【実施例】
【0014】
[2.実施例]
[2−1.概要]
図1を参照して、本実施例の概要を説明する。
本実施例は、ヘルスケア分野等(例えば、医療分野,介護分野)の事業に適合し、利用者(例えば、医師,看護師,薬剤師,介護士などの利用者X1)による療養者(例えば、在宅診療対象者,介護対象者などの療養者Y1)への個別訪問に係るスケジュール調整を支援する情報処理システムに関する。
本実施例のシステムは、新たな訪問予定を設定する場面においてこれから設定されるべき訪問予定が既に設定されている他の訪問予定の影響を受けやすい点に鑑み、訪問予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生を抑止するための仕組みを実装する。
【0015】
本実施例に係るユーザ管理サーバ20(「情報処理装置」の一例。)は、特定部(522)と報知部(524)とを具備する(
図5参照)。
特定部(522)は、個別訪問a(「一定用件」の一例。)に関連付けて訪問者たる利用者X1(「能動オブジェクト」の一例。)及び被訪問者たる療養者Y1(「受動オブジェクト」の一例。)が確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍
期間内に療養者Y1を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(「
消化時期未定用件」の一例。)を特定する。
報知部(524)は、特定部(522)により特定される他の個別訪問のうち利用者X1と協力関係(「所定の関係性」の一例。)を有する利用者X2(「他の能動オブジェクト」の一例。)による療養者Y1への個別訪問b(「近傍関連用件」の一例。)の存在を上記近傍
期間に関連付けて視覚的に報知する。
【0016】
特に、特定部(522)は、上記近傍
期間と重複しない時期に訪問者たる利用者X2と被訪問者たる療養者Y2(「他の受動オブジェクト」の一例。)とを確保する必要性を将来的に発生させ得る個別訪問c(「他の
消化時期未定用件」
,「周辺関連用件」の一例。)をさらに特定する。
このとき、報知部(524)は、個別訪問cとの関係で利用者X2を近傍
期間に確保する優先度が相対的に上がる上記個別訪問bの存在を個別訪問cにさらに関連付けて報知する。
【0017】
[2−2.ネットワーク構成]
図2に、実施例のシステムのネットワーク構成例を示す。
本実施例のシステムは、複数のユーザ端末10(10−1,10−2,…,10−n)と、ユーザ管理サーバ20と、DBマネジメントシステム30と、を含む。DBマネジメントシステム30は、データ管理サーバ31と記憶装置32を含む。
【0018】
ユーザ端末10とユーザ管理サーバ20とは、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。また、ユーザ管理サーバ20は、データ管理サーバ31を介して、記憶装置32に記憶されるデータにアクセス可能である。
通信ネットワーク40は、既存のネットワーク(例えば、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)など)のうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0019】
[2−2−1.ユーザ端末]
ユーザ端末10は、Webブラウザプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。ユーザ端末10のブラウザは、所定のスクリプト言語で記載されたスクリプトプログラムの解釈・実行が可能であるものとする。
本実施例のシステムでは、ユーザ装置として、Webブラウザプログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),小型のPC,ウェアラブルデバイス(wearable device)など)を用いることができる。
なお、Webブラウザプログラムの代わりにユーザ装置に専用プログラムをインストールさせる構成にしてもよい。
【0020】
[2−2−2.ユーザ管理サーバ]
ユーザ管理サーバ20は、Webサーバプログラム(HTTPデーモン(HyperText Transfer Protocol Daemon)ともいう。)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ31を介して記憶装置32から必要なデータを読み出し、必要に応じて加工しユーザ端末10に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め(リクエスト)に応じて、ユーザ端末10から取得したデータを、データ管理サーバ31を介して記憶装置32に書き込み、処理結果をユーザ端末10に応答(レスポンス)する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ20の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0021】
[2−2−3.DBマネジメントシステム]
データ管理サーバ31は、DB(Database)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)であり、内蔵する又は外部の接続可能な記憶装置32とともにDBマネジメントシステム(Database Management System)を構成する。
データ管理サーバ31は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータを記憶装置32に格納する機能と、データの抽出要求に応じ記憶装置32から抽出されるデータを要求元に提供する機能とを有する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ31の機能を分担させ又はデータ管理サーバ31にかかる負荷を分散させてもよい。また、複数の記憶装置にデータを分散配置することも可能である。
【0022】
[2−3.ハードウェア構成]
[2−3−1.ユーザ装置のハードウェア構成]
