特許第6199864号(P6199864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6199864ナノ構造物品及びそれを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199864
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】ナノ構造物品及びそれを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/00 20060101AFI20170911BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20170911BHJP
   C08J 7/00 20060101ALI20170911BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20170911BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20170911BHJP
【FI】
   C08J5/00CEY
   C08F2/44 A
   C08J7/00 307
   B82Y30/00
   B82Y40/00
【請求項の数】6
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2014-526115(P2014-526115)
(86)(22)【出願日】2012年8月13日
(65)【公表番号】特表2014-528983(P2014-528983A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2012050592
(87)【国際公開番号】WO2013025614
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年6月30日
(31)【優先権主張番号】61/524,406
(32)【優先日】2011年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/593,696
(32)【優先日】2012年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】タ−ファ ユ
(72)【発明者】
【氏名】モーゼス エム.デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス エス.ダン
(72)【発明者】
【氏名】セス エム.カーク
(72)【発明者】
【氏名】ブラント ユー.コルブ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ブレイク コルブ
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー.ストロベル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン−イン チャン
【審査官】 大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−104103(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/078071(WO,A1)
【文献】 特表2012−514238(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/123528(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/078306(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/005642(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/016277(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/153139(WO,A1)
【文献】 特開2005−250309(JP,A)
【文献】 特開平05−288903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00−5/02;5/12−5/22
B29C 71/04
C08J 7/00−7/02;7/12−7/18
B32B 1/00−43/00
B82Y 5/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nmの粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、外表面を有し、前記突出したサブマイクロメートル粒子の表面の50パーセント以上が、有機材料を除去することにより露出している、材料。
【請求項2】
前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
概ね対向する第1の主表面及び第2の主表面を有する基材、及び前記第1の主表面上の、請求項1又は2に記載の材料を含む物品の製造方法であって、
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
前記層の乾燥又は硬化のうちの少なくとも1つを行うことと、
適用可能な場合、前記乾燥又は硬化された層をエッチングして、前記物品を提供することと、
を含む、方法。
【請求項4】
高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nmの粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、50nm〜200nmの範囲で突出し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90パーセント突出している、材料。
【請求項5】
前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、請求項4に記載の材料。
【請求項6】
高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90パーセント突出し、前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年8月17日に出願された米国特許仮出願第61/524406号、及び2012年2月1日に出願された同第61/593696号の利益を主張するものであり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
光が1つの媒体から別の媒体へと移動するときは、光の一部が2つの媒体間の境界面から反射される。例えば、典型的には、透明なプラスチック基材上で光っている光の約4〜5%が上面で反射される。
【0003】
携帯ハンドヘルドデバイス及びラップトップデバイスのための背光は、ディスプレイデバイスの上面及び内部境界面からの外部照明の反射の存在下で、所望の標示品質を提供するのに効果的ではなく、これは、したがって、コントラスト比を低下させ、外部物体の干渉画像から視聴品質を落とす可能性がある。
【0004】
ディスプレイデバイスの上面の反射を低減させるために、異なるアプローチが用いられている。1つのアプローチは、反射を低減させるために、反射防止コーティング、例えば対照的な屈折率の交互の層を備える、透明な薄いフィルム構造体からなる多層反射コーティングを使用することである。しかしながら、多層反射防止コーティング技術を用いて広帯域の反射防止を達成することは困難であり得る。
【0005】
別のアプローチは、広帯域の反射防止のためにサブ波長表面構造(例えば、サブ波長スケール表面回折格子)の使用を伴い、サブ波長という語句は、物体又は構造体が相互作用する波長よりも小さい1つ以上の寸法を有する物体又は構造体を説明するために使用される。光学面からのフレネル反射を抑制するために、サブ波長構造化特徴は、表面上のサブ波長構造化特徴よりも大きい波長範囲の反射を最小に抑えるための効果的な媒体として、連続形状表面レリーフ格子をもたらす。サブ波長表面構造を(例えばリソグラフィによって)作製するための方法は、比較的複雑で高価である傾向にある。加えて、前面用途のためにサブ波長スケールの表面回折格子から耐久性のある反射防止表面を得ることは困難であり得る。
【0006】
ディスプレイデバイスの正反射を低減させるために、反射防止及び惑光防止の解決策が、開発されている。しかしながら、ハイブリッド反射防止惑光防止表面は、可視光線スペクトルの波長に近い構造寸法を有し、ゆえに、より高いヘイズ(即ち>4%)を誘発させて、表示品質を低下させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、サブ波長構造化表面勾配の解決策が所望される。好ましくは、この解決策は、比較的低い反射(即ち、1(いくつかの実施形態においては、0.5未満)パーセント未満の可視範囲を超える平均反射)及び耐久性を提供して、ディスレイデバイスの表示品質を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、本開示は、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料を説明し、材料は、主表面を有し、サブマイクロメートル粒子は、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nmの範囲(いくつかの実施形態においては、100nm、300nm、又は更には150nm〜250nm))の粒径を有し、サブマイクロメートル粒子の一部は、主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント(即ち、それぞれの粒子が高分子マトリックスから突出する部分から少なくとも特定されたパーセント)突出し、突出したサブマイクロメートル粒子はそれぞれ、露出した外表面を有し、露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、40、30、25、20、15、10、5、若しくは1未満、又はゼロ)パーセント未満は、有機材料によって被覆されている。任意に、サブマイクロメートル粒子は、高分子マトリックスに共有結合されている。任意に、サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つのシランカップリング剤(例えば、単官能性又は複官能性(例えば、二官能)基(例えば、アクリレート、エポキシ、シラノール、又はビニル)のうちの少なくとも1つを含むシランカップリング剤)で官能化される。
【0009】
別の態様では、本開示は、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料を説明し、材料は、主表面を有し、サブマイクロメートル粒子は、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、サブマイクロメートル粒子の一部は、主表面から、50nm〜200nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜175nm、又は更には100nm〜150nm)の範囲で突出し、サブマイクロメートル粒子の一部は、主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出する。任意に、突出したサブマイクロメートル粒子はそれぞれ、露出した外表面を有し、露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、40、30、25、20、15、10、5、若しくは1、又はゼロ未満)パーセント未満は、有機材料によって被覆されている。任意に、サブマイクロメートル粒子は、高分子マトリックスに共有結合されている。任意に、サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つのシランカップリング剤(例えば、単官能性又は複官能性(例えば、二官能)基(例えば、アクリレート、エポキシ、シラノール、又はビニル)のうちの少なくとも1つを含むシランカップリング剤)で官能化される。
【0010】
別の態様では、本開示は、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料を説明し、材料は、主表面を有し、記サブマイクロメートル粒子の一部は、主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、サブマイクロメートル粒子は、高分子マトリックスに共有結合されている。いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子は、少なくとも20nm(いくつかの実施形態においては、20nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有する。任意に、サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つのシランカップリング剤(例えば、単官能性又は複官能性(例えば、二官能)基(例えば、アクリレート、エポキシ、シラノール、又はビニル)のうちの少なくとも1つを含むシランカップリング剤)で官能化される。
【0011】
いくつかの実施形態においては、突出したサブマイクロメートル粒子の間の平均間隔(即ち、2つの粒子の最も近い縁部の間の距離)は、5nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、10nm〜300nm、20nm〜300nm、30nm〜300nm、40nm〜300nm、50nm〜275nm、75nm〜250nm、又は更には100nm〜225nm)の範囲である。
【0012】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の材料は、層の形態である。別の態様では、本開示は、第1の主表面上に本明細書に記載の層を有する、第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材を備える物品を説明する。
【0013】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の材料又は物品を製造する方法を提供し、本方法は、
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
層の乾燥又は硬化のうちの少なくとも1つを行うことと、
適用可能な場合、乾燥又は硬化された層のうちの少なくとも1つをエッチングして、材料又は物品を提供することと、を含む。
【0014】
任意に、本明細書に記載の物品は、基材の第1の主表面と本明細書に記載の材料の1つの層との間に配設された機能層(即ち、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つ)を更に含む。任意に、本明細書に記載の物品は、本明細書に記載の材料の層上に配設された機能層(即ち、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つ)を更に含む。
【0015】
任意に、本明細書に記載の物品は、基材の第2の主表面上に、材料の(第2の)層(本明細書に記載のもの、並びに2011年2月28日に出願されたPCT出願第US2011/026454号、並びに2011年3月14日に出願された米国特許出願第61/452,403号及び同第61/452,430号に記載のものなど)を更に含み、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。任意に、本明細書に記載の物品は、基材の第2の主表面と材料の(第2の)層との間に配設された機能層(即ち、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つ)を更に含む。任意に、本明細書に記載の物品は、材料の(第2の)層上に配設された機能層(即ち、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つ)を更に含む。
【0016】
光が多層基材に入射すると、光の反射率は、入射光の波長に従って周期変化を経験する。特定の反復周期を有する反射挙動は、干渉縞と呼ばれる。層間の屈折率の差が大きくなる程、干渉パターンの強度及び外観は大きくなる。干渉縞は、異なる層間の屈折率における差を利用して反射率を低減させる多層反射防止コーティングに対して特により敏感である傾向がある。しかしながら、本明細書に記載のサブ波長構造化表面は、効果的な屈折率勾配を形成して反射率を低減させ、多層反射防止コーティングの異なる層間の屈折率におけるミスマッチによって引き起こされる干渉縞を最小限に抑える傾向がある。
【0017】
本明細書に記載の物品は、例えば、高性能で低干渉縞の反射防止光学物品を作製するために使用され得る。機能層(即ち、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つ)が本明細書に記載の材料の層上に配設されると、本明細書に記載の物品は、著しく強化された光学的性能を有し得る。
【0018】
本発明に記載される物品の実施形態は、ディスプレイ用途(例えば液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又はプラズマディスプレイ)、光抽出、電磁干渉(EMI)遮蔽、眼科用レンズ、フェイスシールドレンズ若しくはフィルム、ウィンドウフィルム、建築用途の反射防止、並びに建築用途若しくは交通標識を含む多くの用途で有用である。本明細書に記載の物品は、ソーラー用途(例えば、ソーラーフィルム)においても有用である。それらは、例えば、太陽熱高温液体/空気加熱パネル若しくは任意の太陽エネルギー吸収デバイスの前面として、追加のナノスケール表面構造体を有するマイクロ若しくはマクロコラムを有する太陽熱吸収表面に、アモルファスシリカ光電池又は銅−インジウム−ガリウム−セレニド(CIGS)光電池で作製された可撓性太陽光電池の前面に、また可撓性光電池の上に適用されたフィルムの前面にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示において有用なコーティング装置の第1の斜視図である。
