特許第6200295号(P6200295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200295
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】課金サーバ、及び課金印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20170911BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   G06F3/12 373
   G06F3/12 329
   G06F3/12 303
   B41J29/38 Z
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-239711(P2013-239711)
(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公開番号】特開2015-99529(P2015-99529A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 智大
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−185474(JP,A)
【文献】 特開2010−072935(JP,A)
【文献】 特開2006−332965(JP,A)
【文献】 特開平09−130573(JP,A)
【文献】 特開2002−049472(JP,A)
【文献】 特開2003−345558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00−29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを生成して送信する端末装置と、前記端末装置が送信した印刷ジョブを受信し課金処理を行うと共に、前記印刷ジョブを印刷装置へ転送する課金サーバと、前記課金サーバからの印刷ジョブを受信し課金印刷を実行する印刷装置を備えた課金印刷システムであって、
前記端末装置は、
前記課金印刷の指示内容を示す課金印刷指示情報を生成し、前記生成した課金印刷指示情報を印刷ジョブに付加して前記課金サーバに送信し、
前記印刷装置は、
前記課金サーバから転送された前記印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷手段と、
前記印刷ジョブに基づいて前記印刷手段が印刷したカウント値を示す課金印刷カウント情報を生成する課金印刷カウント情報生成手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報生成手段により生成された前記課金印刷カウント情報とを比較し、前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報とが不一致の場合、不一致情報および前記課金印刷カウント情報を記憶手段に記憶する比較処理手段と、
前記課金サーバからの印刷結果の取得の要求に応じて前記不一致情報および前記課金印刷カウント情報を前記課金サーバに対し送信する送信手段と、を備え、
前記課金サーバは、
前記印刷ジョブを前記端末装置から受信し、前記印刷ジョブから前記課金印刷指示情報を取得すると共に、前記印刷ジョブを前記印刷装置へ転送する印刷ジョブ転送手段と、
前記印刷ジョブ転送手段によって取得された前記課金印刷指示情報を課金情報として記憶する課金情報記憶手段と、
前記印刷装置から取得した前記印刷ジョブを実行した際の前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報との不一致情報に基づいて、前記課金情報記憶手段に記憶された前記課金情報を前記課金印刷カウント情報に一致するように更新する課金情報更新手段と、
前記課金情報記憶手段に記憶された前記課金情報に基づいて課金処理を実行する課金処理手段と、
を備えたことを特徴とする課金印刷システム。
【請求項2】
印刷ジョブを生成して送信する端末装置と、前記端末装置が送信した印刷ジョブを受信し課金処理を行うと共に、前記印刷ジョブを印刷装置へ転送する課金サーバと、前記課金サーバからの印刷ジョブを受信し課金印刷を実行する印刷装置を備えた課金印刷システムであって、
前記端末装置は、
前記課金印刷の指示内容を示す課金印刷指示情報を生成し、前記生成した課金印刷指示情報を印刷ジョブに付加して前記課金サーバに送信し、
