特許第6199788号(P6199788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199788
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】柵のビーム取付構造及び取付金具
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/04 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   E01F15/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-70656(P2014-70656)
(22)【出願日】2014年3月29日
(65)【公開番号】特開2015-190285(P2015-190285A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】釜谷 隆広
(72)【発明者】
【氏名】丸山 直幸
(72)【発明者】
【氏名】木村 和夫
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−075401(JP,A)
【文献】 特開2008−019624(JP,A)
【文献】 実開昭55−180863(JP,U)
【文献】 特開2000−120304(JP,A)
【文献】 特開2006−291546(JP,A)
【文献】 特開平11−036671(JP,A)
【文献】 米国特許第03960367(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて立設された二本の支柱の相対向する側壁間に取付金具を介して柵ビームが架設された柵のビーム取付構造であって、取付金具は、前記支柱の側壁にその内側面が当接される基部と、該基部の両側端から相対向し、前記支柱と反対側に突設されるとともに、切欠部が設けられた板状の柵ビーム取付部と、前記基部の側端部から前記支柱側に突設された舌片と、該舌片から前記基部にわたって横長に形成された取付金具を支柱に取付けるためのガイド孔とを備え、前記支柱の側壁に設けられた貫通孔と前記ガイド孔とに金具取付用ボルトを挿通し、該金具取付用ボルトに金具取付用ナットが螺着されて前記取付金具が前記支柱に取付けられるとともに、前記取付金具の柵ビーム取付部に前記柵ビームが取付けられていることを特徴とする柵のビーム取付構造。
【請求項2】
前記切欠部は前記柵ビーム取付部の基部側に設けられ、前記舌片は前記基部の一方の側端部のみから突設され、前記舌片が突設されていない他方の基部の側端部は前記ガイド孔側に切り込まれ、基部の側端部に切り込み部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の柵のビーム取付構造。
【請求項3】
前記ガイド孔の長さから前記金具取付用ボルトのネジ直径の長さを差し引いた長さが、前記支柱の外周全長のほぼ4分の1となされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の柵のビーム取付構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の柵のビーム取付構造に用いられる取付金具であって、金属製の平板をプレス加工する際、前記基部の一方の側端部から前記柵ビーム取付部が切り起こされて形成されるとともに、切り起こされた残余の部分が前記舌片となされていることを特徴とする取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路等に設置されるパネル柵やビーム柵、メッシュフェンス柵等の柵のビーム取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路等に設置される柵ビームの取付構造としては、例えば、傾斜地に鉛直に植立された複数本の支柱と、これら支柱の間に前記傾斜地に対してほぼ平行に差し渡されビームと、これらビームと前記支柱の間に介装された上り継手及び下り継手とから構成され、前記各継手は、ビームの中心線を結ぶ傾斜基線に関して下側の受けと、前記傾斜基線に関して上側の蓋と、前記ビームの端部に上側から蓋をかつ下側から受けを同時に締付けたナットと、前記支柱のネジ孔に受けを締付けた横ボルトとから構成され、前記受けは、上開放半筒形の受け筒と、その基端内側に外周縁が固定された、支柱の外周に沿った取付板と、前記受け筒の先下部に形成された締付孔と、前記取付板に傾斜基線に関して上側に位置するように形成された上孔と、同じく傾斜基線に関して下側に位置するように形成された下孔とから構成され、前記蓋は、下開放半筒形の蓋筒と、その先端内側に固定されるかまたは蓋筒先端部に挿通された縦ボルトとから構成された傾斜地用金具を用いた防護柵のビーム取付構造が開示されている。