(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記接合部または上記支持部材は、弾性材と、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率をもつ高熱伝導率材との組み合わせで構成されることを特徴とする請求項1に記載の体内撮像装置。
上記接合部は、弾性材と、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率をもつ高熱伝導率材との組み合わせで構成され、上記支持部材は、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率をもつ高熱伝導率材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の体内撮像装置。
凹形状である上記接合部は、その底部に伝熱性を有する伝熱性凸部を有し、上記撮像部および上記支持部材の接合時に、上記支持部材の内周面と上記伝熱性凸部とが接触することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の体内撮像装置。
上記ケーブルは、これを保持するケーブルホルダによって上記支持部材に固定され、上記ケーブルホルダのケーブル保持強度は、上記支持部材と上記接合部の接合強度より大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の体内撮像装置。
上記ケーブルは、これを保持するケーブルホルダによって上記支持部材に固定され、上記ケーブルホルダのケーブル保持強度は、5Nから50Nの範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の体内撮像装置。
上記接合部に、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率をもつ高熱伝導率材が含まれていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の体内撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について、
図1〜
図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、各図面に記載した構成の形状、並びに、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状や寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
【0015】
〔実施形態1〕
(体内監視カメラシステム1の構成)
図1は、実施形態1の体内監視カメラシステム1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、体内監視カメラシステム1は、カメラユニット11(撮像部)と、一端がカメラユニット11に接続されたカメラ側ケーブル12と、カメラ支持管13(支持管)と、カメラユニット制御機器17およびディスプレイ18(表示装置)を含む制御システムと、一端がカメラユニット制御機器17に接続された機器側ケーブル16とを備える。なお、カメラ側ケーブル12の他端に設けられたカメラ側ケーブルコネクタ12aと機器側ケーブル16の他端に設けられた機器側ケーブルコネクタ16aとを嵌合することでカメラユニット11と制御システム3とが電気的に接続される。なお、以下では、カメラ側ケーブルコネクタ12aをコネクタ12aと、機器側ケーブルコネクタ16aをコネクタ16aと略記することがある。
【0016】
カメラ支持管13は、腹壁に穿刺されたカニューレ31(菅状デバイス、保持管)の内部を通じて、その一方の端部が体内に導入される。カメラユニット11は、体内撮影を行うものであり、トロッカーと呼ばれる管状部材を通して体内に導入される。そして、カメラ支持管13の内部にカメラ側ケーブル12を通した状態で、カメラ支持管13の一方の端部(体内側)と体内のカメラユニット11とが支持管接合部14(接合部)にて接合される。
【0017】
図1では、オス型(凸型)のカメラ側ケーブルコネクタ12aのピン部分を、メス型(凹型)の機器側ケーブルコネクタ16aに挿入することで、コネクタ12a・16aが嵌合されているが、オス型とメス型は逆であってもよく、メス型のカメラ側ケーブルコネクタとオス型の機器側ケーブルコネクタとを嵌合するような構成でもかまわない。なお、メス型(凹型)のカメラ側ケーブルコネクタは、オス型のようにピン部分が外部に露出していないため、誤って体内に触れた場合でも端子部に汚れが付着しにくい。よって、カメラ側ケーブルにはメス型(凹型)のコネクタを用いることが望ましい。
【0018】
なお、詳細については後述するが、カメラユニット11とカメラ支持管13とを接続するときに、カメラ側ケーブル12(コネクタ12a含む)はカメラ支持管13を通って体内から体外に引き出される。そのため、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径は、カメラ支持管13の外径より小さくなる。すなわち、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径を小さくすれば、カメラ支持管13の外径を小さくすることができる。これにより、低侵襲性が向上するといった特段の効果がある。つまり、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径はなるべく小さくすることが望ましい。例えば、
図1に示すように、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径は、機器側ケーブルコネクタ16aの外径以下とすることが望ましく、カメラ側ケーブル12の外径(ケーブル径)は、機器側ケーブル16の外径(ケーブル径)よりも小さくすることが望ましい。
【0019】
なお、カメラ支持管に、その一端から他端に至るスリットを設けることもできる。この場合は、カメラ支持管の側面から上記スリットを介してカメラ支持管内部にカメラ側ケーブル12を通す。これにより、カメラ側ケーブル(コネクタ含む)をカメラ支持管に通し易くなり、また、スリットによってカメラ支持管内の通気性が高まる等、カメラ支持管の冷却効果も奏する。冷却効果の点では、カメラ支持管の体外側となる部分(特に、カメラ支持管をカニューレに通す場合はカニューレの先端から出ている部分)に通気口を設けることもできる。
【0020】
また、スリットを設けることで、カメラ支持管13の内部に、カメラ側ケーブルコネクタ12aを通す必要がなくなるため、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外形寸法よりも、カメラ支持管13の内径を小さくすることができる。よって、カメラ支持管13の肉厚を同じとすれば、カメラ支持管13の外径を更に小さくすることができる。これにより、低侵襲性が更に一層向上するといった特段の効果がある。
【0021】
図1では、図面の見易さのために、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径を実際の外径よりも大きく、また、カメラ側ケーブル12の外径(ケーブル径)を実際の外径よりも小さく記載している。実際は上述したように、カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径は、カメラ支持管13の外径よりも小さい。さらに、簡略化のためにカメラ側ケーブルコネクタ12aのピンを1本で図示しているが、通常は、ケーブルに使用する電線の本数に応じた本数のピンで構成される。これらは、他の図面においても同様である。
