(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)単離したクロモバクテリウムサブスチュガエNov(Chromobacterium Subtsugae Nov)(NRRL B-30655)若しくは全細胞ブロス、濾過物、上清、抽出物、又はこれらに由来する殺有害生物活性を有する殺有害生物活性物質、および
(b)リグニン塩及び安息香酸塩である太陽光防御物質
を含む、有害生物の外寄生を調節するための安定状態の生物学的殺有害生物剤組成物であって、
前記有害生物が、2スポットハダニ(two spotted spider mite)、イエバエ(Musca domestica)、スポットウイングキイロショウジョウバエ(spotted wing Drosophila)、キャベツ根蛆虫(cabbage root maggots)、モモアカアブラムシ(green peach aphid)、ジャガイモシストセンチュウ(Potato cyst nematode)、リタ-ビートル(Litter beetle)、セマダラコガネ幼虫(Oriental beetlw)、リゾトログスマジャリス(Rhizotrogus majalis)、およびコフキコガネ幼虫(cockchafer)から選択される、組成物。
前記安息香酸塩が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびそれらの組合せから選択され、前記リグニン塩が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびそれらの組合せの中和イオン由来のリグニンスルホン酸塩から選択される、請求項3に記載の組成物。
【背景技術】
【0002】
天然産物は、微生物、植物、および他の生物によって生成される物質である。微生物の天然産物は化学的に多様な多くの供給源をもたらし、医薬品目的での天然産物の利用には長い歴史がある。ヒト治療用の天然産物が力説されているにもかかわらず、50%を超えるものが天然産物に由来する場合、わずか11%の殺有害生物剤が天然産物に由来する。それにもかかわらず、天然産物殺有害生物剤には、従来農場と有機農場の両方で有害生物を防除する際に、重要な役割を果たす可能性がある。微生物(細菌、放線菌および真菌)によって生成される二次代謝産物は、昆虫有害生物を効率良く防除するため、および耐性発達のリスクを低減するために、単独または周知の化合物との組合せのいずれかで使用することができる、新規な化学化合物をもたらす。農業用殺虫剤として成功した微生物天然産物の、幾つかのよく知られている例が存在する(Thompson et al.,2000;Arena et al.,1995;Krieg et al.1983)。
【0003】
微生物殺有害生物剤の開発は、純粋培養での微生物の単離で始まる。次いでそれは、温室内および野外でin vitro、in vivoまたはパイロットスケール試験を使用する効力スペクトルスクリーニングに続く。同時に、微生物によって生成される活性化合物を単離し同定する。微生物殺有害生物剤の商品化のため、微生物は産業規模で発酵により経済的に生成され、生体適合性があり認可された添加剤と配合して、有効性を増大し、野外条件下での施用しやすさおよび貯蔵安定性を最大にしなければならない。
【0004】
クロモバクテリウム(Chromobacterium)
2000年、USDAのMartin博士と彼女の同僚は、メリーランドの森林土壌から紫着色細菌(PRAA4−1)を単離した(Martin et al.,2007a)。初期スクリーニングにおいて、彼女たちは、この細菌がコロラドハムシ(Colorado potato beetle)および他の昆虫有害生物に対して毒性であることを発見した(Martin et al.,2007b)。この運動性の、グラム陰性菌はクロモバクテリウム(Chromobacterium)の新たな種、クロモバクテリウムサブスチュガエ種nov(Chromobacterium substugae sp.nov)として同定された(Martin et al.,2007c)。それは通性好気性、運動性の、極鞭毛を有するグラム陰性ベータプロテオバクテリウムである。25℃においてL−寒天プレート上で2〜3日に形成されるコロニーは初期にはクリーム色であり、次の24時間中に徐々に薄紫色〜濃紫色に変わる。PRAA4−1のコロニーは、25℃での最適状態、pH6.5〜8.0、および0〜1.5%(w/v)NaClでペプトンベース培地において十分増殖する(Martin et al.,2007a)。
【0005】
Martinと彼女の同僚によるクロモバクテリウムサブスチュガエ(C.substugae)の発見以来、少なくとも3種の新しいクロモバクテリウム(Chromobacteria)が単離され、特徴付けされている。Young et al.(2008)は、台湾において湧き水サンプルから、新規なクロモバクテリウム(Chromobacterium)種、クロモバクテリウムアクアチカム(C.aquaticum)を単離し、Kampfer et al.(2009)は、マレーシアにおいて回収した環境サンプルから、2種、クロモバクテリウムピスシンエア(C.piscinae)とクロモバクテリウムシュードビオラセム(C.pseudoviolaceum)を単離した。
【0006】
知られている全てのクロモバクテリウム(Chromobacterium)種の中で、クロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)、グラム陰性菌は土と水から栄養を得る。クロモバクテリウム(Chromobacterium)によって生成された二次代謝産物に関して公開された情報は、クロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)のみに関する試験に基づく(例えば、クロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)の薬理学的および産業的展望の包括的概要に関してはDuran and Menck (2001)を参照)。それは通常人間に対して非病原性であると考えられるが、しかしながら日和見病原体として、それは時折ヒトと動物で敗血症および致命的感染の原因物質となっている。クロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)は、紫色色素、酸素の存在下で2つのL−トリプトファン分子の融合によって生じるビスインドール分子であるビオラセインを、生成することが知られている(Hoshino et al.,1987;Ryan and Drennan;2009)。ビオラセインの生合成は、定足数検知、グラム陰性菌において様々な他の二次代謝経路を調節する一般的機構によって調節される(McClean et al.,1997)。
【0007】
Duran and Menck (2001)により要約されたクロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)の他の知られている代謝産物には、シアン化水素、フェリオキサミンE、B−ラクタム系グリコペプチドSQ28,504およびSQ28,546、エアロシアニジン、エアロキャビン、3,6−ジヒドロキシ−インドキサゼン、およびモノバクタムSB−26.180などの抗生物質、および抗腫瘍性デプシペプチドFR901228がある。Duran and Menck (2001)による概説記事によれば、クロモバクテリウムビオラセム(C.violaceum)は、細胞外多糖およびリポ多糖などの珍しい糖化合物も生成する。
【0008】
米国特許出願公開第US20120100236も、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種、より詳細にはクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)から入手可能またはそれに由来する化合物を開示する。
【0009】
コダニおよび殺ダニ剤
テトラニカスウルティカエ(Tetranychus urticae)(2スポットハダニ)は四翅(Tetranychidae)科のメンバーである。ハダニはおそらく、観賞植物の最も重大なコダニ有害生物である。それらはさらに、180種を超える温室および野外作物において相当なダメージを引き起こす。さらにこれらのコダニは、防除するのが最も困難な節足動物有害生物の中にあり、化学物質に対する耐性は急速に発達し得る(Stamps and Osborne 2009,Osborne,Ehler and Nechols,1999)。
【0010】
殺ダニ剤は、コダニ(殺コダニ剤)およびマダニ(殺マダニ剤)を殺傷する化合物である。このクラスの殺有害生物剤は多量に存在し、抗生物質、カルバメート、ホルムアミジン殺ダニ剤、ピレスロイド、コダニ成長調節剤、および有機リン殺ダニ剤を含む。化学物質殺有害生物剤以外に、珪藻土および脂肪酸を使用してコダニを防除することができる。それらは典型的に表皮の破壊によって働き、それによってコダニを乾燥除去する。さらに、ペパーミント油などの幾つかの必須油を使用してコダニを防除する。非常に様々な知られている殺ダニ剤化合物があるにもかかわらず、それらが作物に対して引き起こすダメージのため、コダニは依然農業において重大な問題である。コダニは1シーズン中に数世代を産むことができ、それが使用する殺ダニ剤製品に対する耐性の急速な発達を助長する。したがって、新たな標的部位および新規な作用形態がある、新たな殺有害生物剤製品が決定的に必要とされる。
【0011】
イエバエ
ムスカドメスティカ(Musca domesitca)(イエバエ)は、イエバエ(Muscidae)科のメンバーである。この科は、国内および世界中で経済的問題であると考えられている。イエバエ(Muscidae)科の他のメンバーには、フェイスフライ、サシバエ、およびツノサシバエがある。それらは厄介者と考えられ、ヒトおよび動物疾患の媒介動物である。廃棄物および排出物、ならびにヒトおよび食物における、それらの移動および捕食の習性によって、それらは病原性生物の移動に理想的な作用因子となる。この種は動物に対する有害生物である可能性もあり、開口状態の創傷を介して疾患を伝染させる可能性がある。
【0012】
植物捕食バエ−スポットウイングキイロショウジョウバエ
スポットウイングキイロショウジョウバエ、キイロショウジョウバエスズキ(Drosophila suzukii)は、米国内で果樹および野菜栽培場への近年の侵入者である。それは、よく知られている関連種、ドロソフィラメラノガスター(Drosophila melanogaster)および他のキイロショウジョウバエ属(Drosophila)より一層破壊的である。キイロショウジョウバエスズキ(D.suzukii)は無傷な果樹および野菜を捕食し、それにダメージを与えることができ、一方で他のキイロショウジョウバエ属(Drosophila)は腐敗した植物材料のみを捕食するからである。
【0013】
根蛆虫
ハナバエ(Anthomyidae)科の根蛆虫は幾つか異なる植物の根を捕食する。キャベツ根蛆虫は、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、および芽キャベツに影響を与える。(このグループの野菜は「アブラナ属作物」としても知られる)。ニンジン、タマネギ、および他の野菜作物に影響を与える、異なるタイプの根蛆虫も存在する。アブラナ属作物は寒冷期の野菜なので、キャベツ根蛆虫は米国の北部領域でより一層顕著である。それらは土壌下で孵化および捕食するため防除するのが困難であり、したがって、発育阻害または萎えた葉に気付いたとき、それらがそこに存在することを知るのみであり得る。
【0014】
モモアカアブラムシ
ミザスペルシカエ(Myzus persicae)、(モモアカアブラムシ)は、アリマキ科(Aphididae family)のメンバーである(US20110054022参照)。その一般名によって明らかなように、モモアカアブラムシは広範囲の果樹、野菜および観賞植物の有害生物であり、世界中に存在する。これらの昆虫は非常に有害である。それらは植物し部の捕食による直接ダメージを引き起こすだけでなく、プラムポックスウイルスの潜在的ベクター、果樹の変形および変色を引き起こすSharka病の原因物質でもあるからである。結果として、内寄生された樹木は根絶しなければならない。様々な殺有害生物剤でこれらの有害生物を防除するための、幾つかの試みがなされている。しかしながら、耐性は発達することが多い。
【0015】
ジャガイモシストセンチュウ
バクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)、(ジャガイモシストセンチュウ)はトガリキジラミ(Triozidae)科のメンバーであり、グラム陰性菌の外寄生を介したゼブラチップ病の原因物質である。それは北アメリカに固有であるが、それはニュージーランドでも見られている(www.biosecurity.govt.nz/files/pests/potato-tomato-psyllid/psyillid-factsheet.pdf)。ジャガイモシストセンチュウは一般に、ナス科宿主(トマトおよびジャガイモなど)において繁殖する。しかしながら、それらはトウガラシ、チリ、ナス、サツマイモ、ポロポロ(poroporo)、タマリロ(tamarillo)およびサンザシなどの他の植物においても見られている。
【0016】
リタービートル
アルフィトビウスジアペリヌス(Alphitobius diaperinus)は家禽産業において深刻な有害生物であり、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae family)のメンバーである。Bt株PS86B1は、アルフィトビウス(Alphitobius)に対して活性を有することが報告されている(Hickle et al.への米国特許第5,100,665号)。Btテネブリオニス(tenebrionis)も、この甲虫の幼虫に対して活性を有し得る(米国特許第5,244,660号)。リタービートルおよび他の数種の鞘翅目は、相当な経済的損失をもたらすニワトリおよびシチメンチョウの原生動物、細菌、およびウイルス性疾患のベクターとして働く。リタービートルは、サルモネラエンテリカ(S.enterica)血清型腸炎菌などのより病原性のある品種を含めた、病原性サルモネラ種の相当な保菌者として働く。問題は、サルモネラのような病原性生物に汚染された家禽類が、ヒトの健康を脅かすことである。これらの甲虫は、鶏舎の残物、木材、スタイロフォーム(Styrofoam)、ファイバーグラス、およびポリスチレン製断熱パネルに存在する。幼虫および成虫甲虫は、鳥類排泄物とニワトリ飼料として使用する穀物の両方を食べて育つ。鶏舎内でのこれらの巨大甲虫集団およびそれらの多様な習性によって、ニワトリが保有するサルモネラを根絶するのがさらに難しくなる。重度のリタービートル外寄生の最中、または新たなニワトリ集団を確立する前に、多数の化学物質殺虫剤を用いた残物または塵のいずれの頻繁な改変も、この有害生物を防除するのに完全に有効ではない。
【0017】
ジムシ科およびコガネムシ科
ジムシ(シクロセファラルリダ(Cyclocephala lurida))、ミナミメンガタカメムシ、リゾトログスマジャリス(Rhizotrogus majalis)、マメコガネ幼虫、ポピラジャポニカ(Popilla japonica)、キンケクチブトゾウムシ幼虫、オティオリンクスサルカタス(Otiorhynchus sulcatus)、セマダラコガネ幼虫、アノマラオリエンタリス(Anomala orientalis)などのジムシ科、コガネムシ科(Scarabaiedae family)のメンバーは、芝生および牧草地に外寄生することが分かっている。成虫コガネムシは、観賞植物、および多数の作物に外寄生することが世界中で分かっている。様々な殺有害生物剤が試験されており、化学物質殺有害生物剤、線虫用(例えば、米国特許第7,641,573号参照)、およびバチルスチューリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)用(米国特許第5,185,158号参照)、ペロモン、ならびにキャットニップ(catnip)およびチベス(chives)などの天然忌避剤を含む。
【0018】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)
バイオプラスチックは、植物デンプンおよび微生物種などの再生可能資源から合成される、プラスチックの形態として定義される。開発中の幾つかの生分解性プラスチック材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、多糖、ならびにこれらのコポリマーおよび/またはブレンドがある。特にPHAは、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートco−ヒドロキシバレレート(PHBV)、ポリヒドロキシブチレートco−ヒドロキシヘキサノエート(PHBHx)およびポリヒドロキシブチレートco−ヒドロキシオクトノエート(PHBO)などの幾つかのポリマーエステルを含む。ポリ3−ヒドロキシ酪酸(PHB)は、最も一般的な天然微生物PHAである。ポリヒドロキシアルカノエートは100%生分解性ポリマーである。それらは、ポリプロピレンのような様々な合成サーモプラスチックと類似した性質を有しているので、PHAはそれらの適所で使用することができる。さらにPHAは、土壌、湖水、下水および海水中で微生物によって、好気性条件下において水と二酸化炭素に、および嫌気性条件下においてメタンに完全に分解される。鎖中の炭素原子の数に応じて、PHAは2つの群、3〜5個の炭素原子からなる単鎖長(SCL)、および6〜14個の炭素原子からなる中鎖長(MCL)に分類されている(Khanna S,Srivastava AK.2005)。これらの差は主に、特定範囲の炭素長の3HAを許容し得るPHAシンターゼの基質特異性が原因である。他のよく知られているPHA
SCLは、4個および5個の炭素モノマー単位を含む、コポリマー、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−3−ヒドロキシバレレート)P(3HB−co−3HV)である。これらのモノマー単位の割合は変わる可能性があり、これがポリマーの物理的性質に影響を与える。すなわち、3HV単位の割合が増大すると脆弱性が低下する。
【0019】
幾つかの微生物種では、過剰な炭素の存在および窒素源の制限中にPHAの蓄積が起こる(Verlinden et al.,2007)。ストレス条件に応じて生成されるPHAは、共通のエネルギー源が不在であるとき利用されるエネルギー保存分子として働く(Solaiman and Ashby,2005)。プラスチックポリマーは、これらの生物中に光屈折非晶質エネルギー保存顆粒として、細胞内に蓄積する(Mukhopadhyay et al.,2005)。3つの酵素ステップを使用してアセチル−CoAからPHBを合成する(Krans et al.,1997)。バイオテクノロジーの観点から、生分解性であるバイオプラスチックの能力によって、それらは石油化学系プラスチック、環境汚染物質の望ましい代替となる(Lee,1996)。バイオプラスチックの生産の増大によって、二酸化炭素排出を有意に減らし、プラスチック廃棄物生成を削減し、化石燃料の消費を減らすことができる。
【0020】
