特許第6199879号(P6199879)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6199879熱可塑性ポリオレフィン(TPO)バッテンシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6199879
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】熱可塑性ポリオレフィン(TPO)バッテンシステム
(51)【国際特許分類】
   E04D 1/14 20060101AFI20170911BHJP
   E04D 1/34 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   E04D1/14
   E04D1/34 E
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-543600(P2014-543600)
(86)(22)【出願日】2012年11月23日
(65)【公表番号】特表2015-501896(P2015-501896A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】US2012066469
(87)【国際公開番号】WO2013078467
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年11月19日
(31)【優先権主張番号】61/563,328
(32)【優先日】2011年11月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501093848
【氏名又は名称】ビルディング マテリアルズ インヴェストメント コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】シュベック、ジェームス エイ
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0225904(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0059832(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00−1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層及び第1TPO下層の間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層及び第2TPO下層の間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、を備え、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の非シール領域を複数間隔を置いて残しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、
1以上の連結装置が、シール領域の上端部に添って、かつ前記シール領域の下端部にひっかかることにより、各連結装置が屋根葺きバッテンシステムに固定されるように、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の隣り合う非シール領域に収容される、屋根葺きバッテンシステム。
【請求項2】
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、を備え、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の非シール領域を複数間隔を置いて残しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に位置する隣り合う非シール領域は、連結装置が、介在するシール領域の上端部と接し、介在するシール領域の下端部に留められるように、連結装置を収容する構成を有する、屋根葺きバッテンシステム。
【請求項3】
前記収容された連結装置は、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、上端部と接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、下端部に固定可能な第4部分とを備える、請求項2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項4】
前記連結装置の第4部分は、ホック、テール、ラッチ、ショルダー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項5】
連結装置は、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状を有する、請求項2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項6】
第1非シール領域及び第2非シール領域は、実質的に互いに平行である、請求項2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項7】
第1非シール領域、第2非シール領域、又は第1非シール領域及び第2非シール領域の両方は、実質的にフォールラインと平行である、請求項2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項8】
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、
前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを備える第1シール領域と、
前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを備える第2シール領域と、
前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを備える第3シール領域と、を備え、
