特許第6199785号(P6199785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199785
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20170911BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   G03G21/00 538
   G03G15/08 390B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-68022(P2014-68022)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-191094(P2015-191094A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】田内 康大
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 麻美
(72)【発明者】
【氏名】石原 力
(72)【発明者】
【氏名】松井 謙之
(72)【発明者】
【氏名】今西 康
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−038279(JP,A)
【文献】 特開2011−033913(JP,A)
【文献】 特開2007−298782(JP,A)
【文献】 特開2014−038281(JP,A)
【文献】 特開平10−268725(JP,A)
【文献】 特開2013−190600(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0243472(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像器とを有し、上記感光体上に現像された画像を用紙に印刷する画像形成部と、
一端が上記現像器の近傍に設けられる吸引ダクトと、
上記吸引ダクトの他端に接続されると共に吸引ファンを有し、上記吸引ダクトを介して上記現像器周辺の現像剤を上記吸引ファンによって吸引して回収する回収ボックスと、
上記吸引ダクト内における所定箇所に所定量以上のトナーが堆積しているか否かの検出を行うトナー検出手段と、
上記吸引ダクト内における上記所定箇所に空気を吹出し可能に構成された補助ファンと、
上記トナー検出手段により上記所定量以上のトナーの堆積が検出された場合に、上記補助ファンを作動させる制御手段と、を備え

上記制御手段は、上記画像形成装置における印刷ジョブの実行中は、上記吸引ファンを作動させるように構成され、
上記トナー検出手段は、上記画像形成部における印刷ジョブの実行中は、上記検出を実行しないように構成されている、画像形成装置。
【請求項2】
感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像器とを有し、上記感光体上に現像された画像を用紙に印刷する画像形成部と、
一端が上記現像器の近傍に設けられる吸引ダクトと、
上記吸引ダクトの他端に接続されると共に吸引ファンを有し、上記吸引ダクトを介して上記現像器周辺の現像剤を上記吸引ファンによって吸引して回収する回収ボックスと、
上記吸引ダクト内における所定箇所に所定量以上のトナーが堆積しているか否かの検出を行うトナー検出手段と、
上記吸引ダクト内における上記所定箇所に空気を吹出し可能に構成された補助ファンと、
上記トナー検出手段により上記所定量以上のトナーの堆積が検出された場合に、上記補助ファンを作動させる制御手段と、
記回収ボックス内における上記吸引ファンの上流側に配置され、空気中のトナーを捕捉するフィルターと、
上記フィルターを振動させて当該フィルターからトナーを篩い落とす振動モーターと、備え、
上記制御手段は、上記補助ファンの作動中は、上記吸引ファンを作動させる一方、上記振動モーターを作動させないように構成され
上記制御手段は、上記画像形成装置にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が所定枚数以上である場合には、当該印刷ジョブの終了後に上記振動モーターを所定時間、作動させるようになっていて、当該振動モーターの作動中は、上記吸引ファン及び上記補助ファンを作動させないように構成されており、
上記トナー検出手段は、上記画像形成装置にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が上記所定枚数以上である場合において、当該印刷ジョブの終了後に上記振動モーターを所定時間作動させた後、上記検出を実行するように構成されている、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記回収ボックス内における上記吸引ファンの上流側に配置され、空気中のトナーを捕
