(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1に開示の方法では、基板の表裏両面にそれぞれ形成される感光性レジストに露光する際には、基板の表面と裏面とを、表側のフォトマスクにそれぞれ位置合わせする必要がある。そのため、基板のリング状位置合わせマークと、フォトマスクの円形位置合わせマークとの間の位置ずれが2回発生するので、基板の表裏の位置合わせ精度を向上させることは困難である。
【0009】
また、特許文献2に開示の方法では、基板の銅箔と透明層(たとえばポリイミドフィルム)との間には、密着性を高めるための凹凸が存在している。そのため、基板の銅箔を裏面処理によって除去して貫通孔を形成すると、透明層に存在する凹凸によって光が散乱し、貫通孔のエッジや裏側のフォトマスクに存在する位置合わせマークのエッジが不鮮明となり、位置合わせ精度が低下する、という問題がある。また、基板に機械加工での孔開けによる貫通孔を形成する場合には、加工精度バラ付きが生じることにより、位置合わせ精度が低下してしまう、という問題がある。さらに、特許文献2に開示の方法では、基板は、ロール状の巻回部分から露光する部位に引き出しているが、露光部位では、基板はテンションにより保持されている。そのため、基板が引き伸ばされてしまう虞があり、また露光部位での保持が安定的ではないため、位置合わせ精度を向上させることは困難である。
【0010】
なお、特許文献1、2に開示の方法に、特許文献3、4のワーク保持手段を適用しても、フォトマスクと基板との間の位置合わせ精度を向上させることは困難である。
【0011】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、基板の表裏面に配置されるそれぞれのフォトマスクとの間の位置合わせ精度を向上させることが可能なフォトマスク、フォトマスク組、露光装置および露光方法を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、基板と対向する一方の面に形成される露光のための描画パターンと、基板が保持される場合において一方の面のうち当該基板と対向する部位であって描画パターンが形成されていない部位に設けられると共に、基板に形成されている基板側マークと位置合わせを行うための第1位置合わせマークと、基板が保持される場合において当該基板と対向しない部位に設けられると共に、他のフォトマスクに設けられている第3位置合わせマークと位置合わせを行うための第2位置合わせマークと、を具備
し、一方の面には、凹部が設けられていて、この凹部は、圧力発生手段を介して負圧が及ぼされることにより一方の面と対向する基板の対向面に負圧を及ぼすものであり、凹部には、一方の面に沿って延伸する吸引溝と、一方の面とは反対側の他方の面から吸引溝までを貫く吸引孔と、が設けられていて、吸引溝は環状に設けられていて、第1位置合わせマークは一方の面のうち環状の吸引溝で囲まれる内側に設けられ、第2位置合わせマークは一方の面のうち環状の吸引溝の外側に設けられている、ことを特徴とするフォトマスクが提供される。
【0016】
また、本発明の第2の観点によると、第1フォトマスクと、第2フォトマスクとから構成されるフォトマスク組であって、第1フォトマスクは、基板と対向する一方の面に形成される露光のための描画パターンと、基板が保持される場合において一方の面のうち当該基板と対向する部位であって描画パターンが形成されていない部位に設けられると共に、基板に形成されている基板側マークと位置合わせを行うための第1位置合わせマークと、基板が保持される場合において当該基板と対向しない部位に設けられると共に、第2フォトマスクに設けられている第3位置合わせマークと位置合わせを行うための第2位置合わせマークと、を具備し、
一方の面には、凹部が設けられていて、この凹部は、圧力発生手段を介して負圧が及ぼされることにより一方の面と対向する基板の対向面に負圧を及ぼすものであり、凹部には、一方の面に沿って延伸する吸引溝と、一方の面とは反対側の他方の面から吸引溝までを貫く吸引孔と、が設けられていて、吸引溝は環状に設けられていて、第1位置合わせマークは一方の面のうち環状の吸引溝で囲まれる内側に設けられ、第2位置合わせマークは一方の面のうち環状の吸引溝の外側に設けられていて、第2フォトマスクは、基板と対向する一方の面に形成される露光のための描画パターンと、基板が保持される場合において一方の面のうち当該基板と対向しない部位に設けられると共に、第1フォトマスクに設けられている第2位置合わせマークと位置合わせを行うための第3位置合わせマークと、を具備することを特徴とするフォトマスク組が提供される。
【0017】
また、本発明の第3の観点によると、両面に感光性材料が形成されている基板の両面に露光する露光装置であって、第1駆動源を備えると共に、露光を行う位置において基板の一方の面に対向する状態で配置される第1フォトマスクを第1駆動源の駆動によって移動させる第1移動機構と、第2駆動源を備えると共に、露光を行う位置において基板の一方の面に対向する状態で配置される第2フォトマスクを第2駆動源の駆動によって移動させる第2移動機構と、第1フォトマスクに形成されている第1位置合わせマークと、基板に形成されている基板側マークとを撮影すると共に、第1フォトマスクに形成されている第2位置合わせマークと、第2フォトマスクに形成されている第3位置合わせマークとを撮影する撮影手段と、第1駆動源、第2駆動源および撮影手段の駆動を制御する制御部と、
負圧を利用して第1フォトマスクで基板を保持する、または正圧を利用して第1フォトマスクによる基板の保持を解除する第1圧力発生手段と、負圧を利用して第2フォトマスクで基板を保持する、または正圧を利用して第2フォトマスクによる基板の保持を解除する第2圧力発生手段と、を具備し、制御部は、撮影手段での第1位置合わせマークと基板側マークとの撮影結果に基づいて、それらの間の位置合わせが行われるように第1駆動源を制御し、撮影手段での第2位置合わせマークと第3位置合わせマークとの撮影結果に基づいて、それらの間の位置合わせが行われるように第2駆動源を制御