前記印刷装置は、
前記課金サーバから転送された前記印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷手段と、
前記印刷ジョブに基づいて前記印刷手段が印刷したカウント値を示す課金印刷カウント情報を生成する課金印刷カウント情報生成手段と、
前記印刷ジョブに含まれる前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報生成手段により生成された前記課金印刷カウント情報とを比較し、前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報とが不一致の場合、不一致情報および前記課金印刷カウント情報を記憶手段に記憶する比較処理手段と、
前記課金サーバからの印刷結果の取得の要求に応じて前記不一致情報および前記課金印刷カウント情報を前記課金サーバに対し送信する送信手段と、を備え、
前記課金サーバは、
前記印刷ジョブを前記端末装置から受信し、前記印刷ジョブから前記課金印刷指示情報を取得すると共に、前記印刷ジョブを前記印刷装置へ転送する印刷ジョブ転送手段と、
前記印刷装置から取得した前記印刷ジョブを実行した際の前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報との不一致情報における前記課金印刷カウント情報に基づいて、課金処理を実行する課金処理手段と、
を備えたことを特徴とする課金印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コストアップやレスポンスの低下等を招くことなく、印刷装置で実際に印刷した印刷結果に基づいて正確に課金処理を実行する課金サーバ、及び課金印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷ジョブを生成するパソコン等の端末装置と、印刷を行う印刷装置と、端末装置が生成して送信した印刷ジョブを受信し課金処理を行うと共に、端末装置から受信した印刷ジョブを印刷装置へ転送する課金サーバとを備えたネットワーク印刷サービスシステムが一般的に良く知られている。
【0003】
特許文献1には、端末装置及び印刷装置にネットワークを介して接続された印刷管理装置が課金サーバとして機能し、印刷管理装置が、端末装置により生成された印刷ジョブを一時的に受信し、印刷ジョブのデータ量に基づいて所定の課金処理を行った後、印刷装置に印刷ジョブを転送して印刷させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−185474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された印刷管理装置では、端末装置から受信した印刷ジョブを印刷装置に転送する際に課金処理を実行しているため、必ずしも印刷装置で実際に実行された印刷内容に応じた印刷料金を正確に課金できないという問題があった。
【0006】
例えば、印刷装置で課金して印刷している際に用紙ジャム等が発生しため、ユーザがその印刷ジョブを中止した場合には、印刷管理装置で課金した料金よりも印刷装置で実際に印刷した料金の方が低くなっていた。
【0007】
一方、例えば、サンプルプリント(お試しプリント)等のように印刷ジョブで指示した印刷内容以外に印刷装置でユーザが印刷を実行した場合には、印刷管理装置で課金した料金よりも印刷装置で実際に印刷した料金の方が高くなっていた。
【0008】
また、上述の特許文献1に記載された印刷管理装置では、パソコンから受信した印刷ジョブのデータ量に基づいて課金をしているため、必ずしも印刷装置で実際に実行された印刷内容に応じた印刷料金を正確に課金できないという問題もあった。即ち、印刷装置における印刷方式には、片面印刷や両面印刷、カラー/モノクロ、用紙サイズ等の各種印刷様式があって、各様式の組み合わせ毎に料金が異なるため、印刷ジョブのデータ量に基づいて課金した場合、印刷装置で実際に印刷された印刷料金と課金処理により算出された印刷料金とが異なる場合があった。
【0009】
