【実施例1】
【0017】
実施例1に係る弁装置取付構造、弁装置取付方法及び弁装置取外方法につき、
図1から
図10を参照して説明する。本実施例の管体1は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、管路部は、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、本発明に係る管体1は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいは石綿、コンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。更に尚、管体1の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により管体1の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では管体1内の流体は、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。尚、
図1、
図4〜
図7及び
図9において紙面右側を管体1の上流側として説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施例の管体1は、上流側及び下流側の端部のいずれもが挿口部2、3となっている。そして、それぞれの挿口部2、3が地中に略水平方向に埋設される流体管路を構成する流体管4、5の受口部6、7に接続される。また、本実施例における管体1は、流体が流れる管路部8を有し、管路部8の管軸線と異なる方向に突出し、水平方向に分岐された首部41、該首部41よりも若干下流側の部位には、管路部8の管軸線と異なる方向に突出し、垂直方向に分岐された首部11が設けられている。管体1が敷設された状態では、首部11の開放端部13は、栓体21、首部41の開放端部43は、栓体51により閉塞されている。
【0019】
尚、後述するように、本実施例の管体1は、首部41に、仕切弁84及びバイパス管85を取付けて流体の迂回経路を確保することで(
図9参照)、迂回経路にて流体を流し続けるとともに、管体1の下流側の流体管4、5にて工事を行えるようになっており、不断流状態での施工に適した管体1となっている。さらに、首部11は、管路部8を仕切るための後述する仕切弁本体90が着脱されるようになっている。
【0020】
次に、本発明の弁装置取付構造を構成する首部及び栓体について説明する。
図1の首部11、41並びに栓体21、51は、その断面形状が異なっているが、構成は同一であるため、主に、首部11及び栓体21の構成について説明する。
図1に示すように、管路部8には、管路部8に形成された孔部12を取り囲むように筒状の首部11が形成され、首部11は、孔部12に連通する開放端部13、該開放端部13に連なるフランジ17及び後述する弁装置が取付け可能な開口部14を有している。尚、
図1の首部11の断面形状は、略楕円であるが、
図1の首部41のように略円形であってもよいし、略小判形、略矩形等であってもよい。
【0021】
また、フランジ17には、ボルト・ナット19により、栓体21が着脱可能に固定されている。尚、フランジ17と栓体21との間に図示しないパッキンを挿入して密封性を高めてもよい。栓体21は、首部11の内周に沿って挿入される筒部21aを有し、この筒部21aの外周の環状の溝に嵌め込まれて、筒部21aの軸方向に所定の間隔離間して保持される密封部材22、23を有している。栓体21が、フランジ17に固定された状態で、密封部材22は、開口部14より管路部8側の下部内周面15に接し、首部11と栓体21との隙間が密封され、開放端部13及び開口部14から管路部8の流体が漏洩することが防止される。同じく、栓体21が、フランジ17に固定された状態で、密封部材23は、開口部14より開放端部13側の上部内周面16に接し、首部11と栓体21との隙間が密封されて、開放端部13から管路部8の流体が漏洩することが防止される。
【0022】
このように、栓体21は、開口部14及び開放端部13を同時に密封する機能を有している。尚、密封部材として、断面が円形の丸ゴムパッキン、略C字状または方形状または、リップ付きのゴムパッキンを使用することができる。尚、嵌め込み式の密封部材ではなくライニング式の密封部材でもよい。