図3に、ユーザ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なユーザ装置は、制御処理部を構成するMPU(Micro-Processing Unit)311と、主記憶部を構成するRAM(Random Access Memory)321と、補助記憶部を構成するROM(Read Only Memory)322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。
【0023】
RAM321と、ROM322と、EEPROM323と、タッチパネルディスプレイ331と、スピーカ332と、NIC341と、無線LANチップ342とは、バスラインを介してMPU311と接続される。
MPU311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたプログラムをRAM321上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0024】
[2−3−2.サーバ装置のハードウェア構成]
図4に、サーバ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なサーバ装置は、MPU(Micro-Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置410と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置420と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置430と、マウスやキーボードを含む入力装置440と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置450と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置460と、を有する。
【0025】
主記憶装置420、補助記憶装置430、入力装置440、出力装置450及び通信制御装置460は、バスラインを介して制御処理装置410とそれぞれ接続される。
制御処理装置410は、(1)補助記憶装置430に記憶されたプログラムを主記憶装置420上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置440と補助記憶装置430と通信制御装置460との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置430と出力装置450と通信制御装置460との少なくともいずれかに提供する。
【0026】
[2−4.機能構成]
図5に、ユーザ端末10、ユーザ管理サーバ20及びDBマネジメントシステム30の機能構成例を示す。
本実施例のシステムは、ユーザ端末10、ユーザ管理サーバ20及びDBマネジメントシステム30がリアルタイムで連携して動作する。特に、本実施例のシステムでは、スケジュールを調整する画面を構成するWebページ全体を順次更新するとともに、当該画面が表示されている状態においてなされるユーザ操作をイベントとして検出しこれに基づいてように構成されているものとする。
なお、既存の技法(例えば、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)など(「JavaScript」は登録商標))を用いてユーザ端末10とユーザ管理サーバ20とが非同期で通信を行うことにより、スケジュールを調整する画面を構成するWebページ全体を再表示することなく、当該画面の一部のみを再描画することができるように構成してもよい。
【0027】
[2−4−1.ユーザ端末]
ユーザ端末10の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するWebブラウザプログラムとがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
ユーザ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。また、ユーザ装置にインストールされるべきWebブラウザプログラムは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているか、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。
【0028】
なお、ユーザ装置にインストールされるべきWebブラウザプログラムは、各種の記録媒体(例えば、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)など)に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
また、Webブラウザプログラムに代えて専用プログラムをユーザ装置にインストールさせることによりユーザ端末10の機能を実現してもよい。この場合にも、専用プログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されてもよいし、上記各種の記憶媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
【0029】
ユーザ端末10は、制御処理部511と、通信制御部512と、表示制御部513と、表示部514と、入力部515と、を少なくとも具備する。
このうち、制御処理部511及び表示制御部513はMPU311を含んで構成される。通信制御部512はNIC341と無線LANチップ342とを含んで構成される。表示部514及び入力部515はタッチパネルディスプレイ331を含んで構成される。
【0030】
制御処理部511は、ユーザ端末10全体を制御するとともに各種の処理を実行する。
通信制御部512は、スケジュール調整画面に表示させるデータをユーザ管理サーバ20に要求して当該要求に係るデータを取得する。また、ユーザ管理サーバ20にデータを提供して保存させる。
表示制御部513は、ユーザ管理サーバ20から取得されたデータや入力部515から入力されたデータを表示部514に表示させる。
表示部514は、表示制御部513による制御の下で、データを表示する。
入力部515は、タッチパネルに対する接触位置を示すデータを出力する。
【0031】
[2−4−2.ユーザ管理サーバ]