前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、
前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、
前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に連結装置を収容するように構成されている、屋根葺きバッテンシステム。
【請求項9】
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜は、ともに上端部及び下端部を規定する、請求項8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項10】
1シール領域は、さらに収容された連結装置が上端部と接するように構成され、
第2非シール領域は、さらに収容された連結装置が下端部に留められるように構成されている、請求項9に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項11】
収容された連結装置は、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、上端部に接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、下端部に留められ得る第4部分とを備える、請求項10に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項12】
前記連結装置の第4部分は、ホック、テール、ラッチ、ショルダー又は、これらの組み合わせを備える、請求項11に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項13】
前記連結装置は、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状を有する、請求項8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項14】
第1非シール領域及び第2非シール領域は、実質的に互いに平行である、請求項8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項15】
第1非シール領域、第2非シール領域、又は第1非シール領域及び第2非シール領域の両方は、フォールラインと実質的に平行である、請求項8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
【請求項16】
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、
前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを備える第1シール領域と、
前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを備える第2シール領域と、
前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを備える第3シール領域と、を備え、
前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、
前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、
前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に連結装置を収容するように構成された、シングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法であって、
該方法は、
屋根下地に前記第2TPO下層を固定すること、
第1部分、第2部分、第3部分及び第4部分を備える連結装置を前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域に挿入して、前記第1部分が前記第1非シール領域に収容され、前記第2部分が前記第2シール領域の上端部と接し、前記第3部分が前記第2非シール領域に収容され、前記第4部分が連結装置を固定すること、及び、
前記連結装置にシングルを吊るすこと、を含む、シングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
【請求項17】
前記シングルは、スレートを含む、請求項16に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
【請求項18】
前記屋根下地に第2TPO下層を固定することは、さらに前記第2TPO下層を機械的に前記屋根下地に固定することを含む、請求項16に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
【請求項19】
前記屋根下地に第2TPO下層を固定することは、さらに前記第2TPO下層のデッキ側に接着剤を塗布すること、及び前記屋根に前記屋根葺きバッテンシステムを貼り合わせることを含む、請求項16に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示は、屋根葺きバッテン(battens)に関し、特に、膜の間に配置された1以上の連結装置を収容するように構成された2つの熱可塑性ポリオレフィン(TPO)膜を有する熱可塑性ポリオレフィン系屋根葺きバッテンシステム(batten system)に関する。
【背景技術】
【0002】
