(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下、各図に示した方向を基準にして説明する。
【0018】
図1を参照して、画像形成装置としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。
図1はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す側面図である。
【0019】
カラープリンター1は、略箱型形状の装置本体2と、装置本体2の下部に設けられる給紙カセット3と、装置本体2の上部に設けられる排紙トレイ4と、を備えている。
【0020】
また、カラープリンター1は、給紙部10と、画像形成部11と、定着装置12と、を備えている。給紙部10は、給紙カセット3内の用紙Sを搬送経路14に供給するために搬送経路14の上流側に設けられている。画像形成部11は、装置本体2に内設されている。定着装置12は、搬送経路14の下流側に設けられている。なお、給紙カセット3に収納される用紙Sは、紙製に限らず、樹脂フィルムやOHPシート等であってもよい。
【0021】
画像形成部11は、4つのトナーコンテナ20と、中間ユニット21と、4つのドラムユニット22と、光走査装置23と、を含んで構成されている。4つのトナーコンテナ20は、排紙トレイ4の下側で左右方向に並設されている。中間ユニット21は、各トナーコンテナ20の下側に配設されている。4つのドラムユニット22は、中間ユニット21の下側で左右方向に並設されている。光走査装置23は、各ドラムユニット22の下側に配設されている。
【0022】
4つのトナーコンテナ20は、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)のトナー(現像剤)を収容している。なお、トナーは、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよい。詳細は後述するが、中間ユニット21は、
図1の白抜き矢印方向に走行駆動される中間転写ベルト71を含んで構成されている。
【0023】
4つのドラムユニット22は、各色のトナーに対応して設けられている。各ドラムユニット22は、感光体ドラム30と、帯電装置31と、現像装置32と、一次転写ローラー33と、ドラムクリーニング装置34と、除電装置35と、を含んで構成されている。なお、4つのドラムユニット22は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット22について説明する。
【0024】
感光体ドラム30は、前後方向に長い円筒状に形成され、軸心周りに回転するように装置本体2に支持されている。感光体ドラム30は、中間転写ベルト71の下側表面に接触している。帯電装置31、現像装置32、一次転写ローラー33、ドラムクリーニング装置34および除電装置35は、感光体ドラム30の周囲に転写プロセス順に配置されている。一次転写ローラー33は、中間転写ベルト71を挟んで上側から感光体ドラム30に対向配置されている。中間転写ベルト71の右側には、二次転写ローラー36が配置され、二次転写ニップ部36aを形成している。
【0025】
ここで、カラープリンター1の動作について説明する。カラープリンター1の制御装置(図示せず)は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
【0026】
各帯電装置31は、感光体ドラム30の表面を帯電させる。光走査装置23は、各感光体ドラム30に向けて画像データに対応した露光(
図1の破線矢印参照)を行う。各現像装置32は、各感光体ドラム30の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。各感光体ドラム30に担持された4つのトナー像は、一次転写バイアスを印加された一次転写ローラー33によって、走行する中間転写ベルト71に順番に一次転写される。これにより、中間転写ベルト71の表面にはフルカラーのトナー像が形成される。
【0027】
一方、給紙カセット3から供給された用紙Sは、搬送経路14を搬送されて二次転写ニップ部36aを通過する。フルカラーのトナー像は、二次転写バイアスが印加された二次転写ローラー36によって用紙Sに二次転写される。定着装置12は、用紙Sにフルカラーのトナー像を定着させる。定着処理後の用紙Sは、排紙トレイ4に排出される。ドラムクリーニング装置34は、転写後に感光体ドラム30の表面に残ったトナーを除去する。除電装置35は、除電光を照射して感光体ドラム30の電荷を除去する。
