(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リーチフォークリフトは、立ち乗り式であるため、運転者は疲労しやすいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、運転者が自ら疲労に気が付かない場合であっても、疲労の度合いに応じて疲労を回復させることを可能とする荷役車両、荷役車両システム、荷役車両の制御方法、荷役車両システムの制御方法及
びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、収納及び出現可能な座席と、
運転者が疲労しているか否かを判定する疲労度判定部と、運転者が疲労している
と前記疲労度判定部が判定した場合
に収納状態から出現状態へ前記座席の状態を切り替える切替スイッチ部と、を備えることを特徴とする荷役車両である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記切替スイッチ部は、前記運転者が疲労から回復した場合、前記出現状態から前記収納状態へ座席の状態を切り替えるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記疲労度判定部は、予め定められる第1の閾値と、前記疲労とに基づいて、前記運転者が疲労しているか否かを判定し、予め定められる第2の閾値と、前記疲労とに基づいて、前記運転者が疲労から回復しているか否かを判定し、前記第1の閾値と前記第2の閾値とは異なる値が定められるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記切替スイッチ部は、前記疲労度判定部が前記運転者が疲労
から回復したと前記疲労度判定部が判定した場合
に前記出現状態から前記収納状態へ座席の状態を切り替えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記運転者の生体情報に基づいて、前記運転者の疲労を示す疲労度を算出する疲労度算出部、を備え、前記疲労度判定部は、前記疲労度に基づいて前記判定を行うようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記切替スイッチ部は、前記運転者が疲労し、かつ、走行及び荷役作業の両方が行われていない場合、前記収納状態から前記出現状態へ座席の状態の切り替えを行うようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記運転者の着座を検出するセンサ、を備え、前記切替スイッチ部は、前記運転者が疲労から回復し、かつ、前記センサが前記運転者の着座を検出しなくなった場合、前記出現状態から前記収納状態へ座席の状態を切り替えるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の荷役車両と、運転者の生体情報を取得して前記荷役車両に送信する生体情報検出装置と、を備えることを特徴とする荷役車両システムである。
【0015】
また、本発明の一態様は、収納及び出現可能な座席を有する荷役車両の制御方法であって、
運転者が疲労しているか否かを判定することと、前記運転者が疲労している
と判定した場合
に収納状態から出現状態へ前記座席の状態を切り替えること
と、を含むことを特徴とする荷役車両の制御方法である。
【0016】
また、本発明の一態様は、収納及び出現可能な座席を有する荷役車両と、生体情報検出装置とを備える荷役車両システムの制御方法であって、運転者の生体情報を取得して前記荷役車両に送信すること、前記運転者が疲労している場合、収納状態から出現状態へ前記座席の状態を切り替えること、を含むことを特徴とする荷役車両システムの制御方法である。
【0017】
また、本発明の一態様は、収納及び出現可能な座席を有する荷役車両に備えられるコンピュータに、
運転者が疲労しているか否かを判定することと、前記運転者が疲労している
と判定した場合
に収納状態から出現状態へ前記座席の状態を切り替えること
と、を実行させ
るプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、運転者が自ら疲労に気が付かない場合であっても、疲労の度合いに応じて座席の収納状態と座席の出現状態とを切り替えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態によるリーチフォークリフト100を示す斜視図である。荷役車両であるリーチフォークリフト100は、車両本体101の前方に、車両本体101の幅方向の端に1つずつ、前方へ延びる1対のストラドルアーム102が設けられる。1対のストラドルアーム102には、車両本体101の上方へ延びるマスト103が設けられている。マスト103には、荷役対象物(以下、荷物という)を支持して昇降するフォーク104が取り付けられており、当該マスト103によってフォーク104の昇降動作が案内される。リーチフォークリフト100では、前輪115がストラドルアーム102に設けられ、後輪116が車両本体101に設けられる。
