ビームを生成するように、アンテナモジュール312を制御し得る。
【0151】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ、例えばアンテナアレイ310は、アンテナモジュールの単一の行、例えばアンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326を含むことができ、ここで、各アンテナモジュールは、共通のRF回路に連結されたアンテナ素子、例えばアンテナ素子311の1つ又は複数の列、例えば2つの列のサブアレイを含む。
【0152】
しかしながら、他の実施例において、アンテナアレイは、アンテナモジュールのあらゆる他の数の行を含み得るか、及び/又は、各アンテナモジュールは、アンテナ素子のあらゆる他の数の列、例えば1つ又は複数の列を含んでいるアンテナサブアレイを含み得る。一実施例において、アンテナアレイは、2つかそれ以上の行のアンテナモジュールを含み得る。
【0153】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信装置300は、例えば移動機140及び/又は移動機150(図1)を含む複数のユーザによって伝達される複数のデータストリーム336を含むMU−MIMO通信を通信し得る。
【0154】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置302は、MU−MIMOに関してスケジュールに入れられるべき複数のユーザに対応するユーザ電力データ332を受信し得る。例えば、ユーザ電力データ332は、例えば上記で説明されるように、RSSIデータ、及び/又はあらゆる他のチャネル関連情報を含み得る。一実施例において、無線通信装置300は、ユーザ電力データ332を提供するために、RSSI測定モジュール330を含み得る。
【0155】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信装置300は、MU−MIMO伝送の一部分として通信されるべきデータストリーム336のBB処理を実行するために、BBプロセッサ338を含み得る。例えば、データストリーム336は、上記で説明されるように、例えばリンク103及びリンク119(図1)を通して、複数のユーザ、例えば移動機140及び移動機150(図1)に送信されるべき複数のデータストリームを含み得る。
【0156】
いくつかの例示的な実施例において、モジュラアンテナアレイ310は、ハイブリッドビームフォーミング(hybrid beamforming)を実行するように構成され得る。ハイブリッドビームフォーミングは、例えば、RFモジュール313、315、317、319、321、323、325、及び/又は327において粗いビームフォーミングを実行し、ベースバンド338において細かいビームフォーミングを実行することを含み得る。
【0157】
一実施例において、粗いビームフォーミング及び/又は細かいビームフォーミングは、例えば、ビームフォーミングされたリンクをセットアップするためのビームフォーミング手続きの一部分として実行され得る。
【0158】
いくつかの例示的な実施例において、細かいビームフォーミングは、ベースバンド338におけるダイバシティ処理、例えばMIMO処理、MISO処理、及び/又はSIMO処理を含み得る。例えば、MIMO処理は、例えば、クローズドループ(closed-loop:CL)MIMO処理、オープンループ(Open Loop:OL)MIMO処理、空間ブロックコード(Space-Block Code:SBC)MIMO処理、例えば時空間ブロックコード(Space Time Block Code:STBC)MIMO処理、空間周波数ブロックコード(Space Frequency Block Code:SFBC)MIMO処理などを含み得る。
【0159】
いくつかの例示的な実施例において、BBプロセッサ338は、複数のデータストリーム336を処理するために、符号化及び変調ブロック346を含み得る。例えば、符号化及び変調ブロック346は、データストリーム336に対して順方向誤り訂正及び/又は変調マッピングを少なくとも実行するように構成される複数の符号化及び変調モジュール347を含み得る。
【0160】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置302は、例えば上記で説明されるように、複数のユーザに向けられた複数の指向性ビームに適用されるべき複数の送信電力Pを決定し得る。例えば、制御装置302は、ユーザ電力データ332に基づいて、複数の送信電力Pを決定し得る。
【0161】
いくつかの例示的な実施例において、制御装置302は、決定された送信電力Pに対応する複数のビームフォーミング(BF)電力ウエイト334を決定し得る。BF電力ウエイト334は、例えば下記で説明されるように、送信電力Pを用いて送信される複数の指向性ビームをもたらすように設定され得る。
【0162】
いくつかの例示的な実施例において、BBプロセッサ338は、例えばウエイト334に基づいて、MU−MIMO伝送の各ビームのためのビーム電力ウエイトを設定するように構成され得る。
【0163】
いくつかの例示的な実施例において、BBプロセッサ338は、データ336のBF処理の一部分としてBF電力ウエイト334を適用するために、ビーム電力制御重み付けブロック344を含み得る。
【0164】
いくつかの例示的な実施例において、ビーム電力制御重み付けブロック344は、複数のウエイトを符号化及び変調モジュール347により処理される複数のストリーム349に適用するために、複数の重み付けモジュール345を含み得る。例えば、データストリーム336の特定のデータストリームに対応する重み付けモジュール345は、特定のデータストリーム336に対応する送信電力Pをもたらすように設定されるウエイトを適用するように構成され得る。
【0165】
いくつかの例示的な実施例において、ビーム電力制御重み付けモジュール345は、ストリーム349の信号波形のサンプルの大きさにビーム電力ウエイト334を乗算するように構成される。ビーム電力ウエイト334は、例えば、アンテナアレイ310により生成されるi番目のユーザの方向におけるi番目のビーム電力PがXi+Yiデシベルミリワット(dBm)の値を有し得るように設定されることができ、ここで、Yiはi番目のユーザに対応するdBmで表されたi番目のビーム電力制御ウエイトを表し、Xiはビーム電力制御の重み付けがない場合のi番目のユーザの方向におけるアンテナアレイ310のdBMで表された送信電力を表す。一実施例において、dBで表されたビーム電力制御ウエイトYiは、例えばi番目のビーム電力の増幅を表すゼロより大きい場合、例えばi番目のビーム電力の減衰を表すゼロより小さい場合、又は例えばビーム電力の調整なしを表すゼロに等しい場合がある。
【0166】
いくつかの例示的な実施例において、BBプロセッサ338は、データストリーム336を通信するためにMU−MIMOビームを生成するためのBF処理ブロック342を含み得る。
【0167】
いくつかの例示的な実施例において、BF処理ブロック342は、例えばここで説明されるように、細かいビームフォーミング処理を重み付けモジュール345により処理されるストリーム351に適用し得る。
【0168】
いくつかの例示的な実施例において、BF処理ブロック342は、ストリーム351を、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326を通して送信されるべき複数の信号353に処理し得る。例えば、BF処理ブロック342は、ストリーム351のそれぞれが、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326の組み合わせを通して送信されるように、ストリーム351を信号353に処理し得る。
【0169】
いくつかの例示的な実施例において、BBプロセッサ338は、例えば上記で説明されるように、BF処理モジュール342により適用されるBB BF、及びアンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326により適用されるRF BFを制御するように構成される中央BF制御装置339を含み得る。例えば、制御装置339は、MIMO伝送に適用されるBFウエイトを制御し得る。一実施例において、BF制御装置は、BFプロセッサ197(図1)の機能を実行し得る。
【0170】
いくつかの例示的な実施例において、ブロック342及び/又は344は、BFプロセッサ197(図1)の機能を実行し得る。
