特許第6200279号(P6200279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6200279商品販売データ処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200279
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   G07G1/12 361E
   G07G1/12 321L
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-227154(P2013-227154)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-88031(P2015-88031A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 利昭
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−250613(JP,A)
【文献】 特開2003−058954(JP,A)
【文献】 特開2008−225540(JP,A)
【文献】 特開2012−038200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を特定する商品特定情報を入力する入力部と、
会員が保有するポイント数を記憶するポイント記憶手段と、
対象商品の前記商品特定情報と、当該対象商品を値きする際に使用する使用ポイント数と、当該使用ポイント数による値引額と対応付けて記憶する値引情報記憶手段と、
前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の前記商品特定情報として記憶されており、当該商品特定情報に対応す前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていれば、当該使用ポイント数を用いて前記対象商品を値引きし、レシートの当該対象商品を示す情報に対して、値引きしたことを示す第1マークを付す第1処理手段と、
前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の商品特定情報として記憶されているが、当該商品特定情報に対応する前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていなければ、当該対象商品の値引きは行わず、レシートの当該対象商品を示す情報に対し、当該商品は値引きの対象商品であるが値引きされなかったことを示す第2マークを付す第2処理手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
入力された前記会員のランクを記憶する会員ランク記憶手段、をさらに備え、
前記値引情報記憶手段は、前記会員のランク別に複数の値引額を記憶し、
前記第1処理手段は、前記会員ランク記憶手段記憶している前記会員のランクに対応し値引額を前記対象商品の単価から値引く、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記値引情報記憶手段は、前記対象商品に対応させて優先順位を記憶し、
前記第1処理手段は、前記値引情報記憶手段記憶している前記優先順位の高い前記対象商品の順に値引きを行う、請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
品を特定する商品特定情報を入力する入力部と、
会員が保有するポイント数を記憶するポイント記憶手段と、
対象商品の前記商品特定情報と、当該対象商品を値きする際に使用する使用ポイント数と、当該使用ポイント数による値引額と対応付けて記憶する値引情報記憶手段と、
を備えた商品販売データ処理装置を制御するコンピュータを、
前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の前記商品特定情報として記憶されており、当該商品特定情報に対応す前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていれば、当該使用ポイント数を用いて前記対象商品を値引きし、レシートの当該対象商品を示す情報に対して、値引きしたことを示す第1マークを付す第1処理手段と、
前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の商品特定情報として記憶されているが、当該商品特定情報に対応する前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていなければ、当該対象商品の値引きは行わず、レシートの当該対象商品を示す情報に対し、当該商品は値引きの対象商品であるが値引きされなかったことを示す第2マークを付す第2処理手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、顧客の購買意欲を高めたり、顧客を確保するために、特定の顧客である会員に対して、購入合計金額に対して一定のポイントを付与する販売促進活動を実施している。付与されたポイントは、決済のときに使用して代金の一部または全てに充てて使用することができる。