図2】異なる視点からの図1の装置の第2の斜視図である。
図3】ガス収容チャンバから取り外されたコーティング装置の別の実施形態の斜視図である。
図4】異なる視点からの図3の装置の第2の斜視図である。
図5】本明細書に記載の例示的なサブマイクロメートル構造化反射防止物品を用いたディスプレイの概略断面図である。
図6】実施例18の主表面の平面図の15,000倍での走査電子顕微鏡写真である。
図7】実施例18の断面図の15,000倍での走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む本明細書に記載の材料のマトリックス(即ち、連続相)は、例えば、高分子材料、液体樹脂、無機材料、又は合金若しくは固溶体(相溶性高分子を含む)を含み得る。このマトリックスは、例えば、架橋材料(例えば、架橋材料は、架橋可能な材料のうちの少なくとも1つ、例えば、マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、若しくはシロキサン(それらの配合物若しくはコポリマーを含む)を架橋することによって調製される)、又は熱可塑性材料(例えば、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ナイロン、シロキサン、フルオロポリマー、ウレタン、環状オレフィンコポリマー、三酢酸セルロース、若しくはジアクリレートセルロース(それらの配合物若しくはコポリマーを含む)のうちの少なくとも1つ)を含み得る。いくつかの実施形態においては、高分子前駆体マトリックスは、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ、フッ素化エチレンプロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリオキセタン、ヘキサフルオロプロピレン酸化物、シロキサン、オルガノシリコン、シロキシド、シリルハライド、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミン、カルボン酸、−COONa、−SONa、−CONHCH、−CON(CHCH、アクリルアミド、アミン、エーテル、スルホン酸塩、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酸、ビニルアルコール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アセチレン、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン硫化物、又はイミダゾールのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
有用な高分子材料には、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。好適な熱可塑性物質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、熱可塑性樹脂ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、スチレンアクリロニトリル、シリコーン−ポリオキサミドポリマー、三酢酸セルロース、フルオロポリマー、環状オレフィンコポリマー、及び熱可塑性樹脂エラストマーが挙げられる。
【0022】
好適な熱硬化性樹脂には、アリル樹脂((メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、及びポリエーテルアクリレートを含む)、エポキシ、熱硬化性ポリウレタン、及びシリコーン又はポリシロキサンが挙げられる。これらの樹脂は、対応するモノマー又はオリゴマーを含む、重合性組成物の反応生成物から形成され得る。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態においては、重合性組成物は、少なくとも1つのモノマー又はオリゴマー(メタ)アクリレート、好ましくはウレタン(メタ)アクリレートを含む。典型的には、モノマー又はオリゴマーの(メタ)アクリレートは、マルチ(メタ)アクリレートである。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルを指すために使用され、「マルチ(メタ)アクリレート」は、一般に(メタ)アクリレートポリマーを指す「ポリ(メタ)アクリレート」と反対に、1つを超える(メタ)アクリレート基を含有する分子を指す。ほとんどの場合、マルチ(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレートであるが、例えばトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを採用することも意図されている。
【0024】
好適なモノマー又はオリゴマー(メタ)アクリレートとしては、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、1−プロピル(メタ)アクリレート、及びt−ブチル(メタ)アクリレート)が挙げられる。アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステルモノマー、一部が又は完全にフッ素化されているモノマー(トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなど)を挙げることができる。
【0025】
市販のマルチ(メタ)アクリレート樹脂の例としては、Mitsubishi Rayon Co.,Ltd.(東京、日本)のもので商品名「DIABEAM」、Nagase & Company(New York,NY)のもので商品名「DINACOL」、Shin−Nakamura Chemical Co.,Ltd.(和歌山、日本)のもので商品名「NK ESTER」、Dainippon Ink & Chemicals,Inc(東京、日本)のもので商品名「UNIDIC」、Toagosei Co.,Ltd.(東京、日本)のもので商品名「ARONIX」、NOF Corp.(White Plains,NY)のもので商品名「BLENMER」のもの、Nippon Kayaku Co.,Ltd.(東京、日本)のもので商品名「KAYARAD」、並びにKyoeisha Chemical Co.,Ltd.(大阪、日本)のもので商品名「LIGHT ESTER」及び「LIGHT ACRYLATE」が挙げられる。
【0026】
オリゴマーウレタンマルチ(メタ)アクリレートは、例えば、Sartomer(Exton,PA)から商品名「PHOTOMER 6000シリーズ」(例えば、「PHOTOMER 6010」及び「PHOTOMER 6020」)、及び「CN 900シリーズ」(例えば「CN966B85」、「CN964」及び「CN972」)で市販されている。オリゴマーウレタン(メタ)アクリレートはまた、例えば、Cytec Industries Inc.(Woodland Park,NJ)から商品名「EBECRYL 8402」、「EBECRYL 8807」及び「EBECRYL 4827」で市販されている。オリゴマーウレタン(メタ)アクリレートは、式OCN−R−NCOのアルキレン又は芳香族ジイソシアネートとポリオールとの初期反応により調製することもできる。典型的に、ポリオールは、式HO−R−OHのジオールであり、式中、Rは、C2〜C100アルキレン又はアリーレン基であり、Rは、C2〜C100アルキレン基である。その結果、この中間生成物はウレタンジオールジイソシアネートであり、これは続いて、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応し得る。好適なジイソシアネートには、2,2,4−トリメチルヘキシレンジイソシアネート及びトルエンジイソシアネートが挙げられる。アルキレンジイソシアネートが一般的に好ましい。このタイプの特に好ましい化合物は、2,2,4−トリメチルヘキシレンジイソシアネート、ポリ(カプロラクタム)ジオール、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートから調製することができる。少なくともいくつかの場合では、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい脂肪族である。
【0027】
重合性組成物は、同じ又は異なる反応性官能基を有する様々なモノマー又はオリゴマーの混合物であってよい。(メタ)アクリレート、エポキシ、及びウレタンを含む、少なくとも2つの異なる官能基を含む重合性組成物が使用され得る。異なる官能性が、異なるモノマー部分若しくはオリゴマー部分に、又は同じモノマー部分若しくはオリゴマー部分に含まれてもよい。例えば、樹脂組成物は、エポキシ基又はヒドロキシル基を側鎖に有するアクリル又はウレタン樹脂、アミノ基を有する組成物、また所望により、分子内にエポキシ基又はアミノ基を有するシラン化合物を含んでもよい。
【0028】
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化、光硬化(化学線による硬化)、又は電子ビーム硬化などの従来の方法を使用する重合性である。一実施形態では、樹脂は、それを紫外線(UV)又は可視光に曝露されることによって光重合する。従来の硬化剤又は触媒が、重合性組成物で使用されてもよく、組成物内の官能基に基づいて選択される。複数の硬化官能性が使用される場合は、複数の硬化剤又は触媒が必要となる場合がある。熱硬化、光硬化、及び電子ビーム硬化などの1つ以上の硬化技法を組み合わせることは、本開示の範囲内である。
【0029】
更に、重合性樹脂は、少なくとも1つの他のモノマー又はオリゴマーを含む組成物であってもよい(即ち、上記のもの以外、即ちモノマー(メタ)アクリレート又はオリゴマー(メタ)アクリレート及びオリゴマーウレタン(メタ)アクリレート)。この、他のモノマーは、粘度を低減させ、及び/又はサーモメカニカル特性を向上させ、及び/又は屈折率を増加させることができる。これらの特性を有するモノマーには、アクリルモノマー(即ちアクリレート及びメタクリレートエステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミド)、スチレンモノマー、並びにエチレン性不飽和窒素複素環が挙げられる。
【0030】
他の官能性を有する(メタ)アクリレートエステルも有用である。この種の代表的な化合物には、2−(N−ブチルカルバミル)エチル(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノキシルエチルアクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルチオアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、アルコキシル化フェニルアクリレート、イソボルニルアクリレート及びフェノキシエチルアクリレートが挙げられる。テトラブロモビスフェノールAジエポキシドと(メタ)アクリル酸との反応生成物も有用である。
【0031】
他の代表的なモノマーには、ポリオールマルチ(メタ)アクリレートが挙げられる。そのような化合物は、典型的に、2〜10個の炭素原子を含有する脂肪族ジオール、トリオール、及び/又はテトラオールから調製される。好適なポリ(メタ)アクリレートの例は、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリアクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート)、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、対応するメタクリレート、及び該ポリオールのアルコキシル化(通常はエトキシル化)誘導体の(メタ)アクリレートである。少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、架橋剤としての働きをすることができる。
【0032】
他のモノマーとして使用に適したスチレン化合物には、スチレン、ジクロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、4−メチルスチレン及び4−フェノキシスチレンが挙げられる。エチレン性不飽和窒素複素環(N−ビニルピロリドン及びビニルピリジンなど)も有用である。
【0033】
放射線硬化性材料中の構成成分の比率は様々であり得る。一般に、有機成分は、約30〜100%のモノマー若しくはオリゴマー(メタ)アクリレート、又はオリゴマーウレタンマルチ(メタ)アクリレートを含んで、任意の残部は他のモノマー及び/又はオリゴマーであることができる。
【0034】
表面平滑剤がマトリックスに添加されてもよい。平滑剤は、マトリックス樹脂の平滑化に使用されるのが好ましい。例には、シリコーン平滑剤、アクリル系平滑剤、及びフッ素含有平滑剤が挙げられる。一実施形態では、シリコーン平滑剤は、ポリオキシアルキレン基が加えられるポリジメチルシロキサン主鎖を含む。
【0035】
任意に、いくつかの実施形態においては、高分子マトリックスは、金属酸化物(例えば、SiO、ZrO、TiO、ZnO、ケイ酸マグネシウム、インジウムスズ酸化物、及びアンチモンスズ酸化物)等の50nm未満の大きさの粒子を含んでもよい。金属酸化物の添加は、高分子マトリックスの機械的耐久性(例えば耐摩擦性)を高めることが観察されている。
【0036】
高分子マトリックスは、官能性高分子材料、例えば耐候性高分子材料、疎水性高分子材料、親水性高分子材料、帯電防止高分子材料、防汚性高分子材料、電磁遮蔽用導電性高分子材料、抗菌性高分子材料、又は耐摩耗性高分子材料から作製され得る。対候性高分子材料の例としては、フッ化ビニリデンポリマーに基づく架橋性アクリル変性フルオロポリマー(例えば、米国特許出願公開第US6680357B2号(Hedhliら)を参照のこと)、架橋性フルオロポリマー(例えば、米国特許出願公開第US20100093878A1号(Yangら)を参照のこと)、及び、例えば、Asahi Glass Co.(東京、日本)から商品名「LUMIFLON」で入手可能な架橋性フルオロポリマーが挙げられる。官能性親水性又は帯電防止高分子マトリックスは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、異なるPEG分子量を有するポリ(エチレングリコール)アクリレート(PEGA)、及びその他の親水性アクリレート(例えば、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルアクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルアクリレート)等の親水性アクリレートを含む。他の官能性高分子マトリックスとしては、ポリ(アクリレンエチレン)及びその誘導体等の半導電性共役ポリマー、刺激応答性ポリマー、並びに超分子メタロポリマーが挙げられる。
【0037】
任意に、官能性高分子マトリックスは、耐摩耗性、抗菌性、防汚性、又はEMI機能性を提供するためにナノ充填剤を含んでもよい。
【0038】
マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子は、1マイクロメートル未満の最大寸法を有する。サブマイクロメートル粒子としては、ナノ粒子(例えば、ナノスフェア及びナノキューブ)が挙げられる。サブマイクロメートル粒子は、会合されるか、非会合されるか、又はこれらの両方であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子は、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm、300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲である。ナノ粒子は、約75nm〜約500nmの範囲の平均直径を有する。用語「ナノ粒子」は、約500nm未満の直径を有するコロイド(一次粒子又は会合粒子)を意味することが本明細書において更に定義され得る。本明細書で使用するとき、用語「会合粒子」は、凝集及び/又は粒塊した2つ以上の一次粒子の群を指す。本明細書において使用するとき、用語「凝集した」とは、互いに化学的に結合し得る一次粒子間の強い会合を表す。凝集体のより小さい粒子への分解は、達成が困難である。用語「粒塊した」とは、本明細書において使用するとき、電荷又は極性によってともに保持され得、より小さい要素へと分解し得る、一次粒子の弱い会合を表す。用語「一次粒径」は、本明細書において、会合していない単一の粒子の大きさとして定義される。ナノスケールの分散相の寸法、即ち大きさは、電子顕微鏡(例えば透過電子顕微鏡(TEM))によって測定され得る。
【0040】
サブマイクロメートル(ナノサイズを含む)の粒子は、炭素、金属、金属酸化物(例えばSiO、ZrO、TiO、ZnO、ケイ酸マグネシウム、インジウムスズ酸化物、及びアンチモンスズ酸化物)、炭化物(例えば、SiC及びWC)、窒化物、ホウ化物、ハロゲン化物、フッ化炭素固体(例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン))、カーボネート(例えば、炭酸カルシウム)、及びそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態において、サブマイクロメートル粒子は、SiO粒子、ZrO粒子、TiO粒子、ZnO粒子、Al粒子、炭酸カルシウム粒子、ケイ酸マグネシウム粒子、インジウムスズ酸化物粒子、アンチモンスズ酸化物粒子、ポリ(テトラフルオロエチレン)粒子、又は炭素粒子のうちの少なくとも1つを含む。金属酸化物粒子は、完全に凝結し得る。金属酸化物粒子は結晶質であり得る。
【0041】
典型的には、粒子は、約10重量%〜約85重量%の範囲(いくつかの実施形態においては、約30重量%〜約80重量%、又は更には約40重量%〜約70重量%)の量でマトリックス中に存在するが、これらの範囲外の量も有用であり得る。