PHAは以下の3つの方法、微生物による生合成、トランスジェニック植物による光合成、および適切な酵素を使用したin vitro生合成から得ることができる(例えば、米国特許第7,455,999号、WO9914313参照)。大部分の細菌において、窒素、リンまたは酸素などの、炭素源以外の成長制限基質の下で、細胞はPHAを合成する。
【0021】
蓄積したPHAは、枯渇状態中に炭素源とエネルギー源の両方として働く。PHAはパワーを低減するためのシンクとしても働き、したがって細胞内における酸化還元調節物質として考えることが可能である。PHAは、光学活性化合物の化学合成用のキラル前駆体として働き得る、立体規則性化合物としても有用である。このような化合物は、薬剤、医薬品、ホルモン、殺虫剤および除草剤の長期投与用の生分解性担体として特に使用される(Reddy 2003)。それらは、骨板、外科手術による縫合、および血管交換において、それらの圧電性による骨成長の刺激時に骨合成物質としても使用される(Schaefer et al.,2000)。さらに、様々な細菌、例えば、アルカリゲネスユートロフス(Alcaligenes eutrophus)NCIMB40124(EP.0431883A2)および米国特許第7,455,999号を使用した微生物学的プロセスによるコポリマー生成の方法の、幾つかの開示が存在している。EP No.2236089A1は、整形外科用修復デバイスおよび軟質組織固定デバイス用のマルチゾーンインプラントにおける、これらのポリマーの使用を開示する。WO91/00917A1は、原核生物および真核生物細胞、特に植物における分子レベルでの、遺伝学および酵素学によるポリヒドロキシブチレート(PHB)およびポリヒドロキシアルカノエート(PHA)ポリエステルの合成の操作により、新規なポリエステルバイオポリマーを制御および修飾するための方法を開示する。WO2005/030482A1は、堆肥パッキング材としての方法および使用を開示する。WO2008/110541は、熱分解に対するポリヒドロキシブチレートの安定化の方法を開示する。
【0022】
リグニン
リグニンは、高等植物の木部構造の主要構成要素である。処理済リグニンは、木材パルプ反応の副産物として得られる。リグニン産物には、例えば、亜硫酸塩、硫酸塩、およびアルカリ廃液から得ることができる、リグニンスルホン酸塩、アルカリリグニン、およびオキシリグニンがある(Snook,1982,Handbook for Pulp & Paper Technologists,TAPPI,Atlanta)。
【0023】
リグニンには様々な商業用途があることが分かっている。例えば、アルカリ可溶性リグニンは分散剤として使用されている。米国特許第3,726,850号は、クレイ、色素、殺有害生物剤、カーボンブラックおよび他の物質の分散剤のとしての、有機化学結合したイオウを実質的に含まない、アルカリ可溶性、オゾン処理リグニン製品の使用を開示する。米国特許第4,666,522号は、ワックス、油、脂質、アスファルト、およびこれらの混合物のエマルジョンを調製するためのリグニンスルホン酸塩製品の使用を開示する。酢酸リグニンは、水性系印刷用インク組成物における結合剤としての働きなどの、幾つかの施用に有用であることが報告されている(例えば、米国特許第4,612,051号参照)。米国特許第5,668,183号は、脂質可溶性物質を分散するためのリグニンスルホン酸塩製品の使用を開示する。さらに、リグニン−殺有害生物剤複合体の結合の幾つかの開示が存在している(例えば、米国特許第3,813,236号、Re.No.29,238として再発行された米国特許第3,929,453号、米国特許第4,381,194号、米国特許出願公開第20110015237、米国特許出願公開第2010136132、米国特許出願公開第20100278890、米国特許出願公開第20080113920、米国特許出願公開第2006247130、米国特許第7,867,507号、WO2003/005816、米国特許第5,994,266号参照)。
【0024】
安息香酸ナトリウム
安息香酸ナトリウムは、食品調製における抗菌剤として、様々な配合物において使用されている。例えば米国特許第6,599,514号は、抗真菌組成物全体の抗真菌活性に相乗効果をもたらす、抗真菌剤と食品添加剤を含む相乗的抗真菌組成物を開示する。米国特許第6,599,514号中に開示された食品添加剤は、ソルビン酸とソルビン酸塩、安息香酸と安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸、二酸化硫黄と亜硫酸塩、ビフェニルと誘導体、亜硝酸塩、硝酸塩、乳酸、乳酸塩、クエン酸とクエン酸塩、酒石酸と酒石酸塩、オルトリン酸とオルトリン酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸、コハク酸、1,4−ヘプトノラクトン、ニコチン酸、クエン酸三アンモニウム、クエン酸鉄アンモニウム、カルシウム2ナトリウムEDTA、グリセロール、ジ−、トリ−およびポリリン酸塩、脂肪酸(E470)、脂肪酸のモノ−およびジグリセリド(E471)、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドのエステル、炭酸塩、グルコン酸塩、塩素(E92S)、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)(E321)、t−ブチルヒドロキノン(THBQ)、没食子酸プロピル、ヘプトン酸カルシウム、フィット酸カルシウム、ジエチルエーテル、EDTA、2ナトリウム2水素EDTA、酢酸エチル、グリセロールモノ−、ジ−およびトリアセテート、グリシン、オキシステアリン、プロパン−1,2−ジオールおよびプロパン−2−01およびヘプトン酸ナトリウムを含んでいた。
【0025】
安息香酸ナトリウムは殺有害生物剤配合物においても使用されている。例えば、SC Johnsonによる米国特許第4,668,507号は、主な安定化形式が腐食阻害である加圧式スチール製エアロゾルデリバリーシステム中に含有される殺有害生物剤における、安息香酸ナトリウムの使用を教示する。米国特許第5,620,678号は、腐食阻害剤として安息香酸ナトリウムを含む殺虫配合物を開示する。米国特許第4,731,379号は、動物用シャンプーとして使用するとノミを殺傷する、安息香酸ナトリウムを含有する殺虫組成物を教示する。この特許では、殺虫剤の有効性を高めるため、または製品を安定化するための安息香酸ナトリウムの使用は示されておらず、そうではなくて、処理動物の創傷治癒を支援することが考えられている。米国特許第5,017,620号は、抗菌剤として使用すると保存中に製品を安定化する、安息香酸ナトリウムおよび他の知られている防腐剤を含有する殺虫組成物を教示する。米国特許第6,841,572号は、4.0から6.5の間のpHを有し、抗真菌および/または抗菌有効濃度のソルビン酸、安息香酸および乳酸、安息香酸、ソルビン酸、ヒドロキシメチルグリシン、乳酸およびプロピオン酸のナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアンモニウム塩、ならびにメチル、エチル、プロピルおよびブリルパラベン、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、および場合によっては酸性物質からなる群から選択される1つまたは複数の防腐剤化合物から本質的になる、生きた植物、作物、樹木、収穫前果実、野菜、葉、茎、根および花を処理するための水溶液を開示する。
【発明の概要】
【0026】
本発明は以下を提供する。
[1]
調節が望まれる
場所における、少なくとも一種のダニ有害生物(Acari pests)および/またはイエバエ科(Muscidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ハナバエ科(Anthomyidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、コガネムシ科(Scarabaiedae)に属する少なくとも一種の昆虫有害生物の外寄生
(infestation)を
調節するための方法であって、上記位置において節足動物および/またはイエバエ科(Muscidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ハナバエ科(Anthomyidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、コガネムシ科(Scarabaiedae)に属する1つまたは複数の昆虫有害生物の外寄生を
調節するのに有効である量の、(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株の上清、濾過物および/または抽出物、および/または上記上清、濾過物および/または抽出物由来の1つもしくは複数の代謝産物、ならびに(b)殺ダニ剤および/またはイエバエ科(Muscidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ハナバエ科(Anthomyidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、コガネムシ科(Scarabaiedae)に属する1つもしくは複数の昆虫有害生物に対して有効である殺虫剤である別の殺有害生物剤物質を施用することを含む方法。
[2]
調節が望まれる
場所が植物上、植物種子または土壌中である、上記[1]に記載の方法。
[3]上記ダニの外寄生がコダニの外寄生である、上記[1]に記載の方法。
[4]上記コダニの外寄生が四翅(Tetranychus)種の外寄生である、上記[1]に記載の方法。
[5]上記昆虫有害生物の外寄生がイエバエ(Musca)種、ミザス(Myzus)種、バクテリセラ(Bactericera)種、シクロセファラ(Cyclocephala)種、またはアルフィトビウス(Alphitobius)種、キイロショウジョウバエ(Drosophila)種、デリア(Delia)種、リゾトログス(Rhizotrogus)種、ポピラ(Popilla)種、アノマラ(Anomala)種またはオティオリンクス(Otiorhynchus)種の外寄生である、上記[1]に記載の方法。
[6]上記クロモバクテリウム(Chromobacterium)種がクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)Nov株である、上記[1]に記載の方法。
[7]上記昆虫有害生物の外寄生がムスカドメスティカス(Musca domesitcas)、キイロショウジョウバエスズキ(Drosophila suzukii)、デリアラジカム(Delia radicum)、ミザスペルシカエ(Myzus persicae)、バクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)、アルフィトビウスジアペリヌスキシ(Alphitobius diaperinusxi)、シクロセファラルリダ(Cyclocephala lurida)、リゾトログスマジャリス(Rhizotrogus majalis)、ポピラジャポニカ(Popilla japonica)、オティオリンクスサルカタス(Otiorhynchus sulcatus)、アノマラオリエンタリス(Anomala orientalis)の外寄生である、上記[1]に記載の方法。
[8]上記代謝産物が、
(a)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約840〜890の分子量を有し、(ii)約δ8.89、8.44、8.24、8.23、7.96、7.63、6.66、5.42、5.36、5.31、5.10、4.13、4.07、4.05、3.96、3.95、3.88、3.77、3.73、3.51、3.44、3.17、2.40、2.27、2.11、2.08、2.03、2.01、1.97、1.95、1.90、1.81、1.68、1.63、1.57、1.53、1.48、1.43、1.35、1.24、1.07、1.02、0.96、0.89、0.88、0.87、0.80の
1HNMR値を有し、(iii)約δ173.62、172.92、172.25、172.17、171.66、171.28、170.45、132.13、130.04、129.98、129.69、129.69、125.48、98.05、70.11、69.75、68.30、68.25、64.34、60.94、54.54、52.82、49.72、48.57、45.68、40.38、39.90、38.18、36.60、31.98、31.62、31.58、29.53、28.83、27.78、24.41、23.06、22.09、20.56、19.31、18.78、17.66、15.80の
13CNMR値を有する化合物、
(b)以下の(i)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(ii)有害生物に対して毒性がある、(iii)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約850〜900の分子量を有する、(iv)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約7〜12分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する化合物、
(c)構造##STR001##を有する化合物または殺有害生物剤として許容されるその塩もしくは立体異性体、
【化10】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(d)構造##STR001a##を有する化合物、
【化11】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、R2a、R2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(e)構造##STR001b##を有する化合物、
【化12】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
2a、R
2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(f)構造##STR001c##を有する化合物、
【化13】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、アリールまたはアリールアルキル部分、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R2a、R2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(g)以下の(i)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(ii)有害生物に対して毒性がある、(iii)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約325〜360の分子量を有する、(iv)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約8〜14分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する化合物、
(h)以下の(i)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(ii)有害生物に対して毒性がある、(iii)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約315〜350の分子量を有する、(iv)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約10〜15分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する化合物からなる群から選択される化合物である、上記[1]に記載の方法。
[9]上記代謝産物が、
【化14】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキル、ハロゲンであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)構造を有するビオラセイン(violaecin)誘導体である、上記[8]に記載の方法。
[10]上記代謝産物がビオラセイン、デオキシビオラセインおよびクロマミドAからなる群から選択される、上記[8]に記載の方法。
[11]上記位置において節足動物および/またはイエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、コガネムシ科(Scarabaeidae)またはゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)に属する1つまたは複数の昆虫有害生物の外寄生を
調節するのに有効である、(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株の上清、濾過物および/または抽出物、および/または上記上清、濾過物および/または抽出物由来の1つもしくは複数の代謝産物、ならびに(b)殺ダニ剤および/またはイエバエ科(Muscidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ハナバエ科(Anthomyidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、コガネムシ科(Scarabaiedae)に属する1つもしくは複数の昆虫有害生物に対して有効である可能性がある殺虫剤である別の殺有害生物剤物質を活性成分として含む殺有害生物剤の組合せ。
[12]植物における有害生物外寄生を
調節するための方法であって、上記有害生物外寄生を
調節するのに有効である量の、
(I)(a)殺有害生物剤活性を有し、
(b)LTQ Orbitrap XLハイブリッド型フーリエ変換質量分析計により決定して約950〜1450の分子量を有し、
(c)5.22(sext、1H)、2.62(dd、1H)、2.53(dd、1H)、および1.31(d、3H)の
1HNMRδ値を有し、(d)169.2、67.6、40.9、および19.8の
13CNMRδ値を有し、
(d)構造−(−O−CHCH
3−CH
2−CO−)
n−(式中、n=6〜50である)を含み、
(e)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である化合物、および
(II)場合によっては別の殺有害生物剤物質を、植物および/またはその種子および/または上記植物の成長に使用する培養基に施用することを含む方法。
[13]化合物(I)が、
【化15】
(式中、Xは独立に−O、−NR、または−Sであり、RはHまたはC
1〜C
10アルキルであり、Yは独立に−O、−Sであり、n=6〜50であり、R
1、R
2は各々独立にH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)構造を有する、上記[12]に記載の方法。
[14]化合物(I)が、
【化16】
(式中、n=10〜25である)構造を有する、上記[12]に記載の方法。
[15]有害生物が線虫または土壌媒介菌である、上記[12]に記載の方法。
