特許第6199610号(P6199610)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199610
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】耕耘整地作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/04 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   A01B35/04 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-115553(P2013-115553)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233222(P2014-233222A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 誠
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−204163(JP,A)
【文献】 特開2007−082442(JP,A)
【文献】 特開2012−187065(JP,A)
【文献】 特開2012−187066(JP,A)
【文献】 特開2012−187064(JP,A)
【文献】 特開2012−210176(JP,A)
【文献】 米国特許第04664201(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 27/00−31/00,35/00−49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、
前記耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、
前記上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた第1の整地体と、
前記第1の整地体の後部に上下方向に回動自在に設けられた第2の整地体と、
前記第2の整地体の幅方向端部に、該第2の整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びる回動中心軸を中心として上下方向に回動自在に設けられた延長整地体とを備え、
前記延長整地体は、前記第2の整地体よりも下方に回動可能であり、
前記延長整地体には、前記回動中心軸に対して接近及び離反可能に支持されて前記第2の整地体の幅方向端部に接触して前記延長整地体の下方への回動量を調整可能な位置調整部材を有する下方回動量調整機構が設けられている
ことを特徴とする耕耘整地作業機。
【請求項2】
前記下方回動量調整機構の前記位置調整部材により、前記延長整地体の後部が該延長整地体の幅方向全体にわたって圃場表面に接地可能である
ことを特徴とする請求項に記載の耕耘整地作業機。
【請求項3】
前記下方回動量調整機構の前記位置調整部材は、前記延長整地体の下方への回動量を無段階に調整可能である
ことを特徴とする請求項又はに記載の耕耘整地作業機。
【請求項4】
前記位置調整部材は、ボルトである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耕耘整地作業機。
【請求項5】
前記下方回動量調整機構は、前記ボルトの軸部に対するナットの螺合位置を調整することにより、前記延長整地体の下方への回動量を調整可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の耕耘整地作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘ロータの後方に圃場を整地する整地体を備えた耕耘整地作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘整地作業機は、走行機体に装着されて走行機体の走行とともに進行しながら耕耘整地作業を行うものである。この耕耘整地作業機には、回転自在に支持された耕耘ロータと、耕耘ロータの上部を覆う上部カバーの後方側に上下方向に回動自在に設けられた第1の整地体と、第1の整地体の後端部に上下方向に回動自在に設けられた第2の整地体と、第2の整地体の左右方向端部に展開及び格納可能に軸支された延長整地体とを有してなるものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
耕耘ロータは、耕耘整地作業機の幅方向両側に配設された伝動ケース及びサポートフレームの下側間に回転可能に支持されている。耕耘ロータは、走行機体からの動力が伝動ケース内に設けられた動力伝達機構を介して伝達されて、回転するようになっている。
【0004】
この耕耘整地作業機の延長整地体は、平面視において展開状態で前端部分が進行方向に対して斜め外側前方へ延びるように傾斜している。このため、耕耘整地作業機の進行時に、第2の整地体の左右方向端部の前方に配置された伝動ケースによって圃場表面が削られて凹んだ溝に対して、圃場の土を寄せることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−82442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来の耕耘整地作業機は、速い速度で進行すると、第1の整地体の後端部が浮き上がるように上動する場合がある。第1の整地体の後端部が上動すると、これに回動自在に接続された第2の整地体の前端部も上動して、延長整地体が引っ張り上げられる格好となって、延長整地体の前側が浮いた前高後低状態になる。
