【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、注射デバイスは、プレフィルドシリンジ及びプレフィルドシリンジ用の安全デバイスを含む。安全デバイスは、
−アダプタ手段、
−中空支持ボディ、及び
−支持ボディに対して摺動可能に配置された中空外部ボディ、
を含む。
アダプタ手段は、プレフィルドシリンジをそれに付ける(affix)ように適合され、それにより、アダプタ手段は、プレフィルドシリンジのバレルと係合する。アダプタ手段は、アダプタ手段を安全デバイスにロックするように適合された少なくとも一つのロッキング突出部を含む。
【0011】
注射デバイスは、都合よく、安全デバイス及びアダプタ手段のために事前に述べた利点を組み合わせる。注射デバイスは、患者の皮膚の下に薬物又は薬剤を注射投与(injection deliver)する前、その間、その後に取扱うのが容易であり、そして、偶発的な針突き刺し損傷を阻止する
【0012】
アダプタ手段は、アダプタ手段にプレフィルドシリンジのバレルに係合し、そして付けるのに好適な内部寸法を含む。アダプタ手段は、アダプタ手段、及び安全デバイス内でそれに固定されたプレフィルドシリンジを確実に取り付けるように設計された外部寸法を含む。異なったサイズのプレフィルドシリンが、安全デバイス内に保持され得るように、異なった内部寸法と同一の外部寸法を備えた異なったアダプタ手段を提供することは、本発明の範囲内である。安全デバイスの主構成部材が、あるサイズ又はタイプのプレフィルドシリンジを要求する特定の医学的適用とは独立に、大量に製造し得るので、これは製造コストを低下させる。
【0013】
更にその上、アダプタカラーのロッキング突出部は、針の安全性を提供する安全デバイス内での位置において、アダプタカラー内に保持されるプレフィルドシリンジを確実にロックするための手段を提供し、それにより、プレフィルドシリンジの使用済みの皮下針の再露出を阻止する。
【0014】
アダプタ手段は、プレフィルドシリンジのバレルの軸方向の長さに実質的に対応する軸方向の寸法を有してもよい。アダプタカラーは、例えば、プレフィルドシリンジを安全デバイスに取り付ける取り付け手段、針の安全性を確保するプレフィルドシリンジ用の後退機構、又は、使用済み皮下針の再露出を阻止する機構などの、安全デバイスの安全機能により係合され得るバレルの軸方向の全長に実質的に沿って、プラットフォームを提供する。
【0015】
本発明の可能な実施態様によると、アダプタ手段の二つの反対方向のクランプアームは、プレフィルドシリンジをアダプタ手段に付けるためにプレフィルドシリンジのバレルを摩擦係合するように適合される。クランプアームは、プレフィルドシリンジをその内部で堅く保持し、そしてプレフィルドシリンジをアダプタ手段に付けるために、簡単な手段を提供する。
【0016】
アダプタ手段は、プレフィルドシリンジのバレルの外径に対応する内径を備えた中央開口部を含み得る。特に、異なったサイズのプレフィルドシリンジは、異なった外径を備えたバレルを含んでもよく、ここで、異なったサイズのプレフィルドシリンジの各々は、一つの対応するサイズのアダプタカラーに固定可能である。アダプタカラーは、その結果、安全デバイスがアダプタ手段を経由して安全デバイス内に取り付けられたプレフィルドシリンジの寸法に本質的に独立した寸法を有しても良いように、安全デバイスのためのスペーサエレメントとして使用し得る。
【0017】
本発明の可能性のある実施態様によると、アダプタ手段は、バレルのバレルカラーに隣接するように適合された近位カラーを含む。近位カラーは、その結果、少なくとも遠位方向において、アダプタ手段に対してプレフィルドシリンジの変位を避ける。
【0018】
本発明の別の可能性のある実施態様によると、二つのロッキング突出部は、アダプタカラーと針の安全位置に固定されたプレフィルドシリンジを確実にロックするために、アダプタ手段の二つの対向する側面から半径方向外側に突出する。
【0019】
本発明によると、プレフィルドシリンジ用の安全デバイスは、
−アダプタ手段、
−中空支持ボディ、及び
−支持ボディに対して摺動可能に配置された中空外部ボディ、
を含む。アダプタ手段は、プレフィルドシリンジをそれに付けるように適合される。アダプタ手段が支持ボディに対して第一の位置から第二の位置へ可動であるような方法で,アダプタ手段は、支持ボディ内に保持され、ここで、アダプタ手段のロッキング突出部は、第二の位置においてアダプタ手段を不可逆的にロックために、支持ボディ内に形成されたロッキング凹部と係合する。