[16](I)(a)殺有害生物剤活性を有し、
(b)LTQ Orbitrap XLハイブリッド型フーリエ変換質量分析計により決定して約950〜1450の分子量を有し、
(c)5.22(sext、1H)、2.62(dd、1H)、2.53(dd、1H)、および1.31(d、3H)の
1HNMRδ値を有し、(d)169.2、67.6、40.9、および19.8の
13CNMRδ値を有し、
(e)構造−(−O−CHCH
3−CH
2−CO−)
n−(式中、n=6〜50である)を含み、
(f)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である化合物と、
(II)場合によっては別の抗菌または殺有害生物剤物質を含む組合せ。
[17](i)殺有害生物剤活性を有し、(ii)LTQ Orbitrap XLハイブリッド型フーリエ変換質量分析計により決定して約950〜1450の分子量を有し、(iii)5.22(sext、1H)、2.62(dd、1H)、2.53(dd、1H)、および1.31(d、3H)の
1HNMRδ値を有し(iv)169.2、67.6、40.9、および19.8の
13CNMRδ値を有し、(iv)構造−(−O−CHCH
3−CH
2−CO−)
n−(式中、n=6〜50である)を含み、かつ(v)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である化合物を入手するための方法であって、
(A)上記化合物を生成するのに十分な条件下において全細胞培養ブロス中で、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株を培養すること、
(B)(A)で生成した上記化合物を上記全細胞培養ブロスから単離することを含む方法。
[18](a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種、濾過物、上清、抽出物、またはそれらに由来し殺有害生物剤活性を有する殺有害生物剤活性物質および
(b)リグニン塩および/または安息香酸塩である太陽光防御物質
を含む、安定状態の生物学的殺有害生物剤組成物。
[19]上記安息香酸塩がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または上記リグニン塩がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびそれらの組合せの中和イオン由来のリグニンスルホン酸塩から選択される、上記[1]に記載の組成物。
[20]上記クロモバクテリウム(Chromobacterium)種がクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)である、上記[18]に記載の組成物。
[21]上記クロモバクテリウム(Chromobacterium)種が少なくとも約5%の量で存在する、および/または上記太陽光防御物質が少なくとも約5%の量で存在する、上記[18]に記載の組成物。
[22]太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物殺有害生物剤を含む組成物を安定化させるための方法であって、上記生物殺有害生物剤がクロモバクテリウム(Chromobacterium)種であり、太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物学的殺有害生物剤組成物を安定化するのに有効な量の安定剤を、上記生物学的殺有害生物剤組成物に施用することを含む方法。
[23]安定剤およびリグノスルホン酸塩を含む組成物を生成するための、安息香酸塩およびリゴンスルホン酸塩および生物殺有害生物剤からなる群から選択される安定剤の使用であって、得られた上記組成物を太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して安定化させる使用。
クロモバクテリウムピスシンエア(Chromobacterium piscinae)、クロモバクテリウムシュードビオラセム(C.pseudoviolaceum)、クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)、およびより詳細にはクロモバクテリウムサブスチュガエ種nov(Chromobacterium substugae sp.nov)株、およびさらにより詳細には米国特許第7,244,607号中に記載されたNRRLB−30655の確認済みの特性を有するクロモバクテリウムサブスチュガエ種nov(Chromobacterium substugae sp.nov)株だけには限られないが、これらを含めた、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株、特にビオラセイン産生株の上清、濾過物および/または抽出物、および/または前記上清、濾過物および/または抽出物由来の1つまたは複数の代謝産物を含むかまたはそれらを使用する、1つまたは複数のダニ(Acari)(節足動物)、イエバエ科(Muscidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ハナバエ科(Anthomyidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、および/またはコガネムシ科(Scarabaiedae)有害生物の
外寄生の調節
のための組成物および方法を提供する。
【0027】
具体的には、
調節が望まれる
場所における、節足動物(ダニまたはダニ目)および/またはハナバエ科(Anthomyidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、イエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)またはコガネムシ科(Scarabaiedae)に属する一種または複数種の昆虫有害生物の外寄生を
調節するための方法であって、前記
場所において節足動物および/またはハナバエ科(Anthomyidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、イエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)またはコガネムシ科(Scarabaiedae)に属する一種もしくは複数種の昆虫有害生物の外寄生を
調節するのに有効である量の、(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株の上清、濾過物および/または抽出物、および/または前記上清、濾過物および/または抽出物由来の1つまたは複数の代謝産物、ならびに(b)別の殺有害生物剤物質、特に殺ダニ剤および/またはダニおよび/またはハナバエ科(Anthomyidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、イエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)もしくはコガネムシ科(Scarabaiedae family)に属する一種もしくは複数種の昆虫有害生物に対して有効である可能性がある殺虫剤を施用することを含む方法を提供する。
【0028】
具体的な実施形態では、ダニの外寄生は四翅種(Tetranychidae)(コダニ)の外寄生である。より具体的な実施形態では、コダニの外寄生はテトラニチャスウルティカエ(Tetranychus urticae)の外寄生である。
【0029】
別の具体的な実施形態では、昆虫有害生物の外寄生はイエバエ(Musca)種、ミザス(Myzus)種、バクテリセラ(Bactericera)種、シクロセファラ(Cyclocephala)種、またはアルフィトビウス(Alphitobius)種、キイロショウジョウバエ(Drosophila)種、デリア(Delia)種、リゾトログス(Rhizotrogus)種、ポピラ(Popilla)種、アノマラオリエンタリス(Anomala)種またはオティオリンクス(Otiorhynchus)種の外寄生である。さらにより具体的な実施形態では、昆虫有害生物の外寄生はムスカドメスティカス(Musca domesitcas)(イエバエ)、キイロショウジョウバエスズキ(Drosophila suzukii)(スポットウイングキイロショウジョウバエ)、デリアラジカム(Delia radicum)(キャベツ根蛆虫)、ミザスペルシカエ(Myzus persicae)(モモアカアブラムシ)、バクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)(ジャガイモシストセンチュウ)、アルフィトビウスジアペリヌスキシ(Alphitobius diaperinusxi)(リタービートル)、シクロセファラルリダ(Cyclocephala lurida)(ジムシ)、リゾトログスマジャリス(Rhizotrogus majalis)(ミナミメンガタカメムシ)、ポピラジャポニカ(Popilla japonica)(マメコガネ)、オティオリンクスサルカタス(Otiorhynchus sulcatus)(キンケクチブトゾウムシ)、アノマラオリエンタリス(Anomala orientalis)(セマダラコガネ)である。
【0030】
ダニ(Acari)、ハナバエ科(Anthomyidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、イエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)またはコガネムシ科(Scarabaiedae)に属する1つまたは複数の昆虫有害生物に対して有効である可能性があり、(a)と(b)が場合によっては相乗効果量で存在し得る、(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種株の上清、濾過物および/または抽出物、および/または前記上清、濾過物および/または抽出物由来の1つまたは複数の代謝産物(複数可)、および(b)別の殺有害生物剤物質、特に殺ダニ剤および/または殺虫剤を活性成分として含む、ダニ(Acari)、ハナバエ科(Anthomyidae)、キイロショウジョウバエ科(Drosophilidae)、イエバエ科(Muscidae)、アリマキ科(Aphididae)、トガリキジラミ科(Triozidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)またはコガネムシ科(Scarabaiedae)に属する少なくとも1つの節足動物および/または1つまたは複数の昆虫有害生物の外寄生を
調節する殺有害生物剤の組合せも本明細書で提供する。殺有害生物剤物質は、(a)微生物由来、(b)天然産物および/または(c)化学物質殺有害生物剤、および特に化学物質殺虫剤であってよい。
【0031】
一実施形態では、代謝産物は、(a)殺有害生物剤活性を有し、(b)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約840〜900の分子量を有し、かつ(c)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLCカラムにおいて約7〜12分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有し、かつ(d)場合によってはクロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である化合物であってよい。一実施形態では、化合物はペプチドであってよい。
【0032】
特定の実施形態では、化合物は、
13CNMRにより決定して、43個の炭素、7個のメチル、10個のメチレン炭素、12個のメチン、6個のオレフィンメチン、および8個の第四級炭素を有する。さらに特定の実施形態では、化合物は、それぞれ##STR001#、##STR001a##、##STR001b##、##STR001c##として示す化合物「A」、「B」、「C」、「D」を包含する。
【0033】
具体的な一実施形態では、化合物「A」は、(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能であり、(b)有害生物に対して毒性があり、(c)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約840〜890、およびより詳細には860の分子量を有し、(d)δ8.89、8.44、8.24、8.23、7.96、7.63、6.66、5.42、5.36、5.31、5.10、4.13、4.07、4.05、3.96、3.95、3.88、3.77、3.73、3.51、3.44、3.17、2.40、2.27、2.11、2.08、2.03、2.01、1.97、1.95、1.90、1.81、1.68、1.63、1.57、1.53、1.48、1.43、1.35、1.24、1.07、1.02、0.96、0.89、0.88、0.87、0.80の
1HNMR値を有し、δ173.62、172.92、172.25、172.17、171.66、171.28、170.45、132.13、130.04、129.98、129.69、129.69、125.48、98.05、70.11、69.75、68.30、68.25、64.34、60.94、54.54、52.82、49.72、48.57、45.68、40.38、39.90、38.18、36.60、31.98、31.62、31.58、29.53、28.83、27.78、24.41、23.06、22.09、20.56、19.31、18.78、17.66、15.80の
13CNMR値を有し、(e)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約7〜12分、より具体的には約9分、およびより一層具体的には約9.08分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する。
【0034】
別の具体的な実施形態では、化合物「B」は、以下の(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(b)有害生物に対して毒性がある、(c)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約850〜900、およびより詳細には874の分子量を有する、(d)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約7〜12分、より具体的には約9分、およびより一層具体的には約9.54分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する。
【0035】
代謝産物は、
(A)構造##STR001##を有する化合物または殺有害生物剤として許容されるその塩もしくは立体異性体、
【0036】
【化1】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(B)構造##STR001a##を有する化合物、
【0037】
【化2】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、R
2a、R
2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(C)構造##STR001b##を有する化合物、
【0038】
【化3】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R
2a、R
2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)
(D)構造##STR001c##を有する化合物、
【0039】
【化4】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、アリールまたはアリールアルキル部分、置換低級アルキルであり、XはO、NH、NRまたはSであり、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり、R2a、R2bは−H、アルキル、低級アルキル、置換アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、独立にアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)だけには限られないが、これらを含めた化合物であってもよい。
【0040】
より特定の実施形態では、代謝産物はクロマミドA(1)である。
【0042】
特定の実施形態では、代謝産物は、以下の(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(b)1つまたは複数の有害生物に対して毒性がある、(c)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約325〜360、およびより詳細には343の分子量を有する、(d)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約8〜14分、より具体的には約10分、およびより一層具体的には約10.88分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する化合物「C」である。特定の実施形態では、化合物「C」はビオラセイン(2)、クロモバクテリウムビオラセウム(Chromobacterium violaceum)から初期に単離した周知の化合物であってよい。
【0043】
別の実施形態では、前述の組成物および方法において使用する別の代謝産物は、以下の(a)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である、(b)有害生物に対して毒性がある、(c)液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により決定して約315〜350、およびより詳細には327の分子量を有する、(d)0.5mL/分の流量および210nmのUV検出において勾配溶媒系(0〜20分、90〜0%水性CH
3CN、20〜24分、100%CH
3CN、24〜27分、0〜90%水性CH
3CN、27〜30分、90%水性CH
3CN)で水:アセトニトリル(CH
3CN)を使用し、逆相C−18HPLC(Phenomenex、Luna5μC18(2)100A、100×4.60mm)カラムにおいて約10〜15分、より具体的には約12分、およびより一層具体的には約12.69分の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)保持時間を有する、特性を有する化合物「D」である。特定の実施形態では、化合物「D」はデオキシビオラセイン(3)、クロモバクテリウムビオラセウム(Chromobacterium violaceum)から初期に単離した周知の化合物として特徴付けることができる。
【0044】
別の具体的な実施形態では、化合物は以下の
【0045】
【化6】
