特許第6199710号(P6199710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199710
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】視線誘導装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/00 20160101AFI20170911BHJP
【FI】
   E01F9/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-243570(P2013-243570)
(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公開番号】特開2015-101892(P2015-101892A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高室 和俊
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−008425(JP,A)
【文献】 特開平10−054013(JP,A)
【文献】 特開平11−081546(JP,A)
【文献】 特開2006−219317(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00413877(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/604
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
含有する蓄光体によって発光面が発光する陶磁器からなる蓄光板と、該蓄光板の前記発光面へ向けて光を照射して照明する照明灯を備え、
トンネル内の車道の側方壁体に取り付けられた前記蓄光板の前記発光面により車道に沿う横長の発光ライン部が形成され、
該発光ライン部は前記発光面が側方の車道へ向けられるように形成されており、
前記照明灯は光を前記発光ライン部の前記発光面へライン形状で照射させるように設けたことを特徴とする視線誘導装置。
【請求項2】
前記発光ライン部の発光面が車道路面から0m以上1m以下の高さの位置に形成されると共に、前記照明灯が前記車道路面から3m以上の高さの位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の視線誘導装置。
【請求項3】
前記照明灯は、前記発光ライン部を照明する光の上下幅方向の照射範囲が、前記発光ライン部の発光面の全幅を含むと共に、該発光面の幅の3倍の大きさの範囲内に収まるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の視線誘導装置。
【請求項4】
前記発光ライン部は左右長手方向の大きさが5m以上30m以内の大きさに形成されると共に、複数の前記発光ライン部が左右方向に間隔をあけて配置されるように設けられ、且つ、前記各発光ライン部が各々1台の照明灯によってそれぞれ照明されるようになされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の視線誘導装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にトンネル内の車道を走行する車両の運転手の視線誘導を行うための視線誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両を走行する運転手の視線誘導を行うために、照射された光を光源方向へ平行に反射させる再帰反射体を用いた視線誘導標などがよく用いられている。また、トンネル内における視線誘導では、昼間でも暗い状況で視認性を向上させるために蓄光材料を用いた発光体を備えるものが利用されており、種々の構成が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光反射性を有する反射素子と、紫外線を含む波長領域の光によって励起され、可視光線を発光し、紫外線の励起が終了した後も長時間残光する性能を有する蓄光素子とが釉薬を母材として基板と一体化されていることを特徴とする情報表示装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−288233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される如き情報表示装置は、文字や図形などで表す情報を視認させる目的には適しているが、トンネル内の車道の線形を認識させる等の目的のために車両の運転手の視線を誘導する視線誘導装置に用いるには適当ではなかった。
【0006】
本発明は、トンネル内を走行する車両の運転手の視線誘導を効果的に行うための視線誘導装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る視線誘導装置は、含有する蓄光体によって発光面が発光する陶磁器からなる蓄光板と、該蓄光板の前記発光面へ向けて光を照射して照明する照明灯を備え、
トンネル内の車道の側方壁体に取り付けられた前記蓄光板の前記発光面により車道に沿う横長の発光ライン部が形成され、
該発光ライン部は前記発光面が側方の車道へ向けられるように形成されており、