【0021】
フォーク104は、マスト103に沿って昇降する。フォーク104をマスト103に沿って昇降させる制御を、リフト制御という。また、フォーク104の基部を回動させてフォーク104の先端部を上下方向に傾ける制御をチルト制御という。マスト103は、フォーク104と共にストラドルアーム102に沿って進退する。マスト103及びフォーク104をストラドルアーム102に沿って進退させる制御を、リーチ制御という。
なお、マスト103及びフォーク104は、油圧回路によって作動する。
【0022】
また、車両本体101には、運転者2が搭乗する運転席117が設けられる。運転席117には、リフトレバー106、チルトレバー107、リーチレバー108、アクセルレバー109、ブレーキペダル110、ステアリングハンドル111、ウェストパッド113、ディスプレイ114が設けられる。また、運転席117には、
図2(a)に示すように、後述する制御装置105の一部である制御装置105bが設けられる。制御装置105bは、
図2(b)に示すように、アクチュエータ118、座席部119、センサ120、回転軸121を含む。アクチュエータ118は、ロッド122を含む。アクチュエータ118は、ウェストパッド113が設けられた車両本体101の壁面130の内部に設けられる。
センサ120は、運転者2の座席部119への着座を検出する。センサ120は、例えば、圧力センサである。
なお、
図2(b)において破線で示される座席部119の位置が座席の収納状態を示し、
図2(b)において実線で示される座席部119の位置が座席の出現状態を示す。座席部119は、座席の出現状態において膝から腰の位置に相当するおよそ30cm〜80cm程度の高さにある。また、座席の出現状態にある座席部119は、座席の収納状態にある座席部119に対して、回転軸121を中心におよそ60度〜90度移動している。
また、ウェストパッド113は、座席部119よりも高いおよそ80cm〜100cm程度の高さにある。
【0023】
アクセルレバー109は、モータを駆動させて車両本体101を前進または後退させる際に、運転者2によって操作される。ブレーキペダル110は、車両本体101が前進または後退している場合に走行の速度を低下させたり、車両本体101を停止させたりする際に運転者2によって操作される。ステアリングハンドル111は、車両本体101の走行方向を変更する際に、運転者2によって操作される。リフトレバー106、チルトレバー107、リーチレバー108は、それぞれ、リフト制御、チルト制御、リーチ制御の際に、運転者2によって操作されるレバーである。
【0024】
ディスプレイ114は、リーチフォークリフト100の走行速度、走行距離、荷重センサ112が検出するフォーク104の負荷などの情報を表示する外、座席が出現する際または座席が収納される際に、それらを運転者2に知らせる情報を表示する。事前に運転者2に知らせる情報としては、例えば、ディスプレイ114の一部に点滅させるマークを表示する報知情報であってもよいし、スピーカーが内蔵されていれば音で通知するといった報知情報であってもよいし、ディスプレイ114に文字を示して知らせるような情報であってもよい。
【0025】
制御装置105(105a、105b)は、車両本体101に内蔵され、リーチフォークリフト100の走行の制御、フォーク104の制御、座席の出現動作の制御、座席の収納動作の制御などを行う。荷重センサ112は、フォーク104の負荷、すなわちフォーク104によって持ち上げられる荷物の重量を検出する。
【0026】
図3は、本実施形態による荷役車両システム1の構成を示すブロック図である。荷役車両システム1は、リーチフォークリフト100、生体情報検出装置200を備える。リーチフォークリフト100において、以下、
図1で説明した構成以外の構成について説明する。リーチフォークリフト100の制御装置105は、送受信部501、座席制御部502、切替スイッチ部504、疲労度算出部505、疲労度判定部506、走行制御部508、荷役制御部509、積載検出部510、位置検出部511、記憶部512を備える。また、制御装置105は、アクチュエータ118、座席部119、センサ120、回転軸121を含む。
【0027】
座席制御部502は、アクチュエータ118に制御信号を送信する。アクチュエータ118は、座席制御部502から受けた制御信号が出現制御信号である場合、ロッド122を
図2(b)の矢印Aの方向に伸ばして、座席部119を回転軸121を中心に座席の出現状態を示す位置まで移動させる。アクチュエータ118は、座席制御部502から受けた制御信号が収納制御信号である場合、ロッド122を
図2(b)の矢印Aと逆の方向に縮めて、座席部119を回転軸121を中心座席の収納状態を示す位置まで移動させる。
センサ120は、座席部119が座席の出現状態を示す位置における運転者2の座席部119への着座を検出する。
【0028】
送受信部501は、例えば、WiFi(登録商標)などの無線通信手段であり、生体情報検出装置200との間で情報の送受信を行う。
【0029】
