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特許6199863車両用発光グレージング及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199863
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】車両用発光グレージング及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170911BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20170911BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20170911BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20170911BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20170911BHJP
   B60Q 3/20 20170101ALN20170911BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170911BHJP
【FI】
   F21S2/00 100
   F21S8/10 300
   F21V31/00
   F21S2/00 443
   F21S2/00 439
   F21S2/00 433
   F21S2/00 436
   F21V8/00
   F21V9/16 100
   !B60Q3/20
   F21Y115:10
【請求項の数】18
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-523368(P2014-523368)
(86)(22)【出願日】2012年7月30日
(65)【公表番号】特表2014-527263(P2014-527263A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】FR2012051793
(87)【国際公開番号】WO2013017791
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年6月10日
(31)【優先権主張番号】1157012
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル リシャール
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン グランドジラール
(72)【発明者】
【氏名】アデール ベラト−ドゥバイユール
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ クレオ
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/049639(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/049638(WO,A1)
【文献】 特開2011−076834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/10
F21V 8/00
F21V 9/16
F21V 31/00
B60Q 3/20
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400):
−第1主面(11)、第2主面(12,13)、及び側面(10)を有する、無機ガラス又は有機ガラスの第1のシート(1);
−発光面(21)を有し、それぞれがダイオード支持部(3)に半導体チップを有する複数の側面発光ダイオード(2)で形成される、周囲光源(2)であって、前記発光面は、入射した可視光及び/又は紫外(UV)光の前記第1のシートの厚み方向における伝播のための入射面と呼ばれる前記第2面(12)の端部に面しており、そして前記第1のシート(1)が前記入射した光の導光体の役割を果たし、前記入射面は部分的に埋め込まれているか又は段差を有していてもよい、周囲光源(2);
−以下(A)又は(B)から選択される、少なくとも1つの発光領域を形成するための手段:
(A)前記第1主面及び/又は前記第2主面から導入した光を抽出するための手段であって、前記第1主面及び/又は前記第2主面の表面上にある拡散手段、又は第1のシートの本体にある拡散手段、
(B)入射光がUV光である場合に、前記第1主面及び/又は前記第2主面を通じてUV光を可視光に変換するための、発光材料である手段;
体に気密性である、前記周囲光源を覆うカバー(4)であって、以下の固定手段(83)によって固定される、本質的に前記第2面に面している、面状のカバー(4)
前記第1のシートへの固定手段、
並びに/又は前記第1のシートに接合される接続部への固定手段;
ここで、前記カバー及び前記ダイオード支持部は、グレージングユニットから取り外しが可能であり、かつ
前記ダイオード支持部は、少なくとも水分防護層、及び/又はカプセル化材料と共に、少なくとも与えられる。
【請求項2】
前記第1のシートに接合される周囲機能要素(7)であって、流体に対して気密性であり、かつオーバーモールド要素又は組み立て済み要素から選択される周囲機能要素(7)をさらに含む、請求項1に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項3】
前記カバーが、前記第2面に向けられる、内側全体表面を有し、かつ前記カバーが、1以上の流体に対して界面封止をするための界面封止要素(5)と関連しており、これは前記カバーと前記接続部との間、及び/若しくは前記カバーと前記周囲機能要素との間に位置しており、又は前記カバーに統合されており、若しくは前記接続部に統合されており、又は前記第1のシートに統合されており、又は前記カバーと前記ガラスシート(1’)との間に位置していることを特徴とする、請求項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項4】
前記界面封止要素が、前記カバーの周囲にあり、前記カバーを可逆的に固定するための手段の一部を形成する又はその手段を構成する可逆的な接着剤であり、前記カバーの内面と接触しており、又は前記接続部と接触しており、若しくは前記第2面と接触していることを特徴とする、請求項に記載の車両用発光グレージングユニット。
【請求項5】
前記第1のシート(1)が無機ガラス又は有機ガラス製であり、前記第面(12)からその厚さに、前記入射(14)に面する前記周囲光源を収容するための止まり穴(70,8)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項6】
前記第1のシートが有機ガラスであり、かつ透明材料及び不透明材料の2つの材料から作られており、前記第1のシートの前記不透明領域(1’)は、前記第2面(12)の周囲上に位置しており、かつ/又は第1主面上に位置しており、前記ダイオードは、前記第2主面(12)の周囲にある前記第1のシートの不透明領域(1’)に作られた溝又は穴(8)に位置しており、かつ前記ダイオード支持部(3)は収納部(70)を有し、これは前記溝(8)よりも幅が広く、前記ダイオード支持部(3)は、前記カバーによって、保持されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項7】
前記穴(70,8)が第2面の全周囲上にわたって与えられており、かつカバー(4)が前記固定手段を組み込んでいるフレームを形成している、請求項6に記載の車両用発光グレージングユニット(300)。
【請求項8】
前記周囲光源及び任意に散乱する光をマスクするため、かつ/又は第2面による車体へのグレージングの固定部をマスクするための、以下であってもよいマスク要素を含むことを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(200):
前記周囲機能要素の一部、
−並びに/又は、第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、第面に面して取り付けられたシートフィルムの面上の、十分不透明なエナメル、
−並びに/又は第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、又は第1面に面して取り付けられた面上の、反射表面。
【請求項9】
前記第1のシート(1,1’)が有機ガラスであり、かつ明材料及び不透明材料の2つの材料から作られており、かつ前記第1のシートの不透明領域(1’)は、前記第2面の周囲上及び/又は第1面上にあり、前記周囲光源及び任意に散乱する光へのマスクを形成し、かつ/又は前記第2面(12)による車体(90)への前記グレージングユニットの固定部のマスクを形成することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項10】