し、第1圧力発生手段および第2圧力発生手段の駆動を制御し、第1駆動源の制御により基板と第1フォトマスクの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第1フォトマスクで基板を保持するように第1圧力発生手段の駆動を制御し、第2駆動源の制御により第1フォトマスクと第2フォトマスクの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第2フォトマスクで基板を保持するように第2圧力発生手段の駆動を制御する、ことを特徴とする露光装置が提供される。
【0018】
また、本発明の第4の観点によると、両面に感光性材料が形成されている基板の両面に露光する露光装置であって、一方の面に形成される露光のための描画パターンと、基板が保持される場合において一方の面のうち当該基板と対向する部位であって描画パターンが形成されていない部位に設けられると共に、基板に形成されている基板側マークと位置合わせを行うための第1位置合わせマークと、基板が保持される場合において当該基板と対向しない部位に設けられる第2位置合わせマークとを備える第1フォトマスクと、第1駆動源を備えると共に、露光を行う位置において基板の一方の面に対向する状態で配置される第1フォトマスクを第1駆動源の駆動によって移動させる第1移動機構と、一方の面に形成される露光のための描画パターンと、基板が保持される場合において一方の面のうち当該基板と対向しない部位に設けられると共に、第2位置合わせマークと位置合わせを行うための第3位置合わせマークとを備える第2フォトマスクと、第2駆動源を備えると共に、露光を行う位置において基板の一方の面に対向する状態で配置される第2フォトマスクを第2駆動源の駆動によって移動させる第2移動機構と、第1位置合わせマークと基板に形成されている基板側マークとを撮影すると共に、第2位置合わせマークと第3位置合わせマークとを撮影する撮影手段と、第1駆動源、第2駆動源および撮影手段の駆動を制御する制御部と、
負圧を利用して第1フォトマスクで基板を保持する、または正圧を利用して第1フォトマスクによる基板の保持を解除する第1圧力発生手段と、負圧を利用して第2フォトマスクで基板を保持する、または正圧を利用して第2フォトマスクによる基板の保持を解除する第2圧力発生手段と、を具備し、制御部は、撮影手段での第1位置合わせマークと基板側マークとの撮影結果に基づいて、それらの間の位置合わせが行われるように第1駆動源を制御し、撮影手段での第2位置合わせマークと第3位置合わせマークとの撮影結果に基づいて、それらの間の位置合わせが行われるように第2駆動源を制御
し、第1圧力発生手段および第2圧力発生手段の駆動を制御し、第1駆動源の制御により基板と第1フォトマスクの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第1フォトマスクで基板を保持するように第1圧力発生手段の駆動を制御し、第2駆動源の制御により第1フォトマスクと第2フォトマスクの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第2フォトマスクで基板を保持するように第2圧力発生手段の駆動を制御する、ことを特徴とする露光装置が提供される。
【0020】
また、本発明の第5の観点によると、両面に感光性材料が形成されている基板の両面に露光するための露光方法であって、第1フォトマスクに形成されている第1位置合わせマークと、基板に形成されていると共に第1位置合わせマークに位置合わせされるべき基板側マークとを
撮影手段で撮影する第1撮影工程と、第1撮影工程での撮影結果に基づいて、露光を行う位置において
基板の一方の面に対向する状態で配置される第1フォトマスクを第1移動機構が備える第1駆動源の駆動を制御部で制御して移動させることで、第1位置合わせマークと基板側マークとの間の位置合わせを行う第1位置合わせ工程と、第1位置合わせ工程の後に、
負圧を利用して第1フォトマスクで基板を保持するように第1圧力発生手段の駆動を制御部で制御して、第1フォトマスクと基板との間の位置合わせ状態を少なくとも基板への露光が終わるまで保持させる第1位置保持工程と、第1位置保持工程の後に、第1フォトマスクに形成されている第2位置合わせマークと、第2フォトマスクに形成されていると共に第2位置合わせマークに位置合わせされるべき第3位置合わせマークとを
撮影手段で撮影する第2撮影工程と、第2撮影工程での撮影結果に基づいて、露光を行う位置において
基板の一方の面に対向する状態で配置される第2フォトマスクを第2移動機構が備える第2駆動源の駆動を制御部で制御して移動させることで、第2位置合わせマークと第3位置合わせマークとの間の位置合わせを行う第2位置合わせ工程と、第2位置合わせ工程の後に、
負圧を利用して第2フォトマスクで基板を保持するように第2圧力発生手段の駆動を制御部で制御して、第1フォトマスクと第2フォトマスクとの間の位置合わせ状態を少なくとも基板への露光が終わるまで保持させる第2位置保持工程と、第2位置保持工程の後に、基板への露光を行う露光工程と、を具備することを特徴とする露光方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、基板の表裏面に配置されるそれぞれのフォトマスクとの間の位置合わせ精度を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態に係るフォトマスク70、フォトマスク組(1組のフォトマスク70)、露光装置10および露光方法について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定して説明する場合があるものの、その中で露光装置10が設置される設置面から離間する方向である上下方向をZ方向とし、フレキシブルプリント基板Pの搬送方向をX方向とし、それらX方向およびZ方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面を水平面とする。
【0024】
<フレキシブルプリント基板Pについて>
先ず最初に、露光対象となるフレキシブルプリント基板Pについて説明する。