前記照明灯は光を前記発光ライン部の前記発光面へライン形状で照射させるように設けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る視線誘導装置によれば、含有する蓄光体によって発光面が発光する陶磁器からなる蓄光板と、この蓄光板の前記発光面へ向けて光を照射して照明する照明灯を備えるので、この照明灯からの光の照射によって前記蓄光体が励起されて前記発光面が発光し、周囲が暗いトンネル内でも発光による視線誘導を行える。また、蓄光板を陶磁器で形成することで、樹脂板で形成する場合と比較して経年劣化などによる損傷を抑制できる。
また、トンネル内の車道の側方壁体に取り付けた前記蓄光板の前記発光面により車道に沿う横長の発光ライン部を形成させるので、横長形状に発光する発光ライン部が道路に沿って視認され、視線誘導された車両の運転手が道路の線形を良好に認識できる。
また、発光ライン部の前記発光面を側方の車道へ向けるように形成するので、水やほこりなどが発光面上に乗りにくく、より明るく発光面を発光させることができる。
また、前記発光ライン部の前記発光面へ光をライン形状で照射させるように前記照明灯を設けるので、前記発光ライン部の発光面へ照明灯の光を効率良く照射させ、蓄光体を励起させて発光させることができる。
【0009】
また、前記発光ライン部の発光面を車道路面から0m以上1m以下の高さの位置に形成させれば、車道の進行方向の道路面へ視線を落とした車両の運転手の視界に前記発光ライン部が自然に入り、効果的に視線誘導できる。また、路面へ照射されるように斜め下方へ向けて放射される車両のヘッドライトの光が、前記発光ライン部の発光面へ照射されるようになされ、前記発光面に含有される蓄光体を効果的に励起できる。
また、前記照明灯を前記車道路面から3m以上の高さの位置に設ければ、前記照明灯からの光の放射範囲をレンズなどで調整し、前記発光面を効率良く照明できるように設けることができる。また、清掃車によるトンネル側壁の清掃を行う際に、照明灯が清掃車の清掃範囲の上方に位置するようになされ、清掃車による照明灯の損傷などが抑制できる。
【0010】
また、前記発光ライン部を照明する光の上下幅方向の照射範囲を、前記発光ライン部の発光面の全幅を含むと共に、該発光面の幅の3倍の大きさの範囲内に収まるように前記照明灯を設ければ、この照明灯からの光を効率良く発光ライン部へ照射させて視線誘導を行うことができる。
【0011】
また、前記発光ライン部の左右長手方向の大きさを5m以上30m以内の大きさに形成させると共に、複数の前記発光ライン部を左右方向に間隔をあけて配置させて設ければ、視認される各発光ライン部の長さにより道路の線形が良好に認識できるようになされる。
また、前記各発光ライン部を各々1台の照明灯によってそれぞれ照明するようにすれば、各発光ライン部の間に無駄な光を照射することなく、各照明灯の光を効率良く視線誘導に利用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の視線誘導装置によれば、トンネル内を走行する車両の運転手の視線誘導を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る視線誘導装置をトンネル内に設置させた状況の一形態を示す図である。
図2図1の視線誘導装置の発光ライン部を形成する蓄光板を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
図3図1の照明灯を示す正面図である。
図4図3の右側面図である。
図5図1の発光ライン部へ照明灯の光を照射させた状況を示す正面図である。
図6図1の発光ライン部へ照明灯の光を照射させた他の状況を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は視線誘導装置Sの発光ライン部であり、2は視線誘導装置Sの照明灯である。
本発明の視線誘導装置Sは、前記発光ライン部1をトンネル内の車道側方に設置させ、これから離れた位置に設置させた前記照明灯2が放射する光を前記発光ライン部1へ照射させるように設けており、前記車道を走行する車両のドライバーに前記発光ライン部1を視認させて視線誘導を行うように設けている。
【0015】
図1は、本発明に係る視線誘導装置Sをトンネル内に設置させた状況の一形態を示す図である。
図1は、片側1車線で合計2車線の車道R1、R2を備えるトンネル内に視線誘導装置Sを設置させた状況であり、車両進行方向が図面手前側から奥側へ向かう左側の車道R1の左側方に発光ライン部1が設置されている。
【0016】
本実施形態の発光ライン部1は、矩形板状に形成された蓄光板3により形成されており、複数の蓄光板3を横方向へ並設させて、横長線形状の発光ライン部1を形成させている。
本実施形態の発光ライン部1は、トンネルの側壁に設けて、その表面を右側の車道R1へ向けるように形成させている。
また、前記発光ライン部1は、上下幅方向の大きさを30cm、左右長手方向の大きさを約20mに形成させており、複数の発光ライン部1をそれぞれ20mの間隔をあけて横方向に並設させるように形成させている。
また、本実施形態の発光ライン部1は、その下縁が車道R1の路面から10cmの高さに位置するように形成されている。
【0017】
図2は、図1の視線誘導装置Sの発光ライン部1を形成する蓄光板3を示す、(イ)は正面図であり、(ロ)は側面図である。
本実施形態の蓄光板3は、矩形板状に形成させており、具体的には一辺が30cmの正方四辺形に形成させている。