結合空間と呼ばれる、入射の前の発光空間が、ガス状であり、局所的であり、かつ前記カバー(4)内面の周囲であるか、又は前記カバー(4)の側面にあることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項11】
前記周囲光源(2)の前記グレージングユニットへの固定が、前記入(14)の外側で行われ、前記ダイオードについては、前記ダイオード支持部(3)の固定によって行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項12】
前記周囲光源(2)の前記グレージングユニットへの固定が、前記第1のシート(1,1’)の、前記第1のシート(1,1’)の前記第1主面及び前記第2主面(11,12,13)の1つへの前ダイオード支持部(3)の固定によって、前記入(14)の外側で行われることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項13】
前記カバー定手段が可逆的であり、前記固定手段が次から選択されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400):
点型又は線型のクリップ固定手段;
フック型のクリップ固定手段;
−ねじ手段。
【請求項14】
前記接続部が、閉じた輪郭を有する片面の収納部を形成することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
【請求項15】
前記カバーが装飾部であるか、又は前記グレージングユニットを本体に固定した後にマスクし、ここで前記カバーは、1以上の端部に沿って位置して、又はフレームを形成することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
【請求項16】
前記カバー(4)が、前記ダイオード支持部を保持するための手段、及び/又は前記接続の通路用の収納部、並びに/又前記ダイオード支持部(3)を配置するための手段をさらに有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
【請求項17】
単層グレージングユニットであり、前記第1のシートが、無機ガラス又は有機ガラスから作られ、透明材料及び不透明材料の2つの材料から作られることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【請求項18】
1以上の前記発光領域が、内部環境照明、内部読書照明、又は内部及び/若しくは外部の指示のための光表示を形成する。請求項1〜17のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両グレージングユニット、特に車両の発光グレージングユニットに関する。より詳しくは、本発明は、発光ダイオードを有する発光グレージングユニット、及びそのような車両グレージングユニットを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、発光ダイオード(LED)がますます利用されるようになってきている。
【0003】
例えば、特許文献1は、1以上の発光ダイオードによる表面上に均一な発光体を備えたサンルーフを提案している。このルーフは、図8に示されるように、外側光抽出シート、中央透明導光シート、及び内側光拡散シートで構成されている積層構造体を含む。光源は、内側シート及び外側シートの側面に固定された側面支持体に取り付けられた複数の発光ダイオードであり、ダイオードを収容する中央シートには孔が開けられている。
【0004】
サンルーフは、外側シートの周囲端部をルーフ構造に接着することによって、固定されている。ダイオード及び周囲の接着領域は、内部トリムによって隠されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/128941号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、車両発光グレージングユニットの利用可能範囲を広げることを目的とする。
【0007】
特に、本発明は、任意のルーフ構成、特に車体ルーフ:開いたルーフ又は閉じたルーフ、外側から取り付けられるルーフに適切な、環境に優しくかつ効率の良い光源(発光ダイオード)を有する車両用の発光グレージングユニットに関する。
【0008】
この目的のため車両用発光グレージングユニットは、単純で、耐久性があり、小型で、かつ頑丈であり、それにより自動車製造業者によって課せられた仕様を満たす必要がある。
【0009】
また、本発明は、(出力、ひいては費用、速度、自動化等に関する)産業上の要求を満たし、それによって性能を犠牲にすることなく、低コスト生産を可能にする、車両用発光グレージングユニットにも関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のため、本発明は、以下を具備する車両用発光グレージングユニットを与える。
【0011】
−第1主面、第2主面、及び側面を有する無機又は有機ガラスの第1のシート、ここで上記シートが2つの有機材料で作製されている場合には、随意に不透明の周囲領域を有する;
【0012】
−発光面を有し、かつ複数の発光ダイオードによって形成されている周囲光源、ここで上記発光ダイオードは、ダイオードを支持するための(少なくとも)1つの形状部上にある半導体チップを各々含み(この形状部及びダイオードの組合せは、通常ダイオードアレイと呼ばれる)、上記発光面は、入射した可視光及び/又は紫外線(いわゆる、UV光)の第1のシートの厚み方向における伝播のために、入射面と呼ばれる第2面の端部に面しており(上記第2面と接触していても、接触していなくてもよい)、そして上記第1のシートは、入射した光の導光体の役割を果たす(上記入射端部は、随意にその厚みにおいて部分的に埋め込まれているか、又は段差(step)を有する);
【0013】
−少なくとも1つの発光領域を形成するための手段、例えば以下の手段:
【0014】
−第1主面及び/又は第2主面から導入した光を抽出するための手段であって、第1主面及び/又は第2主面の表面上にある拡散手段、又は第1主面の本体にある拡散手段、
【0015】
−及び/又は、入射光が(特に)UV光である場合に、第1主面及び/又は第2主面を通じてUV光を可視光に変換するための手段、これは第1主面及び/又は第2主面(この場合抽出面)上にある発光材料である、
【0016】
−第1のシートに接合された(特に、内側表面によって接合された、特に自由外面を有する)、取り付けされた(したがって、第1のシートとは別個の)随意の周囲機能要素、これは流体、特に液体の水又は水蒸気に対して気密性であり、例えば入射端部に隣接しており、この機能要素は、(金属製又はポリマー製の)オーバーモールド要素又は組み立て済み要素から選択され、特にカプセル化材料(例えばPU等のフレキシブル材料、又は例えばPC等の剛体、特に黒色/不透明な材料)、押出品、シールから選択され、特に第1のシートに接着して接合される;
【0017】
−流体、特に液体の水又は水蒸気に気密性である、光源を覆うカバー;
【0018】
−いわゆる面状カバー(facial cap)、すなわち本質的に(又は完全に)第2面に面している面状カバー、これは以下の固定手段によって固定される:
【0019】
−(好ましくは、第2面による)第1のシートへの固定手段、特に有機ガラス(二層材料)で作製されている第1のシートへの固定手段、
【0020】
−及び/又は第1のシートに接合される接続部への固定手段であり、この接続部は、金属又は十分に頑丈なプラスチックで造られており、例えば透明ポリカーボネートの第1のシート上にあるポリカーボネートの黒色部分、又は閉じた輪郭を有する片面の収納部、例えばフレームである、
【0021】
−及び随意に、特に十分に頑丈な、上記機能要素への(その外側表面での)固定手段;
【0022】
カバー及びダイオード支持部は、グレージングユニットから取り外し可能であり(カバー及び支持部が単独で、又はカバーを有する支持部として)、
このカバーは、いわゆる第2面に向けられる、いわゆる内側全体表面を有し、これは特に第1のシートの第2面上にあり、これは例えば、黒色及び透明の2つの有機材料である;
【0023】
このカバーは、随意に1種以上の流体、特に液体の水又は水蒸気に対する内部シール用の内部要素と関連し、これは次のように位置する:
−カバーと接続部との間、及び/又は随意に(担持端部といわれる端部を有する)機能要素とカバーとの間、
−又はカバーに統合され、接続部に統合され、若しくは第1シートに統合される、
−カバーとガラスシート(例えば有機黒色部)との間;
【0024】
そして、ダイオード支持部には、有利にはグレージングユニットに実装される前に、少なくとも1つの水分防護層及び/又はカプセル化、例えばシリコーン系、エポキシ系若しくはアクリル系のワニスが少なくとも与えられる。
【0025】
このようにして、本発明は、グレージングユニットが車体構造によって保護されていないときでも、単純で適切な封止手段によって、1種以上の流体が拡散する経路を排除する、耐久性のある発光グレージングユニットを与える。
【0026】
界面密封性に関連する気密性カバーは、容易に位置を変更(再変更)でき、以下のような必要な場合に、取り出し可能である(除去可能、低コストでの置き換えが可能):
−修理、又は再生利用等の間、光源(LED等)及び/又は電子制御部を交換するため、
