特許第6200214号(P6200214)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブリヂストンの特許一覧

<>
  • 特許6200214-タイヤ検査方法及びタイヤ検査装置 図000002
  • 特許6200214-タイヤ検査方法及びタイヤ検査装置 図000003
  • 特許6200214-タイヤ検査方法及びタイヤ検査装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200214
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】タイヤ検査方法及びタイヤ検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20170911BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20170911BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20170911BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20170911BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   G01N21/88 J
   B60C19/00 H
   G01M17/02
   G01B11/30 A
   G01B11/24 K
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-121830(P2013-121830)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-238368(P2014-238368A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】水野 智宏
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−138654(JP,A)
【文献】 特開2007−333457(JP,A)
【文献】 特開2001−256474(JP,A)
【文献】 特開2003−121381(JP,A)
【文献】 特開昭62−233746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01B 11/00−11/30
G01T 1/00− 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸部を有するトレッドを備えるタイヤを検査するタイヤ検査方法であって、
前記トレッドの表面形状を特定するための複数の測定データを測定するステップAと、
前記複数の測定データと、前記トレッドの基準の表面形状を特定するための複数の基準データとに基づいて、前記トレッドの表面形状における異常の有無を判定するステップBとを備え、
前記ステップBは、
前記陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、前記複数の測定データ及び前記複数の基準データから抽出するステップB1と、
前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データと、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データとを対比するステップB2とを備え、
前記ステップB2において、前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データに対応するコーナーが、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データ対応するコーナーから所定の距離以上離れている場合に、前記トレッドの表面形状に異常があると判定するタイヤ検査方法。
【請求項2】
前記ステップB1は、前記輪郭線上に指定した点から所定距離の範囲内に位置する点に対応する測定データに基づいて、前記指定した点から前記所定距離の範囲内における前記陸部上の点の比率が所定の数値範囲にあると判定した場合に、前記指定した点を前記コーナーとして特定するステップB3を含む請求項1に記載のタイヤ検査方法。
【請求項3】
陸部を有するトレッドを備えるタイヤを検査するタイヤ検査装置であって、
前記トレッドの表面形状を特定するための複数の測定データを測定する測定部と、
前記複数の測定データと、前記トレッドの基準の表面形状を特定するための複数の基準データとに基づいて、前記トレッドの表面形状における異常の有無を判定する異常判定部とを備え、
前記異常判定部は、
前記陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、前記複数の測定データ及び前記複数の基準データから抽出し、
前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データと、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データとを対比し、
前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データに対応するコーナーが、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データに対応するコーナーと所定の距離以上離れている場合に、前記トレッドの表面形状に異常があると判定するタイヤ検査装置。
