(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200317
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】バックゲートバイアス用に改造されたチャネルコアを有する電界効果トランジスタおよび製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20170911BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20170911BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20170911BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20170911BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20170911BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 618C
H01L29/06 601N
H01L29/58 G
B82Y30/00
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-267916(P2013-267916)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-131044(P2014-131044A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2016年10月12日
(31)【優先権主張番号】61/746,991
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100113642
【弁理士】
【氏名又は名称】菅田 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100147430
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】平井 友洋
(72)【発明者】
【氏名】南雲 俊治
【審査官】
小堺 行彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−239078(JP,A)
【文献】
特開2006−080519(JP,A)
【文献】
特開2008−211208(JP,A)
【文献】
特開2009−038201(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/119053(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0212341(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102157556(CN,A)
【文献】
Viranjay M. Srivastava et al.,Design and performance analysis of cylindrical surrounding double-gate MOSFET for RF switch,Microelectronics Journal,2011年 7月22日,Volume 42, Issue 10,pp.1124-1135
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
B82Y 30/00
H01L 29/06
H01L 29/423
H01L 29/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されたソース構造およびドレイン構造と、
前記ソース構造および前記ドレイン構造を相互接続し、およびそれらの間のチャネルとして機能する少なくとも1つのナノワイヤ構造と、
前記チャネル内でのキャリアの導電性を制御するように、前記少なくとも1つのナノワイヤ構造上に形成されたゲート構造と、を有する半導体装置であって、
前記ナノワイヤ構造が、前記チャネル用のバックバイアス電極として機能する中心コアを含む半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、チャネルコアを改良して閾値電圧を制御するための機能を組み込んだナノワイヤ電界効果トランジスタ(NWFET)またはフィンFETに関する。より具体的には、該NWFETのナノワイヤチャネルのコア、または、該フィンFETのフィンのコアには、バックバイアス電圧を印加され得る電極材料が充填されている。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)設計の最近の潮流は、ナノワイヤトランジスタを使用することである。