捉するフィルターと、
上記フィルターを振動させて当該フィルターからトナーを篩い落とす振動モーターと、をさらに備え、
上記制御手段は、上記補助ファンの作動中は、上記吸引ファンを作動させる一方、上記
振動モーターを作動させないように構成されている、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
上記吸引ダクトは屈曲部を有し、
上記所定箇所は、上記吸引ダクト内における上記屈曲部が位置する箇所である、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、画像形成装置における現像器で飛散したトナー(現像剤)を吸引して回収する現像剤回収装置が知られている。この現像剤回収装置は、吸引口が現像器の近傍に設けられるトナー吸引ダクトと、トナー吸引ダクトに接続され、現像器の飛散トナーをトナー吸引ダクトを介して吸引し回収するトナー回収部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−298782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した現像剤回収装置では、トナー吸引ダクト内にトナー(現像剤)が堆積してしまうという問題があった。つまり、現像器で飛散した現像剤を完全にトナー回収部に回収するのは困難であり、トナー吸引ダクト内に現像剤が残ってしまうという問題があった。トナー吸引ダクト内に現像剤が堆積すると、トナー吸引ダクト内の吸引抵抗が増大して、飛散した現像剤の回収率が低下してしまう。延いては、画像形成装置の外部に現像剤が漏出して室内環境が悪化する虞がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤の機外への漏出を抑制し得る画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像器とを有し、上記感光体上に現像された画像を用紙に印刷する画像形成部と、一端が上記現像器の近傍に設けられる吸引ダクトと、 上記吸引ダクトの他端に接続されると共に吸引ファンを有し、上記吸引ダクトを介して上記現像器周辺の現像剤を上記吸引ファンによって吸引して回収する回収ボックスと、 上記吸引ダクト内における所定箇所に所定量以上のトナーが堆積しているか否かの検出を行うトナー検出手段と、上記吸引ダクト内における上記所定箇所に空気を吹出し可能に構成された補助ファンと、上記トナー検出手段により上記所定量以上のトナーの堆積が検出された場合に、上記補助ファンを作動させる制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記画像形成装置における印刷ジョブの実行中は、上記吸引ファンを作動させるように構成され、上記トナー検出手段は、上記画像形成部における印刷ジョブの実行中は、上記検出を実行しないように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像剤の機外への漏出を抑制し得る画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、トナー回収装置の構成を示す斜視図である。
図3図3は、回収ボックスの構成を示す斜視図である。
図4図4は、トナー回収装置の制御構成を示すブロック図である。
図5図5は、トナー回収装置および現像器の構成を示す斜視図である。
図6図6は、画像形成装置にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数未満の場合におけるトナー回収装置の作動制御の一例を示すタイムチャートである。
図7図7は、画像形成装置にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数以上で且つ第2枚数未満の場合におけるトナー回収装置の作動制御の一例を示すタイムチャートである。
図8図8は、画像形成装置にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第2所定枚数以上の場合におけるトナー回収装置の作動制御の一例を示すタイムチャートである。
図9図9は、比較形態を示す図7相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《実施形態1》
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態の画像形成装置1は、例えばレーザプリンターや複合機であり、端末等から受信した印刷ジョブを基に、用紙に画像データを印刷する。画像形成装置1は、印刷ジョブに含まれる印刷枚数情報に応じた枚数の印刷を実行する。図1に示すように、画像形成装置1は、給紙部2と、画像形成部3と、定着部4と、排紙部5とを備えている。