ユーザ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するWebサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
サーバ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からサーバ装置にインストールされているのが一般的である。一方、サーバ装置にインストールされるべきWebサーバプログラムは、出荷当初からサーバ装置にインストールされていてもよいし、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給さてもよい。
なお、サーバ装置にインストールされるべきWebサーバプログラムは、各種の記録媒体(例えば、CD,DVD,MOディスク,フラッシュメモリなど)に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
【0032】
ユーザ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じてスケジュールに関するデータを提供(レスポンス)する機能の他に、スケジュールの調整を支援するための機能として取得部521と、特定部522と、判定部523と、報知部524と、を具備する。
このうち、取得部521と報知部524とは通信制御装置460を含んで構成される。特定部522と判定部523とは制御処理装置410を含んで構成される。
【0033】
取得部521は、個別訪問(一定用件)に関連付けて複数の関係者(少なくとも、1人の利用者及び1人の療養者)について予定を設定しようとする時期(指定時期)を指定する時期指定データをユーザ端末10から取得する。
特定部522は、取得された時期指定データが示す指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する
期間(近傍
期間)に当該関係者のうち一部のみの予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(未定用件)と、近傍
期間と重複しない時期に他の利用者の予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(他の未定用件)と、をそれぞれ特定する。
【0034】
判定部523は、特定された未定用件が一定用件との間で所定の関係性を有する用件(関連用件)に該当するか否かを判定する。
報知部524は、肯定的に判定された関連用件の存在がユーザ端末10の表示部514に表示されているスケジュール調整画面内の近傍
期間に関連付けて表示されるようユーザ端末10に必要なデータ項目を提供する。
【0035】
[2−4−3.DBマネジメントシステム]
DBマネジメントシステム30のデータ管理サーバ31は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するDBサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
サーバ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からサーバ装置にインストールされているのが一般的である。また、サーバ装置にインストールされるべきDBサーバプログラムは、出荷当初からサーバ装置にインストールされていてもよいし、各種の記録媒体(例えば、CD,DVD,MOディスク,フラッシュメモリなど)に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に供給されてもよい。
なお、サーバ装置にインストールされるべきDBサーバプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給してもよい。
【0036】
データ管理部531は、データ管理サーバ31を含んで構成される。データ管理部531は、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータをデータ記憶部532に格納する。また、データ管理部531は、データの抽出要求に応じデータ記憶部532からデータを抽出して要求元に応答する。
データ記憶部532は、記憶装置32を含んで構成される。データ記憶部532は、スケジュールに関するデータ(管理データ)を記憶する。
【0037】
[2−5.管理データ]
図6(a)に、利用者情報の項目例を示す。利用者情報は、本実施例のシステムの利用者に関連する情報である。
図6(a)に例示されるように、利用者情報は、キー項目である「利用者ID」と、「利用者区分」(例えば、医師/看護師/薬剤師/介護士の別)と、「利用者名」(例えば、本名,ニックネーム等)と、を含む。その他、利用者の確認に用いる認証情報(パスワードなど),利用者の属性を示す属性情報等を含んでいてよい。
本実施例において利用者情報は、新たに利用者登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0038】
図6(b)に、療養者情報の項目例を示す。療養者情報は、いずれかの利用者が担当する療養者に関連する情報である。
図6(b)に例示されるように、療養者情報は、キー項目である「療養者ID」と、「療養者区分」(例えば、診療対象/指導対象/介護対象の別)と、「療養者名」(例えば、本名,ニックネーム等)と、「療養レベル」(例えば、支援の必要度合いに基づく等級)と、を含む。その他、療養者の属性情報等を含んでいてよい。
本実施例において療養者情報は、新たに療養者登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0039】
図6(c)に、グループ情報の項目例を示す。グループ情報は、互いに協力するべき所定の関係(例えば、同一の組織に属する関係,同一の療養者を担当する関係など)にある複数の利用者を対応付ける情報である。
図6(c)に例示されるように、グループ情報は、キー項目である「グループID」と、当該グループに属する複数の利用者をそれぞれ特定する複数の「利用者ID」と、を含む。
本実施例においてグループ情報は、自動的に又は手動で新たにグループ登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0040】