【0171】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信装置300は、同様に、複数の信号353を処理するために、複数のBB処理回路343を含んでいるBB処理ブロック340を含み得る。例えば、各処理回路343は、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び326のそれぞれのアンテナモジュールを通して送信されるべき信号を処理し得る。BB処理回路343は、例えば、BB338のBB周波数から、アンテナアレイ310のRFモジュールにより使用されるべきRF周波数に、及び/又は、例えばもしMU−MIMO伝送がOFDM伝送を含むならばOFDM処理により使用されるべきRF周波数に、周波数変換を実行し得る。一実施例において、BB回路343は、逆高速フーリエ変換(IFFT)、ガードインターバル挿入、及び/又はデジタル−アナログ変換(DAC)を実行するように構成され得る。
【0172】
いくつかの例示的な実施例によるアンテナモジュール400により生成されるビーム407のアンテナ指向性図の等角図、側面図、及び上面図を概略的に例示する図4A図4B、及び図4Cをここで参照する。一実施例において、アンテナ指向性図404は、アンテナアレイ、例えばアンテナアレイ108(図1)及び/又はアンテナアレイ310(図3)の個々のアンテナモジュールのアンテナ指向性図を表し得る。例えば、アンテナモジュール400は、アンテナモジュール312、314、316、318、320、322、324、及び/又は326(図3)のアンテナモジュールの機能を実行し得る。
【0173】
いくつかの例示的な実施例において、ビーム407のアンテナ指向性図は、アンテナモジュール400のアンテナ素子の1つ又は複数の列と平行な、軸、例えば垂直軸403を含んでいる第1の面、例えば垂直面における第1のビーム幅408を有し得る。
【0174】
いくつかの例示的な実施例において、ビーム407のアンテナ指向性図は、アンテナモジュール400のアンテナ素子の1つ又は複数の列と直角な、軸、例えば水平軸405を含んでいる第2の面、例えば水平面における第2のビーム幅406を有し得る。
【0175】
いくつかの例示的な実施例において、例えば垂直面におけるビーム幅408は比較的狭いかもしれず、例えば水平面におけるビーム幅406は比較的広いかもしれない。
【0176】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール400により生成されるビームは、水平方向及び垂直方向の両方においてステアリングされ得る。例えば、図4Bにおいて示されるように、モジュール400により生成されるビーム407は、垂直方向416においてステアリングされ得る。図4Cにおいて示されるように、モジュール400により生成されるビーム407は、水平方向418においてステアリングされ得る。
【0177】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール400により形成されるビームのステアリングは、例えば、アンテナモジュール400のRF回路402におけるRFビームフォーミング、及び/又は、例えばBFプロセッサ197(図1)若しくはBF重み付けモジュール342(図3)におけるBBビームフォーミングにより制御され得る。
【0178】
いくつかの実施例において、例えば図3を参照して上記で説明されるように、例えば、もしアンテナアレイがアンテナモジュールの単一の行を含むならば、垂直面におけるビームフォーミングは、大部分は、例えば実に完全に、アンテナモジュール400におけるRFビームフォーミング回路により実行され得る。
【0179】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、もしアンテナアレイがアンテナモジュールの複数の行を含むならば、垂直面におけるいくらかのビームフォーミング、例えば粗いビームフォーミングは、アンテナモジュール400におけるRFビームフォーミング回路によって実行されることができ、垂直面におけるいくらかのビームフォーミング、例えば細かいビームフォーミングは、例えばBFプロセッサ123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)によって実行されることができる。
【0180】
いくつかの例示的な実施例において、図4A及び図4Cにおいて示されるように、アンテナモジュール400は、水平面において比較的広いビームを生成し得る。
【0181】
いくつかの例示的な実施例において、水平面における比較的広いビーム幅406は、各アンテナモジュール400、又はまさにモジュール400のアンテナ素子の列を、マルチエレメントモジュラアンテナアレイ(multi-element modular antenna array)の“アンテナ素子”として利用すること可能にし得る。
【0182】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナモジュール400は、例えば、もしアンテナモジュール400が1つより多いアンテナ素子の列、例えばアンテナ素子328及びアンテナ素子329(図3)の2つの列を含むならば、水平面における可変指向性パターンを提供するように制御され得る。
【0183】
いくつかの例示的な実施例において、このモジュラアンテナアレイ構成は、例えば水平面において形成される複数の指向性ビームを利用して、水平面においてビームフォーミングされたダイバシティ通信を実行することを可能にし得る。
【0184】
いくつかの例示的な実施例において、例えばBFプロセッサ123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)によるBF処理は、例えば水平面におけるビームフォーミングされたダイバシティを得るために、あらゆる適切なマルチアンテナ処理スキーム及び/又は技術に従って、アンテナアレイ108(図1)を通して通信された信号を処理し得る。マルチアンテナ処理技術は、例えば、ビームステアリング、干渉抑制(interference suppression)、シングルユーザ又はマルチユーザMIMOなどを含み得る。
【0185】
いくつかの例示的な実施例において、無線通信ユニット102(図1)は、MU−MIMOスキームに従って、アンテナアレイ108(図1)を通して、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を通信するように構成され得る。例えばチャネルにおける優勢なLOS(Line-of-Sight:見通し)成分、鋭いシャドウイング、及び/又は弱いマルチパス成分により特徴付けられ得る、例えばミリ波帯域における信号伝搬の性質に起因して、ミリ波周波数帯域を介した通信のためにMU−MIMOスキームを利用することは有益であり得る。
【0186】
アンテナアレイ480により生成される合成ビーム486を概略的に例示する図4D、そしていくつかの例示的な実施例による合成ビーム486をステアリングするための第1のビームフォーミング(beamforming:BF)スキーム482及び第2のBFスキーム484を概略的に例示する図4E及び図4Fを、ここで参照する。一実施例において、アンテナアレイは、アンテナアレイ108(図1)の機能を実行し得る。
【0187】
いくつかの例示的な実施例において、例えば上記で説明されるように、合成ビーム486は、アンテナアレイ480の複数のアンテナモジュールにより生成されるビームの組み合わせとして形成され得る。
【0188】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ480は、例えば、アンテナモジュールのRF回路、例えばRFモジュール313、315、317、319、321、323、325、及び/又は327(図3)により、アレイ480の垂直軸に沿った方向におけるBF(“垂直BF”又は“仰角BF”)を実行することによって、合成ビーム486をステアリングし得る。さらに又はその代わりに、例えば下記で説明されるように、アンテナアレイ480は、例えば、BFプロセッサ123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)により、アレイ480の水平軸に沿った方向におけるBF(“水平BF”又は“方位角BF”)を実行することによって、合成ビーム486をステアリングし得る。
【0189】