【0023】
また、密封部材22、23は、首部11の下部内周面15及び上部内周面16を首部11の管軸方向に摺動可能となっている。
図1(b)において、ボルト・ナット19を緩めると、管路部8内の流体の圧力によりフランジ17から離間するように、栓体21が移動する。栓体21が移動して、密封部材22が開口部14の位置に達すると、密封部材22が開口部14に面する側は、首部11内周面と密着しなくなるため、密封部材22は一時的に密封機能を失う。しかし、密封部材22が開口部14に位置したとき、密封部材23は、首部11の上部内周面16に接して、首部11と栓体21との隙間を密封しているので、開放端部13から管路部8の流体の漏洩が依然として防止される。そして、さらに、ボルト・ナット19を緩めると、栓体21は更にフランジ17から離間するように移動し、密封部材22は、首部11の上部内周面16に接して、首部11と栓体21との隙間を密封するようになり、開放端部13からの管路部8の流体の漏洩が常に防止される。尚、栓体21は、管路部の流体の圧力のみによる移動だけでなく、くさびやバール等の治具を用いて移動させてもよい。
【0024】
このように、栓体21は、筒部21aの外周面に、首部11の内周面を首部11の管軸方向に摺動可能な密封部材22、23を備えているので、密封状態を保ちつつ、栓体21を首部に対して移動できる。また、栓体21が、フランジ17に固定された状態で、密封部材23の上端から開放端部13までの寸法は、栓体21に設けられた密封部材22と23との間の寸法よりも大きく設定されている。したがって、栓体21がフランジ17から離間しながら移動する際には、密封部材22及び密封部材23は、必ず同時に上部内周面16に接する状態を形成できるので、首部11に開口部14が存在していても、栓体21は、その挿入位置に関わらず確実に密封状態を保つことができる。
【0025】
また、首部11の開口部14に連なる首部11の内周面には、開口部14に取付けられる弁装置の弁体が当接する座24を備えている。後述するように、開口部14に取付けられる作業弁66、76の弁体73、83を移動して首部11を閉止する際に、弁体は、首部の内周面に形成された座24に当接して、確実に首部を閉止することができる。尚、首部41及び栓体51についても、首部11及び栓体21と同じ機能、性能を有している。
【0026】
次に、本発明のカバーとしてのバックアップリング26、56の構成について説明する。
図1のバックアップリング26、56についても、その断面形状が異なっているが、構成が同一であるため、主に、バックアップリング26の構成について説明する。
図2(a)に示すように、バックアップリング26の断面形状は、首部の断面形状に適合するように略楕円形を有している。バックアップリング26は、背面部材27、28、シール部材30、背面部材28に設けられたネジ孔に螺合される押しネジ31、該押しネジ31及び背面部材27、28の外周を覆う酸化防止用のゴムバンド32から構成されている。
【0027】
背面部材27、28は、2分割構造を有し、背面部材27、28の端部に形成された合わせ部材34を互いに係合させることで一体に構成される。バックアップリング26は、分割構造を有することで、首部11の外周側から開口部14を覆うように組立てることができる。尚、背面部材27、28は、本実施例では、鉄、ステンレス等の金属材料またはFRPなどの強化プラスチック等からなるが、背面部材の構成材料は、必ずしもこれに限らず、また、分割数も、2分割に限らず、3分割以上に分割することもできる。
【0028】
背面部材28が首部11の開口部14に面する側には、シール部材30が設けられ、首部11と背面部材28との隙間を密封している。また、一方の背面部材27には、凹部33が設けられ、首部11に設けられた凸部18と嵌合して、首部11に保持されるようになっている。
【0029】
一方、シール部材30は、背面部材28に対し着脱自在に設けられており、背面部材28に螺合された押しネジ31を回動させることにより、シール部材30は、背面部材28に対し移動できるようになっている。開口部14を覆うようにバックアップリング26を取付け、押しネジ31を回動させることで、シール部材30は、押しネジ31により首部11に押圧され、バックアップリング26と開口部14との隙間は密封される。