図6(d)に、担当情報の項目例を示す。担当情報は、利用者と療養者とを対応付ける情報である。
図6(d)に例示されるように、担当情報は、キー項目である「担当ID」と、「担当区分」(例えば、診療/指導/介護の別)と、「利用者ID」と、「療養者ID」と、を含む。
本実施例において担当情報は、新たに担当登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0041】
図6(e)に、ルール情報の項目例を示す。ルール情報は、訪問回数のルールを定義する情報である。
図6(e)に例示されるように、ルール情報は、キー項目である「担当区分ID」及び「療養レベル」と、「単位期間」(本実施例では、1か月間)と、「最低訪問回数」と、を含む。なお、本実施例における「最低訪問回数」は、既存のルール(例えば、医療保険制度,介護保険制度等)で規定されている、病名による「最低訪問回数」であるものとする。
本実施例においてルール情報は、医療保険制度や介護保険制度などのルール(「所定のルール」の一例。)が改正される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0042】
図6(f)に、用件情報の項目例を示す。用件情報は、利用者と療養者の少なくともいずれかを確保するべき契機に当たる「用件」に関連する情報である。
図6(f)に例示されるように、用件情報は、キー項目である「用件ID」と、「用件区分」(例えば、訪問/会合/私用の別)と、当該用件を表す文字列である「用件名」と、当該用件の期間を特定する「開始時期」及び「終了時期」と、当該用件に強く関連する「場所」(例えば、訪問地,会合開催地など)と、を含む。
本実施例において用件情報は、所定のスケジュール調整手順(後述)を経て予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0043】
図6(g)に、訪問情報の項目例を示す。訪問情報は、訪問者たる利用者と被訪問者たる療養者とを対応付ける情報である。
図6(g)に例示されるように、訪問情報は、キー項目である「用件ID」と、訪問者の「利用者ID」と、被訪問者の「療養者ID」と、を含む。
本実施例において訪問情報は、所定のスケジュール調整手順(後述)を経て訪問予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0044】
図6(h)に、会合情報の項目例を示す。会合情報は、会合(例えば、同一のグループに属する利用者どうしのミーティング等)の出席者を特定する情報である。
図6(h)に例示されるように、会合情報は、キー項目である「用件ID」と、複数の参加者の「利用者ID」と、を含む。
本実施例において会合情報は、会合予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0045】
図6(i)に、私用情報の項目例を示す。私用情報は、私用の当事者を特定する情報である。
図6(i)に例示されるように、私用情報は、キー項目である「用件ID」と、当事者の「利用者ID」又は「療養者ID」と、を含む。
本実施例において私用情報は、私用が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0046】
[2−6.スケジュール調整手順]
図7−1及び
図7−2に、スケジュール調整手順を示す。本実施例では、下記の〔手順1〕〜〔手順4〕の流れでスケジュールが調整される。
なお、スケジュールを調整する利用者は、認証情報を送信して実施例のシステムに前もってログインするものとする。以下では、実施例のシステムにログインしている利用者を「ログイン利用者」と指称する。また、以下の例において利用日は2016年4月11日とする。
【0047】
〔手順1:ログイン利用者のスケジュールデータを表示させる〕
ログイン利用者の操作に応じて、ユーザ端末10がユーザ管理サーバ20にスケジュールページを要求する(S705a)。
ユーザ管理サーバ20は、要求を受領すると(S705b)、ログイン利用者に関連するスケジュールデータ(本実施例では、システム利用日を含む所定期間(例えば、利用日を含む月とその翌月の計2か月間)分の訪問情報,会合情報及び私用情報にそれぞれ対応する用件情報の「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」など)をDBマネジメントシステム30から抽出する(S710b)。
【0048】
次いで、ユーザ管理サーバ20は、抽出されたスケジュールデータ(既定用件)の少なくともいずれかをテンプレートデータ(ここでは、上記所定期間に対応する月単位カレンダー画面のテンプレート)に合成してスケジュール調整画面のページデータ(HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S715b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S715a)、スケジュール調整画面を表示する(S720a)。スケジュール調整画面の周辺には、ログインユーザが担当する療養者のリスト又は当該リストを表示させるためのリンクが表示されるものとする。
【0049】
〔手順2:指定療養者のスケジュールデータを表示させる〕
ログイン利用者が所定の療養者指定操作(本実施例では、療養者リストから選択する操作)を行うと、ユーザ端末10は、指定された療養者(指定療養者)を特定する療養者指定データをユーザ管理サーバ20に送信する(S725a)。
ユーザ管理サーバ20は、療養者指定データを受領すると(S725b)、療養者指定データにより特定される指定療養者に対するログイン利用者の担当内容を担当情報(
図6(d))を参照して特定する(S730b)。ここで、個別訪問(一定用件)の設定モードとなる。
【0050】
続いてユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)を抽出する(S735b)。次いで、ユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)とログイン利用者のスケジュールデータ(既定用件)とを上記テンプレートデータに合成してスケジュール調整画面のページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S740b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S740a)、スケジュール調整画面を更新する(S745a)。