【0028】
次に、
図1ないし
図9を参照して、中間ユニット21について説明する。
図2は中間ユニット21を示す斜視図である。
図3はレール部材41Rを示す斜視図である。
図4はベルト走行装置60およびベルトクリーニング装置61を示す斜視図である。
図5は駆動モーター62および第1の伝達機構63等を示す斜視図である。
図6はユニット化されたレール部材41Rを示す斜視図である。
図7はトナー搬送装置43を示す斜視図である。
図8はトナー搬送装置43を模式的に示す断面図である。
図9はフレーム40Rおよびユニット化されたレール部材41Rを示す斜視図である。
【0029】
図2に示すように、中間ユニット21は、前後一対のフレーム40F,40Rと、前後一対のレール部材41F,41Rと、中間転写装置42と、トナー搬送装置43と、を含んで構成されている。前後一対のフレーム40F,40Rは、前後方向に対向して配置されている。前後一対のレール部材41F,41Rは、それぞれ、フレーム40F,40Rの内側に取り付けられている。中間転写装置42は、前後一対のフレーム40F,40Rに着脱可能に支持されている。トナー搬送装置43は、各トナーコンテナ20に収容されたトナーを各現像装置32に向けて搬送するように構成されている。
【0030】
前後一対のフレーム40F,40Rは、それぞれ、板金製であって正面視で略矩形状に形成されている。前後一対のフレーム40F,40Rは、互いに離間して、装置本体2の底板に起立姿勢で配置されている。なお、前側のフレーム40Fには、給紙カセット3の着脱用開口401や各ドラムユニット22等の取付用開口402等が形成されている。なお、図示は省略するが、後側のフレーム40Rの後方には、制御装置の基板や各装置間を接続するハーネス等の複数の電装部品が配設されている。
【0031】
前後一対のレール部材41F,41Rは、それぞれ、摺動性の良い合成樹脂(例えば、ポリアセタール(ポリオキシメチレン))によって、左右方向に細長く一体成形されている。前後一対のレール部材41F,41Rは、各フレーム40F,40Rの内側上部に固定されている。前後一対のレール部材41F,41Rの互いに対向する側面には、左右方向に延びるガイド溝45Rが凹設されている。なお、レール部材41Fのガイド溝は図示していない。
【0032】
詳細は後述するが、中間転写装置42は、前後一対のガイド溝45Rに沿って左右方向にスライドするように前後一対のレール部材41F,41Rの間に配置されている。この中間転写装置42を駆動させるための機構は、後側のレール部材41Rに保持されている。以下、後側のレール部材41Rについて説明する。
【0033】
図3に示すように、後側のレール部材41Rは、ベルト収容部46と、ギア収容部47と、を有している。
【0034】
ベルト収容部46は、左右方向に細長く形成されている。ベルト収容部46の左端部には、当接片部50が後方に向けて延設されている。当接片部50の先端部(後端部)は、フランジ状に形成されている。当接片部50の先端部には、前後方向に貫通する貫通穴50aが形成されている。ベルト収容部46の左右方向中間部には、左右一対のネジ穴ボス51が後方に向けて延設されている。左右一対のネジ穴ボス51は、互いに離間して、ベルト収容部46の後面下部に突設されている。
【0035】
ベルト収容部46の左右両端部には、左右一対のプーリー支持軸52L,52Rが後方に向けて延設されている。左右一対のプーリー支持軸52L,52Rは、ベルト収容部46の後面で上下方向中間部に突設されている。
【0036】
ギア収容部47は、ベルト収容部46の右端部に連設されている。ギア収容部47は、ベルト収容部46よりも下方に延び、後方を開放する略矩形箱状に形成されている。ギア収容部47の右側後面(底面)には、ネジ穴ボス53が突設されている。
【0037】
当接片部50および各ネジ穴ボス51,53は、その先端面をフレーム40Rに当接させることでフレーム40Rとレール部材41Rとの間を離間させる機能を有している。したがって、後側のフレーム40Rにレール部材41Rを固定した状態(
図2参照)で、ギア収容部47の内部には、ギア収容空間S1が形成され、ベルト収容部46の内部には、ベルト収容空間S2が形成される。ギア収容空間S1は、ベルト収容空間S2と連通している。なお、当接片部50は、貫通穴50aを挿通するボルト・ナットによってフレーム40Rに固定される。また、各ネジ穴ボス51,53の先端面には、フレーム40Rの後側から貫通したネジが螺合する。