いくつかの例示的な実施例において、方位角BFは、例えば、実質的に同じ仰角BFを適用している間に、BFプロセッサ123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)により実行され得る。例えば、ビーム147及びビーム157(図1)は、BFプロセッサ123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)が方位角BFを適用している間に、実質的に同じ仰角角度においてステアリングされ得る。
【0190】
一実施例では、図4Eにおいて示されるように、合成ビーム486は、例えば、アンテナアレイ480のアンテナボアサイト(boresight:照準)に対してゼロ仰角角度を適用することにより、アンテナアレイ480に垂直である面(水平面)488の形を取り得る方位角表面(azimuth surface)内でステアリングされ得る。
【0191】
別の実施例では、図4Fにおいて示されるように、例えば、もしゼロでない仰角角度が適用されるならば、上記の“水平面”は、仰角角度に対応する円錐表面489の形を取り得る。
【0192】
いくつかの例示的な実施例において、スキーム482及び/又はスキーム484は、方位角表面、例えば表面488及び/又は表面489におけるMU−MIMOのために利用され得る。例えば、同じ仰角BFを適用するために、アンテナアレイ480の全てのアンテナモジュールは、例えばBF制御装置123(図1)又はBF重み付けモジュール342(図3)により制御され得る。その結果、アンテナモジュールにより生成される方位角における全てのビームは、異なる、例えば独立した方位角角度と共に、同じ仰角角度を有し得る。
【0193】
いくつかの例示的な実施例において、アレイ480によって放射される全電力は制限され得る。したがって、より少ないビームが生成されるほど、より多くの電力が各個々のビームに割り当てられ得る。その結果、例えば、もし増加した電力が、例えばアンテナアレイ480から遠い距離におけるユーザに到達するために必要とされるならば、例えば図5Bを参照して下記で説明されるように、より少ないビームが使用され得る。
【0194】
いくつかの例示的な実施例によるアンテナアレイ500の有効範囲領域を概略的に例示する図5A及び図5Bをここで参照する。例えば、アンテナアレイ500は、アンテナアレイ108(図1)、アンテナアレイ310(図3)、及び/又はアンテナアレイ480(図4C図4D、及び図4E)の機能を実行し得る。
【0195】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ500は、例えば移動機140及び/又は移動機150(図1)を含んでいる複数のユーザ550に向けられた複数のビーム552を利用して、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を通信するように、例えば、BFプロセッサ197(図1)により制御され得る。一実例において、アンテナアレイ500は基地局(BS)、アクセスポイント(AP)、ノードなどの一部分として実装されることができ、及び/又は、ユーザ550はUE、例えば移動機を含むことができる。
【0196】
いくつかの例示的な実施例において、MU−MIMOスキームに従ってアンテナアレイ500により同時に扱われ得るユーザ550の数は、例えばアンテナアレイ500がユーザ550に向けられるべき必要とされる数の空間ストリームをサポートするための十分なアンテナ素子を有していると仮定すると、例えば、アンテナアレイ500とそれぞれのユーザ550との間のチャネル品質に少なくとも基づき得る。例えば、チャネル品質が良いほど、より多くのユーザが扱われ得る。
【0197】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ500とユーザ550との間のチャネル品質は、例えばユーザ550がアンテナアレイ500と通信するために相対的に無指向性のアンテナを利用すると仮定すると、アンテナ利得、及び/又はアンテナアレイ500に適用されるビームステアリング技術に加えて、例えば、ユーザとアンテナアレイ500との間の距離によって決まり得る。
【0198】
図5Bは、いくつかの例示的な実施例によるアンテナアレイ500により達成され得る多数のMU−MIMO有効範囲領域を例示する。
【0199】
図5Bにおいて示されるように、例えば、アンテナアレイ500から第1の距離にあり得る、例えば比較的アンテナアレイ500に近い一番目の領域562の中で、例えば単一の基地局により、第1の数のユーザが同時に扱われ得る。一実施例では、図5Bにおいて示されるように、例えば、もしアンテナアレイ500が、例えば図3を参照して上記で説明されるように、8個のアンテナモジュールの少なくとも1つの行を含むならば、最大8個までのユーザ550が、領域562の中で同時に扱われ得る。
【0200】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、アンテナアレイからの距離が増大するほど、同時に扱われ得るユーザ550の数は減少し得る。例えば、図5Bにおいて示されるように、第1の数のユーザより少ないかもしれない最大第2の数までのユーザ550、例えば最大4個までのユーザ550が、アンテナアレイ500から第1の距離より大きい第2の距離にあり得る領域563の中で、アンテナアレイ500により同時に扱われることができ、第2の数のユーザより少ないかもしれない最大第3の数までのユーザ550、例えば最大2個までのユーザ550が、アンテナアレイ500から第2の距離より大きい第3の距離にあり得る領域564の中で、アンテナアレイ500により同時に扱われることができ、及び/又は、アンテナアレイ500から第3の距離より大きい第4の距離にあり得る領域565の中で、SU−MIMO通信のみが実行されることができる。
【0201】
いくつかの例示的な実施例において、MU−MIMOがサポートされる領域の形は、アンテナモジュール、例えばアンテナアレイ500のアンテナモジュール400(図4A)の水平方向の指向性パターンにより決定され得る。その結果、図5Bにおいて示されるように、アンテナアレイ500のMU−MIMO有効範囲領域はセクタ501の形を有し得る。
【0202】
いくつかの例示的な実施例において、例えばRF回路402(図4A)により制御された、アンテナモジュール400(図4A)の指向性パターン、及びアンテナモジュール400(図4A)のRFビームフォーミング設定値は、セクタ501を定義し得る。MU−MIMO通信スキームは、例えば、全体の合成されたモジュラアンテナアレイ500の、例えばBFプロセッサ123(図1)によるビームフォーミングによって、達成され得る。
【0203】
いくつかの例示的な実施例において、例えば異なる領域におけるユーザ550を扱うために、例えば、セクタ501は、例えばRF回路402(図4A)のRFビームフォーミングによって再度方向を合わせられ得る。
【0204】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ500は、地面より上のいくらかの高さに配置され得る、例えば屋根、街灯の柱、又は商店街の天井の近くに取り付けられるBSにより、実施され得る。BSから異なる距離に配置されるユーザと通信することは、例えば図4Fを参照して上記で説明されるように、BSが異なる仰角角度を適用することを必要とし得る。
【0205】
いくつかの例示的な実施例において、上記で論じられたように、例えば方位角における効率的なビームフォーミングのために、全てのアンテナモジュールが実質的に同じ仰角角度を適用するべきであるので、BSから実質的に同じ距離を有するユーザのみを同時に扱うことが効率的であり得る。その結果、BSは、セル内の複数のユーザからそのようなユーザを選択するために、仰角角度を使用し得る。
【0206】
いくつかの例示的な実施例において、例えば図3を参照して上記で説明されるように、例えば、アンテナモジュールごとにアンテナ素子の複数の列を含んでいる構成(“マルチ列構成”)を有するアンテナアレイを利用することにより、より狭い方位角ビーム幅が達成され得る。
【0207】
いくつかの例示的な実施例において、マルチ列構成は、例えばBFプロセッサ123(図1)によって細かい方位角BFを実行するために利用され得る。例えば、全てのアンテナモジュールは、例えば少なくとも異なるサブアレイモジュールからの対応するビームを含んでいる複数のビームを、実質的に同じ方向においてステアリングするように制御され得る。単一のアンテナモジュールの方位角ビームの幅の境界線の中で複数のビームにより形成される合成ビームを方位角においてステアリングするために、異なる細かいBF設定値が、例えばBFプロセッサ123(図1)によって適用され得る。