【0003】
しかしながら、このようなポイントシステムは、ポイントと特定の商品との関連が薄く、顧客の特定商品の購買意欲の改善には寄与し難い、という問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ポイントを特定商品単価に充当して単価を値引くポイントシステムを提供し、特定商品の販売促進に寄与する商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品販売データ処理装置は、商品を特定する商品特定情報を入力する入力部と、会員が保有するポイント数を記憶するポイント記憶手段と、対象商品の前記商品特定情報と、当該対象商品を値きする際に使用する使用ポイント数と、当該使用ポイント数による値引額と対応付けて記憶する値引情報記憶手段と、前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の前記商品特定情報として記憶されており、当該商品特定情報に対応す前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていれば、当該使用ポイント数を用いて前記対象商品を値引きし、レシートの当該対象商品を示す情報に対して、値引きしたことを示す第1マークを付す第1処理手段と、前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の商品特定情報として記憶されているが、当該商品特定情報に対応する前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていなければ、当該対象商品の値引きは行わず、レシートの当該対象商品を示す情報に対し、当該商品は値引きの対象商品であるが値引きされなかったことを示す第2マークを付す第2処理手段と、を備える。
【0006】
実施形態のプログラムは、商品を特定する商品特定情報を入力する入力部と、会員が保有するポイント数を記憶するポイント記憶手段と、対象商品の前記商品特定情報と、当該対象商品を値きする際に使用する使用ポイント数と、当該使用ポイント数による値引額と、対応付けて記憶する値引情報記憶手段と、を備えた商品販売データ処理装置を制御するコンピュータを、前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の前記商品特定情報として記憶されており、当該商品特定情報に対応す前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていれば、当該使用ポイント数を用いて前記対象商品を値引きし、レシートの当該対象商品を示す情報に対して、値引きしたことを示す第1マークを付す第1処理手段と、前記入力部から入力された前記商品特定情報が、前記値引情報記憶手段において前記対象商品の商品特定情報として記憶されているが、当該商品特定情報に対応する前記使用ポイント数が前記ポイント記憶手段に残っていなければ、当該対象商品の値引きは行わず、レシートの当該対象商品を示す情報に対し、当該商品は値引きの対象商品であるが値引きされなかったことを示す第2マークを付す第2処理手段と、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のシステムを示すシステム図である。
図2図2は、第1実施形態におけるPOS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、POS端末の商品マスタの一例を示すメモリマップである。
図4図4は、POS端末のRAMの一部を示すメモリマップである。
図5図5は、POS端末のRAMの一部を詳細に示すメモリマップである。
図6図6は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、POS端末によって印字されたレシートの例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態におけるPOS端末の商品マスタの例を示すメモリマップである。
図11図11は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図9を参照して、第1実施形態に係る商品販売データ処理装置およびプログラムを詳細に説明する。第1実施形態では、商品販売データ処理装置としてPOS端末を用いて説明する。なお、以下に説明する第1実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、第1実施形態にかかるシステムを示すシステム図である。図1に示すように、店舗3には、POS端末1と店舗サーバ2が設置されている。このPOS端末1と店舗サーバ2とは、互いにLAN(Local Area Network)7で接続されている。また、店舗サーバ2は、ネットワーク8を介して、本部6に設置されている会員サーバ4とポイントサーバ5と接続している。
