特許第6200418号(P6200418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6200418ラジアルタービン、特に補助動力源タービン用の可変ピッチノズル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200418
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】ラジアルタービン、特に補助動力源タービン用の可変ピッチノズル
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/16 20060101AFI20170911BHJP
   F01D 17/26 20060101ALI20170911BHJP
   F01D 1/06 20060101ALI20170911BHJP
   F01D 5/04 20060101ALI20170911BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20170911BHJP
   F02B 37/24 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   F01D17/16 A
   F01D17/26 G
   F01D1/06
   F01D5/04
   F01D9/02
   F02B37/24
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-513238(P2014-513238)
(86)(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公表番号】特表2014-516133(P2014-516133A)
(43)【公表日】2014年7月7日
(86)【国際出願番号】FR2012051217
(87)【国際公開番号】WO2012164227
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年5月25日
(31)【優先権主張番号】1154801
(32)【優先日】2011年6月1日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516235451
【氏名又は名称】サフラン・ヘリコプター・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デモリ,ジヤツク
(72)【発明者】
【氏名】ミネル,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ビニオー,ユベール
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−169721(JP,A)
【文献】 米国特許第03029067(US,A)
【文献】 特開昭61−268804(JP,A)
【文献】 特開平11−132050(JP,A)
【文献】 特開昭59−185803(JP,A)
【文献】 特開2009−019548(JP,A)
【文献】 特開平10−274048(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0272112(US,A1)
【文献】 米国特許第05207559(US,A)
【文献】 特開2008−303792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/06, 5/04, 9/02,17/16,17/26
F02B 37/24
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央軸(X’X)を中心に回転し、固定ブレード(2a)の第1の環状列(G1)と、同じ数の可変ピッチブレード(2b)を備えた第2の環状列(G2)とを備える、タービンエンジン用のラジアルタービンノズル(7)にして、ブレード(2a、2b)が、圧力面(Fi)および吸引面(Fe)を有し、ブレード(2b)の各々の端部において延びるカップ(24a、24b)に堅固に接続された第2の列の各々のブレード(2b)が、カップ(24a、24b)の中心(2A、2B)を接続する幾何学的軸(R’R)を中心に制御手段(40)によって回転駆動されることが可能であり、これらのブレード(2b)の各々が、吸引面(Fe)および圧力面(Fi)にリンクされたガス流の後縁(Bf)および前縁(Ba)を有する、ラジアルタービンノズルであって、
各々の可変ピッチブレード(2b)が、カップ(24a、24b)の軸(R’R)から距離を離して装着され、それにより、この回転軸(R’R)は、ブレード(2b)の吸引面(Fe)に面し、かつブレード(2b)の前縁(Ba)よりも後縁(Bf)の近くに配置され
各々の可変ピッチブレード(2b)の前縁(Ba)が、後縁(Bf)の厚さより大きい厚さと、これに面する固定列(G1)のブレード(2a)によって生成された空気の後流を吸収するように最適化された空気力学的に湾曲した形状とを有することを特徴とする、ラジアルタービンノズル。