【0007】
延長整地体が前高後低状態になると、第2の整地体はその後部が依然として圃場表面に接しているため整地作業をするが、延長整地体はその前部が進行方向斜め前方側へ傾斜して延びるので、延長整地体が前高後低状態になると、その後部は外端側が大きく内端側が小さく圃場表面から浮いてしまう(図5参照)。従って、延長整地体は外端側に向かうほど、整地作業ができなくなって圃場表面の整地機能が低下するという課題が生じる。
【0008】
本発明は、このような課題を解消するためになされたものであり、延長整地体の前高後低状態時に、圃場表面の整地機能が低下しない延長整地体を有した耕耘整地作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の耕耘整地作業機は、走行機体からの動力を受けて回転動可能に支持された耕耘ロータと、耕耘ロータの上部を覆う上部カバーと、上部カバーの後部に上下方向に回動自在に設けられた第1の整地体と、第1の整地体の後部に上下方向に回動自在に設けられた第2の整地体と、第2の整地体の幅方向端部に、該第2の整地体の進行方向に対して前側が後側より整地体幅方向内側に位置して斜め方向に延びる回動中心軸を中心として上下方向に回動自在に設けられた延長整地体とを備え、延長整地体は、第2の整地体よりも下方に回動可能であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の延長整地体には、回動中心軸に対して接近及び離反可能に支持されて第2の整地板の幅方向端部に接触して延長整地体の下方への回動量を調整可能な位置調整部材を有する下方回動量調整機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、下方回動量調整機構の位置調整部材により、延長整地体の後部が該延長整地体の幅方向全体にわたって圃場表面に接地可能であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の下方回動量調整機構の位置調整部材は、延長整地体の下方への回動量を無段階に調整可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の位置調整部材は、ボルトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係わる耕耘整地作業機によれば、上記特徴を有することで、延長整地体が前高後低状態になった場合でも、圃場表面の整地機能が低下しない延長整地体を有した耕耘整地作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係わる耕耘整地作業機の平面図を示す。
図2】展開時に第2の整地体よりも下方に位置する延長整地体を示し、同図(a)は延長整地体の平面図であり、同図(b)は延長整地体の背面図であり、同図(c)は延長整地体の側面図である。
図3】格納状態時の延長整地体を示し、同図(a)は延長整地体の平面図であり、同図(b)は延長整地体の背面図であり、同図(c)は延長整地体の側面図である。
図4】展開時に第2の整地体と略同一平面上に位置する延長整地体を示し、同図(a)は延長整地体の平面図であり、同図(b)は延長整地体の背面図であり、同図(c)は延長整地体の側面図である。
図5】前高後低状態になった延長整地体の背面斜視図を示す。
図6】通常の整地姿勢になった延長整地体の背面斜視図を示す。
図7】本発明の第2実施形態に係わる延長整地体を示し、同図(a)は延長整地体の平面図であり、同図(b)は延長整地体の背面図であり、同図(c)は延長整地体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の耕耘整地作業機の好ましい第1の実施の形態を図1図6に基づいて説明する。本実施の形態は、耕耘整地作業機のうち代かき用の耕耘整地作業機を例にして以下説明する。なお、説明の都合上、図1(平面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0017】
耕耘整地作業機1は、図1に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の走行とともに進行して代かき作業を行うものであり、左右方向に延びる本体フレーム3の両側に配設された伝動ケース5及びサポートフレーム7の下側間に回転動可能に支持された耕耘ロータ9を備える。耕耘ロータ9は、走行機体90のPTO軸(図示せず)に接続される入力軸4を介して動力が伝達されて回転するようになっている。
【0018】
耕耘ロータ9の上部にはこの上部を覆う上部カバー11が設けられている。上部カバー11は前後方向に延び、その左右両端部に前後方向に延びるカバー側板部11aを備えている。上部カバー11の後部には上下方向に回動自在な第1の整地体12が設けられ、その後端部には第2の整地体20が設けられている。第2の整地体20は板状であり、前端部が第1の整地体12の後端部に軸支されて後側が上下方向に回動自在であり、本体フレーム3と第2の整地体20との間に取り付けられた上下位置調整機構13を介して第2の整地体20の上下位置調整が可能である。第2の整地体20の左右両端部には延長整地体30が展開且つ折畳み自在に設けられている。第2の整地体20の後端部には、整地作業時に圃場の泥水を作業機の内側へ案内する溝部20bが複数設けられている。