(式中、Rは−H、1、2、3、4、5、6、7、8または9つのアルキル部分、アリールまたはアリールアルキル部分を含有する低級鎖アルキル、置換低級アルキル、ハロゲンであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9は各々独立にHであり、同じであるかまたは異なっており、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)構造を有することができる。
【0046】
(1)植物における有害生物(例えば、線虫、昆虫、土壌媒介菌)の外寄生を
調節するための方法、または土壌中の土壌媒介菌を
調節するための方法であって、
前記植物における外寄生を
調節するのに有効である量の、
(I)(a)殺有害生物剤および/または抗菌活性を有し、
(b)LTQ Orbitrap XLハイブリッド型フーリエ変換質量分析計により決定して約950〜1450の分子量を有し、
(c)5.22(sext、1H)、2.62(dd、1H)、2.53(dd、1H)、および1.31(d、3H)の1HNMRδ値を有し、169.2、67.6、40.9、および19.8の13CNMRδ値を有し、
(d)構造−(−O−CHCH3−CH2−CO−)n−(式中、n=6〜50である)を含み、
(e)クロモバクテリウム(Chromobacterium)種から入手可能である化合物、および
(II)場合によっては別の殺有害生物剤物質を、植物および/またはその種子および/または前記植物の成長に使用する培養基に施用することを含む方法をさらに提供する。
【0048】
【化7】
(式中、Xは独立に−O、−NR、または−Sであり、RはHまたはC
1〜C
10アルキルであり、Yは独立に−O、−Sであり、n=6〜50であり、R
1、R
2は各々独立にH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、チオアルキル、置換チオアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、カルボキシル、−C(O)H、アシル、オキシアシル、カルバメート、スルホニル、スルホンアミド、またはスルフリルである)構造を有することができる。
【0050】
【化8】
(式中、n=10〜25である)構造を有する。
【0051】
最も具体的な実施形態では、(I)はアルファ酪酸である。
【0052】
前述の化合物を入手するための方法をさらに提供する。この方法は、化合物を生成するのに十分な条件下において全細
胞ブロス中でクロモバクテリウム(Chromobacterium)種株を培養すること、および全細
胞ブロスから生成した化合物を単離することを含む。
【0053】
関連態様では、太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物殺有害生物剤組成物を安定化させるための方法であって、太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物殺有害生物剤組成物を安定化するのに有効な量の安定剤を、前記生物殺有害生物剤組成物に施用することを含む方法を開示する。このような作用物質を含む組成物も提供する。特定の実施形態では、殺有害生物剤組成物は、少なくとも約0.5%、および特に乾燥細胞重量に基づいて約0.5wt%から約30wt%の間の量で存在してよい、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種、濾過物、上清、抽出物、またはそれらに由来する殺有害生物剤活性物質を含む。特定の実施形態では、安定剤は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、およびそれらの組合せだけには限られないが、これらを含めた、安息香酸塩および/またはリグニン塩、特にリグニンスルホン酸塩であってよく、少なくとも約2.5wt%の量で存在してよく、約5%〜15%の量で存在し得ることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本明細書中の組成物および方法は様々な変更形態および代替形の影響を受けやすいが、例示的な実施形態を本明細書中で詳細に記載する。しかしながら、開示する特定の形に本発明を限定する意図はなく、そうではなく逆に本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の精神および範囲内にある全ての変更形態、均等物、および代替を包含することは理解されるはずである。
【0056】
一定範囲の値を提供する場合、各々の介在値、文脈が他のことを明らかに示さない限り下限単位の十分の一まで、その範囲の上限と下限の間、およびその言及範囲の任意の他の言及もしくは介在値が、その中に含まれることは理解される。より狭い範囲も含まれる。言及範囲の任意の具体的に排除される限界を考慮して、これらのより狭い範囲の上限と下限もその中に含まれる。
【0057】
他に定義しない限り、本明細書中で使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有するものとする。本明細書中に記載するのと類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実践または試験において使用することも可能であるが、好ましい方法および材料をここで記載する。
【0058】
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用するように、文脈が他のことを明らかに示さない限り、単数形「a」、「and」および「the」は複数形を含むことを記さなければならない。
【0059】
本明細書中で定義する「由来」は、特定供給源から直接単離もしくは入手すること、または代替的に特定供給源から単離もしくは入手した物質もしくは生物の確認済みの特性を有することを意味する。
【0060】
本明細書中で定義する「担体」は、活性成分と一緒に混合または配合して、処理対象の植物もしくは他の物体へのその施用、またはその保存、輸送および/または処理を容易にする不活性の、有機または無機物質である。
【0061】
本明細書中で定義する用語「
調節」を使用して、有害生物外寄生の量または有害生物外寄生の拡大率を変えることを意味する。
【0062】
本明細書中で定義する用語「有害生物外寄生」は、宿主集団内の疾患もしくは内寄生または成長系内の望ましくない雑草の出現を含めた、有害な効果を引き起こす量の有害生物の存在である。
【0063】
本明細書中で定義する「殺有害生物剤」は、植物有害生物の死亡率を高めるかまたは増殖率を抑制する生物製品もしくは化学物質由来の物質であり、抗線虫薬、殺虫剤、除草剤、植物用抗真菌剤、植物用殺菌剤、および植物用抗ウイルス剤だけには限られないが、これらを含む。
【0064】
本明細書中で定義する「生物殺有害生物剤」は、殺有害生物剤的性質を有する微生物である。
【0065】
生成の方法
前述のように生物殺有害生物剤は、クロモバクテリウム(Chromobacterium)種の確認済みの特性を有する生物、より詳細にはクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)株の確認済みの特性を有する生物、より詳細にはNRRLB−30655の確認済みの特性を有し得るクロモバクテリウムサブスチュガエ種nov(Chromobacterium substugae sp.nov)株、または代替的に任意の他の微生物を含む、またはその生物に由来する可能性がある。本発明の方法は、これらの生物を培養すること、およびこれらの生物の培養物からのこれらの化合物の単離によって、本発明の化合物および/または組成物を入手することを含む。
【0066】
特に、当技術分野で知られている方法を使用し栄養培地中で生物を培養する。細胞増殖を可能にするのに適した培地および条件下において実施し、研究室または工業用発酵槽中で、攪拌フラスコ培養、(連続、バッチ、供給バッチ、もしくは固形状態発酵だけには限られないが、これらを含めた)小規模もしくは大規模発酵によって、生物を培養することができる。当技術分野で知られている手順を使用して、炭素および窒素源および無機塩を含む適切な栄養培地中で、培養を実施することができる。利用可能な適切な培地は市販の供給源から入手することができ、または公開済みの組成に従い調製することができる。
【0067】
培養後、本発明の化合物および/または組成物を細胞培養ブロスから抽出することができる。抽出物はクロマトグラフィーにより分画化することができる。
【0068】
組成物
本明細書中に開示する組成物および方法において使用する前述の物質は、任意の形式で配合することができる。非制限的な配合物の例には、エマルジョン化可能濃縮物(EC)、湿潤性粉末(WP)、可溶性液体(SL)、エアロゾル、超低量濃縮溶液(ULV)、可溶性粉末(SP)、マイクロカプセル化物質、水中分散性顆粒剤、流動性物質(FL)、マイクロエマルジョン(ME)、ナノエマルジョン(NE)などがあるが、これらだけには限られない。本明細書中に記載する任意の配合物において、活性成分の割合は0.01%〜99.99%の範囲内である。
【0069】
組成物は液体、ゲルまたは固体の形であってよい。液体組成物は、クロモバクテリウム(Chromobacterium)株、例えばクロモバクテリウムサブスチュガエ種Nov(Chromobacterium substugae sp.Nov)の確認済みの特性を有する株、およびより詳細にはNRRLB−30655の確認済みの特性を有する株(米国特許第7,244,607号参照)由来の殺有害生物剤化合物を含む。
【0070】
固形組成物は、殺有害生物剤化合物の溶液中に固形担体を懸濁し、室温での蒸発または65℃以下での真空蒸発などの穏やかな条件下で、懸濁液を乾燥させることによって調製することができる。
【0071】
組成物は、クロモバクテリウム(Chromobacterium)株由来のゲルカプセル化合物を含むことができる。このようなゲルカプセル材料は、ゲル形成物質(例えば、ゼラチン、セルロース、またはリグニン)と、生もしくは不活化クロモバクテリウム(Chromobacterium)の培養物もしくは懸濁液、またはクロモバクテリウム(Chromobacterium)の培養物もしくは懸濁液の無細胞濾過物もしくは細胞画分、または噴霧もしくは凍結乾燥培養物、本発明の方法中で使用する殺有害生物剤化合物の溶液中の細胞もしくは細胞画分を混合し、作用物質のゲル形成を誘導することによって調製することができる。
【0072】
組成物は、活性成分のエマルジョン化、分散、湿潤、拡散、統合、崩壊防除、安定化、および流動性の改善または錆抑制の目的で使用する界面活性剤を追加的に含むことができる。特定の実施形態では、界面活性剤は、好ましくはEPA Inerts List 4Bに属する非植物毒性非イオン性界面活性剤である。別の特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤はポリオキシエチレン(20)モノラウレートである。界面活性剤の濃度は配合物全体の0.1〜35%の範囲であってよく、好ましい範囲は5〜25%である。非イオン性、アニオン性、両性およびカチオン性分散剤および乳化剤などの分散剤および乳化剤、ならびに利用する量の選択は、組成物の性質、および本発明の組成物の分散を容易にする作用物質の能力によって決定する。
【0073】
前述の組成物は、太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物殺有害生物剤組成物を安定化させる安定剤も含む。この安定剤は、安息香酸塩またはリグニンスルホン酸塩であってよい。
【0074】
前述の組成物は、別の微生物および/または殺有害生物剤(例えば、抗線虫薬、抗真菌剤、殺虫剤、抗生物質または抗菌剤)と組合せることができる。微生物は、バシラス(Bacillus)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、ブレババシラス(Brevabacillus)種、レカニシリウム(Lecanicillium)種、非アンペロマイセス(non-Ampelomyces )種、シュードザイマ(Pseudozyma)種、ストレプトマイセス(Streptomyces)種、バークホルデリア(Burkholderdia)種、トリコデルマ(Trichoderma)種、グリオクラジウム(Gliocladium)種由来の作用物質だけには限られないが、これらを含むことができる。あるいは作用物質は、抗真菌および/または殺虫活性を有する天然油または油製品であってよい(例えば、パラフィンオイル、チャノキオイル、レモングラスオイル、丁子油、シナモンオイル、シトラスオイル、ローズマリーオイル)。さらに殺有害生物剤は、ベンズイミダゾール、脱メチル化阻害剤(DMI)(例えば、イミダゾール、ピペラジン、ピリミジン、トリアゾール)、モルホリン、ヒドロキシピリミジン、アニリノピリミジン、ホスホロチオレート、キノン外部阻害剤、キノリン、ジカルボキシミド、カルボキシミド、フェニルアミド、アニリノピリミジン、フェニルピロール、芳香族炭化水素、桂皮酸、ヒドロキシアニリド、抗生物質、ポリオキシン、アシルアミン、フタリミド、ベンゼノイド(キシリルアラニン)、イミダゾール、ピペラジン、ピリミジンおよびトリアゾール(例えば、ビテルタノール、マイクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、トリアジメフォン、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジニコナゾール、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール)、マイクロブタニルからなる群から選択される脱メチル化阻害剤、およびキノン外部阻害剤(例えば、ストロビルリン)だけには限られないが、これらを含み得る1箇所への抗真菌剤であってよい。ストロビルリンは、アゾキシストロビン、クレソキシム−メトイルまたはトリフロキシストロビンだけには限られないが、これらを含むことができる。さらに別の特定の実施形態では、抗真菌剤は、キノン、例えばキノキシフェン(5,7−ジクロロ−4−キノリル4−フルオロフェニルエーテル)である。抗真菌剤は、レイノウトリア(Reynoutria)抽出物から誘導することもできる。
【0075】
抗真菌剤は、クロロニトリル、キノキサリン、スルファミド、ホスホネート、ホスファイト、ジチオカルバメート、クロルアルキルチオ、フェニルピリジン−アミン、シアノ−アセトアミドオキシムからなる群から選択される複数箇所への有機、化学物質抗真菌剤であってもよい。
【0076】
前述のように組成物は、殺虫剤をさらに含むことができる。殺虫剤は、アベルメクチン、Bt、ニームオイル、スピノサド、米国特許出願公開第2011−0207604中で言及されたバークホルデリア(Burkholderdia)種用殺虫剤、ベアウベリアバシアナ(Beauveria bassiana)のような昆虫病原性真菌、ならびに有機塩素系殺虫剤、有機リン殺虫剤、カルバメート、ピレスロイド、およびネオニコチノイドを非制限的に含む化学物質殺虫剤だけには限られないが、これらを含むことができる。
【0077】
前述のように、組成物は抗線虫薬をさらに含むことができる。この抗線虫薬は、アベルメクチン、バイオーム(バチルスフィルムス(Bacillus firmus))、パステウリア(Pasteuria)種などの微生物用製品、およびサポニンなどの有機物製品だけには限られないが、これらを含むことができる。
【0078】
使用
前述の組成物、培養物および上清および殺有害生物剤化合物は、殺有害生物剤として使用することができる。特に、前述の化合物または組成物は殺虫剤、(土壌媒介菌に対する)殺菌剤および抗線虫薬として使用することができる。具体的には、前述の方法を使用して防除することができる線虫には、メロイドジン(Meloidogyne)種、チレンコルヒンチャス(Tylenchorhynchus)種、ホプロライムス(Hoplolaimus)種、ヘリコティレンクス(Helicotylenchus)種、プラティレンクス(Pratylenchus)種、ヘテロデラ(Heterodera)種、グロボデラ(Globodera)種、トリコドルス(Trichodorus)種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)種、キシフェネア(Xiphinema)種、およびクリコネマ(Criconema)種、特にメロイドジンインコグニタ(Meloidogyne incognita)(根瘤線虫)、ならびにグロボデラロストシエンシス(Globodera rostochiensis)およびグロボデラパイリダ(globodera pailida)(ジャガイモシストセンチュウ)、ヘテロデラグリシン(Heterodera glycines)(ダイズシストセンチュウ)、ヘテロデラスチャッチ(Heterodera schachtii)(ビートシストセンチュウ)、およびヘテロデラアビーナ(Heterodera avenae)(シリアルシストセンチュウ)を非制限的に含めた、根瘤、シスト、および病変線虫などの寄生線虫だけには限られないが、これらを含む。
【0079】
前述のように、前述の活性成分(複数可)および組成物は、パノニカスシトリ(Panonychus citri)(柑橘ハダニ)、およびパノニカスウルミ(Panonychus ulmi)(アカハダニ)などのパノニカス(Panonychus)種、テトラニカスカンザビ(Tetranychus kanzawi)(カンザワハダニ)、テトラニカスウルティカエ(Tetranychus urticae)(2スポットハダニ)、テトラニカスパシフィカス(Tetranychus pacificus)(パシフィックハダニ)、テトラニカスツルケスタニ(Tetranychus turkestanii)(イチゴダニ)、およびテトラニカスシンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)(カルミンハダニ)などのテトラニカス(Tetranychus)種、オリゴニカスパニカエ(Oligonychus panicae)(アボカドチャダニ)、オリゴニカスペルセアエ(Oligonychus perseae)(クスノキダニ)、オリゴニカスプラテンシス(Oligonychus pratensis)(バンクスグラスダニ)、およびオリゴニカスコフェア(Oligonychus coffeae)などのオリゴニカス(Oligonychus)種、アクラスコロナタス(Aculus cornatus)(ピーチシルバーダニ)、アクラスフォッケニ(Aculus fockeni)(プラムサビダニ)、およびアクラスリコペルシシ(Aculus lycopersici)(トマトサビダニ)などのアクラス(Aculus)種、エンテトラニカスウィラメッティ(Eotetranychus wilametti)、エンテトラニカスユメンシス(Eotetranychus yumensis)(ユマハダニ)、およびエンテトラニカスセクスマクラティス(Eotetranychus sexmaculatis)(6スポットダニ)などのエンテトラニカス(Eotetranychus)種、ブリオビアルブリオクルス(Bryobia rubrioculus)(チャダニ)、エピトリメルスピリ(Epitrimerus pyri)(ナシサビダニ)、フィトプタスピリ(Phytoptus pyri)(ナシハダニ)、アカリティスエシジ(Acalitis essigi)(レッドベリーダニ)、ポリファゴタルソネムスラタス(Polyphagotarsonemus latus)(ソラマメダニ)、エリオフィエスシェルドニ(Eriophyes sheldoni)(柑橘芽ダニ)、ブレビパルプスレビシ(Brevipalpus lewisi)(シトラスフラットダニ)、フィロコプトルタオレイボラ(Phylocoptruta oleivora)(柑橘サビダニ)、ペトロビアラテエンス(Petrobia lateens)(コムギチャダニ)、オキシエヌスマキシウェリ(Oxyenus maxwelli)(オリーブダニ)、リゾグリファス(Rhizoglyphus)種、チロファグス(Tyrophagus)種、ジプタクスギガントルフィンクス(Diptacus gigantorhyncus)(ビッグヘッドプラムダニ)およびペンタレアメジャー(Penthaleaa major)(白小麦ダニ)、アボカドアカダニ、フラットダニ、クロおよびアカマンゴーハダニ、パパイヤリーフエドゲローラーダニ(Papaya leaf edgeroller mite)、テキサスシトラスダニ(Texas citrus mite)、ヨーロッパアカダニ(European red mite)、グレープエリネウムダニ(Grape erineum mite)(水疱ダニ)、パシフィックハダニ(Pacific spider mite)、ウィラメットハダニ(Willamette spider mite)、ピンクシトラスサビダニ(Pink citrus rust mite)だけには限られないが、これらを含めたコダニなどのダニ(Acari)(節足動物)を含有する場所に施すこともできる。このような場所は、このようなコダニまたは他の節足動物(例えば、アフェニド(aphenids))が侵入する穀物だけには限られないが、これらを含むことができる。このような場所は、このようなコダニまたは他の節足動物(例えば、アフェニド(aphenids))が外寄生する穀物だけには限られないが、これらを含むことができる。