【請求項4】
前記異常判定部は、前記輪郭線上に指定した点から所定距離の範囲内に位置する点に対応する測定データに基づいて、前記指定した点から前記所定距離の範囲内における前記陸部上の点の比率が所定の数値範囲にある場合に、前記指定した点を前記コーナーとして特定する請求項3に記載のタイヤ検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ検査方法及びタイヤ検査装置に関し、特に、トレッドの表面形状における異常の有無を検査するタイヤ検査方法及びタイヤ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤのトレッドの表面形状における異常、すなわち、トレッドにおける欠損の有無を判定するために、トレッドの基準の表面形状を示すマスターデータを用いたタイヤ検査方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
トレッドの表面形状は、溝部と、溝部によって画定される陸部とによって画定される。マスターデータは、トレッドの基準の表面形状を特定するデータである。タイヤ検査方法においては、トレッドを撮像することによって測定したデータとマスターデータとを対比することにより、トレッドの表面形状における異常の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−59129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マスターデータは、トレッドの撮像時に生じた誤差を含む可能性がある。マスターデータの精度向上には、より多くの画素数で撮像することが有効であるが、画素数が増加すると、データの処理量も増加してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、データの処理量の増加を抑制しつつ、トレッドの表面形状における異常の有無を効率的に判定するタイヤ検査方法及びタイヤ検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るタイヤ検査方法は、陸部を有するトレッド(トレッドTs)を備えるタイヤ(タイヤT)を検査するタイヤ検査方法であって、前記トレッドの表面形状を特定するための複数のデータを測定するステップAと、前記複数の測定データと、前記トレッドの基準の表面形状を特定するための複数の基準データとに基づいて、前記トレッドの表面形状における異常の有無を判定するステップBとを備え、前記ステップBは、前記陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、前記複数の測定データ及び前記複数の基準データから抽出するステップB1と、前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データと、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データとを対比するステップB2とを備えることを要旨とする。
【0008】
また、本発明に係るタイヤ検査装置(タイヤ検査装置1)は、陸部を有するトレッドを備えるタイヤを検査するタイヤ検査装置であって、前記トレッドの表面形状を特定するための複数のデータを測定する測定部(測定装置10)と、前記複数の測定データと、前記トレッドの基準の表面形状を特定するための複数の基準データとに基づいて、前記トレッドの表面形状における異常の有無を判定する異常判定部(異常判定装置20)とを備え、前記異常判定部は、前記陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、前記複数の測定データ及び前記複数の基準データから抽出し、前記複数の測定データから抽出された前記コーナー位置データと、前記複数の基準データから抽出された前記コーナー位置データとを対比することを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、データの処理量の増加を抑制しつつ、トレッドの表面形状における異常の有無を効率的に判定するタイヤ検査方法及びタイヤ検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係るタイヤ検査装置を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る異常判定装置を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係るタイヤ検査方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、本発明の実施形態に係るタイヤ検査装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0012】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
以下において、本実施形態に係るタイヤ検査装置について説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ検査装置1を示す図である。
【0014】