【0011】
給紙部2は、用紙を画像形成部3へ供給するカセット給紙部や手差しトレイである。画像形成部3は、現像器11や感光ドラム12(感光体)などを備えている。画像形成部3では、光走査装置(図示省略)によって感光ドラム12に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像器11によって現像されて現像剤の像であるトナー像になる。このトナー像は、給紙部2から供給された用紙に転写される。定着部4は、定着ローラーおよび加圧ローラー(何れも図示省略)を備え、画像形成部3で用紙に転写されたトナー像をその用紙に定着させる。こうして、用紙に画像が形成される。排紙部5は、定着部4から画像形成された用紙が供給される排紙トレイ(図示省略)を有している。
【0012】
さらに、画像形成装置1は、トナーコンテナー20とトナー回収装置30(現像剤回収装置)とを備えている。トナーコンテナー20は、現像器11に供給する現像剤としてのトナーが収容されている。トナー回収装置30は、現像器11で飛散したトナー(現像剤)を吸引して回収するものである。
【0013】
トナー回収装置30の構成について図2図5を参照しながら説明する。図2及び図5等に示すように、トナー回収装置30は、トナーの回収ボックス40と、該回収ボックス40に接続される吸引ダクト31および排気ダクト35とを備えている。
【0014】
図3に示すように、回収ボックス40は、矩形の箱状に形成されたボックス本体41を備えている。ボックス本体41の内部には略U字状の通路45が形成されている。ボックス本体41には、通路45の一端に対応する位置に入口42が形成され、通路45の他端に対応する位置に出口43が形成されている。入口42には吸引ダクト31が接続され、出口43には排気ダクト35が接続されている。吸引ダクト31の一端は、現像器11の近傍に位置して、現像器11で飛散したトナーを吸引可能になっている(図5参照)。
【0015】
ボックス本体41には、吸引ファン46(吸引機構)と、トナーを捕捉する2つのフィルター47,48が収納されている。吸引ファン46は、通路45における出口43に対応する位置に設けられている。2つのフィルターは、上流フィルター47と下流フィルター48であり、通路45において吸引ファン46の上流側(即ち、吸引側)に順に設けられている。
【0016】
トナー回収装置30では、吸引ファン46を作動させることによって、現像器11で飛散したトナーが空気と共に吸引ダクト31を通って回収ボックス40に吸い込まれる。回収ボックス40では、吸い込まれたトナーが通路45を流れて上流フィルター47で捕捉される。万一、上流フィルター47で捕捉されずに通過したトナーは、下流フィルター48で捕捉される。一方、回収ボックス40にトナーと共に吸い込まれた空気は、2つのフィルター47,48を順に通過して出口43から排気ダクト35に流れる。排気ダクト35に流れた空気は、最終的には画像形成装置1の外部に排出される。このように、回収ボックス40は、現像器11で飛散したトナー(現像器11周辺のトナー)を吸引ファン46によって吸引し、フィルター47,48に捕捉させて回収する。
【0017】
さらに、トナー回収装置30は、図4に示すように、上流フィルター47を振動させる振動モーター51(振動機構)と、エアーアシストファン55(補助ファン)と、制御部52とを備えている。
【0018】
振動モーター51は、上流フィルター47を振動させて、上流フィルター47に捕捉されたトナーを篩い落とすように構成されている。これにより、上流フィルター47のトナーによる目詰まりが抑制される。
【0019】
エアーアシストファン55は、図2に示すように、吸引ダクト31の途中のダクト内部に空気を吹き出して、ダクト内部に堆積したトナーを吹出空気によって巻き上げる。そうして、エアーアシストファン55は、回収ボックス40内に設けられた吸引ファン46によるトナーの吸引をアシストする。
【0020】
上記吸引ダクト31は、やや上方へ略直角に曲げられた屈曲部32,33を有している。この屈曲部32,33にはそれぞれ、トナー検出センサー56が設けられている。各トナー検出センサー56は、発光部と受光部とを有する光学式の検出センサーである。各トナー検出センサー56は、発光部と受光部との間にトナーが存在するときに受光部での受光が遮断されることで、トナー検出信号を出力する。本実施形態では、各トナー検出センサー56は、各屈曲部32,33の内部のトナーの堆積量が所定量以上になったときにトナー検出信号を出力する。トナー検出センサー56から出力されたトナー検出信号は、後述の制御部60に送信される。エアーアシストファン55には、2つの吹出通路56,57が接続されている。第1吹出通路56は、一端がエアーアシストファン55に接続され、他端が吸引ダクト31の第1屈曲部32に接続されている。第2吹出通路57は、一端が第1吹出通路56の途中に接続され、他端が吸引ダクト31の第2屈曲部33に接続されている。つまり、エアーアシストファン55は、吹出通路56,57を通じて吸引ダクト31の屈曲部32,33に空気を吹き出すように構成されている。