【0080】
前述の方法によって防除される植物病原性の昆虫には、目(a)鱗翅目、例えば、アクレリス(Acleris)種、アドキソフィエス(Adoxophyes)種、アエゲリア(Aegeria)種、アグロティス(Agrotis)種、アラバマアルギランス(Alabama argillaceae)、アミロイス(Amylois)種、アンティカルシアゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチップス(Archips)種、アルギロタエニア(Argyrotaenia)種、オートグラファ(Autographa)種、ブセオラフスカ(Busseola fusca)、カドラーカウテラ(Cadra cautella)、カルポシナニッポネンシス(Carposina nipponensis)、チロ(Chilo)種、コリストネウラ(Choristoneura)種、クリシアアンビグエラ(Clysia ambiguella)、シナファロクロシス(Cnaphalocrocis)種、シネファシア(Cnephasia)種、コチリス(Cochylis)種、コレオフォラ(Coleophora)種、クロシドロミアビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビアロイコトレア(Cryptophlebia leucotreta)、シディア(Cydia)種、ディアトラエア(Diatraea)種、ディパロプシスカスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス(Earias)種、エフェスティア(Ephestia)種、ユーコスマ(Eucosma)種、ユーポエシラアンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、ユープロクティス(Euproctis)種、ユークソア(Euxoa)種、グラホリタ(Grapholita)種、ヘドヤヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオティス(Heliothis)種、ヘルラウンダリス(Hellula undalis)、ヒファントリアクネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリアリコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラシテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス(Lithocollethis)種、ロベシアボトラナ(Lobesia botrana)、リーマントリア(Lymantria)種、リオネティア(Lyonetia)種、マラコソーマ(Malacosoma)種、マメストラブラシカエ(Mamestra brassicae)、マンジュカセクスタ(Manduca Sexta)、オペロフテラ(Operophtera)種、オストリニアヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パムメン(Pammene)種、パンデミス(Pandemis)種、パノリスフラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエアオペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリスラパエ(Pieris rapae)、ピエリス(Pieris)種、プルテラキシロステラ(Plutella xylostella)、ピレイス(Prays)種、シルポファーガ(Scirpophaga)種、セサミア(Sesamia)種、スパルガノティス(Sparganothis)種、スポンドプテラ(Spodoptera)種、シナンテドン(Synanthedon)種、サウメトポエア(Thaumetopoea)種、トルトリクス(Tortrix)種、トリコプルシアニ(Trichoplusia ni)およびヤポノメウタ(Yponomeuta)種、(b)鞘翅目、例えば、アグリオテス(Agriotes)種、アルフィトビウス(Alphitobius)種、アノモラ(Anomola)種、例えばアノモラオリエンタリス(Anomala orientalis)、アントノムス(Anthonomus)種、アトマリアリネアリス(Atomaria linearis)、カエトクネマティビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポライト(Cosmopolites)種、クルクリオ(Curculio)種、シクロセファラ(Cyclocephala)種、例えばシクロセファラルリダ(Cyclocephala lurida)、デルメステス(Dermestes)種、ディアブロティカ(Diabrotica)種、エピラチナ(Epilachna)種、エレムヌス(Eremnus)種、レプチノタルサデセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソルホプトラス(Lissorhoptrus)種、メロロンタ(Melolontha)種、オリカエフィルス(Orycaephilus)種、オチオリンカス(Otiorhynchus)種、オチオリンカスサルカタス(Otiorhynchus sulcatus)、フィリクティヌス(Phlyctinus)種、ポピリア(Popillia)種、例えばポピリアジャポニカ(Popilla japonica)、シリオデス(Psylliodes)種、リゾペルタ(Rhizopertha)種、例えばリゾトロガスマジャリス(Rhizotrogus majalis)、シトフィラス(Sitophilus)種、シトトロガ(Sitotroga)種、テネブリオ(Tenebrio)種、トリボリウム(Tribolium)種およびトロゴデルマ(Trogoderma)種、(c)直翅目、例えば、ブラッタ(Blatta)種、ブラッテラ(Blattella)種、グリロタルパ(Gryllotalpa)種、ロイコファエアマデラエ(Leucophaea maderae)、ロカスタ(Locusta)種、ペリプラネタ(Periplaneta)種およびシストセルカ(Schistocerca)種、(d)等翅目、例えば、レティクリテルメス(Reticulitermes)種、(e)乾癬翅目、例えば、リポセリス(Liposcelis)種、(f)アノプルラ目(Anoplura)、例えば、ヘマトピヌス(Haematopinus)種、リノグナタス(Linognathus)種、ペディクルス(Pediculus)種、ペンフィグス(Pemphigus)種およびフィロキセラ(Phylloxera)種、(g)マロファーガ目(Mallophaga)、例えば、ダマリネア(Damalinea)種およびトリコデクス(Trichodectes)種、(h)総翅目、例えば、フランクリニエラ(Frankliniella)種、ヘルシノトンリップス(Hercinotnrips)種、タエニオスリップス(Taeniothrips)種、スリップスパルミ(Thrips palmi)、スリップスタバチ(Thrips tabaci)およびシルトスリップスアウランティ(Scirtothrips aurantii)、(i)異翅類、例えば、シメックス(Cimex)種、ディスタンティエラテオブロマ(Distantiella theobroma)、ジスデルカス(Dysdercus)種、ユーキスタス(Euchistus)種、ユーリガスター(Eurygaster)種、レプトコリサ(Leptocorisa)種、ネザラ(Nezara)種、ピエスマ(Piesma)種、ロードニウス(Rhodnius)種、サルベルゲラシングラリス(Sahlbergella singularis)、スコッチノファラ(Scotinophara)種およびトニアトーマ(Tniatoma)種、(j)同翅類、例えば、アレウロスリキサスフロコッサス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデスブラシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ(Aonidiella)種、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス(Aphis)種、アスピジオタス(Aspidiotus)種、バクテリセラ(Bactericera)種、ベミシアタバシ(Bemisia tabaci)、セロプラスター(Ceroplaster)種、クリソムファルスアオニジウム(Chrysomphalus aonidium)、クリソムファルスジクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コッカスヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エムポアスカ(Empoasca)種、エリオソーマラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロニューラ(Erythroneura)種、ガスカルディア(Gascardia)種、ラオデルファクス(Laodelphax)種、レカニウムコルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス(Lepidosaphes)種、マクロシフス(Macrosiphus)種、ミザス(Myzus)種、ネフォテティックス(Nephotettix)種、ニラパルバタ(Nilaparvata)種、パラトリア(Paratoria)種、ペムフィガス(Pemphigus)種、プラノコッカス(Planococcus)種、シュードアウラカスピス(Pseudaulacaspis)種、シュードコッカス(Pseudococcus)種、プシラ(Psylla)種、プルビナリアアエチオピカ(Pulvinaria aethiopica)、クアドラスピジオタス(Quadraspidiotus)種、ロパロシフム(Rhopalosiphum)種、サイセチア(Saissetia)種、スカホイデウス(Scaphoideus)種、シザフィス(Schizaphis)種、シトビオン(Sitobion)種、トリアレウロデスバポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トガリキジラミ(Triozidae)科、トリオザエリスレアエ(Trioza erytreae)およびウナスピスシトリ(Unaspis citri)、(k)半翅鞘、例えば、アクロミルメクスアッタ(Acromyrmex Atta)種、セファス(Cephus)種、ジプリオン(Diprion)種、ジプリオニダエ(Diprionidae)、ギルピニアポリトーマ(Gilpinia polytoma)、ホプロカンパ(Hoplocampa)種、ラシウス(Lasius)種、モノモリウムファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン(Neodiprion)種、ソレノプシス(Solenopsis)種およびヴェスパ(Vespa)種、(l)双翅目、例えば、ヤブカ(Aedes)種、アンセリゴナソカッタ(Antherigona soccata)、ビビオホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラエリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラティティス(Ceratitis)種、クリソミア(Chrysomyia)種、クテレブラ(Cuterebra)種、ダッカス(Dacus)種、デリア(Delia)種、デリアラジカム(Delia radicum)、キイロショウジョウバエ(Drosophila)種、例えばキイロショウジョウバエスズキ(Drosophila suzukii)、ファニア(Fannia)種、ガストロフィラス(Gastrophilus)種、グロッシナ(Glossina)種、ヒポデルマ(Hypoderma)種、ヒポボスカ(Hyppobosca)種、リリオミザ(Liriomyza)種、ルシリア(Lucilia)種、メラナグロミザ(Melanagromyza)種、イエバエ(Musca)種、オエストラス(Oestrus)種、オルセオリア(Orseolia)種、オシネラフリット(Oscinella frit)、ペゴミアヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア(Phorbia)種、ラゴレティスポモネラ(Rhagoletis pomonella)、シアラ(Sciara)種、ストモキシス(Stomoxys)種、アブ(Tabanus)種、タニア(Tannia)種およびティプラ(Tipula)種、(m)管翅目、例えば、セラトフィラス(Ceratophyllus)種およびキセノシラチェオピス(Xenopsylla cheopis)、(n)総尾目、例えばレピスマサッカリナ(Lepisma saccharina)由来、(o)半翅目、例えばバクテリセラ(Bactericera)種、例えばバクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)由来の非クリシダ(non-Culicidae)幼生昆虫があるが、これらだけには限られない。
【0081】
活性成分は、コガネムシ科(Scarabaiedae)有害生物を含有する場所に施すことができる。これらは、土壌、芝生および様々な観賞植物、樹木および野菜だけには限られないが、これらを含む。
【0082】
前述の活性成分(複数可)および組成物は、イエバエ科(Muscidae)有害生物を含有する場所に施すこともできる。これらは、屋内環境、ごみ箱、動物、動物(ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなど)が含有される、フェンス、畜舎、納屋、搾乳場、分娩舎などだけには限られないが、これらを含む。
【0083】
前述の活性成分(複数可)および組成物は、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)有害生物を含有する活性成分(複数可)および組成物を含有する場所に、さらに施すことができる。これらは、穀類保有柵、動物(ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマなど)が含有される、家禽類および家禽類保有柵(フェンス、畜舎、納屋、搾乳場、分娩舎など)だけには限られないが、これらを含む。
[実施例]
【0084】
前述の組成物および方法を、以下の非制限的な実施例中でさらに例示する。実施例は様々な実施形態を単に例示するものであり、本明細書中に列挙する材料、条件、重量比、プロセスパラメータなどに関して特許請求する本発明を限定するわけではない。
【実施例1】
【0085】
クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)からのクロマミド、デオキシビオラセインおよびビオラセインの抽出
以下の手順を、クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)の培養物から抽出した化合物の精製に使用する。
【0086】
L−ブロス中10−L発酵クロモバクテリウムサブスチュガエ(C.substugae)由来の培養ブロスを、室温で2時間225rpmにおいて樹脂で細胞懸濁液を攪拌することによって、Amberlite XAD−7樹脂で抽出する(Asolkar et al.,2006)。樹脂と細胞塊はチーズクロスを介した濾過によって回収し、蒸留水で洗浄して塩を除去する。樹脂、細胞塊、およびチーズクロスを次いでアセトン/メタノール(50/50)中に2時間浸し、その後アセトン/メタノールを濾過し、ロータリー式エバポレーターを使用して真空下で乾燥させて粗製抽出物を得る。次いで粗製抽出物を、Sephadex LH20サイズ排除クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/CH
3OH;50/50)を使用することにより分画化して7画分を得る(
図1)。次いでこれらの画分を、ロータリー式エバポレーターを使用して乾燥状態まで濃縮し、キャベツ根蛆虫(トリコプルシアニ(Trichoplusia ni))またはビートアーミーウォーム(Beet armyworm)スポードプテラエキシグア(Spodoptera exigua)を用いたフィーディングアッセイを使用して、生成した乾燥残渣を生物活性に関してスクリーニングする。次いで活性画分を、逆相HPLC(Spectra System P4000(Thermo Scientific)に施し純化合物を得て、次いでそれを前述のバイオアッセイでスクリーニングして活性化合物を位置特定/同定した。化合物の同一性を確認するため、LC/MSおよびNMRなどの追加的質量分析データを記録する。
【0087】
クロマミドA(1)および化合物Bはそれぞれ画分1および2から得て、一方ビオラセイン(2)およびデオキシビオラセイン(3)はSephadexLH20クロマトグラフィーから得た画分5から精製した。
【0088】
化合物の精製
HPLCC−18カラム(Phenomenex、Luna10uC18(2)100A、250×10)、2.5mL/分の流量および210nmのUV検出において、水:アセトニトリル勾配溶媒系(0〜10分、80〜75%水性CH
3CN、10〜45分、75〜60%水性CH
3CN、45〜55分、60〜50%水性CH
3CN、55〜65分、50〜100%水性CH
3CN、65〜70分、100%CH