スレート(Slate)は、利用可能で最適な屋根葺き材の1つであり、アスファルトシングル屋根(asphalt shingle roofs)よりも多くの利点を有する。スレート屋根葺きは、耐火性を有し、ひょう害に耐え、100年以上のサービス時間を有する。しかしながら、スレートは、残念ながら圧力によるダメージを受けやすい固い天然石材製品である。圧力はあらゆる方法でスレートにかけられるが、スレートにかけられる最も一般的な圧力の原因は、スレートを屋根デッキに取り付けるために用いられる釘である。釘を用いることに伴い、スレートが釘にすがりつくように釘は固定される必要がある。釘がしっかりと差し込まれれば、釘はスレートを締め付ける。一方で、釘が十分に深く差し込まれないと、隠れた圧点からスレートの重複片に割れが生じ得る。木製の敷板及び釘に及ぼされる環境的な影響も圧力の一因となる。温度及び湿度の振れのような環境的な変化は、敷板が膨張したり縮んだりすることを引き起こす。このような状況において釘が悪条件に晒されると、スレートは割れたり崩れたりし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願開示は、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)膜を有するバッテンシステムの様々な実施形態である。ある実施形態において、バッテンは互いにヒートシールされた複数のTPO膜を有し得る。ヒートシールされたTPO膜は、1以上の連結装置を噛み合わせるための膜の間に複数の非シール領域を有し得る。スレートシングル(Slate shingles)は、1以上の連結装置に吊るされ得る。
【0004】
本願開示のいくつかの実施形態は、第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層及び第1TPO下層の間に配置された第1TPOスクリム層を有する第1TPO膜と、第2TPO上層及び第2TPO下層の間に配置された第2TPOスクリム層を有する第2TPO膜とを有し、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の非シール領域を複数間隔を置いて残しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、1以上の連結装置が、シール領域の上端部に沿って(mating)、かつ前記シール領域の下端部にひっかかることにより、各連結装置が屋根葺きバッテンシステムに固定されるように、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の隣り合う非シール領域に収容される、屋根葺きバッテンシステムに関する。
【0005】
いくつかの実施形態によると、屋根葺きバッテンシステムは、第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を有する第1TPO膜と、第2TPO上層、第2TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を有する第2TPO膜とを有し得、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に間隔を置いて複数の非シール領域を有しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に位置する隣り合う非シール領域は、前記連結装置が、介在するシール領域の上端部と接し、介在するシール領域の下端部に留められるように、連結装置を収容する構成を有している。収容された連結工具は、例えば、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、前記上端部と接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、前記下端部に固定可能な第4部分とを含み得る。連結工具(例えば、第4部分)は、ホック、テール(tail)、ラッチ(latch)、ショルダー(shoulder)、又はこれらの組み合わせを含み得る。連結工具は、例えば、シングル(shingle)と接触する(例えば、シングルを固定する)ように構成された伸張部を含む第5部分を有し得る。いくつかの実施形態において、連結工具は、例えば、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状のような適切な幾何学的形状を有し得る。
【0006】
いくつかの実施形態によると、2以上の非シール領域は、実質的に互いに平行であり得る。いくつかの実施形態によると、第1非シール領域、第2非シール領域、又は第1非シール領域及び第2非シール領域の両方は、実質的にフォールライン(fall line)と平行であり得る。
【0007】
本願開示のいくつかの実施形態は、第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び選択的に、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を有する第1TPO膜と、第2TPO上層、第2TPO下層、及び選択的に、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を有する第2TPO膜とを有し得る屋根葺きバッテンシステムに関する。屋根葺きバッテンシステムは、前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを有する第1シール領域と、前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを有する第2シール領域と、前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを有する第3シール領域とを有し、前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に位置する連結装置を収容するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1TPO膜及び第2TPO膜は、ともに上端部及び下端部を規定する(例えば、TPOバッテンシステムの上端部及び下端部)。いくつかの実施形態において、非シール領域は、前記上端部に沿った開口部と前記下端部に沿った開口部とを含み得る。第1非シール領域は、連結工具が前記上端部と接触できるように構成され得、及び/又は、第2非シール領域は、連結工具が前記下端部で固定されるように構成され得る。