疲労度算出部505は、運転者2に装着される生体情報検出装置200が出力する生体情報を送受信部501を通じて受信し、受信した生体情報に基づいて疲労度の算出を行う。疲労度判定部506は、疲労度算出部505が算出した疲労度に基づいて、運転者2が疲労しているか否か、また、運転者2が疲労から回復したか否かを判定する。
【0030】
切替スイッチ部504は、座席の出現と座席の収納とを切り替えるスイッチであり、疲労度判定部506が判定した結果に基づいて、座席の状態の切り替えを行う。また、切替スイッチ部504は、疲労度判定部506が運転者2が疲労していると判定した場合、その時点での座席の状態が収納状態であるとき、座席を出現させる状態に切り替える。また、切替スイッチ部504は、疲労度判定部506が運転者2が疲労から回復したと判定した場合、その時点での座席の状態が出現状態であるとき、座席を収納させる状態に切り替える。また、切替スイッチ部504は、切替後の座席の状態、すなわち現時点での座席の状態を示す情報を記憶部512の座席状態情報512Bに書き込んで記憶させる。
【0031】
荷役制御部509は、運転者2によるリフトレバー106、チルトレバー107、及びリーチレバー108の操作を受けて、油圧回路を駆動させて、フォーク104に対してリフト制御、チルト制御、及びリーチ制御を行う。また、荷役制御部509は、油圧回路を駆動させて行っている制御の種類、例えば、リフト制御であれば、フォーク104を上昇させて荷物を持ち上げているのか、フォーク104を下降させて荷物を降ろしているのか等を示す情報を出力する。なお、以下では、フォーク104を上昇させて荷物を持ち上げることを、リフトアップといい、フォーク104を下降させて荷物を降ろすことを、リフトダウンという。
【0032】
走行制御部508は、運転者2によるアクセルレバー109、ブレーキペダル110、ステアリングハンドル111の操作を受けて、モータを駆動させて前輪115と後輪116を動かしてリーチフォークリフト100を走行させる。また、走行制御部508は、走行速度を示す情報を逐次出力する。
【0033】
積載検出部510は、荷重センサ112が逐次出力する、フォーク104によって持ち上げられている荷物の重量の値に基づいて、荷物が積載されているか否かを示す情報を逐次出力する。
【0034】
記憶部512は、
図4に示す判定基準値512A、座席状態情報512Bの情報を記憶する。判定基準値512Aは、作業前に生体情報検出装置200によって計測される運転者2の平常時の生体情報であり、例えば、生体情報として脈拍数を検出する場合、当該運転者2の平常時の1分間の脈拍数の値が予め計測されて記憶される。座席状態情報512Bは、前述したように切替スイッチ部504によって書き込まれる、座席の状態を示す情報である。
【0035】
生体情報検出装置200は、例えば、特開2015−154868号公報に示されるようなリストバンド型のウェアラブル端末装置が適用され、運転者2に装着され、運転者2の生体情報を予め定められる間隔で繰り返し検出する。本実施形態では、例えば、生体情報検出装置200は、15秒間の運転者2の脈拍数を繰り返し検出する。また、生体情報検出装置200は、検出した生体情報を無線通信手段によりリーチフォークリフト100の制御装置105の送受信部501に送信する。
【0036】
(座席の出現状態と座席の収納状態との切り替え処理)
図5は、リーチフォークリフト100の制御装置105による運転者2の疲労の度合いにより座席の出現と座席の収納とを切り替える処理を示すフローチャートである。運転者2に装着された生体情報検出装置200が、運転者2の生体情報を検出する。ここで、生体情報検出装置200が検出する生体情報は、前述したように、例えば、15秒間計測した運転者2の脈拍数であるとする。生体情報検出装置200は、検出した15秒間の脈拍数の情報を送信する。リーチフォークリフト100の制御装置105の疲労度算出部505は、送受信部501を通じて生体情報検出装置200が出力する生体情報、すなわち15秒間の脈拍数の情報を受信する(ステップSa1)。
【0037】
疲労度算出部505は、受信した生体情報から疲労度の算出を行う。例えば、疲労度算出部505は、受信した15秒間の脈拍数を4倍して1分間の脈拍数を算出し、算出した値を疲労度を示す情報として疲労度判定部506に出力する(ステップSa2)。疲労度判定部506は、疲労度算出部505からの疲労度を示す情報を受けると、記憶部512の座席状態情報512Bを参照して現在の座席の状態が収納状態であるか出現状態であるかを判定する(ステップSa3)。
【0038】
疲労度判定部506は、座席が収納状態であると判定した場合(ステップSa3:収納状態)、記憶部512に記憶されている判定基準値512Aを読み出す。ここでは、判定基準値512Aとして予め記憶されている運転者2の平常時の1分間の脈拍数の値を読み出すものとする。疲労度判定部506は、平常時の1分間の脈拍数に予め定められる第1の所定値を加算して、第1の閾値を算出する。例えば、一般的に脈拍が5拍から10拍上昇すると疲労しているといわれており、ここでは、第1の所定値として10拍を加算するものとする。疲労度判定部506は、疲労度算出部505が算出した運転者2の1分間の脈拍数が、第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップSa4)。なお、第1の所定値は、記憶部512に予め記憶させておいてもよいし、疲労度判定部506の内部の記憶領域に予め記憶させるようにしてもよい。