図1は、露光装置10の要部の構成と、基板Pの構成とを示す側断面図である。
図1に示すように、種々の工程を経て回路パターンが形成されるフレキシブルプリント基板(Flexible printed circuits;以下、露光等の製造工程を経る前のものも基板とする)Pは、その表面と裏面の両面に感光性レジスト層P4(感光性材料に対応)が形成されている。
【0025】
より詳細には、基板Pは、基材層P1と、その基材層P1の表裏両面に設けられている導体層P2と、その導体層P2のうち基材層P1とは反対側の面に設けられている透明フィルム層P3と、透明フィルム層P3のうち導体層P2とは反対側に設けられている感光性レジスト層P4とを備えている。基材層P1は、たとえばポリイミドフィルムから形成されており、導体層P2は、たとえば銅箔から形成されている。また、透明フィルム層P3は、たとえばポリイミドフィルムから形成されている。かかる基板Pの厚みは、全体で100〜200μm程度であり、後述するフォトマスク70に対しての真空吸引による固定において、うねりや反りの発生を防止しながら、平坦に固定可能となっている。
【0026】
なお、その他、基板Pには、基材層P1と導体層P2との間に存在する接着層や、導体層P2同士を接続するスルーホール等が存在するものの、それらについての説明は省略する。
【0027】
図1において、上側(表側)の透明フィルム層P3には、基板側マークP5が形成されている。基板側マークP5は、後述するターゲットマークTM1に対して位置合わせを行うための部分である。
図1に示す構成では、基板側マークP5は、ターゲットマークTM1の直径よりも大きな内径を有するリング状のパターンとなっている。基板側マークP5は、
図1に示す構成では2つ設けられている。この2つの位置関係は、後述するターゲットマークTM1に対応する位置となっている。なお、2つの基板側マークP5を結んだ線の長さは、2つのターゲットマークTM1を結んだ線と同じ長さとなっている。
【0028】
<露光装置10の構成について>
本実施の形態における露光装置10の位置合わせ機構11は、基板Pの両面を、それぞれ露光用のフォトマスク70に位置合わせするものである。
【0029】
図2は、露光装置10の要部を概略的に示すブロック図である。
図1および
図2に示すように、露光装置10の位置合わせ機構11は、移動機構20を備えている。移動機構20は、フォトマスク70の縁部を保持した状態で、そのフォトマスク70を移動させる機構である。そのため、移動機構20は、フォトマスク70の縁部を保持するマスク保持部21と、マスク保持部21を移動させるための駆動力を与える駆動源22(たとえばモータ等)と、駆動源22で生じる駆動力をマスク保持部21に伝達するための駆動力伝達機構(図示省略)を備えている。それにより、移動機構20においては、駆動源22の作動により、マスク保持部21をXYZの3方向へ移動させることを可能とすると共に、回転方向(θ方向)への移動をも可能としている。ここで、θ方向は、XY平面での回転方向であっても良く、YZ平面での回転方向であっても良く、ZX平面での回転方向であっても良い。
【0030】
ここで、
図1に示すように、本実施の形態の露光装置10では、フォトマスク70はXY平面(水平面)に平行に配置されている。かかる構成の場合、基板Pの投入、搬出等の機構との親和性が高く、生産性を向上させることが可能となる。
【0031】
しかしながら、露光装置10においては、フォトマスク70の表面および裏面が上下方向(Z方向)に平行に配置されていても良く、それら表面および裏面がXY平面(水平面)に対して斜めとなる斜め方向に配置されていても良い。フォトマスク70の表面および裏面が上下方向(Z方向)に平行に配置される場合には、フォトマスク70の自重による撓みの影響等を軽減することが可能となり、基板Pに対して、より高精度にフォトマスク70を位置合わせすることが可能となる。
【0032】
図1に示すように、移動機構20は一対設けられている。具体的には、
図1において基板Pの上方側に位置する第1移動機構20Aと、
図1において基板Pの下方側に位置する第2移動機構20Bとが存在している。第1移動機構20Aは、基板Pの上方側でフォトマスク70を保持し、そのフォトマスク70を基板Pの上面側に位置合わせする。一方、第2移動機構20Bは、基板Pの下方側でフォトマスク70を保持し、そのフォトマスク70を基板Pの下面側に位置合わせする。
【0033】
なお、第1移動機構20Aの駆動源は、第1駆動源に対応すると共に、第2移動機構20Bの駆動源は、第2駆動源に対応する。
【0034】
図1に示すように、露光装置10の位置合わせ機構11は、撮影手段に対応する撮影装置30を有している。撮影装置30は、カメラ31と、照明32とを有している。カメラ31は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)等を用いた撮像素子を備えていて、後述するターゲットマークTMとその周辺を撮像することを可能としている。
【0035】
また、照明32は、カメラ31での撮像時にターゲットマークTMを識別し易くするために光を照射するものであり、かかる光の照射によって、ターゲットマークTMと、その周辺との階調差が大きくなる。ただし、照明32から発せられる光は、感光性レジスト層P4に対する感光作用をほとんど与えないものとなっている。照明32には、基板Pおよびフォトマスク70の上方側から光を照射する同軸落射照明(以下、落射照明とする)32Aと、基板Pおよびフォトマスク70の下方側から光を照射する透過照明32Bとが存在している。
【0036】
なお、
図1に示す構成では、カメラ31は、上側のフォトマスク70の吸引孔72の個数に合わせて、2つ設けられている。また、カメラ31は、
図1に示す構成では、フォトマスク70に対して平行に移動可能となっていて、その移動はモータ等の駆動源の作動によって行われる。ただし、後述するターゲットマークTMの読み取り箇所の分だけ、カメラ31を設け、当該カメラ31がモータ等の駆動源の作動によっては移動しないものとしても良い。また、
図1に示す構成においても、カメラ31が2つ設けられる構成とはせずに、1つのみ設けるようにしても良く、3つ以上設けるようにしても良い。