いくつかの実施形態によると、収容された連結工具は、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、上端部に接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、下端部に固定可能な第4部分とを有し得る。連結工具(例えば、第4部分)は、ホック、テール、ラッチ、ショルダー又はこれらの組み合わせを含み得る。連結工具は、例えば、シングルと接する(例えば、固定する)ように構成された伸張部を有する第5部分を含み得る。いくつかの実施形態において、連結工具は、例えば、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状を有し得る。いくつかの実施形態において、第1TPO膜は第1TPOスクリム層を有し、第2TPO膜は第2TPOスクリム層を有する。
【0008】
いくつかの実施形態によると、本願開示は、シングルを、屋根葺きバッテンシステムを有する屋根及び/又は屋根下地に固定する方法に関する。ある方法で使用される屋根葺きバッテンシステムは、例えば、(a)第1TPO上層、第1TPO下層、及び選択的に、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を有する第1TPO膜と、(b)第2TPO上層、第2TPO下層、及び選択的に、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を有する第2TPO膜と、(c)前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを有する第1シール領域と、(d)前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを有する第2シール領域と、(e)前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを有する第3シール領域とを有し得、前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に位置する連結装置を収容するように構成される。ある方法は、例えば、屋根下地に前記第2TPO下層を固定すること、第1部分、第2部分、第3部分及び第4部分を有する連結工具を前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域に挿入して、前記第1部分が前記第1非シール領域に収容され、前記第2部分が前記第2シール領域の前記上端部と接し、前記第3部分が前記第2非シール領域に収容され、前記第4部分が前記連結工具を固定すること、及び、前記連結工具にシングルを吊るすことを含み得る。ある実施形態において、ある方法は、スレートシングルを屋根及び/又は屋根下地に固定することを含み得る。前記第2TPO下層を前記屋根下地に固定することは、機械的に前記第2TPO下層を屋根下地に固定すること及び/又は前記第2TPO下層のデッキ側を接着剤でコーティングすること及び屋根葺きバッテンシステムを屋根に貼り合わせることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願開示に従った、TPO膜の分解斜視図の一部である。
【0010】
図2A】本願開示に従った、TPOバッテンシステムの断面図の一部である。
【0011】
図2B】本願開示に従った、図2AのTPOバッテンシステムの上面図の一部である。
【0012】
図3A】本願開示のある実施形態に従った、TPOバッテンシステムに収容された連結装置を有する図2A及び図2Bに示したTPOバッテンシステムの上面図の一部である。
【0013】
図3B】本願開示のある実施形態に従った、TPOバッテンシステムに収容された複数の連結装置を有する図2A及び図2Bに示したTPOバッテンシステムの上面図の一部である。
【0014】
図4A】本願開示のある実施形態に従った、図3A及び図3Bに示したTPOバッテンシステムの連結装置の正面図である。
【0015】
図4B】本願開示のある実施形態に従った、図4Aに示した連結装置の側面図である。
【0016】
図5】本願開示のある実施形態に従った、TPOバッテンシステムの大きさとともに示した図2Bに示したTPOバッテンシステムの上面図の一部である。
【0017】
図6】本願開示に従った、屋根に導入されたTPOバッテンシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願開示のある一態様の目的は、低価なスレート屋根設置システムを提供することにある。スレート屋根設置のある手法は、自己の共同所有の(commonly owned)米国特許第7,454,873号明細書に開示されている、例えばステンレス鋼ような金属から構成されたバッテンシステムとともに複数の連結装置を設置することを可能にする。また、本願開示に上記米国特許を参照によって組み込む。金属製のバッテンは、スレート屋根が設置されている施工に適し、さらに、あまり高価でない金属が、屋根設置の達成基準を満たすバッテンシステムを構築するために使われるのであれば、コストの節約が実現され得る。
【0019】
TPO膜を有するバッテンシステムの様々な実施形態をここで開示する。TPO系屋根葺き膜は、今日の市場において入手可能な多くの屋根葺き膜のうちの1つである。TPOは、例えばエチレン−3Qプロピレンラバー(EPR)又はエチレン−プロピレン−ジエンラバー(EPDR)のようなオレフィンコポリマーエラストマー(OCE)を有する、例えばポリプロピレンポリマーのようなポリオレフィンプラスチックの溶融ブレンド又は反応ブレンドであり得る。商業的に入手可能なTPO膜の例として、SURE WELD(商標)(Carlisle Inc.)、GENFLEX(商標)(Omnova solutions, Inc)、ULTRAPLY(商標)(Firestone Building Products)及びEVERGURD TPO(商標)(OAF)が挙げられる。伸縮性のTPO膜は、自己の共同所有の(commonly owned)米国特許第7,666,491号明細書に開示されている。また、本願開示に上記米国特許を参照によって組み込む。