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−82716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の柵ビームの取付構造では、上り継手と下り継手とを支柱に取付ける際には、上り継手及び下り継手の受けを各々横ボルトで支柱のネジ孔に螺着して固定しているため、上り継手の受けを横ボルトで支柱に固定する作業と下り継手の受けを横ボルトで支柱に固定する作業を別々に行わざるを得ず、施工性において改善の余地を残すとともに、継手も上りと下りのそれぞれ1種類ずつ製造する必要があり、よりよい改善が求められているものであった。
【0005】
そこで本発明は、施工性の向上を図ることができるとともに、ビームを支柱に取付ける取付金具を1種類のみで設置することができる柵のビーム取付構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち、本発明に係る柵のビーム取付構造は、間隔をおいて立設された二本の支柱の相対向する側壁間に取付金具を介して柵ビームが架設された柵のビーム取付構造であって、取付金具は、前記支柱の側壁にその内側面が当接される基部と、該基部の両側端から相対向し、前記支柱と反対側に突設されるとともに、切欠部が設けられた板状の柵ビーム取付部と、前記基部の側端部から前記支柱側に突設された舌片と、該舌片から前記基部にわたって横長に形成された取付金具を支柱に取付けるためのガイド孔とを備え、前記支柱の側壁に設けられた貫通孔と前記ガイド孔とに金具取付用ボルトを挿通し、該金具取付用ボルトに金具取付用ナットが螺着されて前記取付金具が前記支柱に取付けられるとともに、前記取付金具の柵ビーム取付部に前記柵ビームが取付けられていることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明に係る柵のビーム取付構造は、前記切欠部は前記柵ビーム取付部の基部側に設けられ、前記舌片は前記基部の一方の側端部のみから突設され、前記舌片が突設されていない他方の基部の側端部は前記ガイド孔側に切り込まれ、基部の側端部に切り込み部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明に係る柵のビーム取付構造は、前記ガイド孔の長さから前記金具取付用ボルトのネジ直径の長さを差し引いた長さが、前記支柱の外周全長のほぼ4分の1となされていることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明に係る取付金具は、金属製の平板をプレス加工する際、前記基部の一方の側端部から前記柵ビーム取付部が切り起こされて形成されるとともに、切り起こされた残余の部分が前記舌片となされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る柵のビーム取付構造によれば、取付金具は、前記支柱の側壁にその内側面が当接される基部と、該基部の両側端から相対向し、前記支柱と反対側に突設されるとともに、切欠部が設けられた板状の柵ビーム取付部と、前記基部の側端部から前記支柱側に突設された舌片と、該舌片から前記基部にわたって横長に形成された取付金具を支柱に取付けるためのガイド孔とを備え、前記支柱の側壁に設けられた貫通孔と前記ガイド孔とに金具取付用ボルトを挿通し、該金具取付用ボルトに金具取付用ナットが螺着されて前記取付金具が前記支柱に取付けられるとともに、前記取付金具の柵ビーム取付部に前記柵ビームが取付けられているので、連続する柵の一番端に位置する柵の端部(端末)においては、前記金具取付用ボルトを前記取付金具のガイド孔に挿通し前記支柱に取付金具を1個取付けて、それに柵ビームを支柱の側方の一方向に取付けることができ、また柵の端部以外、所謂、柵の中間部においては、前記取付金具を2個用いて、前記金具取付用ボルトをそれぞれの取付金具のガイド孔に挿通し前記支柱に取付金具を2個取付けて、それに柵ビームを支柱の側方のニ方向に取付けることができ、柵ビームを支柱に取付けるための取付金具を1種類のみで柵を設置することができるので、形状が異なる複数の取付金具を製作し、在庫する費用・保管場所を必要としないのに加え、柵の中間部においては、同一の取付金具2個を1本の金具取付用ボルトで支柱に取付けることができるので、取付金具を取り違えたりすることなく、効率よく柵を施工することができる。