【0039】
疲労度判定部506が、疲労度算出部505が算出した運転者2の1分間の脈拍数が、第1の閾値以上でないと判定した場合(ステップSa4:No)、ステップSa1からの処理が繰り返される。一方、疲労度判定部506が、疲労度算出部505が算出した運転者2の1分間の脈拍数が、第1の閾値以上であると判定した場合(ステップSa4:Yes)、当該判定結果を受けて切替スイッチ部504は、走行及び荷役作業の両方が行われていないか否かを判定する(ステップSa5)。
【0040】
切替スイッチ部504は、走行制御部508または荷役制御部509が制御を行っている場合、走行及び荷役作業の少なくとも一方が行われていると判定する。切替スイッチ部504は、走行及び荷役作業の少なくとも一方が行われていると判定した場合(ステップSa5:No)、例えば、ディスプレイ114に、走行及び荷役作業の両方が停止された際に座席を収納状態から出現状態に切り替えることを知らせるメッセージを表示して(ステップSa6)、ステップSa5の処理を繰り返す。一方、切替スイッチ部504は、走行制御部508及び荷役制御部509の両方が制御を行っていない場合、走行及び荷役作業の両方が行われていないと判定し(ステップSa5:Yes)、座席を収納状態から出現状態に切り替えることを知らせるメッセージ(例えば、「確認ボタンを押し、立ち上がってください。確認でき次第座席が出現します。」)を表示する(ステップSa7)。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出したか否かを判定する(ステップSa8)。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出しない場合(ステップSa8:No)、ステップSa8の処理を繰り返す。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出した場合(ステップSa8:Yes)、座席の出現状態に切り替え、座席状態情報512Bに記憶される情報を出現状態に書き替える。切替スイッチ部504は、後述する
図6の座席の出現動作の処理を開始するとともに(ステップSa9)、ステップSa1の処理に戻る。
【0041】
一方、ステップSb3において、座席が出現状態であると判定した場合(ステップSa3:出現状態)、疲労度判定部506は、記憶部512に記憶されている判定基準値512A、すなわち運転者2の平常時の1分間の脈拍数の値を読み出す。疲労度判定部506は、平常時の1分間の脈拍数に予め定められる第2の所定値を加算して、第2の閾値を算出する。ここで、第2の所定値を第1の所定値と同程度の値にしてしまうと、座席の収納状態から出現状態に切り替わった後、運転者2の疲労が少し回復しただけで、すぐに、座席の出現状態から収納状態に切り替わることになるため、第1の所定値よりも充分に小さな値、例えば第1の所定値が前述のように10拍とした場合、例えば、0拍〜5拍程度を第2の所定値とする必要がある。疲労度判定部506は、疲労度算出部505が算出した運転者2の1分間の脈拍数が、第2の閾値以下であるか否かを判定する(ステップSa10)。なお、第2の所定値は、記憶部512に予め記憶させておいてもよいし、疲労度判定部506の内部の記憶領域に予め記憶させるようにしてもよい。
【0042】
疲労度判定部506が、疲労度算出部505の算出した運転者2の1分間の脈拍数が第2の閾値以下でないと判定した場合(ステップSa10:No)、ステップSa1からの処理が繰り返される。一方、疲労度判定部506が、疲労度算出部505の算出した運転者2の1分間の脈拍数が第2の閾値以下であると判定した場合(ステップSa10:Yes)、当該判定結果を受けて切替スイッチ部504は、走行及び荷役作業の両方が行われていないか否かを判定する(ステップSa11)。
【0043】
切替スイッチ部504は、走行及び荷役作業の両方が行われていると判定した場合(ステップSa11:No)、例えば、ディスプレイ114に、走行及び荷役作業の両方が停止された際に座席を出現状態から収納状態に切り替えることを知らせるメッセージを表示して(ステップSa12)、ステップSa11の処理を繰り返す。一方、切替スイッチ部504は、走行及び荷役作業の両方が行われていないと判定した場合(ステップSa11:Yes)、座席を出現状態から収納状態に切り替えることを知らせるメッセージ(例えば、「確認ボタンを押し、立ち上がってください。確認でき次第座席を収納します。」)を表示する(ステップSa13)。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出したか否かを判定する(ステップSa14)。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出しない場合(ステップSa14:No)、ステップSa14の処理を繰り返す。切替スイッチ部504は、確認ボタンの押下を検出した場合(ステップSa14:Yes)、切替スイッチ部504は、センサ120の検出結果に基づいて、運転者2が立ち上がったか否かを判定する(ステップSa15)。センサ120は、例えば、圧力センサである。切替スイッチ部504は、センサ120が所定の圧力以上の圧力を検出した場合、運転者2が座席部119に着座していると判定する。また、切替スイッチ部504は、センサ120が所定の圧力未満の圧力を検出した場合、運転者2が立ち上がっていると判定する。