【請求項2】
各々の可変ピッチブレード(2b)の前縁(Ba)が、固定ブレード(2a)のほぼ後流内に配置され、それによってガス流(G)をタービンの回転の中央軸(X’X)に向かって半径方向に誘導する、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【請求項3】
装着カップ(24a、24b)間の可変ピッチブレード(2p)の部分の平均厚さが、前縁側(Ba)上に位置するブレード(2b)の残りの部分の厚さより小さい、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【請求項4】
可変ピッチブレード(2b)が、空気力学的流れ面積の100%に対応する基準位置(2bref)周りの2つの極端位置(2b、2bsup)間、すなわち基準流れ面積(2bref)の0%に対応する、空気流を遮断する閉位置(2b)と、基準流れ面積(2bref)の150%に対応する、最大空気流開口の開位置(2bsup)との間で枢動することができる、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【請求項5】
固定ピッチブレード(2a)が、構造負荷の通過を確実にするのに十分な厚さのものである、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【請求項6】
ラジアルタービンが、ターボシャフトエンジンタービン、航空機の補助動力源およびターボチャージャから選択されたタービンであることを特徴とする、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【請求項7】
ラジアルタービン(13)にはボリュート(21)が取り付けられ、その直径は、その入口(21a)とその端部(21b)の間で減少する、請求項1に記載のラジアルタービンノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変ピッチのラジアルタービンノズルに関し、特に、但し限定的ではないが、タービンシャフトエンジンまたは補助動力源タービン用のノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野は、タービンエンジンのタービン内のガス分配、特に部分的負荷の下で燃料消費、特に(Csと省略される)特定の燃料消費率を低減するように流体の流れを適合させ、エンジン、特にターボシャフトエンジン、または(APUと省略される)補助動力装置の作動性を改良する分野のものである。タービンエンジンという用語は、ターボシャフトエンジン、APUタイプの装置およびターボチャージャを指す。
【0003】
APUは、たとえば航空機の主エンジンを始動させ、非推進力(キャビン加圧力、電気力および/または油圧力)を供給することを可能にするエネルギー源である。一部の堅牢なAPUはまた、エンジン故障の場合に、エンジンを再開させ、および/または動力を装置に供給することを試みるために飛行中に作動することもできる。
【0004】
ターボシャフトエンジンまたはAPUは、一般に、第1の単一のまたは二重の一次シャフトであって、一方では圧縮段(2スプールの場合は高圧段および低圧段、以後HPおよびLP、または単一スプールエンジンの場合はHPのみ)が、他方ではタービン(HPおよびLPまたはHPのみ)が装着された、一次シャフトと、LP動力タービンが装着された二次シャフトとから構成される。動力タービンは、ロータブレードのディスクおよびステータブレード列またはノズルを備えたディスクから形成される。タービンは、ガスの内方向の流れを有するラジアル型になることができる。この場合、ステータブレード列は、ロータブレード列の周囲上に装着される。ノズルは、ステータブレード列を用いて、偏向によってガス流を調節することを可能にする。
【0005】
燃焼室にリンクされた圧縮機およびHPタービンは、ガス発生器を形成する。作動においては、圧縮された空気が、燃焼室内で燃料と混合され、燃焼を導く。排出ガスは、次いで、圧縮機を駆動させるためにHPタービン(またはHPおよびLPタービン)内で部分的に、次いでノズルを介して動力タービン内で膨張される。
【0006】
動力タービンは、装置(負荷圧縮機、燃料および油圧ポンプ、電気発生器および/または電気スタータ/発生器など)用のダイレクトドライブ手段に結合され、または回転速度の適合を有する動力伝達箱を介して結合される。負荷圧縮機またはターボシャフトエンジン圧縮機の出口で取り入れられた空気は、キャビンの空調および/または主エンジンエアスタートに使用され得る。
【0007】
固定形状タービンエンジンは、部分的負荷の下では魅力的でない熱効率を有するという欠点を有する。実際、エンジンは、従来、その機械的および熱的限界に近い状態で最適に作動するように設計される。これが、これらの最適点を非常に大きく下回って動力を供給するとき、圧縮率および温度はこのときかなり低くなり、全体的には圧縮効率も同様になる。これは、論理値のものよりも非常に低い熱効率を導き、したがってあまり良くない消費率、すなわち動力単位あたりの燃料消費を招く。