ここで、印刷管理装置内において端末装置から受信した印刷ジョブの片面印刷や両面印刷の種別や、カラー印刷、用紙サイズ等の詳細な各種印刷様式を解析して集計することも考えられるが、このような解析を行う場合、印刷管理装置の処理負荷が大きくなるので、コストアップやレスポンスの低下等を招くことになる。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、コストアップやレスポンスの低下等を招くことなく、印刷装置で実際に課金して印刷した印刷結果に基づいて正確に課金処理を実行する課金サーバ、及び課金印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る課金サーバの第1の特徴は、端末装置が送信した印刷ジョブを受信して課金処理を行うと共に、その印刷ジョブを印刷装置へ転送する課金サーバであって、課金印刷の指示内容を示す課金印刷指示情報を含む前記印刷ジョブを前記端末装置から受信し、前記印刷ジョブから前記課金印刷指示情報を取得すると共に、前記印刷ジョブを前記印刷装置へ転送する印刷ジョブ転送手段と、前記印刷ジョブ転送手段によって取得された前記課金印刷指示情報を課金情報として記憶する課金情報記憶手段と、前記印刷装置に転送された印刷ジョブに含まれる前記課金印刷指示情報と前記印刷装置が前記印刷ジョブに基づいて実際に印刷してカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、前記課金情報記憶手段に記憶した前記課金情報を前記課金印刷カウント情報に一致するように更新する課金情報更新手段と、前記課金情報記憶手段に記憶された前記課金情報に基づいて課金処理を実行する課金処理手段とを備えたことにある。
【0012】
また、本発明に係る課金サーバの第2の特徴は、端末装置が送信した印刷ジョブを受信し課金処理を行うと共に、前記印刷ジョブを印刷装置へ転送して課金印刷させる課金サーバであって、前記課金印刷の指示内容を示す課金印刷指示情報を含む前記印刷ジョブを前記端末装置から受信し、前記印刷ジョブから前記課金印刷指示情報を取得すると共に、前記印刷ジョブを前記印刷装置へ転送する印刷ジョブ転送手段と、前記印刷ジョブ転送手段によって取得された前記課金印刷指示情報と前記印刷装置が前記印刷ジョブに基づいて印刷しカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、この課金印刷カウント情報に基づいて課金処理を実行する課金処理手段と、を備えたことにある。
【0013】
また、本発明に係る課金サーバの第3の特徴は、前記印刷ジョブ転送手段は、当該課金サーバにおいて複数の印刷ジョブを一意に識別するための課金サーバ用ジョブ識別情報を前記端末装置から受信した前記印刷ジョブに付加して前記印刷装置へ転送することにある。
【0014】
また、本発明に係る課金印刷システムの特徴は、印刷ジョブを生成して送信する端末装置と、その端末装置が送信した印刷ジョブを受信して課金処理を行うと共に、その印刷ジョブを印刷装置へ転送する課金サーバと、前記課金サーバからの印刷ジョブを受信して印刷を実行する印刷装置を備えた課金印刷システムであって、前記端末装置は、課金印刷の指示内容を示す課金印刷指示情報を生成し、生成した課金印刷指示情報を前記印刷ジョブに付加し前記課金サーバに送信し、前記課金サーバは、前記印刷ジョブを前記端末装置から受信し、前記印刷ジョブから前記課金印刷指示情報を取得すると共に、前記印刷ジョブを前記印刷装置へ転送する印刷ジョブ転送手段と、前記印刷ジョブ転送手段によって取得された前記課金印刷指示情報を課金情報として記憶する課金情報記憶手段と、前記印刷装置に転送された印刷ジョブに含まれる前記課金印刷指示情報と前記印刷装置が前記印刷ジョブに基づいて実際に印刷してカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、前記課金情報記憶手段に記憶した前記課金情報を前記課金印刷カウント情報に一致するように更新する課金情報更新手段と、前記課金情報記憶手段に記憶された前記課金情報に基づいて課金処理を実行する課金処理手段とを備え、前記印刷装置は、前記課金サーバから転送された前記印刷ジョブに基づいて印刷を実行する印刷手段と、前記印刷ジョブに基づいて前記印刷手段が実際に印刷したカウント値を示す課金印刷カウント情報を生成する課金印刷カウント情報生成手段と、前記印刷ジョブに含まれていた前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報生成手段によって生成された前記課金印刷カウント情報とを比較し、前記課金印刷指示情報と前記課金印刷カウント情報とが不一致の場合、前記課金印刷カウント情報を前記課金サーバに対し送信する比較処理手段とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る課金サーバの第1の特徴によれば、印刷ジョブに含まれる課金印刷指示情報と印刷装置がその印刷ジョブに基づいて実際に印刷してカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、課金サーバで記憶している課金印刷指示情報を課金印刷カウント情報に一致するように更新するため、コストアップやレスポンスの低下等を招くことなく印刷装置で実際に課金して印刷した印刷結果に基づいて正確に課金処理を実行することができる。