【0030】
このように、バックアップリング26に設けられたシール部材30が首部11の外周側から首部11及び開口部14を覆うことにより、バックアップリング26のみで、開口部14とバックアップリング26との隙間を密封できるので、開口部14から管路部8の流体が漏洩することが防止される。尚、首部41を覆うバックアップリング56も、バックアップリング26と同じ機能、性能を有する。
【0031】
次に、本発明の弁装置取付構造を使用した不断流状態での工事の作業手順について説明する。
【0032】
また、管体1が長期間設置される敷設状態では、
図1のように首部11には、栓体21及びバックアップリング26が取付けられ、首部41には、栓体51及びバックアップリング56が取付けられた状態となっている。
【0033】
不断流状態で工事を行う場合に、最初の手順として、
図3に示すように、バックアップリング26を取外す。最初に、背面部材27、28の周囲を覆うゴムバンド(図示せず)及び押しネジ31を背面部材28から取外し(
図3(a)参照)、背面部材28を首部11の管軸方向にずらして、合わせ部材34の係合を解除し(
図3(b)参照)、次に、首部11の凸部18に嵌合された背面部材27を首部11から取外し(
図3(c)参照)、最後に、開口部14に取付けられたシール部材30を取外して(
図3(d)参照)、バックアップリング26の取外しが完了する。また、首部41のバックアップリング56についても、
図3と同様の手順で分解する。
【0034】
次に、
図4(a)に示すように、首部11の開口部14に、本発明の弁装置としての作業弁66を取付ける。作業弁66の保持具68に設けられた凹部69を首部11の凸部18に嵌合させる。この凹凸篏合により、作業弁66の上下動が規制され、首部11に対する作業弁66の取付角度が一定に保たれる。次に、首部11の開口部14に作業弁本体67を取付け、最後に、ボルト71、ナット72を規定のトルクで締付け、作業弁本体67と保持具68とを首部11に取付ける。また、
図4(b)に示すように、同様の手順で、首部41の開口部44に作業弁76を取付ける。尚、作業弁76の保持具78に設けられた凹部79と首部41の凸部48との凹凸篏合については、上記の上下動の規制及び取付角度保持機能を有するのに加え、円形断面の首部41に取付けられた作業弁の回転防止としても機能する。
【0035】
次に、
図5(b)に示すように、首部11のフランジ17と栓体21とを締付けるボルト・ナット19全数をスライダ治具87に所定数ずつ交換し、首部11のフランジ17と栓体21とをスライダ治具87で締付けておく。同様に、
図5(a)に示すように、首部41のフランジ47と栓体51とを締付けるボルト・ナット49全数をスライダ治具87に所定数ずつ交換し、締付けておく。
【0036】
次に、
図6(b)に示すように、首部11のフランジ17と栓体21とを締付けるスライダ治具87を緩めて、首部11の開口部14に作業弁66の弁体73を挿入できる位置まで、栓体21を移動させ、次に、作業弁66の操作軸70を回動させて、弁体73を座24に当接させて、首部11を閉塞する。最後に、首部11を閉塞した状態で栓体21を取外す。通常、スライダ治具87に印をつけて、栓体21の移動位置を管理しているが、
図6に示す断面形状が略コ字状のストローク管理治具88を使用して、栓体21の移動位置を管理することもできる。同様に、
図6(a)に示すように、作業弁76によって、首部41を閉塞し、栓体51を取外す。
【0037】
次に、
図7及び
図9に示すように、首部41のフランジ47に仕切弁84を取付け、さらにバイパス管85を取付ける。
【0038】
一方、首部11については、
図7及び
図8に示すように、弁挿入装置100を使用して、管路部8を仕切るための仕切弁本体90を取付ける。
図8(a)、(b)は、
図7(a)のC−C断面を示す。以下、仕切弁本体90の取付け手順について説明する。
【0039】
図7及び