図1は、従来のナノワイヤ電界効果トランジスタ(NWFET)構造100を例示的に示しており、ナノワイヤ101は、ソース102とドレイン103を相互接続するチャネルとして機能する。ゲート104は、チャネルナノワイヤ101の導電性を制御するように機能する。
【0003】
図1Aに示すように、ゲートオールアラウンドナノワイヤFET110は、ナノワイヤ101を取り囲んでいるゲート構造111を有し、該ゲート構造はさらに、ドープポリシリコン構造112によって覆われている。ゲートオールアラウンドナノワイヤFETの実施例は、Bangsaruntipらの米国特許第8,173,993号明細書に記載されており、該明細書の内容は、参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0004】
図2は、従来のフィンFET200を例示的に示し、フィン201は、ソース202およびドレイン203を相互接続するチャネルとして機能し、ゲート204は、チャネル導電性を制御するように機能する。NWFET100のナノワイヤチャネルは、フィンFETのフィンとは異なり、
図1Aに例示的に示すように、典型的には、断面がおおよそ円形であり、更に、典型的には基板の上に存在するように支持されている。
【0005】
チップ性能および漏れ電流を最適化するために、マルチ(多重)Vt技術が用いられ、異なるデバイスは、それらの異なるVtsにより、異なるIon/Ioffを有している。
【0006】
しかし、特に、従来の製造方法を用いてNWFETおよびフィンFETの使用に例示されているような電子デバイスの小型化に連れ、トランジスタ変動性を増すことなく、NWFETおよびフィンFETに対して多重Vtを実現することは難しい。
【0007】
すなわち、
図3に例示的に示すように、従来のプレーナ型デバイスには、均一な不純物プロファイル301を実現するように、プレーナ法で不純物注入が行われる。対照的に、ナノワイヤ/フィンFET装置310においては、チャネル領域311の注入は非プレーナ型であるため、不均一な不純物プロファイルによって、ゲート誘電層およびゲート層(G)によって囲まれている領域におけるトランジスタ変動性312をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の方法およびシステムに関する上記およびその他の例示的な課題、欠点および不利益の観点において、本発明の例示的な特徴は、NWFETまたはフィンFETのコアが、バックバイアス電圧の印加のために構成された電極を有するといった特徴を有するNWFETおよびフィンFETの構造および製造方法を提供し、それによって、閾値電圧を制御できるメカニズムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の例示的な態様においては、基板と、該基板上に形成されたソース構造およびドレイン構造と、該ソース構造および該ドレイン構造を相互接続してそれらの間のチャネルとして機能する少なくとも1つのナノワイヤ構造と、該チャネル内でのキャリアの導電性を制御するように、少なくとも1つの該ナノワイヤ構造上に形成されたゲート構造と、を含む半導体装置であって、該ナノワイヤ構造は、該チャネル用のバックバイアス電極として機能する中心コアを含んでいる。
【0010】
本発明の他の態様、特徴および利益は、後の開示および添付クレームから、より十分に明らかになるであろう。
【0011】
上記およびその他の例示的な目的、態様および利益は、図面の参照によって、本発明の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、従来のNWFET100を例示的に示す。
図1Aは、ゲート構造111がナノワイヤ101を取り囲んでゲートオールアラウンド構造110が提供される、従来のNWFETを例示的に示す。
【
図3】プレーナ型デバイス300の均一な注入特性301と比較した、ナノワイヤ/フィンFET310の不均一な注入特性311を示す。
【
図4】バックバイアス電極コア403を説明する、本発明の例示的な実施形態のナノワイヤ構造401およびフィン構造402の断面
図400を示す。
【
図5】本発明によって提供される電極コア403の効果を説明する例示的な特性曲線400を示す。
【
図6】本発明の例示的な実施形態の初期ナノワイヤ形成段階600を示す。
【
