(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カレンダー上で当該施設名が選択された場合に、当該施設名の設備点検画像が前記モニターに表示されるように、設備点検画像を前記カレンダー上の施設名にリンクさせる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の設備点検システムの管理サーバ。
【背景技術】
【0002】
従来、設備の点検は、点検員が設備の有無や状態などを確認し、点検結果をレポートなどにまとめることで行うようになっている。しかしながら、このような設備点検は、ほとんどが人手に委ねられているので、手間がかかる上に、信頼性が点検員に左右されるという欠点がある。
【0003】
一方で、設備の点検とは異なるが、例えば特許文献1には、住宅の施工画像を用いることにより、施工状況を一元管理することができると共に非常に簡単に施工報告書の作成を行うことができる、施工管理システムが開示されている。簡単に説明する。特許文献1で開示されている技術は、携帯電話で住宅の施工画像を撮像し、この画像をネットワーク経由で管理サーバに送信する。この管理サーバは、ネットワーク経由でコンピューターに管理画像を送信する。コンピューターは、施工画像が貼り付けられた施工報告書を住宅毎に作成する。
【0004】
また、特許文献2には、カメラ付き携帯端末で建物及び設備の画像を撮像し、この画像をネットワーク経由でサーバに送信し、このサーバによって画像が貼り付けられた点検報告書を作成する、建物管理システムが開示されている。このようなシステムを用いれば、設備の状況がカメラ付き携帯端末で送信されるので、瞬時に設備の状況を把握できるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、建物の施工や設備点検に、カメラ付き携帯電話で撮像した画像を利用すれば、施工や設備点検の一元管理がし易くなると共に、報告書の作成も容易となる。
【0007】
ところが、特許文献1で開示された施工管理システムは、住宅毎の管理については詳細に検討されているが、複数の住宅あるいは建物間での管理については、十分に配慮されているとは言えない。このことは、特許文献2で開示された建物管理システムについても同様である。
【0008】
また、ユーザが点検結果を見るときの利便性も、十分に検討されているとは言えなかった。
【0009】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、設備点検管理の利便性をより向上し得る、設備点検システムの管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の設備点検システムの管理サーバの一つの態様は、
カメラ機能付携帯端末と、管理サーバと、顧客側端末と、を含む設備点検システムに用いられる、前記管理サーバであって、
設備点検を行う施設名、及び、各施設の点検予定日の情報が記憶された記憶部と、
設備点検を行う各施設の施設名を、設備点検を行う日に対応するカレンダーの日付欄に配置して表示するモニターと、
前記カメラ機能付携帯端末からの画像を受信可能な通信部と、
前記カメラ機能付携帯端末から受信した、設備点検を行った施設名及び点検日の情報を、前記記憶部に記憶された前記施設名及び前記点検予定日と照合することで、前記カレンダー上に表示した各施設名についての設備点検
状況を判断する判断部と、
前記判断部
の判断
結果に基づいて、前記モニター上での
施設名の表示色を変更する表示制御部と、
を具備し、
前記カメラ機能付携帯端末との連携により、前記カレンダーの施設名の表示色を変更する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設備点検を行う各施設の施設名を、設備点検を行う日に対応するカレンダーの日付欄に配置して表示し、カレンダー上に表示した各施設名についての、設備点検画像を受信したか否かを判断し、設備点検画像を受信したと判断された施設名のモニター上での表示色を変更したことにより、点検する施設が多数存在する場合でも、ユーザがその点検状況をひと目で認識できる。この結果、設備点検管理の利便性をより向上し得る、設備点検システムの管理サーバを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態の設備点検システムは、設備点検を行った現地から、スマートフォンを利用して、業務分類、請元情報、点検施設名、点検写真、コメントなどの情報を入力し、それを共有サーバに送信(アップ)することで、設備点検の情報を設備点検を依頼した顧客と共有できるようになっている。