切替スイッチ部504は、座席の収納状態に切り替え、座席状態情報512Bに記憶される情報を収納状態に書き替える。切替スイッチ部504は、後述する
図6の座席の収納動作の処理を開始するとともに(ステップSa16)、ステップSa1の処理に戻る。
【0044】
(座席の出現動作の処理)
図6は、
図5で示したフローチャートにおけるステップSa9において座席の出現動作が開始された際の処理を示すフローチャートである。
【0045】
座席制御部502は、アクチュエータ118に出現制御信号を送信する(ステップSb1)。
アクチュエータ118は、座席制御部502から出現制御信号を受信する(ステップSb2)。
アクチュエータ118は、出現制御信号を受信すると、出現制御信号に応じてロッド122を運転席117の内側(
図2(b)の矢印Aの方向)に伸ばす(ステップSb3)。
ロッド122が伸びると、座席部119は、回転軸121を中心に座席の出現状態を示す位置まで移動する(ステップSb4)。
なお、
図6で示したフローチャートの処理によって、運転者2は座席部119に着座することができ、疲労を回復することができる。
【0046】
(座席の収納動作の処理)
図7は、
図5で示したフローチャートにおけるステップSa16において座席の収納動作が開始された際の処理を示すフローチャートである。
【0047】
座席制御部502は、アクチュエータ118に収納制御信号を送信する(ステップSc1)。
アクチュエータ118は、座席制御部502から収納制御信号を受信する(ステップSc2)。
アクチュエータ118は、収納制御信号を受信すると、収納制御信号に応じてロッド122を壁面130の内部方向(
図2(b)の矢印Aと逆の方向)に縮める(ステップSc3)。
ロッド122が縮むと、座席部119は、回転軸121を中心に座席の収納状態を示す位置まで移動する(ステップSc4)。
なお、
図7で示したフローチャートの処理によって、運転者2の疲労が回復した場合に座席部119を座席の収納状態を示す位置に戻すことにより、運転者2は、立った状態で操作することになり、視認性をより良くし、操作性をより良くすることができる。
【0048】
なお、運転者2が降車するときにも座席部119は、回転軸121を中心に座席の出現状態を示す位置まで移動してもよい。具体的には、例えば、運転者2の乗車を検出するマットセンサが運転者2を検知しなくなった後、所定の時間(例えば、1分間)が経過すると座席部119は、回転軸121を中心に座席の出現状態を示す位置まで移動するようになっていてもよい。
【0049】
上記の実施形態の構成により、制御装置105の疲労度算出部505が、運転者2の疲労度を算出し、算出した疲労度に基づいて疲労度判定部506が、運転者2が疲労しているか否かを判定し、疲労していると判定した場合、切替スイッチ部504が、座席の収納状態から出現状態に切り替える。また、疲労度判定部506が、運転者2が疲労から回復したと判定した場合、切替スイッチ部504が、座席の出現状態から収納状態に切り替える。これにより、制御装置105は、運転者が自ら疲労に気が付かない場合であっても、疲労の度合いに応じて座席の収納状態と出現状態とを切り替え、疲労を回復することが可能となる。
【0050】
なお、上記の実施形態では、切替スイッチ部504が座席の収納状態から出現状態に切り替える場合、確認ボタンの押下の検出を待って切り替えを行っているが、本発明の実施の形態は当該構成に限られない。例えば、
図5のステップSa7において、切替スイッチ部504が、ディスプレイ114にメッセージを表示するとともに、座席の出現動作を開始してもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、切替スイッチ部504が座席の出現状態から収納状態に切り替える場合、確認ボタンの押下の検出及び運転者2が立ち上がるのを待って切り替えを行っているが、本発明の実施の形態は当該構成に限られない。例えば、
図5のステップSa13において、切替スイッチ部504が、ディスプレイ114にメッセージを表示するとともに、座席の収納動作を開始してもよい。
【0052】