【0022】
なお、後述するように、カメラ側ケーブル12(コネクタ12a含む)は、カメラユニット11の回収時に一旦体内に戻すことになるため、機器側ケーブル16のうち、カメラ側ケーブル12と接触する機器側ケーブルコネクタ16aおよびこれから所定長さの部分は清潔を維持する必要がある。
【0023】
以上の接続によって、カメラユニット11が撮影した映像はカメラユニット制御機器17に送信され、カメラユニット制御機器17からの制御信号がカメラユニット11に送信される。
【0024】
以上述べたシステム構成を取ることによって、カメラユニット11からカメラユニット制御機器17への伝送に有線方式を採用しているため、伝送速度が高速化でき、信号を安定して送受信できるため高解像度の画像を得ることができる。また、無線方式に比べ低電力で通信でき、電源を外部から供給することによりカメラユニット11の小型化を図ることができる。したがって、小型化により、カメラユニット11を体内に導入するときの傷を小さくできるので、低侵襲性が向上するといった特段の効果がある。
【0025】
カメラユニット制御機器17は、カメラユニット11から送信された映像をディスプレイ18に表示させ、また、制御信号をカメラユニット11に送信する。なお、カメラユニット制御機器17とディスプレイ18とは、一体でも別体でも構わない。
【0026】
(撮像装置の構成)
図2(a)は実施の形態1のカメラユニット11の模式的断面図であり、
図2(b)はその上面図である。
図2(a)(b)に示すように、カメラユニット11では、カメラ筐体21(撮像筐体)内に、回路基板19と、回路基板19に接続する、固体撮像素子25、制御回路28、および照明装置27と、レンズ26とが設けられている。カメラ筐体21の上面には、凹形状の支持管接合部14が設けられている。支持管接合部14は、円形開口の穴構造であり、その内壁に係止爪23(凸部)が設けられている。また、カメラ筐体21の対向する両側面それぞれから握持部22が突出している。握持部22は、鉗子を用いて、カメラユニット11を体内に導入する際に把持されたり、カメラユニット11およびカメラ支持管13の接合時に、カメラユニット11の上面(支持管接合部14が設けられた面)がカメラ支持管13の端部に向かい合うように把持されたりする。
【0027】
カメラ側ケーブル12は、回路基板19に接続され、支持管接合部14の内部を通るようにカメラユニット11の外部に導出されている。回路基板19およびカメラ側ケーブル12の接続部は樹脂などで封止されている。カメラ側ケーブル12は、トロッカーを通して体腔内に導入されるため、柔軟な材料で形成されている。さらに、支持管接合部14内部の、カメラ側ケーブル12が引き出される部分(凹形状の支持管接合部14の底部)において、カメラ側ケーブル12が支持管接合部14に接着固定されている。該接着固定の一例としては、接着剤またはOリング(オーリング)による封止固定が挙げられる。該接着固定された部分からカメラユニット11内への浸水および異物混入等が防止されている。
【0028】
また後述するように、カメラ側ケーブル12は、カメラユニット11に接続された状態でトロッカー等の管状部材を通して体腔内に導入されたり、カメラ支持管13を通って体外へ引き出されたりするため、柔軟性を有するフレキシブルな材料で形成されている。
【0029】
固体撮像素子25(撮像素子)としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等が用いられる。固体撮像素子25およびレンズ26が、撮像ユニット24を構成している。
【0030】
照明装置27は、体内を照らすことで、カメラユニット11が撮影する映像を明瞭にするものである。照明装置27は、小型のものが好ましく、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等が好適に利用できる。なお、
図2に示すように、照明装置27はカメラユニット11に複数設置されていてもよい。
【0031】
また、カメラユニット11のカメラ筐体21は、レンズ26や照明装置27が配置された部分は透明の材料で構成されるが、それ以外の領域は、体内で目立ちやすい寒色系の青色や青緑色、緑色の材料で構成することが望ましい。また、カメラ側ケーブル12の表面の被膜を青色や青緑色、緑色の材料で構成することが、より一層望ましい。更に、ケーブルコネクタにも同様に着色した材料で構成することが望ましい。このように、赤色や黄色である体内色に対して、補色の関係にある寒色系の青色や青緑色、緑色にすることによって、後述する体内での設置作業や回収作業時に視認し易くできる。例えば、誤って体内に落とし、カメラユニット11が臓器の陰に隠れたときでも、カメラ側ケーブル12はカメラユニット11と比較して長いため、視認できる場所に見えていることが多く、直ぐに見つけやすい。よって、カメラ側ケーブル12を青色や青緑色、緑色にすることは、カメラユニット11の設置作業の時間短縮を図ることができ、安全性も高まるといった、特段の効果がある。このように、カメラユニット11やカメラ側ケーブル12の着色には、波長が420nm〜570nm(特に好ましくは、450〜530nm)の可視光に対応する色(体内で見やすい色)を用いることができる。
【0032】
また、上記のように、青色や緑色材料で着色する以外にも視認しやすい蓄光材料や反射材料を用いても良い。このようにすることによって、視認しにくい臓器の陰や、照明光がとどきにくい視野の端にあるときに、直ちに見つけることができるので、特に効果的である。
【0033】
(カメラ支持管13の構造)
図3に、カメラ支持管13および支持管接合部14の概略構造を示す。
図3(a)は、カメラ支持管13の斜視図である。カメラ支持管13は、カメラ側ケーブル12を内部に通して体外へ引き出した状態で、体内でカメラユニット11と接合されることで、カメラユニット11を支持する支持管である。カメラ支持管13は、腹壁等の体壁41を通じて、その一方の端部が体内に導入される。体内に導入された端部は、支持管接合部14にてカメラユニット11と接合される。
【0034】
図3(a)に示すように、カメラ支持管13は円筒状の管であり、体内に導入される側の端部に、係止穴123(凹部)を有している。カメラユニット11(
図1)との接合強度の観点から、カメラ支持管13は硬質な材料で形成される。カメラ支持管13の材質は、カメラユニット11を安定して支持することができる接合強度を得ることができるとともに、カメラユニット11を所望の位置並びに向きで固定することができる剛性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼、セラミックス(ファイン・セラミックス)、強化プラスチック等が挙げられる。
【0035】
カメラ支持管13は、円筒形状であるため物理的衝撃に強く、同じく円筒形状の管である一般的なカニューレとの組み合わせも容易である。なお、カメラ支持管13は、先端を尖らせたり、注射針のように斜めに輪切りした形状にしたりして、穿刺器具として兼用させてもかまわない。
【0036】
図3(b)は、カメラ支持管13および支持管接合部14の断面図であり、
図3(c)は、カメラ支持管13を支持管接合部14に挿入した状態を示す断面図である。
図3(b)・(c)に示すように、カメラ支持管13は、係止穴123よりも先の部分がテーパ形状(先細り形状)となっているため、カメラ支持管13の先端(体内側)は支持管接合部14の係止爪23に引っ掛からず、この先端が支持管接合部14の奥に至るまでカメラ支持管13を押し込むと係止穴123が係止爪23に嵌るようになっている。なお、カメラ支持管13は、上記の構造に限定されない。カメラ支持管13の両端部が同じ太さであってもよい。