【0015】
また、本実施の形態の設備点検システムは、管理画面の表示を工夫することで、設備点検管理の利便性を向上し得るようになっている。
【0016】
<システム構成>
図1は、本実施の形態の設備点検システムの概要を示す図である。
【0017】
設備点検システム10は、スマートフォン11と、管理サーバ100とが、インターネットなどの通信網12を介して接続されている。また、設備点検システム10は、管理サーバ100と、顧客側端末13とが、通信網12を介して接続されている。ここで、管理サーバ100は、管理者側と顧客側とで共有されるので、共有サーバと呼んでもよい。管理サーバ100は管理側端末14と接続される。また、スマートフォン11は、設備点検を請け負った会社の社員によって携帯される。
【0018】
図2は、管理サーバ100の構成を示すブロック図である。
図2では、管理サーバ100の構成のうち、本実施の形態において特徴的な部分のみが示されている。
【0019】
通信部101は、スマートフォン11及び顧客側端末13との通信を確立するための種々の処理を実行するようになっている。通信部101は、例えば、受信時には、MACアドレスなどの宛先アドレスの確認や、パスワードの認証などを行い、自装置宛の信号であることを確認した信号に対して、復号処理などの所定の受信処理を施す。また、通信部101は、送信時には、送信信号に符号化や暗号化などを施した後、所定の通信フレームの信号を形成して送信する。
【0020】
具体的には、通信部101は、スマートフォン11からの信号を受信すると、スマートフォン11から送られてきたログイン名やパスワードなどの確認を行い、ログイン名やパスワードが予め登録されたものと一致したスマートフォンからの信号の受信を許可する。後で詳細に説明するが、管理サーバ100は、スマートフォン11から、現場の点検写真とともに、点検した施設名、点検写真を撮影した日付などの情報を受信する。通信部101は、スマートフォン11から受信した点検写真、点検した施設名、点検写真を撮影した日付などを、判断部102に出力する。
【0021】
記憶部103には、点検を行う施設名、各施設の点検を行う点検予定日、点検を依頼した顧客名、カレンダーなどが記憶されている。これらの各項目は、キーボードなどの入力部104を用いて予め入力すればよい。因みに、入力部104は、管理側端末14に設けられていてもよい。
【0022】
判断部102は、スマートフォン11から受信した施設名、点検日を、記憶部103に記憶されている施設名、点検日と照合することで、各施設についての設備点検の画像を受信して点検が終了したか否かを判断し、判断結果を表示制御部105に出力する。具体的には、判断部102は、記憶部103に記憶されたある施設の写真をスマートフォン11から受信した場合には、その施設の検査が終了したと判断し、これを表示制御部105に通知する。
【0023】
表示制御部105は、記憶部103からのカレンダー情報を用いて、設備点検を行う各施設の施設名を、設備点検を行う日に対応するカレンダーの日付欄に配置して表示するモニター106に表示させる。また、表示制御部105は、点検が終了した施設名と点検が終了していない施設名の色を、異なる色で表示させる。
【0024】
これにより、ユーザは、各施設の点検スケジュールを容易に把握できるのに加えて、点検が終了している施設と終了していない施設をひと目で識別できる。さらに、ユーザは、点検が終了していない施設については点検予定日をどれくらい過ぎているかや点検予定日まであと何日あるかをひと目で認識できる。この結果、点検の遅れなどをひと目で認識できるので、まだ点検が終了していない施設の点検スケジュールを組み直す際などに非常に便利である。
【0025】
図3は、モニター106に表示される設備点検スケジュールの例を示す。
【0026】
図に示すように、設備点検を行う各施設名は、カレンダーの各施設の設備点検を行う日に対応する日の欄に表示される。そして、各施設名「札幌駅前店」、「押上センター」、「江東支店」のうち、点検写真を既に受信した施設名は例えば緑色で表示され、点検写真を未だ受信していない施設名は例えば赤色で表示される。これにより、点検対象の施設名が多数存在する場合でも、ユーザは、点検の終了状況をひと目で確認できる。