【0208】
図5Cは、いくつかの例示的な実施例による合成ビーム570の細かい方位角BFを概略的に例示する。例えば、合成ビーム570は、例えば図3を参照して上記で説明されるように、マルチ列構成を有するアンテナアレイ571によって生成され得る。
【0209】
いくつかの例示的な実施例において、合成ビーム570は、複数のビームをアンテナボアサイト方向においてステアリングするようにアンテナアレイ571の全てのアンテナモジュールを制御することにより、生成され得る。例えば、ビーム570の異なる方向は、例えばBFプロセッサ197(図1)において異なるBF設定値を適用することによって獲得され得る。方位角ステアリング境界線の間の領域572は、全てのアンテナモジュールのRF方位角BF設定値を変更することによりステアリングされ得るセクタとして見なされ得る。
【0210】
いくつかの例示的な実施例において、例えば、もし単一の合成ビームが生成されるとともに、RF位相シフタが位相シフトの十分な正確度、例えば数度(several degrees)を有しているならば、合成ビーム570は、例えば細かいビームフォーミングを必要とせずに、アンテナアレイ571のRF回路によりステアリングされ得る。しかしながら、この構成は、より一層複雑なRF位相シフタを必要とするかもしれず、したがって、異なるデータを伝送する多数のビームの生成にはあまり適切ではないかもしれない。
【0211】
いくつかの例示的な実施例において、アンテナアレイ571は、例えば下記で説明されるように、有効範囲セクタ572をステアリングすることができ得る。
【0212】
いくつかの例示的な実施例による第1のセクタ582及び第2のセクタ584を概略的に例示する図5Dを同様に参照する。図5Dにおいて示されるように、アンテナアレイ571は、例えば、モジュラアンテナアレイのRF BF設定値を変更することにより、有効範囲セクタを、例えば有効範囲セクタ582と有効範囲セクタ584との間でステアリングすることができ得る。
【0213】
いくつかの例示的な実施例において、RFビームフォーミングアルゴリズム及びBBビームフォーミングアルゴリズムは統合され得る。BFプロセッサ197(図1)が、RF方位角ビームフォーミングによりカバーされたセクタの範囲外である方向において合成ビームをステアリングしようと試み得る、ということが可能である。例えば、BFプロセッサ197(図1)は、セクタ582の中の方向において合成ビームをステアリングしようと試みることができ、一方、アレイ571のアンテナモジュールのRF方位角BF設定値は、アンテナモジュールのビームをセクタ584の方向に向けることができる。そのような場合において、ビームフォーミングの結果はほとんど予測できないか、及び/又は、その結果生じるビームは、RF回路及びBFプロセッサ197(図1)の方位角BF設定値が統合された場合より、かなり小さい電力を有し得る。
【0214】
いくつかの例示的な実施例において、いくらかの状況では、例えばユーザの動きが原因で、BSから実質的に同じ距離に配置されるとともに、ユーザの伝送の間の干渉を抑制するであろうそれぞれのユーザに対する独立したビームを生成することを可能にする方法で配置される、必要とされる数のユーザを発見することは困難であり得る。これらの状況において、例えば、マルチ列構成は、アンテナアレイがアンテナモジュールにおけるRF方位角BF設定値を調整することによって有効範囲セクタを調整することを可能にし得るので、マルチ列構成を有するモジュラアンテナアレイは、例えば図3を参照して上記で説明されるように、利点を提供し得る。したがって、アンテナアレイは、所定の距離で同時に扱われることができるであろう適切なサイズの一群のユーザを発見するより多くのチャンスを有し得る。
【0215】
いくつかの例示的な実施例による無線通信のための送信電力制御方法を概略的に例示する図6をここで参照する。例えば、図6の方法の動作のうちの1つ又は複数は、無線通信システム、例えばシステム100(図1)、無線通信ノード、例えばノード101(図1)、及び/又は制御装置、例えば制御装置198(図1)によって実行され得る。
【0216】
ブロック602に示されるように、方法は、無線通信を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するステップを含み得る。制御するステップは、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて送信電力を制御するステップを含み、第1の電力限界値は、複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、第2の電力限界値は、送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、電力密度限界値Smax、及び電力限界値Pmaxに基づいて、送信電力Pを制御し得る。
【0217】
ブロック604に示されるように、送信電力を制御するステップは、複数の送信電力により達成可能な指向性ビームのスループットに基づいて送信電力を制御するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、送信電力Pにより達成可能な達成可能スループットThに基づいて、送信電力Pを制御し得る。
【0218】
ブロック606に示されるように、送信電力を制御するステップは、指向性ビームのスループットに対応する最大結合スループットに基づいて送信電力を制御するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、送信電力Pにより達成可能な合計のスループットThtotalを最大化するように、送信電力Pを制御し得る。
【0219】
ブロック608に示されるように、方法は、第1の電力限界値に対応する基準に従って送信電力を決定するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、基準(6)に従って送信電力Pを決定し得る。
【0220】
ブロック610に示されるように、方法は、第2の電力限界値に対応する基準に従って送信電力を決定するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、基準(5)に従って送信電力Pを決定し得る。
【0221】
ブロック612に示されるように、方法は、複数の指向性ビームによってビームフォーミングされたダイバシティ通信を送信するステップを含み得る。
【0222】
ブロック614に示されるように、方法は、複数のユーザに向けられたMU−MIMO伝送を送信するステップを含み得る。例えば、無線通信ユニット102(図1)は、送信電力Pに従って、MU−MIMO伝送を移動機140及び移動機150(図1)に送信し得る。
【0223】
ブロック616に示されるように、方法は、複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル関連特性に基づいて複数のユーザを選択するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、MU−MIMO伝送のために、ユーザに対応するチャネルの伝搬損失に基づいて、例えば移動機140及び/又は移動機150(図1)を含んでいる複数のユーザを選択し得る。
【0224】
いくつかの例示的な実施例において、方法は、複数の送信電力により達成可能な複数のユーザに対するスループットに基づいて複数の送信電力を制御するステップを含み得る。例えば、制御装置198(図1)は、例えば上記で説明されるように、選択されたユーザのセットに対応するスループットに基づいて、送信電力Pを制御し得る。
【0225】
いくつかの例示的な実施例による製造製品700を概略的に例示する図7を参照する。製品700は、例えば、無線通信ノード101(図1)、無線通信ユニット102(図1)、制御装置198(図1)の機能の少なくとも一部分を実行するために使用され得るか、及び/又は、図6の方法のうちの1つ若しくは複数の動作を実行するために使用され得るロジック704を記憶するための非一時的な機械読み取り可能記憶媒体702を含み得る。“非一時的な機械読み取り可能媒体”という言い回しは、一時的な伝搬信号を唯一の例外としながら、全てのコンピュータ読み取り可能媒体を含むように方向付けられる。