また、上記の実施形態では、荷役車両システム1において、リーチフォークリフト100と、生体情報検出装置200と、を備える構成としているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。荷役車両システム1は、リーチフォークリフト100と、生体情報検出装置200と、管理装置300を備える構成としてもよい。この場合、例えば、管理装置300がリーチフォークリフト100の一部の機能(例えば、疲労度算出部505、疲労度判定部506)を備え、リーチフォークリフト100は、生体情報検出装置200からの情報に基づいて管理装置300が処理した結果(例えば、疲労度判定部506による判定結果)に応じて動作してもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、生体情報検出装置200が検出する生体情報として、15秒間の脈拍数としているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、脈拍数に代えて心拍数、発汗量、血圧、呼吸数、酸素飽和度、体温などの生体情報を検出してもよい。また例えば、疲労度算出部505または生体情報検出装置200は、1種類または複数種類の生体情報を所定の関数に代入することで疲労度を算出するようにしてもよい。
【0054】
また、上記の実施形態では、生体情報検出装置200が検出する運転者2の15秒間の脈拍数を4倍し、予め計測してある平常時の1分間の脈拍数を参照して疲労しているか否かを判定しているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。
例えば、生体情報検出装置200は、運転者2の15秒間以外の秒数の脈拍数を取得し、予め計測してある平常時の所定時間の脈拍数を参照して疲労しているか否かを判定してもよい。
また、生体情報検出装置200は、検出した15秒間の脈拍数の標準偏差を繰り返し算出し、標準偏差値が予め定められる値を超える場合に、疲労していると判定するようにしてもよい。
また、平常時における15秒間の脈拍数を計測しておき、生体情報検出装置200は、検出した15秒間の脈拍数から平常時の脈拍数を減算し、その差を繰り返し加算し、加算した値が、予め定められる値を超える場合に疲労していると判定するようにしてもよい。
また、平常時における15秒間の脈拍数に、予め定められる値を加えた値を基準値とし、15秒ごとに計測される脈拍数が、当該基準値を連続して予め定められる回数超える場合に、疲労していると判定するようにしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、生体情報に基づく疲労度の算出を制御装置105の疲労度算出部505が算出しているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られず、生体情報検出装置200が、疲労度算出部505を備え、生体情報検出装置200において疲労度を算出するようにしてもよい。また、生体情報検出装置200は、疲労度算出部505を備えず、生体情報検出装置200が検出する生体情報をそのまま疲労度を示す情報として、運転者2が疲労しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、
図5のステップSa4とステップSa10の処理において用いられる、第1の所定値と第2の所定値とを異なる値とし、第1の閾値と第2の閾値が異なる値となるようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られず、第1の所定値と第2の所定値が同じ値であってもよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、
図5のステップSa4の処理における運転者2が疲労しているか否かの判定に用いられる第1の閾値と、
図5のステップSa10の処理における運転者2が疲労から回復しているか否かの判定に用いられる第2の閾値として、第1の閾値を第2の閾値よりも大きな値とすることで、運転者2が疲労から充分回復してから座席の出現状態から収納状態に切り替える構成としているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、疲労度として、疲労の高まりとともに値が小さくなる生体情報を適用するような場合、第2の閾値を第1の閾値よりも大きな値として定めておく必要がある。
【0058】
また、上記の実施形態では、
図5のステップSa4の判定において、第1の閾値以上であるか否かに基づいて判定を行っており、
図5のステップSa10の判定において、第2の閾値以下であるか否かに基づいて判定を行っているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。これらの判定手法は、一例であり、例えば、
図5のステップSa4において、第1の閾値を超えているか否かに基づいて判定を行ってもよいし、
図5のステップSa10の判定において、第2の閾値未満であるか否かに基づいて判定を行ってもよい。
【0059】
上述した実施形態における制御装置105をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0060】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。