【0027】
なお、これに加えて、現在の日付を基準にして、現在の日付と、各施設の点検予定日との関係に基づいて、各施設名の表示色を制御すると好適である。例えば、現在の日付を基準にして、点検予定日が近い施設名と点検予定日が遠い施設名の表示色を変えるようにしてもよい。また、点検が未だ終わっていない施設名についても、一様に同じ色(例えば赤色)にするのではなく、点検予定日を過ぎてしまっている施設名と点検予定日を過ぎていない施設名の表示色を変えてもよい。さらに、管理サーバ100に予め点検予定日が設定されておらず、スマートフォン11から緊急で点検写真が送られてきた場合には、点検予定日が設定されている施設名とは異なる色で施設名を表示するとよい。例えば、消防設備などについては、点検予定日が設定されていなくても緊急で設備点検を行う場合がある。このような場合に、表示色を異なる色にすれば、その設備点検が緊急点検であったことを容易に認識できるようになる。また、このような緊急時には、後述する点検レポートも優先的に至急顧客側端末に送信するようにするとよい。
【0028】
また、管理サーバ100は、カレンダー上の施設名と、受信したその施設の設備点検写真とをリンクさせており、これにより、カレンダー上で当該施設名が選択された場合に、当該施設名の設備点検写真をモニター106に表示できるようになっている。例えば、ユーザが、モニター106上の施設名の色を見て、「札幌駅前店」の点検が終了していることを確認し、この「札幌駅前店」の施設名の位置にマウスカーソルを合わせてマウスをクリックすると、「札幌駅前店」の点検写真がモニター106に表示される。これにより、ユーザが設備点検結果を見るときの利便性が向上する。
【0029】
実際上、本実施の形態の管理サーバ100は、
図3のスケジュールに表示された施設名が選択されると、レポート作成部107によって作成された点検レポートをモニター106に表示するようになっている。
図4に、レポート作成部107によって作成され、モニター106に表示される、点検レポートの例を示す。
図4を見れば分かるように、点検レポートには、施設名、点検写真に加えて、見積金額や、点検項目、現在のステータスなどが含まれる。
【0030】
レポート作成部107は、記憶部103に記憶された施設名、点検予定日、顧客名に加えて、通信部101を介して受信した点検写真、点検実施日と、入力部104を介してユーザにより入力されたコメントとを用いて、
図4に示したような点検レポートを作成する。因みに、入力部104を介してユーザが、レポート作成部107で作成される点検レポートの内容を制限することもできる。このようにすることで、例えば顧客に応じて、点検レポートに含める情報を制限できるようになる。
【0031】
レポート作成部107によって作成された点検レポートは、データ格納部108に格納される。データ格納部108は、表示制御部105から要求があった施設の点検レポートを表示制御部105に出力し、表示制御部105はこの点検レポートをモニター106に表示する。
【0032】
また、データ格納部108は、顧客側端末13から要求があった施設の点検レポートを通信部101を介して顧客側端末13に送る。これにより、顧客側端末13では、点検写真や見積などを含む点検レポートを容易に見ることができる。
【0033】
<スマートフォンによる設備点検情報の送信>
スマートフォン11には、予め、本実施の形態による設備点検サービスのアプリケーションプログラムが、インターネットを介してダウンロードされる。以下に説明する、スマートフォン11による設備点検情報の送信処理は、このアプリケーションプログラムに基づいて行われる。
【0034】
先ず、
図5に示すように、スマートフォン11のホーム画面に表示された「設備点検サービス」のアイコンをユーザがタップすると、スマートフォン11には、
図6に示すようなログイン画面が表示される。ユーザは、ログイン名と、パスワードとを入力した後、ログインボタンをタップする。
【0035】
すると、スマートフォン11には、
図7に示すような分類選択画面が表示される。なお、
図7の例では、分類選択画面に、点検、工事、誤報、訓練、調査の項目が表示されるが、
図7の画面を表示せずに、続く点検の処理に一意に移ってもよい。
【0036】
ユーザにより点検のボタンがタップされると、
図8に示すような請元(顧客)選択画面が表示される。ユーザは、表示された複数の請元(顧客A、顧客B、顧客C、顧客D)の中から、点検を依頼した顧客を選択してタップする。