【0011】
また本発明に係る柵のビーム取付構造によれば、前記切欠部は前記柵ビーム取付部の基部側に設けられ、前記舌片は前記基部の一方の側端部のみから突設され、前記舌片が突設されていない他方の基部の側端部は前記ガイド孔側に切り込まれ、基部の側端部に切り込み部が設けられているため、支柱に直角方向に柵ビームを取付ける場合、前記舌片が前記切り込み部に収まる様になされ、2個の取付金具が干渉することなく、柵ビームを支柱に取付けることができるので、支柱の側方に一直線状(180°)に柵ビームを取付ける場合であっても、支柱の側方に直角(90°)に柵ビームを取付ける場合であっても、同一形状の1種類の取付金具のみを2個用いて柵ビームを取付けることができ、複数の形状が異なる取付金具を製作し、在庫する費用・保管場所を必要とせず、また取付金具を取り違えたりすることなく、効率よく柵を施工することができる。
【0012】
また本発明に係る柵のビーム取付構造によれば、前記ガイド孔の長さから前記金具取付用ボルトのネジ直径の長さを差し引いた長さが、前記支柱の外周全長のほぼ4分の1となされているため、支柱の側方に直線状(180°)に柵ビームを取付ける場合であっても、支柱の側方に直角(90°)に柵ビームを取付ける場合であっても、同一形状の1種類の取付金具のみを2個用いて柵ビームを取付けることができ、複数の形状が異なる取付金具を製作し、在庫する費用・保管場所を必要としない。
【0013】
また本発明に係る取付金具によれば、金属製の平板をプレス加工する際、前記基部の一方の側端部から前記柵ビーム取付部が切り起こされて形成されるとともに、切り起こされた残余の部分が前記舌片となされているため、平板から切り落として廃棄する部分を少なくすることができるので、取付金具を効率(歩留り)よく製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る柵のビーム取付構造を備えた防護柵の実施の一形態を正面図である。
図2図1に用いられている取付金具の、(イ)は一方側から見た斜視図、(ロ)は(イ)の反対側から見た斜視図である。
図3図1の要部拡大の、(イ)は正面図、(ロ)は側面図である。
図4図1の要部拡大の斜視図である。
図5図4の要部拡大の分解斜視図である。
図6図2に示す取付金具を用いて、柵ビームを180°(一直線)に設置した際の、(イ)は正面図、(ロ)は平面図である。
図7図2に示す取付金具を用いて、柵ビームを135°(くの字状)に設置した際の平面図である。
図8図3に示す取付金具を用いて、柵ビームを90°(直角)に設置した際の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照し、具体的に説明する。
図面において、1は金属製の円筒管からなる支柱であり、その下部は地中に埋設され適宜間隔で複数本地表に立設される。2は金属製の取付金具であり、3は金属製の円筒管からなる柵ビームであり、間隔をおいて立設された二本の支柱1の相対向する側壁11間に前記取付金具2を介して柵ビーム3が取付けられ、防護柵Sが形成されている。
【0016】
前記取付金具2は、前記支柱1の側壁11にその内側面211が当接される基部21と、該基部21の両側端から相対向し、前記支柱1と反対側に突設されるとともに、切欠部22が設けられた板状の柵ビーム取付部23と、前記基部21の側端部から前記支柱1側に突設された舌片24と、該舌片24から前記基部21にわたって横長に形成された取付金具2を支柱1に取付けるためのガイド孔25とを備えている。このガイド孔25の上下方向の幅は、後述する金具取付用ボルトB2のネジ直径Yよりやや大きく形成され、取付金具2は金具取付用ボルトB2に対して、横方向には摺動可能となされ、ガイド孔25内に沿って移動させることができるが、上下方向にはその上下動がほぼ阻止されるようになされている。なお、上記基部21の内側面211とは、図面にも示す通り、支柱1の側壁11と当接する側の面であり、子の亜倍の「側」は要は表裏の側を表している。また、後述する基部21の側端部とは、基部21の左右の側の端部であり、この場合の「側」は要は左右の側を表している。
【0017】