【0037】
このように、カメラ支持管13の挿入を容易にするためにその先端部をテーパ形状(先細り形状)とする場合には、カメラ支持管13の肉厚を薄くすることで先細り形状とすることもできる。このとき、カメラ支持管13の内径を一定にして、外径のみを変える(先端に向けて外形を小さくする)ようにすれば、カメラ支持管内部に器具を挿入する際、器具が途中(狭くなった箇所)で引っ掛かって抜けなくなるようなことがなくなるため、より望ましい。
【0038】
なお、
図3(d)に示すように、カメラ支持管13に係止爪523を設け、支持管接合部14に係止穴423を設けることもできる。
【0039】
また、カメラ支持管13の端部に、
図12(a)・(b)に示すような外側面を一回りする溝状凹部132を設け、対する支持管接合部14には内側面を一回りする畝状凸部232を設けてもよい。また、カメラ支持管13の端部に外側面を一回りする畝状凸部を設け、対する支持管接合部14に内側面を一回りする溝状凹部を設けてもよい。こうすれば、カメラ支持管13を挿入する際に係止孔と係止爪との位置を一致させる操作を行う必要がなく、両者の接合が容易になり、嵌合強度も増すため、より望ましい。
【0040】
(カメラ支持管13のカニューレ31への挿入とカメラユニット11への接合)
図4(a)は、カニューレ31の断面図であり、
図4の(b)は、
図3の(a)〜(d)に示すカメラ支持管13を、
図4の(a)に示すカニューレ31に挿入した状態を示す断面図であり、
図4の(c)は、カニューレ31に挿入されたカメラ支持管13と
図2に示すカメラユニット11との接合状態を示す断面図である。
【0041】
図4(a)に示すように、カニューレ31は管状デバイスであり、一方の端部(体外側)が他方の端部(体内側)よりも太く、カニューレ31を体壁41に挿入したときに、一方の端部(体外側)がストッパとして機能するようになっている。これにより、カメラ支持管13が体内に抜けることがなく、カニューレ31を体壁41に固定することができる。
【0042】
また、この一方の端部(体外側)の内部に、復元性を有するバルブ37を有する構造である。バルブ37は、その中央部に、太い方の端部(体外側)から細い方の端部(体内側)の向きに外力が加わると押し広げられる弁構造を有している。
【0043】
なお、カニューレ31は、低侵襲性を実現するために、直径が小さいものが好ましい。具体的には、カニューレ31は、直径が3mm以下であることが好ましい。
【0044】
カメラユニット11を体内にてカメラ支持管13に接合する場合には、まず、
図4(b)に示すように、カメラ支持管13の内部にカメラ側ケーブル12を通した状態で、カメラ支持管13の細い方の端部を、カニューレ31の太い方(体外側)の端部に押し当て、カメラ支持管13の細い方の端部が、カニューレ31から露出するまで、カメラ支持管13をカニューレ31内に挿し込む。このとき、バルブ37はカメラ支持管13によって押し広げられ、その復元性による付勢力によってカメラ支持管13を強く締め付けることとなり、結果としてカメラ支持管13はカニューレ31に固定される。なお、カメラ支持管13の太い方の端部(体外側)もカニューレ31から露出させておく。
【0045】
次いで、
図4(c)に示すように、カメラ側ケーブル12をガイドとして用いて、カメラ支持管13の細い方の端部(体内側)を凹形状の支持管接合部14に挿入することで、係止爪23が係止穴123に嵌り、カメラユニット11とカメラ支持管13とが高い機械的強度で接合される。なお、係止爪23および係止穴123については、互いに嵌め合う形状であれば何でもよく、係止爪23の代わりにOリング等を用いることもできる。
【0046】
なお、カメラ支持管13と支持管接合部14とを嵌合させる強度は、カメラ側ケーブル12とカメラユニット11とを接着固定している接着固定部の接着強度より小さく設定しておくことが望ましい。これは、カメラ支持管13をカメラユニット11の支持管接合部14に挿入する際に、ケーブルを持ち、引っ張って支え、ケーブルをガイドにしながら挿入する必要があるため、もしカメラ支持管13と支持管接合部14との嵌合強度(接合強度)が、上記接着固定部の接着強度より大きいと、接着固定部が破損したり、カメラユニットが体外方向に引っ張られることで患者の体壁を損傷したりするおそれが生じるためである。
【0047】
具体的には、カメラ支持管13と支持管接合部14とを嵌合させる強度は、接着固定部の接着強度より小さい30N(ニュートン)以下にすることが望ましい。更に、最適な範囲としては、3Nから6Nの範囲に設定することが望ましい。この範囲に設定すれば、嵌め込む際にむやみに大きな力を加えることなく嵌合でき、また、カメラ支持管13が嵌った感触が手元に伝わるので、むやみに力を加え続けることなく、安全に設置できるといった特段の効果がある。
【0048】
なお、カメラ支持管13は、先端を尖らせたり、注射針のように斜めに輪切りした形状にしたりして、穿刺器具として兼用させてもかまわないことを前述したが、このように係止爪などで嵌合させずに支持管接合部14に差し込むだけの形状にし、
図13のようにカメラ支持管13の体外側端部49に設けたケーブル留め具43(ケーブルホルダ)でカメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に固定することによって、間接的にカメラ支持管13とカメラユニット11とを固定する構成にしてもよい。なお、ケーブル留め具43はカメラ支持管13と同体であっても別体であっても構わない。
【0049】
ここで、カメラ支持管13がカメラユニット11に設けられた支持管接合部14から外れないためには、カメラ側ケーブル12をカメラ支持管13に保持するケーブル留め具43のケーブル保持強度は、カメラ支持管13とカメラユニット11との接合強度より大きいことが必要である。具体的には、例えば、差し込んだカメラ支持管13の接合強度3N〜6Nとした場合、これより大きな強度、少なくとも5N以上は必要である。また、ケーブル自体の強度以上にする必要はないため、最適な範囲としては、5N〜50Nであることが望ましい。
【0050】
また、上記の保持強度であれば、カメラ支持管13と支持管接合部14とが十分に接触するので、カメラ支持管13と支持管接合部14の側面を熱伝導性の良い材料で形成した際に、カメラユニット11からの放熱性を高めることができる。
【0051】
図12に、上述した接合性や放熱性を高めた構成の一例を示す。
図12(a)は、カメラ支持管13および支持管接合部14の断面図であり、
図12(b)は、カメラ支持管13を支持管接合部14に挿入した状態を示す断面図である。また、
図12の(c)は、カメラ支持管13と
図2に示すカメラユニット11との接合状態を示す断面図である。
【0052】
図12(a)・(b)に示すように、カメラ支持管13の体内側の端部には、外側面を一回りする溝状凹部132を設けており、対する凹形状の支持管接合部14には内側面を一回りする畝状凸部232を設けている。
【0053】
さらに、凹形状の支持管接合部14は、その底部に、例えば、熱伝導性に優れた金属材料からなる伝熱性凸部14dを有し、伝熱性凸部14dの内部にカメラ側ケーブル12が接着固定されている。この場合、支持管接合部14の伝熱性凸部14dからカメラ側ケーブル12が引き出される。該接着固定の一例としては、圧着、接着剤またはOリング(オーリング)による封止固定が挙げられる。これにより、該接着固定された部分からカメラユニット11内への浸水および異物混入等が防止されている。
【0054】