【0010】
POS端末1は、商品に貼付された商品コードを読み取って商品販売処理を実行する。POS端末1は、決済処理に伴い当該取引におけるポイント数を発生し、店舗サーバ2に送信する。
【0011】
店舗サーバ2は、店舗3に設置された複数台のPOS端末1を管理する。店舗サーバ2は、POS端末1からLAN7を介して受信した決済情報を、ネットワーク8を介して会員サーバに送信する。また、店舗サーバ2は、POS端末1からLAN7を介して受信したポイント情報を、ネットワーク8を介してポイントサーバ5に送信する。
【0012】
また、店舗サーバ2は、POS端末1で入力された会員IDに対応して会員サーバ4に問合せをし、会員サーバ4から、会員ランクや後述する任意設定情報を受信し、POS端末1に送信する。
【0013】
また、店舗サーバ2は、POS端末1で入力された会員IDに対応して、当該会員が現在保有しているポイント数を問合せし、ポイントサーバ5からポイント数を受信し、POS端末1に送信する。
【0014】
店舗サーバ2は、図2および図3で後述する、商品マスタを記憶し、適宜POS端末1に送信する。POS端末1は、受信した商品マスタをメモリ部14(図2を参照)に記憶する。
【0015】
会員サーバ4は、会員ID(Identification)毎に、当該会員の会員情報(会員ID、氏名、住所、電話番号、会員ランク、任意設定情報、購入情報、その他属性情報等)を記憶している。会員サーバ4は、店舗サーバ2から会員IDを受信すると、当該会員IDで特定される会員の会員情報の全部または一部を店舗サーバ2に送信する。
【0016】
ポイントサーバ5は、会員ID毎に、当該会員のポイント数を記憶している。ポイントサーバ5は、会員IDとともに新たに発生したポイント数を受信すると、当該会員IDで特定されるポイント数に、新たなポイント数を加算して、新たなポイント数を生成する。ポイントサーバ5は、会員IDとともにポイント数の問合せを受信すると、当該会員IDで特定されるポイント数を、店舗サーバ2に送信する。
【0017】
次に、図2図5を用いて、POS端末1のハードウェアについて説明する。図2は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、POS端末1は、制御主体となるCPU11(Central Processing Unit)、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)12、各種データを展開するRAM(Random Access Memory)13、各種プログラムを記憶するメモリ部14等を備えており、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
【0018】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、店舗サーバ2から受信した商品マスタ142を記憶している。
【0019】
また、データバス15には、操作部17、店員用表示部18、顧客用表示部19、印字部20、コード読取部21、カード読取部24がコントローラ16を介して接続されている。
【0020】
操作部17は、小計キー171と締めキー172を含む各種の操作キーを有している。小計キー171は、商品情報の入力の終了を宣言するキーである。締めキー172は、顧客との取引を終了するためのキーである。
【0021】
店員用表示部18は、表示面を店員に向けて設置され、店員に対して情報を表示する。顧客用表示部19は、表示面を顧客に向けて設置され、顧客に対して情報を表示する。
【0022】
印字部20は、例えば熱を印加して印字を行うサーマルヘッドを搭載し、収納されたロール紙にサーマルヘッドで商品情報や決済情報を印字したレシートを発行する。コード読取部21は、例えば光学的にバーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取るコードリーダを有し、商品に貼付されたコードシンボルを読み取って商品コード等の情報を入力する。カード読取部24は、顧客が携帯する会員カード(図示せず)を走査させて、会員IDを読取って入力する。
【0023】
また、データバス15は、LANI/F(Interface)22とネットワークI/F23を接続している。LANI/F22は、LAN7と接続している。ネットワークI/F23は、ネットワーク8と接続している。
【0024】
図3は、POS端末1のメモリ部14に記憶された商品マスタ142を示すメモリマップである。図3において、商品マスタ142は、商品コード部1421、商品名部1422、単価部1423、第1特典値引部1424、第2特典値引部1425を有している。