【0042】
いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子は、二峰性分布を有する。
【0043】
例示的なシリカは、例えば、Nalco Chemical Co.(Naperville,IL)から、製品2329、2329K、及び2329 PLUS等、商品名「NALCO COLLOIDAL SILICA」で市販されている。代表的なヒュームドシリカとしては、例えばEvonik Degusa Co.(Parsippany,NJ)から商品名「AEROSILシリーズOX−50」、並びに製品番号−130、−150、及び−200などで市販されているもの、並びにCabot Corp.(Tuscola,IL.)から商品名「CAB−O−SPERSE 2095」、「CAB−O−SPERSE A105」、及び「CAB−O−SIL M5」などで市販されているものが挙げられるその他の例示的なコロイドシリカは、例えば、Nissan Chemicalsから、商品名「MP1040」、「MP2040」、「MP3040」、及び「MP4040」で入手可能である。
【0044】
いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子は、表面改質される。好ましくは、表面処理は、粒子が重合性樹脂中に良好に分散され、実質的に均質な組成物をもたらすように、サブマイクロメートル粒子を安定化させる。サブマイクロメートル粒子は、安定化された粒子が硬化中に重合性樹脂と共重合又は反応できるように、表面処理剤を用いてその表面の少なくとも一部分で改質され得る。
【0045】
いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子は、表面処理剤で処理される。一般に、表面処理剤は、粒子表面に結合する(共有的に、イオン的に、又は強力な物理吸着を介して)第1の末端部、並びに粒子に樹脂との相溶性を与え、かつ/又は硬化中に樹脂と反応する、第2の末端部を有する。表面処理剤の例としては、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン、及びチタネートが挙げられる。好ましいタイプの処理剤は、金属酸化物の表面の化学的性質によりある程度決定される。シリカに対してはシランが好ましく、ケイ質充填剤に対しては他のものが好ましい。ジルコニアのような金属酸化物に対しては、シラン及びカルボン酸が好ましい。表面改質は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。シランの場合、樹脂へ組み込む前にシランを粒子又はナノ粒子の表面と反応させるのが好ましい。表面改質剤の必要量は、粒径、粒子タイプ、改質剤の分子量、及び改質剤のタイプなど、いくつかの要素に依存する。
【0046】
表面処理剤の代表的な実施形態としては、化合物、例えばイソオクチルトリ−メトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシ−エトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの例示的なシラン表面改質剤は、例えば、OSI Specialties(Crompton South Charleston,WV)から商品名「SILQUEST A1230」で市販されている。シラノール基を含む単官能性シランカップリング剤に関しては、シラン剤は反応し、ナノ粒子表面上でヒドロキシル基との共有結合を形成することができる。シラノール基及びその他の官能基(例えば、アクリレート、エポキシ及び/又はビニル)を含む二官能性又は複官能性シランカップリング剤については、シラン剤は反応し、高分子マトリックス中のナノ粒子及び官能基(例えば、アクリレート、エポキシ、及び/又はビニル)の表面上でヒドロキシル基との共有結合を形成することができる。
【0047】
コロイド状分散系の粒子の表面改質は、様々な方法で達成され得る。そのプロセスは、無機分散系と表面改質剤との混合物を伴う。場合により、1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリジノンのような共溶媒をこの時点で添加できる。共溶媒は、表面改質剤並びに表面改質された粒子の溶解度を向上できる。無機ゾル及び表面改質剤を含む混合物は、その後、室温又は高温で、混合あり又はなしで、反応される。一方法では、混合物は約85℃で約24時間反応されて、表面改質されたゾルとなることができる。別の方法では、金属酸化物が表面改質されているところでは、金属酸化物の表面処理は、好ましくは、粒子表面への酸性分子の吸着を伴う場合がある。重金属酸化物の表面改質は、好ましくは、室温で行われる。
【0048】
シランとのZrOの表面改質は、酸性条件下又は塩基性条件下で達成され得る。一実施例では、シランは、酸性条件下にて適した時間加熱される。そのとき、分散物は、アンモニア水(又は他の塩基)と組み合わせられる。この方法は、ZrO表面からの酸対イオンの除去、及びシランとの反応を可能にする。別の方法では、粒子は、分散物から析出され、液相から分離される。
【0049】
表面改質剤の組み合わせが有用であり得、例えば、薬剤のうちの少なくとも1つは、架橋性樹脂と共重合可能な官能基を有する。例えば、重合基は、エチレン性不飽和基であるか、又は開環重合を受ける環状基であり得る。エチレン性不飽和重合基は、例えばアクリレート基若しくはメタクリレート基、又はビニル基であり得る。開環重合を受ける環式官能基は、一般的に、酸素、イオウ、又は、窒素などのヘテロ原子、及び好ましくは酸素を含有する3員環(エポキシドなど)を含む。
【0050】
代表的な基材には、高分子基材、ガラス基材又は窓、及び機能デバイス(例えば有機発光ダイオード(OLED)、ディスプレイ、及び光起電性デバイス)が挙げられる。典型的には、基材は、約12.7マイクロメートル(0.0005インチ)〜約762マイクロメートル(0.03インチ)の範囲の厚さを有するが、他の厚さもまた有用であり得る。
【0051】
基材用の代表的な高分子材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレンナフタレート、スチレンアクリロニトリル、シリコーン−ポリオキサミドポリマー、フルオロポリマー、三酢酸セルロース、環状オレフィンコポリマー、及び熱可塑性エラストマーが挙げられる。半結晶性ポリマー(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)は、良好な機械的強度及び寸法安定性を必要とする用途に特に望ましい場合がある。他の光学フィルム用途には、低複屈折高分子基材、例えば三酢酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、及び環状オレフィンコポリマーは、配向によって誘発される偏光、又は、他の光学構成要素(偏光子、電磁妨害、若しくは光学ディスプレイデバイスにおける導電性タッチ機能層など)との二色性干渉を最小限に抑える又は回避するのに特に望ましい場合がある。
【0052】
高分子基材は、例えば、溶融押出注型成形、溶融押出成形カレンダー工法、二軸延伸を伴う溶融押出成形、吹込みフィルム加工、及び任意に二軸延伸を伴う溶媒注型成形によって形成され得る。一部の実施形態では、基材は、低いヘイズ(例えば1%未満)及び低複屈折(例えば、光遅延値が50nm未満)の非常に透明(例えば、可視スペクトルにおいて少なくとも90%の透過率)である。一部の実施形態では、基材は微細構造化表面又は充填剤を有して、曇っている、即ち拡散性外観をもたらす。
【0053】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の材料は、2(いくつかの実施形態においては、1、0.75、0.5、若しくは更には0.25未満、又は更にはゼロ)パーセント未満の耐久性試験からの反射における変化を有する。
【0054】
主表面から突出したサブマイクロメートル粒子のパーセントは、走査電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、本明細書に記載の物品の断面の検視によって判定され得る。主表面から突出したサブマイクロメートル粒子のパーセントは、それぞれの粒子が高分子マトリックスから突出する部分からの特定されたパーセントである。
【0055】
所望により、基材は偏光子(反射性偏光子又は吸収性偏光子など)である。様々な偏光子フィルムは、例えば全複屈折光学層、部分複屈折光学層又は全等方光学層の何らかの組み合わせから構成される多層光学フィルムなど、基材として使用され得る。多層光学フィルムは、10以下の層、数百、又は更には数千の層を有することができる。代表的な多層偏光子フィルムとしては、ディスプレイパネルにおいて輝度を向上させる及び/又はグレアを低減させるために、液晶ディスプレイデバイスなどの広範な用途において使用されるものが挙げられる。偏光子フィルムは、サングラスに用いることで光強度及びグレアを低減するタイプであってもよい。偏光子フィルムは、偏光子フィルム、反射性偏光子フィルム、吸収性偏光子フィルム、拡散体フィルム、輝度向上フィルム、回転フィルム、ミラーフィルム又はこれらの組み合わせを含み得る。例示的な反射性偏光子フィルムとしては、米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)、同第5,867,316号(Carlsonら)、同第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,352,761 B1号(Hebrinkら)、同第6,368,699 B1号(Gilbertら)、及び同第6,927,900 B2号(Liuら)、米国特許出願公開第2006/0084780 A1号(Hebrinkら)、及び同第2001/0013668 A1号(Neavinら)、並びにPCT特許公開第WO95/17303号(Ouderkirkら)、同第WO95/17691号(Ouderkirkら)、同第WO95/17692号(Ouderkirkら)、同第WO95/17699号(Ouderkirkら)、同第WO96/19347号(Jonzaら)、同第WO97/01440号(Gilbertら)、同第WO99/36248号(Neavinら)、及び同第WO99/36262号(Hebrinkら)に報告されるものが挙げられ、それらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。例示的な反射偏光子フィルムとしては、3M Company(St.Paul,MN)から、商品名「VIKUITI DUAL BRIGHTNESS ENHANCED FILM(DBEF)」、「VIKUITI BRIGHTNESS ENHANCED FILM(BEF)」、「VIKUITI DIFFUSE REFLECTIVE POLARIZER FILM(DRPF)」、「VIKUITI ENHANCED SPECULAR REFLECTOR(ESR)」、及び「ADVANCED POLARIZER FILM(APF)」で市販されているものも挙げられる。代表的な吸収性偏光子フィルムは、例えば、Sanritz Corp.(東京、日本)から商品名「LLC2−5518SF」で市販されている。
【0056】
光学フィルムは、少なくとも1つの非光学層(即ち光学フィルムの光学特性の決定に著しく関与しない層)を有してよい。この非光学層を用いて、例えば、機械特性、化学特性、又は光学特性、引裂き又は穿刺抵抗、耐候性、及び/若しくは耐溶剤性を付与する又は向上させることができる。
【0057】
代表的なガラス基材には、例えば溶融ガラスを融解金属床上に流動させることによって作製されるもののような板ガラス(ソーダ石灰ガラスなど)が挙げられる。一部の実施形態(例えば建築用途及び自動車用途)では、ガラスのエネルギー効率を向上させるために、ガラスの表面上に低放射率(低放射)コーティングを含むのが望ましい場合がある。ガラスの電子−光学特性、触媒特性、導電特性を向上させるために、一部の実施形態では他のコーティングも望ましい場合がある。
【0058】
高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む本明細書に記載の物品を有する本明細書に記載の材料は、反射防止特性、光吸収特性、防曇特性、改善された粘着力、及び耐久性等の少なくとも1つの望ましい特性を呈し得る。
【0059】
例えば、いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル構造化表面の表面反射率は、非処理表面の表面反射率の約50%以下である。表面特性の比較に関して本明細書で使用されるとき、用語「非処理表面」は、(比較されるサブミクロン構造化表面と)同じマトリックス材料及び同じサブマイクロメートル分散相を含む物品の表面を意味するが、サブミクロン構造化表面は含まない。
【0060】
いくつかの実施形態は、例えば、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料の表面に取り付けられたインク、封止材、接着剤、若しくは金属を含む層又はコーティングを更に含む。層又はコーティングは、未処理表面よりもその表面への強化された接着力を有し得る。インク又は封止材のコーティングを、溶媒、静電沈着、及び粉末印刷プロセスによって基材上に適用し、紫外線又は熱処理によって硬化させることができる。例えば、溶媒及びホットメルトコーティングプロセスによって、感圧接着剤又は構造用接着剤を基材上に適用することができる。プラスチックの金属化に関して、表面は通常、酸化によって前処理され、無電解銅又は無電解ニッケルをコーティングした後、銀、アルミ二ウム、金又はプラチナで更にめっきする。真空金属蒸着に関しては、このプロセスは通常、真空チャンバ内でコーティング金属をその沸点まで加熱し(抵抗加熱、電子ビーム加熱、又はプラズマ加熱など)、凝縮物が基材の表面上に金属を堆積させることを伴う。
【0061】
本明細書に記載の物品について、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料の第1の層及び任意選択の第2の層は、独立して、少なくとも500nm(いくつかの実施形態においては、少なくとも1マイクロメートル、1.5マイクロメートル、2マイクロメートル、2.5マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル、5マイクロメートル、7.5マイクロメートル、又は更には少なくとも10マイクロメートル)の厚さを有する。
【0062】
マトリックス及びサブマイクロメートル粒子分散相を含むコーティングは、当技術分野で既知の方法を用いて、基材上にコーティングされ、硬化され得る(例えば、ドラム上での注型成形、ダイコーティング、フローコーティング、又はディップコーティングによってUV硬化される)。コーティングは、0.5マイクロメートルまでの任意の望ましい厚さで調製することができる(一部の実施形態では、0.4マイクロメートル、0.3マイクロメートル、0.25マイクロメートル、0.2マイクロメートル、0.15マイクロメートル、0.1マイクロメートルまでの、又は更には0.075マイクロメートルまでの厚さ)。更に、コーティングは、紫外線、電子ビーム、又は熱によって硬化されてもよい。プラズマを用いてマトリックス及びサブマイクロメートル粒子分散相の少なくとも一部をエッチングすることにより、サブマイクロメートル構造化表面を形成することができる。本方法は、適度の真空条件(例えば、約5mTorr(0.67Pa)〜約1000mTorr(133.3Pa)の範囲)又は大気圧環境で実行され得る。
【0063】
典型的な真空プラズマシステムは、2つの平行電極、「通電電極」(又は「サンプルキャリア電極」)、及びイオンが向かうように加速させる電界を生成する対電極を有する真空チャンバからなる。通電電極は、チャンバの底部分に位置し、チャンバの残りの部分から電気的に絶縁される。サブマイクロメートル構造化される物品又はサンプルは、通電電極上に設置される。プラズマガス種は、例えばチャンバの頂部にある小さな入口を介してチャンバに加えることができ、チャンバの底部にある真空ポンプシステムに出ることができる。プラズマは、RF電磁場を通電電極に印加することによりシステム内に形成される。電磁場は典型的に、13.56MHz発振器を使用して作られるが、他のRF源及び周波数範囲が使用されてもよい。ガス分子が活性化され、プラズマ中でイオン化され、通電電極に向かって加速されて、サンプルをエッチングすることができる。大きな電圧差は、イオンを通電電極の方に向かわせ、ここでイオンはエッチングされるサンプルと衝突する。好ましくは、エッチングは、75nm〜175nmの深さまでである。
【0064】
プロセス圧力は、典型的には5〜1000mTorr(0.67〜133.3Pa)で維持されるが、約1mTorr(0.13Pa)を超えて維持される。この圧力範囲は、費用効率のよい様式で、サブミクロン構造体の生成にとって大きな助けとなる。
【0065】
エッチングプロセスのRF電力の電力密度は、好ましくは、約0.1ワット/cm〜約1ワット/cm(いくつかの実施形態においては、約0.2ワット/cm〜約0.3ワット/cm)の範囲である。
【0066】
使用されるガスの種類及び量は、エッチングされるマトリックス材料によって決まる。反応性ガス種は、サブマイクロメートル粒子分散相ではなく、マトリックス材料を選択的にエッチングする必要がある。炭化水素のエッチング速度を向上させるために、又は非炭化水素材料のエッチングのために、追加のガスが使用されてもよい。SiO、炭化タングステン、窒化ケイ素、及びアモルファスシリコンなどの材料をエッチングするために、例えばフッ素含有ガス(パーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄、及び三フッ化窒素など)が酸素に添加されるか、あるいはそれら自体によって導入されてもよい。材料、例えばアルミニウム、イオウ、炭化ホウ素、及びII−VI族の半導体(カドミウム、マグネシウム、亜鉛、イオウ、セレン、テルリウム、及びこれらの組み合わせ)、及びIII−V族の半導体(アルミニウム、ガリウム、インジウム、ヒ素、リン、窒素、アンチモン、又はこれらの組み合わせ)をエッチングする際に、塩素含有ガスが同様に添加されてもよい。材料(ガリウムヒ素、ガリウム、及びインジウムなと)をエッチングする際に、炭化水素ガス(メタンなど)が使用されてもよい。不活性ガス、具体的にはアルゴン等の重ガスが添加されて、エッチングプロセスを強化してもよい。