【0226】
いくつかの例示的な実施例において、製品700及び/又は機械読み取り可能記憶媒体702は、データを記憶することが可能であって、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、取り外し可能又は取り外し不可能メモリ、消去可能又は消去不可能メモリ、書き込み可能又は書き込み不可能メモリなどを含んでいる、1つ又は複数のタイプのコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。例えば、機械読み取り可能記憶媒体702は、RAM、DRAM、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、SDRAM、スタティックRAM(SRAM)、ROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、コンパクトディスクレコーダブル(CD−R)、コンパクトディスクリライタブル(CD−RW)、フラッシュメモリ(例えばNOR型フラッシュメモリ又はNAND型フラッシュメモリ)、連想メモリ(CAM)、ポリマーメモリ、相変化メモリ、強誘電体メモリ、シリコン−酸化物−窒化物−酸化物−シリコン(SONOS)メモリ、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、光ディスク、磁気ディスク、カード、磁気カード、光カード、テープ、カセットテープなどを含み得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、リモートコンピュータから要求しているコンピュータに対して、通信リンク、例えばモデム、ラジオ、又はネットワーク接続を通る搬送波又は他の伝搬媒体に統合されるデータ信号により伝達されるコンピュータプログラムをダウンロードすること又は転送すること、に関連しているあらゆる適切な媒体を含み得る。
【0227】
いくつかの例示的な実施例において、ロジック704は、もし機械によって実行されたならば、機械にここで説明された方法、処理、及び/又は動作を実行させ得る命令、データ、及び/又はコードを含み得る。機械は、例えば、あらゆる適切な、処理プラットフォーム、計算プラットフォーム、計算装置、処理装置、計算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサなどを含み得るとともに、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなどのあらゆる適切な組み合わせを用いて実装され得る。
【0228】
いくつかの例示的な実施例において、ロジック704は、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラム、サブルーチン、命令、命令セット、計算コード、語句(words)、値、記号などを含み得るか、又はソフトウェア、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラム、サブルーチン、命令、命令セット、計算コード、語句(words)、値、記号などとして実装され得る。命令は、ソースコード、コンパイル済み(compiled)コード、解釈済み(interpreted)コード、実行可能コード、静的コード、動的コードなどのような、あらゆる適切なタイプのコードを含み得る。命令は、特定の機能を実行するようにプロセッサに命令するための、予め定義されたコンピュータ言語、様式、又は構文に従って実行され得る。命令は、“C”、“C++”、“Java(登録商標)”、“BASIC”、“Matlab”、“Pascal”、“Visual BASIC”、アセンブリ言語、機械コードなどのような、あらゆる適切な高水準プログラミング言語、低水準プログラミング言語、オブジェクト指向プログラミング言語、ビジュアルプログラミング言語、コンパイル済みプログラミング言語、及び/又は解釈済みプログラミング言語を用いて実装され得る。
【0229】
「実例」
下記の実例は、更なる実施例に関連する。
【0230】
実例1は、無線通信機器であって、当該機器が、無線通信を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するための制御装置を備え、上記制御装置が、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて上記複数の送信電力を制御するためのものであり、上記第1の電力限界値が、上記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、上記第2の電力限界値が、上記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む、機器を含む。
【0231】
実例2は実例1の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数の送信電力により達成可能な上記指向性ビームのスループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0232】
実例3は実例2の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記指向性ビームの上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0233】
実例4は実例1から実例3のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記指向性ビームの上記電力密度は、上記指向性ビームの送信電力、及び上記指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得に基づいている。
【0234】
実例5は実例1から実例4のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記電力密度限界値は、上記アンテナアレイからの予め定義された距離における上記電力密度に関係する。
【0235】
実例6は実例5の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するためのものであり、
【数8】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gは上記i番目の指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rは上記予め定義された距離を表し、Smaxは上記電力密度限界値を表す。
【0236】
実例7は実例5又は実例6の主題を含むとともに、任意に、上記予め定義された距離は、3メートルの距離を含む。
【0237】
実例8は実例1から実例7のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するためのものであり、
【数9】
ここで、Nは上記複数の指向性ビームの数を表し、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pは上記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxは上記全送信電力限界値を表す。
【0238】
実例9は実例1から実例8のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記電力密度限界値に等しいか、又は上記電力密度限界値より小さい電力密度を有する上記指向性ビームのそれぞれを生成するために、上記複数の送信電力を制御するためのものである。
【0239】
実例10は実例1から実例9のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信は、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を含む。
【0240】
実例11は実例1から実例10のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信は、多入力多出力(MIMO)通信を含む。
【0241】
実例12は実例11の主題を含むとともに、任意に、上記無線通信はマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、上記複数の指向性ビームは複数のユーザに向けられる。
【0242】