【0037】
なお、カメラ31以外に、照明32もモータ等の駆動源の作動によって移動可能としても良いが、カメラ31が駆動源の作動によって移動する、しないに拘わらず、ターゲットマークTMの読み取り箇所に予め照明32を配置するようにしても良い。
【0038】
また、露光装置10の位置合わせ機構11には、吸引・ブロー機構40が設けられている。吸引・ブロー機構40は、後述するフォトマスク70のうち吸引孔72の周囲に当接し、基板Pを保持するための負圧を与えるものである。この吸引・ブロー機構40は、吸着パッド41と、吸引管路42と、ポンプ43とを備えている。吸着パッド41はフォトマスク70の表面または裏面に当接して、基板Pを保持するための負圧を与えている。また、吸引管路42は、その一端側が吸着パッド41に連通していると共に、その他端側がポンプ43に接続されている。ポンプ43は、基板Pを保持する際には、吸引管路42および吸着パッド41を介して負圧を及ぼし、その負圧がフォトマスク70の吸引孔72を介して基板Pに及ぼされる。一方、基板Pの保持を解除する場合には、ポンプ43は、吸引管路42を介して吸着パッド41に気体を送り込み(ブローしまたは正圧を及ぼし)、それによって基板Pの保持が解除される。
【0039】
なお、ポンプ43は、たとえば2つ設けられている。そのため、2つのポンプ43によって、上側のフォトマスク70と下側のフォトマスク70とで、別々に真空吸引とブローとを行えるものとなっている。しかしながら、1つのポンプ43を設けると共に、吸引管路42の開閉を行う切換弁を吸引管路42の途中に設ける等の構成を採用しても良く、3つ以上のポンプ43を設ける構成を採用しても良い。なお、吸引・ブロー機構40は、圧力発生手段に対応する。また、吸引・ブロー機構40のうち、上側のフォトマスク70に真空吸引とブローとを行うものは第1圧力発生手段に対応し、下側のフォトマスク70に真空吸引とブローとを行うものは第2圧力発生手段に対応する。
【0040】
また、
図2に示すように、露光装置10は、位置合わせ機構11以外に、露光用照明装置50を有している。露光用照明装置50は、たとえば高圧水銀灯等の光源(図示省略)を有していて、その光源からの光を基板Pの感光性レジスト層P4に対して照射するものである。なお、露光用照明装置50は、光源以外に、フォトマスク70に平行度の高い光を照射するためのレンズ、ミラー、フライアイ等の光学要素(図示省略)を備えている。
【0041】
なお、露光用照明装置50は、上側と下側とにそれぞれ設けられる構成を採用しても良い。この場合には、基板Pの表側と裏側とを同時に露光することが可能となる。それに対して、たとえば上側と下側のいずれか片方ずつ照明を行う露光用照明装置50が設けられる構成を採用しても良い。いずれか片方ずつ照明を行う露光用照明装置50が設けられる場合には、基板Pの上側に光を導くための光学系と、基板Pの下側に光を導くための光学系を備え、シャッター等による切り替えで、基板Pの上側と下側とのいずれに光を導くかを切り替える構成としても良い。このように、いずれか片方ずつ照明を行う露光用照明装置50が設けられる場合、上側と下側とにそれぞれ露光用照明装置50が設けられる構成と比較して、生産性は劣るものの、露光用照明装置50のコストが安価になると共に、露光装置10のサイズの小型化を図ることが可能となる。また、消費電力を抑えることも可能となる。
【0042】
図2に示すように、露光装置10の位置合わせ機構11には、制御部60が設けられている。制御部60は、駆動源22、カメラ31、ポンプ43等の作動を制御するものである。なお、制御部60は、これらの他に、照明32の作動を制御したり、不図示の弁の作動を制御するものであっても良い。
【0043】
<フォトマスク70について>
次に、フォトマスク70について説明する。
図3は、上側のフォトマスク70(後述する第1フォトマスク70A)の構成を示す平面図であり、(A)はフォトマスク70の全体を示し、(B)は(A)のフォトマスク70の隅部であるA部とB部とを拡大して示す部分的な平面図である。また、
図4は、下側のフォトマスク70(後述する第2フォトマスク70B)の構成を示す平面図である。なお、
図4におけるA部とB部は
図3(B)と同様である。また、
図5は、フォトマスク70の構成を示す断面図である。
【0044】
本実施の形態におけるフォトマスク70は、材質をガラスとするガラスマスクであり、寸法変化が小さく高精度への対応が可能となっている。ただし、フォトマスク70は、たとえばPETフィルムのようなガラス以外の材質から形成されていても良い。また、
図3および
図4に示すように、本実施の形態のフォトマスク70は、矩形状に設けられている。ただし、フォトマスク70は矩形状以外の形状であっても良い。
【0045】
なお、フォトマスク70がガラスマスクの場合、その厚みは3〜10mm程度であることが好ましく、5mm程度であることが一層好ましい。
【0046】
フォトマスク70の一方の面には、吸引溝71が設けられている。吸引溝71は、フォトマスク70のうち、その中央側よりも外周縁部70c側に片寄った位置に設けられている。より詳細に述べると、吸引溝71は、外周縁部70cから次のような位置に設けられている。すなわち、フォトマスク70の外周縁部70c側は、マスク保持部21によって保持される保持部位が存在している。また、保持部位から中央側に向かい、所定のスペースが存在しているが、そのスペースは、後述するターゲットマークTM2を形成するための部分となっている。そのため、吸引溝71は、外周縁部70cから保持部位とターゲット形成部とを隔てた位置に存在している。また、
図3(A)および
図4に示すように、本実施の形態では、吸引溝71は、四角をなす環状に設けられている。
【0047】
なお、フォトマスク70のうち吸引溝71で囲まれている部分には、基板Pの感光性レジスト層P4に露光を行うための描画パターン73が形成されている。
【0048】
また、
図3〜
図5に示すように、吸引溝71の所定の部位には、その吸引溝71の底部から他方の面に至るまでフォトマスク70を貫く吸引孔72が設けられている。本実施の形態では、