図8(a)に示すように、移動フレーム102を仕切弁本体90のフランジ91に保持部材103及びボルト104を使用して固定する。次に、仕切弁本体90の筐体92に設けられた密封部材94を首部11の上部内周面16に挿入し、筐体92と首部11との隙間と密封する。さらに、固定フレーム101を首部11のフランジ17に係合部材105によって固定する。移動フレーム102は、ジャッキボルト107を介して、固定フレーム101に支持されるので、仕切弁本体90に管路部8の流体の圧力が作用しても、仕切弁本体90は動かないように保持される。
【0040】
次に、首部11に取付けた作業弁66の弁体73を開いて筐体74に収納し、ジャッキボルト107を回動して、仕切弁本体90を首部11に挿入する(
図8(b)参照)。最後に、首部11のフランジ17と仕切弁本体90のフランジ91とをボルト・ナット19により締付けて固定し、弁挿入装置100を取外す(
図8(c)参照)。
【0041】
こうして、
図9に示すように、首部11への仕切弁本体90の取付け、首部41への仕切弁84の取付け及びバイパス管85の取付けが完了する。流体管4、5を敷設替えする際には、首部41に取付けた作業弁76及び首部41に取付けた仕切弁84を上流側及び下流側ともに開いて、バイパス管85に流体を流すとともに、管路部8に設けられた上流側及び下流側の仕切弁本体90を閉止する。すると、2つの仕切弁本体90の間に挟まれた流体管4、5を不断流状態で工事を行えるようになる。
【0042】
また、不断流状態での工事が終了して管体1が長期間設置される敷設状態に戻す際には、先ず管路部8の仕切弁本体90を引き上げて筐体92内に収容して管路部8を開放し、下流側の流体管4、5に流体が流れるようにした状態にする。次に、仕切弁84及び首部41に取付けた作業弁76を閉止し、迂回用のバイパス管85及び仕切弁84を取り外す。そして、首部41の開放端部43を栓体51により閉塞し、フランジ47及び栓体51をスライダ治具87により固定する(
図6参照)。
【0043】
仕切弁本体90は、弁挿入装置100を取付けて、仕切弁本体90を固定した後、仕切弁本体90及び首部11のフランジ17を締付けるボルト・ナット19を取外す(
図8(b)参照)。次に、仕切弁本体90の密封部材94が首部11の上部内周面16に接触した状態、かつ、作業弁66の弁体73を閉止できる位置まで、仕切弁本体90を引上げた後、作業弁66の弁体73を首部11に挿入して、首部11を閉止する(
図7(b)、
図8(a)参照)。最後に、仕切弁本体90及び弁挿入装置100を取外し、フランジ17及び栓体21をスライダ治具87により固定する(
図6参照)。
【0044】
次に、首部11の作業弁66、首部41の作業弁76を開放し、スライダ治具87を締め込み、栓体21をフランジ17及び栓体51をフランジ47に密着させ、ボルト・ナット19及び49にて締付ける。栓体21によって開口部14及び開放端部13は密封され、栓体51によって開口部44及び開放端部43は密封されるので、作業弁66及び76を取外すことができる。
【0045】
最後に、
図10に示すように、首部11の開口部14にシール部材30を挿入し(
図10(a)参照)、背面部材27の凹部33を首部11の凸部18に嵌合し(
図10(b)参照)、次に背面部材28及び背面部材27の合わせ部材34を係合し(
図10(c)参照)、背面部材28に押しネジ31をねじ込み(
図10(d))、最後に、ゴムバンド32(図示せず)によって、背面部材27、28及び押しネジ31を覆って、腐食防止を行う。また、首部41の開口部44について、同様の手順で、バックアップリング56を取付ける。
【0046】
以上のように、本実施例における弁装置取付構造、弁装置取付方法及び弁装置取外方法は、不断流工事を行う際には、栓体21、51が、管体1の首部11、41に形成された開口部14、44及び首部の開放端部13、43を同時に密封するので、開口部14、44に作業弁66、76を取付けることができ、該作業弁66、76によって、首部11、41を閉止することができ、首部11、41を閉止後、栓体21、51を取外して、不断流の状態で、首部11、41に仕切弁本体90及び仕切弁84を取り付けることができる。また、長期間留置する際には、仕切弁本体90及び仕切弁84並びに作業弁66、76の双方を弁装置取付装置によって取り外しておくことができる。
【0047】