実例13は実例12の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて上記複数のユーザを選択するためのものである。
【0243】
実例14は実例13の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する上記複数のユーザを選択するためのものである。
【0244】
実例15は実例12から実例14のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数の送信電力により達成可能な上記複数のユーザに対するスループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0245】
実例16は実例15の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記ユーザに対する上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0246】
実例17は実例1から実例16のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記アンテナアレイは複数のアンテナモジュールを備え、各アンテナモジュールは共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む。
【0247】
実例18は実例1から実例17のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信は、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介した通信を含む。
【0248】
実例19は、無線通信システムであって、当該システムが、無線通信装置を備え、上記無線通信装置が、無線通信を送信するために複数の指向性ビームを生成するためのアンテナアレイと、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて上記指向性ビームの複数の送信電力を制御するための制御装置であって、上記第1の電力限界値が上記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、上記第2の電力限界値が上記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む、上記制御装置と、上記無線通信の一部分として通信されるべき情報を処理するためのプロセッサとを含む、システムを含む。
【0249】
実例20は実例19の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数の送信電力により達成可能な上記指向性ビームのスループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0250】
実例21は実例20の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記指向性ビームの上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0251】
実例22は実例19から実例21のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記指向性ビームの上記電力密度は、上記指向性ビームの送信電力、及び上記指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得に基づいている。
【0252】
実例23は実例19から実例22のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記電力密度限界値は、上記アンテナアレイからの予め定義された距離における上記電力密度に関係する。
【0253】
実例24は実例23の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するためのものであり、
【数10】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gは上記i番目の指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rは上記予め定義された距離を表し、Smaxは上記電力密度限界値を表す。
【0254】
実例25は実例22又は実例23の主題を含むとともに、任意に、上記予め定義された距離は、3メートルの距離を含む。
【0255】
実例26は実例19から実例25のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するためのものであり、
【数11】
ここで、Nは上記複数の指向性ビームの数を表し、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pは上記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxは上記全送信電力限界値を表す。
【0256】
実例27は実例19から実例26のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記電力密度限界値に等しいか、又は上記電力密度限界値より小さい電力密度を有する上記指向性ビームのそれぞれを生成するために、上記複数の送信電力を制御するためのものである。
【0257】
実例28は実例19から実例27のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信は、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を含む。
【0258】
実例29は実例19から実例28のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信は、多入力多出力(MIMO)通信を含む。
【0259】
実例30は実例29の主題を含むとともに、任意に、上記無線通信はマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、上記複数の指向性ビームは複数のユーザに向けられる。
【0260】
実例31は実例30の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて上記複数のユーザを選択するためのものである。
【0261】
実例32は実例31の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する上記複数のユーザを選択するためのものである。
【0262】
実例33は実例30から実例32のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記複数の送信電力により達成可能な上記複数のユーザに対するスループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0263】
実例34は実例33の主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、上記ユーザに対する上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するためのものである。
【0264】
実例35は実例19から実例34のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記アンテナアレイは複数のアンテナモジュールを備え、各アンテナモジュールは共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む。
【0265】
実例36は実例19から実例35のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記制御装置は、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介して通信するように上記アンテナアレイを制御するためのものである。
【0266】
実例37は実例19から実例36のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記無線通信装置は、アクセスポイントを含む。
【0267】