【0020】
図1は、TPO膜100の分解斜視図の一部である。膜100は、キャップ層102及びコア層104を有する。ある実施形態において、膜100は、さらにキャップ層102とコア層104との間に実質的に挟まれた、選択的なスクリム層106を含み得る。スクリムは、一般的に複合のTPO膜100における最も強固な層であり、膜を強化したり補強したりするのに用いられる材料の連続ストランドから構成された織布、不織布、またはニット布であり得る。布は、屋根葺き膜の張力に大きく寄与し、形状安定性を付与している。ある実施例において、布強化剤は、ポリエステルヤーン系スクリムを有する。ガラスファイバー系スクリムも、重量の増大及び/又は形状安定性が望まれる場合に用いられ得る。キャップ層102及びコア層104のそれぞれは、例えばTPOのような材料から形成され得る。
【0021】
図2Aは、TPOバッテンシステム200の断面図の一部である。図2Bは、TPOバッテンシステム200の上面図である。TPOバッテンシステム200は、公知のTPO膜であるTPO膜100a、100bを含み得る。ある実施形態において、TPO膜100a、100bは上述したTPO膜に似得る。ある実施形態において、長さ方向210に沿った所望の間隔に非シール領域202を残しつつ、TPO膜100a、100bは、シール領域204で互いにヒートシールされ得る。ある実施形態において、2つのTPO膜100a、100bは、ヒートシールというよりも接着剤を用いて互いに接着され得る。2つのTPO膜100a、100bは、共に、ホッチキスや類似の固定装置を用いて機械的に止められ得る。
【0022】
シール領域204及非シール領域202は、TPO膜100aの下層及びTPO膜100bの上層の間に位置し得る。非シール領域202は、図2Aにおいて開口領域としてはっきりと示されているが、シール領域204及び非シール領域202のいずれにおいてもTPO膜100a、100bは、通常時は互いに実質的に横に平らになり得ると理解すべきである。非シール領域202は、長さ方向210においてシール領域204により閉ざされ、それぞれ、第1端部206から第2端部208まで延伸する開口部を規定し得る。
【0023】
適切な連結装置(図示されていない)が通り抜けられ、かつバッテンシステム200に固定されるように、非シール領域202は構成され得る。ある実施形態において、図2Bに示すように、1以上の非シール領域202によって形成された開口部は、屋根によって形成されたフォールライン(例えば、屋根の頂上から下に屋根のスロープに水が注がれた場合の水が流れる屋根のライン)と平行となるように構成され得る。
【0024】
バッテンシステム200が家の屋根に設置されたとき、TPO膜100aが雨風に晒される側に位置し、太陽光の方向に向けて上向き、TPO膜100bがデッキ側に位置し、屋根のデッキに向けて下向くようにバッテンシステム200は配置され得る。バッテンシステム200は、様々な手法により屋根デッキ(図示されていない)のような屋根下地に設置され得る。ある手法は、ネジ及び/又は釘(図示されていない)を用いてバッテンシステム200を介して屋根下地に機械的に固定することを採用し得る。特に、バッテンシステム200は、バッテンシステム200の1以上のシール領域204に打ち込まれたネジ及び/又は釘を用いて屋根下地に機械的に固定され得る。他の手法は、TPO膜100bのデッキ側に例えば感圧接着剤のような接着剤を塗布して、屋根下地にバッテンシステム200を貼り合わせることである。
【0025】
図3Aは、TPOバッテンシステムに収容された連結装置を有する図2A及び図2BのTPOバッテンシステムの上面図の一部である。図3Bは、TPOバッテンシステムに収容された複数の連結装置を有する図2A及び図2Bに示したTPOバッテンシステムの上面図の一部である。ある実施形態において、連結装置302は、TPOバッテンシステム200の非シール領域202の1つに収容され得るハンガーを含む。ハンガーは、簡単に設置及び除去されることができ、スレートの適切な支持を促すので、TPOバッテンシステム200に組み込まれるのに適し得る。ある実施形態において、連結装置302は、スプリングテンパー(spring tempered)ステンレス鋼から形成され得る。
【0026】
連結装置302は、第1部材304及び第2部材306を有し得る。連結部材302は、TPOバッテンシステム200の端部206からTPOバッテンシステム200へ収容され得る。第1部材304は、第1非シール202’に収容され、第2部材306は、隣の第2非シール領域202”に収容され得る。連結装置302が、非シール領域202’、202”に収容されたとき、連結装置302の部分308は、シール領域204に形成された第1端部206と接し(例えば、寄りかかる(rest against))得る。連結装置302の第2部材306は、第1TPO膜100aが実質的に第2TPO膜100bに寄りかかって、非シール領域202”が実質的に閉じたりとき、連結装置302がTPOバッテンシステム200から出たり、離れたりすることを防ぐように構成され得る。第2部材306は、第2端部208を噛み合わせるようにできるテール、ラッチ又はショルダーを含み得る。図3A及び図3Bに示されたある実施形態において、第2部材306は、非シール領域202”に収容され、その後周辺に引っ掛けてTPOバッテンシステム200の第2端部208に噛み合わせることができるテールを含み得、それにより連結装置302がTPOバッテンシステム200から出たり、離れたりすることを防ぐことができる。
【0027】
スレートシングル(図示されていない)が連結装置302の第1部材304に取り付けられたとき、重力により、連結装置302の部分308がTPOバッテンシステム200の端部206に引き寄せられる。TPOバッテンシステム200が屋根デッキに配置されたとき、図6に示すように、連結装置302の第1部材304は、スレートシングルの吊り下げ重量が連結装置302から屋根デッキへと移動するように設計され得、それによりTPOバッテンシステム200に係る負荷が低減され、1以上のスレートシングルの重量が屋根デッキに分散する。