−クライアントによって(色、出力、周波数、制御の変更)又は新しく課される基準によって望まれる、新たな光学性能要件に適合させるため、
−及び/又は、本発明による、収納部及びこのような封止手段を備えるグレージングユニットに光源(LED及び/又は光ファイバ)及び/又は電子制御部を追加するため。
【0027】
それにより、本発明は、生産フローのロジスティック管理に関して、グレージングユニットに対して提案される照明のモジュール化(色、強度等の変化等を変えて照明するグレージングユニット、又はそのようになることができるグレージングユニット)を促進する(顧客の要求によってではなく、倉庫での固定を容易にする)。
【0028】
本発明は、光源(LED等)の一体化の、方法及び材料の選択に与える影響を低減し、本発明は、広範な、実現可能なカプセル化又は事前組立ての解決法を提供するので、製造技術に依存しないでこれを可能にする。
【0029】
さらに、カバーを光源(例えば1以上のLEDアレイ)とは独立して取り付けることができるので、本発明による解決法は柔軟性がある。
【0030】
本発明は、通常の方法で、特に通常の技術(押出し、成型等)により製造される、機能要素を随意に備える車両発光グレージングユニットを製造することを可能とし、ここでは機能要素は、組立て後にカバー用の支持体として用いられるように、適切に修正される(適切にくぼみを付けられる)。
【0031】
ある種の構成では、カバーは、車両の組立て後、車体上で見えない。
【0032】
ダイオード(又はチップ)の支持部は、有利にはグレージングユニットへの組み込みの前に、水分に対する防護のための単一又は複数の層と共に、かつ/又はカプセル化材料、例えばシリコーン、エポキシ、又はアクリル型のワニス等と共に、少なくとも与えられる。
【0033】
これは、グレージングユニットに与えられるハウジングへの組み込みを容易にする(この組み込みでは、収納部と外部環境との間の封止の複雑な管理を必要としない)。
【0034】
より詳しくは、防護層は、気密性でない場合のプリント基板、溶接部、コネクターを少なくとも防護する。
【0035】
すでにシリコーンで覆われている場合(事前にカプセル化されている場合)、ダイオード(少なくとも発光面)は、好ましくはこの方法では防護されない。
【0036】
LEDアレイを、ハウジング(機能素子の収納部)に組み込む前に防護する。防護部は、防護性ワニス(シリコーン、エポキシ、アクリル等)の種類、カプセル化、又はLEDアレイのポッティング(シリコーン、エポキシ、アクリル等)であってもよい。
【0037】
耐候性ワニスが、Syneoによって販売されており、アクリル系、又はPU若しくはシリコーンが言及されてもよい。
【0038】
防護性ワニスAbchimieが言及されてもよい。その被着方法は、浸漬、選択的堆積、又は気化(25〜50ミクロンの層)である。
【0039】
防護層の観点からは、カバー表面とその周囲との間の完全な封止が不可欠であるが、相補的であってもよい。この2つの封止の解決法を、より高い安全性のために、又はカバーを固定した後にキャビティに捕捉される空気中の水分によるモジュールの劣化を避けるために、組み合わせてもよい。
【0040】
いずれの場合でも、このカバーは、(流体に対して)必ずしも気密性ではない。これは、好ましくはダイオードと入射側面との間に侵入するであろう物質に対して防護する。しかし、水分及び液体の水に対する封止は必ずしも与えない。カバーは、ワイヤーを通すために、孔を有していてもよい。
【0041】
こうしてカバーとアセンブリ要素との間の内面の設計を容易にし、そしてグレージングユニットの製造方法を容易にする。
【0042】
さらに、カバー及び本発明による界面封止要素は、特に、結合空間の汚染(汚物、有機性汚染、かび等)を防止するために湿気に対して、好ましくは洗浄製品に対して、又は高圧ジェットによる洗浄に対して、光源を、特にチップを保護するのに有用である。この保護は恒久的でなければならない。
【0043】
長期の湿密性を認定するために、ウェットプラスタ試験が行われうる。例えば、自動車分野で使用される規格D47 1165−H7は、H7ウェットプラスタ試験について説明している。
【0044】
この試験は、試験されるべき部品を脱イオン水で浸された綿の中に組み入れ、密閉するように封止されたバッグ内に全体をカプセル化し、次に、そのバッグを7日間70℃±2℃で乾燥器内に置くことにある。次に、部品は取り出され、浸された綿を取り去られ、2時間20℃で置かれる。最後に、部品は、湿気がシステムに与える影響を評価するために、観察され、機械的に又は機能的に試験されうる。この試験は、湿気のある暑い環境での、数年の自然なエージングに相当する。
【0045】
自動車分野で使用される高圧洗浄剤D25 5376による洗浄に対する耐久性を試験するために、高圧噴射水洗浄試験も利用されうる。ノズル/本体距離が100mmまで、圧力が100バールまでである。
【0046】
封止のための一連の手段を用いる本発明による解決法は、完全なモノリシックカプセル化よりも、特にオーバーモールド(カプセル化等)の完全なモノリシックカプセル化よりも、又は光源(例えばLEDアレイ等)を完全にカプセル化する糊(glue)、接着剤のコーティングによる完全なモノリシックカプセル化よりも好ましい。すなわち、本発明による解決法は、光源を損傷するリスクなしに光源にアクセスするのが困難な解決法よりも好ましい。
【0047】
さらに、全体カプセル化は壊れやすく、光源を損傷する可能性があり、特に、すでに搭載されたLED(及び/又はLEDの電子回路)が、製造を複雑にする予防措置がとられなければ、高いスクラップコストを招く。
【0048】
同様に、LEDアレイ等の光源の一体化は難しい、又は光の作用が劣化する危険性により、押出し又は成形の場合、不可能でさえある。
【0049】
実行が簡単な、有利な一実施形態では、第1のシートは、ガラス、特に有機ガラス、特にPCから作られ、入射端部を向く光源を収容するために、第2面の、第1のシートの厚みの中に、止まり穴、例えば段差を有する。
【0050】
有機ガラスからなるシートでは、特にプラスチック(PC等)からなるシートでは、無機ガラスシートよりも容易に、特に強化された穴又は溝を作ることが実際に可能である。
【0051】
好ましい一実施形態では、穴は、第2面の周囲全体上にあり、カバーは、特に前記固定手段を(ねじで締めつける又はクリップで留める等により)一体化するフレームを形成する。
【0052】
このとき、カバーの横断面は、例えばL字形、U字形でもよく、例えばねじで締めつける、クリップで留める、リベットで留める、接合するタイプの前記固定手段でもよい。
【0053】
このグレージングユニットは、光源及び(入射領域近傍の、特に、抽出面と反対側の面で)任意に散乱する光をマスクするため、かつ/又は第2面による車体へのグレージングの固定部をマスクするための要素を含み、この場合マスク要素は、以下であってよい:
−機能要素の一部、特にポリマーカプセル化(十分不透明な黒)、
−並びに/又は、第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、又は特に機能要素が片面若しくは両面であるときに、第1面に面して取り付けられたシートフィルムの面上の、十分不透明なエナメル、
−並びに/又は第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、又は第1面に面して取り付けられた面上の、反射表面(層等)。
【0054】
特に、第1のシートは、有機透明材料及び不透明材料の2つの材料、特にポリカーボネートである:
第2面の周囲上、かつ/又は第1面上の、第1のシートの不透明領域は、光源及びマスクを形成し、そして(入射側の近くで)光を拡散することができ、そして機能素子及び/又は随意の上記部分を、第1のシートの透明ポリカーボネートと接続する、
かつ/又は、第2面による車体へのグレージングユニットの固定部のマスクを形成し、そして機能素子及び/又は随意の上記部分を、第1のシートの透明ポリカーボネートと接続する。
【0055】
有利なことに、グレージングユニットは、複数の光源を、特に複数の形状部にわたって分配された上記ダイオードのグループ(したがって、複数のダイオードアレイ)を、含むことができ、ここで:
−カバー及び界面封止要素を、各ダイオードグループ(アレイ)に対して与える、
−かつ/又はカバー及び界面封止要素を、複数のダイオードグループ(アレイ)に共通にする。
【0056】
好ましくは、カバーの内面と第1面との間の距離は、10mmよりも短い。
【0057】
好ましくは、カバーの外面と入射端部又は側面との間の距離は、15mmよりも短い。カバーの厚さは5mm未満でもよい。
【0058】
さらに、結合空間と呼ばれる、入射前に発光させる放射の空間は、当然に、主要な発光方向及び発光円錐(emission cone)により定義される光源の放射図に従って変化する。
【0059】
結合空間を充填するための、随意に接着性である、上記1以上の放射に対して透明な材料、特に以下の材料を与えてもよい:
−発泡体(foam)、熱可塑性樹脂、
−チップを埋め込み、チップをグレージングユニットに固定する、糊等の接着性材料、
−一方の接着面によってチップ及び支持部を接合し、他方の接着面によってグレージングユニットを接合する、両面接着剤。