実例38は、無線通信方法であって、当該方法が、無線通信を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するステップを含み、上記制御するステップが、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて上記送信電力を制御するステップを含み、上記第1の電力限界値が、上記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、上記第2の電力限界値が、上記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む、方法を含む。
【0268】
実例39は、上記複数の送信電力により達成可能な上記指向性ビームのスループットに基づいて上記送信電力を制御するステップを含む、実例38の主題を含む。
【0269】
実例40は、上記指向性ビームの上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するステップを含む、実例39の主題を含む。
【0270】
実例41は実例38から実例40のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記指向性ビームの上記電力密度は、上記指向性ビームの送信電力、及び上記指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得に基づいている。
【0271】
実例42は実例38から実例41のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記電力密度限界値は、上記アンテナアレイからの予め定義された距離における上記電力密度に関係する。
【0272】
実例43は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するステップを含み、
【数12】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gは上記i番目の指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rは上記予め定義された距離を表し、Smaxは上記電力密度限界値を表す、実例42の主題を含む。
【0273】
実例44は実例42又は実例43の主題を含むとともに、任意に、上記予め定義された距離は、3メートルの距離を含む。
【0274】
実例45は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するステップを含み、
【数13】
ここで、Nは上記複数の指向性ビームの数を表し、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pは上記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxは上記全送信電力限界値を表す、実例38から実例44のいずれか一つの主題を含む。
【0275】
実例46は、上記電力密度限界値に等しいか、又は上記電力密度限界値より小さい電力密度を有する上記指向性ビームのそれぞれを生成するために、上記複数の送信電力を制御するステップを含む、実例38から実例45のいずれか一つの主題を含む。
【0276】
実例47は、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を送信するステップを含む、実例38から実例46のいずれか一つの主題を含む。
【0277】
実例48は、多入力多出力(MIMO)通信を送信するステップを含む、実例38から実例47のいずれか一つの主題を含む。
【0278】
実例49は実例48の主題を含むとともに、任意に、上記無線通信はマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、上記複数の指向性ビームは複数のユーザに向けられる。
【0279】
実例50は、上記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて上記複数のユーザを選択するステップを含む、実例49の主題を含む。
【0280】
実例51は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する上記複数のユーザを選択するステップを含む、実例50の主題を含む。
【0281】
実例52は、上記複数の送信電力により達成可能な上記複数のユーザに対するスループットに基づいて上記送信電力を制御するステップを含む、実例49から実例51のいずれか一つの主題を含む。
【0282】
実例53は、上記ユーザに対する上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するステップを含む、実例52の主題を含む。
【0283】
実例54は実例38から実例53のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記アンテナアレイは複数のアンテナモジュールを含み、各アンテナモジュールは共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む。
【0284】
実例55は、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介して通信するステップを含む、実例38から実例54のいずれか一つの主題を含む。
【0285】
実例56は、命令が記憶された非一時的な記憶媒体を含む製品であって、前記命令が、機械により実行された場合に、無線通信を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するステップをもたらし、上記制御するステップが、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて上記複数の送信電力を制御するステップを含み、上記第1の電力限界値が、上記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、上記第2の電力限界値が、上記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む、製品を含む。
【0286】
実例57は実例56の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記複数の送信電力により達成可能な上記指向性ビームのスループットに基づいて上記送信電力を制御するステップをもたらす。
【0287】
実例58は実例57の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記指向性ビームの上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するステップをもたらす。
【0288】
実例59は実例56から実例57のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記指向性ビームの上記電力密度は、上記指向性ビームの送信電力、及び上記指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得に基づいている。
【0289】
実例60は実例56から実例59のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記電力密度限界値は、上記アンテナアレイからの予め定義された距離における上記電力密度に関係する。
【0290】
実例61は実例60の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するステップをもたらし、
【数14】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gは上記i番目の指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rは上記予め定義された距離を表し、Smaxは上記電力密度限界値を表す。
【0291】
実例62は実例60又は実例61の主題を含むとともに、任意に、上記予め定義された距離は、3メートルの距離を含む。
【0292】
実例63は実例56から実例62のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するステップをもたらし、
【数15】
ここで、Nは上記複数の指向性ビームの数を表し、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pは上記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxは上記全送信電力限界値を表す。