図7】ナノワイヤ構造603が、実質的に円形の断面形状にエッチングされた製造段階700を示す。
【
図8】シリコン層801が、ナノワイヤ601上とソース/ドレイン領域上とに堆積された製造段階800を示す。
【
図9】ナノワイヤコアをエッチング除去できるように、ソース/ドレイン領域801の一部が、開口部901を形成するように、下部のSiGe層までエッチングされた製造段階900を示す。
【
図10A】SiGe材料物質をSi材料物質よりも選択的に速くエッチングできる場合に、ナノワイヤ構造のSiGeコアが、ウェットエッチングによって、ナノワイヤ構造の2つの端部からエッチング除去される製造段階1000の上面図を示す。
【
図10B】SiGe材料物質をSi材料物質よりも選択的に速くエッチングできる場合に、ナノワイヤ構造のSiGeコアが、ウェットエッチングによって、ナノワイヤ構造の2つの端部からエッチング除去される製造段階1000の断面図を示す。
【
図10C】SiGe材料物質をSi材料物質よりも選択的に速くエッチングできる場合に、ナノワイヤ構造のSiGeコアが、ウェットエッチングによって、ナノワイヤ構造の2つの端部からエッチング除去される製造段階1000の断面図を示す。
【
図10D】SiGe材料物質をSi材料物質よりも選択的に速くエッチングできる場合に、ナノワイヤ構造のSiGeコアが、ウェットエッチングによって、ナノワイヤ構造の2つの端部からエッチング除去される製造段階1000の断面図を示す。
【
図12A】ソース/ドレイン部が研磨によって露出された製造段階1200の場合の上面図を示す。
【
図12B】ソース/ドレイン部が研磨によって露出された製造段階1200の場合の断面図を示す。
【
図12C】ソース/ドレイン部が研磨によって露出された製造段階1200の場合の断面図を示す。
【
図12D】ソース/ドレイン部が研磨によって露出された製造段階1200の場合の断面図を示す。
【
図13A】従来のMOS技術を用いてゲート構造が追加された製造工程の場合の上面図を示す。
【
図13B】従来のMOS技術を用いてゲート構造が追加された製造工程の場合の断面図を示す。
【
図13C】従来のMOS技術を用いてゲート構造が追加された製造工程の場合の断面図を示す。
【
図13D】従来のMOS技術を用いてゲート構造が追加された製造工程の場合の断面図を示す。
【
図14A】ソース/ドレインおよびバックバイアス電極用のコンタクトを含む、最終的な製造段階1400の場合の上面図を示す。
【
図14B】ソース/ドレインおよびバックバイアス電極用のコンタクトを含む、最終的な製造段階1400の場合の断面図を示す。
【
図14C】ソース/ドレインおよびバックバイアス電極用のコンタクトを含む、最終的な製造段階1400の場合の断面図を示す。
【
図14D】ソース/ドレインおよびバックバイアス電極用のコンタクトを含む、最終的な製造段階1400の場合の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、図面、より具体的には、
図4〜
図14Dを参照して、本発明の方法および構造の例示的な実施形態について説明する。
【0014】
始めに、
図4は、例えば、ゲート誘電層405によって囲まれ、次に金属406から成る層および/またはドープポリシリコンから成る層を含むゲート構造によって囲まれているチャネル404のコア403として、本発明の例示的な実施形態を説明するために用いられるポリシリコン等の電極材料を組み込むように改良された、本発明のNWFETのナノワイヤチャネル401、または、フィンFETのフィン402の断面
図400を例示的に示す。従来のナノワイヤチャネルデバイスを有する典型的なものとして、チャネル404は、典型的には、Si、SiGeまたはSi/SiGeから構成されるであろう。
【0015】
しかしながら、本願明細書に記載されているメカニズムにおいてナノワイヤに挿入できるならば、金属タングステン(W)等の他の材料物質も、ポリシリコンの代わりにバックバイアス電極に用いることができる。本発明者は、バックバイアスメカニズムが、それぞれのデバイスに対する所望の閾値電圧をより正確に制御する手段を提供できるという評価により、従来のNWFETまたはフィンFETのナノチャネルデバイスの閾値電圧を好ましく安定化することができることを見出した。本発明の例示的な態様によれば、本発明のこのバックバイアスメカニズムは、バックバイアス効果をもたらすことのできるNWFETまたはフィンFETのチャネルコアの内部に中心コアを組み込むことから構成される。
【0016】