【0060】
必要に応じて短期封止機能を実行する接着性材料(ポリマー等)として、次の材料に言及されてもよい:
−UVで架橋性接着剤、
−アクリル性接着剤と接着性にされたテープ(アクリル樹脂、PU等)、
−透明接着剤、PU、シリコーン、アクリル樹脂、
−熱可塑性樹脂、すなわちポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等。
【0061】
しかしながら、本発明は、(むき出しの又は事前にカプセル化された)LEDとグレージングユニットとの間の光結合を作るために、上述のような補充材料(充填材料、接着性材料及び/又は封止材料)の追加を避けるのに役立つ。そのような要素は追加コストを招き、光の色を変えやすい。
【0062】
結合空間と呼ばれる、入射の前の発光空間が、ガス状(1種の又は複数種のガス、例えば空気)であること、かつ/又は1種以上の流体に対する局所界面封止要素が、カバーの内面の周囲上、又はカバーの片側上にあり、特に、1種以上の流体に対する界面封止要素はビードを形成することが好ましい。
【0063】
ダイオードは、(事前に)カプセル化されてもよい、すなわちダイオードは、半導体チップ、及びパッケージを含み、これは例えばエポキシタイプの樹脂又はPMMA樹脂で作られており、例えばそのチップをカプセル化し、次の複数の機能を有する:拡散要素又は焦点合わせ要素、波長変換。このパッケージは共通であってもよく、又は個別であってもよい。
【0064】
ダイオードは、好ましくは、例えばサイズ約100μmから1mmを有する単一半導体チップでもよい。
【0065】
ダイオードは、任意選択で、処理操作中にチップを保護するため、又はチップ材料と別の材料の間の適合性を改善するために、(一時的な、又は一時的でない)保護パッケージを含んでもよい。
【0066】
ダイオードは、特に、以下の発光ダイオード、すなわち次の少なくとも1つから選択されてもよい:
【0067】
−側面発光ダイオード、すなわち、支持部に対して側面発光面で、電気接点(の面)に平行に発光する側面発光ダイオード、この支持部は、例えばカバーのように面状である(シートに平行)、
−主要な発光方向が、チップの発光面に垂直な又は傾斜しているダイオード。
【0068】
光源の発光図は、Lambertianでもよい。
【0069】
したがって、グレージングユニットは、グレージングユニットの分野で公知の全ての機能を一体化してもよい。グレージングユニットに追加される機能の中でも、疎水性/疎油性である層、親水性/親油性である層、光触媒性の防汚加工である層、熱放射又は赤外線放射(低放射性)を反射するスタック(日射調整)である層、反射防止である層が言及されうる。
【0070】
支持形状部は、従来のPCBでも、金属でもよい。支持形状部は、長方形の横断面を有してもよい。
【0071】
ダイオードの総数、すなわちダイオードの出力は、照明される領域のサイズ及び位置、所望の光強度、並びに必要とされる光の一様性に従って選択される。
【0072】
支持形状部の長さは、ダイオードの数、及び照明される領域の広さに従って変化する。
【0073】
LED支持形状部は、例えば約20cmの長さを有する。LEDアレイの数(形状部+LED)は、好ましくは、領域を覆うために増やされる。
【0074】
より高いコンパクトさ及び/又は簡略化された設計のために、支持形状部は、以下の特徴の1つ又は複数をさらに有してもよい。すなわち、
−支持形状部は、薄くてもよい、特に、厚さ1mm以下を有する、又は0.1mm以下の場合がある、
−支持形状部は、電気伝導のための金属表面コーティングを有してもよい。
【0075】
特に照明される領域が長い距離により分離される場合、又は広い領域を照明するために、単一の支持形状部の代わりに、複数の同一な又は類似するダイオード支持形状部が提供されてもよい。
【0076】
グレージングユニットのサイズ及び要件に従って、特定の基準サイズとされた支持形状部を与えてもよい。
【0077】
より高いコンパクトさのため、及び/又はガラスの透明領域を増大させるために、チップを支える部品と第1のシートとの間の距離が、好ましくは、5mm以下であり、好ましくは、チップと第1のシートとの間の距離が2mm以下である。
【0078】
また、結合空間の外側で、特に入射側の外側で、光源をグレージングユニットに固定してもよい。ダイオードについては、第1のシートの面の1つ、特に第2面に、かつ/又はカバーの内面に、支持形状部を固定することにより、特に糊付けすることにより、又は両面接着剤により、又はクリップ留めにより固定されてもよい。
【0079】
支持部をカバーに締め付ける「恒久的」手段が、部分の種類に応じて、接合、溶接、及び鋲留めの手段から選択されてもよい。
【0080】
しかしながら、カバーの取り外し、又は交換を容易にするために、好ましくはカバーの周辺上で界面封止要素は、可逆的接着剤又は面ファスナー(hook and loop fastener)である。これは、上記のカバーを締め付ける手段を構成し、又はその一部を形成し、可逆的であり、好ましくはビード状に位置している接着剤のビードであり、特にカバーの内面に接触しているか又は(その自由外面を通じて)接続部品と接触しているか、又は第2面と接触する。これは特に二成分エポキシ型のものである。
【0081】
可逆的接着剤としては、エポキシ樹脂、特に二成分エポキシ樹脂、例えばEIC LaboratoriesのElectRelease(商標)製品群を言及することができる。
【0082】
代替的に又は累積的に、分解及び再組立てを容易にするために、好ましくは、カバーの周辺上の界面封止要素は、圧縮された材料であり、材料の圧縮封止が、そのカバー固定手段の閉じる力により与えられ、特に、界面封止要素は、以下から選択される:
−1つ又は複数のリップシールを備えた、特にOリングの、例えばTPE、EPDMから作られた、特に、カバーの溝の中(カバーの内面上、又はカバーの側面上の溝の中)、あるいは第2面の溝の中、又は接続部品の溝の中にある、ポリマーシール、
−ポリマーから選択された接続部品、例えば特にEPDMから作られた1つ又は複数のリップ上の、又はポリマーカバーの内面又は側面上の、封止形状部、
−任意選択で(カバーに、接続部品に、又は第2面に)接着性にされた発泡体、特に、アクリル性発泡体、PU、ゴム(EPDM等)、熱可塑性エラストマー、TPE、ポリエステル、特に熱可塑性ポリエステルゴム、例えばSaint−Gobain Performance Plastics社により販売されるDynafoam製品等の単一成分ポリエステルゴム。
【0083】
これは、封止接着剤の使用を不要にする。
【0084】
好ましくは、圧縮封止に関連する、第1の有利な実施形態では、固定手段は可逆的であり、次から選択される:
−点型(突起等)又は線型(すなわち、カバーの全長にわたって拡がる)のクリップ固定手段、これはカバー(内面等)に配置され、(好ましくは界面封止要素により画定される封止領域で)カバーに取り付けられる部品を好ましくは形成し、特に、第1のシート、特に有機物の第1のシートの1以上の受入領域に固定されるクリップ、及び/又は接続部が収容され、随意に機能要素内にさらに収容される、
−フック型のクリップ手段、好ましくは封止領域の外側で、カバーに取り付けられる部品を形成し、特に、第1のシート、特に有機物の第1のシート、及び/又は接続部の1以上の受入領域内に収容され、随意に機能要素内にさらに収容される、
−界面封止要素とキャビティ端部との間の、好ましくは封止領域の、例えば内面を越えて広がる(例えば、カバーの孔内に収容される、又は随意に止まり穴を介して面状カバーに取り付けられる部品を形成する)ねじ手段(例えば、ねじ、ボルト)。
【0085】
これは、固定接着剤の必要性を排除することを可能にする。
【0086】
接続部品は、例えばフレーム等の、好ましくは閉じた輪郭を有する片面の収納部品を形成する。
【0087】
カバーは、実質的に平面の一般的形状を有する部品であってもよい。カバーは、(特に、車体の色を有する)装飾部であってもよく、グレージングユニットを本体に固定した後にマスクされてもよく、この場合、カバーは例えば端部に沿って位置しており、又はフレームを形成する。
【0088】
カバーは、上記形状部を保持するための手段、及び/又は接続手段の通路用の収納部、並びに/又はダイオードの支持形状部(例えば溝、局所止め具、スタッド)を配置するための手段をさらに有してもよい。
【0089】
カバーは、さらに以下を含んでもよい:
−ダイオードの一体化の前の、電源線及び接続部(例えば、1つのダイオードアレイから次の1つまで)の随意の一体化(線のオーバーモールド、又は溝の提供等)、
−組込ピンによりカバー領域内で主電源接続部(電池、光起電源等でもよい)に関する線の出力を容易にすること。
【0090】
好ましくは、(主要面に垂直な)チップの発光ピーク周辺での、第1のシートの透過率は、50%以上、さらにより好ましくは70%以上、さらに80%以上さえもある。
【0091】
グレージングユニットは、第1面又は第2面のどちらかの上に、あるいはそれらの面上に広がる、いわゆる保護層(シート、フィルム、堆積物等)を有してもよい。この層は二重の機能を有することができる。すなわち、
−光拡散(例えば、任意選択でアクリル樹脂により接合されたPU、PE、シリコーンからなる可撓性のフィルム)、