【0028】
図3A及び図3Bに戻ると、TPOバッテンシステム200のTPO材料は、バッテンシステム200の完全な状態を維持できるような十分な強度を提供しつつ、TPO材料の弾性によりTPOバッテンシステム200がスレートシングルの重量を受けてわずかに変形し得る。いくつかの実施形態において、長時間に渡ると、連結装置302及びスレートシングルの重量により、ヒートシールされたTPO膜100a、100bがシール領域204において分離し始め得る。ヒートシールされたTPO膜100a、100bが分離すると、スレートシングルの配置は不安定となり得る。したがって、ある実施形態において、機械的剛性を向上させTPOバッテンシステム200の変形を低減させるために、留め具310がTPOバッテンシステム200に挿入され得る。2つのTPO膜100a、100bが互いにヒートシールされた後、又は留め具310の周辺で2つのTPO膜100a、100bがヒートシールされた後に、留め具310がTPOバッテンシステム200に挿入され得る。
【0029】
1以上の留め具310は、1以上のシール領域204においてバッテンシステム200に挿入される。図3Aに示されているように、ある留め具310は、バッテンシステム200のシール領域204の端部206から端部208までに至る間のほぼ中央部分に位置する。このような構成において、連結装置302がバッテンシステム200に挿入されると、連結装置302の部分308が留め具310に寄りかかり得るポイントまでバッテンシステム200がわずかに撓む。ある実施形態において、留め具310は、バッテンシステム200の端部206に沿ったシール領域204の右上隅に位置し得る。図3Bに示されているように、2つの留め具310は、バッテンシステム200の端部206に沿ったシール領域204のほぼ隅に位置する。このような構成において、バッテンシステム200の端部206又はその付近に留め具310が位置するので、バッテンシステム200は、ほんの少ししか撓まないか又は全く撓まない。図3Bには、上側に複数の留め具310が示されているが、いくつかの実施形態では、端部206付近に留め具310が1つのだけの場合もありえることに留意すべきである。さらに、例えば、3つ、4つ、5つ、10つ等他の複数個の留め具が用いられ得ることも留意すべきである。
【0030】
図4Aは、図3A及び図3BのTPOバッテンシステムの連結装置の正面図である。図4Bは、図4Aの連結装置の側面図である。上述したように、連結装置302は、第1部材304、第2部材306、部分308を有し得る。第1部材304は、TPOバッテンシステムが屋根デッキに配置されたとき、屋根から外に向かって延伸するように構成され得るホックを有し得る。第1部材304のホックは、スレートシングル(図示されていない)を収容して一体化するように構成され得る。したがって、第1部材304は、ホックでスレートシングルの下端を受け止めるように、少なくともスレートシングルの厚さ分外側に延伸し得る。
【0031】
TPOバッテンシステムが屋根デッキに配置されたとき、第2部材306は、屋根から外側に延伸するようにも構成され得るテールを有し得る。第2部材306は、TPOバッテンシステムの第2端部(図示されていない)のまわりで引っ掛けられて第2端部と噛み合い、それにより、連結装置302がTPOバッテンシステムから出ないまたは離れないようにし得る。第1部材304と比較すると、第2部材306は第1部材304ほど遠くに外側に引き伸ばされる必要はないかもしれない。第2部材306は、TPOバッテンシステムの第2端部のまわりで引っ掛けられて第2端部と噛み合うのに十分な分だけ外側に伸ばされていることが望ましい。
【0032】
部分308は、TPOバッテンシステムのシール領域(図示されていない)と一体化(mate with)するように構成され得る。スレートシングル(図示されていない)が第1部材304で受け止められるとき、連結装置302の部分308がTPOバッテンシステムの非シール領域の上端と接するようになるまで、重力により連結装置302が屋根デッキのフォールラインへと引き下ろされる。
【0033】
図5は、本願開示のある実施形態に従った、大きさとともに示した図2Bの上面図の一部である。ある実施形態において、TPOバッテンシステム200は、端部206から端部208までの長さが約1.25インチから1.5インチの高さであり得、より詳しくは約1.30インチから1.45インチの高さであり得、さらにより詳しくは約1.38インチの高さであり得る。ある実施形態において、TPOバッテンシステム200は、長さ方向210に沿った長さとして、約36インチから60インチの長さであり得、より詳しくは約42インチから54インチの長さであり得、さらにより詳しくは約46インチから50インチの長さであり得る。図4の屋根の長さが48インチよりも長いので、個々のTPOバッテンシステム200は、4フィートごとに屋根に配置され得る。
【0034】
図5に戻ると、ある実施形態において、各非シール領域202は、長さ方向210に沿った長さとして、幅約0.40インチから0.85インチであり得、より詳しくは幅約0.50インチから0.75であり得、さらにより詳しくは幅約0.60インチから0.65であり得る。ある実施形態において、各シール領域は、長さ方向210に沿った長さとして、幅約0.65インチから1.10インチであり得、より詳しくは幅約0.75インチから1.00インチであり得、さらにより詳しくは幅約0.85インチから0.90インチであり得る。各シール領域204の中央から隣りのシール領域204の中央までの幅は、長さ方向210に沿った長さとして、約1.25インチから1.75インチであり得、より詳しくは1.35インチから1.65インチであり得、さらにより詳しくは1.45インチから1.55インチであり得る。バッテンシステム200は、コストを最小限にし、簡単に配置されるように本願で開示された実施形態に従って構成され得る。
【0035】