【0067】
本明細書に記載のサブマイクロメートル構造化表面を作製する方法は、連続的なロールツーロールプロセスを用いて実行されてもよい。例えば、本方法は、「円筒形」プラズマエッチング(PE)を用いて実行され得る。円筒形プラズマエッチング(PE)は、円筒形電極を回転させることを利用して、物品表面上にエッチングされたサブマイクロメートル構造体を提供する。
【0068】
一般に、本明細書に記載のサブミクロン構造化物品を作製するための円筒形PEは、以下のように説明され得る。回転可能な円筒型電極(「ドラム電極」)は、高周波(RF)によって通電され、接地した対電極は減圧容器の内部に提供される。対電極は、減圧容器自体を構成してもよい。エッチング液を含むガスは、減圧容器内に供給され、プラズマが着火され、ドラム電極と接地した対電極との間に維持される。この条件は、十分なイオン衝突がドラムの周囲に垂直に向けられるように選択される。次いで、サブミクロン粒子分散相を含有するマトリックスを含む連続性物品は、ドラムの周囲に巻き付けられることができ、マトリックスは、物品の面に垂直な方向にエッチングされることができる。マトリックスは、物品上のコーティングの形態であってよい(例えばフィルム若しくはウェブ上などのコーティングであってもよく、又はマトリックスが物品自体であってもよい)。物品の曝露時間は、結果として得られる構造体の所定のエッチング深さを得るように制御され得る。このプロセスは、約5〜1000mTorr(0.67〜133.3Pa)の動作圧力で実行することができる。
【0069】
図1及び2は、本明細書に記載の構造化物品を作製する例示的な方法に有用な円筒型PE装置を図示する。プラズマ生成及びイオン加速のための一般的な要素は、概して10として示されている。このPE装置10は、支持構造体12と、1つ以上のドア18の前側パネル16を含むハウジング14と、1つ以上の区画に分割された内側チャンバ24をその中に画定する側壁20及び後側プレート22と、回転可能にチャンバ内に取り付けられたドラム26と、回転可能にチャンバ内に取り付けられ、全体として28として参照される複数のスプール機構と、ドラム26を回転可能に駆動させるための駆動アセンブリ37と、回転可能にチャンバ内に取り付けられたアイドラーローラー32と、チャンバに流体接続された真空ポンプ34と、を含む。
【0070】
支持構造体12は、ハウジング14を望ましい構成、この場合では垂直に直立した方式で、支持するための、当該技術分野において既知の任意の手段である。図1及び図2で示されるように、ハウジング14は、以下でより詳細に記載されるように2部のハウジングであってよい。本実施形態では、支持構造体12は、装置10を支持するために2部のハウジングの各側に取り付けられるクロス支持体40を含む。特に、クロス支持体40は、それぞれ装置10を移動させ支持するためのホイール42及び調整可能な脚部44の両方を含む。図1及び2に示される実施形態では、クロス支持体40は、アタッチメント支持体46を介して、ハウジング14の各側に取り付けられる。特に、クロス支持体40は、側壁20の1つに、即ち底部の側壁に、アタッチメント支持体46を介して接続され、一方でハウジング14の他方の側上のクロス支持体40は、アタッチメント支持体46によって後側プレート22に接続される。更なるクロスバー47が、図1に示されるように装置10の右側のクロス支持体40間に供給される。これは、更なる構造的強化をもたらすことができる。
【0071】
ハウジング14は、排気、排気後に導入されたガスの封じ込め、ガスからのプラズマ生成、イオン加速、及びエッチングすることができる、制御された環境を提供する任意の手段であり得る。図1及び図2に示す実施形態では、ハウジング14は、前側パネル16、4つの側壁20、及び後側プレート22を含む外壁を有する。外壁は、チャンバ24と示されている、内部が中空の箱を画定する。側壁20及び後側プレート22は、当該技術分野において既知の任意の方法で一緒に締結されて、側壁20及び後側プレート22を、チャンバ24の排気、プラズマ生成のための流体の封じ込め、プラズマ生成、イオン加速、及びエッチングを可能にするのに十分な方法で、互いに堅く固定する。前側パネル16は、基材材料の搭載及び除荷のため及びメンテナンス実施のためのチャンバ24へのアクセスを提供するように、固定されていない。前側パネル16は、ヒンジ50(又は同等な接続手段)を介して、側壁20のうちの1つに接続される2つのプレートに分離されて、一対のドア18を画定する。これらのドアは、好ましくは真空封止の使用(例えばOリング)によって側壁20の縁部に封止する。ロック機構52は選択的にドア18を側壁20に固定し、チャンバ24の排気、プラズマ生成のための流体の保管、プラズマ生成、イオン加速、及びエッチングを可能にする方法で、ドア18を側壁20に固定することができる任意の機構であってよい。
【0072】
一実施形態では、チャンバ24は、分離壁54によって2つの区画56及び58に分離される。壁54内の通路又は穴60は、区画間の流体又は基材の通路を提供する。あるいは、チャンバは、1つの区画のみ、又は3つ以上の区画であってもよい。チャンバは、1つの区画のみであることが好ましい。
【0073】
ハウジング14は、密閉可能にポート62を被覆してその中で発生しているエッチングプロセスを観察することができる、高圧の透明なポリマープレート64を備える、複数の観察ポート62を含む。ハウジング14はまた、内部で様々なセンサー(例えば、温度、圧力等)が固定され得る、複数のセンサーポート66を含む。ハウジング14は、必要に応じて流体がチャンバ24内に導入され得る導管接続を提供する入口ポート68を更に含む。ハウジング14はまた、ガス及び液体を送り出すか、ないしは別の方法でチャンバ24から排出することを可能にする、ポンプポート70及び72を含む。
【0074】
ポンプ34は、側壁20のうちの1つから、好ましくは底部(図2に示すように)から吊り下がっているのが示されている。ポンプ34は、ハウジング14内の制御された環境に流動的に接続される、例えばターボ分子ポンプであってよい。下方の区画58を排気し、その中の圧力を維持するために、他のポンプ、例えば拡散ポンプ又は極低温真空ポンプが使用されてもよい。摺動バルブ73は、この流体接続部に沿って配置され、ポンプ34とハウジング14の内部との間の流体連通を選択的に横断するか、又は遮断することができる。摺動バルブ73は、ポンプポート62が十分に開いて、部分的に開いて、又はポンプ34との流体連通に対して閉じているように、ポンプポート62の上を移動可能である。
【0075】
ドラム26は、好ましくは、環状表面82及び2つの平坦な端面84を備える円筒型電極80である。電極は、任意の導電性材料で作製されてよく、金属であるのが好ましい(例えばアルミニウム、銅、スチール、ステンレス鋼、銀、クロム、又はこれらの合金)。好ましくは、製造の容易さ、低スパッタ収率、及び低コストから、電極はアルミニウムである。
【0076】
ドラム26は、電界が外側に浸透できるようにするコーティングされていない導電性領域、並びに電界の浸透を防ぐための非導電性の絶縁領域を含むよう、したがって電極の非絶縁性若しくは導電性部分へのフィルムコーティングを制限するように更に構成されてもよい。非導電性材料は典型的に、絶縁体、例えばポリマー(ポリテトラフルオロエチレンなど)である。導電性領域として小さなチャンネルのみ(典型的にはコーティングされるべき透明な導電性酸化物基材の幅)を提供するように、この非導電性であるという目的を満たす様々な実施形態は、当業者であれば想定し得る。
【0077】
図1は、ドラム26の一実施形態を示し、ドラム26の環状表面82及び端面84は、非導電性又は絶縁性材料でコーティングされているが、環状表面82内の環状チャネル90は、コーティングされないままであることによって導電性である。更に、暗部シールド86及び88の対は環状表面82上の絶縁材料を被覆し、一部の実施形態では端面84を被覆する。絶縁性材料は、プラズマ生成及び負バイアスが発生し得る電極の表面積を限定する。しかしながら、絶縁性材料は、イオン衝撃によって汚染されることがあるため、暗部シールド86及び88は、絶縁材料の一部分又は全てを被覆してもよい。これらの暗部シールドは、金属(アルミニウムなど)から作製されてもよいが、これらは絶縁材料によって電極から分離されている(図示せず)ので、導電剤として作用しない。これは、プラズマを電極領域に封じ込める。
【0078】
ドラム26の別の実施形態は、図3及び図4に示されており、ここではドラム26は、ドラム26の環状表面82に取り付けられた一対の絶縁性リング85及び87を含む。一部の実施形態では、絶縁性リング87は、端面84を被覆するようにも作用するキャップである。ボルト92は、平坦なプレート又はストラップとして具体化された支持手段94を後側プレート22に固定する。ボルト92及び支持体94は、ドラム26の様々な部分を支持するのを補助することができる。一対の絶縁性リング85及び87は、環状表面82に取り付けられると、チャネル90として具体化された、露出した電極部分を画定する。
【0079】
電極80は、透明の導電性酸化物基材が電極と接触する箇所(即ち、電極のプラズマ暗部限界に接触する、又は電極のプラズマ暗部限界内(例えば、約3mm))を除き、全ての領域において絶縁性材料によって、何らかの方法で被覆される。この被覆により、透明の導電性酸化物基材と密接させることができる電極の露出部分が画定される。電極の残部は、絶縁性材料によって被覆される。電極が通電され、得られるプラズマに対して負にバイアスされたとき、この比較的厚い絶縁性材料は、それが被覆する表面上のエッチングを防ぐ。結果として、エッチングは、被覆されていない領域(即ち、絶縁性材料で被覆されていない領域、チャンネル90)に限定され、被覆されていない領域は、好ましくは、比較的薄い透明な導電性酸化物基材によって被覆されている。
【0080】
図1及び図2を参照すると、ドラム26は、磁性流体フィードスルー、及び後側プレート22の穴の中に固定される回転継手38(又は同等の機構)を介して、後側プレート22に回転可能に取り付けられる。磁性流体フィードスルー及び回転継手は、真空封止を保持しながら、標準的な冷却材流体導管及び電線から、回転中の回転可能ドラム26の中空の冷却材経路及び導電性電極それぞれへ、別個の流体及び電気的接続を提供する。回転継手はまた、必要な力を供給してドラムを回転させ、この力は、ブラシレスDCサーボモーターなど、任意の駆動手段から供給される。しかしながら、後側プレート22並びに導管及びワイヤへのドラム26の接続は、そのような接続を供給することができ、かつ磁性流体フィードスルー及び回転継手に制限されないような任意の手段によって実施されてもよい。そのような磁性流体フィードスルー及び回転継手の一例は、Ferrofluidics Co.(Nashua,N.H.)製の内径2インチ(約5cm)の中空のシャフトフィードスルーである。
【0081】
ドラム26は、駆動アセンブリ37によって回転可能に駆動され、これは回転運動をドラム26に転換できる任意の機械的又は電気的システムであってよい。図2に示される実施形態では、駆動アセンブリ37は、ドラム26に堅く接続されている従動プーリー39に機械的に接続されている駆動プーリー31で終端する駆動シャフトを備える、モーター33を含む。ベルト35(又は同等の構造体)は、駆動プーリー31からの回転運動を従動プーリー39に転換する。
【0082】
複数のスプール機構28が、後側プレート22に回転可能に取り付けられている。複数のスプール機構28は、一対の基材スプール28A及び28Bを備える基材スプール機構を含み、一部の実施形態では、一対のスペーシングウェブスプール28C及び28Dを備えるスペーシングウェブスプール機構と、一対のマスキングウェブスプール28E及び28Fを備えるマスキングウェブスプール機構とを含んでもよく、ここではそれぞれの対は、1つの供給及び1つの巻取りスプールを含む。図2で明らかなように、少なくとも各巻取りスプール28B、28D及び28Fは、エッチング中に必要に応じてスプールを選択的に回転させる回転力を供給するために、これに機械的に接続された駆動機構27(例えば以下に記載の標準モーター)を含む。更に、選択された実施形態における各供給スプール28A、28C、及び28Eは、ウェブ又は駆動機構29に緊張をもたらすためのテンショナーを含む。
【0083】
各スプール機構は、供給及び巻取りスプールを含み、これらは、互いに同一又は異なる区画内にあってもよく、これは同様に電極があるのと同じ区画であってもよく、あるいはそうでなくてもよい。各スプールは、各端部から半径方向に延びて溝を画定する、軸方向のロッド及びリムを備える標準的な構造体であり、そこでは、細長い部材(この場合では基材又はウェブ)が巻かれるか又は巻き付けられている。各スプールは、後側プレート22を通って密封するように延びる回転可能なステムに確保可能に固定される。駆動されるスプールの場合、ステムはモーター27(例えば、ブラシレスDCサーボモーター)に機械的に接続される。非駆動スプールの場合は、スプールは、回転可能な方式で駆動機構29を介して後側プレート22に単に連結され、また、ゆるみを防ぐために伸張機構を含んでもよい。
【0084】
RIE装置10は更に、チャンバ内に回転可能に取り付けられるアイドラーローラー32と、このチャンバに流体接続するポンプ34と、を含む。アイドラーローラーは、ドラム26上で基材スプール28Aからチャネル90に、チャネル90から巻取り基材スプール28Bに、基材を案内する。更に、スペーシングウェブ及びマスキングウェブが使用される場合、アイドラーローラー32は、これらのウェブ及び基材を、基材スプール28A及びマスキングウェブスプール28Eからチャネル90に、並びにチャネル90から巻取り基材スプール28B及び巻取りマスキングウェブスプール28Fにそれぞれ案内する。
【0085】
真空PE装置10は、磁性流体フィードスルー38を介して、温度制御液を電極80に供給するための温度制御システムを更に含む。温度制御システムは、装置10上に供給されてもよく、又は別の方法としては、別個のシステムから供給され、温度制御液が電極80内の経路と流体接続している限り、導管を介して、装置10に送り出されてもよい。温度制御システムは、エッチングに適切な温度の電極を供給するために必要とされる場合、電極80を加熱又は冷却してもよい。一実施形態では、温度制御システムは、冷却材(例えば、水、エチレングリコール、クロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、及び液化ガス(例えば液体窒素))を使用する冷却材システムである。
【0086】
真空プラズマ装置10は、排出ポート(複数可)70に流体接続された排出ポンプも含む。このポンプは、チャンバの排気できる任意の真空ポンプ、例えばルーツ式送風機、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプ、又は低温ポンプであってよい。更に、このポンプは、機械式ポンプによって補助又は支援されてもよい。排気ポンプは、装置10上に供給されてもよく、あるいは別個のシステムとして供給され、チャンバに流体接続されてもよい。
【0087】
真空プラズマ装置10は、好ましくは、薄いフィルムを作製するために使用される流体を調節するマスフローコントローラの形態の流体フィーダーも含み、この流体は、その排気後にチャンバ内に送り込まれる。フィーダーは、装置10上に供給されてもよく、あるいは別個のシステムとして供給され、チャンバに流体接続されてもよい。フィーダーは、エッチング中に、適切な容積流量又は質量流量で流体をチャンバに供給する。エッチングガスには、酸素、アルゴン、塩素、フッ素、四フッ化炭素、四塩化炭素、パーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、三フッ化窒素、六フッ化硫黄、メタン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0088】
真空プラズマ装置10は、電気端子30を介して電極80に電気的に接続される電源も含む。電源は、装置10上に供給されてもよく、あるいは別個のシステム上に供給され、電気端子(図2に示される)を介して電極に電気的に接続されてもよい。いずれの場合においても、電源は、十分な電力を供給することができる任意の発電又は送電システムである。(以下の記載を参照。)。
【0089】
様々な電源が可能であるが、RF電力が好ましい。これは、適切に構成された通電された電極上に自己バイアスを形成するには周波数は十分高いが、得られるプラズマに定在波を作るには十分高くないためである。RF電力は、高出力(幅の広いウェブ又は基材、急速なウェブ速度)に関しては測定可能である。RF電力が使用されるとき、電極上の負バイアスは、負自己バイアスであり、即ち電極上に負バイアスを誘発するのに別個の電源を使用する必要はない。RF電力が好ましいため、本考察の残りはそのタイプに焦点を当てる。
【0090】
RF電源は、電極80を、0.01〜50MHzの範囲、好ましくは13.56MHzで、又は任意のその整数倍(1、2、又は3倍など)の周波数で通電する。このRF電力は、電極80に供給されると、チャンバ内のガスからプラズマを作る。RF電源は、同軸送電線を通じて効果的にRF電力を送電するように、電力供給のインピーダンスが送電線のインピーダンス(通常は50オーム抵抗)と一致するように働くネットワークを介して電極に接続された、13.56MHz発振器などのRF発生装置であってよい。
【0091】
RF電力が電極に印加されると、プラズマが確立される。RFプラズマにおいて、通電電極は、プラズマに対して負にバイアスされた状態になる。このバイアスは一般的に、500ボルト〜1400ボルトの範囲である。このバイアスは、プラズマ内のイオンを電極80に向けて加速させる。加速するイオンは、以下により詳細に記載されるように、電極80と接触している物品をエッチングする。
【0092】