より具体的には、伝熱性凸部14dは、支持管接合部14の開口部に近づくにつれて先細りする円錐台形状であり、その軸方向に形成された孔にカメラ側ケーブル12が通され、その孔内においてカメラ側ケーブル12と伝熱性凸部14dとが接着固定される。支持管接合部14に接合されるカメラ支持管13の端部(体内側)については、その内部(端部空間166)が、伝熱性凸部14dの円錐台形状に応じた逆テーパ形状(先端に近づくにつれて内径が大きくなる形状)となっている。これによって、カメラ側ケーブル12をガイドとして用いて、カメラ支持管13を接合する際に、カメラ支持管13の逆テーパ形状の端部空間166が支持管接合部14の伝熱性凸部14dへと誘導されるので、カメラ支持管13の挿入が容易となる。
【0055】
また、カメラ支持管13を支持管接合部14に嵌め込んだときに、カメラ支持管13の端部の外周面は支持管接合部14の内側壁に接触し、カメラ支持管13の端部の内周面は支持管接合部14の伝熱性凸部14dと接触することになるので、両者の接合性が高まるとともに、カメラユニット11からカメラ支持管13に伝わった熱の放熱性が更に向上するといった特段の効果が生じる。
【0056】
カメラ支持13の端部空間166を逆テーパ形状とする場合には、カメラ支持管13の外径を一定、もしくは、若干先細り形状とし、カメラ支持管13の肉厚を先端に向けて薄くすることで、カメラ支持管13の外径が太くならないようにすることが望ましい。このようにすれば、カメラ支持管13をカニューレ等の管状デバイス内部に挿入する際、カメラ支持管13が管状デバイスの内壁に引っ掛かって抜けなくなるような事態を回避することができる。
(実施形態1における体内監視カメラシステム1の使用方法と効果)
図5(a)〜(g)は、実施の形態1におけるカメラユニット11の体内設置方法を示す模式図であり、
図6は、実施形態1における体内監視カメラシステム1の使用状況を示す模式図である。
【0057】
図5(a)に示すように、まず、術者は、鉗子や内視鏡を体腔内に挿入するための孔(ポート)を腹壁41に開け、ポートにトロッカー32a〜32cを挿入する。さらに、カメラユニット11を体腔内に設置するために、腹壁41における、患部を含む臓器全体を見渡すことのできる位置にポートを開け、カニューレ31を挿入する。具体的には、針形状のオブチュレータをカニューレ31内に通した状態でオブチュレータをポートに穿刺することでカニューレ31が腹壁41に挿入される。また、カニューレ31は、低侵襲性を実現するために、直径が短いものが好ましい。具体的には、カニューレ31は、直径が3mm以下であることが好ましい。なお、トロッカー32a〜32cおよびカニューレ31の少なくとも一つが挿入された後、術者は、トロッカー32a〜32cを通してガスを体内に送り、前もって体腔内を膨張させ、器具を挿入する空間を確保しておく。
【0058】
次に、
図5(b)に示すように、術者は、トロッカー32cを通して内視鏡34を体腔内に挿入し、内視鏡34を用いて体内を観察しながら、鉗子33aで把持したカメラユニット11を、トロッカー32bを通して体腔内に挿入する。
【0059】
次に、
図5(c)に示すように、術者は、鉗子33aを操作してカメラユニット11をカニューレ31の近傍に移動させるとともに、カニューレ31を通して鉗子33bを体腔内に挿入する。
【0060】
次に、
図5(d)に示すように、術者は、鉗子33bにてカメラ側ケーブル12を挟んだ状態で鉗子33bをカニューレ31から引き抜くことで、カメラ側ケーブル12を体外に導出する。このとき、カメラユニット11(その握持部22)は鉗子33aによって把持された状態となっている。
【0061】
次に、
図5(e)に示すように、術者は、トロッカー32aを通して鉗子33cを体腔内に挿入し、カメラユニット11の支持管接合部14とカニューレ31の開口とが平行でかつ近接するように、カメラユニット11の両側面の握持部22を、2つの鉗子33a・33cで把持しつつ、体外に導出したカメラ側ケーブル12をカメラ支持管13の内部に通し、かつカメラ支持管13をカニューレ31に挿入する。
【0062】
次に、
図5(f)に示すように、術者は、カニューレ31から露出したカメラ支持管13の端部を、カメラ側ケーブル12をガイドとして用いて、カメラユニット11の支持管接合部14(
図1)に挿入し、カメラ支持管13とカメラユニット11とを接合する。
【0063】
なお、カメラ支持管13をカメラユニット11の支持管接合部14に挿入する際には、カメラ側ケーブル12のカメラユニット11との接着固定部の接着強度(例えば、30N以上)よりも、カメラ支持管13と支持管接合部14とを嵌合させるために必要な力(例えば、3N〜6N)を十分小さくしてあるので、ケーブルをガイドにしながら引っ張ることで、カメラ支持管13を安全に挿入し、嵌合させることができる。
【0064】
次いで、
図5(g)に示すように、術者は、体腔内をできるだけ広く撮影できるように、カメラ支持管13を引き上げ、カメラユニット11を、カニューレ31の体内側の端部と接触させる。カメラ支持管13はカニューレ31のバルブ37(
図4参照)によって強く締め付けられているため、カメラ支持管13およびカメラユニット11は、この状態を維持する。
【0065】
カメラユニット11を体内に設置した後は、
図6に示すように、コネクタ12a・16aを用いて、カメラ側ケーブル12と機器側ケーブル16とを接合する。これにより、処置部の局所映像は、内視鏡制御機器117によってディスプレイ118に表示され、カメラユニット11で撮影された臓器42の全体映像はカメラユニット制御機器17によってディスプレイ18に表示される。
【0066】
なお、
図11に示すように、カメラ側ケーブル12と機器側ケーブル16との間に、中間ケーブル15を設けることが望ましい。このようにすることによって、極細のカメラ側ケーブル12と太い機器側ケーブル16のケーブル径やケーブルコネクタの太さを段階的に変換することができ、伝送速度の比較的遅い細径ケーブルの使用を必要最低限にして構成できるので、伝送速度を高速化でき、高解像度画像を得ることができる。この場合、カメラ側ケーブルコネクタ15aと中間ケーブル15の第1中間ケーブルコネクタ15aとを嵌合することによって、カメラ側ケーブル12と中間ケーブル15とが接続される。また、機器側ケーブルコネクタ16aと中間ケーブル15の第2中間ケーブルコネクタ15bとを嵌合することによって、機器側ケーブル16と中間ケーブル15とが接続される。この例においてケーブル径やケーブルコネクタの太さを段階的に変換する場合、「カメラ側ケーブル12の外径<中間ケーブル15の外径<機器側ケーブル16の外径」、および、「カメラ側ケーブルコネクタ12aの外径≦第1中間ケーブルコネクタ15aの外径<第2中間ケーブルコネクタ15bの外径≦機器側ケーブルコネクタ16aの外径」とすることが望ましい。
【0067】
また、中間ケーブル15を使うことで、手術時の清潔野と不潔野の分離を効果的に行うことができるといった特段の効果がある。つまり、体内に入れるカメラ側ケーブル12は、前述した伝送速度の面や設置時の取扱いを容易にするため、必要最低限の長さに設定しておき、そこから清潔野を超えて不潔野に入るまでは、予め滅菌処理済みの中間ケーブル15を用いる。このようにすることによって、カメラ側ケーブル12のカメラ側ケーブルコネクタ12aと第1中間ケーブルコネクタ15aとの嵌合は、清潔野の中で行うことができ、清潔を維持できる。一方、第2中間ケーブルコネクタ15bは、不潔野にある機器側ケーブル16の機器側ケーブルコネクタ16aと嵌合され、不潔となり、嵌合後は不潔な器具として扱う。したがって、清潔な器具側とは完全に分離することができる。
【0068】