図1の発光ライン部1は、前記蓄光板3を横方向に67個並設させて左右長手方向約20mの大きさに形成させている。
【0018】
前記蓄光板3は、陶磁器で形成されており、その表面に焼成前に塗布された蓄光体を含有する釉薬による蓄光層が形成され、この蓄光体によって発光する発光面31が設けられている。
蓄光板3に含有させる前記蓄光体は、硫化亜鉛や、それに銅を配合した等の硫化系のものを用いてもよいが、酸化アルミ、酸化ホウ素、酸化ストロンチウム等の酸化物を主体とし、それにユーロピューム等の希土類を配合した酸化系のものが、安全性、化学的な安定性、耐熱性、発光時間の長さ等において利点があり好ましい。とりわけアルミン酸系ストロンチウム系の蓄光性蛍光物質は発光輝度及び発光時間が長く好適に用いることができる。
前記蓄光板3は蓄光体を釉薬中に含有させて表面に含有させるので、水などの接触による蓄光体の劣化が抑制され、高い耐水性と耐候性を備える。
また、前記蓄光板3の蓄光層には、前記蓄光体と共に、蓄光性を備えない蛍光体を含有させてもよい。
【0019】
図3図1の照明灯2を示す正面図であり、図4図3の右側面図である。
本実施形態の照明灯2は、発光体Hを内装してその発する光を外部へ放射させる本体部20と、この本体部20に取り付けられた設置部4とを備えており、この設置部4をトンネル内に取り付けて照明灯2を設置させるように設けている。
前記照明灯2は、前記蓄光板3の含有する蓄光体を励起可能な紫外線領域の波長を含む光を放射可能に設けられており、照明灯2からの光を発光ライン部1へ照射させ、この光によって前記蓄光板3の蓄光体を励起させて、発光面31を発光させるように設けている。
【0020】
前記照明灯2は、発光体Hからの光を本体部20に取り付けたレンズ部21で集束させて放射させるように設けられており、放射させた光を被照射面へライン形状に照射するように設けている。
このようにレンズ部21で集束させた光を前記発光ライン部1へ照射することで、発光ライン部1以外の場所への光の照射を抑制し、発光体Hからの光を効率良く発光ライン部1の蓄光板3の発光面31へ照射できるので、前記発光面31の蓄光体を効果的に励起させて発光させることができる。
【0021】
図5図1の発光ライン部1へ照明灯2の光を照射させた状況を示す正面図である。
前記発光ライン部1は、上下幅方向の大きさY1を30cmに形成し、左右長手方向の大きさX1を20mの大きさに形成している。
本実施形態の視線誘導装置Sは、1本の発光ライン部1に対し1台の照明灯2の光をライン形状に照射して照明するように設けており、図5は、照明灯2からの光が発光ライン部1を含むライン形状の照射範囲Lに照射されている状況を示している。
本実施形態では、照明灯2の光の照射範囲Lの大きさについて、上下幅方向の大きさY2を50cmに形成し、左右長手方向の大きさX2を約22mの大きさに形成している。
【0022】
上記の様に、照明灯2から放射させる光をライン形状の照射範囲Lに照射させて前記発光ライン部1を照明することで、発光ライン部1の発光面31を効果的に発光させることができる。
尚、照明灯2からの光のライン形状の照射範囲Lは、その上下幅方向の大きさY2が、発光ライン部1の上下幅方向の大きさY1よりも大きく、且つ発光ライン部1の上下幅方向の大きさY1に近いほど好ましく、照射範囲Lの上下幅方向Y2の大きさを発光ライン部1の上下幅方向の大きさY1の1倍以上3倍以下の大きさにするのが好ましい。
また、発光ライン部1の左右長手方向に照明灯2を複数台設置させて、1本の発光ライン部1を複数の照明灯2で照明させてもよいが、照明灯2の設置の手間や消費電力の増加するため、本実施形態の視線誘導装置Sのように、1発光ライン部1を1個の照明灯2で照明するのが好ましい。
尚、照明灯2からの光の照射範囲Lの縁は、被照射面を目視して判断するものであり、照射範囲Lの縁の視認が難しい程度の紫外線を照射させる場合には、その光を受けて蛍光を発する蛍光体を表面に備える板体などを被照射面に添えて、照射範囲Lの縁を視認し易くしてもよい。
【0023】
本実施形態の照明灯2は、内装する発光体Hからの光を放射する本体部20を、設置部4を介してトンネル内に設置させるように設けている。
前記照明灯2の設置部4は、図3、4に示すように、前記本体部20に取り付けられる連結上部44と、この連結上部44に連結する連結下部45と、この連結下部45に連結する取付部42とを備えており、この取付部42をトンネルの側壁や天井などに取り付けて照明灯2を設置させるように設けている。
【0024】
前記本体部20に取り付けられた連結上部44は、この連結上部44に対して本体部20を水平方向に回転させてその向きを調整可能に本体部20を支持している。
また、前記連結上部44に連結される連結下部45は、この連結下部45に対して連結上部44を上下方向に回転させてその向きを調整可能に連結上部44へ連結されている。
即ち、前記連結下部45と連結上部44との回転は、前記本体部20と連結上部44との回転の軸方向に対し、垂直な軸方向で回転するように設けられている。
また、前記連結下部45に連結される取付部42は、この取付部42に対して連結下部45を水平方向に回転させてその向きを回転調整可能に連結下部45へ連結されている。
即ち、前記取付部42と連結下部45との回転は、前記連結上部44と連結下部45との回転の軸方向に対し、垂直な軸方向で回転するように設けられている。
【0025】