操作時に、エッチングが望まれる基材の上に全スプールが、スプール28Aとしてステムの上に挿入される。図1及び図2では、スプールは下方の区画58に位置し、エッチングは上方の区画56で起こるため、これらのスプールへのアクセスは、下方のドア18を通じて供給される。更に、エッチングが起こった後に巻取りスプールとして機能するように、空のスプールが、スプール28Bとして、スプールを保持する基材の反対側で締結される。
【0093】
スペーサーウェブが、巻き付け又は巻き出し中に基材を弛緩させるために望まれる場合、スペーサーウェブ供給及び/又は巻取りスプールが、スプール28C及び28Dとして供給されてもよい(図中に示される特定の場所内のスプールの位置は問題ではない)。同様に、エッチングが、パターンあるいは部分的な方式で望まれる場合、マスキングウェブが、スプール28Eとして入力スプール上に配置され、空のスプールが、巻取りスプール、スプール28Fとして配置される。
【0094】
基材又はウェブを備えるスプール、及びこれらを備えないスプールの全てが配置された後、上でエッチングが起こる(及び任意のマスキングウェブがそれとともに電極周囲で移動する)基材は、織られるか、あるいは巻取りスプールにシステムを介して引っ張られる。スペーサーウェブは通常、システムを介して織られていないが、代わりに、この工程の直前に基材から分離される及び/又はこの工程の直後に供給される。基材は特に、チャネル90における電極80の周辺に巻き付けられ、したがって、露出した電極部分を被覆する。基材は、十分に張って電極と接触した状態のままであり、また、ある長さの基材がエッチングのために常に電極と接触しているように、電極が回転するにつれて電極と共に移動する。これにより、基材は、ロールの一方の端部から他方へと連続プロセスにおいてエッチングされる。基材は、エッチングのために定置され適所にあり、下方のドア18は密閉される。
【0095】
チャンバ24は、全ての空気及び他の不純物を取り除くために排気される。いったんエッチング液ガス混合物が、排気されたチャンバ内に送られると、装置は、エッチングプロセスを開始する準備が整う。RF電源は、電極80にRF電界を供給するために作動される。このRF電界はガスをイオン化させ、その中でイオン及びプラズマを形成する。これは、13.56MHz発振器を使用して特別に作られるが、他のRF源及び周波数範囲が使用されてもよい。
【0096】
いったんプラズマが作られると、RF電力で電極を通電し続けることによって、負DCバイアス電圧が電極80上に作られる。このバイアスは、電極80のチャネル(非絶縁電極部分)90に向けてイオンを加速させる(電極の残部は絶縁されているか、遮蔽されているかのいずれかである)。イオンは、電極80のチャネル90と接触している基材の長さにおいてマトリックス材料を(分散相に対して)選択的にエッチングして、その長さの物品上のマトリックス材料の異方性エッチングを起こす。
【0097】
連続エッチングに関して、物品及び任意のマスキングウェブを、上方区画56を通じて、かつ電極80の上で引っ張るように、巻取りスプールが駆動され、その結果、マトリックスのエッチングは、環状チャネル90と接触している任意のマスキングされていない基材部分上で起こる。したがって、基材は上方区画を通じて連続的に引っ張られ、同時に連続的なRF場が電極上に配置され、十分な反応性ガスがチャンバ内に存在する。結果は、細長い物品上、及び実質的に物品上のみの連続的エッチングになる。エッチングは、電極の絶縁された部分上でも発生しなければ、チャンバの他の箇所でも発生しない。プラズマに供給された有効電力が、円筒型電極の末端部プレートにおいて消散するのを防ぐために、接地された暗部シールド86及び88が使用されてもよい。暗部シールド86及び88は、潜在的な汚染の低減をもたらすいかなる形状、寸法、及び材料であってもよい。図1及び2に示される実施形態では、暗部シールド86及び88は、ドラム26の上及びその上の絶縁体上でフィットする金属リングである。暗部シールド86及び88は、暗部シールド86及び88がドラム26に接触する領域においてドラム26を被覆する絶縁材料のために、偏倚しない。このリング様の実施形態における暗部シールドは、非環状方式でドラム26から離れて延びるその各端部上にタブを更に含む。これらのタブは、チャネル90内で物品を位置合わせするのに役立ち得る。
【0098】
好ましくは、温度制御システムは、プロセス全体において電極80を通じて流体を送り出して、電極を所望の温度に維持する。典型的には、これは、前述したように冷却材を用いて電極を冷却することを伴うが、一部では、加熱が望ましい場合がある。更に、基材は、電極と直接接触しているため、プラズマから基材への熱移動がこの冷却システムを介して管理されることより、温度に敏感であるフィルムのコーティング、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のコーティングを可能にする。
【0099】
エッチングプロセスの完了後、スプールは、壁にそれらを支持しているシャフトからはずされてもよい。上にサブマイクロメートル構造化物品を有する基材はスプール28B上にあり、使える状態にある。
【0100】
本明細書に記載の材料のいくつかの実施形態は、2012年2月1日に出願された米国特許出願第61/593666号に記載の方法によっても作製することができ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0101】
別の態様では、本明細書に記載の材料は、以下の実施例の手順3によって測定して2パーセント未満(いくつかの実施形態においては、1.5パーセント未満、又は更には0.5パーセント未満)の反射を有する。本明細書に記載の材料は、以下の実施例の手順3によって測定して3パーセント未満(いくつかの実施形態においては、2パーセント未満、1.5パーセント未満、又は更には1パーセント未満)のヘイズを有し得る。
【0102】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載のサブマイクロメートル構造化物品は、更なる層を備える。例えば、物品は追加のフルオロケミカル層を含んで、この物品に改善された撥水及び/又は撥油特性を付与してもよい。サブマイクロメートル構造化表面は、後処理されてもよい(例えば、更なるプラズマ処理によって)。プラズマ後処理は、サブマイクロメートル構造体上に存在し得る化学官能基を変更するために、又はサブマイクロメートル構造体の性能を向上させる薄いフィルムを堆積するように、表面改質を含んでもよい。表面改質は、メチル、フッ化物、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、シラノール、アミン、又はその他の官能基の結合を含み得る。堆積した薄いフィルムは、フルオロカーボン、ガラス様、ダイヤモンド様、酸化物、炭化物、及び窒化物を含んでもよい。エッチングされたサブマイクロメートル構造化表面の表面積が大きいため、表面改質処理が適用されると、表面官能基の密度は高くなる。アミン官能基が使用された場合、生物学的薬剤(抗体、タンパク質、及び酵素など)は、アミン官能基に容易にグラフトされ得る。シラノール官能基が使用された場合、シラノール基が高密度であるため、シラン化学反応は、サブマイクロメートル構造化表面に容易に適用され得る。シランの化学的性質に基づく抗菌、簡易洗浄、及び耐汚染表面処理は、市販されている。抗菌性処理は、シラン末端基を有する第四級アンモニウム化合物を含んでもよい。簡易洗浄性化合物としては、パーフルオロポリエーテルシラン及びヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)シランなどのフルオロカーボン処理を挙げることができる。耐汚染処理は、ポリエチレングリコールシランを含み得る。薄いフィルムが使用されるとき、これらの薄いフィルムは、更なる耐久性をサブマイクロメートル構造体に提供するか、又は薄いフィルムの屈折率に応じて固有の光学的効果を提供し得る。特定のタイプの薄いフィルムは、ダイヤモンド様カーボン(DLC)、ダイヤモンド様ガラス(DLG)、アモルファスシリコン、窒化ケイ素、プラズマ重合シリコーン油、アルミニウム、及び銅を含んでもよい。
【0103】
順に、基材、機能層、及び本明細書に記載の材料の層を含む物品について、この物品は、例えば、
第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材と、対向する第1及び第2主表面を有する機能層とを提供することであって、機能層の第1の主表面は基材の第1の主表面上に配置される、ことと、
高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
層の乾燥及び/又は硬化を行うことと、
硬化された層をエッチングして、ランダムなサブマイクロメートル構造化表面を提供することと、を含む方法によって製造され得る。
【0104】
基材に対して順に、第2の機能層及び第2のサブマイクロメートル構造化表面を更に含む複合体について、前述の方法は、例えば、基材の各主表面上に機能層(同一又は異なり得る)を有する基材を提供することと、機能層上に第2のサブマイクロメートル構造化表面を適用することとを行うことと、によって実行され得る。いくつかの実施形態においては、第2のサブマイクロメートル構造化表面は、第1のサブマイクロメートル構造化表面と同時に適用される。いくつかの実施形態においては、第2の機能層は、第1のサブマイクロメートル構造化表面が適用された後に提供される一方で、他の実施形態では、例えば、第1のサブマイクロメートル構造化表面の適用中に提供される。
【0105】
順に、基材、サブマイクロメートル構造化表面、及び機能層を含む本明細書に記載の複合体について、複合体は、例えば、
第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材を提供することと、
マトリックス材料及び第1のマトリックス材料中のサブマイクロメートルスケール分散相を含むコーティング可能な組成物を、基材の第1の主表面上にコーティングすることと、
任意に、コーティングを乾燥させて(及び任意に、乾燥させたコーティングを硬化させて)、マトリックス及びマトリックス中のサブマイクロメートルスケール分散相を含む物品を提供することと、
物品の主表面をエッチングに曝露することと、を含む方法によって製造され得、エッチングは、
減圧容器中で円筒形の電極上に物品を設置することと、
既定の圧力(例えば、5ミリトール(0.67Pa)〜1000ミリトール(133.3Pa)の範囲)でエッチング液ガスを真空容器に導入することと、
円筒形の電極と対電極との間にプラズマ(例えば酸素プラズマ)を生成することと、
円筒形の電極を回転させて、基材を移動させることと、
コーティングをエッチングして、第1のサブマイクロメートル構造化表面を提供することと、
サブマイクロメートル構造化表面上に機能層を配置することと、を含む。
【0106】
基材に対して順に、第2のサブマイクロメートル構造化表面及び第2の機能層を更に含む複合体については、前述の方法は、例えば、機能層上に第2のサブマイクロメートル構造化表面を適用することと、次いで第2のサブマイクロメートル構造化表面の主表面上に機能層(同一又は異なり得る)を配置することと、によって実行され得る。いくつかの実施形態においては、第2のサブマイクロメートル構造化表面は、第1のサブマイクロメートル構造化表面と同時に適用される。いくつかの実施形態においては、第2の機能層は、第1のサブマイクロメートル構造化表面が適用された後に提供される一方で、他の実施形態では、例えば、第1のサブマイクロメートル構造化表面の適用中に提供される。
【0107】
更なるエッチング方法は、大気圧環境下でコロナ放電手段、又は直流、低周波数若しくはマイクロ波高圧放電手段を使用することによる、酸素、空気、窒素、アルゴン、又はフレオンから形成された、イオンを含む励磁ガス、電子、及び/又は励起ガスの使用を含む。
【0108】
化学蒸着(CVD)、マグネトロンスパッタリング、蒸発、及びスプレー熱分解など、透明な導電フィルムを形成するために使用されるいくつかの堆積技術が存在する。有機発光ダイオードを作製するために、ガラス基材が広範に使用されてきた。しかしながら、ガラス基材は、特定の用途(カーナビ及びポータブルコンピュータなど)に関しては望ましくない傾向がある。ガラスは脆性であることから、柔軟性が所望される場合には望ましくない。同様に、一部の用途(例えば、巨大ディスプレイ)に関しては、ガラスは重すぎる。プラスチック基材は、ガラス基材の代替基材である。低温(25℃〜125℃)スパッタリングによるプラスチック基材上での透明な導電フィルムの成長は、例えば、Gilbertらの47th Annual Society of Vacuum Coaters Technical Conference Proceedings(1993)、T.MinamiらのThin Solid Film,Vol.270,37頁(1995)、及びJ.MaのThin Solid Films,vol.307,200頁(1997)に報告されている。他の堆積技術、パルスレーザー堆積が、例えば米国特許第6,645,843号(Kimら)に報告されており、滑らかで低電気抵抗性のインジウムスズ酸化物(ITO)コーティングがポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に形成される。導電層は、導電性元素金属、導電性金属合金、導電性金属酸化物、導電性金属窒化物、導電性金属炭化物、又は導電性金属ホウ化物、及びこれらの組み合わせを含み得る。好ましい導電性金属としては、銀、銅、アルミニウム、金、パラジウム、プラチナ、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、及び亜鉛などの元素が挙げられる。銀−金、銀−パラジウム、銀−金−パラジウム、又はお互いとの又は他の金属との混合物としてこれらの金属を含有している分散体などの、これらの金属の合金もまた、使用することができる。インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、並びにアルミニウム、ガリウム及びホウ素などのドーパントを含む又はこれらのドーパントを含まない亜鉛酸化物等の透明な導電性酸化物(TCO)、その他のTCO、及びこれらの組み合わせも、導電層として使用され得る。好ましくは、導電性金属層の物理的な厚さは、約3nm〜約50nm(いくつかの実施形態においては、約5nm〜約20nm)の範囲であり、一方透明な導電性酸化物層の物理的な厚さは、好ましくは約10nm〜約500nm(いくつかの実施形態においては、約20nm〜約300nm)の範囲である。もたらされる導電層は、典型的には、300オーム/sq未満のシート抵抗を提供し得る。(いくつかの実施形態においては、200オーム/sq未満、又は更には100オーム/sq未満である)。構造化表面に適用される機能層については、層は、反射防止機能が構造化表面と堆積層との間の境界面で、及び空気に接触する機能性コーティング層の第2の表面又は別の基材表面で生成されるように、構造化表面の表面輪郭に沿ってもよい。
【0109】
透明な導電フィルムは、例えば透明な導電ポリマーから製造することができる。導電ポリマーとしては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、PETOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸)、又はポリチオフェンの誘導体が挙げられる(例えば、SkotheimらのHandbook of Conducting Polymers(1998)を参照されたい)。理論に束縛されることを望むものではないが、これらのポリマーは、伝導を可能にする共役二重結合を有するものと考えられる。更に、理論に束縛されることを望むものではないが、ポリチオフェンは、バンド構造を操作することにより、可視光線に対して透過性のHUMO−LUMO分離が生じるよう改質されているものと考えられる。ポリマーにおいて、バンド構造は分子軌道により決定される。有効なバンドギャップは、最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)との間の距離間隔である。
【0110】
透明な導電層は、例えば中実又は中空であり得る異方性ナノスケール材料を含み得る。中実の異方性ナノスケール材料としては、ナノ繊維及びナノプレートレットが挙げられる。中空の異方性ナノスケール材料としては、ナノチューブが挙げられる。典型的には、ナノチューブは、10:1超のアスペクト比(長さ:直径)を有する(一部の実施形態では50:1超、又は更には100:1超)。ナノチューブの長さは、典型的には500nm超である(一部の実施形態では、1マイクロメートル超、又は更には10マイクロメートル超)。これらの異方性のナノスケール材料は、任意の導電材料から製造することができる。ほとんどの場合、導電材料は金属である。金属材料は、元素金属(例えば遷移金属)又は金属化合物(例えば金属酸化物)であり得る。金属材料はまた、金属合金又はバイメタル材料(2種以上の金属を含む)であってもよい。好適な材料としては、銀、金、銅、ニッケル、金めっき銀、プラチナ、及びパラジウムが挙げられる。導電材料は、非金属であってもよい(炭素又はグラファイト(炭素の同素体)など)。
【0111】
ガス(例えば水蒸気及び酸素)バリアフィルムは、典型的に、フィルム表面上に比較的薄い(例えば、約100nm〜約300nm)金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は酸化ケイ素)層を含む。ガスバリアフィルムを提供するための、フィルム上の他の例示的な層としては、セラミックス、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム、及びアルミニウムをドープした酸化亜鉛が挙げられる。ガスバリアフィルムは、単一のバリア層であっても、又は複数のバリア層からなる構成体であってもよい。バリア層は、導電機能など、複数の機能特性を含んでもよい。
【0112】