また、本実施例における栓体21、51は、開口部14、44よりも管路部8側の首部11、41の内周面を密封する密封部材22、53を備えるので、開口部14、44及び開放端部13、43を密封でき、首部11、41の開口部14、44に作業弁66、76を取付けることができる。
【0048】
さらに、本実施例における栓体21、51は、開口部14、44よりも開放端部側13、43の首部内周面を密封する密封部材23、52を備えるので、首部11、41の開口部14、44に作業弁66、76を取付けた後、栓体21、51は首部に対して移動することができる。
【0049】
本実施例における首部11、41は、開口部14、44に連なる内周面に、作業弁66、76の弁体73、83が当接する座を備えるので、弁装置は確実に首部を閉止することができる。
【0050】
本実施例における首部11、41は、開口部14、44を首部11、41の径方向外側から覆うバックアップリング26、56を備えるので、開口部14、44を首部の径方向外側から覆い、開口部14、44を首部外側から密封できるとともに、首部11、44における作業弁66、76の取付け面の腐食を防ぐことができる。
【実施例3】
【0054】
次に、実施例3に係る弁装置取付構造、弁装置取付方法及び弁装置取外方法につき、
図16〜
図18を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。前記実施例1及び2において、栓体は、開放端部及び開口部を密封する機能のみを有していたが、これに限らず、本実施例3のように、栓体の構造は、筒部と弁とから構成し、遮断及び開放する機能を有する栓体とすることもできる。尚、実施例3は、実施例1及び2と、栓体の構成が異なるのみで、他の構成は同じである。
【0055】
図16に示すように、本実施例3の栓体としての開閉弁131は、筒部131a及び弁部131bを一体として構成される。筒部131aは、中空筒状の部材で、首部41の内周に沿って挿入され、この筒部131aの外周には、環状の溝に嵌め込まれて、筒部131aの軸方向に所定の間隔離間して保持される密封部材132、133が取付けられている。このようにすることで、密封部材132、133に損傷が生じた場合に交換が容易にできる。弁部131bは、筒部131aの基端に連続形成されるフランジ131cと、バイパス管85に取付けるためのフランジ131dと、両フランジ131c、131dに連通し内部に図示しない弁体を有する弁箱と、を備えている。開閉弁131のフランジ131cと首部41のフランジ47とをボルト・ナット134により接続した状態で、首部41の開口部44(図示せず)は、筒部131aの外周の環状の溝に嵌め込まれた密封部材132、133により密封され、首部41の開放端部43は、弁部131bによって密閉される。さらに、開閉弁131は、前記実施例の栓体と異なり、首部41の開放端部43の遮断及び開放を弁操作によって自由に行うことができる。
【0056】
次に、開閉弁131を使用したときの作業弁の取付け・取外し手順を説明する。
【0057】
最初に、
図5(a)に示すように、首部41のフランジ47と栓体51とを締付けるボルト・ナット49全数をスライダ治具87に所定数ずつ交換し、首部41のフランジ47と栓体51とをスライダ治具87で締付けておく。
【0058】
続いて、
図6(a)に示すように、首部41のフランジ47と栓体51とを締付けるスライダ治具87を緩めて、首部41の開口部44に作業弁76の弁体83を挿入できる位置まで、栓体51を移動させる。次に、作業弁76の操作軸80を回動させて、弁体83によって首部41を閉塞する。この状態で、栓体51を取外す。
【0059】
次に、
図17に示すように、図示しない弁体を閉状態とした開閉弁131の筒部131aを首部41の開放端部43に挿入し、所定の固定手段(図示略)によって固定する。続いて、作業弁76の操作軸80を操作して弁体83を引上げ、首部41を開放する。その後、前記した固定手段を締め込み、開閉弁131のフランジ131cを首部41のフランジ47に密着させる。次に、前記した固定手段をボルト・ナット134に交換して、あるいは当該固定手段により固定したまま締付ける。この状態で、開閉弁131によって、首部41の開口部44及び開放端部43は密封されるので、作業弁76を取外すことができる(