【0038】
図4および
図5に示すように、中間転写装置42は、ベルト走行装置60と、ベルトクリーニング装置61と、駆動モーター62と、第1の伝達機構63と、第2の伝達機構64と、を含んで構成されている。
【0039】
図4に示すように、ベルト走行装置60は、前後一対のベルトフレーム70F,70Rと、中間転写ベルト71と、駆動ローラー72と、従動ローラー73と、を含んで構成されている。
【0040】
前後一対のベルトフレーム70F,70Rは、それぞれ、例えば、合成樹脂によって正面視で左右方向に細長い略矩形状に形成されている。前後一対のベルトフレーム70F,70Rは、互いに離間して配置されている。前後一対のベルトフレーム70F,70Rは、それぞれ、前後両外面に突設される複数(例えば3本)のガイドボス74F,74Rを有している。前後2組の3本のガイドボス74F,74Rは、各ベルトフレーム70F,70Rの外面上部にて、左右方向中間部から左側に亘って並設されている。なお、各ガイドボス74F,74Rは、上記したレール部材41F,41Rのガイド溝45Rにスライド可能に嵌合する。
【0041】
トナー像担持体としての中間転写ベルト71は、例えば、合成樹脂によって無端状に形成されている。既に説明したが、中間転写ベルト71は、駆動ローラー72と従動ローラー73との間に架け渡されている(
図1参照)。なお、図示は省略するが、上記ローラー72,73の他に複数のテンションローラーが設けられており、中間転写ベルト71に一定の張力を与えている。
【0042】
駆動ローラー72と従動ローラー73とは、前後一対のベルトフレーム70F,70Rの間に配置されている。駆動ローラー72は、各ベルトフレーム70F,70Rの右端部に軸支されている。従動ローラー73は、各ベルトフレーム70F,70Rの左側に軸支されている。駆動ローラー72(の軸部)は、後側のベルトフレーム70Rを貫通して後方に延設されている。駆動ローラー72(軸部)の後端部には、駆動ギア72aが軸着されている。
【0043】
図1に示すように、ベルトクリーニング装置61は、クリーニングケース75と、クリーニングローラー76と、回収ローラー77と、回収スクリュー78と、を含んで構成されている。
【0044】
クリーニングケース75は、右側面を開口する前後方向に長い略箱状に形成されている(
図4参照)。クリーニングケース75の前後両端部は、前後一対のベルトフレーム70F,70Rの左端部に固定されている(
図4参照)。クリーニングケース75は、開口部分を中間転写ベルト71側に向けた姿勢で配設されている。
【0045】
クリーニング部材としてのクリーニングローラー76は、前後方向に長い円筒軸の周面に植設される複数の除去ブラシ毛(図示せず)を有している。クリーニングローラー76は、クリーニングケース75の開口から露出し、中間転写ベルト71を挟んで従動ローラー73の左下側に対向して配設されている。クリーニングローラー76は、クリーニングケース75の内部で軸周りに回転可能に支持されている。クリーニングローラー76は、中間転写ベルト71に接触した状態で回転し、中間転写ベルト71の表面に残留したトナー(残留トナー)を除去する。なお、クリーニングローラー76には、電源装置(図示せず)が接続され、残留トナーとは逆極性のバイアスが印加される。
【0046】
図4に示すように、クリーニングローラー76(の円筒軸)は、クリーニングケース75およびベルトフレーム70Rを貫通して後方に延設されている。クリーニングローラー76(円筒軸)の後端部には、駆動ギア76aが軸着されている。
【0047】
図1に示すように、回収ローラー77は、前後方向に長い円筒状に形成され、クリーニングローラー76の左上側に配設されている。回収ローラー77は、クリーニングケース75の内部で軸周りに回転可能に支持されている。回収ローラー77は、クリーニングローラー76に接触した状態で回転し、クリーニングローラー76上の残留トナーを回収する。なお、回収ローラー77には、クリーニングケース75に取り付けられたブレード(図示せず)の先端部が当接している。
【0048】
回収スクリュー78は、前後方向に長い螺旋状に形成され、クリーニングローラー76の後方に配置されている。回収スクリュー78は、クリーニングケース75の内部で軸周りに回転可能に支持されている。回収スクリュー78は、廃棄ボトル(図示せず)に向けて回収した残留トナーを搬送する。