【0021】
図4に示すように、制御部60は、トナー検出センサー56等からの信号を基に、吸引ファン46、振動モーター51およびエアーアシストファン55の作動を制御する。
【0022】
制御部60は、画像形成装置1における印刷ジョブの実行中、吸引ファン46を作動させる。制御部60は、基本制御として、振動モーター51の作動時は吸引ファン46およびエアーアシストファン55を停止する。また、制御部60は、エアーアシストファン55の作動時は吸引ファン46を作動させる。
【0023】
本実施形態では、制御部60は、画像形成装置1にて実行される印刷ジョブの印刷枚(印刷ジョブの印刷枚数情報に予め含まれている印刷枚数)数に応じて異なる制御を実行する。
【0024】
具体的には、制御部60は、画像形成装置1にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数(本実施形態では例えば1000枚)未満である場合には、振動モーター51を作動させることなく、印刷ジョブの終了後に、トナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信したか否かの判定処理(以下、トナー検出処理という)を実行する。そして、制御部60は、トナー検出信号を受信したと判定した場合には、エアーアシストファン55を作動させる(図6参照)。このとき、制御部60は、エアーアシストファン55と共に吸引ファン46を作動させる。尚、制御部60においてトナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信しなかった場合には、図中の動作Aを実行せずに次の印刷ジョブを開始すればよい。
【0025】
一方、制御部60は、画像形成装置にて実行中される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数以上である場合には、当該印刷ジョブの終了後に振動モーター51を所定時間(例えば10秒)作動させる。そして、制御部60は、振動モーター51を作動させた後に、トナー検出処理を実行して、トナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信したと判定した場合には、エアーアシストファン55を作動させる(図7参照)。このとき、制御部60は、エアーアシストファン55と共に吸引ファン46を作動させる。尚、制御部60においてトナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信しなかった場合には、図中の動作Aを実行せずに次の印刷ジョブを開始すればよい。
【0026】
但し、制御部60は、一つの印刷ジョブの印刷枚数が第2所定枚数(本実施形態では例えば5000枚。第2所定枚数>第1所定枚数)以上である場合には、印刷ジョブの終了前であっても、印刷枚数が第2所定枚数に達したときに、当該印刷ジョブを中断して振動モーター51を所定時間(例えば10秒)、作動させる(図8参照)。制御部60は、その後も第2所定枚数分の印刷が完了する度に、印刷ジョブを中断して振動モーター51を作動させる。このとき、制御部60は、振動モーター51の作動が終了する度に、トナー検出処理を実行して、トナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信したと判定した場合には、エアーアシストファン55を作動させる。尚、制御部60においてトナー検出センサー56からのトナー検出信号を受信しなかった場合には、図中の動作Aを実行せずに、中断中の印刷ジョブを再開すればよい。
【0027】
以上説明したように、上記実施形態では、吸引ダクト31の途中のダクト内部に空気を吹き出すエアーアシストファン55を設けるようにしたため、吸引ダクト31内に堆積したトナーを巻き上げることができる。そのため、吸引ダクト31内に堆積したトナーを吸引ファン46によって容易に吸引することが可能になる。これによって、吸引ダクト31内のトナーの堆積を抑制できるので、吸引ダクト31内の流通抵抗の増大を抑制することができる。その結果、トナーの回収率の低下を抑制し、延いては、飛散トナーが画像形成装置1の外部に漏出するのを抑制することが可能となる。
【0028】
しかも、上記実施形態のトナー回収装置30では、吸引ダクト31においてトナーが堆積しやすい屈曲部32,33に空気を吹き出すようにしているため、吸引ダクト31におけるトナーの堆積を効果的に抑制することが可能である。特に、本実施形態では、屈曲部32,33が上方へ曲げられているためトナーが一層堆積しやすいが、その堆積を効果的に抑制することができる。
【0029】