3CN、55〜70分、0〜80%水性CH
3CN)を使用することによって、クロマミドA(1)の精製を実施した。活性化合物クロマミドA(1)は23.19分の保持時間を有する。
【0089】
HPLCC−18カラム(Phenomenex、Luna10uC18(2)100A、250×10)、2.5mL/分の流量および210nmのUV検出において、水:アセトニトリル勾配溶媒系(0〜10分、80〜75%水性CH
3CN、10〜45分、75〜60%水性CH
3CN、45〜55分、60〜50%水性CH
3CN、55〜65分、50〜100%水性CH
3CN、65〜70分、100%CH
3CN、55〜70分、0〜80%水性CH
3CN)を使用することによって本発明の化合物Bの精製を実施し、化合物Bは26.39分の保持時間を有していた。
【0090】
HPLCC−18カラム(Phenomenex、Luna10uC18(2)100A、250×10)、2.5mL/分の流量および210nmのUV検出において、水:アセトニトリル勾配溶媒系(0〜10分、70〜60%水性CH
3CN、10〜40分、60〜20%水性CH
3CN、40〜60分、20〜0%水性CH
3CN、60〜65分、100%水性CH
3CN、65〜75分、0〜70%水性CH
3CN)を使用することによってビオラセイン(2)およびデオキシビオラセイン(3)の精製を実施し、活性化合物ビオラセイン(2)は7.86分の保持時間を有しており、デオキシビオラセイン(3)は12.45分の保持時間を有していた。
【0091】
質量分析による化合物の分析
質量分析による活性ピークの分析を、LCQ DECA XP
plus質量分析計(Thermo Electron Corp.,San Jose,CA)においてフルスキャンモード(m/z 100〜1500Da)でポジティブとネガティブイオン化モードの両方を使用して、Thermo Finnigan LCQ Deca XP Plusエレクトロスプレー(ESI)装置で実施する。Thermo高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)装置は、Finnigan Surveyor PDAおよび検出器、オートサンプラーおよび、MSポンプおよび4.6mm×100mmのLuna C18 5μ100Aカラム(Phenomenex)を備えていた。溶媒系は水(溶媒A)とアセトニトリル(溶媒B)からなっていた。移動相は10%溶媒Bで始まり、20分かけて100%溶媒Bまで直線的に増大し、次いで4分間保ち、最後に3分かけて10%溶媒Bに戻し、3分間保つ。流量は0.5mL/分である。注射体積は10μLであり、サンプルはオートサンプラーにおいて室温で保つ。LCおよび逆相クロマトグラフィーを利用して、LC−MSによって化合物を分析する。質量分析による本発明の化合物の分析を以下の条件下で行う。窒素ガスの流量は、それぞれシースおよび補助/スイープガスの流量に関して30および15arbで固定した。エレクトロスプレーイオン化は、5000Vに設定したスプレー電圧および35.0Vのキャピラリー電圧で実施した。キャピラリー温度は400℃に設定した。データはXcaliburソフトウェアで分析した。クロマミドA(1)はポジティブイオン化モードで860の分子量を有する。別の活性化合物Bに関するLC−MSクロマトグラムは、ポジティブイオン化モードで874の分子量を示唆する。ビオラセイン(2)およびデオキシビオラセイン(3)は、ポジティブイオン化モードでそれぞれ313および327の分子量を有していた。
【0092】
NMR質量分析による化合物の分析
NMR−NMRスペクトルをBruker600MHz勾配磁場型質量分析計で測定した。参照は内部標準物質テトラメチルシラン(TMS、0.00ppm)に設定する。アミノ酸の分析はHitachi8800アミノ酸アナライザーで実施した。
【0093】
構造解明のため、分子量860を有する精製したクロマミドAを、600MHzNMR装置を使用してさらに分析し、それは8.89、8.44、8.24、8.23、7.96、7.63、6.66、5.42、5.36、5.31、5.10、4.13、4.07、4.05、3.96、3.95、3.88、3.77、3.73、3.51、3.44、3.17、2.40、2.27、2.11、2.08、2.03、2.01、1.97、1.95、1.90、1.81、1.68、1.63、1.57、1.53、1.48、1.43、1.35、1.24、1.07、1.02、0.96、0.89、0.88、0.87、0.80の
1HNMRδ値を有し(
図4参照)、173.62、172.92、172.25、172.17、171.66、171.28、170.45、132.13、130.04、129.98、129.69、129.69、125.48、98.05、70.11、69.75、68.30、68.25、64.34、60.94、54.54、52.82、49.72、48.57、45.68、40.38、39.90、38.18、36.60、31.98、31.62、31.58、29.53、28.83、27.78、24.41、23.06、22.09、20.56、19.31、18.78、17.66、15.80の
13CNMR値を有する。クロマミドAは白い固体として単離し、ESI高解像度質量分析計により分子式C
43H
68N
6O
12(不飽和度13)に関して分析した(obsdM
+m/z861.5376、calcdM
+m/z861.5343)。DMSO−d
6におけるクロマミドAの
1HNMRスペクトルデータは68のプロトンシグナルを示し、ヘテロ核結合NMR(HMQC)分析における炭素結合の欠如のため、その中で9のプロトン[δ
H:8.89、8.44、8.23、8.22、7.96、7.64、6.65、5.10、4.13]をNHまたはOHのいずれかとして割り当てた。
13CNMRスペクトルは7のカルボニルシグナル[δ
C:173.62、172.92、172.25、1.72.17、171.66、171.28、170.45]を示し、
1HNMRスペクトルでは、6個の特徴的なα−アミノプロトンシグナル[δ
H:4.07、4.06、3.96、3.95、3.88、3.72]を観察し、それはクロマミドAがペプチドであることを実証する。
【0094】
2DNMRデータの解釈によって、6、1ロイシン(Leu)、1バリン(Val)および1グルタミン(Gln)の3アミノ酸単位の割り当てに至った。これらのアミノ酸の存在はアミノ酸分析の結果によって確認し、それは前述の3アミノ酸の存在も示した。DEPTおよび2DNMRスペクトルデータのさらなる分析(COSY、HSQCおよびHMBC)によって、以下に示すような3個の下部構造I、IIおよびIIIの存在が確定した。
【0095】
【化9】
【0096】
1における3個の下部構造の結合は、α−アミノプロトンおよび/または第二級アミドプロトンおよびカルボニル炭素共鳴とケミカルシフトの考慮事項の間の関係を使用して、通常のHMBCNMR分析により実施した。下部構造II由来のC−10と下部構造I由来のC−9の結合は、CH
3−40[δ
H:1.00]およびアラニンのα−アミノプロトン[δ
H:3.42]からC−10炭素[δ
C:70.11]のHMBCの関係によって確定した。[δ
H:5.10]でのヒドロキシルから[δ
C:49.78]でのC−9の3結合HMBCの関係によって、これをさらに確認した。下部構造III由来の[δ
H:3.50]でのメチレンは、下部構造IおよびIIと結合したC−19[δ
C:68.31]との3結合HMBCの関係を示した。C−3[δ
C:98.09]における第四級炭素は、H−21[δ
H:3.95]からの微弱な結合およびそれらのケミカルシフト値を介してC−21[δ
C:64.40]と結合し一環系を形成した。最後に、H
3−36[δ
H:1.43]からC−1[δ
C:172.17]の3結合HMBCの関係により閉環結合が確かになり、これによりクロマミドA(1)の平面結合を割り当てることができた。
【0097】
分子量874を有する化合物Bは類似したNMRおよびUVデータを示し、この化合物Bもペプチドのクラスに属することが示唆された。
【0098】
ビオラセイン(2)およびデオキシビオラセイン(3)に関する構造は、文献中に公開されたデータと、これらの化合物のデータの比較によって割り当てた。クロマミドA、ビオラセインおよびデオキシビオラセインの構造は
図2中に示す。
【実施例2】
【0099】
クロマミドAのアミノ酸分析
液相加水分解(6NHCL、1%フェノール、110℃、24時間、真空中)を使用することにより、クロマミドA(0.05mg)を加水分解した。冷却後、反応混合物は乾燥させ、加水分解産物は1.0mL体積までNorleu希釈バッファー中に溶かした。50μlのサンプルを分析用にイオン交換カラムに充填した。
【0100】
標準および較正用に、Na−based Hitachi 8800(Sigma、A−9906)におけるタンパク質加水分解産物用のアミノ酸標準溶液を使用して応答因子を決定し、このようにして全アミノ酸用にHitachi 8800アナライザーを較正する。各々の注射液は、サンプル体積の変動およびクロマトグラフィーの変数に関する結果の補正を可能にするために、内部標準物質としてノルロイシンを含有する。系はPickeringNaバッファー、Pierce Sequanal grade HCl(加水分解)、トランスゲノミックイオン交換カラム、およびMolecular Structure Facility(MSF)、UC Davisにより開発された最適法を利用し、サンプル中に存在する個々のアミノ酸を報告する。サンプル(クロマミドA)において存在したアミノ酸はGlx(グルタミン/グルタミン酸)、leu(ロイシン)およびVal(バリン)であることが分かった。
【実施例3】
【0101】
2スポットハダニに対するクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)(MBI−203)の効果−マメ科植物
凍結乾燥MBI−203を蒸留水と混合して、様々な濃度の全細
胞ブロスの細胞を均等にした。非外寄生状態のマメ科植物、ファセオラスブルガリス(Phaseolus vulgaris)にはMBI−203を噴霧した。次いで噴霧した植物からリーフディスクを採取し、2スポットハダニ、テトラニカスウルティカエ(Tetranychus urticae)の食料源としてペトリ皿に置いた。10匹のコダニを各々の皿に置き、75°F、12:12(L:D)でインキュベートした。生存状態および死亡状態のコダニの評価は外寄生後1、3、および7日で記録した。1×CFDは、全細
胞ブロスの細胞濃度に戻した凍結乾燥物質である(0.0103g凍結乾燥/mLdH
2O)。結果は
図3中に示す。
【実施例4】
【0102】
2スポットハダニに対するクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)(MBI−203)の効果−マリゴールド
マリゴールド、センジュギク(Tagetes erecta)に2スポットハダニ、テトラニカスウルティカエ(Tetranychus urticae)を外寄生させた。配合製品(MBI−203)またはケノポジウムアンブロシオイデス(Chenopodium ambrosioides)(AgraQuest、Inc.,Davis、CAによりREQUIEM(登録商標)として販売)を外寄生状態の植物に施し、温度範囲約72〜85°Fで温室内に保った。サンプルを得るため、6cm
2の葉表面を採取し、生存状態および死亡状態の若虫と未成熟虫の数を数えた。結果は表1中に示す。
【0103】
【表1】
【実施例5】
【0104】
2スポットハダニ(TSSM)に対するクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)(MBI−203)スクリーニングの効果−サヤインゲン
TSSMまたはアバメクチン耐性TSSMを外寄生させたサヤインゲンに、約100gal/エーカーで0.5%、1%、2%、および4%v/v希釈の配合MBI−203を噴霧した。施用後9日で死亡率を評価した。結果は表2中に示す。
【0105】
【表2】
【実施例6】
【0106】
イチゴにおける2スポットハダニに対するMBI−203のスクリーニング
5つの従来化合物およびMBI−203成分の効力を、Florida Gulf Coast Research and Education Centerで野生イチゴ苗におけるTSSM防除に関して評価した。苗木は原野に移した(0日目)。各々の12.5−ft.プロットは20植物からなっていた。55日目から71日目まで、植物当たり10〜20匹の運動性TSSMを4回プロットに外寄生させた。様々な割合の17の処理、および幾つかはアジュバントと組合せたダニ殺傷剤の施用スケジュール、および未処理調査をRCB設計で4回繰り返した。45度コアおよびナンバーフォーディスクを含有するノズルを備える、スプレー棒を有する手動噴霧器を使用して、処理を施した。噴霧器は40psiまでCO
2により加圧し、較正して100gal/エーカーを送達した。初回噴霧前の90日目から処理剤の最後の施用後2週(154日目)まで、週1回サンプルを回収した。サンプルはプロット当たり10個のランダムに選択した小葉からなっており、植物の中央3分の1の層から回収した。運動性TSSMおよびTSSMの卵を、小葉から回転接着ディスクに払い落とし計数した。植物毒性は観察されなかった。結果は表3および4中に示す。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【実施例7】
【0109】
イエバエに対するクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)(MBI−203)の効果
イエバエ(成虫)に対する直接接触効率に関して試験物質をスクリーニングする。各化合物:1.5%、3%および6%濃度に関する3つの処理群、ならびに未処理対照が存在する。各々の群は、各々昆虫約10匹で5回の反復を含有する。飲み口蓋を有する16ozのドリンクカップ内で「完全遮蔽状態」に達するまで、手動噴霧器で節足動物を処理する。4時間で、10%スクロース溶液を含む綿塊を、蓋中の穴にそれを挿入することによりハエに与える。データは5、15、30、45、60分、ならびに2、4、および24時間で、または終点まで得る。ノックダウンおよび死亡率は、好ましくない傾向がある昆虫の相対数を数えることにより決定した。瀕死状態の昆虫は死亡率の合計に含めなかった。結果は以下の表5中に示す。
【実施例8】
【0110】
リタービートルに対するクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)(MBI−203)の効果
3つの処理群を、各化合物:1.5%、3%および6%濃度、ならびに未処理対照に関して試験した。各々の群は、各々昆虫約10匹で5回の反復を含有した。穴付きの蓋、および任意の過剰な物質を吸収する濾過紙を底部に有する8または16ozのデリスクワットカップ内で「完全遮蔽状態」に達するまで、手動噴霧器で節足動物を処理する。ノックダウンおよび死亡率は、処理後5、15、30、45、60分、ならびに2、4、24、48、および72時間で観察した。ノックダウンおよび死亡率は、好ましくない傾向がある昆虫の相対数を数えることにより決定した。瀕死状態の昆虫は死亡率の合計に含めなかった。結果は以下の表6中に示す。
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】
【実施例9】
【0113】
ジャガイモシストセンチュウ、バクテリセラコッケレリ(Bactericera cockerelli)の産卵能力に対するMBI−203の効果
方法
MBI−203処理済みのコショウの葉に曝したジャガイモシストセンチュウのメスの産卵能力を決定した。コショウの葉は葉柄で切除し、1分間の浸漬によりMBI−203で処理した。実験中の処理は、以下のようにdH
2O中に10%v/vでMBI−203、陰性対照としてdH
2O、および陽性対照として10%v/vのAvidであった。処理した葉は、縁が十分深く、遮断して処理済み葉を露出させる中心径でクラフトフォーム裏打ち構造のプラスチック製ペトリ皿中に保持した。
【0114】
4匹の、1日齢のメスを皿の中心に置き、そこで処理した葉を露出させ(クラフトフォームの遮断部分)、ペトリ皿カバーで覆い、2バインダークリップで配置を固定した。メスの成虫に産卵させ、卵の計数は露出後3〜10日で行った。
【0115】
MBI−203処理および未処理葉に関するフォローアップ式リーフディスクバイオアッセイを実施して、ジャガイモシストセンチュウのメスの産卵能力に対するMBI−203の効果を検証した。水中3%v/vでのMBI−203、および未処理対照、dH
2O単独(陰性対照)の処理をアッセイ中で使用した。(3〜4週齢のコショウ植物由来の)ペッパーリーフディスクを、23mmクッキーカッターを使用して円形に切断し、葉の平坦部分を選択し、化合物を用いた処理後寒天プレート上に、ディスクを均一に平坦に置くことができることを確実にした。プレートの底部は30μLの1%寒天溶液で覆い、リーフディスクを支え水分を維持するほど十分にプレートの底部を覆った。室温で冷却することにより寒天を凝固させた。リーフディスクの処理は、ガラス製ペトリ皿に処理溶液を注ぐことにより実施した。皿中の溶液によって、皿を浸漬、軽く攪拌してリーフディスクを完全に浸漬およびコーティングすることにより、リーフディスクを処理した。処理は1分間実施し、処理したリーフディスクは次いでヒュームフード内で10〜15分、または溶液が完全に乾燥蒸発するまで乾燥させた。各々の凝固寒天プレートにおいて、20〜30μLのdH
2Oを寒天に注いだ。各々の処理したリーフディスクは個々に寒天プレート上に置き、湿潤寒天上では軸から離してリーフディスクを置き、軽くプレスして寒天上にディスクを完全に打ち延ばした。処理したリーフディスクを含む各々のプレート(処理)において、4匹のジャガイモシストセンチュウのメスを導入した。妊娠状態のメスを含むペトリプレートを次いでペトリプレートカバーで覆い、通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げた。皿はパラフィンで密閉し室温に保った。産まれた卵の数は、メスの導入後1日目から始めて、1日1回数えた。実験は3連で行い、2回繰り返した。
【0116】
結果
MBI−203処理に曝したメスによる有意な産卵の低下を観察した。産卵の若干の遅れが、MBI−203で処理したリーフディスクにおけるメスにおいて明らかであった。MBI−203処理したリーフディスクに曝したジャガイモシストセンチュウのメスは露出後3日で産卵し始めた(
図4)。メスが産んだ卵の数は7日目にピークに達し、10日目に減少した。10日目に、メスが産んだ卵が孵化し始めたので、平均卵数は減少した。陽性対照処理(Avid10%v/v)に曝したメスは3日目に全て死に至り、avid処理リーフディスクにおいて卵は産まれなかった。
【0117】
リーフディスク検証バイオアッセイによって、3%v/vでのMBI−203処理リーフディスクにおけるメスによる有意な産卵の低下と一致する結果を確認した(
図5)。未処理リーフディスク(dH
2O単独)に曝したメスと比較して、65%の産卵の低下がMBI−203処理リーフディスクに曝したメスによって示された。これらのバイオアッセイの結果は、MBI−203がジャガイモシストセンチュウのメスの生理機能に影響を与え、それらの産卵能力に影響を与えることを示す。