【0051】
図8に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図8は、ログイン利用者(利用者X1)及び指定療養者(療養者Y1)のスケジュールデータ(既定用件)が反映されたスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な既定
用件を[リスト1]に示す。
なお、
図8の表示例では、登録済み用件(既定用件)の「用件名」が表示されるリンクが、対応する日付けの領域にそれぞれ配置されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出されると、当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」)がポップアップ表示されるように構成するとよい。
【0052】
[リスト1]
・用件P1:個別訪問(X1→Y1)…最低訪問回数2回/月
・用件Q1,Q2:会合(X1)…終日
・用件R1:私用(X1)…終日
・用件S1:個別訪問(X2→Y1)…最低訪問回数3回/月
【0053】
〔手順3:関連用件を表示させる〕
ログイン利用者が所定の時期指定操作(本実施例では、訪問予定を設定しようとする時期の先頭に対応する領域から末尾に対応する領域までをスライドする入力操作)を行うと、ユーザ端末10は、当該時期指定操作を検知し、当該時期指定操作により指定される指定時期を特定する時期指定データをユーザ管理サーバ20に送信する(S750a)。
図9に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図9の表示例では、18日に対応する領域を始点とし22日に対応する領域を終点とするスライド操作がなされ、18日から22日までが指定されている。
【0054】
ユーザ管理サーバ20は、時期指定データを受領すると(S750b)、DBマネジメントシステム30と連携して未定用件を特定する(S755b)。
本実施例では、少なくとも次の用件を未定用件として特定する。
〔用件A1〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍
期間にログイン利用者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A2〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍
期間に指定療養者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A3〕近傍
期間(受領した時期指定データにより特定される指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する
期間)と重複しない時期に、ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者と、指定療養者以外の療養者と、を確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
【0055】
上記〔用件A3〕に係る未定用件を特定する際には、担当情報(
図6(d)),ルール情報(
図6(e))及び過去のスケジュールデータ(
図6(f)−(i))を参照するとよい。
具体的には、ある利用者がある療養者を担当している場合において、その担当区分について単位期間(本実施例では、1か月間)の最低訪問回数がn回(n:2以上の自然数)というルールが設定されているとき、単位期間(ここでは、1か月間)の日数をn等分して得られるn個の区間にそれぞれ1回ずつ個別訪問がなされるものと仮定する。その上で、当該ある利用者の非稼動時期及び既定用件と、当該ある療養者の既定用件と、に重ならない時期を、当該ある利用者が当該ある療養者を個別訪問し得る未定用件
の候補時期として特定する。
【0056】
続いてユーザ管理サーバ20は、DBマネジメントシステム30と連携して、特定された未定用件の中から関連用件を絞り込む(S760b)。
本実施例では、次の用件を関連用件と判定する。
〔用件B1〕ログイン利用者が指定療養者以外の療養者を個別訪問する用件(上記〔用件A1〕の未定用件と同じ)
〔用件B2〕ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者が指定療養者を個別訪問する用件(上記〔用件A2〕の少なくとも一部)
〔用件B3〕ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者が指定療養者以外の療養者を訪問する用件であって、下記のすべての条件を満たすもの(上記〔用件A3〕の少なくとも一部)
(a)日程の選択肢が所定数(例えば、2)以下である
(b)上記〔用件B2〕中の利用者が同一の用件の中に、時期が重複し又は近接する用件が存在する
【0057】
続いてユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)とログイン利用者のスケジュールデータ(既定用件)とを上記テンプレートデータに合成しさらに下記のように設定したページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S765b)。
(a)上記用件B1及び用件B2が、近傍
期間に関連付けて表示される。
(b)上記用件B3が、対応する用件B2に関連付けて表示される。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S765a)、スケジュール調整画面を更新する(S770a)。
【0058】
図10−1及び
図10−2に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図10−1及び
図10−2は、指定時期又はその周辺に関連用件が表示されるスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な用件を[リスト2]に示す。