−放射(IR、UV)からの保護、すなわち日射調整、低放射率等、
−ひっかき傷がつかないこと、
−審美性(着色した、模様のある)。
【0092】
好ましくは、結合側、又は第1のシートの側面に対して、丸みのある側面が提供されてもよい。特に、発光空間が空気である場合、適切な幾何形状(丸みのある側面、平坦で斜めの面等)を有する空気/第1のシートの界面での屈折を利用することが可能であり、それにより、光線を第1のシート内で焦点を合わせるのに役立つ。
【0093】
ガラスは、任意選択で、硬化、焼きなまし、強化、曲げによる熱処理を前もって受けていてもよい。
【0094】
グレージングユニットは単層グレージングユニットであり、第1のシートは、無機ガラス又は有機ガラスから、特にPC、PMMA、PU、イオノマー樹脂、ポリオレフィン、任意選択で2つの材料から作られる。
【0095】
グレージングユニットは、(いくつかのシートで)積層され、以下から形成されていてもよい:
−厚い又は薄い、透明な第1のシート、(フロートガラス等の)無機ガラス又は(PC、PMMA、PU、イオノマー樹脂、ポリオレフィン)有機ガラス、
−所定の積層材料の積層中間層、
−第2のシート(さまざまな機能、すなわち日射調整等を有する、無機ガラス又は有機ガラスからなる、不透明な又は不透明でない、透明な、着色した)。
【0096】
一般的な積層中間層として、可撓性のPU、可塑剤なしの熱可塑性物質、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)が言及されうる。これらのプラスチックは、例えば0.2mmから1.1mmの間の、特に0.38mmから0.76mmの間の厚さを有する。
【0097】
第1のシート/中間層/第2のシートは、次のように選択されてもよい:
−無機ガラス/中間層/無機ガラス、
−無機ガラス/中間層/ポリカーボネート、
−(随意に厚い)ポリカーボネート/中間層/無機ガラス。
【0098】
本説明では、特に指定されない限り、ガラスは無機ガラス(mineral glass)を意味する。
【0099】
第1のシートの側面は、中にダイオードを収容できるように、単一グレージングユニット若しくは積層グレージングユニットから、又は二重グレージングユニットから切り抜かれうる(焼き戻し前の収納部を用いたトリミング)。
【0100】
第1のシート及び/又は第2のシートは、任意の形状(長方形、正方形、円形、長円形等)を有してもよく、平面でも、上に湾曲してもよい。
【0101】
第1のシートは、好ましくは、ソーダ石灰ガラス、例えばSAINT GOBAIN GLASS社のPLANILUXガラスから作られてもよい。
【0102】
第2のシートは、色をつけられても、例えばSAINT GOBAIN GLASS社のVENUSガラスから作られてもよい。
【0103】
積層グレージングユニットは、積層中間層により第1のシートに積層された、特に無機ガラス又は有機ガラスからなる第2のシートを含み、好ましくは第1のシートの端部は、光源が収容される、その厚みに広がる周辺上の収納部を含み、又は第2のシートは、第1のシートの入射側を越えて広がり、グレージングユニットの側面段差を作り出す。
【0104】
グレージングユニットは、真空部又は絶縁体を含む多重グレージングユニットでもよく、特に二重又は三重のグレージングユニットでもよく、これは次から形成される:
−厚い又は薄い、透明な第1のシート、(フロートガラス等の)無機ガラス又は(PC、PMMA、PU、イオノマー樹脂、ポリオレフィン有機ガラス)、
−ガス空間(空気又は不活性ガス)により区切られた第2のシート(様々な機能、すなわち日射調整等を有する無機ガラス又は有機ガラスからなる、不透明な又は透明な、着色した)。
−ガス空間(空気又は不活性ガス)により区切られた(様々な機能、すなわち日射調整等を有する無機ガラス又は有機ガラスからなる、不透明な又は透明な、着色した)任意選択の第3のシート。
【0105】
グレージングユニットは多重グレージングユニットであり、特に、積層グレージングユニット、真空又は絶縁二重グレージングユニットである、あるいは三重グレージングユニットでさえあり、第1のシートは三重グレージングユニットの外側又は中央のシートである。
【0106】
光抽出については、ガラスシートの表面処理、例えばサンドブラスティング、酸腐食、エナメル装飾、又は拡散ペースト堆積により、あるいはガラス塊のレーザエッチング型の処理により形成される拡散手段が利用される。
【0107】
拡散層は、粒子、及び粒子を一緒に凝集するのに役立つ結合剤を含む要素からなってもよい。粒子は、金属でも金属酸化物粒子でもよく、粒子サイズは、50nmから1μmの間でもよく、結合剤は、好ましくは、熱耐久性のために無機物である。
【0108】
好ましい一実施形態では、拡散層は、結合剤内に凝集した粒子からなり、前記粒子は、平均直径0.3ミクロンから2ミクロンまでを有し、前記結合剤は、体積で10%から40%の間の割合で存在し、粒子は、0.5ミクロンから5ミクロンの間のサイズを有する凝集物を形成する。この好ましい拡散層は、国際公開第01/90787号に詳細に説明されている。
【0109】
粒子は、半透明粒子、また好ましくは無機粒子、例えば酸化物、窒化物、炭化物から選択されてもよい。粒子は、好ましくは、シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、セリウムの酸化物、又はこれらの酸化物の少なくとも2つの混合物から選択される。
【0110】
例えば、約10μmの厚さの拡散無機層が選択される。
【0111】
より高いコンパクトさのために、かつ/又は窓の透明領域を減らし若しくは増やすために、発光面と第1のシートとの間の距離が、2mmより短くてもよい。特に、より小さなダイオードが、例えば、特に約1mmの幅、約2.8mmの長さ、及び約1.5mmの高さの、レンズのない、及び/又は事前カプセル化のないチップが利用されうる。
【0112】
随意の機能要素は、車両グレージングユニットのための1以上の標準的な機能を有してもよい。
【0113】
機能要素の(単一又は複数の)機能は、以下のうちの1つ又は複数であってもよい。すなわち、
−特に、3mmから100mmまでの、第1面上の幅、10mmから40mmまでの厚さを有する、グレージングユニットのフレーム(単一面、二面、三面)、
並びに/又は
−要素を固定し、又は中央に置くための(すなわち、製造業者でグレージングユニットを組み立てる間に、グレージングユニットを車体上に適切に配置するための)支える部品、
−グレージングユニットと車体との間を流体が通過するのを少なくとも制限する、グレージングユニットと車体との間の、1以上の流体(液体の水、水蒸気、洗浄製品等)に気密性の封止部品、
−不透明な部品、及び/若しくはマスク部品、
並びに/又は
−機械的要素(側窓ホルダ等)を固定するための(点)部品。
【0114】
周辺機能要素は、第1のシートに接続される。機能要素は、カプセル化物、押出物、事前組立シール(ウィンドウシール)、成形品、射出成形品等でもよい。
【0115】
機能要素は、直接第1のシートに、又は間接的に、例えば補強する接着性要素を介して接続される。
【0116】
したがって、機能要素は、任意の手段により、すなわち以下の手段によりグレージングユニットに接続されうる:
−材料の直接接着(成形等)、
−ピンチング又はクランプ
−接続手段、例えば接着接合。
【0117】
機能要素は、片面でもよい、すなわち、次の面だけであってもよい:
−第2の表面上、
−グレージングユニット端部の全て又は一部の上の、(とりわけ、バス及び列車内の、又は空輸のためでさえ)積層グレージングユニット、あるいは二重又は三重のグレージングユニットの場合、第1のシートの側面上。
【0118】
機能要素は、次の面にあってもよい。
−両面、すなわち第2面上及び側面上、又は第1面上及び端部上、
−あるいは三面、すなわち第1面上、少なくとも第1のシートの(又はグレージングユニットの)端部上、及び第1のシートの第2面上。
【0119】
第2面上の機能要素は、光源をマスクし、かつ光を散乱するために用いる場合がある。
【0120】
したがって、車両発光グレージングユニットは、オーバーモールドされたポリマー機能要素、及び好ましくは、カプセル化と、特に無機ガラスからなるグレージングユニットとの間に、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、イソシアネートベースの単一成分、二成分、又は三成分のプライマーの層を含む。
【0121】
すでに分かるように、機能要素は、オーバーモールドにより得られた、特に0.5mmから数cmまでの厚さのポリマーカプセル化でもよい。
【0122】
車両用途では、カプセル化材料は、一般に黒色であり、又は染色される(審美目的、及び/又はマスク目的のため)。カプセル化は、ポリウレタン、特にPU−RIM(Reaction Injection Molding、反応射出成形)から作られてもよい。別のオーバーモールド材料が、以下の通りである。すなわち、
−可撓性の熱可塑性物質:
−熱可塑性エラストマー(TPE)、特に、スチレンエチレンブタジエンスチレンSEBS/ポリプロピレン(PP)、熱可塑性TPU、ポリプロピレンPP/EPDMベースの化合物、
−ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、
−硬質の熱可塑性物質:
−ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA66)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、及びそれらのABS−PC合金、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)。
【0123】
オーバーモールド材料は、染色され、ガラス繊維で充填されていてもよい。
【0124】
単一成分、二成分、又は三成分のプライマーの層は、この層が無機ガラスへの接着を促進するので、カプセル化と、特に無機ガラスからなるグレージングユニットとの間の、例えば5μmから50μmの厚さの、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、イソシアネート等をベースとする。
【0125】
(オーバーモールドされた)機能要素はまた、良好な審美的仕上がりを提供し、次の別の要素又は機能を一体化するのに役立つ:
−フレームのオーバーモールド品、
−特に、グレージングユニットを開けるための、補強挿入物又はグレージングユニット固定挿入物、
−本体上で組立て後に押しつぶされるマルチリップ(二重、三重等)封止プロファイル
−装飾部。
【0126】
オーバーモールドされた機能要素は、リップあり又はリップなしの、任意の形状を有してもよい。
【0127】
チューブ、すなわち独立気泡を有する封止プロファイルも、オーバーモールドされた機能要素に取り付けられうる。
【0128】
好ましくは、ルーフ用に、同一平面のカプセル化が、すなわちグレージングユニットの面の1つ、好ましくは第2面と同一平面のカプセル化が行われる。
【0129】
車両発光グレージングユニットは、第2面上の片側部品である機能要素、特に、オーバーモールディング又は接合された部品(封止、フレーム)、少なくとも1つの入射側に沿って、又はグレージングユニットの少なくとも2つの反対側に沿って、車両要素をグレージングユニットに、又はグレージングユニットを車両要素に固定するための支持物(X)を備えた部品を含んでもよい。
【0130】
機能要素は、好ましくはエラストマーの、特にTPE(熱可塑性エラストマー)又はEPDMからなる、数mmの厚さ(典型的には2mmから15mmの間)のポリマーシールであってもよい。
【0131】
シール(封止)は、安定するように接着性にされてもよい。シールは、好ましくは、挟んで締めつけることにより、ピンチング又はクランプにより、又はクリップで留める(例えば2つのハーフフレーム)ことによって簡単に固定されてもよい。封止は、一面でも、二面でも、三面でもよい。シールはフレームを形成してもよい。シールは、L、U等といった任意の形状を有してもよい。シールはいつでも取り外しできてもよい。シールは、固定後、圧力を加えられた1以上のリップを含んでもよい。
【0132】
機能要素は、金属でも、ガラス繊維で充填された又は充填されたポリマー、すなわちポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA66)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)でもよい。
【0133】
1以上の発光領域(特に、グレージングユニットを形作る、1以上のストリップ内の、グレージングユニットの側面、あるいは反対側又は隣接する側面に沿った周辺)は、内部環境照明、内部読書照明(側窓、ルーフ等による)、内部及び/又は外部の指示の光表示に形成される。
【0134】
1以上の発光領域は、グレージングユニットを取り囲む1以上のストリップ内の特に周辺にある。
【0135】
発光の抽出/変換(並びにダイオードの種類、位置及び/又は数)は、次のために調整される:
−環境照明又は読書照明、特に車両の内側が見えるようになる環境照明又は読書照明、
−光指示、特に外側から見える光指示:
−遠隔制御活動化による、すなわち駐車場若しくはの場所での、車両の検出、ドアのロッキング(アンロッキング)指示器、又は
−安全信号による光指示、例えば後部の停止灯のような安全信号による光指示、
−全抽出領域上の実質的に一様の照明(1以上の抽出領域、共通の機能又は別個の機能)。
【0136】
光は、次の通りであってもよい:
−連続的及び/又は間欠的、
−単色及び/又は多色。
【0137】
したがって、車両の内側で見えるので、光は、夜間照明の機能、あるいはあらゆるタイプのデータ表示、例えば図面、ロゴ、英数字信号、又は別の信号のデータ表示の機能を有してもよい。
【0138】
装飾パターンとして、例えば、1以上の発光帯、すなわち周辺光フレームが形成されうる。
【0139】
片面の抽出面を(好ましくは車両の内側に)与えることができる。
【0140】
これらのグレージングユニット内にダイオードを挿入することにより、以下のような別の信号伝達機能を可能にする:
−車両運転手又は乗客のために意図された信号ランプの表示(例:窓等の、自動車の前面ガラス内のエンジン温度警報ランプ、電気的霜取りシステムの指示器ランプ等)、
−車両の外側にいる人のために意図された信号ランプの表示(例:側窓内の車両警報オン指示器)、
−車両グレージングユニット上の光表示(例えば、救急車両上の点滅光表示、危険な状態にある車両の存在を示す低電力消費の危険防止表示)。
【0141】
グレージングユニットは、ダイオードを遠隔制御するための、特に赤外線の制御信号受信器ダイオードを含んでもよい。
【0142】
このグレージングユニットは、任意の車両、例えば以下の場所に取付けられることが意図されている:
−陸上車の側窓、特に自動車、実用車、トラック、列車の側窓、特に、窓持ち上げシステムの固定部品である機能要素を備える、又は装飾カバーを備える、陸上車の側窓;
−陸上車のスライディングルーフ又は固定ルーフ、任意選択で上に湾曲した第1のシートを備える、特に積層グレージングユニットを備える陸上車のスライディングルーフ又は固定ルーフ、ここで陸上車としては、特に自動車、実用車、トラック、列車が挙げられる;
−陸上車のフロントガラス、特に自動車、実用車、トラック、列車のフロントガラス、特にエナメルフレーム内又はその近傍に(例えば「HUD」信号を形成する)1以上の光領域を備える陸上車のフロントガラス、同様にエナメルフレーム内又はその近傍のリアガラス、
−航空機の窓、又はフロントガラス、
−水中車両、船、潜水艦の窓又はルーフ、
−列車又はバス内の二重又は三重グレージングユニット。
【0143】
本発明は、当然、上記のグレージングユニットを組み込んだ車両にも関する。
【0144】
本発明の別の詳細及び有利な特徴が、添付の図面により例示される、本発明のグレージングユニットの例を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0145】
図1】Fig.1は、本発明の実施形態での、車両用発光グレージングユニットの部分的な概略の横断面を示している。Fig.1bisは、図1における本発明の実施形態での、車両用発光グレージングユニットの部分的な概略の平面図を示す。
図2】Fig.2は、本発明の実施形態での、車両用発光グレージングユニットの部分的な概略の横断面を示している。
図3】Fig.3は、本発明の実施形態での、車両用発光グレージングユニットの部分的な概略の横断面を示している。
図4】Fig.4は、本発明の実施形態での、車両用発光グレージングユニットの部分的な概略の横断面を示している。
図5】Fig.5は、本発明によるカバーの断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0146】
示されている対象のさまざまな要素は、明確性のために、必ずしも精確な寸法で再現されているわけではないことに留意すべきである。
【0147】
図1は、本発明の第1の実施形態での、車両発光グレージングユニット100の部分的な概略の横断面を示す。
このグレージングユニット100は、第1主面11及び第2主面12、並びに側面10を有する、有機ガラス製の透明な第1のシート1を含むグレージングユニットであり、これは例えば長方形のシートであり、また例えば(導光部である)透明部と(外周部である)不透明部を含む二相材料のポリカーボネートシートである。
【0148】
発光ダイオード2を支持する2つの形状部3が、例えば縦の境界上に広がり、そして(取り外される)面ファスナー6によって、収納部の不透明領域1’に、第1のガラスシート1の第2面12の外周で固定される。PCBを耐候性ワニス(tropicalization varnish)61でコーティングする。
【0149】
各支持形状部3は、一体式で、薄く、かつ厚さ0.6mm(好ましくは最大5mm)、幅7mm、及び長さ20cmを有する。これは、長方形断面を有してもよく、金属又は通常のPCBから作られてもよい。第2面12上でのこの形状部を支える長さは、典型的には7mm未満でもよい。
【0150】
代替形態として、ダイオード支持形状部は、L字形、U字形、又はJ字形等の横断面を有する。
【0151】