【0025】
商品コード部1421は、商品を特定する商品コードを記憶している。商品名部1422は、商品コードで特定される商品の名称を記憶している。単価部1423は、商品コードで特定される商品の単価を記憶している。
【0026】
第1特典値引部1424は、商品コード部1421に記憶された商品コードで特定される商品に対応して、当該商品がポイント数を充当した値引の対象商品である場合に、会員ランク部1314(図5を参照)に記憶された通常会員に対して、値引が適用されるか否かを示す値引フラグと、値引される金額が記憶されている。値引フラグが「1」の場合は値引が適用され、値引フラグが「0」の場合は値引が適用されない。
【0027】
図3の例では、商品A、商品B、商品Cは、第1特典値引部1424に記憶された値引フラグが「1」であるため、値引の対象商品であり、値引が適用される。そして、値引額は、いずれの商品も50円である。また、商品Dと商品Eは、第1特典値引部1424に記憶された値引フラグが「0」であり、通常会員の値引は適用されない。なお、商品Eは対象商品ではない。
【0028】
また、第2特典値引部1425は、商品コード部1421に記憶された商品コードで特定される商品に対応して、当該商品がポイント数を充当した値引の対象商品である場合に、会員ランク部1314(図5を参照)に記憶された優良会員に対して、値引きが適用されるか否かを示す値引フラグと、値引される金額が記憶されている。値引フラグが「1」の場合は値引が適用され、値引フラグが「0」の場合は値引が適用されない。商品Eは対象商品ではない。
【0029】
図3の例では、商品A、商品B、商品Dは、第2特典値引部1425に記憶された値引フラグが「1」であるため、値引の対象商品であり、値引が適用される。そして、値引額は、いずれの商品も100円である。また、商品Cと商品Eは、第2特典値引部1425に記憶された値引フラグが「0」であり、優良会員の値引が適用されない。
【0030】
図4は、POS端末1のRAM13に記憶された情報の一部を示すメモリマップである。図4において、RAM13は、会員情報部131、会員フラグ部132、任意フラグ部133、商品情報記憶部134を有している。
【0031】
会員情報部131は、会員サーバ4から受信した会員情報(会員ID、会員ランク、任意設定情報等)を記憶する。また、会員情報部131は、ポイントサーバ5から受信した当該会員が保有するポイント数を記憶する。会員フラグ部132は、カード読取部24で会員カードを読取って会員IDが入力された場合に会員フラグ「1」を記憶する。会員カードを読取っていない場合は会員フラグ「0」を記憶する。
【0032】
任意フラグ部133は、会員サーバ4から受信した会員情報に含まれる任意情報に基づいて、商品単価からポイント数を充当した値引きをするか否かを当該会員に確認することの有無を制御するための任意フラグを記憶する。任意フラグが「1」の場合は、POS端末1は、対象商品の商品コードが入力される都度、当該商品に対して値引するかしないかの確認動作をする。任意フラグが「0」である場合は、POS端末1は確認動作をしない。
【0033】
商品情報記憶部134は、コード読取部21で読取った商品コードに対応して、商品マスタ142から商品情報(商品名、単価(対象商品の場合は、さらに、値引額(充当するポイント数)、値引き後の商品価格等))を読み出してを記憶する。なお、実施形態では、1ポイントを値引額1円相当とする。
【0034】
図5は、会員情報部131をさらに詳細に示すメモリマップである。図5において、会員情報部131は、会員ID部1311、保有ポイント部1312、任意情報部1313、会員ランク部1314を有する。
【0035】
会員ID部1311は、会員を特定する会員IDを記憶している。保有ポイント部1312は、当該会員IDの顧客が現在保有しており、使用可能なポイント数を、ポイントサーバ5から受信して記憶している。任意情報部1313は、当該会員IDで特定される会員が、対象商品を購入した場合に、対象商品にポイントを充当し、充当したポイント数に相当する額を単価から値引きするか否かの任意情報を、会員サーバ4から受信して記憶している。
【0036】
会員ランク部1314は、当該会員IDで特定される会員が、店舗における通常会員であるか、通常会員よりランクが上の優良会員であるかの情報を、会員サーバ4から受信して記憶している。
【0037】
次に、図6図9を用いて、第1実施形態のPOS端末1の制御について説明する。図6は、POS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100が、ROM12やメモリ部14に記憶された制御プログラム141を含む各種プログラムに従うことで、ポイント記憶手段101、値引情報記憶手段102、値引処理手段103を、決済手段104、会員ランク記憶手段105、レシート発行手段106を機能させる。
【0038】