いくつかの実施形態においては、サブマイクロメートル粒子を含むマトリックスの表面は、マイクロ構造化されてもよい。例えば、V型溝のマイクロ構造化表面を有する透明な導電性酸化物コーティング基材は、サブマイクロメートル粒子を含む重合性マトリックス材料でコーティングされ、プラズマエッチングによって処理されて、V型溝のマイクロ構造化表面上にナノ構造体を形成することができる。他の実施例は、米国特許第7,378,136号(Pokornyら)に報告される多溶媒コーティング溶液の溶媒蒸発プロセスの制御から得られる微細マイクロ構造化表面、又は米国特許第7,604,381号(Hebrinkら)に報告されるマイクロ複製方法による構造化表面、又は例えば電界及び磁界によって誘発されるその他の構造化表面を含む。
【0113】
必要に応じて、本明細書に記載の物品は、基材の第2表面上に配置された光学的に透明な接着剤を更に含む。本開示において使用され得る光学的に透明な接着剤は、好ましくは、光学的に透明な接着剤のためのヘイズ及び透過率試験の実施例のセクションで、以下に記載される内容において、25マイクロメートル厚のサンプルで測定されたとき、少なくとも約90%又はそれ以上の光学透過率及び約5%未満又はそれ以下のヘイズ値を呈するものである。適した光学的に透明な接着剤は、帯電防止特性を有してもよく、腐食感受性層と適合性があってもよく、接着剤を延伸することによって基材から剥離することができてもよい。例示の光学的に透明な接着剤としては、帯電防止の光学的に透明な感圧性接着剤に関する、PCT公開第WO 2008/128073号(Everaertsら)、延伸剥離する光学的に透明な接着剤に関する、米国特許出願公開第US 2009/0229732A1号(Determanら)、インジウムスズ酸化物と適合性のある光学的に透明な接着剤に関する、米国特許出願公開第US 2009/0087629号(Everaertsら)、光学的に透過性の接着剤を有する帯電防止光学構造に関する、米国特許出願公開第US 2010/0028564号(Everaertsら)、腐食感受性の層と適合性のある接着剤に関する、米国特許出願公開第2010/0040842号(Everaertsら)、光学的に透明な延伸剥離接着テープに関する、PCT公開第WO 2009/114683号(Determanら)、及び延伸剥離接着テープに関する、PCT公開第WO 2010/078346号(Yamanakaら)に記載されるものを含む。一実施形態では、光学的に透明な接着剤は、約5マイクロメートルまでの厚さを有する。
【0114】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の物品は、マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、又はシロキサン(それらの配合物又はコポリマーを含む)のうちの少なくとも1つを含む架橋可能なマトリックス中に分散した、SiOナノ粒子又はZrOナノ粒子のうちの少なくとも1つ含む、ハードコートを更に含む。市販されている液体−樹脂系材料(通常「ハードコート」と呼ばれる)は、マトリックスとして、又はマトリックスの構成要素として使用され得る。このような材料としては、California Hardcoating Co.(San Diego,CA)から商品名「PERMANEW」で入手可能なもの、及びMomentive Performance Materials(Albany,NY)から商品名「UVHC」で入手可能なものが挙げられる。加えて、Nanoresins AG(Geesthacht Germany)から商品名「NANOCRYL」及び「NANOPOX」で入手可能なものなどの、ナノ粒子が充填された市販のマトリックスを使用することもできる。
【0115】
図5は、本明細書に開示される(サブマイクロメートル構造化反射防止)物品を使用する代表的なディスプレイ100(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))の概略断面図を示す。一実施形態において、複合体102は、透明基材と、対向する第1表面104a及び第2表面104bを有する透明導電性酸化物コーティング基材若しくは偏光子104と、を含み、サブミクロン構造化反射防止層106が第1表面104a上に配設され、光学的に透明な接着剤108が第2表面104b上に配設されている。任意に、剥離ライナー(図示されず)が、光学的に透明な接着剤を保護するために使用されてもよく、プレマスク(これも図示されず)がプロセス及び保管中に反射防止コーティングを保護するために使用されてもよい。次いで、複合体102は、サブマイクロメートル構造化反射防止層107が基材110の第1の表面上に配置された状態で透明な基材110に積層され、その結果、光学的に透明な接着剤108は基材110の第2の表面と直接接触し、次いでこれは、通常は、反射防止コーティング106と液晶モジュール112との間にエアギャップ114を有した状態で液晶モジュール112へと組み立てられる。
【0116】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の物品は、物品の表面に対してポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルム、又はポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルムの一方の側の表面の面積全体に形成された剥離可能な接着剤層を有する表面保護接着シート(ラミネートプレマスクフィルム)を、物品の表面に上述のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルムを重ねることによって更に含む。
【0117】
代表的な実施形態
1A.高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、40、30、25、20、15、10、5、若しくは1、又はゼロ未満)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、材料。
2A.前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、実施形態1Aに記載の材料。
3A.前記高分子マトリックスの少なくとも一部が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ、フッ素化エチレン−プロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリオキセタン、ヘキサフルオロプロピレン酸化物、シロキサン、オルガノシリコン、シロキシド、シリルハライド、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミン、カルボン酸、−COONa、−SO3Na、−HCONCH3、−CONEt2、アクリルアミド、アミン、エーテル、スルホン酸塩、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酸、ビニルアルコール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アセチレン、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン硫化物、又はイミダゾールのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1A又は2Aに記載の材料。
4A.前記サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかが、シラノール、及びアクリレート、エポキシ(spoxy)、又はビニル官能基のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの複官能性シランカップリング剤で官能化される、実施形態1A〜3Aのいずれか一項に記載の材料。
5A.前記サブマイクロメートル粒子が、前記材料の全体積に基づいて、10体積パーセント〜70体積パーセント(いくつかの実施形態においては、30体積パーセント〜60体積パーセント、又は更には35体積パーセント〜55体積パーセント)の範囲で存在する、実施形態1A〜4Aのいずれか一項に記載の材料。
6A.前記サブマイクロメートル粒子が、炭素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、又はダイヤモンドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1A〜5Aのいずれか一項に記載の材料。
7A.前記サブマイクロメートル粒子が、75nm〜500nmの範囲の粒径を有する、実施形態1A〜6Aのいずれか一項に記載の材料。
8A.前記サブマイクロメートル粒子が、二峰性分布を有する、実施形態1A〜7Aのいずれか一項に記載の材料。
9A.前記主表面から突出した前記サブマイクロメートル粒子の一部が、それらのそれぞれの粒径の最大50パーセント突出する、実施形態1A〜8Aのいずれか一項に記載の材料。
10A.前記主表面から突出した前記サブマイクロメートル粒子の一部が、60nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜250nm、又は更には75nm〜150nm)の範囲で突出する、実施形態1A〜9Aのいずれか一項に記載の材料。
11A.前記突出したサブマイクロメートル粒子間に、5nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、10nm〜300nm、20nm〜300nm、30nm〜300nm、40nm〜300nm、50nm〜275nm、75nm〜250nm、又は更には100nm〜225nm)の平均間隔が存在する、実施形態1A〜10Aのいずれか一項に記載の材料。
12A.前記高分子マトリックス(例えば、架橋可能な材料)が、アクリレート、ウレタンアクリレート、メタアクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1A〜11Aのいずれか一項に記載の材料。
13A.2(いくつかの実施形態においては、1、0.75、0.5未満、若しくは更には0.25未満、又は更にはゼロ)パーセント未満の耐久性試験からの反射の変化を有する、実施形態1A〜12Aのいずれか一項に記載の材料。
14A.層である、実施形態1A〜13Aのいずれか一項に記載の材料。
15A.少なくとも500nm(いくつかの実施形態においては、少なくとも1マイクロメートル、1.5マイクロメートル、2マイクロメートル、2.5マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル、5マイクロメートル、7.5マイクロメートル、又は更には少なくとも10マイクロメートル)の厚さを有する、実施形態13Aに記載の層。
16A.第1の主表面上に、実施形態13A又は14Aのいずれかに記載の層を有する、前記第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材を備える、物品。
17A.前記基材が、偏光子(例えば、反射性偏光子又は吸収性偏光子)である、実施形態15Aに記載の物品。
18A.前記基材の前記第1の主表面が、マイクロ構造化表面を有する、実施形態15A又は16Aに記載の物品。
19A.前記基材の前記第1の主表面が、サブマイクロメートル構造化表面(例えば、マトリックス及びサブマイクロメートルスケール分散層を備え、サブマイクロメートル構造化表面を有する)を有する、実施形態15A又は16Aに記載の物品。
20A.マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む架橋可能なマトリックス中に分散した、SiOナノ粒子又はZrOナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、ハードコートを更に含む、実施形態15A〜18Aのいずれか一項に記載の物品。
21A.2パーセント(いくつかの実施形態においては、1.5パーセント未満、又は更には0.5パーセント未満)未満の反射を有する、実施形態15A〜19Aのいずれか一項に記載の物品。
22A.3パーセント(いくつかの実施形態においては、2パーセント未満、1.5パーセント、又は更には1パーセント未満)未満のヘイズを有する、実施形態15A〜20Aのいずれか一項に記載の物品。
23A.少なくとも90パーセント(いくつかの実施形態においては、少なくとも94パーセント、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は更には100パーセント)の可視光線透過率を有する、実施形態15A〜21Aのいずれか一項に記載の物品。
24A.前記基材の前記第1の主表面と前記層との間に配設された機能層を更に含み、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15A〜22Aのいずれか一項に記載の物品。
25A.前記層上に配設されたプレマスクフィルムを更に備える、実施形態15A〜23Aのいずれか一項に記載の物品。
26A.前記層上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15A〜22Aのいずれか一項に記載の物品。
27A.前記基材の前記第2の主表面上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15A〜23A又は25Aのいずれか一項に記載の物品。
28A.前記基材の前記第2の主表面上に配設される前記機能層上に第2の層を更に備え、前記第2の層が、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含み、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、60、70、75、80、85、90、95、99、又は更には100未満)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、実施形態26Aに記載の物品。
29A.前記基材の前記第2の主表面上に第2の層を更に備え、前記第2の層が、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含み、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、60、70、75、80、85、90、95、99、又は更には100未満)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、実施形態15A〜23A又は25Aのいずれか一項に記載の物品。
30A.前記基材上の前記第2の主表面の前記第2の層上に配設される機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態28Aに記載の物品。
31A.前記基材の前記第2の表面上に配設される光学的に透明な接着剤を更に含み、前記光学的に透明な接着剤が、少なくとも90%の可視光透過率及び5%未満のヘイズを有する、実施形態15A〜23A又は25Aのいずれか一項に記載の物品。
32A.前記光学的に透明な接着剤に接着されるガラス基材の主表面を更に含む、実施形態30Aに記載の物品。
33A.前記光学的に透明な接着剤に接着される偏光子基材の主表面を更に備える、実施形態30Aに記載の物品。
34A.前記光学的に透明な接着剤に接着される触覚センサの主表面を更に備える、実施形態30Aに記載の物品。
35A.前記光学的に透明な接着剤の前記第2の主表面上に配設される剥離ライナーを更に備える、実施形態30Aに記載の物品。
36A.物品の製造方法であって、
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
前記層の乾燥又は硬化のうちの少なくとも1つを行うことと、
適用可能な場合、前記少なくとも1つの乾燥又は硬化された層をエッチングして、実施形態15A〜22Aのいずれか一項に記載の物品を提供することと、を含む、方法。
37A.前記層が、前記エッチング中に周囲温度よりも高温の基材上に存在する、実施形態35Aに記載の方法。
38A.前記エッチングが、反応性イオンエッチング、真空プラズマエッチング、大気圧プラズマエッチング、大気圧コロナエッチング、酸エッチング、又は火炎処理のうちの少なくとも1つである、実施形態35A又は36Aに記載の方法。
39A.前記層を提供することが、溶媒注型成形又は押出注型成形のうちの少なくとも1つを含む、実施形態35A〜37Aのいずれか一項に記載の方法。
40A.前記硬化が、紫外線硬化又は熱硬化のうちの少なくとも1つである、実施形態35A〜38Aのいずれか一項に記載の方法。
1B.高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、50nm〜200nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜175nm、又は更には100nm〜150nm)の範囲で突出し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出する、材料。
2B.前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、40、30、25、20、15、10、5、若しくは1未満、又はゼロ)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、実施形態1Bに記載の材料。
3B.前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、実施形態1B又は2Bのいずれかに記載の材料。