【0016】
また、課金印刷指示情報を印刷ジョブのフッタ情報に含ませることにより、端末装置のプリンダドライバは印刷ジョブのページデータを順に送信しながら課金印刷指示情報を更新して最終的にページデータ全ての課金印刷指示情報を集計した課金印刷指示情報をこの印刷ジョブのフッタ情報に設定して送信することができるので、より正確に課金処理を実行することができる。
【0017】
また、本発明に係る課金サーバの第2の特徴によれば、印刷ジョブに含まれる課金印刷指示情報と印刷装置がその印刷ジョブに基づいて実際に印刷してカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、課金印刷指示情報を課金印刷カウント情報に一致するように更新するため、コストアップやレスポンスの低下等を招くことなく印刷装置で実際に課金して印刷した印刷結果に基づいて正確に課金処理を実行することができる。また、課金印刷指示情報を印刷ジョブのフッタ情報に含ませることにより、端末装置のプリンダドライバは印刷ジョブのページデータを順に送信しながら課金印刷指示情報を更新して最終的にページデータ全ての課金印刷指示情報を集計した課金印刷指示情報をこの印刷ジョブのフッタ情報に設定して送信することができるので、より正確に課金処理を実行することができる。
【0018】
また、本発明に係る課金サーバの第3の特徴によれば、課金サーバにおいて複数の印刷ジョブを一意に識別するための課金サーバ用ジョブ識別情報を端末装置から受信した印刷ジョブに付加して印刷装置へ転送するため、課金サーバと印刷装置側で一意に印刷ジョブを特定することが可能になり、課金サーバ用ジョブ識別情報に基づいて印刷装置から課金印刷カウント情報を確実かつ簡単に取得すること等が可能になる。
【0019】
また、本発明に係る課金印刷システムの特徴によれば、印刷ジョブに含まれる課金印刷指示情報と印刷装置がその印刷ジョブに基づいて実際に印刷してカウントした課金印刷カウント情報とが不一致の場合、課金サーバで記憶されている課金印刷指示情報が課金印刷カウント情報に一致するように更新されるため、印刷装置で実際に課金して印刷した印刷結果に基づいて正確に課金処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る実施例の課金サーバを含む課金印刷システム全体の構成を示すシステム構成図である。
図2】本発明に係る実施例の課金印刷システムを構成する課金サーバや端末装置、印刷装置それぞれにおける処理を示すシーケンス図である。
図3】本発明に係る実施例の課金印刷システムにおいて端末装置が生成して課金サーバへ送信する印刷ジョブの構造を示す図である。
図4】本発明に係る実施例の課金印刷システムにおける印刷ジョブのフッタ情報に含まれる課金印刷指示情報の一例を示す図である。
図5】本発明に係る実施例の課金サーバで課金サーバ用ジョブ識別情報を付加した印刷ジョブの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る課金サーバ、課金印刷システム、課金サーバプログラムの実施例について説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る実施例の課金サーバ1を含む課金印刷システム全体の構成を示す構成図である。
【0023】
図1に示すように、本発明に係る実施例の課金印刷システムは、課金サーバ1と、複数台(ここでは、説明の便宜上、3台とするが、この台数に限られない。)の端末装置2と、同様に複数台(ここでは、説明の便宜上、2台とするが、この台数に限られない。)の印刷装置3とが、有線または無線のネットワーク4を介して接続されており、各端末装置2が生成して送信した印刷ジョブを課金サーバ1が受信し、指定された印刷装置3に対しその印刷ジョブを転送すると共に、課金処理を実行する。
【0024】