ポイント記憶手段101は、会員が保有するポイント数を記憶する機能を有する。
【0039】
値引情報記憶手段102は、対象商品に対応させて、少なくとも当該対象商品の単価を値引く値引額を記憶する機能を有する。
【0040】
値引処理手段103は、入力部から対象商品の商品コードが入力された場合に、値引情報記憶手段102を参照してポイント記憶手段101によって記憶されたポイント数の一部または全部に相当する金額を、当該商品コードによって特定される商品の単価から値引く機能を有する。
【0041】
決済手段104は、値引処理手段103によって値引かれた対象商品の商品価格を用いて決済処理を実行する機能を有する。
【0042】
会員ランク記憶手段105は、入力された会員のランクを記憶する機能を有する。
【0043】
レシート発行手段106は、決済手段104による決済処理に対応して、値引処理手段103が値引いた対象商品にマークを印した決済情報を印字したレシートを発行する機能を有する。
【0044】
図7図8は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。図7において、制御部100は、会員IDが入力されたか否かを判断する(ステップS11)。会員IDは、会員が、会員カードをカード読取部24で読取らせることで入力される。
【0045】
入力されたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部100は、入力された会員IDに基づいて、会員サーバ4に会員情報を問合せる。また当該会員が現在保有し、使用可能なポイント数をポイントサーバ5に問い合わせする。そして制御部100(ポイント記憶手段101、会員ランク記憶手段105)は、問合せに応答して受信した会員情報とポイント数を会員情報部131に記憶する(ステップS12)。具体的には、制御部100は、会員ID部1311は、会員を特定する会員IDを記憶する。保有ポイント部1312は、受信した当該会員が保有し、使用可能なポイント数を記憶する。任意情報部1313は、充当したポイント数に相当する額を単価から値引きするか否かの任意情報を記憶する。会員ランク部1314は、当該会員のランクを記憶する。
【0046】
次に制御部100は、会員IDが入力されたことから、会員フラグ部132の会員フラグを「1」にセットする(ステップS13)。次に制御部100は、任意情報部1313に任意情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS14)。任意情報が記憶されていると判断した場合は(ステップS14のYes)、制御部100は、任意フラグ部133の任意フラグを「1」にセットする(ステップS15)。そして制御部100は、商品情報記憶部134に、商品情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS16)。
【0047】
商品情報が記憶されていると判断した場合は(ステップS16のYes)、制御部100は後述するステップS23の制御を実行する。一方、商品情報が記憶されていないと判断した場合は(ステップS16のNo)、制御部100は、ステップS11に戻って待機する。なお、ステップS14において、任意情報部1313に任意情報が記憶されていないと判断した場合は(ステップS14のNo)、制御部100は、任意フラグを「1」にセットすることなくステップS16を実行する。
【0048】
また、ステップS11において、会員IDが入力されていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、次に制御部100は、コード読取部21から商品コードが入力されたか否かを判断する(ステップS21)。商品コードが入力されたと判断した場合は(ステップS21のYes)、制御部100は、商品マスタ142から、当該商品コードに対応した、商品の単価を含む商品情報を読み出す(ステップS22)。
【0049】
次に制御部100は、会員フラグ部132に記憶された会員フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS23)。会員フラグが「1」でない(すなわち「0」である)と判断した場合は(ステップS23のNo)、制御部100は、会員IDが入力されていないので、読み出した商品情報を、商品情報記憶部134に記憶する(ステップS30)。一方、会員フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS23のYes)、制御部100は、会員ランク部1314に記憶されている当該会員の会員ランク(通常会員か優良会員か)を読み出す(ステップS24)。
【0050】
次に制御部100は、当該商品コードに対応した、商品マスタ142の第1特典値引部1424または第2特典値引部1425に値引フラグ「1」がセットされているか否かを判断する(ステップS25)。第1特典値引部1424または第2特典値引部1425の値引フラグがともに「1」でない(すなわち「0」)と判断した場合は(ステップS25のNo)、当該商品は対象商品ではないので、制御部100は、単価をそのまま商品の価格として、商品情報記憶部134に記憶する(ステップS30)。