【0019】
延長整地体30は、第2の整地体20の左右両端部の上面に取り付けられた固定部材21に回動自在に挿着された回動中心軸23に取り付けられた支枠31と、支枠31の先端部に固着された均平板33と、均平板33を上方及び下方に付勢する引っ張りばね35(図2(a)参照)とを有して構成される。
【0020】
支枠31は、図2(a)を更に追加して説明すると、前後方向に所定間隔を有して対向配置された一対の支持板31a,31bと、一対の支持板31a,31b間を繋ぐ連結板31cとを有して構成される。一対の支持板31a,31bは、均平板33の表面の基端側(第2の整地体20側)の端部上に配設されて第2の整地体20側へ延びる。一対の支持板31a,31bの基端側の各端部は、前述した回動中心軸23に軸支されている。
【0021】
一対の支持板31a,31bの先端側(第2の整地体20から離反する側)は、均平板33の内面に溶接等によって固着されている。このため、延長整地体30は回動中心軸23を中心として上下方向に回動して、第2の整地体20から左右方向外側へ延びる整地姿勢Ps(図2(b)、図2(c)参照)と、第2の整地体20上に重ね合わされて第2の整地体20に対して斜め上方へ延びる格納姿勢Pk(図3(a)、図3(b)、図3(c)参照)との間を移動可能である。
【0022】
回動中心軸23は、第2の整地体20の進行方向に対して前側が後側より左右方向内側に位置するとともに、延長整地体30が第2の整地体20上に第2の整地体20に沿って格納されるように、延長整地体30が折り畳まれる中心軸線となる折畳み線Lが傾斜角度αを有して傾いている。このため、延長整地体30による整地作業時の側方への泥土のはみ出しを少なくすることができると共に、延長整地体30が第1の整地体12やカバー側板部11aに接触することなく延長整地体30を第2の整地体20上に格納することができ、且つ延長整地体30を作業機の内側にコンパクトに納めることができる。このため、第2の整地体20上への格納時に延長整地体30が作業機外側に突出する部分が少なくなり、移動時に延長整地体30が障害物等に当接して損傷する事態を未然に防止することができる。
【0023】
連結板31cの表面の略中央部には、ゴム製のストッパ32が設けられている。ストッパ32は、円盤状に形成されて連結板31cの表面に突出して設けられている。このストッパ32は、延長整地体30が第2の整地体20上に折畳まれて格納される際に、ストッパ32が第2の整地体20に接触して、延長整地体30や第2の整地体20への衝撃を緩和する(図3(b)参照)。
【0024】
均平板33の前側には上方に曲げ起こされた誘導片33aが形成されており、誘導片33aの基端部に繋がる均平板33の接地線Lsは、第2の整地体20の左右方向に対して外側が内側より前方に突出して傾斜するように構成されている。このように、延長整地体30は、整地姿勢Psになると、誘導片33aの外側が内側より前方に突出して斜め方向に延びるので、伝動ケース5により削られた土塊や泥土を整地体幅方向内側に寄せながら伝動ケース5により削られた溝を埋めて、耕土表面を均平にすることができる。均平板33の後端部には、整地作業時に圃場の泥水を作業機の内側へ案内する溝部33bが複数設けられている。
【0025】
引っ張りばね35は、第2の整地板20の左右方向両端の進行方向後端部と支枠31の支持板31bの後部との間に取り付けられている。この引っ張りばね35は、延長整地体30が格納姿勢Pk(図3(b)参照)に移動すると、縮小状態となり、延長整地体30が格納姿勢Pkから整地姿勢Ps(図2(b)参照)側への回動角度が増加すると、それに伴って引っ張りばね35の伸びは増大する。延長整地体30の回動角度が所定角度(例えば、約90°)になると、引っ張りばね35の伸びは最大となり、回動角度が所定角度を超えると、引っ張りばね35の伸びは漸次小さくなるように設けられている。
【0026】
引っ張りばね35は、延長整地体30が格納姿勢Pk及び整地姿勢Psになると、引っ張りばね35の附勢力によって延長整地体30を格納姿勢Pk及び整地姿勢Psに維持させる。なお、延長整地体30が整地姿勢Psの位置にあるときの引っ張りばね35の力の大きさの詳細については後述する。
【0027】
延長整地体30の右側端部には、第2の整地体20に対する延長整地体30の下方への回動量を調整可能な下方回動量調整機構40が設けられている。下方回動量調整機構40は、図2(a)、図2(b)、図2(c)及び図4(a)に示すように、延長整地体30の上面上に固着された支持枠41と、支持枠41に対して左右方向に位置調整自在に設けられたボルト45及びナット47,48とを有してなる。
【0028】
支持枠41は、第2の整地体20の左右方向に沿って延びて前後方向に所定間隔を有して配置された一対の支持枠側部41aと、支持枠側部41aの第2の整地体20側の端部間を繋ぐ支持枠頂部41bとを有してなる。支持枠頂部41bは、第2の整地体20の左側端部に設けられて前後方向に延びる整地体側部20aと略平行になるように配置されている。支持枠頂部41bの略中央部にはボルト45の軸部45bを挿通可能な孔部が設けられている。
【0029】