図3(B)に示すように、吸引孔72は、たとえば四角環状の吸引溝71の隅部(
図3(A)および
図4のA部およびB部)に設けられている。ただし、隅部以外の部位に、吸引孔72が設けられていても良い。また、吸引孔72は、少なくとも1つ設けられている。
【0049】
なお、吸引孔72の直径は、1〜2mm程度であることが好ましいが、吸引孔72の直径は、かかる範囲以外の寸法であっても良い。また、吸引溝71の幅は、1〜4mm程度であることが好ましく、2mm程度であることが一層好ましいが、吸引溝71の幅は、かかる範囲以外の寸法であっても良い。また、吸引溝71および吸引孔72は、凹部に対応する。
【0050】
図1、
図3(A)および
図4に示すように、フォトマスク70には、ターゲットマークTMが設けられている。ターゲットマークTMは、上側のフォトマスク70(以下、必要に応じて、第1フォトマスク70Aとする)と、下側のフォトマスク70(以下、必要に応じて、第2フォトマスク70Bとする)とで、異なるものとなっている。
【0051】
具体的には、第1フォトマスク70Aのうち環状の吸引溝71で囲まれた内側には、基板Pの基板側マークP5と位置合わせを行うためのターゲットマークTM1が設けられている。このターゲットマークTM1は、第1位置合わせマークに対応している。なお、
図6(A)は、ターゲットマークTM1と基板側マークP5との位置合わせの様子を示している。
図6(A)に示すように、ターゲットマークTM1は、基板側マークP5に対応させるべく、円形状に設けられていて、しかも光を透過させ難い非透光性の部位となっている。なお、かかるターゲットマークTM1は、たとえばクロム膜や黒化金属銀膜といった描画パターン73と同様の材質から形成されていても良い。
【0052】
また、
図1および
図3(A)に示すように、本実施の形態では、ターゲットマークTM1は、第1フォトマスク70Aに2つ設けられている。この2つの位置関係は、
図3(A)に示すものでは、環状の吸引溝71の四隅のうち対角方向に位置する2つの隅部(A部とB部以外の隅部)に片寄った(近接した)部位となっている。ただし、
図3(A)に示すように、矩形状のフォトマスク70の短辺がX方向に沿い、長辺がY方向に沿うものとすると、2つのターゲットマークTM1を結んだ線がX方向と平行であっても良く、Y方向と平行であっても良い。また、2つのターゲットマークTM1を結んだ線が、X方向およびY方向のいずれとも平行でなくても良い。
【0053】
また、第1フォトマスク70Aのうち環状の吸引溝71の外側には、第2フォトマスク70Bと位置合わせを行うためのターゲットマークTM2が設けられている。ターゲットマークTM2は、第2位置合わせマークに対応している。
図3(A)に示す構成では、ターゲットマークTM2は、上述したターゲットマークTM1と同様に、円形状の非透光性の部位となっている。
【0054】
また、ターゲットマークTM2も、上述したターゲットマークTM1と同様に、第1フォトマスク70Aに2つ設けられている。この2つのターゲットマークTM2の位置関係も、上述したターゲットマークTM1と同様となっている。ただし、ターゲットマークTM2は、環状の吸引溝71の四隅のうちターゲットマークTM1が近接する隅部に近接していても良いが、それとは異なる隅部に近接していても良い。
【0055】
また、
図4に示すように、第2フォトマスク70Bにも、ターゲットマークTM3が設けられている。このターゲットマークTM3は、第1フォトマスク70AのターゲットマークTM2と位置合わせを行うためのものである。具体的には、ターゲットマークTM3は、第2フォトマスク70Bのうち環状の吸引溝71の外側に設けられている。しかも、第2フォトマスク70Bを平面視したときに、ターゲットマークTM3の中心が、ターゲットマークTM2の中心と重なることが可能な位置に設けられている。なお、ターゲットマークTM3は、第3位置合わせマークに対応している。
【0056】
そのような位置とするべく、ターゲットマークTM3は、環状の吸引溝71の四隅のうちターゲットマークTM2が近接する隅部と同じ隅部(A部とB部以外の隅部)に近接して設けられている。また、2つのターゲットマークTM3を結んだ線の長さは、2つのターゲットマークTM2を結んだ線と同じ長さとなっている。
【0057】
なお、
図6(B)は、ターゲットマークTM2とターゲットマークTM3との位置合わせの様子を示している。本実施の形態では、
図4および
図6(B)に示すように、ターゲットマークTM3は、円形リング状に設けられている。そして、円形リング状のターゲットマークTM3の内側の直径は、ターゲットマークTM2の直径よりも大きく設けられている。また、円形リング状のターゲットマークTM3で囲まれる部位は、そのターゲットマークTM3を形成するための被膜が形成されていない透光部位となっている。
【0058】
<露光装置10を用いた露光方法について>
次に、上述の露光装置10を用いた露光方法について説明する。
【0059】
先ず、
図7に示すように、下側の第2フォトマスク70Bに、感光性レジスト層P4が形成された基板Pを載置する。そして、吸引・ブロー機構40は、制御部60での制御に基づいて、吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pの裏面(下面)に負圧を与えて、当該基板Pを真空吸着する。それにより、基板Pは、第2フォトマスク70Bに対して吸着固定される。このときの基板Pの固定では、基板Pは、第2フォトマスク70Bに対しての位置合わせは行われていない、いわば仮固定の状態となっている。
【0060】
次に、
図8に示すように、制御部60は、第1フォトマスク70Aと基板Pとの位置関係を、カメラ31で撮影し(第1撮影工程)、そのカメラ31での撮影結果に基づいて、駆動源22を作動させて、第1フォトマスク70AのXYZ方向の位置およびθ方向の位置を調整する制御を行う(第1位置合わせ工程)。このとき、落射照明32Aも点灯させて、カメラ31にて良好な画像認識が可能な状態とする。なお、予めZ方向の位置が所望の位置となっている場合には、Z方向の位置調整は行わないようにしても良い。このとき、カメラ31では、ターゲットマークTM1と基板Pの基板側マークP5とが、所望の位置となるまで、位置合わせを行う。