【0051】
一方、値引フラグが「1」にセットされていると判断した場合は(ステップS25のYes)、当該商品は対象商品であるとして、次に制御部100は、任意フラグ部133に記憶されている任意フラグが「1」であるか否かを判断する(ステップS26)。
【0052】
任意フラグが「1」であると判断した場合は(ステップS26のYes)、当該会員に対して、ポイント数を充当した値引を実行するか否かを確認する必要があるため、制御部100は、店員用表示部18と顧客用表示部19に、確認用画面を表示する(ステップS27)。具体的には、「値引きする」と「値引きしない」の2種類のキーを含む画面を表示する。そして顧客の回答に対応して「値引きする」のキーが操作されたか否かで、値引きするか否かを判断する(ステップS28)。操作されたと判断した場合は(ステップS28のYes)、制御部100は、値引きをするとして、特典値引処理を実行する(ステップS29)。
【0053】
図8に、ステップS29で実行される特典値引処理の詳細処理を示す。図8において、制御部100は、保有ポイント部1312に記憶されている当該会員の保有ポイント数と、商品マスタ142の第1特典値引部1424または第2特典値引部1425に記憶されている値引額とを比較する。会員ランク部1314に通常会員が記憶されている場合は、保有ポイント数と第1特典値引部1424に記憶された値引額と比較し、会員ランク部1314に優良会員が記憶されている場合は、保有ポイント数と第2特典値引部1425に記憶された値引額と比較する。
【0054】
そして制御部100は、保有ポイント数が値引額以上であるか否かを判断する(ステップS291)。保有ポイント数が値引額以上であると判断した場合は(ステップS291のYes)、制御部100(値引処理手段103)は、商品情報記憶部134に記憶されている当該商品の単価にポイント数を充当し、商品の単価から、値引額に相当するポイント数を減額する値引処理を実行する(ステップS292)。この際、当該商品の商品情報に、当該商品が値引されたことを示すマークの情報を生成する。次に制御部100は、ステップS30の処理を実行する。なお、保有ポイント数が値引額以上でないと判断した場合は(ステップS291のNo)、制御部100は、値引処理を実行せずにステップS30に移行する。この際、当該商品の商品情報に、当該商品が値引されなかったことを示すマーク(値引されたことを示すマークとは異なるマーク)の情報を生成する。
【0055】
図7の説明に戻る。制御部100は、商品の単価から値引額を減額した新たな商品価格、値引額、充当したポイント数、および商品マスタ142から読み出した商品情報を商品情報記憶部134に記憶する(ステップS30)。そして制御部100は、ステップS11に戻って待機する。そして、次の対象商品の商品コードが入力された場合、当該対象商品についても、値引処理を実行する。なお、「値引きしない」のキーが操作された場合は(ステップS28のNo)、制御部100は、商品の単価を減額することなくステップS30の処理を実行する。また、ステップS26において、任意フラグ部133に記憶されている任意フラグが「1」ではない(すなわち「0」)と判断した場合は(ステップS26のNo)、次に制御部100は、ステップS29を実行する。
【0056】
また、ステップS21において、コード読取部21から商品コードが入力されていないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部100は、小計キー171が操作されたか否かを判断する(ステップS41)。小計キー171が操作されたと判断した場合は(ステップS41のYes)、当該会員に対する商品情報の入力が終了したので、制御部100は、商品情報記憶部134に記憶されている商品の単価と商品価格とを加算して、当該取引における合計金額を算出する(ステップS42)。そして制御部100は、算出した合計金額を、店員用表示部18と顧客用表示部19に表示する(ステップS43)。そして制御部100は、ステップS11に戻って待機する。
【0057】
また、ステップS41において、小計キー171が操作されていないと判断した場合は(ステップS41のNo)、制御部100は、締めキー172が操作されたか否かを判断する(ステップS51)。締めキー172が操作されたと判断した場合は(ステップS51のYes)、制御部100(決済手段104)は、会員から預かった金銭に基づいて決済処理を実行する(ステップS52)。決済処理が実行されると、釣銭が計算されて店員用表示部18と顧客用表示部19に表示される。そして制御部100(レシート発行手段106)は、商品情報、決済情報、マーク情報等を印字部20で印字したレシートを発行する(ステップS53)。なお、ステップS51において、締めキー172が操作されていないと判断した場合は(ステップS51のNo)、制御部100は、ステップS11に戻って待機する。