前記基部21は、円筒状の支柱1の側壁11にその内側面211が当接できる様に円弧状に形成されており、その両側端から平行に、2個の平坦な板状の柵ビーム取付部23が突設されている。そして、前記基部21の一方の側端部から前記舌片24が、その内側面241全面と前記支柱1の側壁11とが当接する様に突設されている。また、前記舌片24が突設されていない他方の基部21の側端部は前記ガイド孔25側に切り込まれ、基部21の側端部に切り込み部26が設けられている。
【0018】
そして、前記柵ビーム取付部23に設けられた切欠部22は、前記柵ビーム取付部23の基部21側に設けられ、さらに前記柵ビーム取付部23には前記切欠部22の支柱1の側壁11と離間する側に、相対して同一水準で設けられた横長孔状の柵ビーム取付孔27が形成され、前記柵ビーム3の端部側面に相対して同一水準で設けられた取付孔31と、前記柵ビーム取付孔27とに柵ビーム取付ボルトB1を挿通し、ナットN1を螺着して、取付金具2に柵ビーム3が取付けられている。
【0019】
また、前記舌片24から基部21にわたって形成されたガイド孔25と、前記支柱1の側面11に相対して同一水準で設けられた取付金具2固定用の貫通孔12とに金具取付用ボルトB2を挿通し、該金具取付用ボルトB2に金具取付用ナットN2が螺着されて、2個の取付金具2が支柱1に取付けられている。この時、金具取付用ボルトB2の首が基部21に係り、金具取付用ボルトB2をガイド孔25に挿通し、支柱1の貫通孔12を貫通させて金具取付用ナットN2を締着すれば、金具取付用ボルトB2の首が基部21を係止して、取付金具2が支柱1の側壁11に取付けられるようになされている。
【0020】
そして図6に示す様に、柵ビーム3がなす角度αを一直線状(180°)に設置する場合は、2個の取付金具2を支柱1を挟んで相対向するように支柱1の側壁11に取付け、該取付金具2に柵ビーム3が各々取付けられて、柵ビーム3が一直線状になるように形成されている。また図7に示す様に、柵ビーム3がなす角度αを135°のくの字状に設置する場合は、前記金具取付用ボルトB2に対して、前記ガイド孔25に沿って一方の取付金具2を移動させ、柵ビーム3が所望の角度である135°になるように取付金具2を配置し、金具取付用ボルトB2で支柱1の側壁11に取付金具2を固定して、該取付金具2に柵ビーム3が各々取付けられて、柵ビーム3がなす角度αが135°のくの字状になるように形成されている。さらに図8に示す様に、柵ビーム3がなす角度αを直角状(90°)に設置する場合は、前記金具取付用ボルトB2に対して、前記ガイド孔25に沿って一方の取付金具2を移動させ、柵ビーム3が所望の角度である90°になるように取付金具2を配置し、金具取付用ボルトB2で支柱1の側壁11に取付金具2を固定して、該取付金具2に柵ビーム3が各々取付けられて、柵ビーム3がなす角度αが90°の直角状になるように形成されている。
【0021】
また防護柵Sが設置されて柵ビーム3がなす角度αは、上記の角度に限定されるものではなく、前記金具取付用ボルトB2に対して、前記ガイド孔25内で自在に取付金具2を移動させ、直角状(90°)から一直線状(180°)まで所望の角度に自在に調整し、同一形状の1種類の取付金具2のみを2個用いて柵ビーム3を取付け、防護柵を設置することができる点については、言うまでもない。逆に言えば、柵ビーム3を0°から90°未満の角度に配置することは、本発明の取付金具2では実施することができない。
【0022】
そして、上記図6に示す実施形態の柵ビーム3がなす角度αを一直線状のほぼ180°の状態から、一方の取付金具2を金具取付用ボルトB2に対してガイド孔25に沿って移動させて、図7に示す実施形態の柵ビーム3がなす角度αをほぼ135°のくの字状の状態までの柵ビーム3の角度に設置する場合において、前記基部21に設けている切り込み部26を設けないとすると、柵ビーム3がなす角度αが約150°より狭い場合において、一方の取付金具2の基部21に他方の取付金具2の舌片24が干渉してくる。よって、それを回避するために、前記切り込み部26を設けるようにしている。こうすることにより、柵ビーム3がなす角度αが約150°より狭い場合に、一方の取付金具2の切り込み部26に他方の取付金具2の舌片24が配置されて、取付金具2同士が干渉することによる取付金具2の取付けの不具合を回避することができるようになされている。
【0023】
また、前記支柱1の側壁11に当接するように湾曲されて形成された基部21から舌片24にわたって形成されている前記ガイド孔25の湾曲状に沿った長さXから、前記金具取付用ボルトB2のネジ直径の長さYを差し引いた長さが、前記支柱1の外周全長のほぼ4分の1となされている。こうすることにより、支柱1の両側に一直線状(180°)に柵ビーム3を取付ける場合から、柵ビームの角度αを狭めてきて、支柱1に直角(90°)に柵ビーム3を取付ける場合まで、同一形状の1種類の取付金具2のみを2個用いて柵ビーム3を支柱1に取付けることができるようになされている。