図5のデバイス特性曲線500は、本発明の改良されたバックバイアス効果を例示的に示す。横軸は、ゲート電圧Vgを示し、縦軸は、そのチャネル長さのミクロン長当たりの電流(Id/μm)に対する対数目盛を示す。閾値電圧Vtは、異なるバックバイアス電圧が該コア電極に印加されると、明らかに影響を受けている。
【0017】
図6〜
図14Dでは、NWFETの場合に示したような、本発明のコンセプトを実施しているデバイスの例示的な製造工程を説明している。フィンFETのフィンが、以下で説明するNWFETの場合と同様の方法で動作するようなフィンFETの製造は、同様の製造工程を対応して有するので、それらの製造工程において、ナノワイヤの改良がフィン構造の同様の改良と対応している点以外は、フィンFETの製造工程は追加的に実例説明されているものと考慮すべきであることを、当業者は正しく認識するであろう。
【0018】
図6に例示的に示す製造段階600において、第1のベース部601、第2のベース部602および第3のベース部603は、例えば、Si、SiGeまたはSi/SiGeの堆積を用いて、基板604上に形成される。基板604自体は重要ではなく、例えば、シリコンウェーハ、または、
図6に例示的に示すシリコンオンインシュレータ(SOI)構造を含む従来のどのような基板にもなり得るし、上部層605は、シリコン層604の上部に埋め込み酸化物(BOX)層を備えている。第1および第2のベース部601、602は、最終的に、該デバイスのソースおよびドレインの基部として機能し、また、第3のベース部603は、該デバイスチャネルのコアの基部として機能する。
【0019】
本発明の例示的な製造方法、および以下の説明から明らかなように、選択エッチングは、ウェットエッチングまたはRIE(反応性イオンエッチング)を例示的に用いて、製造中に該デバイスの一部を選択的に除去するのに用いられ、該コアの端部から該ナノワイヤのコアを選択的にエッチング除去することが可能となる。したがって、該基板および該ベース部の材料物質の選択は、異なるエッチング特性を実現するように考慮される必要があり、そのため、材料物質の堆積は、本願明細書に記載されている構造を実現するようにデザインされることになるであろう。
【0020】
非限定的な実施例として、該ナノワイヤのコアは、周囲のチャネル部分の裏側に残るようにエッチングされるため、チャネル/コア材料の可能な組合せは、x、yが原子百分率を示すSi(1−x)Ge(x)/Si(1−y)Ge(y)となるであろう。一般的に言えば、Ge濃度が高ければ高いほど、RIEレートが速くなるため、該チャネルは、Si70%Ge30%とすることができ、更に、該コアは、Si50%Ge50%とすることができる。
【0021】
異なるドーピング(不純物添加)は、異なるウェットRIEレートを得るのを補助する可能性があるため、堆積材料物質のドーピングが、材料物質の堆積において考慮すべき別の要因となる。更に、ドーピングは、異なる閾値電圧Vtを実現するのに用いることができる。
【0022】
当業者は、以下の考察において、残りの構造および製造が説明されることで、具体的な材料組成およびドーピングを選択することができるであろう。
【0023】
本発明を説明するのに用いられる例示的な実施形態においては、この材料物質から成る部分は、以下の製造の考察から明らかなように、第3のベース部を、2つの端部からエッチングするように、後に選択的にエッチング除去されるため、第1、第2および第3のベース部601、602、603に例示的に用いられる材料物質は、SiGeである。
【0024】
図7に示す製造段階700において、第3のベース部603およびBOX層605の下部701は、エッチングされて、各々が、第1および第2のベース部601、602によって、その各端部に支持される独立したナノワイヤ702を形成する。このようなエッチングは、例えば、希釈したフッ化水素酸(DHF)を使用することができ、外縁部周辺の第1および第2のベース部601、602の下部を切り取るように、該基板表面の上部701をエッチングしてもよい。必要に応じて、形成されたナノワイヤ702は、上述した米国特許第8,173,993(号明細書)号特許に記載されているように、水素雰囲気中で、ナノワイヤ構造702をアニールすることによって円滑にすることができ、その結果、ナノワイヤ702は、断面が実質的に円形になるが、このような円形断面は、本発明に関して重要なことではない。
【0025】
すなわち、該ナノワイヤは、ベース部603のエッチングの量および初期寸法に基づく第3のベース部603の処理に基づいて、その他の断面形状を有することが可能である。ベース部603が、高さおよび幅でおおよそ等しい寸法を有し、更に、円滑化工程が含まれている場合には、形成されたナノワイヤの断面は、実質的に円形となることができる。該円滑化は、例えば、水素中でのアニーリングプロセスによって実現することができる。ベース部603が、実質的に異なる高さ/幅寸法を有する場合、その断面形状は、より楕円形になるであろう。円滑化処理手順を用いない場合は、その断面形状は、よりムラのある形状となるであろう。