【0049】
なお、図示は省略するが、回収ローラー77および回収スクリュー78は、クリーニングローラー76と連動して回転するようにギア列を介して接続されている。また、図示は省略するが、ベルトクリーニング装置61は、中間転写ベルト71上の残留トナーを帯電させるバーブラシを有している。
【0050】
図5および
図6に示すように、駆動モーター62は、取付プレート80の後面に複数のネジ(図示せず)によって固定されている。駆動モーター62は、取付プレート80を介して後側のフレーム40Rの右側上部に取り付けられている(
図9参照)。駆動モーター62の回転軸62aは、フレーム40R(取付プレート80)を貫通して前方に延設されている。なお、駆動モーター62は、制御装置によって適宜制御される。
【0051】
第1の伝達機構63は、ピニオンギア81と、駆動入力ギア82と、伝達入力ギア83と、を含んで構成されている。
【0052】
ピニオンギア81は、駆動モーター62の回転軸62aの先端部に軸着されている。駆動入力ギア82は、ピニオンギア81の左下側で取付プレート80に回転可能に支持されている。駆動入力ギア82は、ピニオンギア81の左下側に噛み合っている。伝達入力ギア83は、駆動入力ギア82の上方で取付プレート80に回転可能に支持されている。伝達入力ギア83は、駆動入力ギア82の上部に噛み合っている。
【0053】
図6に示すように、第2の伝達機構64は、駆動プーリー84と、従動プーリー85と、タイミングベルト86と、伝達出力ギア87と、を含んで構成されている。
【0054】
駆動プーリー84は、レール部材41R(ベルト収容部46)の右側のプーリー支持軸52Rに回転可能に支持されている。駆動プーリー84の前側には、伝達駆動ギア84aが駆動プーリー84と同軸上に固定されている。従動プーリー85は、レール部材41Rの左側のプーリー支持軸52Lに回転可能に支持されている。従動プーリー85の後側には、伝達従動ギア85aが従動プーリー85と同軸上に固定されている。タイミングベルト86は、例えば、合成樹脂によって無端状に形成されている。タイミングベルト86は、駆動プーリー84と従動プーリー85との間に架け渡されている。
【0055】
伝達出力ギア87は、従動プーリー85の下側でベルト収容部46に回転可能に支持されている。伝達出力ギア87は、伝達従動ギア85aの下側に噛み合っている。
【0056】
図7および
図8に示すように、トナー搬送装置43は、搬送ケース90と、4つの搬送補給口91と、4つの搬送排出管92と、4つの中間搬送路93と、を含んで構成されている。
【0057】
搬送ケース90は、左右方向に長く且つ前後方向に薄い略直方体状に形成されている。搬送ケース90の後面上部には、4本の当接ボス95が突設されている。4本の当接ボス95は、搬送ケース90の後面に左右方向に並設されている。
【0058】
4つの搬送補給口91は、4つのトナーコンテナ20に対応するように、搬送ケース90の上面に左右方向に並設されている。各搬送補給口91は、トナーコンテナ20の排出口(図示せず)に接続されている。なお、搬送ケース90には、4つのシャッター96が配設されている。各シャッター96は、トナーコンテナ20の装着時に搬送補給口91を開放し、トナーコンテナ20の離脱時に搬送補給口91を閉鎖する。
【0059】
4つの搬送排出管92は、4つの現像装置32の供給口(図示せず)に対応するように、搬送ケース90の下面において左右方向に並設されている。各搬送排出管92は、搬送ケース90の下面から下方に延設されている。各搬送排出管92の下端面には、現像装置32の供給口に接続される搬送排出口92aが開口している(
図8参照)。
【0060】
図8に示すように、4つの中間搬送路93は、それぞれ、搬送補給口91と搬送排出口92aとを連通させるように、搬送ケース90の内部および搬送排出管92の内部に形成されている。各中間搬送路93は、背面視(または正面視)で略クランク状に形成されている。搬送ケース90には、全ての中間搬送路93の水平部分を貫くように搬送スクリュー97が軸支されている。搬送スクリュー97(の軸部)は、搬送ケース90の右側壁を貫通して右方に延設されている。搬送ケース90を貫通した搬送スクリュー97の右端部には、搬送入力ギア97aが軸着されている。
【0061】