なお、体内監視カメラシステムにおいて「清潔野」に含まれる部分は、滅菌処理が行われて清潔性が維持されている。一方、「不潔野」に含まれる部分は、滅菌処理が行われていない、または、滅菌処理が行われた後に不潔野に入った部分である。
【0069】
なお、カメラ側ケーブル12と、中間ケーブル15もしくは機器側ケーブル16とをコネクタ12a・15aあるいはコネクタ12a・16aによって接続(嵌合)するときの接続強度(嵌合強度)は、カメラ側ケーブル12とカメラユニット11とを接着固定する接着固定部の接着強度より小さく設定しておくことが望ましい。
【0070】
これは、通常の使用時では想定していない大きな力がケーブルに加わった際に、先にコネクタ12a・15aあるいはコネクタ12a・16aによる接続(嵌合)部分が外れることにより、カメラ側ケーブル12の接着固定部が破損したり、カメラユニット11が体外方向に引っ張られることで患者の体壁を損傷したりするおそれを無くし、安全性を高めるためである。また、術者や助手等がケーブルを引っ掛けて転倒したり、カメラユニット制御機器17が引っ張られて台から落下したりする事故を防止することもできる。
【0071】
例えば、具体的には、コネクタ12a・15aあるいはコネクタ12a・16aによってケーブル同士を接続(嵌合)する強度は、接着固定部の接着強度より小さい30N(ニュートン)以下にすることが望ましい。更に、最適な範囲としては、4Nから10Nの範囲に設定することが望ましい。この範囲に設定すれば、接続する際にむやみに大きな力を加えることなく接続でき、また、外す際にも、むやみに大きな力を加える必要がない。
【0072】
また、不潔野にある機器側ケーブルコネクタ16aと第2中間ケーブルコネクタ15bとの篏合強度や、機器側ケーブル16におけるカメラユニット制御機器17側にあるケーブルコネクタ(不図示)による機器側ケーブル16とカメラユニット制御機器17との篏合強度を、カメラ側ケーブルコネクタ12aと第1中間ケーブルコネクタ15aとの篏合強度より大きく設定(例えば、50N〜100N)しておけば、ケーブルに想定外の力が加わった際に、清潔野におけるカメラ側ケーブル12と中間ケーブル15との接続(カメラ側ケーブルコネクタ12aと第1中間ケーブルコネクタ15aとの篏合)が必ず先に外れるように設定できる。
【0073】
もし、これが逆で、例えば不潔野における中間ケーブル15と機器側ケーブル16との接続(機器側ケーブルコネクタ16aと第2中間ケーブルコネクタ15bとの篏合)が先に外れてしまうと、反動で中間ケーブルの不潔野にある部分、および第2中間ケーブルコネクタが清潔野に入ってしまう危険が生じる。よって、清潔野における接続が先に外れることは、手術時の安全確保のために特段の効果がある。
【0074】
なお、もし、清潔野における接続が外れて中間ケーブルの清潔野にある部分、換言すれば、中間ケーブル15において、カメラ側ケーブルコネクタ12aと第1中間ケーブルコネクタ15aとの篏合部分から所定の長さの部分(清潔部分)、および第1中間ケーブルコネクタ15aが不潔野に触れた場合は、清潔な中間ケーブル15(第1中間ケーブルコネクタ15aを含む)と交換すればよいので安全である。また、コネクタが独立した単独の部品で構成されている場合であって、当該コネクタが中間ケーブル15の清潔野にある側とともに不潔野に触れた場合は、中間ケーブル15と当該コネクタとを清潔なものと交換すればよい。
【0075】
また、カメラ側ケーブル12は、カメラ側ケーブル12と上記清潔部分とを足した長さ(1m程度)に比べて十分短くしておくことが望ましい。具体的には、カメラ側ケーブル12は、カメラ側ケーブル12と上記清潔部分とを足した長さの半分以下、すなわち最長でも50cmであることが望ましい。これにより、カメラ側ケーブル12が不潔野に入ることを防ぐことができる。また、カメラ側ケーブル12は、カメラ支持管13の長さとカメラ支持管13を通すカニューレ31(管状デバイス)の長さとの和よりも小さいことが望ましい。
【0076】
また、上述した例では、カメラ側ケーブル12と機器側ケーブル16とを中間ケーブル15で接続する場合を説明したが、カメラ側ケーブル12と機器側ケーブル16とが直接接続される場合においても、カメラ側ケーブル12は、カメラ側ケーブル12と清潔部分とを足した長さ(1m程度)に比べて十分短くしておくことが望ましい。この場合、清潔部分は、機器側ケーブル16において、カメラ側ケーブルコネクタ12aと機器側ケーブルコネクタ16aとの篏合部分から所定の長さの部分となる。
【0077】
以上より、術者は、ディスプレイ118で作業領域(局所領域)を拡大観察しながら鉗子33aおよび鉗子33cによって処置を行いつつ、ディスプレイ18で作業領域外の状態(作業領域外の鉗子などの動きや、出血箇所、ガーゼなどの残留物等)も把握することができる。
【0078】
そして、カメラユニット11とカメラ支持管13とが高い機械的強度で接合され、従来よりもカメラユニット11の支持力が高い。また、カメラ側ケーブル12がカメラ支持管13の内部を通って体外に導出されるので、カメラユニット11とカメラ支持管13とが接合された後は、カメラ側ケーブル12に負荷がかかったり、カメラ側ケーブル12が体内で露出したり、腹壁41に接触したりすることがない。これにより、カメラ側ケーブル12および回路基板19(
図2)の電気的接続の確実性(接続部分の防水性、防汚性)が高まる。以上から、信頼性の高い体内監視カメラシステム1が実現できる。
【0079】
また、術者は、状況に応じてカメラ支持管13を操作し、カメラユニット11の向き(視野方向)を変えることができる。具体的には、腹壁41の弾力を利用して、カメラ支持管13を傾けることでカメラユニット11の向きを変えることができる。このとき、術者がカメラ支持管13から手を離すと、腹壁41の弾力で元の向きに戻るため、術者の作業効率を向上させることができる。また、カニューレ31およびこれに挿入したカメラ支持管13はともに円筒状の管であるため、カメラ支持管13を容易に円周方向に回転させることができる。これにより、術者は、腹壁41に負担をかけずにカメラユニット11の向きを変えることができる。また、カメラ支持管13は、カニューレ31によって、その長手方向(管の延伸方向)に移動可能に保持されているため、術者は、カメラ支持管13を体内側に押し込んだり、体外側に引き上げたりすることで、腹壁41に負担をかけずに撮像ズームを変えることも可能となる。以上から、使い勝手の良い体内監視カメラシステム1が実現できる。
【0080】
実施の形態1ではカニューレ31とカメラ支持管13とをカニューレ31内のバルブ37によって固定しているが、バルブ37を有していない一般的なカニューレを用いる場合には、カニューレ31とカメラ支持管13とをテープにて固定することもできる。
(カメラユニット11とカメラ支持管13との分離)
次に、カメラユニット11とカメラ支持管13とを分離させる方法について説明する。まず、術者は、体内のカメラユニット11の握持部22を鉗子33aおよび鉗子33cにて把持した状態でカメラ支持管13を体外方向に引っ張り、カメラ支持管13をカメラユニット11の支持管接合部14から引き抜く。次いで、術者は、カメラ支持管13をカニューレ31から引き抜いてカメラ支持管13とカメラ側ケーブル12とを分離させた後、トロッカー32aまたはトロッカー32bから、カメラユニット11およびカメラ側ケーブル12を体外に導出する。あるいは、切除した臓器を引き出すために開口した孔から引き出してもかまわない。
【0081】
なお、カメラユニット11とカメラ支持管13を分離させる時にも同様に、カメラ支持管13と支持管接合部14との嵌合強度は、カメラ側ケーブル12とカメラユニット11とを接着固定している接着固定部の接着強度より小さく設定しておくことが望ましい。もしカメラ支持管13と支持管接合部14との嵌合強度(接合強度)が、上記接着固定部の接着強度より大きいと、カメラ支持管13をカメラユニット11から外す際に、大きな力を加えなければならないため、接着固定部が破損したり、カメラユニットが体外方向に引っ張られることで患者の体壁を損傷したりするおそれが生じるためである。