【実施例10】
【0118】
ジムシおよびコガネムシに対するMBI−203の効果
ターフグラスにおけるジムシの防除
North Bend、NebraskaのNorth Bendゴルフコースでケンタッキーブルーグラス(ポアプラテンシスエル(Poa pratensis L.))およびペレニアルライグラス(ホソムギ(Lolium perenne L.))におけるジムシ(ミナミメンガタカメムシ、シクロセファラルリダブランド(Cyclocephala lurida Bland))の防除に関して殺虫剤を評価した。5反復でランダムコンプリートブロック(RCB)設計において配置した5×5ftプロットに、殺虫剤を施した。液体製品は40psiでCO
2噴霧器を使用して施し、174gpaの最終噴霧を施した。施用後24時間以内に、全ての処理剤を0.25inの水で洗浄した。各プロットから3インチの深さまで3つの8インチ径芝生土壌コアを除去し(1.05ft
2全表面積)、生存状態および瀕死状態のジムシの数を数えることにより、(DAT)処理後24日と48日で配合物を評価した。植物毒性に関してプロットを定期的に評価した。結果は表7および8中に示す。
【0119】
MBI−203DF1処理剤に関する施用率と防除率%の間には、相関関係があるようである。全ての処理剤が、MBI−203DF1(2fl oz/100ft2)を除いて、トリクロルフォン6%(Bayer CropScience、IncによりDYLOX(登録商標)420SLとして販売、(6.9fl.oz/1000ft
2)、ジムシ防除用の標準的な工業用殺虫剤)より性能が優れていた。興味深いことに、MBI−203AF1およびMBI−203DF1の全ての処理において瀕死状態の個体が見られた。(括弧内の)これらの数字は統計解析において使用しなかったが、比較目的で含めた。植物毒性は観察しなかった。AF1は水性流動性であり、DF1はクロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)の湿潤性粉末配合物である。
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
他の根部捕食性ジムシに対するMBI−203の効果の捕食性試験
非滅菌Groton土壌、4.25pH、14%有機体にジムシ、セマダラコガネの幼虫アノマラオリエンタリス(Anomala orientalis)を外寄生させ、死亡した幼虫の数を見積もった。土壌にMBI−203の水性流動性配合物を施し、死亡率を計算した。
【0123】
【表9】
【0124】
同様の試験を、5g土壌中に1.5mlおよび1ml製品を使用して、ジムシ、リゾトログスマジャリス(Rhizotrogus majalis)、(コフキコガネ)幼虫で設定した。100/100の幼虫が7DATで殺傷され、対照中では一匹も殺傷されなかった。
【0125】
ポッティング培地(食料源含まず)、ニンジンおよびイチイの根を用いてキンケクチブトゾウムシ幼虫、オティオリンクスサルカタス(Otiorhynchus sulcatus)(シギゾウムシ科)でも試験を行った。結果は表10、11、12および13中に示す。
【0126】
【表10】
【0127】
【表11】
【0128】
【表12】
【0129】
【表13】
【0130】
MBI−203は、特に処理済食料源を捕食したとき、根部捕食性ジムシおよびキンケクチブトゾウムシに対して非常に活性があるようである。
【実施例11】
【0131】
キャベツ根蛆虫に対するMBI−203の効果
この試験は、ケージ付き温室内試験でのブロッコリー植物におけるキャベツ根蛆虫、デリアラジカム(Delia radicum)の防除に関する、MBI−203配合物の効力を決定するために実施した。2oz/1000ft
2および8oz/1000ft
2の割合でのMBI−203DF−1(MBI−203の湿潤性粉末配合物)、2oz/1000ft
2および8oz/1000ft
2の割合でのMBI−203DF−2(MBI−203の第2の湿潤性粉末配合物)の実験処理。実験処理は、1lb/galの割合で、市販の標準、RADIANT(登録商標)(DowAgro Sciencesによって販売、活性成分としてスピネフォラム(spineforam)を含有)と比較した。
【0132】
生存状態の成虫の数を第3施用(14DA−C)後14日まで週1回記録し、生存状態の幼虫の数は21DA−Cまで週一回記録した。結果は、MBI203DF−1では最終評価日までに有意に少ない成虫出現数があり、RADIANT(登録商標)に匹敵したことを示した。MBI203DF−1では、最終評価日までにUTCより有意に少ない成虫出現数があり、対照においてRADIANTに匹敵した。
【0133】
【表14】
【0134】
【表15】
【実施例12】
【0135】
温室内のイチゴにおける、キイロショウジョウバエスズキ(Drosophila suzukii)、(スポットウイングキイロショウジョウバエ(SWD))の防除に関するMBI−203DF1およびMBI−203DF2の効力
この試験は、温室内のイチゴ作物におけるスポットウイングキイロショウジョウバエ(SWD)の防除に関する、MBI−203DF1およびMBI−203DF2の効力を決定するために実施した。MBI−203DF1およびMBI−203DF2の実験処理は、反復プロットに1lb/aおよび4lb/aの割合で施した。処理は1.5oz/aの割合で市販の標準、Entrust(登録商標)と比較した。全ての処理剤は0.05%v/vの割合で界面活性剤SILWET(登録商標)L77(Chemtura AgroSolutions、Inc)と組合せた。1種のイチゴ科植物を含有する各反復プロットをケージに入れて、昆虫集団の移動を妨げた。
【0136】
第3世代の研究室で飼育したSWD羽根付き成虫を、各々のケージ付きイチゴ苗木においてリリースした。施用前(事前数)、(DAA)、7DAA、および11DAAの施用後4日に、成虫SWDの数を記録した。イチゴ当たりのSWD幼虫の数は14DAA、21DAA、28DAA、および35DAAで記録した。LSD試験およびα=0.05でANOVA平均比較を使用して、統計値を解析した。
【0137】
初回施用後、MBI−203処理はスポットウイングキイロショウジョウバエ成虫の累進的減少を示し、DF1製品とDF2製品の両方に関して一定の応答を観察した。活性成分としてスピノサドを含有するENTRUST(登録商標)、(Dow AgroBioSciences)と有意に比較可能ではないが、4lb/aでのMBI−203DF2は、(DAA)の初回施用後7日でのUTCと比較して、成虫集団を25%有意に減少させた。11DAAにより、UTCと統計上異ならないが、4lb/aでDF1とDF2の両方が成虫数を44%減少させた。両方のMBI−203製品が、SWD幼虫数の減少に関して有意な結果を示した。全ての評価において、4lb/aでのDF2は、活性成分としてスピノサドを含有するENTRUST(登録商標)、(Dow AgroBioSciences)、78%と比較して、イチゴ当たりの幼虫数を71%有意に減少させ、さらに21DAAにより、幼虫数は全てのMBI−203処理によって72%まで防除され、いずれもENTRUST(登録商標)、(Dow AgroBioSciences)に匹敵した。幼虫数に対して、MBI−203DF1とDF2の両方に関して一定の応答を観察した。
結果
【0138】
【表16】
【0139】
【表17】
【0140】
発見は以下のように要約することができる:
●SWD成虫および幼虫数の減少に関して、MBI−203DF1とDF2の一定の応答を観察した。
●4lb/aでのMBI−203DF2は、7DAAで成虫集団を25%有意に減少させた。
●試験を通じて、4lb/aでのDF2はイチゴ当たりの幼虫数を有意に減少させ、ENTRUSTに匹敵した。
【0141】
両製品の施用は成虫集団に対して大きな効果を示さなかったが、それは次世代の幼虫集団を有意に減少させた。
【実施例13】
【0142】
アブラムシに対するMBI−203の忌避効果
モモアカアブラムシに関する、様々な濃度のMBI−203の忌避効果の評価を実施した。具体的には、3つのMBI−203水中処理濃度(1%v/v、3%v/vおよび10%v/v)を評価した。10%v/v濃度のMBI−203を陽性対照として、およびdH
2O単独処理を陰性対照として使用した。各々の処理溶液は0.01%TWEEN20と共に加えた。
【0143】
前述のように各MBI−203濃度でペッパーリーフディスクを処理することにより、バイオアッセイを実施した。(3〜4週齢のコショウ植物由来の)ペッパーリーフディスクを、23mmクッキーカッターを使用して円形に切断し、葉の平坦部分を選択し、化合物を用いた処理後寒天プレート上に、リーフディスクを均一に平坦に置くことができることを確実にした。1%寒天溶液を加熱によって溶かし、145mm×20mmペトリプレートに注ぎ、リーフディスクを支え湿度を維持するほど十分にプレートの底部表面を覆った。室温で冷却することにより寒天を凝固させた。
【0144】
リーフディスクの処理は、ガラス製ペトリ皿に処理溶液を注ぐことにより実施した。皿中の溶液によって、皿を浸漬、軽く攪拌してリーフディスクを完全に浸漬およびコーティングすることにより、リーフディスクを処理した。浸漬によるリーフディスクの処理は1分間実施した。次いで処理したリーフディスクは、ピンセットを使用して溶液からそれらを取り出し、ヒュームフード内で10〜15分、または葉表面中の溶液が完全に乾燥蒸発するまでそれらを放置することによって乾燥させた。リーフディスクが乾燥した後、リーフディスクを置いた寒天上に40μLの水を注いだ。処理したリーフディスクは次いで互いに等距離に置き、湿潤寒天上では軸から離して各々のディスクを置いた。各々のディスクは軽くプレスして寒天上に完全に打ち延ばし、20匹の3〜4日齢GPA成虫を、ファインペイントブラシを使用して皿の中心に導入した。次いでプレートをカバーしパラフィンで密閉した。ペトリプレートカバーには通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げた。
【0145】
試験は3連で実施した。成虫および若虫の忌避データは、処理したリーフディスクにプレート内の成虫を曝した後24時間で決定した。各リーフ中に存在したアブラムシ(成虫および若虫)の数を数え、データを記録し分析した。
【0146】
結果
MBI−203はGPA成虫および若虫に対して忌避性があり、異なるMBI−203濃度で97〜99%の忌避率である(表18)。
図6は、処理濃度間の統計差異を示す。3%および1%v/v濃度でのMBI−203には、それぞれ97%および99%忌避率の計算上の平均忌避率があった。
【0147】
【表18】
【実施例14】
【0148】
MBI−203の施用によってアブラムシの子孫が減少する
3%v/v濃度でのMBI−203を試験して、モモアカアブラムシ(GPA)成虫の子孫生成に対する化合物の効果を決定した。3%v/vのMBI−203でペッパーリーフディスクを処理することにより、バイオアッセイを実施した。(3〜4週齢のコショウ植物由来の)ペッパーリーフディスクを、23mmクッキーカッターを使用して円形に切断し、葉の平坦部分を選択し、寒天プレート上に、ディスクを均一に平坦に置くことができることを確実にした。1%寒天溶液を加熱によって溶かし、30μLを各ペトリプレート(16mm×35mm通気孔あり、ポリスチレン製ペトリプレート)に注ぎ、リーフディスクを支え湿度を維持するほど十分にプレートの底部表面を覆った。室温で冷却することにより寒天を凝固させた。リーフディスクの処理は、ガラス製ペトリ皿に処理溶液を注ぐことにより実施した。皿中の溶液によって、皿を浸漬、軽く攪拌してリーフディスクを完全に浸漬およびコーティングすることにより、リーフディスクを処理した。浸漬によるリーフディスクの処理は1分間実施した。処理したリーフディスクは、ヒュームフード内で10〜15分、または葉表面中の溶液が完全に乾燥蒸発するまで乾燥させた。処理した各々のリーフディスクは個別に寒天プレート上に置き、湿潤寒天上では軸から離してリーフディスクを置き、軽くプレスして寒天上にディスクを完全に打ち延ばした。処理したリーフディスク(処理)を含む各プレート中に、6匹のGPA成虫(3〜4日齢)を導入した。次いで成虫アブラムシを含むプレートをパラフィンでカバーした。パラフィンカバーには通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げた。プレートは室温でインキュベートした。処理したリーフディスクに成虫を曝した後3日で、子孫(初期若虫段階)を計数した。実験は3連で行い、全実験を5回繰り返した。
【0149】
図7は、処理したリーフディスクへの露出後3日で、MBI−203がGPA成虫の子孫生成に有意に影響を与えたことを示す。
図5中のグラフは実施した5回の試験の結果であり、GPA成虫の子孫の減少は陰性対照(水のみで処理)と比較して50%を超えたことを観察し、その性能は陽性対照(10%Avid)に匹敵し、子孫生成においては統計上同じであることを示した。配合製品DF2と比較して子孫生成の数を試験したとき、MBI−203標準と3%v/v濃度のDF2の間に統計差異はなかった(
図8)。90%を超える子孫(若虫)の減少が、陰性対照と比較してMBI−203およびDF2処理において示され、10%v/v濃度のAvid(陽性対照)より有意に優れていたことを示した。
【実施例15】
【0150】
クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)からのビオラセインおよびオリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸)の抽出
クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)の培養物から抽出した化合物を精製するため、以下の手順を使用した:
【0151】
L−ブロス中20−L発酵クロモバクテリウムサブスチュガエ(C.substugae)由来の全細
胞ブロス(WCB)を、酢酸エチルを使用した液液抽出法により抽出した。酢酸エチル層を分離し、ロータリー式エバポレーターを使用し真空下で乾燥させて粗製抽出物を得た。次いで粗製抽出物を、ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル(EA)、メタノール(MeOH)などの異なる溶媒を使用し、溶媒の混合物で洗浄すること(洗浄)により分画化した。次いでこれらの画分を、ロータリー式エバポレーターを使用して乾燥状態まで濃縮し、生成した乾燥残渣は異なる有害生物(昆虫、線虫)を使用して生物活性に関してスクリーニングする。次いで活性画分をSephadex LH20サイズ排除クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/CH
3OH;50/50)に施して10画分を得た(
図9)。次いでこれらの画分を、ロータリー式エバポレーターを使用して乾燥状態まで濃縮し、モモアカアブラムシ、モモアカアブラムシ(GPA)の子孫生成による昆虫忌避性アッセイ、および抗線虫バイオアッセイ(エムインコグニタ(M.incognita)および/またはエムハプラ(M.hapla)を使用して、生成した乾燥残渣(画分)を生物活性に関してスクリーニングした。次いで活性画分を、逆相HPLC(Spectra System P4000(Thermo Scientific)に施し純化合物を得て、次いでそれを前述のバイオアッセイでスクリーニングして活性化合物を位置特定/同定した。化合物の同一性を確認するため、LC/MSおよびNMRなどの追加的質量分析データを記録した。
【0152】
強力な殺虫忌避性化合物を画分F8、F9およびF10から単離し、ビオラセイン(2)として同定した。主要DCM画分からの抗線虫活性化合物はオリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸(4)として同定した。
【0153】
質量分析による化合物の分析
質量分析による活性ピークの分析を、LCQ DECA XP
plus質量分析計(Thermo Electron Corp.,San Jose,CA)においてフルスキャンモード(m/z 100〜1500Da)でポジティブとネガティブイオン化モードの両方を使用して、Thermo Finnigan LCQ Deca XP Plusエレクトロスプレー(ESI)装置で実施する。Thermo高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)装置は、Finnigan Surveyor PDAおよび検出器、オートサンプラーおよび、MSポンプおよび4.6mm×100mmのLuna C18 5μ100Aカラム(Phenomenex)を備えていた。溶媒系は水(溶媒A)とアセトニトリル(溶媒B)からなっていた。移動相は10%溶媒Bで始まり、20分かけて100%溶媒Bまで直線的に増大し、次いで4分間保ち、最後に3分かけて10%溶媒Bに戻し、3分間保つ。流量は0.5mL/分である。注射体積は10μLであり、サンプルはオートサンプラーにおいて室温で保つ。LCおよび逆相クロマトグラフィーを利用して、LC−MSによって化合物を分析する。質量分析による本発明の化合物の分析を以下の条件下で行う。窒素ガスの流量は、それぞれシースおよび補助/スイープガスの流量に関して30および15arbで固定した。エレクトロスプレーイオン化は、5000Vに設定したスプレー電圧および35.0Vのキャピラリー電圧で実施した。キャピラリー温度は400℃に設定した。データはXcaliburソフトウェアで分析した。オリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸)(1)の分析は、UC Davis質量分析施設でLTQ Orbitrap XLハイブリッド型フーリエ変換質量分析計を使用して実施した。
【0154】
NMR質量分析による化合物の分析
NMR−NMRスペクトルをBruker600MHz勾配磁場型質量分析計で測定した。参照は内部標準物質テトラメチルシランに設定する(TMS、0.00ppm)。
【0155】
化合物の精製
ジクロロメタン(DCM)画分をメタノールで粉砕し、得られた白い固体を濾過してオリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸)(1)を得た。
【0156】
化合物の同定
オリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸)(1)
化合物4の
1HNMRスペクトルは、各1プロトンの相対強度においてδ5.22(sext)、2.62(dd)および2.53(dd)でシグナルを示した。これらに加えて、ダブレットとしてδ1.31でのメチルシグナルも観察した。
13CNMRスペクトルは、δ169.2、67.6、40.9および19.8でわずか4個の炭素シグナルを示した。詳細な1Dおよび2DNMR分析によって、86の断片質量を有する−(−O−CHCH
3−CH
2−CO−)−の部分構造を得る結果となった。この化合物のMALDI−TOF−ESI MS(
図2)は、[(n×86)+Na]の分子質量を有するオリゴマーの混合物に関して典型的なシグナルパターンを示し、生成物がn=10〜25でオリゴ−(β−ヒドロキシ酪酸)1の混合物であったことに対応した。この化合物は、数種の細菌から単離されたことが報告されている(Singh et al.,2011;Maskey et al.,2002;Hahn et al.,1995)。DCM画分から得たこの化合物の効能は、75%固定を示しエムハプラ(M.hapla)を使用したin vitroアッセイにおいて確認した(