【0058】
図9に、ステップS53で発行されたレシートの印字例を示す。図9の例は、通常会員の場合の印字例である。図9において、レシート51は、当該レシート51を発行した日時とPOS端末1の番号、担当したキャッシャを示すキャッシャ番号等52と、購入した商品の商品コードと商品名53、当該商品の単価54、当該商品の値引額55、当該商品の値引情報56、が印字されている。
【0059】
図9の例では、商品コード「001」の商品の商品名が「商品A」であり、単価が200円であり、値引額が50円であり、「¥200円から¥150に値引きします」のメッセージが印字されている。また、商品コード「002」の商品名が「商品B」であり、商品の単価が300円であり、値引額が50円であり、「¥300円から¥250に値引きします」のメッセージが印字されている。
【0060】
また、商品Aと商品Bの商品名の前には、単価が値引きがされたことを示す「★」印58が印字されている。また商品Cの名称の前には、単価が値引がされなかったことを示す「☆」印59が印字されている。「☆」印59は、商品Cが値引の対象商品であるにも関わらず、保有ポイント数が足りない等の理由で値引処理が実行されていないことを示している。
【0061】
また、レシート51には、合計金額、預かり金額、釣銭等の決済情報60と、今回の取引で値引きに使用したポイント数61が印字されている。
【0062】
このような第1実施形態によると、購入した商品が値引の対象商品である場合は、ポイント数の一部または全部に相当する金額を、当該商品の単価から値引くようにし、単価から値引額を値引いた商品価格を用いて決済処理を実行するようにしたため、値引きの対象商品の単価を値引いた形で販売することができる。したがって、ポイントを特定商品単価に充当して単価を値引くポイントシステムを提供でき、特定商品の販売促進に寄与する。
【0063】
また、第1実施形態では、ステップS21で商品コードが入力された対象商品の順に優先的に値引処理が実行される。後で商品コードが入力された対象商品は、保有するポイント数が足りなくなった場合、値引処理が実行されない場合がある。すなわち、第1実施形態では、先に商品コードを入力した対象商品の方が後で商品コードが入力された対象商品より値引きの優先順位が高い。
【0064】
次に、図10図12を用いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、商品販売データ処理装置としてPOS端末1を用いて説明する。なお、第2実施形態も、図1図2図4図6の構成を具備する。なお、以下に説明する第2実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0065】
図10は、第2実施形態におけるPOS端末の商品マスタ142の例を示すメモリマップである。図10において、商品コード部1421、商品名部1422、単価部1423、第1特典値引部1424、第2特典値引部1425は、図3と同一の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
さらに、商品マスタ142は、優先順位部1426を備えている。優先順位部1426は、対象商品について、予め、値引処理する優先順位を記憶している。図10の例では、商品Aの優先順位は「4」、商品Bの優先順位は「3」、商品Cの優先順位は「2」、商品Dの優先順位は「1」である。すなわち、商品Dが最も優先順位が高く、商品Aが最も優先順位が低い。
【0067】
次に、図11図12を用いて、第2実施形態の制御処理の流れについて説明する。なお、図11において、ステップS111〜ステップS115は、図7のステップS11〜ステップS15と同一である。また、ステップS151〜ステップS153は、図7のステップS51〜ステップS53と同一である。そのため、これらのステップにおける制御処理についての説明を省略する。
【0068】
制御部100は、コード読取部21から商品コードが入力されたか否かを判断する(ステップS121)。商品コードが入力されたと判断した場合は(ステップS121のYes)、制御部100は、商品マスタ142から、当該商品コードに対応した、商品の単価を含む商品情報を読み出す(ステップS122)。そして制御部100は、読み出した商品情報を商品情報記憶部134に記憶する(ステップS123)。そして制御部100は、ステップS111に戻って待機する。
【0069】
また、ステップS121において、コード読取部21から商品コードが入力されていないと判断した場合は(ステップS121のNo)、制御部100は、小計キー171が操作されたか否かを判断する(ステップS131)。小計キー171が操作されたと判断した場合は(ステップS131のYes)、制御部100は、商品情報記憶部134から、ステップS123で商品情報記憶部134に記憶した商品情報を読み出す(ステップS132)。