課金サーバ1は、課金サーバ1全体の動作を制御すると共に、印刷ジョブ転送手段11a、課金情報更新手段11bおよび課金処理手段11cとして機能するCPU11と、印刷ジョブを保存すると共に、課金情報記憶手段として課金情報を記憶するメモリ12と、CPU11を印刷ジョブ転送手段11a、課金情報更新手段11bおよび課金処理手段11cとして機能させるための課金サーバプログラムが記憶されたプログラム記憶部13と、ネットワーク4に接続されたネットワークI/F部14等を備える。なお、本発明に係る実施例では、課金処理手段11cはプリペイド式(前払い式)の課金処理、すなわち予めユーザが所定金額をチャージした磁気カードやICカード等のプリペイドカードから印刷料金を減算して課金するものとして説明する。
【0025】
端末装置2は、端末装置2全体の動作を制御するCPU21と、メモリ22と、文書等の印刷ジョブを作成する文書作成アプリケーションプログラム(以下、文書作成アプリケーションという。)23aやプリンタドライバプログラム(以下、プリンタドライバという。)23b等の各種プログラムが記憶されたプログラム記憶部23と、ネットワーク4に接続されたネットワークI/F部24と、キーボード等の入力部25と、表示部26等を備える。
【0026】
印刷装置3は、印刷装置3全体の動作を制御する共に、本発明の課金印刷カウント情報生成手段31aおよび比較処理手段31bとして機能するCPU31と、メモリ22と、CPU31を課金印刷カウント情報生成手段31aおよび比較処理手段31bとして機能させるためのプログラム等が記憶されたプログラム記憶部33と、ネットワーク4に接続されたネットワークI/F部34と、課金サーバ1から転送された印刷ジョブを実行して印刷する印刷部35等を備える。
【0027】
次に、本発明に係る実施例の課金サーバ1を含む課金印刷システムにおける課金処理について説明する。
【0028】
図2は、本発明に係る実施例の課金印刷システムが備える課金サーバ1や端末装置2、印刷装置3それぞれにおける処理を示すシーケンス図である。
【0029】
図2に示すように、まず、端末装置2においてCPU21がプログラム記憶部23に記憶された文書作成アプリケーション23a等を実行し、テキストや画像等を含む文書データを作成し、プリンタドライバ23bを起動してその文書データに基づいて印刷ジョブを生成する(S101)。
【0030】
図3は、本発明に係る実施例の課金印刷システムにおいて端末装置2が生成して課金サーバ1へ送信する印刷ジョブDの構造を示す図である。
【0031】
図3に示すように、本発明に係る実施例の課金印刷システムにおいて端末装置2が生成して課金サーバ1へ送信する印刷ジョブは、ヘッダ情報D1と、1ページ(Page 1)〜nページ(Page n)までの印刷画像データであるページデータD2と、フッタ情報D3とを有する。
【0032】
ヘッダ情報D1には、端末装置2のMACアドレスや印刷ジョブDの作成日時等を示す識別情報が付加されている。
【0033】
また、フッタ情報D3には、印刷ジョブDに含まれるページデータD2の詳細な課金印刷指示情報D31、すなわち1ページ(Page 1)〜nページ(Page n)までの各ページデータD2を課金して印刷する際に、“片面/両面”か、“カラー/モノクロ”か、A4サイズやA3サイズ等の“サイズ”、さらには“枚数”等の課金印刷の指示内容を示す指示情報が付加されている。
【0034】
図4は、印刷ジョブDのフッタ情報D3に含まれる課金印刷指示情報D31の一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、フッタ情報D3に含まれる課金印刷指示情報D31には、A4やA3、B4等の“サイズ”(符号:101)と、片面印刷か両面印刷を指示する“片面/両面”(符号:102)と、カラー印刷またはモノクロ印刷を指示する“カラー/モノクロ”(符号:103)、印刷枚数を指示する“枚数”(符号:104)とが、関連づけられて、印刷ジョブDの課金印刷の指示内容を示す指示情報として、端末装置2のプリンタドライバ23bによって設定されている。
【0036】
図2に戻り、端末装置2は、図4に示したような課金印刷指示情報D31をフッタ情報D3に含めた印刷ジョブDを、ネットワークI/F部24およびネットワーク4を介して課金サーバ1へ送信する(S105)。
【0037】
印刷ジョブDを受信した課金サーバ1のCPU11は、印刷ジョブ転送手段11aとして機能し、まずは端末装置2からの印刷ジョブDを受信してメモリ12に保存すると共に、その印刷ジョブDのフッタ情報D3から課金印刷指示情報D31を取得して課金情報とし、メモリ12に記憶する(S107)。