より詳細には、ダイオードは、第2面12の外周上の第1のシート1の不透明領域1’内に作られた穴8(溝)に並んでおり、支持形状部3は、不透明領域1’内で、この溝よりも広いキャビティ70内に位置する。
【0152】
この不透明領域は、光源2のマスクを形成し、第2面上に広がることにより、特に入射端部14に近い、任意の散乱する光を遮光し、かつ/又は第2面12による車体90へのグレージングユニットの固定部91のマスクを形成する。
【0153】
発光ダイオードは、第1のシート1内に導かれる、可視域の単数又は複数の光を発光することができる発光チップ2をそれぞれ含む。ダイオードは小型であり、光学系(レンズ)なしで、典型的には数mm以下であり、特に約2mm×2mm×1mmである。それらは、サイズをできる限り小さくするために事前にカプセル化されないか、又はそれらを保護するためにシリコーンで事前にカプセル化される。
【0154】
示されている構成では、発光面21は横向き(支持部3に垂直)である。この横向きの発光面と入射端部14との距離は、できるだけ近付けられ、例えば5mmまで近く付けられる。横向き発光面と上記側面との距離は、1mmから2mmまでである。主要な発光方向は、半導体チップの面に垂直である。この半導体チップは、例えば、AlInGaP技術又は別の半導体の、多重量子井戸を有する活性層を備える。光円錐は±60°のLambertian円錐である。
【0155】
光抽出12’は、例えば車両の内面である場合、特にルーフの場合、第2面12を介して行われてもよい。
【0156】
この抽出12’は、第2面12の表面上の、サンドブラスティング、酸腐食、拡散層、スクリーン印刷等の任意の拡散手段により行われ、又は代わりに第1のシート1内のレーザエッチングにより行われる。
【0157】
所与のグループのダイオードについては、発光する放射空間が、各ダイオード(チップ)と第1のシートの入射端部との間に画定され、これは光結合空間と呼ばれ、好ましくはガス状媒体、典型的には空気である。
【0158】
各チップ及び発光する放射空間を、長期間で、かつグレージングユニット100の製造中でも同様に、汚染物:水、化学物質等に対して、保護する必要がある。
【0159】
(例えば、アレイごとに1つのカバーで)ダイオードを覆うカバー4は、面状であり、第1面に向いているいわゆる内部全体面を有する。このカバーは、矩形形状で(随意に端部が丸み付されている)平面的な全体形状を有するプラスチックの部品である。このカバーは、第1のシートに平行であり、不透明領域1’上に位置しており、キャビティ70の両側にわたっている。
【0160】
各ダイオードアレイ又は各チップの流体封止を強化するために、以下がさらに使用される:
−カバーの内面と第2面(不透明領域1’)との間に配置される、キャビティ70付近の界面流体密封封止のための界面要素、これは第1のシート上の溝40内の、5mm幅のビード形態である、EPDMシール5である、
−又は変形態様として、カバーの内面上にある界面要素。
【0161】
カバーを第1のシートに、可逆的固定手段、例えば2つのネジ(図示せず)によって固定する。これは、カバーを貫通し、内部表面を越えて伸びる。
【0162】
これらのネジは、好ましくは封止ビードと収納部70の端部との間にある、第1のシート1の受入領域、すなわちネジ穴で受け入れられる。
【0163】
随意の内面封止要素5は、圧縮材料であり、材料の圧縮によるこの封止は、カバーを固定する上記手段の閉塞する力によって行われる。
【0164】
ダイオードを挿入するために、又はそれらを交換するために、カバーは、容易に取り除くことができる。
【0165】
このカバーの第1の変形形態として、カバー固定手段は、好ましくは封止ビードと収納部の端部との間にある、受入領域に受け入れられる、2つのクリップ固定手段である。
【0166】
カバーの他の変形形態としては、カバー固定手段は、収納部70の境界を定める内側端部に受け入れられる2つのクリップ固定手段である。
【0167】
LED2の支持形状部3は、カバーによって保持され、例えばフィン又はフック50’(例えば、図5)によって保持され、これは、支持部をそのポッティング部分60”と共に保持する。
【0168】
したがって、このカバーの設計は、ダイオードアレイの統合を可能とし、さらにそのアレイの焦点を合わせることも可能とする。すなわち、入射側面に対してアレイの良好な位置を確保できる。
【0169】
参考に、カバー4は、さらにオーバーモールドの仕切り内に表面又は栓(stop)を有してもよい。
【0170】
さらに、カバー4が、連結手段の通路のため等の収納部50(発泡体又は封止によって密封性にされる)を有していてもよい。
【0171】
白色光又は着色光を発光するダイオードを、定常光又は読書光に関して選択してもよい。
【0172】
当然、複数の支持部を別個の端部に与えてもよく、かつ/又は別個の機能と共に与えてもよい(抽出領域の範囲、位置、出力、発光の適切な選択)。
【0173】
抽出部(例えば、拡散層12’)は、定常光を形成してもよい。
【0174】
グレージングユニット100は、例えば陸上車の固定サンルーフを形成してもよく、これは変形形態として船のものであってもよい。このルーフは、車体90の外側から、接着剤91を用いて取り付けられる。
【0175】
第1のシートは、車両の内部にある。抽出は、好ましくは表面12を通過する。
【0176】
図2は、本発明の第2の実施態様における、車両用の発光グレージングユニット200の部分的な断面概略図を示している。車両用発光グレージングユニット200は、まず結合手段83の配置がグレージングユニット100と異なっており、これは収納部70の外側(不透明領域1’の表面13)で第1のシートに受け入れられるクリップ手段である。また、内面封止要素5がワニス61’で置き換えられている。
【0177】
例えば、このグレージングユニットは、その境界において、そして好ましくはグレージングユニットの全周囲にわたって、かつ少なくとも第2表面12の全周囲にわたって、ポリマーのオーバーモールディング7を有しており、約2.5mmの厚みを有する。
【0178】
オーバーモールディング7を、良好な外観の仕上げのために、通常の方法で用いる。また、これは他の要素又は機能(補強インサート等)と統合することを可能とする。
【0179】
オーバーモールディング7は、例えばグレージングユニットと車両との間に、封止用の縁を有する。
【0180】
オーバーモールディング7は、例えば黒いポリウレタン、特にRIM−PU(リアクションインジェクションモールディング)から作れられている。
【0181】
図3は、本発明の第3の実施態様における、車両用発光グレージングユニット300の部分的概略断面図を示している。
【0182】
車両用グレージングユニット300は、次の点でグレージングユニット100とは異なっている:
−収納部70の範囲、これは側面10までにも広がり、そしてさらに第1のシートの周囲にわたって広がる;
−2つの封止ビーズの随意の使用(収納部の比較的低い領域及び第2面12の上部の収納部ではない領域);
−固定手段は可逆的であり、以下を有するクリップ固定手段と共に含む:
−第2主面にある、例えば不透明領域1’の表面13にある第1の受け入れ溝部141にある第1の突起44、
−側面にある、例えば不透明領域1’にある第2の受け入れ溝部142にある第2の突起43。
【0183】
図4は、グレージングユニット300の変形形態である本発明の第4の実施態様における、車両用発光グレージングユニット400の部分的断面図を示している。
【0184】
2つの封止ビーズを、可逆的接着剤91’又は面ファスナーで置き換え、そしてカバー4を収納部部分に、例えば不透明領域1’に置いている。収納部70は、部分的である。側面端部を、好ましくは可逆的接着剤を用いて、随意に塞いでもよい。
【0185】
変形形態として、ダイオードを随意に側部発光面を有する光ファイバーで置き換える。ここで、この光ファイバーは、例えば第2面上の支持形状部に置かれる(くさび留めされる)。主要光源をダイオードとしてもよい(図示していない)。例えば、3Mの3M Precision Lighting Elements(商標)光ファイバーを用いる。
【0186】
変形形態として、例えば面12上、好ましくはガラスシート上の発光材料を励起させるために、UVのLED、特にUVA範囲のUVのLEDを選択する。
本発明の態様としては以下を挙げることができる:
《態様1》
以下を含む、車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400):
−第1主面(11)、第2主面(12,13)、及び側面(10)を有する、無機ガラス又は有機ガラスの第1のシート(1);
−発光面(21)を有し、それぞれがダイオード支持形状部(3)に半導体チップを有する複数の発光ダイオード(2)で形成される、周囲光源(2)であって、前記発光面は、入射した可視光及び/又は紫外(UV)光の第1のシートの厚み方向における伝播のための入射面と呼ばれる前記第2面(12)の端部に面しており、そして前記第1のシート(1)が前記入射した光の導光体の役割を果たし、この入射端部は部分的に埋め込まれているか又は段差を有していてもよい、周囲光源(2);
−以下の、少なくとも1つの発光領域を形成するための手段:
−第1主面及び/又は第2主面から導入した光を抽出するための手段であって、第1主面及び/又は第2主面の表面上にある拡散手段、又は第1のシートの本体にある拡散手段、