4B.前記高分子マトリックスの少なくとも一部が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ、フッ素化エチレン−プロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリオキセタン、ヘキサフルオロプロピレン酸化物、シロキサン、オルガノシリコン、シロキシド、シリルハライド、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミン、カルボン酸、−COONa、−SO3Na、−HCONCH3、−CONEt2、アクリルアミド、アミン、エーテル、スルホン酸塩、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酸、ビニルアルコール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アセチレン、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン硫化物、又はイミダゾールのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1B〜3Bのいずれか一項に記載の材料。
5B.前記サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかが、シラノール、及びアクリレート、エポキシ、又はビニル官能基のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの複官能性シランカップリング剤で官能化される、実施形態1B〜4Bのいずれか一項に記載の材料。
6B.前記サブマイクロメートル粒子が、前記材料の全体積に基づいて、10体積パーセント〜70体積パーセント(いくつかの実施形態においては、30体積パーセント〜60体積パーセント、又は更には35体積パーセント〜55体積パーセント)の範囲で存在する、実施形態1B〜5Bのいずれか一項に記載の材料。
7B.前記サブマイクロメートル粒子が、炭素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、又はダイヤモンドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1B〜6Bのいずれか一項に記載の材料。
8B.前記サブマイクロメートル粒子が、75nm〜500nmの範囲の粒径を有する、実施形態1B〜7Bのいずれか一項に記載の材料。
9B.前記サブマイクロメートル粒子が、二峰性分布を有する、実施形態1B〜8Bのいずれか一項に記載の材料。
10B.前記主表面から突出した前記サブマイクロメートル粒子の一部が、それらのそれぞれの粒径の最大50パーセント突出する、実施形態1B〜9Bのいずれか一項に記載の材料。
11B.前記主表面から突出した前記サブマイクロメートル粒子の一部が、60nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜250nm、又は更には75nm〜150nm)の範囲で突出する、実施形態1B〜10Bのいずれか一項に記載の材料。
12B.前記突出したサブマイクロメートル粒子の間に、5nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、10nm〜300nm、20nm〜300nm、30nm〜300nm、40nm〜300nm、50nm〜275nm、75nm〜250nm、又は更には100nm〜225nm)の範囲の平均間隔が存在する、実施形態1B〜11Bのいずれか一項に記載の材料。
13B.前記高分子マトリックス(例えば、架橋可能な材料)が、アクリレート、ウレタンアクリレート、メタアクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1B〜12Bのいずれか一項に記載の材料。
14B.前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、実施形態1B〜13Bのいずれか一項に記載の材料。
15B.層である、実施形態1Bから14Bのいずれか一項に記載の材料。
16B.少なくとも500nm(いくつかの実施形態においては、少なくとも1マイクロメートル、1.5マイクロメートル、2マイクロメートル、2.5マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル、5マイクロメートル、7.5マイクロメートル、又は更には少なくとも10マイクロメートル)の厚さを有する、実施形態15Bに記載の層。
17B.第1の主表面上に、実施形態15B又は16Bのいずれかに記載の層を有する、前記第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材を備える、物品。
18B.前記基材が、偏光子(例えば、反射性偏光子又は吸収性偏光子)である、実施形態17Bに記載の物品。
19B.前記基材の前記第1の主表面が、マイクロ構造化表面を有する、実施形態17B又は18Bに記載の物品。
20B.前記基材の前記第1の主表面が、サブマイクロメートル構造化表面(例えば、マトリックス及びサブマイクロメートルスケール分散層を備え、サブマイクロメートル構造化表面を有する)を有する、実施形態17B又は18Bに記載の物品。
21B.マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む架橋可能なマトリックス中に分散した、SiOナノ粒子又はZrOナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、ハードコートを更に含む、実施形態17B〜20Bのいずれか一項に記載の物品。
22B.パーセント(いくつかの実施形態においては、1.5パーセント未満、又は更には0.5パーセント未満)未満の反射を有する、実施形態17B〜21Bのいずれか一項に記載の物品。
23B.3パーセント(いくつかの実施形態においては、2パーセント未満、1.5パーセント、又は更には1パーセント未満)未満のヘイズを有する、実施形態17B〜22Bのいずれか一項に記載の物品。
24B.少なくとも90パーセント(いくつかの実施形態においては、少なくとも94パーセント、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は更には100パーセント)の可視光線透過率を有する、実施形態17B〜23Bのいずれか一項に記載の物品。
25B.前記基材の前記第1の主表面と前記層との間に配設された機能層を更に含み、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態17B〜24Bのいずれか一項に記載の物品。
26B.前記層上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態17B〜25Bのいずれか一項に記載の物品。
27B.前記層上に配設されたプレマスクフィルムを更に備える、実施形態17B〜26Bのいずれか一項に記載の物品。
28B.前記基材の前記第2の主表面上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態17B〜27Bのいずれか一項に記載の物品。
29B.前記基材の前記第2の主表面上に配設される前記機能層上に第2の層を更に備え、前記第2の層が、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含み、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、60、70、75、80、85、90、95、99、又は更には100未満)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、実施形態28Bに記載の物品。
30B.前記基材の前記第2の主表面上に第2の層を更に備え、前記第2の層が、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含み、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、50nm〜200nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜175nm、又は更には100nm〜150nm)の範囲で突出し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出する、実施形態17B〜28Bのいずれか一項に記載の物品。
31B.前記基材上の前記第2の主表面の前記第2の層上に配設される機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態30Bに記載の物品。
32B.前記基材の前記第2の主表面上に第2の層を更に備え、前記第2の層が、高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含み、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも75nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記突出したサブマイクロメートル粒子がそれぞれ、露出した外表面を有し、前記露出した外表面の50(いくつかの実施形態においては、60、70、75、80、85、90、95、99、又は更には100未満)パーセント未満が、有機材料によって被覆されている、実施形態17B〜28Bのいずれか一項に記載の物品。
33B.前記基材上の前記第2の主表面の前記第2の層上に配設される機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態32Bに記載の物品。
34B.前記基材の前記第2の表面上に配設される光学的に透明な接着剤を更に含み、前記光学的に透明な接着剤が、少なくとも90%の可視光透過率及び5%未満のヘイズを有する、実施形態17B〜28Bのいずれか1つに記載の物品。
35B.前記光学的に透明な接着剤に接着されるガラス基材の主表面を更に含む、実施形態34Bに記載の物品。
36B.前記光学的に透明な接着剤に接着される偏光子基材の主表面を更に備える、実施形態34Bに記載のいずれかの物品。
37B.前記光学的に透明な接着剤に接着される触覚センサの主表面を更に備える、実施形態34Bに記載の物品。
38B.前記光学的に透明な接着剤の前記第2の主表面上に配設される剥離ライナーを更に備える、実施形態34Bに記載の物品。
39B.物品の製造方法であって、
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
前記層の乾燥又は硬化のうちの少なくとも1つを行うことと、
適用可能な場合、前記乾燥又は硬化された層をエッチングして、実施形態17B〜28Bのいずれか一項に記載の材料物品を提供することと、を含む、方法。
40B.前記層が、前記エッチング中に周囲温度よりも高温の基材上に存在する、実施形態39Bに記載の方法。
41B.前記エッチングが、反応性イオンエッチング、真空プラズマエッチング、大気圧プラズマエッチング、大気圧コロナエッチング、酸エッチング、又は火炎処理のうちの少なくとも1つである、実施形態39B又は40Bに記載の方法。
42B.前記層を提供することが、溶媒注型成形又は押出注型成形のうちの少なくとも1つを含む、実施形態39B〜41Bのいずれか一項に記載の方法。
43B.前記硬化が、紫外線硬化又は熱硬化のうちの少なくとも1つである、実施形態39B〜42Bのいずれか一項に記載の方法。
1C.高分子マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む材料であって、前記材料が、主表面を有し、前記サブマイクロメートル粒子の一部が、前記主表面から、それらのそれぞれの粒径の最大90(いくつかの実施形態においては、80、70、60、又は更には最大50)パーセント突出し、前記サブマイクロメートル粒子が、前記高分子マトリックスに共有結合されている、材料。
2C.前記高分子マトリックスの少なくとも一部が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ、フッ素化エチレン−プロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリオキセタン、ヘキサフルオロプロピレン酸化物、シロキサン、オルガノシリコン、シロキシド、シリルハライド、エチレン酸化物、プロピレン酸化物、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミン、カルボン酸、−COONa、−SO3Na、−CONHCH3、−CON(CH2CH3)、アクリルアミド、アミン、エーテル、スルホン酸塩、アクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酸、ビニルアルコール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、アセチレン、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン硫化物、又はイミダゾールのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1Cに記載の材料。
3C.前記サブマイクロメートル粒子のうちの少なくともいくつかが、シラノール、アクリレート、エポキシ、又はビニル官能基のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの複官能性シランカップリング剤で官能化される、実施形態1C又は2Cに記載の材料。
4C.前記サブマイクロメートル粒子が、少なくとも20nm(いくつかの実施形態においては、20nm〜500nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜500nm、100nm〜300nm、又は更には150nm〜250nm)の範囲)の粒径を有する、実施形態1C〜3Cのいずれか一項に記載の材料。
5C.前記サブマイクロメートル粒子が、前記材料の全体積に基づいて、10体積パーセント〜70体積パーセント(いくつかの実施形態においては、30体積パーセント〜60体積パーセント、又は更には35体積パーセント〜55体積パーセント)の範囲で存在する、実施形態1C〜4Cのいずれか一項に記載の材料。
6C.前記サブマイクロメートル粒子が、炭素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、又はダイヤモンドのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1C〜5Cのいずれか一項に記載の材料。
7C.前記サブマイクロメートル粒子が、5nm〜10マイクロメートル(いくつかの実施形態においては、25nm〜5マイクロメートル、50nm〜1マイクロメートル、又は更には75nm〜500nm)の範囲の粒径を有する、実施形態1C〜6Cのいずれか一項に記載の材料。
8C.前記サブマイクロメートル粒子が、二峰性分布を有する、実施形態1C〜7Cのいずれか一項に記載の材料。
9C.前記材料が、1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲の粒径の粒子を含み、前記主表面から、それらのぞれぞれの粒径の最大50パーセント突出する、実施形態1C〜8Cのいずれか一項に記載の材料。
10C.前記主表面から突出した前記サブマイクロメートル粒子の一部が、60nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、75nm〜250nm、又は更には75nm〜150nm)の範囲で突出する、実施形態1C〜9Cのいずれか一項に記載の材料。
11C.前記突出したサブマイクロメートル粒子間に、5nm〜300nm(いくつかの実施形態においては、10nm〜300nm、20nm〜300nm、30nm〜300nm、40nm〜300nm、50nm〜275nm、75nm〜250nm、又は更には100nm〜225nm)の範囲の平均間隔が存在する、実施形態1C〜10Cのいずれか一項に記載の材料。
12C.前記高分子マトリックス(例えば、架橋可能な材料)が、アクリレート、ウレタンアクリレート、メタアクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1C〜11Cのいずれか一項に記載の材料。
13C.層である、実施形態1C〜12Cのいずれか一項に記載の材料。
14C.少なくとも500nm(いくつかの実施形態においては、少なくとも1マイクロメートル、1.5マイクロメートル、2マイクロメートル、2.5マイクロメートル、3マイクロメートル、4マイクロメートル、5マイクロメートル、7.5マイクロメートル、又は更には少なくとも10マイクロメートル)の厚さを有する、実施形態13Cの層。
15C.第1の主表面上に、実施形態13C又は14Cのいずれかに記載の層を有する、前記第1の主表面及び第2の概ね対向する主表面を有する基材を備える、物品。
16C.前記基材が、偏光子(例えば、反射性偏光子又は吸収性偏光子)である、実施形態15Cに記載の物品。
17C.マルチ(メタ)アクリレート、ポリエステル、エポキシ、フルオロポリマー、ウレタン、又はシロキサンのうちの少なくとも1つを含む架橋可能なマトリックス中に分散した、SiOナノ粒子又はZrOナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、ハードコートを更に含む、実施形態15C又は16Cのいずれかに記載の物品。
18C.2パーセント(いくつかの実施形態においては、1.5パーセント未満又は更には1パーセント未満)未満の反射を有する、実施形態15C〜17Cのいずれか一項に記載の物品。
19C.3パーセント(いくつかの実施形態においては、2パーセント未満、1.5パーセント、又は更には1パーセント未満)未満のヘイズを有する、実施形態15C〜18Cのいずれか一項に記載の物品。
20C.少なくとも90パーセント(いくつかの実施形態においては、少なくとも94パーセント、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、又は更には100パーセント)の可視光線透過率を有する、実施形態15C〜19Cのいずれか一項に記載の物品。
21C.前記基材の前記第1の主表面と前記層との間に配設された機能層を更に含み、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15C〜20Cのいずれか一項に記載の物品。
22C.前記層上に配設されたプレマスクフィルムを更に備える、実施形態15C〜21Cのいずれか一項に記載の物品。