【0038】
次に、ユーザログインが要求されると(S109)、課金サーバ1のCPU11は、端末装置2から印刷ジョブを送信したユーザが課金印刷を実行させる印刷装置3でユーザ認証されているか否かを判定する(S111)。ここでは、印刷装置3で課金印刷を実行する前に、印刷ジョブを送信したユーザが印刷装置3において予めユーザログインの操作され、ユーザ認証されていると判定された場合、印刷装置3は、ユーザ認証結果“OK”を課金サーバ1へ送信する。
【0039】
課金サーバ1は課金印刷を実行させようとする印刷装置3からユーザ認証“OK”が通知されていると、課金サーバ1のCPU11は、印刷ジョブ転送手段11aとして機能し、端末装置2から受信し記憶しておいた印刷ジョブDのヘッダ情報D1に対し課金サーバ1で一意に識別可能な課金サーバ用ジョブ識別情報D11を付加して印刷装置3に対し転送する(S113)。
【0040】
図5は、本発明に係る実施例の課金サーバ1で課金サーバ用ジョブ識別情報D11を付加した印刷ジョブDの一例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、課金サーバ1のCPU11は、端末装置2から受信した図3に示すような構成の印刷ジョブDのヘッダ情報D1に課金サーバ1で一意に識別可能な課金サーバ用ジョブ識別情報D11を付加する。
【0042】
印刷装置3は、課金サーバ1から課金サーバ用ジョブ識別情報D11が付加された印刷ジョブDを受信すると、印刷部35がその印刷ジョブDを実行して課金印刷を行う。その際、CPU31が課金印刷カウント情報生成手段31aとして機能し、メンテナンス用等のトータルカウント数だけでなく、課金印刷する印刷ジョブ毎に“サイズ”や“カラー/モノクロ”等の印刷内容に基づいて実際の印刷結果をカウントおよび集計した課金印刷カウント情報を生成する(S115)。
【0043】
これにより、印刷装置3では印刷の際、用紙ジャムが発生してユーザがその印刷ジョブを中止したり、また、課金印刷指示情報D31に計上されていないサンプルプリント(お試しプリント)等を実行する場合においても、印刷装置3が実際に課金して印刷した際にカウントおよび集計した正確な課金印刷カウント情報を生成することができる。
【0044】
次に、印刷装置3のCPU31は、比較処理手段31bとして機能して、印刷装置3でカウントして集計した課金印刷カウント情報と、印刷ジョブDのフッタ情報D3の課金印刷指示情報D31とを比較し、一致していないと判定された場合、比較の結果が不一致である旨、及び実際の課金印刷カウント情報を、その印刷ジョブDの課金サーバ用ジョブ識別情報D11と対応させてメモリ32等に記憶する(S119)。なお、比較の結果、一致していた場合も、一致していることを示す一致情報を記憶するようにしても良い。
【0045】
課金サーバ1は、所定時間毎などの定期的(周期的)に、または印刷装置3の待機時に、課金サーバ用ジョブ識別情報D11に基づいて印刷装置3にアクセスし、各印刷装置3における印刷結果であるジョブステータス情報の取得を要求する(S121)。
【0046】
印刷装置3は、ジョブステータス情報の取得が要求されると、端末装置2からの印刷ジョブDの課金印刷指示情報D31と、印刷装置3が実際に課金印刷した課金印刷カウント情報との不一致情報が課金サーバ用ジョブ識別情報D11に対応して蓄積されている場合、その課金サーバ用ジョブ識別情報D11に基づいて不一致情報を送信する(S123)。なお、印刷装置3に一致情報が蓄積されていれば、一致情報を不一致情報に加えて送信するようにしても良い。
【0047】
課金サーバ1は、印刷装置3から印刷ジョブDを実行した際の課金印刷指示情報D31と課金印刷カウント情報との不一致情報を取得すると、CPU11が課金情報更新手段11bとして機能し、不一致情報に基づいてメモリ12に課金情報として記憶した課金印刷指示情報D31を印刷装置3が実際に課金して印刷した課金印刷カウント情報に更新する更新処理を行う(S125)。なお、端末装置2が設定した課金印刷指示情報D31と印刷装置3が実際に課金印刷した課金印刷カウント情報とが一致している場合、メモリ12に課金情報として記憶した課金印刷指示情報D31の更新処理は実行しない。
【0048】
その後、課金サーバ1のCPU11は、課金処理手段11cとして機能して、メモリ12に記憶された課金情報に基づいて、その印刷ジョブDを送信してきた端末装置2に対し課金処理を実行する(S127)。
【0049】