図16参照)。このようにして、開閉弁131を使用した弁装置取付装置によって、作業弁76を取外すことができる。尚、前記した固定手段は、流体圧に抗して開閉弁131を首部41から離脱しないように固定するものであればよく、例えば、前記実施例のスライダ治具87、ストローク管理治具88や弁挿入装置100でもよいし、あるいは油圧機構を備えた装置であっても構わない。更に尚、上述した手順とは逆の手順で作業弁76を取付けることも可能である。
【0060】
また、
図16の開閉弁131は、筒部131aと弁部131bとを一体に構成しているが、筒部と弁とを別体に構成することもできる。
図18に示すように、開閉弁135は、筒体136と弁体139bとをボルト・ナット137によって、着脱自在に取付けられている。筒体136は、筒部136a、フランジ136b及びフランジ136cからなり、筒部136aの先端側外周には、環状の溝に嵌め込まれて、筒体136の軸方向に所定の間隔離間して保持される密封部材132、133が設けられている。このようにすることで、密封部材132、133に損傷が生じた場合に交換が容易にできる。
図16の開閉弁131と同じく、
図18の開閉弁135においても、首部41の開口部44は、筒部136aの外周の環状の溝に嵌め込まれた密封部材132、133により密封され、首部41の開放端部43は、弁体139bによって密閉される。したがって、開閉弁135を使用した弁装置取付装置によっても、作業弁76を取外すことができる。尚、開閉弁135を使用したときの作業弁の取外し手順も、開閉弁131を使用した場合の手順と同様の手順で行うことができる。更に尚、上述した手順とは逆の手順で作業弁76を取付けることも可能である。
【0061】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0062】
前記実施例では、
図2のバックアップリング26は、背面部材27、28を合わせ部材34によって係合して一体化していたが、これに限らず、例えば、
図14のバックアップリング110のように、背面部材111及び112をボルト・ナット113によって締付けて、首部11に取付けてもよい。さらに、背面部材111、112の端部に設けた凸部114を、首部11に設けた溝115に係合させて、バックアップリング110を首部11に対して位置決めしてもよい。
【0063】
さらに、
図15のように、バックアップリング120の背面部材121、122をゴムライニングピン123によって、首部11に取付けることもできる。また、
図14と同じく、背面部材121、122の端部に設けた凸部124を、首部11に設けた溝125に係合させて、バックアップリング120を首部11に対して位置決めすることもできる。尚、栓体21の筒部21aの外周面及び先端面に、ゴムライニングを施してシール性を高めることが望ましい。
【0064】
前記実施例では、管体1の上流側及び下流側の端部のいずれもが挿口部2、3となっているが、管体1の上流側及び下流側の端部のいずれもが受口部若しくは切断により形成された切断端部(図示略)となっている構成であってもよい。尚、管体1の上流側及び下流側の端部は、一方が挿口部で他方が受口部となっている構成であってもよいし、一方が切断端部で他方が挿口部若しくは受口部となっているような挿口部、受口部、切断端部を組み合わせた構成となってもよい。また、本発明の管体は、流体が流れる管路を構成するものであれば、必ずしも流体管に限らず、例えば、仕切弁、ボール弁等の弁体部とスリーブとからなるものでもよい。
【0065】
また、前記実施例では、首部41が、管路部8の管軸線と異なる略水平方向に突出し、首部11が、管路部8の管軸線と異なる垂直方向に突出し設けられているが、これに限らず、首部11、首部41は、共に同一の面に設けられてもよいし、いずれか一方が上面に設けられ、他方が側面に設けられる構成であってもよい。また、1つの管体に首部が1つのみ若しくは3つ以上設けられていてもよい。
【0066】
また、前記実施例では、作業弁66、76が、首部11、41の軸線に対し垂直に直角に挿入されるようになっているが、作業弁66、76の挿入方向は首部11、41の軸線に対し、若干斜め方向から挿入されるようにしてもよい。更に、首部11、41に設けられる開口部14、44は、首部11、41の周囲のいずれの方向に設けてもよい。