【0082】
例えば、上記嵌合強度を、3Nから6Nの範囲に設定しておけば、むやみに大きな力を加えることなくカメラ支持管13を外すことができ、また、カメラ支持管13が外れた感触が手元に伝わるので、むやみに力を加え続けることがなく、安全に分離できるといった特段の効果がある。
【0083】
なお、カメラ側ケーブルコネクタ12aは、回収時に体内を経由するが、前述したように、清潔が維持されているため問題はない。
【0084】
(カメラユニット11内部の放熱手段)
次に、腹壁41に固定されるカメラユニット11(体内監視カメラ)の放熱について説明する。
図2で前述したカメラユニット11に設けられた各部品で発生した熱は、下記の様に伝導する。
【0085】
まず、固体撮像素子25で発生した熱は、固体撮像素子25の端子を介して回路基板19に伝えられる。そして、回路基板19に伝えられた熱は、回路基板19に接した支持管接合部14に伝えられる。あるいは、回路基板19に伝えられた熱は、回路基板19から離れた支持管接合部14に伝えられる。照明装置27で発生した熱も同様に、回路基板19を介して支持管接合部14に伝えられる。
【0086】
図4(c)に示す様に、支持管接合部14と回路基板19とは、面で対向するように配置されている。このため、カメラユニット11で発生した熱は、回路基板19を介して支持管接合部14に伝導する。そして、上記熱は、カメラ支持管13を通じてカメラユニット11から排出される。回路基板19と支持管接合部14とは、熱伝導率の高い接着剤、グリス等により熱的に接続されることが好ましい。この場合、熱伝導率の高い接着剤、グリス等が、固体撮像素子25および照明装置27で発生する熱を回路基板19を介して支持管接合部14に伝えるための導熱体として機能する。
【0087】
図7は、実施形態2に係るカメラユニット11及びカメラ支持管13の模式的断面図である。熱源である照明装置27、固体撮像素子25、及び、制御回路28は、熱伝導率の高い導熱体49により、支持管接合部14を介してカメラ支持管13に熱的に接続することが好ましい。これにより、照明装置27、固体撮像素子25、及び、制御回路28から発生した熱を、回路基板19を経由することなく、直接、支持管接合部14へ伝える事ができる。この結果、カメラユニット11で発生した熱をさらに効率よく排熱する事ができる。導熱体49としては、放熱性シリコンゴムが使用可能であるが、それに限定されるものではない。
【0088】
発熱部である照明装置27、固体撮像素子25、及び、制御回路28と、カメラ支持管13との間の熱抵抗は、熱源の発熱量にもよるが、20℃/W以下が好ましい。
【0089】
カメラユニット11の外表面が腹壁41に接触する可能性がある場合は、当該外表面は41℃以下にする必要がある。カメラユニット11から発生した熱を体外に放出するためには、室温を25℃、温度差は16℃、カメラユニット11の発熱量を0.75Wとすると、カメラユニット11の発熱部から支持管接合部14までの熱抵抗は、20℃/W以下であることが望ましいことになる。
【0090】
カメラ筺体21は、腹壁41に接触可能である。このため、カメラユニット11内の熱がカメラ筺体21を通って腹壁41に伝わりにくくする必要がある。従って、カメラ筺体21の熱伝導率(筐体熱伝導率)は、カメラ支持管13の熱伝導率(支持管熱伝導率)よりも低いことが望ましい。
【0091】
カメラ支持管13の熱伝導率がカメラ筺体21の熱伝導率よりも高いと、カメラ筐体21よりも先にカメラ支持管13に熱が伝わってカメラ支持管13から放熱が行われるため、カメラ筐体21の熱上昇を抑える事が出来る。
【0092】
(カメラユニット11の材料)
カメラ筐体21は、ポリカーボネイトなどの樹脂により構成することが適している。当該樹脂の熱伝導率は、0.2W/(m・K)前後である。但し、カメラ筺体21の材料は前記のものに限定されるものではない。
【0093】
カメラユニット11で発生した熱を、カメラ支持管13を通じて効率的に排出するためには、カメラ支持管13及び支持管接合部14の材料は熱伝導率の高い材料が好ましい。上記材料として、例えば、Ag、Cu、Al、SUS、真鍮、セラミック系素材等が使用可能である。但し、カメラ支持管13及び支持管接合部14の材料は前記のものに限定されるものではない。
【0094】
カメラ支持管13及び支持管接合部14の熱伝導率は、上記の様に、カメラ筺体21の熱伝導率よりも高い必要がある。上記熱伝導率は、少なくともカメラ筐体21を構成する樹脂の熱伝導率0.2W/(m・K)の5倍である1.0W/(m・K)以上の熱伝導率(高熱伝導率)が望ましい。
【0095】
〔実施形態2〕
また、カメラ支持管13及び支持管接合部14は、それぞれ複数の材料で構成してもかまわない。実施の形態1では、カメラ支持管の側面に係止孔(凹部)を設け、支持管接合部の側面に係止爪(凸部)を設けているが、支持管凹部と接合部凸部の少なくとも一方を樹脂などの弾性を持った材料、他方を金属等の硬質材料で構成してもよい。例えば、上記の係止爪23や係止爪523は、樹脂などの弾性を持った材料で構成してもよい。
【0096】
このように構成することによって、接合時に、接合部の係止爪23(弾性材)を配置したやや狭くなった箇所を、弾性材が変形しながら通過し、通過した後に弾性力で元の形状に戻って、しっかりと嵌合するので、接合強度が向上する。この例に限ることなく、支持管と接合部の凹凸部の少なくとも一方に弾性材を形成することでもよい。
また、このようにすることによって、嵌め込んだ感触が手元に伝わるので、操作している術者は嵌合した手ごたえを感じ、嵌合できたことが認識できので、むやみに力を加え続けることがないといった利点もある。
【0097】
したがって、支持管とその接合部の側面は熱伝導性の良い材料で形成してカメラユニットからの放熱性を高め、接合部の凸部分のみに弾性材を用いて接合強度を高め、かつ嵌合の手ごたえを感じる機能を追加するといったように、性質の異なる複数の材料を用いて構成すれば、接合性や放熱性といった要求される複数の性能を両立させることができる。
【0098】
なお、上記の例の構成例にかかわらず、これらの材料の組み合わせは逆であってもかまわない。すなわち、係止爪が金属などの硬質材料で構成され、係止孔を含む部分が樹脂などの弾性を持った材料で構成されていてもよい。
【0099】
以上種々の例について説明したが、このような支持管と接合部の構成材料については、他の実施形態においても、同様に複数の組み合わせで用いることができることは言うまでもない。
【0100】
〔実施形態3〕
図8は、実施形態3に係るカメラユニット11及びカメラ支持管13の模式的断面図である。カメラ支持管13のカニューレ31から体外側に露出した箇所に、ヒートシンク43(体内監視カメラ熱排出部、放熱量増加部)が設けられている。ヒートシンク43は、カメラユニット11から発生してカメラ支持管13を伝熱してきた熱を放散する。
【0101】
ヒートシンク43は、カメラ支持管13と一体に成型してもでもよいが、カメラユニット11へカメラ支持管13を結合した後にカメラ支持管13に取り付けてもよい。ヒートシンク43も、カメラ支持管13と同様に、カメラ筐体21よりも熱伝導率の高い材料により構成することが好ましい。
【0102】
ヒートシンク43をカメラ支持管13に取り付ける事により、カメラ支持管13からの熱を排出する表面積が増加する。このため、カメラ支持管13からの熱の空気中への排出量が多くなる。この結果、カメラユニット11の放熱の効率が向上する。