【0061】
ここで、位置合わせを行う前の段階では、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間で、大まかな位置合わせはなされているが、精度の良くない状態となっている。そこで、
図6(A)に示すように、ターゲットマークTM1の中心が、基板側マークP5の中心に対して、所定の誤差範囲内で収まるように、第1移動機構20Aを介して第1フォトマスク70Aを移動させることにより、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置合わせがなされる。
【0062】
なお、かかる位置合わせでは、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間に所定の隙間(たとえば10〜100μm程度の隙間)が存在する状態とし、その状態で第1フォトマスク70Aを第1移動機構20Aを介して移動させる。そして、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置合わせを行った後に、第1フォトマスク70Aを基板Pに密着させて、カメラ31を介してターゲットマークTM1と基板側マークP5との間の位置合わせの状態を確認する。
【0063】
この確認において、ターゲットマークTM1の中心が、基板側マークP5の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まっていないと判断された場合には、再び第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の間隔を開け、再び第1フォトマスク70Aの基板Pに対する位置の調整を行い、その後第1フォトマスク70Aを基板Pに密着させて、再度ターゲットマークTM1の中心が、基板側マークP5の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まっているか否かを確認する。そして、ターゲットマークTM1の中心が、基板側マークP5の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まるまで、かかる動作を繰り返す。
【0064】
ターゲットマークTM1の中心が、基板側マークP5の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まった場合、続いて、
図9に示すように、第1フォトマスク70Aで基板Pを保持させると共に(第1位置保持工程)、第2フォトマスク70Bでの基板Pの保持を解除する。すなわち、第1フォトマスク70Aに基板Pを受け渡す。このとき、制御部60は、上側用のポンプ43が吸引作動を行うように制御し、第1フォトマスク70Aへ向かう吸引管路42、第1フォトマスク70Aの吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pと吸引溝71で囲まれた部分に負圧を与え、第1フォトマスク70Aに基板Pを保持させる。一方、制御部60は、下側用のポンプ43がブロー動作を行うように制御し、第2フォトマスク70Bへ向かう吸引管路42、第2フォトマスク70Bの吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pと吸引溝71で囲まれた部分に空気を送り込み、第2フォトマスク70Bでの基板Pの保持状態を解除させる。
【0065】
この場合、第1フォトマスク70Aへの基板Pの受け渡しが終わるまでは、ターゲットマークTM1の中心と基板側マークP5の中心との位置調整の状態を保ったままとする。それにより、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置精度が保たれる。
【0066】
次に、
図10に示すように、制御部60は、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの位置関係をカメラ31で撮影し(第2撮影工程)、そのカメラ31での撮影結果に基づいて、駆動源22を作動させて、第2フォトマスク70BのXYZ方向の位置およびθ方向の位置を調整する制御を行う(第2位置合わせ工程)。このとき、透過照明32Bも点灯させて、カメラ31にて良好な画像認識が可能な状態とする。なお、予めZ方向の位置が所望の位置となっている場合には、Z方向の位置調整は行わないようにしても良い。このとき、カメラ31では、ターゲットマークTM2とターゲットマークTM3とが、所望の位置となるまで、位置合わせを行う。
【0067】
このとき、
図6(B)に示すように、ターゲットマークTM2の中心が、ターゲットマークTM3の中心に対して、所定の誤差範囲内で収まるように、第2移動機構20Bを介して第2フォトマスク70Bを移動させることにより、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの間の位置合わせがなされる。
【0068】
かかる位置合わせでも、第2フォトマスク70Bと基板Pとの間に所定の隙間(たとえば10〜100μm程度の隙間)が存在する状態とし、その状態で第2フォトマスク70Bを第2移動機構20Bを介して移動させる。そして、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの間の位置合わせを行った後に、第2フォトマスク70Bを基板Pに密着させて、カメラ31を介してターゲットマークTM2とターゲットマークTM3との間の位置合わせの状態を確認する。
【0069】