図1に示すように、タイヤ検査装置1は、測定装置10と、異常判定装置20とを有する。測定装置10は、タイヤ回転装置11と、照射器12と、撮像器13とを含む。また、異常判定装置20は、データ処理装置30と、表示装置40とを含む。
【0015】
タイヤ回転装置11は、タイヤTを径方向中心において垂直方向に保持し、モータにより周方向に回転させる。
【0016】
照射器12は、スリット状の赤色レーザー光、白色レーザー光、又はその他単色のレーザー光(スリット光)をトレッドTsの表面に照射する。図1においては、照射器12として、タイヤTの幅方向と平行に配置された照射器12a,12b,12cが示される。照射器12a,12b,12cは、照射器12a,12b,12cの発するスリット光がタイヤTの幅方向に一直線に延びるように、トレッドTsにスリット光を照射する。
【0017】
撮像器13は、例えばCCDカメラ又はCMOSカメラであり、タイヤ回転装置2により回転するトレッドTsの表面形状を撮像する。図1においては、撮像器13として、撮像器13a,13b,13cが示される。撮像器13a,13b,13cは、トレッドTsの照射位置14で反射する照射器12a,12b,12cからのスリット光を受光し、トレッドTsの表面形状を特定するための複数のデータを測定する。すなわち、トレッドTsの表面に位置する複数の点について測定したデータ(以下、測定データ)は、タイヤTの径方向中心からの距離(高さ)を含む。撮像器13は、測定データに基づいて、例えば256階調(グレースケール)の色調情報を有する帯状の画像として、トレッドTsの表面形状の画像を生成し、データ処理装置30に出力する。
【0018】
データ処理装置30は、データ入力部31と、データ処理部32と、データ記憶部33と、データ出力部34とを有する。
【0019】
データ入力部31は、測定装置10から測定データを取得する。
【0020】
データ処理部32は、データ入力部31が取得した測定データに基づいて、トレッドTsの表面形状の画像を生成する。具体的には、データ処理部32は、測定データに基づいて、タイヤの径方向中心からの距離(高さ)が閾値以上である点を、陸部上の点として特定し、高さが閾値未満である点を、溝部上の点として特定する。データ処理部32は、溝部上の点と隣接する陸部上の点を結んだ線を、輪郭線として特定する。このようにして、データ処理部32は、陸部及び溝部を有するトレッドTsの表面形状の画像を生成する。
【0021】
データ処理部32は、データ入力部31が取得した測定データに基づいて、トレッドTsの基準の表面形状を特定するための複数の基準データを算出する。具体的には、データ処理部32は、トレッドTsの表面形状の画像を、周方向に一定の切り出し幅で切り出す。切り出し幅は、例えば、トレッドパターンのピッチバリエーションのうち最も幅の狭い間隔である。データ処理部32は、切り出した複数の画像のマッチングを行うことによって、基準データを算出する。
【0022】
データ処理部32は、陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、複数の測定データ及び複数の基準データから抽出する。ここで、コーナーは、陸部の輪郭線の角度が大きく変化する点を意味する。コーナーは、通常、複数の溝部が合流する部分、又は、溝部の端部等に形成されるが、トレッドTsの表面に欠損が存在する場合にも、欠損した部分では輪郭線の角度が大きく変化するため、コーナーが形成される。
【0023】
複数の測定データ及び複数の基準データからコーナー位置データの抽出する方法としては、例えば、SUSANオペレータ、Harrisオペレータ、KLTトラッカー、主曲率法、FAST、Trajkovic and Hedleyの手法、Moravecオペレータ、ShiとTomasiの方法等の、任意のコーナー検出法を用いることができるが、ここでは、SUSANオペレータを例に説明を行う。
【0024】
データ処理部32は、輪郭線上に指定した点から所定距離の範囲内に位置する点に対応する測定データに基づいて、指定した点から所定距離の範囲内における陸部上の点の比率が所定の数値範囲にある場合に、指定した点を前記コーナーとして特定する。具体的には、データ処理部32は、トレッドTsの表面形状の画像において、例えば、輪郭線上に指定した点を中心として半径Rの円を描画する。このとき、データ処理部32は、半径Rの円に属する点に対応する測定データに基づいて、半径Rの円における陸部上の点の比率を算出する。その結果、半径Rの円における陸部上の点の比率が所定の数値範囲にある場合に、データ処理部32は、指定した点をコーナーとして特定する。
【0025】
所定の数値範囲は、任意に設定することができるが、例えば、以下のように設定することができる。指定した点が輪郭線の平坦な部分に位置する場合、半径Rの円においては陸部上の点と溝部上の点とが概ね50%ずつ含まれる。そこで、データ処理部32は、半径Rの円における陸部上の点の比率が、50%に誤差を加味した数値範囲である場合(例えば45%〜55%)には、指定した点がコーナーではないと判定する。それ以外の場合(例えば45%未満、又は、55%以上)には、データ処理部32は、半径Rの円における陸部上の点の比率が所定の数値範囲にあると判定し、指定した点をコーナーとして特定してもよい。
【0026】
データ処理部32は、複数の測定データから抽出されたコーナー位置データに対応するコーナーが、複数の基準データから抽出されたコーナー位置データに対応するコーナーと所定の距離以上離れている場合に、トレッドTsの表面形状に異常があると判定する。所定の距離は、コーナーとして特定するための輪郭線の角度変化条件に応じて、任意に設定することができる。