【0103】
カメラ支持管13からの熱の空気中への排出量をさらに増加させるには、ヒートシンク43に接する空気の移動量を増大させるための放熱ファン46を設けることが好ましい。当該放熱ファン46により、ヒートシンク43へ送風し、もしくは、ヒートシンク43付近の空気を排出する。このように、
図8においては、カメラ支持管13から伝わった熱を外気に放出するヒートシンク43(放熱部)と、ヒートシンク43に送風する放熱ファン46(放熱量促進部)とを含むように冷却システム77が構成される。
【0104】
〔実施形態4〕
図9は、実施形態4に係るカメラユニット11及びカメラ支持管13の模式的断面図である。カメラ支持管13のカニューレ31から体外側に露出した箇所に、広い面積で接するように低温材料取り付け板44が取り付けられている。そして、低温材料取り付け板44に低温材料40(体内監視カメラ熱排出部、伝導熱吸収部)が設けられる。低温材料40は、カメラユニット11から発生してカメラ支持管13に伝導された熱を、低温材料取り付け板44を介して吸収する。このように、
図9においては、低温材料取り付け板(冷却材取り付け板)44と、カメラ支持管13から低温材料取り付け板44を介して伝わった熱を吸収する低温材料40(冷却材、吸熱部)とを含むように冷却システム77が構成される。
【0105】
低温材料40は、凍らせた保冷材、ドライアイスを入れたケースが使用可能である。但し、熱を吸収するものであれば前記のものに限定されるものではない。
【0106】
〔実施形態5〕
図10は、実施形態5に係るカメラユニット11及びカメラ支持管13の模式的断面図である。カメラ支持管13のカニューレ31から体外側に露出した箇所に、広い面積で接するように低温材料取り付け板44が取り付けられている。そして、ヒートシンク43と低温材料取り付け板44との間にペルチェ素子45が配置されている。ペルチェ素子45は、カメラユニット11からカメラ支持管13を通ってきた熱をヒートシンク43に移動させる。ヒートシンク43には、放熱ファン46が設けられている。放熱ファン46は、ヒートシンク43に移動した熱を空気中に排出する。
【0107】
カメラユニット11で発生した熱は、カメラ支持管13を通じて低温材料取り付け板44に伝えられる。ペルチェ素子45は、低温材料取り付け板44側で吸熱を行い、ヒートシンク43側で発熱が起こる様に、ペルチェ素子用ケーブル47・48により電圧が与えられている。このように、カメラ支持管13から伝えられた熱は、ペルチェ素子45により、低温材料取り付け板44からヒートシンク43に移動する。ヒートシンク43に移動した熱は、ヒートシンク43に取り付けられた放熱ファン46により空気中に排出される。このため、効率良く放熱が行える。このように、
図10では、低温材料取り付け板44と、カメラ支持管13から低温材料取り付け板44に伝わった熱をヒートシンクに効率的に移動させるペルチェ素子45(放熱量促進部)と、ペルチェ素子45からの熱を外気に放出するヒートシンク43(放熱部)と、ヒートシンク43に送風する放熱ファン(放熱促進部)とを含むように冷却システム77が構成される。
【0108】
上記実施形態はヒートシンク43に放熱ファン46を取り付けた場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。放熱ファン46を取り付けないで、ヒートシンク43を自然対流により冷却する事も可能である。
なお、冷却システムは、カメラ支持管の体外部分に室温の風または室温未満の冷風を送るような構成であってもよいし、電力を用いた冷却装置とカメラ支持管とを伝熱体で繋ぐような構成であっても構わない。
【0109】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る体内監視カメラシステム1は、一方の端部が体内に導入される支持管(カメラ支持管13)と、上記支持管と前記体内にて接合される体内監視カメラ(カメラユニット11)と、上記体内監視カメラと上記支持管とを接合する接合部(支持管接合部14)と、上記体内監視カメラに接続され、上記支持管を通って体外へ引き出されるケーブル(カメラ側ケーブル12)と、体外にあり、上記ケーブルに接続され、少なくとも表示装置(ディスプレイ18)を含む制御システム(カメラユニット制御機器17)と、を備える体内監視カメラシステムであって、上記体内監視カメラから発生する熱を、上記支持管を介して前記体外へ排出する体内監視カメラ熱排出部(低温材料40、ヒートシンク43、放熱ファン46)を備えている。
【0110】
上記の構成によれば、体内監視カメラ熱排出部により、上記体内監視カメラから発生する熱を、上記支持管を介して前記体外へ排出する。上記支持管は一方の端部が体内に導入される。このため、上記支持管の他方の端部を通して、体内監視カメラ内部で発生した熱を効率的に排出することが出来る体内監視カメラシステムを提供することができるという効果を奏する。
【0111】
本発明の態様2に係る体内監視カメラシステム1は、上記態様1において、上記体内監視カメラ熱排出部が、上記体内監視カメラから発生して上記支持管に伝導された熱を吸収する伝導熱吸収部(低温材料40)を含んでもよい。
【0112】
上記の構成によれば、上記体内監視カメラから発生して上記支持管に伝導された熱を吸収するので、体内監視カメラ内部で発生した熱を効率的に排出することが出来る。
【0113】
本発明の態様3に係る体内監視カメラシステム1は、上記態様2において、上記伝導熱吸収部が、上記伝導された熱を吸収する低温材料40を含んでもよい。
【0114】
上記の構成によれば、低温材料により、上記体内監視カメラから発生して上記支持管に伝導された熱を吸収するので、体内監視カメラ内部で発生した熱を効率的に排出することが出来る。
【0115】
本発明の態様4に係る体内監視カメラシステム1は、上記態様1において、上記体内監視カメラ熱排出部が、上記支持管から空気中への放熱量を増加させる放熱量増加部(ヒートシンク43、ペルチェ素子45、放熱ファン46)を含んでもよい。
【0116】
上記の構成によれば、上記体内監視カメラから発生して上記支持管に伝導された熱の空気中への放熱量が増加するので、体内監視カメラからの熱を効率的に排出することが出来る。
【0117】
本発明の態様5に係る体内監視カメラシステム1は、上記態様4において、上記放熱量増加部が、上記支持管からの熱を放散するヒートシンク43を含んでもよい。
【0118】
上記の構成によれば、ヒートシンクにより、上記体内監視カメラから発生して上記支持管に伝導された熱が放散されるので、体内監視カメラからの熱を効率的に排出することが出来る。
【0119】
本発明の態様6に係る体内監視カメラシステムは、上記態様5において、上記放熱量増加部が、上記ヒートシンクに接する空気の移動量を増大させるための放熱ファン46をさらに含んでもよい。
【0120】
上記の構成によれば、放熱ファンにより、上記ヒートシンクに接する空気の移動量が増大するので、体内監視カメラから上記支持管を介して上記ヒートシンクに伝達された熱を効率的に排出することが出来る。
【0121】
本発明の態様7に係る体内監視カメラシステムは、上記態様5において、上記放熱量増加部が、上記ヒートシンクと上記支持管との間に配置され、上記支持管からの熱を上記ヒートシンクに移動させるペルチェ素子45をさらに含んでもよい。
【0122】
上記の構成によれば、ペルチェ素子により、上記支持管からの熱が上記ヒートシンクに移動するので、体内監視カメラから上記支持管に伝達された熱を効率的に排出することが出来る。
【0123】
本発明の態様8に係る体内監視カメラシステムは、上記態様7において、上記放熱量増加部が、上記ヒートシンクに移動した熱を空気中に排出するための放熱ファンをさらに含んでもよい。