この確認において、ターゲットマークTM2の中心が、ターゲットマークTM3の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まっていないと判断された場合には、再び第2フォトマスク70Bと基板Pとの間の間隔を開け、再び第2フォトマスク70Bの位置の調整を行い、その後第2フォトマスク70Bを基板Pに密着させて、再度ターゲットマークTM2の中心が、ターゲットマークTM3の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まっているか否かを確認する。そして、ターゲットマークTM2の中心が、ターゲットマークTM3の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まるまで、かかる動作を繰り返す。
【0070】
ターゲットマークTM2の中心が、ターゲットマークTM3の中心に対して、所定の誤差範囲内に収まった場合、続いて、第1フォトマスク70Aでの基板Pの保持状態を保ったまま、さらに第2フォトマスク70Bで基板Pを保持させる(第2位置保持工程)。このときの状態も
図10に示される。この場合、制御部60は、下側用のポンプ43が吸引動作を行うように制御し、第2フォトマスク70Bへ向かう吸引管路42、第2フォトマスク70Bの吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pと吸引溝71で囲まれた部分に負圧を与え、第2フォトマスク70Bに基板Pを保持させる。
【0071】
上述のように、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとが、それぞれ基板Pを保持する状態とした後に、露光用照明装置50を作動させて基板Pの両面の露光を行う(露光工程)。
【0072】
続いて、
図11に示すように、第2フォトマスク70Bでの基板Pの保持状態は継続したまま、第1フォトマスク70Aでの基板Pの保持を解除する。すなわち、第2フォトマスク70Bに基板Pを受け渡す。このとき、制御部60は、下側用のポンプ43の吸引作動は維持しながらも、上側用のポンプ43がブロー動作を行うように制御し、第1フォトマスク70Aへ向かう吸引管路42、第1フォトマスク70Aの吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pと吸引溝71で囲まれた部分に空気を送り込み、第1フォトマスク70Aでの基板Pの保持状態を解除させる。
【0073】
その後に、制御部60は、下側用のポンプ43がブロー動作を行うように制御し、第2フォトマスク70Bへ向かう吸引管路42、第2フォトマスク70Bの吸引孔72および吸引溝71を介して、基板Pと吸引溝71で囲まれた部分に空気を送り込み、第2フォトマスク70Bでの基板Pの保持状態を解除させる。それにより、たとえば静電気で第2フォトマスク70Bと基板Pとが貼り付いている場合でも、基板Pの取り出しが容易となり、生産性が向上する。なお、この取り出しにおいては、第2移動機構20Bの作動により、第2フォトマスク70Bを基板Pの取り出し部位まで移動させて、基板Pを露光装置10から取り出すようにしても良い。
【0074】
なお、静電気による第2フォトマスク70Bと基板Pとの貼り付きの影響をより小さくするために、イオナイザーを介して帯電させた空気を、下側用のポンプ43から第2フォトマスク70Bへ向けて供給するようにしても良い。
【0075】
<効果>
以上のような構成のフォトマスク、露光装置10および露光方法によると、ターゲットマークTM1と基板側マークP5との間で位置合わせを行うことにより、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置合わせを行うことが可能となる。加えて、ターゲットマークTM2とターゲットマークTM3の位置合わせを行うことにより、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの間の位置合わせを行うことが可能となる。それにより、第1フォトマスク70Aと基板P、第2フォトマスク70Bと基板Pとの間の位置合わせ(基板Pの両面の位置合わせ)を行うことが可能となる。
【0076】
この場合において、制御部60での制御に基づいて、カメラ31を用いて撮像しつつ、移動機構20の作動によりターゲットマークTM1と基板側マークP5との間で位置合わせを行い、さらにターゲットマークTM2とターゲットマークTM3の位置合わせを行うことにより、第1フォトマスク70Aと基板P、第2フォトマスク70Bと基板Pとの間で精度の高い位置合わせを行うことが可能となる。
【0077】
また、本実施の形態では、フォトマスク70には、基板Pへ密着した際に当該基板Pと吸引溝71とで囲まれる部位に負圧を及ぼすための吸引溝71および吸引孔72が設けられている。そのため、フォトマスク70を基板Pに密着させた際に、上述のように負圧を及ぼすことにより、フォトマスク70で基板Pを良好に保持することが可能となる。それにより、フォトマスク70と基板Pとの間で位置合わせを行った後に、基板Pをフォトマスク70で保持させるようにすれば、位置合わせ後の位置ずれを防止可能となり、位置精度の高い露光が可能となる。
【0078】
この場合において、制御部60でのポンプ43の制御に基づいて、基板Pへ負圧を及ぼさせることにより、上述のような位置精度の高い露光が可能となる。また、制御部60での制御に基づいて、位置合わせ後に基板Pに正圧を及ぼさせることで、たとえば静電気でフォトマスク70と基板Pとが貼り付いている場合でも、基板Pの取り出しが容易となり、生産性を向上させることが可能となる。
【0079】
なお、フォトマスク70には、基板Pに対して吸引保持するための凹部として、吸引溝71と吸引孔72とが設けられることにより、フォトマスク70によって基板Pを良好に保持することを可能としている。
【0080】