図8の白抜き矢印で示すように、トナーは、各トナーコンテナ20の排出口から排出され、搬送補給口91から中間搬送路93内に導入される。中間搬送路93内のトナーは、回転する搬送スクリュー97によって各搬送排出口92aに向けて搬送される。そして、
図8の黒塗り矢印で示すように、トナーは、搬送排出口92aから排出され、現像装置32内に補給される。
【0062】
次に、中間ユニット21の組立手順について説明する。まず、作業者は、レール部材41Rの後側にトナー搬送装置43を取り付ける(
図6参照)。具体的には、トナー搬送装置43の搬送ケース90は、ベルト収容部46の後面に複数のネジ(図示せず)によって固定される。この状態で、各当接ボス95の先端面(後端面)は、当接片部50および各ネジ穴ボス51,53の各先端面と同一平面上に形成されている(
図8参照)。
【0063】
次に、
図5に示すように、作業者は、駆動モーター62の取付プレート80に各ギア81〜83を軸支させ、第1の伝達機構63を構成する。これにより、駆動モーター62と第1の伝達機構63とは一体化(ユニット化)される。
【0064】
また、
図6に示すように、作業者は、レール部材41Rの後側に第2の伝達機構64を取り付ける。具体的には、作業者は、左右一対のプーリー支持軸52L,52Rに左右一対のプーリー84,85を軸支させ、左右一対のプーリー84,85にタイミングベルト86を架け渡す。これにより、トナー搬送装置43および第2の伝達機構64は、レール部材41Rに連結されて一体化(ユニット化)される。なお、この状態で、第2の伝達機構64の駆動プーリー84に設けられる伝達駆動ギア84aは、図示を省略する他のギアを介して、搬送スクリュー97の搬送入力ギア97aに接続されている。
【0065】
次に、作業者は、フレーム40Rの内面(前面)にユニット化されたレール部材41Rを取り付ける(
図2参照)。レール部材41Rは、フレーム40Rの上部に複数のネジ(図示せず)によって固定される。この際、当接片部50、各ネジ穴ボス51,53および各当接ボス95の先端面は、フレーム40Rに当接する。これにより、フレーム40Rとレール部材41Rとの間に、ベルト収容空間S2およびギア収容空間S1が形成される。
【0066】
図9に示すように、フレーム40Rにレール部材41Rを固定した状態で、第2の伝達機構64を構成する各プーリー84,85およびタイミングベルト86は、レール部材41Rのベルト収容空間S2に配置されている。つまり、第2の伝達機構64は、フレーム40Rとレール部材41Rとの間に配設されている。同様に、トナー搬送装置43は、フレーム40Rとレール部材41Rとの間(正確にはレール部材41Rと第2の伝達機構64との間)に配設されている。
【0067】
次に、作業者は、フレーム40Rの後面からユニット化された駆動モーター62を取り付ける。駆動モーター62の取付プレート80は、フレーム40Rの右側上部に複数のネジ(図示せず)によって固定される。この状態で、第1の伝達機構63を構成する各ギア81〜83は、フレーム40Rに固定されたレール部材41Rのギア収容空間S1に配置されている。つまり、第1の伝達機構63は、フレーム40Rとレール部材41Rとの間に配設されている。
【0068】
また、この状態で、第1の伝達機構63の伝達入力ギア83は、第2の伝達機構64の駆動プーリー84に設けられる伝達駆動ギア84aに噛み合っている(
図5参照)。これにより、駆動プーリー84は、駆動モーター62に回転駆動される。また、トナー搬送装置43の搬送スクリュー97も、駆動モーター62によって回転駆動される。
【0069】
なお、前側のレール部材41Fは、フレーム40Fの内面(後面)に複数のネジ(図示せず)によって固定される。
【0070】
次に、
図2に示すように、作業者は、前後一対のレール部材41F,41Rの間にベルト走行装置60およびベルトクリーニング装置61(以下、「ベルト走行装置60等」という。)を取り付ける。具体的には、作業者は、前後一対のレール部材41F,41Rのガイド溝45Rに対し、前後一対のベルトフレーム70F,70Rのガイドボス74F,74Rを右側から進入させる。そして、作業者は、各ガイド溝45Rに沿って、ベルト走行装置60等を右側から左側に向かってスライドさせる。
【0071】
ベルト走行装置60等を各レール部材41F,41Rの左端部までスライドさせると、ベルト走行装置60等は、各レール部材41F,41Rを介して各フレーム40F,40Rに支持される(組立完了)。この状態で、駆動ローラー72の駆動ギア72aは、第1の伝達機構63の駆動入力ギア82に噛み合う(