【0124】
上記の構成によれば、放熱ファンにより、上記ヒートシンクに移動した熱が空気中に排出されるので、体内監視カメラから上記支持管、上記ペルチェ素子を介して上記ヒートシンクに移動した熱を効率的に排出することが出来る。
【0125】
本発明の態様9に係る体内監視カメラシステムは、上記態様1において、上記体内監視カメラが、体壁に接触可能な撮像筐体を有し、上記支持管を構成する材料の支持管熱伝導率は、上記撮像筐体の材料の筐体熱伝導率よりも高いことが好ましい。
【0126】
上記の構成によれば、上記支持管を構成する材料の支持管熱伝導率は、上記撮像筐体の材料の筐体熱伝導率よりも高いので、上記体内監視カメラから発生した熱が、一方の端部が体内に導入される上記支持管に伝達されやすくなり、上記支持管の他方の端部を介して、上記熱を効率的に排出することが出来る。
【0127】
本発明の態様10に係る体内監視カメラシステムは、上記態様9において、上記支持管熱伝導率が、上記筐体熱伝導率の5倍以上であることが好ましい。
【0128】
上記の構成によれば、上記支持管熱伝導率は、上記筐体熱伝導率の5倍以上なので、上記体内監視カメラから発生した熱が、一方の端部が体内に導入される上記支持管により一層伝達されやすくなり、上記支持管の他方の端部を介して、上記熱をより一層効率的に排出することが出来る。
【0129】
本発明の態様11に係る体内監視カメラシステムは、上記態様1において、上記体内監視カメラが、体内を照らす照明装置と、上記照明装置によって照らされた体内を撮像する撮像素子と、上記照明装置と上記撮像素子と上記接合部とを熱的に接続する導熱体とを含んでもよい。
【0130】
上記の構成によれば、導熱体により、上記照明装置と上記撮像素子と上記接合部とが熱的に接続される。このため、上記照明装置と上記撮像素子とから発生した熱が、一方の端部が体内に導入される上記支持管に容易に伝達される。この結果、上記支持管の他方の端部を介して、上記照明装置と上記撮像素子とから発生した熱を効率的に排出することが出来る。
【0131】
本発明の態様12に係る体内監視カメラシステムは、上記態様11において、上記照明装置と上記接合部との間、及び、上記撮像素子と上記接合部との間の熱抵抗が20℃/W以下であることが好ましい。
【0132】
上記の構成によれば、上記照明装置と上記接合部との間、及び、上記撮像素子と上記接合部との間の熱抵抗は20℃/W以下であるので、上記照明装置と上記撮像素子と上記接合部とがより一層熱的に接続される。このため、上記照明装置と上記撮像素子とから発生した熱が、一方の端部が体内に導入される上記支持管により一層容易に伝達される。この結果、上記支持管の他方の端部を介して、上記照明装置と上記撮像素子とから発生した熱をより一層効率的に排出することが出来る。
【0133】
本発明の態様13に係る体内監視カメラシステムは、一方の端部が体内に導入される支持管と、上記支持管と前記体内にて接合される撮像部と、上記撮像部と上記支持管とを接合する接合部と、上記撮像部に接続され、上記支持管を通って体外へ引き出されるケーブルと、体外にあり、上記ケーブルに接続され、少なくとも表示装置を含む制御システムと、上記撮像部の熱が伝わる上記支持管を冷却する冷却システムとを備えることを特徴とする。
【0134】
本発明の態様14に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13において、上記冷却システムは、上記支持管から伝わった熱を吸収する吸熱部を含む構成である。
【0135】
本発明の態様15に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13において、上記冷却システムは、上記支持管から伝わった熱を外気に放出する放熱部を含む構成である。
【0136】
本発明の態様16に係る体内監視カメラシステムは、上記態様15において、上記冷却システムは、放熱部による外気への熱の放出を促進させる放熱促進部を備える構成である。
【0137】
本発明の態様17に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13〜16のいずれか1つにおいて、上記支持管に用いられる材料の熱伝導率は、上記撮像部の筐体に用いられる材料の熱伝導率よりも高い構成である。
【0138】
本発明の態様18に係る体内監視カメラシステムは、一方の端部が体内に導入される支持管と、上記支持管と前記体内にて接合される撮像部と、上記撮像部と上記支持管とを接合する接合部と、上記撮像部に接続され、上記支持管を通って体外へ引き出されるケーブルと、体外にあり、上記ケーブルに接続され、少なくとも表示装置を含む制御システムと、上記撮像部内の発熱部材(例えば、照明装置、撮像素子、制御回路)で生じた熱を上記接合部に伝える導熱体とを備えることを特徴とする。
【0139】
本発明の態様19に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13〜18のいずれか1つにおいて、上記支持管もしくは上記接合部のいずれか一方は、弾性材と、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率を持つ高熱伝導率材との組み合わせで構成される。
本発明の態様20に係る体内監視カメラシステムは、上記態様19において、上記支持管は、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率を持つ高熱伝導率材で構成され、上記接合部は、弾性材と、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率を持つ高熱伝導率材との組み合わせで構成される。
【0140】
本発明の態様21に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13〜20のいずれか1つにおいて、凹形状である上記接合部は、その底部に伝熱性を有する伝熱性凸部を有し、上記撮像部および上記支持管の接合時に、上記支持管の内周面と上記伝熱性凸部とが接触する構成である。
【0141】
本発明の態様22に係る体内監視カメラシステムは、上記態様20において、上記伝熱性凸部は、上記接合部の開口に近づくにつれて先細りする形状である構成である。
【0142】
本発明の態様23に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13〜22のいずれか1つにおいて、上記ケーブルを保持して上記支持管に固定するケーブルホルダを備え、上記ケーブルホルダのケーブル保持強度は、上記支持管と上記接合部の接合強度よりも大きい構成である。
【0143】
本発明の態様24に係る体内監視カメラシステムは、上記態様23において、上記接合強度は、3Nから6Nの範囲である構成である。
【0144】
本発明の態様25に係る体内監視カメラシステムは、上記態様13〜24のいずれか1つにおいて、上記ケーブルを保持して上記支持管に固定するケーブルホルダを備え、上記ケーブルホルダのケーブル保持強度は、5Nから50Nの範囲である構成である。
【0145】
本発明の態様26に係る体内監視カメラシステムの支持管は、上記撮像部の筐体に用いられる材料よりも高い熱伝導率を持つ高熱伝導率材が、上記支持管および接合部それぞれに用いられている上記態様13〜25のいずれか1つの体内監視カメラシステムの支持管であって、撮像部との接合時に、上記支持管の高熱伝導率材が、上記接合部の高熱伝導率材に接触することを特徴とする。
【0146】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。