上記のように、本実施形態の照明灯2の設置部4は、取付部42と連結下部45との間と、連結下部45と連結上部44との間と、連結上部44と本体部20との間の三箇所でそれぞれ回転可能に設けられているので、取付部42をトンネルの側壁や天井に取り付けて設置させた照明灯2の光の放射方向を、前記の各回転によって調整することができ、前記発光ライン部1がライン形状の光の照射範囲Lの内側に収まるように光の向きを容易に調整することができる。
【0026】
本実施形態の視線誘導装置Sは、照明灯2をトンネルの天井に取り付け、斜め下方向へ放射させる光によって発光ライン部1を照明するように設けている。
このように照明灯2を発光ライン部1から離れた高い位置に取り付けることで、発光ライン部1を含むトンネル側壁を清掃ブラシによって清掃する清掃車が照明灯2へブラシをかけて、照明灯2が損傷するような問題を抑制できる。
照明灯2は、清掃車の清掃する範囲よりも上方に設置させるのが好ましく、車道の路面より2m以上の高さの位置に設置させるのが好ましく、車道の路面より3m以上の高さの位置に設置させるのがより好ましい。
また、前記発光ライン部1は、発光面31に含有される蓄光体を照明灯2からの光によって励起させて発光するので、発光ライン部1と照明灯2との間の光の通り道が車道を走行する車両によって一時的に遮られたとしても、発光ライン部1の発光面31は励起された発光体により発光を継続し、視線誘導効果の低下が抑制される。
尚、発光ライン部1を照明する照明灯2は、光を継続的に照射させてもよく、発光面31の発光体の励起を維持できる範囲で間欠的に光を照射させてもよい。
【0027】
上記の様に、視線誘導装置Sの発光ライン部1は、照明灯2からの光の照射が途切れても、含有する蓄光体によって発光面31が発光するので、停電などによって照明灯2が消灯しても発光ライン部1による視線誘導効果を維持できる。また、地震などの災害時に、照明灯2が消灯してしまった状態で、車両に乗車している人がトンネル内から徒歩で避難しなければならないような状況でも、蓄光体による発光ライン部1の発光によりトンネル内の線形を避難者に把握させるという効果が期待できる。
【0028】
車両のヘッドライトは路面を照明できるように設けられているので、発光ライン部1を車道の路面近くに形成させることで、照明灯2からの光のみならず、トンネル内でヘッドライトを点灯させた車両からの光が発光ライン部1へ照射されて発光面31の蓄光体を励起させるように設けることができる。
車道を走行する車両のヘッドライトからの光が発光ライン部1へ効果的に照射させるために、視線誘導装置Sの発光ライン部1は、発光面を車道路面から0m以上1m以下の高さの位置に形成するのが好ましく、本実施形態の発光ライン部1はその下縁が車道路面から10cmの高さに位置するように設けており、その上縁が車道路面から40cmの高さに位置するように設けている。
【0029】
図6図1の発光ライン部1へ図1の照明灯2の光を照射させた他の状況を示す正面図である。
図6は、被照射面へライン形状に光を照射させる照明灯2の光を、発光ライン部1の発光面31の内側の範囲に照射させている点が、図5と異なる主な事項である。
即ち、本実施形態の視線誘導装置Sは、図1〜5の実施形態と同様に、発光ライン部1をトンネルの側壁に設け、その表面を右側の車道R1へ向けるように形成させると共に、トンネルの天井に取り付けた照明灯2からの光を斜め下方向へ放射させて前記発光ライン部1を照明し、この光によって前記発光ライン部1の発光面31の蓄光体を励起させるように設けている。
【0030】
本実施形態の視線誘導装置Sは、発光ライン部1の上下幅方向の大きさY1を30cmに形成し、左右長手方向の大きさX1を20mの大きさに形成し、1本の発光ライン部1に対し1台の照明灯2の光をライン形状に照射して照明するように設けている。
そして、照明灯2の光の照射範囲Lの大きさについて、上下幅方向の大きさY2を15cmに形成し、左右長手方向の大きさX2を約18mの大きさに形成している。
【0031】
このように照明灯2からの光を発光ライン部1へ照射させることで、照明灯2の光の照射範囲Lの内側において、発光面31の蓄光体を励起させて、ライン形状に発光させ、車道を走行する車両の運転手の視線を誘導させるように設けている。
【0032】
尚、本発明に係る視線誘導装置Sは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0033】
例えば、図1〜5や図6に示す実施形態の視線誘導装置Sは、横長の発光ライン部1を間隔をあけて横方向へ断続的に複数並設させているが、これに限るものではなく、1本の発光ライン部1をトンネルの全長に亘って連続的に形成させ、この発光ライン部1を複数の照明灯2で照明するように設けても良い。
しかし、図1〜5や図6に示す実施形態のように、横長の発光ライン部1を間隔をあけて横方向に複数並設させることで、視認される各発光ライン部1の長さの見え方の違いによって車両の運転手に道路の線形をより立体的に認識させることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 発光ライン部
2 照明灯
20 本体部
21 レンズ部
3 蓄光板
31 発光面
4 設置部
42 取付部
44 連結上部
45 連結下部
H 発光体
L 光の照射範囲
S 視線誘導装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6