このように、本発明に係る実施例の課金印刷システムによれば、印刷装置3で課金印刷してカウントした課金印刷カウント情報と端末装置2が印刷ジョブDのフッタ情報D3に設定した課金印刷指示情報D31とが一致しない場合、課金サーバ1は印刷装置3からその不一致情報を取得してメモリ12に課金情報として記憶しておいた課金印刷指示情報D31を更新してから課金処理を実行するので、その印刷ジョブDを送信してきた端末装置2に対し実際の印刷結果に基づいて正確に課金を実行することができる。
【0050】
また、印刷装置3で実際に課金印刷してカウントした課金印刷カウント情報と端末装置2が印刷ジョブDのフッタ情報D3に設定した課金印刷指示情報D31とを比較させ、不一致の場合、比較の結果が不一致であることと実際の課金印刷カウント情報とを課金サーバ1に対し送信させるようにしたため、印刷装置3と課金サーバ1間で課金印刷カウント情報と課金印刷指示情報D31とが不一致の場合に整合等を図るため印刷ジョブ毎の無駄な通信を省略することが可能となり、性能向上を図ることができる。
【0051】
特に、課金サーバ1は、端末装置2が課金サーバ1に対し送信した印刷ジョブDのフッタ情報D3に含まれる課金印刷指示情報D31を課金情報として取得して実際の課金印刷カウント情報と一致しない場合は更新した後にその課金印刷指示情報D31に基づいて課金処理を実行するため、課金サーバ1内で印刷ジョブD内のページデータD2を解析することなく課金処理が可能となる。その結果、コストアップやレスポンスの低下等を招くことなく課金処理を実行できる。
【0052】
また、課金サーバ1が端末装置2から受信した印刷ジョブDに対して課金サーバ用ジョブ識別情報D11を付加することで、課金サーバ1と印刷装置3は一意に印刷ジョブDを特定可能となる。そのため、課金サーバ1は課金サーバ用ジョブ識別情報D11に基づいて印刷装置3から課金印刷カウント情報を取得することが可能となり、印刷装置3からその印刷ジョブDの実行結果である課金印刷カウント情報を確実かつ簡単に取得することができる。
【0053】
また、課金サーバ1が複数の印刷ジョブDを一度に印刷装置3に対し送信して課金印刷を指示する場合でも、連続印刷が可能になると共に、各印刷ジョブDの実行結果である課金印刷カウント情報を確実に取得することが可能となり、課金の信頼性を確保しつつ生産性を向上させることができる。例えば、課金サーバ1が複数(N台)存在し、1台の印刷装置3に対しN対1の接続になった場合においても、課金サーバ用ジョブ識別情報D11の一部に一意になるキー(例えば、課金サーバ1のMACアドレスなど)を付加することで、複数の課金サーバ1間のID競合が回避可能となり、1台の印刷装置に対しN対1の接続形態も可能となる。
【0054】
なお、本発明に係る実施例では、課金サーバ1の課金処理手段11cはプリペイドカードや所定額がチャージざれたICカード等を使用したプリペイド式(前払い式)の課金処理を実行するものとして説明したが、これに限らず、このようなプリペイド式の課金処理に限定されるものではなく、課金印刷の料金を後から銀行口座等から引き落したり、現金で支払う通常の課金処理を実行するようにしても勿論良い。
【0055】
また、本発明に係る実施例では、課金サーバ1のCPU11は印刷ジョブから取得した課金印刷指示情報をメモリ12に課金情報として記憶し、メモリ12に記憶された課金印刷指示情報と印刷装置3でカウントされた課金印刷カウント情報とを比較するように説明したが、これに限らず、印刷ジョブから取得した課金印刷指示情報をメモリ12に記憶させず、印刷ジョブから取得した課金印刷指示情報と印刷装置3でカウントされた課金印刷カウント情報とを直接比較するようにしても良い。
【符号の説明】
【0056】
1…課金サーバ
11…CPU
11a…印刷ジョブ転送手段
11b…課金情報更新手段
11c…課金処理手段
12…メモリ(課金情報記憶手段)
13…プログラム記憶部
14…ネットワークI/F
2…端末装置
21…CPU
22…メモリ
23…プログラム記憶部
23a…文書作成アプリケーションプログラム
23b…プリンタドライバプログラム
24…ネットワークI/F
25…入力部
26…表示部
3…印刷装置
31…CPU
31a…課金印刷カウント情報生成手段
31b…比較処理手段
32…メモリ
33…プログラム記憶部
34…ネットワークI/F
35…印刷部(印刷手段)
4…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5