図10)。
【0157】
クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)の画分および純化合物のin vitro試験
画分および純化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、in vitro96ウエルプラスチック製細胞培養プレートバイオアッセイにおいて試験した。50μl水溶液中の約15〜20匹の線虫を、25℃で24時間、4mg/mlのサンプル100μlに曝した。インキュベーション時間が終了した後、サンプルで処理した各ウエル中の目視による若年性線虫(J2)の固定段階に基づいて結果を記録し、各処理剤はウエル中4回の反復で試験した。クロモバクテリウムサブスチュガエ(C.substugae)画分および化合物4の2つの異なる96ウエルプレートバイオアッセイの結果を示す
図5中に結果を示した。3個の対照、1個の陽性(1%Avid)と2個の陰性(DMSOおよび水)を各試験中に含めた。両試験(T1)と(T2)はエムハプラ(M.hapla)線虫を使用して実施した。
【0158】
忌避性を担う化合物の単離および同定
DCM、EA、MeOHおよびWASHなどの主な画分を、以下で詳細に記載するようにモモアカアブラムシ(GPA)バイオアッセイを使用して忌避活性に関して試験した。EAおよびMEOH画分に関して最も強力な忌避性を観察した。これらの画分のLCMS分析は類似した化学的プロファイルを示し、さらにMeOH画分の収率はEA画分より高かったので、詳細な化学的作業はMeOH画分を使用して実施した。Sephadex LH20サイズ排除クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/CH
3OH;50/50)を使用しMeOH画分をさらに分画化し10画分を得た(
図9)。最も強力な活性を画分F9およびF10において観察した。HPLCとSephadexLH20の組合せによる、これらの画分のバイオアッセイ支援型精製は、忌避活性を担う化合物としてビオラセインを与えた。ビオラセインはアブラムシ子孫の試験においても試験した。
【実施例16】
【0159】
モモアカアブラムシに対するMBI−203画分の忌避効果
方法
モモアカアブラムシ(GPA)に関する選択バイオアッセイを、MBI−203画分および純化合物を使用して行った。クロモバクテリウムサブスチュガエ(C.substugae)(MBI−203)の細胞ペーストの抽出から得た画分および純化合物(ビオラセイン)を、忌避性バイオアッセイにより殺虫効率に関して試験した。(3〜4週齢のコショウ植物由来の)ペッパーリーフディスクを、23mmクッキーカッターを使用して円形に切断し、葉の平坦部分を選択し、化合物を用いた処理後寒天プレート上に、リーフディスクを均一に平坦に置くことができることを確実にした。水中に1パーセント(%)寒天を調製した。1%寒天溶液を加熱によって溶かし、145mm×20mmペトリプレートに注ぎ、リーフディスクを支え湿度を維持するほど十分にプレートの底部表面を覆った。室温で冷却することにより寒天を凝固させた。
【0160】
リーフディスクの処理は、100μLのMBI−203抽出液をリーフディスクの下側にピペットで軽く注入することにより行った。ラベルした12ウエルプレートカバーにディスクを平坦に置くことにより、処理したリーフディスクを次いで乾燥させた。リーフディスクが乾燥した後、リーフディスクを置いた寒天上に40μLの水をピペットで注いだ。処理したリーフディスクは次いで互いに等距離に置き、湿潤寒天上では軸から離し、処理した表面を上にして各々のディスクを置いた。各々のディスクは軽くプレスして寒天上に完全に打ち延ばした。処理したリーフディスクを置いた後、20匹の3〜4日齢GPA成虫を、ファインペイントブラシを使用して皿の中心に導入した。次いでプレートをカバーしパラフィンで密閉した。ペトリプレートカバーには通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げた。
【0161】
全ての試験は3回の反復で行った。試験用の溶媒を選択するため、粗製抽出物の初期試験を、溶媒としてメタノールとアセトンを使用して行った。この試験は、アセトンが溶媒として優れていたことを示した。画分および純化合物(ビオラセイン)を含む連続サンプル試験を、溶媒としてアセトンを使用して実施した。成虫および若虫の忌避性に関するデータは、処理したリーフディスクに成虫を曝した後24時間で決定した。アブラムシ(成虫および若虫)の数を数え、データを記録し分析した。忌避率は以下のように計算した:
忌避率%=100−{処理したリーフディスク上の([N+A])/ペトリ皿上の[N+A]×X100}、
ここで、Aは成虫を表し、Nは若虫を表す。
【0162】
結果
MBI−203画分に関する忌避率試験は粗製抽出物で始めた。メタノールおよびアセトン溶媒中の粗製抽出物を試験し、結果の分析は、
図11中に示すように有意な差を示した。メタノール溶媒とアセトン溶媒の両方中のMBI−203の粗製抽出物で処理したリーフディスクは、陰性対象のそれらより、モモアカアブラムシ若虫と成虫の定着応答の統計上有意な差をもたらした。
図11AおよびBは、アブラムシに対するMBI−203の忌避効果を示した。メタノール溶媒はアブラムシに対する忌避効果を示したが(
図11A)、MBI−203抽出物および陽性対照(avid10%)との統計差は示されなかった。溶媒アセトンは画分において使用するのに優れた溶媒であることが示された。それはGPA若虫および成虫に対する忌避性を示さず、陰性対照と統計上同じ、リーフディスクに定着した平均数の若虫および成虫を有していたからである(
図11B)。
【0163】
MBI−203の画分はGPA若虫および成虫に対する強い忌避率を示した。処理平均間の統計差を観察した(
図12AおよびB)。画分物質EAおよびMeOHは若虫および成虫に対して100%の忌避率を引き起こし、一方で洗浄物質は94%の忌避率を引き起こし、これは陽性対照(MBI−203 10%v/v)と統計上互いに異ならない(表19)。
【0164】
【表19】
【0165】
さらに、MeOH画分から得た10画分を溶媒としてアセトンを使用して試験し、純ビオラセイン化合物を含むサンプル(F9、F10)は、モモアカアブラムシの成虫および若虫に対して高い忌避効果を示した(表20)。わずか2つの非ビオラセイン画分が高い忌避効果を示した(F2とF3)。画分F9とF10はさらに精製し、それによって100%の忌避率を有するビオラセインを得た。データはビオラセインが、未熟な昆虫に対する忌避性を引き起こす原因の化合物であることを明らかにした。画分物質F6〜F10はビオラセインを含有し、F9とF10は純ビオラセイン化合物を含有していたようである。
【0166】
【表20】
【実施例17】
【0167】
ビオラセインはアブラムシの子孫を減少させる
アセトン中に2つの濃度、0.5μg/mLと1.0μg/mLの純ビオラセイン化合物を試験中で使用して、モモアカアブラムシ(GPA)成虫の子孫生成に対する化合物の効果を決定した。アセトン中に異なるビオラセイン濃度でペッパーリーフディスクを処理することにより、バイオアッセイを実施した。(3〜4週齢のコショウ植物由来の)ペッパーリーフディスクを23mm径ディスクに切断し、葉の平坦部分を選択し、化合物を用いた処理後寒天プレート上にディスクを均一に平坦に置くことができることを確実にした。1%寒天溶液を調製し加熱によって溶かし、30μLをペトリ皿(16mm×35mm通気孔あり、ポリスチレン製ペトリプレート)に注ぎ、リーフディスクを支え湿度を維持するほど十分にプレートの底部表面を覆った。室温で冷却することにより寒天を凝固させた。ビオラセインによる処理は、200μLピペットマンを使用しリーフディスクに100μLサンプル溶液を軽く拡散することにより行った。処理は3連で設定した。処理したリーフディスクはフード内で5〜10分間乾燥させた。陽性対照は10%v/vAvid、陰性対照はdH
2Oであり、アセトンはブランクとして使用した。各々の凝固寒天プレートにおいて、20〜30μLのdH
2Oを寒天にピペットで注ぎ湿度を維持した。処理した各々のリーフディスクは個別に寒天プレート上に置き、湿潤寒天上では軸から離してリーフディスクを置き、軽くプレスして寒天上にディスクを完全に打ち延ばした。処理したリーフディスク(処理)を含む各プレート中に、6匹のGPA成虫(3〜4日齢)を導入した。次いで成虫アブラムシを含むプレートをパラフィンでカバーした。パラフィンカバーには通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げ、室温に保った。処理したリーフディスクに成虫を曝した後3日で、子孫(初期若虫段階)を計数した。実験は3連で行い、全実験を2回繰り返した。
【0168】
図13中に示したように、1.0μg/mLでのビオラセインは成虫アブラムシの子孫生成を有意に減少させた。陰性対照(水のみで処理)と比較して約50%の減少を観察した。露出状態の成虫の大部分は露出後3日で死んだので、陽性対照(10%Avid)は最小数の子孫を有していた。この実験では2回の試験を実施し、各々の処理は3回繰り返した。2回の試験は、ビオラセインが子孫に有意に影響を与えたのと一致する結果をもたらした。
【実施例18】
【0169】
他のビオラセイン産生株がアブラムシに対する忌避性を示す
モモアカアブラムシに対する他のクロモバクテリウム(Chromobacterium)種の忌避効果も評価した。評価したクロモバクテリウム(Chromobacterium)種は、クロモバクテリウムピスシンエア(Chromobacterium piscinae)DSM23278、クロモバクテリウムシュードビオラセム(C.pseudoviolaceum)DSM23279、クロモバクテリウムヘモリチカム(C.haemolyticum)DSM19808およびクロモバクテリウムアクアチカム(C.aquaticum)DSM19852である。2種がビオラセイン産生種であり(クロモバクテリウムピスシンエア(C.piscinae)およびクロモバクテリウムシュードビオラセム(C.pseudoviol))、一方他の2種はビオラセインを産生しないことが文書化されている。微生物はLBブロスにおいて26℃、および100rpmで5日間増殖させた。発酵の最後に、ブロスを採取しバイオアッセイ用に等分した。水中5%v/vでの処理濃度をGPA成虫に対して試験した。MBI−203、10%v/v濃度を陽性対象として、dH2O単独処理を陰性対照として使用した。各々の処理溶液は0.01%TWEEN20と共に加えた。
【0170】
バイオアッセイは、前に記載したようにペッパーリーフディスクを処理することにより実施した。各々の処理したディスクは軽くプレスして寒天上に完全に打ち延ばした。処理したリーフディスクを置いた後、20匹の3〜4日齢GPA成虫を、ファインペイントブラシを使用して皿の中心に導入した。次いでプレートをカバーしパラフィンで密閉した。ペトリプレートカバーには通気用の小さな穴を開け凝縮を妨げた。
【0171】
試験は3回の反復で行った。成虫および若虫の忌避性に関するデータは、プレートおよび処理したリーフディスクに成虫を曝した後24時間で決定した。各々のリーフディスク上に定着したアブラムシ(成虫および若虫)の数を数え、データを記録し分析した。忌避率は以下のように計算した:
【0172】
【数1】
ここで、N=若虫の数、およびA=成虫アブラムシの数
【0173】
結果は表21と22ならびに
図14と15中に示す。幾つかのビオラセイン産生クロモバクテリウム(Chromobacterium)種はGPA成虫および若虫に対する忌避性を示し、処理手段間で統計差があった。ビオラセインを産生したクロモバクテリウム(Chromobacterium)種には75%(クロモバクテリウムピスシンエア(C.piscinae)、86%(クロモバクテリウムシュードビオラセム(C.pseudoviolaceum)の平均忌避率%があり、一方で非ビオラセイン産生株(クロモバクテリウムアクアチカム(C.aquaticum)とクロモバクテリウムヘモリチカム(C.haemolyticum)は未処理対照(水)と統計上異ならなかった。非ビオラセイン産生株に関して、わずかな忌避傾向を観察した。
【0174】
【表21】
【0175】
【表22】
【実施例19】
【0176】
安息香酸ナトリウム有りおよび無しでのクロモバクテリウム(Chromobacterium)配合物の安定性の比較
配合物1は、クロモバクテリウム(Chromobacterium)細胞濃縮採取物32部、クロモバクテリウム(Chromobacterium)発酵ブロス上清62.5部、n−ヘキサノール1部、アルギン酸ナトリウム0.5部、ソルビタンエステルエトキシレート2部、およびd−リモネン2部を含有する。これらの配合物成分は、均一で安定した混合物を確実にするそれらの機能性に関して選択し、USEPAリスト4上のそれらの列挙によりさらに好ましい。EPAリスト4上の成分の列挙は、環境および毒性に対する効果の点でそれは最小限の問題であるとみなす。配合物2は、クロモバクテリウム(Chromobacterium)細胞濃縮採取物32部、クロモバクテリウム(Chromobacterium)発酵ブロス上清54.5部、n−ヘキサノール1部、アルギン酸ナトリウム0.5部、ソルビタンエステルエトキシレート2部、および安息香酸ナトリウム10部を含有する。
【0177】
表23は、長期の時間にわたる配合物1および2の保存の結果を例示する。
【0178】
【表23】
【0179】
配合物2は配合物1より安定性がある。水溶性の安息香酸塩は、太陽光への露出が原因の物理的分離および活性消失に対して生物殺有害生物剤組成物を安定化するようである。安息香酸イオンは、生物学的基質が均一に残るような溶解および電解質平衡性を与え、これが殺有害生物剤組成物に関する長期の貯蔵寿命をもたらす。安息香酸イオンは、それを野外作物に施した後、製品に関する紫外線吸収をさらにもたらす。UV防御によって、殺虫活性が少なくともさらに数日間延びる。
【実施例20】
【0180】
有害生物死亡率に対する安息香酸ナトリウムの効果
クロモバクテリウムサブスチュガエ(Chromobacterium substugae)、d−リモネン、ヘキサノール、プロピレングリコールを含有する最終製品MBI−203、および炭酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、または酸化チタンと組合せたパラベン配合物(MBI−203EP)をプラスチック製ペトリ皿に置き、パラフィンで密閉した。プレートは太陽光の下、7時間屋外に置いた。太陽光に曝した後、物質は屋内に持ち込み、オートクレーブ処理Millipore水で1.5%および3%v/vの濃度に希釈した。次いで物質を人工飼料上に置き、乾燥させ、新生キャベツシャクトリムシ、トリコプルシアニ(Trichoplusia ni)に与えた。死亡率は飼料外寄生後3日と4日で記録した。結果は表24および
図16中に示す。
【0181】
【表24】
【0182】
ブロッコリーの試験
4〜5週齢のパックマンブロッコリーに、安息香酸ナトリウム有りおよび無しでの3%v/v希釈のMBI−203最終製品(d−リモネン配合物)(MBI−203EP)を噴霧した。9in
2ポット中の各々の植物に500uLの処理剤を与えた。Tween−20を0.01%の最終濃度で、全サンプル中に含めた。五匹の成虫キャベツアブラムシ、ブレビコリネブラシカエ(Brevicoryne brassicae)を各々の植物に配置した。植物と昆虫は成長光下でインキュベートした(75〜85°F、16時間明/8時間暗)。生存状態のアブラムシは外寄生後3、5、および7日で記録した。安息香酸ナトリウム配合物は、最終製品単独より良い防除をもたらしたようであった(
図17)。
【0183】
レッドキャベツの試験
安息香酸ナトリウム有りおよび無しでの10%v/v希釈のMBI−203最終製品(d−リモネン配合物)(MBI−203EP)を、約30gal/エーカーの処理率でレッドキャベツに噴霧した。10%v/vでの配合物対照(ロット2403−83−3)もアッセイ中に含めた。植物が乾燥した後、それらに10匹のキャベツアブラムシを外寄生させた。アッセイは3、6、および8日目に記録した。防除率%はヘンダーソン−ティルトンの補正を施すことにより決定した。結果は
図18中に示す。最終製品+安息香酸ナトリウムの配合物には、最終製品単独または配合物対照単独より、良いアブラムシの防除があった。
【実施例21】
【0184】
安息香酸ナトリウムと炭酸カルシウムの比較
安息香酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムの濃度が様々な非希釈MBI−203最終製品(MBI−203EP)を、密閉プラスチック製ペトリ皿において1日太陽光に曝した。露光および非露光物質を次いで3%v/v希釈物に希釈し、人工飼料に施した。新生キャベツシャクトリムシに飼料を施し、死亡率は飼料外寄生後4日で記録した。結果は
図19中に示す。10%および15%濃度での安息香酸ナトリウムが、最も経済的な価格で最小の活性劣化となるようである。
【実施例22】
【0185】
リグニンスルホン酸塩の効果
非希釈噴霧乾燥細胞および様々な添加剤をプラスチックバイアルに注ぎ、40〜65°F、日照、数日散水ありの環境に4日間曝した。光および非露光サンプルを6%v/vに希釈し、パックマンブロッコリー植物に噴霧した。乾燥植物には5匹の未熟なキャベツアブラムシを外寄生させた。アブラムシは外寄生後3日と6日で記録した。防除はヘンダーソン−ティルトンの補正を施すことにより決定した。アッセイを6日目まで続けると、噴霧乾燥細胞および安息香酸ナトリウムは、3日目で最も高い殺傷率の1つを有し防除を維持した(
図20参照)。
【0186】
MBI−203最終製品(d−リモネン配合物)(MBI−203EP)を、様々な濃度の安息香酸ナトリウムおよびリグニンスルホン酸塩と混合した。処理剤は10%v/v濃度に希釈し、プラスチック製ペトリ皿にピペットで注ぎ、4日連続で太陽光に曝した。次いでサンプルは、人工飼料の処理によりキャベツシャクトリムシ活性に関して試験した。リグニンスルホン酸塩処理は、人工飼料の表面に外皮を形成する傾向があった。安息香酸ナトリウムのみを含んだ最終製品には、露光前後で最も有望な殺傷能力があったようである(
図21および22参照)。
【0187】
別の試験では、10%安息香酸ナトリウムおよび様々な濃度のリグニンスルホン酸塩を含む10%v/v希釈のMBI−203最終製品(d−リモネン配合物)を、密閉プラスチック製ペトリ皿において4日連続で太陽光に曝した。露光後、4週齢のパックマンブロッコリーに、約30gal/エーカーの処理率で処理剤を噴霧した。3秒後、幼虫段階のキャベツシャクトリムシを各々の処理植物に置き、アッセイの3日目および4日目に死亡率を記録した。太陽光下の植物の中では、安息香酸ナトリウムのみのサンプルに最も高い防除があった(
図23参照)。
【0188】
具体的な実施形態を参照しながら本発明を記載してきたが、様々な均等物、変形および変更形態を使用することができ、それらは依然本発明の範囲内にあることは明らかなので、その詳細は限定的なものとして解釈すべきではない。
【0189】
様々な参考文献を本明細書全体で引用し、その各々は参照としてその全容を本明細書中に組み込む。
(参考文献)