図5に示された例示的な実施形態において、各バッテンシステム200を有する2つの1.38インチ×48インチのTPO膜100a、100bの材料費は、およそ0.26ドルであり、金属製のバッテンシステムと比べて最適化され、経費削減し得る。例示的な実施形態における膜100a、100bは、1.38インチ×48インチであるが、コストを最小化および配置しやすさの実現のため、バッテンシステム200の膜100a、100bは、各々の長さをより短く及び/又は長くし得る。
【0036】
図6は、屋根デッキ600に配置されたTPOバッテンシステム200の斜視図である。図示されているように、1以上のバッテンシステム200は、構造物の一方の端から他方の端まで屋根デッキ600の長さ方向に沿って配置され得る。複数の連結装置302は、それぞれ、複数の連結装置302の第1部材がバッテンシステム200に吊り下げられている状態で、バッテンシステム200に沿って所望の間隔を開けて配置され得る。図6に示されているバッテンシステム200は1つだけだが、連結装置302が実質的に屋根デッキ600の表面すべてを覆うように、複数のバッテンシステム200が屋根デッキ600の上から下までの間で所望の間隔を開けて配置され得る。スレートシングルが屋根デッキ600の表面の連続的な屋根葺きをなすように、1以上のスレートシングル(図示されていない)は、各連結装置302に取り付けられ得る。
【0037】
開示された原理に従った様々な実施形態を述べてきたが、それらはただ単に例として表されたものであり、それらに限定されるものではない。従って、発明の広がりや範囲は、上述した模範的な実施形態によって限定されるべきではなく、請求項及び本願開示にから生じる同等のものに従ってのみ規定されるべきである。さらに、上記利点及び特徴は上述した実施形態に提供されているが、そのような登録された請求項の出願が、上記利点の幾つか又はすべてを達成するプロセス及び構造に限定されるべきではない。
【0038】
更に、本願の冒頭は、37C.F.R.1.77における示唆に整合するよう、あるいは構成の手がかり(organizational cues)を提供するよう、与えられるものである。これらの冒頭の記載は、本願開示から与えられ得る請求項において定められる本発明を限定又は特徴付けするものではない。具体的には、「背景」における技術の説明は、技術が本願開示における発明に対する先行技術であることを認めているものとして解釈されるべきではない。更に、本願において単数形で示される「発明」の記載は、本願には1点の新規性しかないことを議論するために使用されるべきではない。複数の発明は、本願開示によって与えられる複数の請求項の限定に従って示され得、したがってかかる請求項が保護される発明及びそれと同等のものを定義付ける。全ての例において、かかる請求項の範囲は、本願開示を踏まえてその実体に基づいて考慮されるべきであり、本願の冒頭によって制約されるべきではない。
(付記)
(付記1)
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層及び第1TPO下層の間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層及び第2TPO下層の間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、を備え、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の非シール領域を複数間隔を置いて残しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、
1以上の連結装置が、シール領域の上端部に添って、かつ前記シール領域の下端部にひっかかることにより、各連結装置が屋根葺きバッテンシステムに固定されるように、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の隣り合う非シール領域に収容される、屋根葺きバッテンシステム。
(付記2)
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、を備え、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間の非シール領域を複数間隔を置いて残しつつ、前記第1TPO下層は前記第2TPO上層とシール領域でヒートシールされ、
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に位置する隣り合う非シール領域は、連結装置が、介在するシール領域の上端部と接し、介在するシール領域の下端部に留められるように、連結装置を収容する構成を有する、屋根葺きバッテンシステム。
(付記3)
前記収容された連結工具は、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、上端部と接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、下端部に固定可能な第4部分とを備える、付記2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記4)
前記連結工具の第4部分は、ホック、テール、ラッチ、ショルダー、又はこれらの組み合わせを含む、付記3に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記5)
連結工具は、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状を有する、付記2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記6)
第1非シール領域及び第2非シール領域は、実質的に互いに平行である、付記2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記7)
第1非シール領域、第2非シール領域、又は第1非シール領域及び第2非シール領域の両方は、実質的にフォールラインと平行である、付記2に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記8)