図4および
図5参照)。これにより、駆動ローラー72は、第1の伝達機構63を介して駆動モーター62に回転駆動される。また、クリーニングローラー76の駆動ギア76aは、第2の伝達機構64の伝達出力ギア87に噛み合う(
図4および
図5参照)。これにより、クリーニングローラー76は、第2の伝達機構64を介して駆動モーター62に回転駆動される。
【0072】
続いて、
図5および
図6を参照して、中間転写装置42の作用について説明する。制御装置に駆動制御された駆動モーター62は、ピニオンギア81および駆動入力ギア82を介して駆動ローラー72を回転させる。これにより、中間転写ベルト71は、駆動モーター62に駆動(走行開始)されて、フルカラーのトナー像を担持することができる。以上のように、第1の伝達機構63は、中間転写ベルト71に駆動モーター62の駆動力を伝達することができる。
【0073】
また、駆動モーター62は、第1の伝達機構63の各ギア81〜83を介して第2の伝達機構64の伝達駆動ギア84aを回転させる。伝達駆動ギア84aと一体回転する駆動プーリー84は、タイミングベルト86を介して従動プーリー85を回転させる。従動プーリー85と一体回転する伝達従動ギア85aは、伝達出力ギア87を介して、クリーニングローラー76を回転させる。すなわち、従動プーリー85は、クリーニングローラー76と連動して回転可能に設けられている。これにより、クリーニングローラー76は、駆動モーター62に回転駆動されて中間転写ベルト71上の残留トナーを除去することができる。以上のように、第2の伝達機構64は、クリーニングローラー76に駆動モーター62の駆動力を伝達することができる。
【0074】
以上説明した本実施形態に係るカラープリンター1によれば、第1の伝達機構63および第2の伝達機構64は、各フレーム40F,40Rの外側に露出しないように、フレーム40Rとレール部材41Rとの間に配設されている。例えば、ハーネスや基板等の電装部品がフレーム40Rの外側(後側)に配設されていたとしても、各伝達機構63,64が電装部品に接触することがない。これにより、各伝達機構63,64は、中間転写ベルト71(駆動ローラー72)およびクリーニングローラー76に適切な駆動力の伝達を行うことができる。
【0075】
また、本実施形態に係るカラープリンター1によれば、タイミングベルト86がフレーム40Rの内側に配設されているため、フレーム40Rの外側の電装部品等とタイミングベルト86との接触を防止することができる。また、タイミングベルト86の磨耗によって生じる粉塵や可動部分のグリス等の飛散を抑制することもできる。これにより、粉塵等が電装部品に付着することが抑制されるため、電装部品の動作不良を防止することができる。
【0076】
また、本実施形態に係るカラープリンター1によれば、トナー搬送装置43は、フレーム40Rの内側に配設されているため、例えば、各トナーコンテナ20や各現像装置32から漏れ出したトナーは、飛散することなく、フレーム40Rの内側で収束する。これにより、漏出したトナーがフレーム40Rの外側の電装部品等に付着することを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態に係るカラープリンター1によれば、トナー搬送装置43と第2の伝達機構64とレール部材41Rとは、互いに一体化されたユニットとして構成されている。これにより、当該ユニットを1度の作業でフレーム40F,40Rから着脱することができるため、トナー搬送装置43や第2の伝達機構64のメンテナンスを簡単且つ迅速に行うことができる。
【0078】
なお、本実施形態では、駆動モーター62は、フレーム40Rに固定されていたが、これに限らず、レール部材41Rに固定されていてもよい。この場合、トナー搬送装置43および第2の伝達機構64に加えて、第1の伝達機構63もレール部材41Rに一体化されることが好ましい。また、本実施形態では、中間転写装置42やトナー搬送装置43が後側のレール部材41Rに設けられていたが、これに限らず、前側のレール部材41Fに設けられていてもよい。
【0079】
なお、本実施形態では、一例として、本発明をカラープリンター1に適用した場合を説明したが、これに限らず、例えば、複合機、ファクシミリ、モノクロプリンター等に本発明を適用してもよい。
【0080】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。