【0020】
アダプタ手段を備えた安全デバイスは、都合よく、前述の利点を組み合わせ、そして、特に、注射を実施した後、偶発的針突き刺し損傷を阻止する。ロッキング突出部及びロッキング凹部は、アダプタを後退した第二位置へロックするために、特に簡単な手段を構成する。ロッキング凹部は、安全デバイスの支持ボディ内に形成された開口部の形状を有してもよい。あるいは、ロッキング凹部は、人が第二の位置においてアダプタ手段をロッキングするロッキング突出部を改ざんすることを阻止するために、支持ボディの内面に形成され得る。
【0021】
本発明の可能な実施態様によると、外部ボディの半径方向突出部は、半径方向内側に、そして支持ボディ内に形成された縦方向スロットを通して突出する。半径方向突出部は、アダプタ手段を外部ボディに連結するために、アダプタ手段の遠位カラーを捕捉する。半径方向突出部は、外部ボディと支持ボディの間の相対回転が阻止されるように、外部ボディが支持ボディに対して摺動するとき、縦方向スロットに沿って動く。外部ボディは、その結果、都合よく、直線並進運動で摺動し、それにより、特に、注射を受ける患者の皮膚に隣接し得る部分の不愉快な回転を阻止する。更にその上、遠位カラーを捕捉する半径方向突出部は、プレフィルドシリンジを第二の位置に取り付けるアダプタカラーを後退させる信頼性のある、そして効率的な機構を提供し、ここで、第二の位置において、支持ボディは、偶発的な針突き刺し損傷を避けるために、プレフィルドシリンジの皮下針を取り囲む。
【0022】
外部ボディに連結されたアダプタ手段は、第一の位置から第二の位置へ、支持ボディに対して外部ボディの近位運動により可動的であってもよい。プレフィルドシリンジの後退は、その結果、安全デバイスの自動後退機構が機能しない場合、外部ボディを手動で起動することにより実施し得る。
【0023】
本発明の別の可能な実施態様によると、スプリング手段は、近位方向において、支持ボディに対して外部ボディを付勢するために、安全デバイス内に配置される。外部ボディを付勢するスプリング手段は、注射が完了したとき、第一の位置から第二の位置へ外部ボディを連結するアダプタ手段を自動的に後退させる。針の安全性を確保するために安全デバイスの使用者の更なる相互作用は必要としない。
【0024】
スプリング手段は、材料の疲労を避けるために、非エネルギ化状態で、又は若干のエネルギのみを付与された状態内で配置されてもよい。安全デバイスは、その結果、長期期間の保存の後ですら、確実に使用し得る。
【0025】
更にその上、プレフィルドシリンジは、第一の位置において支持ボディ内に保持されるアダプタ手段に固定される。第一の位置において、プレフィルドシリンジの皮下針は、支持ボディから遠位的に突出する。アダプタ手段に固定されたプレフィルドシリンジは、支持ボディに対して、第一の位置から第二の位置へ可動である。第二の位置において、プレフィルドシリンジの皮下針は、支持ボディにより取り囲まれる。アダプタ手段のロッキング突出部は、第二の位置においてアダプタ手段を不可逆的にロックするために、支持ボディ内に形成されたロッキング凹部に係合する。
【0026】
本発明の可能性のある実施態様によると、外部ボディは、注射行程を実行するために、遠位方向において支持ボディに対して可動であり、それにより、プレフィルドシリンジの内部キャビティに含まれる薬物又は薬剤は、皮下針を通して排出される。外部ボディは、薬物を放出するためにピストンに連結するピストンロッドに隣接する。あるいは、ピストンロッドは、外部ボディに一体化される。外部ボディは使用者により、握られてもよく、そして、未経験の使用者ですら注射デバイスの使用を可能にする患者の皮膚面に向かって、単一の直線注射行程において押されてもよい。
【0027】
本発明の詳細は以下に記載される。しかし、詳細な記載及び具体的な例は、本発明の可能な実施態様を示し、そして図を用いてのみ与えられることは、理解すべきである。本発明の精神及び範囲内での図示された実施態様の様々な変化及び改変は、当業者により認識される。
【0028】
本発明は、以下に与えられた詳細な記載から、よく理解されるであろう。添付の図面は、説明目的のためにのみ与えられ、そして本発明の範囲を制限するものではない。