【0027】
データ記憶部33は、基準データを記憶する。データ出力部34は、データ処理部32が生成したトレッドTsの表面形状の画像と、トレッドTsの基準の表面形状の画像とを、表示装置40に出力する。
【0028】
図2は、本実施形態に係る表示装置40に表示される画像の例を示す図である。図2に示すように、表示装置40は、データ処理装置30から取得したトレッドTsの表面形状の画像と、トレッドTsの基準の表面形状の画像とを表示する。
【0029】
図2(a)は、測定データに基づいて生成されたトレッドTsの表面形状の画像を示す。図2(a)に示すように、輪郭線C1には、コーナーP11〜P17が形成されている。
【0030】
図2(b)は、基準データに基づいて生成されたトレッドTsの基準の表面形状の画像を示す。図2(b)に示すように、輪郭線C0には、コーナーP01〜P06が形成されている。
【0031】
図2(c)は、図2(a)に示すトレッドTsの表面形状の画像と、図2(b)に示すトレッドTsの基準の表面形状の画像とを重ねた図を示す。ここで、輪郭線C1上の全てのコーナーと輪郭線C0上の全てのコーナーとが対応する場合(輪郭線C1上のコーナーから所定距離の範囲内に、輪郭線C0上のコーナーが位置する場合)、異常判定装置30(データ処理部32)は、トレッドTsの表面に異常がないと判定する。一方、輪郭線C1上のコーナーに隣接するコーナーが輪郭線C0上に存在しない場合(輪郭線C1上のコーナーから所定距離の範囲内に、輪郭線C0上のコーナーが存在しない場合)、そのコーナーは輪郭線C0上のコーナーと対応しておらず、異常判定装置30は、トレッドTsの表面に異常があると判定する。
【0032】
図2(c)では、輪郭線上C1上のコーナーP12に隣接するコーナーが輪郭線C0上に存在しない。また、輪郭線上C1上のコーナーP11と、最も隣接する輪郭線C0上のコーナーP01とは、所定距離以上離れた位置に存在する。従って、コーナーP11とP12との間に、トレッドTs表面の欠損が生じていることがわかる。
【0033】
(タイヤ検査方法)
以下において、本実施形態に係るタイヤ検査方法について説明する。図4は、本実施形態に係るタイヤ検査方法を示すフロー図である。
【0034】
ステップS10において、測定装置10は、トレッドTsの表面形状を特定するための複数のデータを測定する。測定データは、トレッドTsの表面に位置する複数の点とタイヤTの径方向中心との距離を含む。
【0035】
ステップS11において、データ処理装置30は、複数の測定データに基づいて、トレッドTsの基準の表面形状を特定するための複数の基準データを算出する。
【0036】
ステップS12において、データ処理装置30は、タイヤの径方向中心からの距離(高さ)が閾値以上である点を、陸部上の点として特定し、高さが閾値未満である点を、溝部上の点として特定する。
【0037】
ステップS13において、データ処理装置30は、溝部上の点と隣接する陸部上の点を結んだ線を、陸部の輪郭線として特定する。
【0038】
ステップS14において、データ処理装置30は、陸部の輪郭線上に形成されたコーナーの位置を示すコーナー位置データを、複数の測定データ及び複数の基準データから抽出する。具体的には、データ処理装置30は、輪郭線に指定した点から所定距離の範囲内において、陸部上の点の比率が所定の数値範囲にある場合に、指定した点をコーナーとして特定する。
【0039】
ステップS15において、データ処理装置30は、複数の測定データから抽出されたコーナー位置データと、複数の基準データから抽出されたコーナー位置データとを対比する。具体的には、データ処理装置30は、複数の測定データから抽出されたコーナー位置データが、複数の基準データから抽出されたコーナー位置データと対応しない場合に、トレッドTsの表面形状に異常があると判定する。
【0040】
以上説明したように、本発明に係るタイヤ検査装置は、測定データから抽出されたコーナー位置データと、基準データから抽出されたコーナー位置データとを対比する。これにより、全ての測定データを基準データと対比することなく、輪郭線上の特徴部分であるコーナーの位置のみを対比させることにより、トレッドTsにおける欠損の有無を判定することができる。また、輪郭線上に形成されたコーナーは、撮像器13が撮像する画像の画素数を増やす必要なく、複数の測定データから位置データを容易に抽出することができる。従って、本発明に係るタイヤ検査方法及びタイヤ検査装置は、データの処理量の増加を抑制しつつ、トレッドの表面形状における異常の有無を効率的に判定することができる。
【0041】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0042】
実施形態では、データ処理装置30は、複数の測定データに基づいて、トレッドの基準の表面形状を特定するための複数の基準データを算出するものとして説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。基準データとして、タイヤの種類毎に予め設定された数値を用いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…タイヤ検査装置、10…測定装置、11…タイヤ回転装置、12…照射器、13…撮像器、14…照射位置、20…データ処理装置、30…異常判定装置、31…データ入力部、32…データ処理部、33…データ記憶部、34…データ出力部、40…表示装置、T…タイヤ、Ts…トレッド
図1
図2
図3