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、
前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを備える第1シール領域と、
前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを備える第2シール領域と、
前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを備える第3シール領域と、を備え、
前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、
前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、
前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に連結装置を収容するように構成されている、屋根葺きバッテンシステム。
(付記9)
前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜は、ともに上端部及び下端部を規定する、付記8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記10)
第1非シール領域は、さらに収容された連結工具が上端部と接するように構成され、
第2非シール領域は、さらに収容された連結工具が下端部に留められるように構成されている、付記9に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記11)
収容された連結工具は、第1非シール領域に収容可能な第1部分と、上端部に接触可能な第2部分と、第2非シール領域に収容可能な第3部分と、下端部に留められ得る第4部分とを備える、付記10に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記12)
前記連結工具の第4部分は、ホック、テール、ラッチ、ショルダー又は、これらの組み合わせを備える、付記11に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記13)
前記連結工具は、1つの開口部を有する概して矩形形状又は1つの開口部を有する概して六角形状を有する、付記8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記14)
第1非シール領域及び第2非シール領域は、実質的に互いに平行である、付記8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記15)
第1非シール領域、第2非シール領域、又は第1非シール領域及び第2非シール領域の両方は、フォールラインと実質的に平行である、付記8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記16)
前記第1TPO膜は前記第1TPOスクリム層を備え、前記第2TPO膜は前記第2TPOスクリム層を備える、付記8に記載の屋根葺きバッテンシステム。
(付記17)
第1熱可塑性ポリオレフィン(TPO)上層、第1TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第1TPOスクリム層を備える第1TPO膜と、
第2TPO上層、第2TPO下層、及び所望により、それらの間に配置された第2TPOスクリム層を備える第2TPO膜と、
前記第1TPO下層の第1部分及び前記第2TPO上層の第1部分の間に位置するヒートシールを備える第1シール領域と、
前記第1TPO下層の第2部分及び前記第2TPO上層の第2部分の間に位置するヒートシールを備える第2シール領域と、
前記第1TPO下層の第3部分及び前記第2TPO上層の第3部分の間に位置するヒートシールを備える第3シール領域と、を備え、
前記第1シール領域及び前記第2シール領域は、第1非シール領域により分離され、
前記第2シール領域及び前記第3シール領域は、第2非シール領域により分離され、
前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域は、前記第1TPO膜及び前記第2TPO膜の間に連結装置を収容するように構成された、シングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法であって、
該方法は、
屋根下地に前記第2TPO下層を固定すること、
第1部分、第2部分、第3部分及び第4部分を備える連結工具を前記第1非シール領域及び前記第2非シール領域に挿入して、前記第1部分が前記第1非シール領域に収容され、前記第2部分が前記第2シール領域の上端部と接し、前記第3部分が前記第2非シール領域に収容され、前記第4部分が連結工具を固定すること、及び、
前記連結工具にシングルを吊るすこと、を含む、シングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
(付記18)
前記シングルは、スレートを含む、付記17に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
(付記19)
前記屋根下地に第2TPO下層を固定することは、さらに前記第2TPO下層を機械的に前記屋根下地に固定することを含む、付記17に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
(付記20)
前記屋根下地に第2TPO下層を固定することは、さらに前記第2TPO下層のデッキ側に接着剤を塗布すること、及び前記屋根に前記屋根葺きバッテンシステムを貼り合わせることを含む、付記17に記載のシングルを屋根葺きバッテンシステムを有する屋根に固定する方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6