また、本実施の形態では、第1フォトマスク70Aにおいては、吸引溝71は環状に設けられていて、ターゲットマークTM1は環状の吸引溝71で囲まれる内側に設けられている。そのため、ターゲットマークTM1は、基板Pの基板側マークP5と対向させて位置合わせを行うことが可能となる。一方、ターゲットマークTM2は環状の吸引溝71の外側に設けられている。そのため、ターゲットマークTM2は、基板Pに遮られずに、第2フォトマスク70BのターゲットマークTM3と対向させて位置合わせを行うことが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態では、第1フォトマスク70Aと、第2フォトマスク70Bとの組を用いると共に、これらのフォトマスク70A,70Bには、それぞれ異なるターゲットマークTMが形成されている。このため、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置合わせのみならず、第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの間の位置合わせを行うことも可能となる。それにより、基板Pの両面に対して、フォトマスク70A,70Bを良好に位置合わせさせることが可能となる。
【0082】
さらに、本実施の形態では、露光装置10に第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとをセットすると、制御部60での制御に基づいて、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間の位置合わせ、および第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bとの間の位置合わせを行うことも可能となる。このため、これらの間の位置合わせを高精度かつ容易に行うことが可能となる。
【0083】
また、本実施の形態では、制御部60は、駆動源22の制御により基板Pと第1フォトマスク70Aの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第1フォトマスク70Aで基板Pを保持するように上側用のポンプ43の駆動を制御する。そのため、第1フォトマスク70Aと基板Pとの間で位置合わせした状態を良好に保持することが可能となる。加えて、駆動源22の制御により第1フォトマスク70Aと第2フォトマスク70Bの間の位置合わせが行われた後に、負圧を利用して第2フォトマスク70Bで基板Pを保持するように下側用のポンプ43の駆動を制御する。そのため、第2フォトマスク70Bと基板Pとの間で位置合わせした状態を良好に保持することが可能となる。
【0084】
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0085】
上述の実施の形態においては、基板Pには、リング状のパターンからなる基板側マークP5が設けられている。しかしながら、かかるリング状のパターンからなる基板側マークP5に代えて、他の基板側マークを基板Pに設けるようにしても良い。そのような基板側マークとしては、たとえば、
図12に示すように、基板Pに貫通孔P6を形成し、この貫通孔P6を基板側マークとしても良い。このようにしても、第1フォトマスク70AのターゲットマークTM1と、貫通孔P6との間の位置合わせを良好に行うことが可能となる。なお、ターゲットマークTM1と貫通孔P6との位置合わせを行う場合、落射照明32Aを用いると、カメラ31での認識性が良好なものとなる。
【0086】
また、上述の実施の形態では、基板Pは、シート状に分断された枚葉式のものとなっている。しかしながら、基板は枚葉式のものには限られず、ロール状の巻回部分から引き出すものであっても良い。この場合には、ロール状の巻回部分から露光部位へ基板を供給する機構や、露光の終了後に基板を巻き取る機構を設けるようにすることができる。すなわち、ロールトゥロールへの対応も可能となる。
【0087】
さらに、上述の実施の形態では、照明32として、同軸落射照明32A、透過照明32Bについて説明している。しかしながら、照明としては、リング照明等のような、ターゲットマークTMや基板側マークP5等を良好に認識でき、感光性レジスト層P4への感度がほとんどなく、さらにカメラ31にて良好に認識できる波長領域の光であれば、どのようなものを用いても良い。そのようなものとして、たとえば各種のLED(Light Emitting Diode)や赤外光源等を単独、あるいは種々組み合わせて用いることが可能である。
【0088】
また、上述の実施の形態では、第2フォトマスク70Bの第1フォトマスク70Aに対する位置合わせは、第2移動機構20Bの駆動源22を駆動させて行っている。しかしながら、かかる第2フォトマスク70Bの第1フォトマスク70Aに対する位置合わせにおいては、第1移動機構20Aの駆動源22を駆動させて行うようにしても良い。なお、第2移動機構20Bの駆動源22の駆動と、第1移動機構20Aの駆動源22の駆動とを組み合わせることにより、第2フォトマスク70Bの第1フォトマスク70Aに対する位置合わせを行うようにしても良い。
【0089】
また、上述の実施の形態では、露光装置10、フォトマスク70、フォトマスク組および露光方法は、フレキシブルプリント基板Pの位置合わせおよび露光のために用いられている。しかしながら、本発明は、フレキシブルプリント基板P以外のものの位置合わせおよび露光のために適用することも可能である。そのような基板Pに代わるものとしては、例えば半導体ウエハやガラス基板等が挙げられる。
【0090】
また、上述の実施の形態では、凹部として、環状の吸引溝71および吸引孔72について説明している。しかしながら、凹部は、吸引溝71および吸引孔72には限られず、どのようなものであっても良い。たとえば、環状ではなく途中で途切れている吸引溝を用いても良く、フォトマスク70の一方の面に窪みを形成し、その窪みを凹部としても良い。なお、窪みの面積が大きくなる場合には、基板Pを支持するための別途の部材を当該窪みに配置するようにしても良い。また、吸引溝71の本数は1本以上であれば、何本あっても良い。また、吸引孔72の個数は、1つ以上であれば幾つ存在していても良い。また、吸引溝71は、直線状以外に、曲線状、ジグザグ状等、種々の形態を採用することが可能である。
【0091】
また、上述の実施の形態では、基板Pは、2層の導体層P2を備えている。しかしながら、基板Pは、3層以上の導体層P2を備える構成であっても良い。かかる3層以上の導体層P2を備える場合、フォトマスク70の個数もそれに対応して増加させ、順次フォトマスク70を入れ替えるか、または基板Pを別途の部位に搬送する等によって、基板Pの露光を実行可能となる。