【0024】
なお、本実施形態の取付金具2を2個用いて柵ビーム3を支柱1に取付ける際、柵ビーム3のなす角度αが180°〜135°の場合には、平面視において2個の取付金具2は、点対称となるように支柱1の側壁11に取付けられ、柵ビーム3のなす角度αが150°〜135°の時には、取付金具2の切り込み部26に舌片24が配置されるように、取付金具2が支柱1に取付けられている。また、柵ビーム3のなす角度αが135°未満〜90°の場合には、平面視において2個の取付金具2は、線対称となるように支柱1の側壁11に取付けられ、柵ビーム3のなす角度αが90°の時には、取付金具2の切り込み部26同士が、支柱1の側壁11の周方向に近接した状態で対面して、取付金具2が支柱1に取付けられている。
【0025】
次に、前記取付金具2を製作する方法について説明する。
前記取付金具2は金属製の平板材をプレス加工して製作される。その際、まず金属製の平板材を所定の外形にプレス加工で抜き、次に前記基部21の一方の側端部から前記柵ビーム取付部23がプレス加工で切り起こされて形成されるとともに、切り起こされた残余の部分が前記舌片24となされる。すなわち、前記舌片24の外形と前記切欠部22の外形とはほぼ一致する形状となされている。そして、ガイド孔25や切り込み部26や柵ビーム取付孔27をプレス加工し、基部21と舌片24を支柱1の側壁11に当接するように湾曲させて、取付金具2を形成する。なお、これら加工の順序については、特に限定されるものではなく、基部21から柵ビーム取付部23切り起こす加工と、基部21と舌片24とを湾曲させる加工と、ガイド孔25を穿設する加工とを、同時に行う等、他の加工についても、組合せ可能で同時に加工できるものであれば、同時に加工してもよい。
【0026】
なお、上記の実施形態については、支柱1の側壁11に側方に向けて2本の柵ビーム3が取付けられている形態、所謂、防護柵Sの中間部における形態を述べてきたが、防護柵Sの端部における形態においては、支柱1の側壁11には側方に向けて1本の柵ビーム3のみ取付けられるのであるが、その形態においては、上記取付金具2を1個用いて、支柱1に柵ビーム3を取付ける様にすればよい。
【0027】
またその防護柵Sの端部に用いる取付金具2については、上記取付金具2の形態においては、基部21の一方の側端部から舌片24が突設されている形態を説明しているが、これに限定したものではなく、基部21の両方の側端部から舌片24をそれぞれ突設させ、それぞれの舌片24にガイド孔25を設けて、金具取付用ボルトB2を挿通して、柵ビーム3を支柱1の側壁11に取付ける様にしてもよい。
【0028】
なお上記実施形態においては、支柱1の側壁11の上下方向に4段の柵ビーム3が設けられた形態であるが、上下端に横杆が配置され、その横杆に複数の縦杆が上下に差し渡された、所謂、縦格子パネルの上下の横杆を前記取付金具2に取付けて、防護柵Sを形成するようにしてもよい。
【0029】
支柱1は、一般にはアルミニウム、ステンレス、鉄鋼等のパイプ、形材からなる長尺体を適宜長さに切断したものや、それらにめっき、塗装を施したもの等を好適に用いることができる。
【0030】
柵ビーム3は、支柱1と同様に、一般にはアルミニウム、ステンレス、鉄鋼等のパイプ、形材からなる長尺体を適宜長さに切断したものや、それらにめっき、塗装を施したもの等を好適に用いることができる。
【0031】
取付金具2は、柵ビーム3を支えることを考慮すると金属製のものを用いるのが好ましく、一般にはアルミニウム、ステンレス、鉄鋼等の金属製の平板をプレス成形加工したものや、それらにめっき、塗装を施したもの等を好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 支柱
11 側壁
12 貫通孔
2 取付金具
21 基部
211 内側面
22 切欠部
23 柵ビーム取付部
24 舌片
241 内側面
25 ガイド孔
26 切り込み部
27 柵ビーム取付孔
3 柵ビーム
S 防護柵
B1 柵ビーム取付ボルト
B2 金具取付用ボルト
N1 ナット
N2 金具取付用ナット
α 角度
X ガイド孔の長さ
Y 金具取付用ボルトのネジ直径の長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8