23C.前記層上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15C〜21Cのいずれか一項に記載の物品。
24C.前記基材の前記第2の主表面上に配設された機能層を更に備え、前記機能層が、透明な導電層又はガスバリア層のうちの少なくとも1つである、実施形態15C〜20C又は23Cのいずれか一項に記載の物品。
25C.前記基材の前記第2の表面上に配設される光学的に透明な接着剤を更に含み、前記光学的に透明な接着剤が、少なくとも90%の可視光透過率及び5%未満のヘイズを有する、実施形態15C〜20Cのいずれか1つに記載の物品。
26C.前記光学的に透明な接着剤に接着されるガラス基材の主表面を更に含む、実施形態25Cに記載の物品。
27C.前記光学的に透明な接着剤に接着される偏光子基材の主表面を更に備える、実施形態25Cに記載のいずれかの物品。
28C.前記光学的に透明な接着剤に接着される触覚センサの主表面を更に備える、実施形態25Cに記載の物品。
29C.前記光学的に透明な接着剤の前記第2の主表面上に配設される剥離ライナーを更に備える、実施形態25Cに記載の物品。
30C.物品の製造方法であって、
高分子前駆体マトリックス中に分散したサブマイクロメートル粒子を含む層を提供することと、
前記層の乾燥又は硬化のうちの少なくとも1つを行うことと、
適用可能な場合、前記乾燥又は硬化された層をエッチングして、実施形態15C〜29Cのいずれか一項に記載の材料物品を提供することと、を含む、方法。
31C.前記層が、前記エッチング中に周囲温度よりも高温の基材上に存在する、実施形態30Cに記載の方法。
32C.前記エッチングが、反応性イオンエッチング、真空プラズマエッチング、大気圧プラズマエッチング、大気圧コロナエッチング、酸エッチング、又は火炎処理のうちの少なくとも1つである、実施形態30C又は31Cに記載の方法。
33C.前記層を提供することが、溶媒注型成形又は押出注型成形のうちの少なくとも1つを含む、実施形態30C〜32Cのいずれか一項に記載の方法。
34C.前記硬化が、紫外線硬化又は熱硬化のうちの少なくとも1つである、実施形態30C〜33Cのいずれか一項に記載の方法。
【0118】
本発明の利点及び実施形態は、以下の実施例により更に例示されるが、これらの実施例に列挙したその特定の材料及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本発明を過度に限定すると解釈されるべきではない。全ての部及びパーセンテージは、特に記載されていない限り、重量に基づく。
【実施例】
【0119】
手順1−真空プラズマ処理Plasmathermバッチリアクター
68.6cm(27インチ)の低通電電極及び中央ガスポンプを有する反応性イオンエッチング(RIE)用に構成された商品名「PLASMATHERM」((モデル3032)でOerlikon(St.Petersburg,FL)から入手)バッチプラズマシステム。乾燥機械式ポンプ(Edwards Vacuum(Tewsbury,MA)からモデルiQDP80として入手)によって強化されたルーツ型送風機(Edwards VacuumからモデルEH1200として入手)によって、チャンバに注入した。RF出力は、インピーダンス整合ネットワークを通じて3kW、13.56MHzの固体発生器(Advanced Energy(Fort Collins,CO)から商品名「RFPP」(モデルRF30H)で入手)によって供給した。システムは、5mTorr(0.67Pa)の公称基本圧力を有していた。気体の流量率は、流量制御器(MKS Instruments(Woburn,MA)から商品名「MKS1179」で入手)によって制御した。
【0120】
プラズマ処理用の基材を、低通電電極上に配置した。ハードコート基材のサンプルを、バッチプラズマ装置の通電電極上に設置した。所望の持続時間中、500基準cm/minの流量率及び電力3000ワットで酸素ガスを流すことによって、酸素プラズマを用いるプラズマ処理を実行した。プラズマ処理が完了した後、チャンバを大気に通気した。
【0121】
手順2−平均反射率(%)の測定
黒いビニルテープとサンプルとの間に閉じ込められた気泡が存在しないことを確実にするためにローラーを使用して、黒いビニルテープ(Yamato International Corporation(Woodhaven,MI)から商品名「#200−38」で入手)をサンプルの裏側に適用して、試験した。同じ黒いビニルテープを、同様の方法で透明のガラススライドに適用した。この透明のガラススライドの両面の反射率は、対照サンプルが単独の黒色ビニルテープの反射率%を確立するよう予め設定されていた。次に、テープを積層した第1サンプルの非テープ面及び続いて対照を、カラーガイドスフィア(BYK−Gardiner(Columbia,MD)から商品名「SPECTRO−GUIDE」で入手)の開口に対して設置して、前側表面の合計反射率(%)(反射及び拡散)を測定した。次いで、反射率(%)を400〜700nmの範囲の波長について入射角10°で測定し、対照の反射率(%)を差し引くことによって平均反射率(%)を算出した。
【0122】
手順3−透過率及びヘイズの測定
ASTM D1003−11(2011)に従って、(BYK Gardinerから商品名「BYK HAZEGARD PLUS」で入手)ヘイズメーターを用いて平均透過率(%)及びヘイズの測定を実行し、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0123】
手順4−ワイパ及びスチールウール処理
フィルムの表面全体で振動されるスタイラスに被着された、スチールウールシート(Hut Products(Fulton,MO)から商品名「MAGIC SAND−SANDING SHEETS」で入手した#0000スチールウールシート)を振動させることができる機械的装置を使用して、硬化フィルムの耐摩擦性を試験した。84.7mm/secの速度で幅50.8mmの牽引幅にわたってスタイラスを振動させた。「摩擦」は、50.8mmの単一の横断として定義される。スタイラスは、直径2.54cmの平らな円筒形基部の形状を有していた。このスタイラスは、フィルムの表面に対して垂直なスチールウールによる力を増大させるために、おもりを取り付ける設計になっていた。ワイパ(Kimberly−Clark(Neenah,WI)から商品名「WYPALL X60」で入手)を2.54cmのディスクに切断し、ワイパ摩擦試験のために両面テープによって2.54cmのスタイラスに被着させた。
【0124】
3.2cmのスチールウールディスクは、#0000スチールウール研磨シートからダイカットし、2.54cmのスタイラス基部にテープ(商品名「3M BRAND SCOTCH PERMANENT ADHESIVE TRANSFERテープ」、3M Company(St.Paul,MN)で入手)で被着させた。
【0125】
手順5−耐久性試験
耐久性試験は、手順4での処理の前後のサンプルに関して手順2に従い、平均反射率(%)を測定することによって行われた。
【0126】
(実施例1〜6)
450グラムの1−メトキシ−2−プロパノール、8グラムの75/25の3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン/PEG−シラン(Momentive(Wilton,CT)から商品名「A1230」で入手)、及び水中の0.16グラムの5%ヒンダードアミン窒素酸化物阻害物質(BASF(Tarrtown,NY)から商品名「PROSTAB 5128」で入手)を、400グラムの球形シリカナノ粒子(公称直径100nm、Nissan Chemical(Houston,TX)から商品名「MP1040」で入手)の分散液と、撹拌しながら混合させた。溶液を広口瓶内に密閉し、80℃まで加熱し、16時間その温度で維持した。水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発によって混合物から除去した。表面官能化後、溶液を乾燥させ、次いで、メチルエチルケトン(MEK)中に再分散させて、43.75重量%の固体分散液を形成した。
【0127】
16グラムの得られた溶液を、3グラムのトリメチロールプロパントリアクレート(Sartomer(Exton,PA)から商品名「SR351」で入手)、0.2グラムの光開始剤(BASF Specialty Chemicalsから商品名「IRGACURE 184」で入手)、及び1グラムのメチルエチルケトン(MEK)と混合して、MEK中で50重量%の固体分散液を形成した。固形分中の100nmのSiOの濃度は、70重量%であった。次いで、#10メイヤーロッドで、メラミンアクリルで準備された127マイクロメートル(5ミル)のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(Dupont(Wilmington,DE)から商品名「618」で入手)上に分散液をコーティングした。コーティングを室温の空気で乾燥させ、次いで、続いてHバルブ(300ワット/リニアインチ(118ワット/リニアセンチメートル)、Fusion Systems(Rockville,MD)から入手)を使用するUV照射によって、15.24mpm(メートル/分)(50fpm(フィート/分))で更に硬化した。
【0128】
100mTorrs(13.3Pa)の圧力下で、得られる100nmのSiOコーティングフィルムを手順1によって処理した。手順1による異なるエッチング時間後の100nmのSiOコーティングされたフィルム及びサンプルを、手順4に従い、拭取り布摩擦によって処理し、次いで、手順2及び3によって試験した。結果を下の表1に示す。
【0129】
【表1】
【0130】
(実施例7〜15)
450グラムの1−メトキシ−2−プロパノール、6グラムの3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、及び水中の0.16グラムの5%のヒンダードアミン窒素酸化物阻害物質(「PROSTAB 5128」)を、撹拌しながら、400グラムの190nmのシリカ分散液(「MP2040」)と混合した。溶液を広口瓶内に密閉し、80℃まで加熱し、16時間その温度で維持した。水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発によって混合物から除去した。結果として得られる、乾燥した表面官能化シリカ粒子を88/12の1−メトキシ−2−プロパノール/水混合物中に再分散させ、その後、超音波処理及び濾過して、54.9重量%の固体分散液を形成した。
【0131】
40/40/20の比率のペンタエリスリトールトリアクレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及びイソボルニルアクリレートのモノマー配合物(Sartomerから商品名「SR444」、「SR238」、「SR506」でそれぞれ入手)を、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性した190nmのシリカ粒子分散液と配合して、75重量%の3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性した190nmのシリカ粒子(モノマー配合物及びシリカ粒子の固体部分)分散液を形成した。この分散液をMEKで更に希釈して、30重量%の分散液を形成した。次いで、3重量%(分散液中での固体に対する比率)の光開始剤(「IRGACURE 184」)を添加し、混合した。
【0132】
次いで、127マイクロメートル(5ミル)間隙(ウェブ速度、1.524mpm(5fpm))を用いて、ロールツーロールコーティング工程によって、2軸配向された50.8マイクロメートル(2ミル)ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、得られた分散液をコーティングした。コーティングを室温の空気で乾燥させ、次いで、続けて82.2℃(180°F)で更に乾燥させ、Hバルブ(融合)を用いて、UV照射によって結合剤を硬化させた。
【0133】
真空Oプラズマのエッチング率を試算するために、シリコーンウェハ(University Wafer(South Boston,MA)から商品名「SOI P(100)」で入手した)上に粒子を伴わない同じコーティングを塗布し、15.24mpm(50fpm)のHバルブ(融合)で硬化させ、UVチャンバは、Nで浄化した。エッチング前及び後のコーティングの厚さを測定した。エッチング率を約11nm/secになるように決定した。
【0134】
手順1に従って、コーティングされた50.8マイクロメートル(2ミル)PETフィルムをエッチングし、手順2〜4によって処理及び試験した。結果を下の表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
(実施例16及び17)
450グラムの1−メトキシ−2−プロパノール、6グラムの3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、及び水中の0.16グラムの5%のヒンダードアミン窒素酸化物阻害物質(「PROSTAB 5128」)を、撹拌しながら、190nmのシリカ分散液(「MP2040」)と混合した。溶液を広口瓶内に密閉し、80℃まで加熱し、16時間その温度で維持した。水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発によって混合物から除去した。結果として得られる、乾燥した表面官能化シリカ粒子を88/12の1−メトキシ−2−プロパノール/水混合物中に再分散させ、その後、超音波処理及び濾過して、42.4重量%の固体分散液を形成した。
【0137】
40/40/20の比率のペンタエリスリトールトリアクレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及びイソボルニルアクリレート(それぞれ「SR444」、「SR238」、「SR506」)のモノマー配合物を、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性された190nmのシリカ粒子分散液と配合して、65重量%の3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性された190nmのシリカ粒子(モノマー配合物及びシリカ粒子の固体部分)分散液を形成した。この分散液を1−メトキシ−2−プロパノールによって更に希釈して、30重量%の分散液を形成した。次いで、2重量%(溶液中の固体に対する比率)の光開始剤(「IRGACURE 184」)を分散液に添加し、混合させた。
【0138】
次いで、#6メイヤーロッドによって、50.8マイクロメートル(2ミル)のPETフィルム(Toray Advanced Films Co.,Ltd.(東京、日本)から商品名「U48」で入手)上に、得られた分散液をコーティングした。コーティングを室温の空気で乾燥させ、次いで、続けてHバルブ(融合)を用いて、15.24mpm(50fpm)で、UV照射によって更に硬化させた。次いで、100mTorrs(13.3Pa)の圧力下で、コーティングされたフィルムを手順1によって処理した。手順1による、異なるエッチング時間後のコーティングされたフィルム及びサンプルを、手順4によるスチールウール摩擦によって更に処理し、次いで、手順2及び3によって試験した。結果を下の表3に示す。
【0139】
【表3】
【0140】
(実施例18)
450グラムの1−メトキシ−2−プロパノール、6グラムの3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、及び水中の0.16グラムの5%のヒンダードアミン窒素酸化物阻害物質(「PROSTAB 5128」)を、撹拌しながら、190nmのシリカ分散液(「MP2040」)と混合した。溶液を広口瓶内に密閉し、80℃まで加熱し、16時間その温度で維持した。水及び1−メトキシ−2−プロパノールは、回転蒸発によって混合物から除去した。結果として得られる、乾燥した表面官能化シリカ粒子を88/12の1−メトキシ−2−プロパノール/水混合物中に再分散させ、その後、超音波処理及び濾過して、42.4重量%の固体分散液を形成した。
【0141】
40/40/20の比率のペンタエリスリトールトリアクレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及びイソボルニルアクリレート(それぞれ「SR444」、「SR238」、「SR506」)のモノマー配合物を、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性された190nmのシリカ粒子分散液と配合して、65重量%の3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン変性された190nmのシリカ粒子(モノマー配合物及びシリカ粒子の固体部分)分散液を形成したこの分散液を1−メトキシ−2−プロパノールによって更に希釈して、30重量%の分散液を形成した。次いで、2重量%(溶液中の固体に対する比率)の光開始剤(「IRGACURE 184」)を分散液に添加し、混合させた。
【0142】
次いで、#6メイヤーロッドによって、50.8マイクロメートル(2ミル)のPETフィルム(Toray Advanced Films Co.,Ltd.(東京、日本)から商品名「U48」で入手)上に、得られた分散液をコーティングした。コーティングを室温の空気で乾燥させ、次いで、続けてHバルブ(融合)を用いて、15.24mpm(50fpm)で、UV照射によって更に硬化させた。次いで、100mTorrs(13.3Pa)の圧力下で、手順1によって15秒間、コーティングされたフィルムを処理した。実施例18の上面及び断面は、それぞれ図6及び7に示される。
【0143】
本発明の範囲及び趣旨から外れることなく、本開示の予測可能な修正及び変更が当業者には自明となるであろう。本発明は、説明を目的として本出願に記載される各実施形態に限定されるべきものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7