また、上記実施形態では、制御部60は、吸引ダクト31の屈曲部33,34(所定箇所)に設けられたトナー検出センサー56からの信号を基に、屈曲部33,34の内部に所定量以上のトナーが堆積していることを検出した場合にのみエアーアシストファン55を作動させるように構成されている。したがって、屈曲部33,34内に所定量以上のトナーが堆積していない場合には、エアーアシストファン55を作動させなくて済むので、トナー検出センサー56を設けない場合に比べて省エネ化を図ることができる。
【0030】
また、上記実施形態では、制御部60は、エアーアシストファン55の作動中は、吸引ファン46を作動させるように構成されている。これにより、エアーアシストファン55から吹き出された空気により巻き上がったトナーを吸引ファン46により回収ボックス40内へと確実に導くことができる。ここで、吸引ファン46が作動しているときに、振動モーター51を作動させた場合、折角、上流フィルター47から篩い落とされたトナーが該フィルター47まで舞い戻って付着する虞がある。これに対して、上記実施形態では、エアーアシストファンの作動中(吸引ファン46の作動中)は振動モーター51を作動させないようにしたので、振動モーター51が不必要に作動するのを防止することができる。よって、省エネ化をより一層、促進することができる。
【0031】
また、上記実施形態では、制御部60は、画像形成装置1における印刷ジョブの実行中は、吸引ファン46を作動させるように構成されている。これにより、印刷ジョブの実行時に現像器11にて発生する飛散トナーを、吸引ファン46の吸引力により回収ボックス40へと導くことができる。そして、制御部60は、画像形成装置1における印刷ジョブの実行中は、上記トナー検出処理を実行しないように構成されている。そうすることで、トナー検出センサー56が、ダクト31の屈曲部32,33内を通過する飛散トナーを堆積トナーとして誤検出するのを防止することができる。
【0032】
上記実施形態では、制御部60は、画像形成装置1にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数以上である場合には、当該印刷ジョブの終了後に振動モーター51を所定時間、作動させるようになっている。これにより、印刷ジョブの印刷枚数が多いために大量の飛散トナーが発生したとしても、上流フィルター47から飛散トナーを篩い落としてフィルター47を再生することができる。そして、上記実施形態では、この振動モーター51の作動中は、吸引ファン46及びエアーアシストファン55が作動しないようになっているので、振動モーター51の作動により上流フィルター47から篩い落とされたトナーが該フィルター47に再付着するのを防止することができる。
【0033】
制御部60は、画像形成装置1にて実行される印刷ジョブの印刷枚数が第1所定枚数以上である場合において、振動モーター51を所定時間作動させた後に、上記トナー検出処理を実行するように構成されている。これにより、トナー検出センサー56による誤検出を防止しながら印刷ジョブの中断時間を短縮することができる。図9は、比較例として、トナー検出処理を実行した後に振動モーター51を作動させた場合を示している。図9図7とを比較すると、本実施形態の方が比較例に比べて、印刷ジョブの中断時間が短い(この例では5秒短い)ことがわかる。本実施形態の場合、振動モーター51を作動させることで吸引ファン46が停止するタイミングを利用して上記トナー検出処理を実行するようにしているので、このような印刷ジョブの中断時間の短縮が可能となる。
【0034】
《他の実施形態》
上記実施形態では、トナー検出センサー56は光学式のセンサーにより構成されているが、これに限ったものではなく、例えば圧電式のセンサーにより構成するようにしてもよい。
【0035】
上記実施形態では、エアーアシストファン55によりダクト31の屈曲部32,33に空気を吹き付けるようにしているが、必ずしも屈曲部32,33に吹き付ける必要はなく、例えばストレート部に吹き付けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上説明したように、本発明は、感光体と、該感光体上の静電潜像を現像剤で現像する現像器とを有し、上記感光体上に現像された画像を用紙に印刷する画像形成部とを備えた画像形成装置に有用である。
【符号の説明】
【0037】
1 画像形成装置
11 現像器
12 感光ドラム(感光体)
30 トナー回収装置(現像剤回収装置)
32 屈曲部
33 屈曲部
40 回収ボックス
46 吸引ファン
47 上流フィルター
51 振動モーター(振動機構)
55 エアーアシストファン(補助ファン)
56 トナー検出センサー(トナー検出手段)
60 制御部(制御手段、トナー検出手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9