図10−1の表示例では、上記〔用件B1〕及び〔用件B2〕に該当する関連用件のリンクが指定時期に関連付けて所定の態様(本実施例では、「?」マークを付記)で表示されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出された場合に当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、
利用者情報(図6(a))の項目,療養者情報(図6(b))の項目,担当情報(図6(d))の項目,ルール情報(図6(e))の項目など)がポップアップ表示されるように構成するとよい。
【0059】
[リスト2]
・用件P2:個別訪問(X1→Y1)の候補…最低訪問回数が2回/月なので、18日,19日,21日及び22日が候補になる(なお、25日,26日,28日及び29日も候補である)。
・用件S2:個別訪問(X2→Y1)の候補…最低訪問回数が3回/月なので、18日及び19日が候補になる(なお、12日,14日及び15日も候補である)。
・用件S3:個別訪問(X2→Y1)の候補…最低訪問回数が3回/月なので、21日及び22日が候補になる(なお、25日,26日,28日及び29日も候補である)。
・用件T4:個別訪問(X2→Y2)…最低訪問回数が1回/週で26日か28日に設定する必要があるものとする。
【0060】
また、上記〔用件B3〕に該当する関連用件は、対応する〔用件B2〕に該当する関連用件のリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、タップ操作)が検出され当該リンクが選択されている状態でのみ表示されるように構成するとよい。
図10−2の表示例では、2016年4月21日の関連用件S3が選択された状態において、対応する関連用件T4のリンクが表示されている。併せて、関連用件S3のリンクが指定時期外の他の候補日に対応する領域に表示されている。
【0061】
図10−2の表示例を、具体的に解説する。
・用件S3の最低訪問回数は3回/月なので(上記[リスト2]参照)、2016年4月の候補日は、21日,22日,25日,26日,28日及び29日である。
・用件T4の最低訪問回数は1回/週で、26日又は28日に設定する必要がある(上記[リスト2]参照)。この場合、用件S3の候補日が21日,22日,25日及び29日に絞られる。つまり、用件T4との関係で、用件S3を21日又は22日に済ませるべき優先度が相対的に上昇する。
・そこで、用件S3の日程調整に影響を与え得る用件T4のリンクを用件S3に関連付けて表示させている。具体的には、用件S3のリンクを指定時期外の他の候補日に対応する領域に、用件T4のリンクをその候補日に対応する領域に、それぞれ表示させる。さらに、用件T4と候補日が重なる用件S3のリンク(26日及び28日のリンク)の表示を所定の態様(本実施例では、二重取消線)で表示させている。
【0062】
〔手順4:予定を設定する〕
利用者が所定の予定設定操作(本実施例では、用件名,開始時期,終了時期,場所をそれぞれ入力し又は選択する操作)を行うと、ユーザ端末10は、設定された予定を構成する予定データをユーザ管理サーバ20に提供する(S775a)。
ユーザ管理サーバ20は、予定データを受領すると(S775b)、一意のIDを付与し、ログイン利用者が指定療養者を「個別訪問」する新たな用件としてDBマネジメントシステム30に登録する(S780b)。次いで、ユーザ管理サーバ20は、新たに登録された用件が追加されたページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S785b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S785a)、スケジュール調整画面を更新する(S790a)。
【0063】
[3.変形例]
[3−1.変形例1]
実施例では、ログイン利用者に療養者を指定させてからスケジュールを調整する手順を採用している(
図7−1のS725b〜)。
これに対し、複数の療養者にそれぞれ関わる複数のスケジュールをまとめて調整する手順を採用してもよい。例えば、ログイン利用者が時期を指定すると、指定された時期に済ませるべき用件をカレンダー上に表示させ、ログイン利用者に選択させるとよい。
【0064】
[3−2.変形例2]
実施例では、ログイン利用者に時期を指定させてから当該時期に関連付けて関連用件の存在をまとめて報知する手順を採用している(
図7−1のS750b〜)。
これに対し、関連用件の存在を個別に報知する手順を採用してもよい。例えば、スケジュール調整画面上でログイン利用者に複数の日付けに対応する複数の領域を順次通過するスライド操作をさせ、接触位置を含む領域に対応する日付けごとにその日に済ませるべき用件をポップアップ表示させるとよい。
【0065】
また、実施例では、時期を指定させる操作として、訪問予定を設定しようとする時期の先頭に対応する領域から末尾に対応する領域までをスライドする入力操作を採用している(
図9)。
これに対し、時期を指定させる操作として他の操作を採用してもよい。また、指定時期は連続していなくてもよい。例えば、ある日付けに対応する領域に対する第1操作(例えば、長押し操作)により当該日付けを選択させ、当該ある日付けが選択された状態において他の日付けに対応する領域に対する第2操作(例えば、タップ操作)により当該他の日付けを選択させる。これらの操作を繰り返させ、訪問予定を設定しようとする時期が全て選択された状態で、選択完了を示す操作(例えば、選択完了を示すリンクをポップアップメニューから選択指定する操作)をさせるとよい。その後の手順は、実施例と同様である。
【0066】
[3−3.変形例3]
実施例では、関連用件を済ませることが可能な時期を制限する「所定のルール」として、「単位期間」における「最低訪問回数」を考慮している。
「所定のルール」に関しては、既存のルール(例えば、医療保険制度,介護保険制度等)に合わせて種々の実装形態が考えられる。例えば、これらのルールでは、(a)休日・夜間の加算,(b)一定期間における最高訪問回数,(c)病名による最低訪問回数等が決まっている。したがって、これらを考慮して保険点数が理に適うように関連用件の候補日程の選択肢を予め絞って利用者に提示することが可能である。
なお、既存のルールが改定された場合は、改定後のルールに合わせて絞込みロジックを変更するのが好ましい。