【0037】
すると、
図9に示すような、選択された顧客によって設備点検を依頼された施設名が表示される。ユーザは、表示された施設名の中から、これから点検作業を行おうとする施設名を選択してタップする。
【0038】
次に、スマートフォンには、
図10に示すような点検項目選択画面が表示される。ユーザは、表示された複数の点検項目の中から、点検しようとする項目を選択してタップする。
図10は、消防点検の項目がタップされた例である。
【0039】
次に、
図11に示すように、ユーザが「写真」のタブをタップすると、写真登録画面が表示される。ユーザは、画面キーボードを使って「登録する画像コメント」の欄に、これから撮ろうとする写真の名前などを入力できるようになっている。
図12に示すように、ユーザが「登録する画像コメント」の欄に写真の名前などを入力し、カメラ起動ボタンをタップすると、スマートフォン11はカメラ撮像モードとなる。
【0040】
ユーザが設備を撮像すると、スマートフォン11には、
図13に示すように、撮像した画像が表示される。ここで、ユーザが「点検」のタブをタップすると、スマートフォン11には、
図7から
図13までの処理で入力されたデータが撮像された写真とセットで登録される。
【0041】
次に、スマートフォン11には、
図14に示したような画像が表示され、ユーザが「アップロード」のボタンをタップすると、上記登録されたデータと写真が、管理サーバ100にアップロードされる。
【0042】
このように、現場にいる設備点検担当者の持っているスマートフォン11から、管理サーバ100に、設備の点検写真と、顧客名、施設名、点検項目、及び、写真に対するコメントの情報と、がアップロードされる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、モニター106にカレンダーを表示し、設備点検を行う各施設名を、カレンダーの各施設の設備点検を行う日に対応する日の欄に表示し、カレンダー上に表示した各施設名についての設備点検の写真を受信したか否かを判断し、設備点検の写真を受信した施設名のモニター106上での表示色を変更するようにしたことにより、点検する施設が多数存在する場合でも、ユーザがその点検状況をひと目で認識できる。この結果、設備点検管理の利便性をより向上し得る設備点検システム10の管理サーバ100を実現できる。
【0044】
また、表示制御部105が、受信された設備点検画像が予め決められたカメラ機能付携帯端末からのものである場合にのみ、表示色を変更することにより、不審な携帯端末からの影響を排除でき、設備点検管理の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、カレンダー上の施設名と、設備点検画像とがリンクされているので、ユーザは、設備点検が終了している施設をその表示色により確認した上で、所望の施設名を選択してクリックするだけで、その施設の設備点検画像を迅速に見ることができるようになる。これにより、ユーザが設備点検結果を見るときの利便性も向上される。
【0046】
さらに、管理サーバ100は、各施設名が配置されたカレンダーを、点検を依頼した顧客ごと作成し、表示するようになっている。これにより、ユーザは、顧客毎のスケジュール管理がし易くなる。
【0047】
なお、スマートフォン11に保持されている施設名、業務分類、諸元情報などの追加や変更は、管理側端末14及び又は管理サーバ100などを介して行えばよい。例えば、管理サーバ100へのスマートフォンのログイン時に、スマートフォン11の情報が最新の情報に変更されるようにすればよい。
【0048】
なお、上述の実施の形態では、スマートフォン11を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、設備点検画像を撮像して管理サーバ100にアップロードできるものであれば、どのようなカメラ機能付携帯端末を用いてもよい。
【0049】
また、上述の実施の形態の管理サーバ100は、メモリ・CPUを含むコンピューターによって構成することができる。そして、管理サーバ100を構成する判断部102、表示制御部105及びレポート作成部107などの各構成要素の機能は、メモリ上に記憶されたコンピュータプログラムをCPUが読み出して実行処理することで実現できる。
【0050】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。