−及び/又は、入射光がUV光である場合に、第1主面及び/又は第2主面を通じてUV光を可視光に変換するための、発光材料である手段であって、特に第1主面及び/又は第2主面上にある手段、
−第1のシートに接合される、取り付けされ又は取り付けされない周囲機能要素であって、流体に対して気密性であり、かつオーバーモールド要素又は組み立て済み要素から選択される周囲機能要素、
−流体、特に液体の水又は水蒸気に気密性である、光源を覆うカバー、
−以下の固定手段(83)によって固定される、本質的に第2面に面している、いわゆる面状カバー:
−第1のシートへの固定手段、特に有機ガラスで作製されている第1のシートへの固定手段、
−及び/又は第1のシートに接合される接続部への固定手段、
−及び随意の前記機能要素への固定手段;
ここで、前記カバー及びダイオード支持部は、グレージングユニットから取り外しが可能であり、かつ
前記ダイオード支持部は、有利には前記グレージングユニットの取り付け前に、少なくとも水分防護層、及び/又はカプセル化材料、例えばシリコーン、エポキシ又はアクリル系のワニスと共に、少なくとも与えられる。
《態様2》
前記カバーが、第2面に向けられる、いわゆる内側全体表面を有し、かつ前記カバーが、1以上の流体、特に液体の水又は水蒸気に対して界面封止をするための界面要素(5)と関連しており、これは前記カバーと前記接続部との間、及び/若しくは随意に前記カバーと前記機能要素との間に位置しており、又は前記カバーに統合されており、若しくは前記接続部に統合されており、又は前記第1のシートに統合されており、又は前記カバーと前記ガラスシート(1’)との間に位置していることを特徴とする、態様1に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様3》
前記界面封止要素が、好ましくは前記カバーの周囲にあり、前記カバーを可逆的に固定するための手段の一部を形成する又はその手段を構成する可逆的な接着剤であり、好ましくはビード状に配置された接着剤のビードであり、特にカバーの内面と接触しており、又は接続部と(その自由外面で)接触しており、若しくは第2面と接触しており、特に接着剤は、2成分エポキシ型の接着剤であることを特徴とする、態様1又は2に記載の車両用発光グレージングユニット。
《態様4》
前期第1のシート(1)がガラス製であり、特に有機ガラス製であり、特にPC製であり、第2面(12)からその厚さに、前記入射端部(14)に面する前記光源を収容するための止まり穴(70,8)、例えば段差を有する、態様1〜3のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様5》
前記有機物の第1のシートが透明材料及び不透明材料の2つの材料であり、前期第1のシートの前記不透明領域(1’)は、前記第2面(12)の周囲上に位置しており、かつ/又は第一面上に位置しており、前記ダイオードは、第1のシートの不透明領域(1’)に作られた溝又は穴(8)に位置しており、かつ前記支持形状部(3)は収納部(70)を有し、これは前記溝(8)よりも幅が広く、前記支持形状部(3)は好ましくは、前記カバーによって、例えばフィン又はフック(50’)によって保持されている、態様1〜4のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様6》
前記穴(70,8)が第2面の全周囲上にわたって与えられており、かつカバー(4)がフレーム、特に前記固定手段を組み込んでいるフレームを形成している、態様1〜5のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(300)。
《態様7》
光源及び任意に散乱する光をマスクするため、かつ/又は第2面による車体へのグレージングの固定部をマスクするための、以下であってもよいマスク要素を含むことを特徴とする、態様1〜6のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(200):
−機能要素の一部、特にポリマーカプセル化、
−並びに/又は、第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、又は特に機能要素が片面若しくは両面であるときに、第1面に面して取り付けられたシートフィルムの面上の、十分不透明なエナメル、
−並びに/又は第2面の周囲上の、かつ/又は第1面上の、又は第1面に面して取り付けられた面上の、反射表面。
《態様8》
前記第1のシート(1,1’)が透明有機材料及び不透明有機材料の2つの材料から作られており、かつ前記第1のシートの不透明領域(1’)は、前記第2面の周囲上及び/又は第1面上にあり、前記光源及び任意に散乱する光へのマスクを形成し、かつ/又は前記第2面(12)による車体(90)への前記グレージングユニットの固定部のマスクを形成することを特徴とする、態様1〜7のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様9》
結合空間と呼ばれる、入射の前の発光空間が、ガス状であり、局所的であり、かつ前記カバー(4)内面の周囲であるか、又は前記カバー(4)の側面にあることを特徴とする、態様1〜8のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様10》
前記光源(2)の前記グレージングユニットへの固定が、前記結合空間の外側で、特に入射端部(14)の外側で行われ、前記ダイオードについては、支持形状部(3)の固定によって行われることを特徴とする、態様1〜9のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様11》
前記光源(2)の前記グレージングユニットへの固定が、前記第1のシート(1,1’)の、特に有機物である前記第1のシート(1,1’)の前記面(11,12,13)の1つへの、特に前記第2面(12,13)への、及び/又は前記カバー(4)の内面への、特に糊付けすることによる若しくは両面接着剤による、又はクリップ留めによる、前記支持形状部(3)の固定によって、前記結合空間の外側で、特に入射端部(14)の外側で行われることを特徴とする、態様1〜10のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様12》
前記界面封止要素が、好ましくは前記カバーの周囲にあり、前記カバーを可逆的に固定するための手段の一部を形成する又はその手段を構成する可逆的な接着剤であり、好ましくはビード状に配置された接着剤のビードであり、特にカバーの内面と接触しており、又は接続部と(その自由外面で)接触しており、若しくは第2面と接触しており、特に接着剤は、2成分エポキシ型の接着剤であることを特徴とする、態様1又は2に記載の車両用発光グレージングユニット。
《態様13》
前記カバーを固定する手段が可逆的であり、次から選択されることを特徴とする、態様1〜12のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400):
−カバーに配置され、かつ特に、第1のシート、特に有機物の第1のシートの1以上の受入領域で固定するクリップを受け入れ、かつ/又は接続部が収容され、随意に機能要素内にさらに収容される、クリップ固定手段;
−好ましくは封止領域の外側で、カバーに取り付けられる部品を形成し、特に、前記第1のシート、特に有機物の第1のシート、及び/又は接続部の1以上の受入領域内に収容され、随意に機能要素内にさらに収容される、クリップ固定手段、特にフック型のクリップ固定手段;
−ねじ手段。
《態様14》
前記接続部が、閉じた輪郭を有する片面の収納部、例えばフレームを形成することを特徴とする、態様1〜13のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
《態様15》
前記カバーが装飾部であるか、又は前記グレージングユニットを本体に固定した後にマスクし、ここで前記カバーは例えば1以上の端部に沿って位置して、又はフレームを形成することを特徴とする、態様1〜14のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
《態様16》
前記カバー(4)が、前記形状部を保持するための手段、及び/又は前記接続手段の通路用の収納部、並びに/前記又はダイオード用の支持形状部(3)を配置するための手段をさらに有する、態様1〜15のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット。
《態様17》
単層グレージングユニットであり、前記第1のシートが、無機ガラス、又は有機ガラス、特にPC、PMMA、PUから作られ、随意に2つの材料(1’)から作られることを特徴とする、態様1〜16のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
《態様18》
1以上の前記発光領域が、内部環境照明、内部読書照明、又は内部及び/若しくは外部の指示のための光表示を形成する。態様1〜17のいずれか一項に記載の車両用発光グレージングユニット(100,200,300,400)。
図1
図1bis
図2
図3
図4
図5