【0026】
ここで、
図8に示す製造段階800において、シリコン等の半導体材料から成る膜801は、第1および第2のベース部601、602とナノワイヤ構造702上に堆積され、それによって、ナノワイヤ702の直径が増加する。なお、より高いGe含有量であるとエッチングが速くなるという上記のコメントに基づいて、Siは、SiGeよりも遅いエッチングレートを有するので、この考察ではSiが例示的に用いられ、これにより、元の第3のベース部603を、それらの2つの端部から選択的にエッチング除去し、中空コアを備えるSiから成るチャネル構造を形成する。
【0027】
図9に示す製造段階900において、第1および第2のベース部の各々のSi層801に開口部901を形成し、該ナノワイヤ構造の各端部において、下部のSiGe層601、602を露出させる。従って、それらの開口部によって、Si層801よりも容易にエッチングされるであろう該下部のSiGe層に、エッチング液を接触させ、ナノチューブ構造702内のSiGeから成る内部コアをエッチング除去し、Siから成る外層の内側に空洞を残すことができる。
【0028】
図10Aは、この段階における製造プロセスの上面図を示し、
図10Bは、外側2つの該ナノワイヤ構造を通る長手方向の断面図(断面1)を示し、
図10Cは、中央のナノワイヤ構造を通る長手方向の断面図(断面2)を示す。
図10Dは、2つのナノワイヤ構造を通る横方向の断面図(断面3)を示す。
【0029】
図11に示す製造段階1100において、ウェットエッチングを行い、第1および第2のベース部601および602の開口部において、SiGeを選択的にエッチング除去し、引き続き該ナノワイヤ構造のSiGeコア702内までそれを行い、それによって、該ナノワイヤ構造の2つの端部から、SiGeナノワイヤコア702を除去する。
【0030】
このウェットエッチングの後、外側のナノワイヤ構造のエッチング除去された端部を、3つのナノワイヤ構造のエッチング除去されたコア内部への電極材料1101のエントリーポイントとして再び用いて、ポリシリコンまたはW等の電極材料1101の堆積が行われる。この堆積した電極材料1101は、
図11B〜
図11Dの断面図に図示されている。
【0031】
図12Aは、その後、例えば、CMP(化学的機械的研磨)を用いて、堆積した電極材料1101を、ソース/ドレイン領域の上面801が露出されるまで研磨したときの該デバイスの上面
図1200を示す。この工程は、堆積した電極層1101を平らにして、下部のSi層801を露出させる。
図12Bおよび12Cは、長手方向の断面図を示し、
図12Dは、2つの該ナノワイヤ構造の横方向の断面図を示す。
【0032】
図13Aは、次の製造段階の上面
図1300をここで示しており、当該分野で公知のシーケンスを用いて、標準的なゲート構造を3つの該ナノワイヤ構造上に形成するが、該シーケンスでは、ゲート領域1304内の該ナノワイヤ構造周辺に残存する電極材料を該基板に達するまでエッチング除去し、SiO
2等の第1の絶縁膜1301を堆積してチャネル層1302を囲み、ゲート誘電層として機能させ、次に、1つ以上のゲート膜1303を、例えば、アモルファスシリコン、または、アルミニウム等の金属の堆積により、ゲート誘電層1301周辺に形成して、これにより、ゲート領域1304をリソグラフィによって分離する。
図13B、13Cおよび13Dにそれらの断面図を示す。
【0033】
図14A〜
図14Dは、該デバイスのコンタクト形成の例示的な実施形態の上面図および断面図を示しており、
図14Aは上面図を示し、
図14Bは、シリコン酸化物層等の誘電層1404内に埋め込まれたバックバイアス電極コンタクト1401の形成を示し、
図14Cは、ソース/ドレインコンタクト1402の形成を示し、
図14Dは、ゲート電極コンタクト1403を有する横方向の断面図を示す。
【0034】
本発明を、いくつかの例示的な実施形態の観点で説明してきたが、当業者は、本発明が改良を伴って実施され得ることを認識するであろう。なお、可能な改良の実施例として、フィンFETが、ナノワイヤの場合と同じ上記製造工程を用いて製造され得ることに再び留意されたい。他の可能な改良としては、第1のベース部と第2のベース部との間に、相互接続された単一のナノワイヤを用いることが含まれる。さらに、出願人の意図としては、後の手続き中に補正がされた場合であっても、クレームの全ての構成要素から成る等価物を包含することに留意されたい。