【0293】
実例64は実例56から実例63のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記電力密度限界値に等しいか、又は上記電力密度限界値より小さい電力密度を有する上記指向性ビームのそれぞれを生成するために、上記複数の送信電力を制御するステップをもたらす。
【0294】
実例65は実例56から実例64のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を送信するステップをもたらす。
【0295】
実例66は実例56から実例65のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、多入力多出力(MIMO)通信を送信するステップをもたらす。
【0296】
実例67は実例66の主題を含むとともに、任意に、上記無線通信はマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、上記複数の指向性ビームは複数のユーザに向けられる。
【0297】
実例68は実例67の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて上記複数のユーザを選択するステップをもたらす。
【0298】
実例69は実例68の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する上記複数のユーザを選択するステップをもたらす。
【0299】
実例70は実例67から実例69のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記複数の送信電力により達成可能な上記複数のユーザに対するスループットに基づいて上記送信電力を制御するステップをもたらす。
【0300】
実例71は実例70の主題を含むとともに、任意に、上記命令は、上記ユーザに対する上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するステップをもたらす。
【0301】
実例72は実例56から実例71のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記アンテナアレイは複数のアンテナモジュールを含み、各アンテナモジュールは共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む。
【0302】
実例73は実例56から実例72のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記命令は、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介して通信するステップをもたらす。
【0303】
実例74は、無線通信機器であって、当該機器が、無線通信を送信するためにアンテナアレイにより形成される複数の指向性ビームの複数の送信電力を制御するための手段を備え、上記制御することが、少なくとも第1の電力限界値及び第2の電力限界値に基づいて上記複数の送信電力を制御することを含み、上記第1の電力限界値が、上記複数の指向性ビームのうちの指向性ビームの電力密度に対応する電力密度限界値を含み、上記第2の電力限界値が、上記送信電力の合計に対応する全送信電力限界値を含む、機器を含む。
【0304】
実例75は、上記複数の送信電力により達成可能な上記指向性ビームのスループットに基づいて上記送信電力を制御するための手段を備える、実例74の主題を含む。
【0305】
実例76は、上記指向性ビームの上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するための手段を備える、実例75の主題を含む。
【0306】
実例77は実例74から実例76のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記指向性ビームの上記電力密度は、上記指向性ビームの送信電力、及び上記指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得に基づいている。
【0307】
実例78は実例74から実例77のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記電力密度限界値は、上記アンテナアレイからの予め定義された距離における上記電力密度に関係する。
【0308】
実例79は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するための手段を備え、
【数16】
ここで、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Gは上記i番目の指向性ビームの方向における上記アンテナアレイのアンテナ利得を表し、Rは上記予め定義された距離を表し、Smaxは上記電力密度限界値を表す、実例78の主題を含む。
【0309】
実例80は実例78又は実例79の主題を含むとともに、任意に、上記予め定義された距離は、3メートルの距離を含む。
【0310】
実例81は、下記の基準に従って上記送信電力を決定するための手段を備え、
【数17】
ここで、Nは上記複数の指向性ビームの数を表し、Pはi番目の指向性ビームの送信電力を表し、Pは上記アンテナアレイの最大の全送信電力を表し、Pmaxは上記全送信電力限界値を表す、実例74から実例80のいずれか一つの主題を含む。
【0311】
実例82は、上記電力密度限界値に等しいか、又は上記電力密度限界値より小さい電力密度を有する上記指向性ビームのそれぞれを生成するために、上記複数の送信電力を制御するための手段を備える、実例74から実例81のいずれか一つの主題を含む。
【0312】
実例83は、ビームフォーミングされたダイバシティ通信を送信するための手段を備える、実例74から実例82のいずれか一つの主題を含む。
【0313】
実例84は、多入力多出力(MIMO)通信を送信するための手段を備える、実例74から実例83のいずれか一つの主題を含む。
【0314】
実例85は実例84の主題を含むとともに、任意に、上記無線通信はマルチユーザ(MU) MIMO通信を含み、上記複数の指向性ビームは複数のユーザに向けられる。
【0315】
実例86は、上記複数のユーザに対応する複数のチャネルのチャネル伝搬損失に基づいて上記複数のユーザを選択するための手段を備える、実例85の主題を含む。
【0316】
実例87は、予め定義されたチャネル伝搬損失範囲内のチャネル伝搬損失を有する上記複数のユーザを選択するための手段を備える、実例86の主題を含む。
【0317】
実例88は、上記複数の送信電力により達成可能な上記複数のユーザに対するスループットに基づいて上記送信電力を制御するための手段を備える、実例85から実例87のいずれか一つの主題を含む。
【0318】
実例89は、上記ユーザに対する上記スループットに対応する最大結合スループットに基づいて上記送信電力を制御するための手段を備える、実例88の主題を含む。
【0319】
実例90は実例74から実例89のいずれか一つの主題を含むとともに、任意に、上記アンテナアレイは複数のアンテナモジュールを含み、各アンテナモジュールは共通の無線周波数(RF)回路に連結された複数のアンテナ素子を含む。
【0320】
実例91は、ミリメートル波(ミリ波)周波数帯域を介して通信するための手段を備える、実例74から実例90のいずれか一つの主題を含む。
【0321】
1つ若しくは複数の実施例を参照してここで説明された機能、動作、構成要素、及び/若しくは特徴は、1つ若しくは複数の他の実施例を参照してここで説明された1つ若しくは複数の他の機能、動作、構成要素、及び/若しくは特徴と結合され得るか、又は、1つ若しくは複数の他の実施例を参照してここで説明された1つ若しくは複数の他の機能、動作、構成要素、及び/若しくは特徴と組み合わせて利用され得るとともに、その逆もまた同様である。
【0322】
本発明のいくつかの特徴がここで例示されて説明されたが、当業者には、多くの修正物、代替物、変更物、及び等価物が思い浮かぶ可能性がある。したがって、添付された請求項は、本発明の真の趣旨に含まれる全てのそのような修正物及び変更物をカバーすることを意図している、ということが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7