ボルト45は、軸部45bと軸部45bの軸方向一端部に形成された頭部45aとを有してなる。軸部45bには、その一端部から他端部に亘って雄ねじが形成されている。ボルト45は、軸部45bに第1のナット47を予め螺合させた状態で、第1のナット47から延出する軸部45bを孔部の第2の整地板側から挿入し、孔部から延出する軸部45bに第2のナット48を螺合して、支持枠41に装着される。
【0030】
ボルト45は、第1のナット47及び第2のナット48が互いに接近する方向に回動させることで、これらのナット間に支持枠頂部41bが挟持された状態となって、支持枠41に固定される。また、ボルト45は、軸部45bに対する第1のナット47及び第2のナット48の螺合位置を調整することで、支持枠41に対するボルト45の頭部45aの位置を第2の整地体20の整地体側部20aに対して接近及び離反する位置に無段階に位置調整することができる。
【0031】
このため、支持枠41の支持枠頂部41bに対してボルト45の頭部45aの先端までの距離をL1とした場合、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、ボルト45の頭部45aの先端部が整地体側部20aに接触して延長整地体30の下方への回動が規制されて、延長整地体30を第2の整地体20と略同一平面上に位置させることができる(図4(b)参照)。
【0032】
また、支持枠41の支持枠頂部41bに対してボルト45の頭部45aの先端までの距離をL1より小さいL2(L2<L1)とした場合、図2(a)、図2(b)、図2(c)に示すように、ボルト45の頭部45aの先端部が整地体側部20aに接触するまで延長整地体30が下方へ回動することで、延長整地体30を第2の整地体20よりも下方に位置させることができる(図2(b)参照)。
【0033】
このため、耕耘整地作業機1の進行速度が速くなった場合、第1の整地体12(図1参照)の後端部が浮き上がるように上動するに伴って第2の整地体20の前端部が上動すると、延長整地体30が回動中心軸23を介して引っ張り上げられた格好になる(図5参照)。延長整地体30の前方が引っ張り上げられた格好になると、延長整地体30の前側が浮いた前高後低状態になり、図5に示すように、延長整地体30の後部に略三角形状の斜線で示した未接地部分Pmができることになり、延長整地体30はその整地機能が低下若しくはなくなってしまうが、延長整地体30は第2の整地体20よりも下方へ回動可能であるので、延長整地体30は前述した引っ張りばね35による附勢力と自重とによって下方へ回動して、延長整地体30の後部を延長整地体30の幅方向(左右方向)全体にわたって圃場表面に接地させた状態(図6参照)にすることができ、その整地機能を発揮させることができる。
【0034】
そして、延長整地体30の溝部33bによって、圃場の泥土を整地体幅方向内側に寄せて伝動ケース5により削られた溝に埋めることができ、耕土表面を均平にすることができる。
【0035】
なお、耕耘整地作業機1の進行速度が遅くなるなどして、延長整地体30が前高後低状態から水平姿勢(図4(b)参照)になろうとすると、延長整地体30は、前述した引っ張りばね35の附勢力に抗して通常の整地姿勢に維持される。ここで、延長整地体30が通常の整地姿勢にあるときの引っ張りばね35の附勢力の大きさは、圃場の泥土が柔らかい場合でも、延長整地体30の先端部が圃場の泥土内に食い込むことがない程度の大きさを有している。このため、延長整地体30の整地作業時に延長整地体30の先端部によりが耕土表面にすじが形成される等の不都合が生じる虞はない。
【0036】
[第2実施形態]
次に、耕耘整地作業機の第2実施形態について図7を参照しながら説明する。第2実施形態については、前述した第1実施形態との相違点のみを説明し、第1実施形態と同一態様部分については同一符号を附して説明を省略する。
【0037】
支枠31'は、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、前後方向に所定間隔を有して対向配置された一対の支持板31a,31bを有してなる。つまり、この支枠31'には、前述した連結板31c及びストッパ32(図2(a)参照)が省略されている。このように、支枠31'には連結板31c及びストッパ32が省略されていることで、支枠31'の構造が簡素化されて、下方回動量調整機構のコストを安価にすることができる。
【0038】
また、前述した実施例では、代かき用の耕耘整地作業機1を例にして説明したが、前述した延長整地体30を耕耘・砕土用の耕耘整地作業機に取り付けてもよい。耕耘・砕土用の耕耘整地作業機(図示せず)は、耕耘ロータ9の上部を覆う上部カバー11の後部に整地体を上下回動自在に設け、この整地体の左右方向端部に前述した延長整地体30を取り付けて構成する。このように延長整地体30を設けることにより、前述した代かき用の耕耘整地作業機1と同様の効果、即ち、耕耘整地作業機1の進行速度が速くなった場合でも、延長整地体30の後部を延長整地体30の幅方向(左右方向)全体にわたって圃場表面に接地させた状態にすることができ、圃場表面を整地する整地機能を発揮させることができるという効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 耕耘整地作業機
9 耕耘ロータ
11 上部カバー
12 第1の整地体
20 第2の整地体
23 回動中心軸
30 延長整地体
40 下方回動量調整機構
45 ボルト(位置調整部材)
90 走行機体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7