【0070】
制御部100は、読み出した商品情報に基づいて、ステップS133〜ステップS138の処理を実行する。ステップS133〜ステップS138の処理は、図7のステップS23〜ステップS28の処理と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
制御部100は、ステップS138において、「値引する」のキーが操作されたと判断した場合は(ステップS138のYes)、制御部100は、特典値引処理を実行する(ステップS139)。
【0072】
図12は、ステップS139の処理を詳細に説明するフローチャートである。図12において、制御部100は、商品情報記憶部134に記憶されている各商品について、保有ポイント部1312に記憶されている当該会員の保有ポイント数と、商品マスタ142の第1特典値引部1424または第2特典値引部1425に記憶されている値引額とを比較する。会員ランク部1314に通常会員が記憶されている場合は、保有ポイント数と第1特典値引部1424に記憶された値引額と比較し、会員ランク部1314に優良会員が記憶されている場合は、保有ポイント数と第2特典値引部1425に記憶された値引額と比較する。
【0073】
そして制御部100は、保有ポイント数が値引額以上であるか否かを判断する(ステップS1391)。保有ポイント数が値引額以上であると判断した場合は(ステップS1391のYes)、制御部100(値引処理手段103)は、商品情報記憶部134に記憶されている当該商品の単価にポイント数を充当し、商品の単価から、値引額に相当するポイント数を減額する値引処理を実行する(ステップS1392)。この際、優先順位部1426に記憶されている優先順位を参照し、優先順位が高い対象商品順に、値引処理を実行する。また、値引処理を実行した商品の商品情報に、当該商品が値引されたことを示すマークの情報を生成する。次に制御部100は、ステップS30の処理を実行する。なお、保有ポイント数が値引額以上でないと判断した場合は(ステップS1391のNo)、制御部100は、値引処理を実行せずにステップS140に移行する。この際、当該商品の商品情報に、当該商品が値引されなかったことを示すマーク(値引されたことを示すマークとは異なるマーク)の情報を生成する。
【0074】
図11の説明に戻る。次に制御部100は、ステップS140とステップS141の処理を実行する。ステップS140〜ステップS141の処理は、図7のステップS42〜ステップS43の処理と同一であり、ここでは省略する。
【0075】
このような第2実施形態によると、購入した商品が値引の対象商品である場合は、ポイント数の一部または全部に相当する金額を、当該商品の単価から値引くようにし、単価から値引額を値引いた商品価格を用いて決済処理を実行するようにしたため、値引きの対象商品の単価を値引いた形で販売することができる。したがって、ポイントを特定商品単価に充当して単価を値引くポイントシステムを提供し、特定商品の販売促進に寄与する。
【0076】
また、第2実施形態では、小計キー171が操作された場合に、優先順位部1426に記憶された優先順位にしたがって、値引処理が実行されるため、ステップS121における商品コードの読取順序に関わらず、優先順位が高い商品から値引処理を実行することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
例えば、実施形態では、会員が保有するポイント情報の数が値引額より少ない場合、値引処理を実行しないようにしたが、会員が保有するポイント数分の値引を実行するようにしてもよい。
【0079】
また、実施形態では、値引額1円に対して1ポイントを充当するようにしたが、値引額1円に対して数ポイントで充当するようにしてもよい。
【0080】
また、実施形態では、商品に、対象商品(商品A〜商品D)と対象商品以外の商品(商品E)を混在して説明したが、すべての商品を対象商品としてもよい。
【0081】
なお、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0082】
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0083】
また、実施形態の商品販売データ処理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 POS端末
4 会員サーバ
5 ポイントサーバ
100 制御部
101 ポイント記憶手段
102 値引情報記憶手段
103 値引処理手段
104 決済手段
105 会員ランク記憶手段
106 レシート発行手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2000−30153号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12