【0008】
この影響を軽減する1つの可能な解決策は、可変形状を使用することである。この場合、圧縮率または燃焼温度を過剰に低減することなくエンジンを通過する空気流を減少させるために、燃焼室のすぐ下流側に位置する高圧タービンの送出セクションが、ステータ用の可変ピッチブレード(タービン内のノズルと呼ばれる)を使用することによって低減される。
【0009】
民間航空機では、空気排出開口部内にタービンを設置することによって、加圧されたキャビン内で利用可能な圧力エネルギーを活用することを企図することも可能である(キャビン空気は、乗客の安全のために、外気圧を超える圧力で絶えず新しくされる)。出口ポートは通常、キャビン圧力制御システムに従動接続された可変セクション弁である。
【0010】
そのようなタービンは、従来の弁のように、キャビン圧力制御システムによって生み出された圧力設定にしたがった、また(タービンの膨張率を規定する)キャビンと外部の間の圧力差に基づいた可変の低減率を確実にすることができなければならない。ここでも、可変ピッチノズルブレードによって管理された可変セクションのタービンノズルは、1つの解決策になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ノズルの機械的強度およびターボシャフトエンジンの全体効率を改良することである。この目的を達成するために、ガス流量を調節し制御するために可変ピッチブレードを組み込むノズルを作り出すことを提案しており、各々のブレードを特有の位置に回転させることが可能である。ノズルの性能を改良するために、ノズルブレードとそのスペーシングシステムの間のシールが、ノズルブレードの最大負荷の領域内に作り出される。このシールは次いで、望ましくないあらゆるギャップ流をこれらが最も集中するであろう領域内で抑えることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
より詳細には、本発明は、中央軸を中心に回転し、固定ブレードの第1の環状列と、同じ数の可変ピッチブレードを備えた第2の環状列とを備え、ブレードは加圧表面および吸引表面を有する、タービンエンジン用のラジアルタービンノズルに関する。ブレードの各々の端部においてブレードの加圧表面および吸引表面に面して延びるカップに堅固に接続された、第2の列内の各々のブレードは、カップの中心を接続する中央幾何学的軸を中心にピッチ制御手段によって回転されることが可能である。これらのブレードの各々は、加圧表面および吸引表面にリンクされたガスの流れに関する後縁および前縁を有し、各々の可変ピッチブレードの前縁を固定ブレードのほぼ後流内に置いて、ガスの流れをタービンの回転の中央軸に向かって半径方向に誘導することが可能であり有利である。各々の可変ピッチブレードはカップの軸から距離を離して装着され、それにより、この回転軸は、ブレードの吸引表面に面して、かつ各々のブレードの前縁よりも後縁のかなり近くに配置される。
【0013】
これらの条件の下、ブレードはカップ上、ブレードの加圧表面と吸引表面の間の最大圧力差のために空気力学的負荷が最大である点に装着される。
【0014】
空気の流れの発生は、作動点によって要求される空気流を、この要求にしたがってタービン内に入る流れに調和させることを可能にするようにブレードピッチ制御手段によって適合される。このような適合は、調和プロセスによって引き起こされる低減のために単独状態で得られるタービンの効率性およびパフォーマンスの損失を招くことは疑いようもないが、これは、タービンエンジンの熱力学的サイクルを最適化する。タービンシャフトエンジンの特定の場合、燃料消費率は、流量と調和させることによって低減される。
【0015】
特有の実施形態によれば、各々の可変ピッチブレードの前縁は、後縁のものよりかなり大きい厚さと、これに面する固定列のブレードによって生成された空気の後流を吸収するように最適化された空気力学的に湾曲した形状とを有する。特に、可変ピッチブレードの、装着カップ間の部分の平均厚さは、前縁側に位置するブレードの残りの部分の厚さよりかなり小さい。さらに、ブレードは、空気力学的流れ面積の100%に対応する基準位置周りの2つの極端位置間、すなわち基準流れ面積の0%に対応する、空気流を遮断する閉位置と、基準流れ面積の150%に対応する、最大空気流開口の開位置との間で枢動する。
【0016】
有利には、固定ピッチブレードは、構造負荷の通過を確実にするのに十分な厚さのものである。構造負荷の適切な通過により、カップとケーシングの間のあそびおよびずれを抑制する、したがって性能における劣化を抑制することが可能になる。
【0017】
本発明の他の特性および利点は、以下の説明を読み取り、添付された図それぞれを参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるノズルが取り付けられた例となるAPUの部分的な軸方向断面図である。
図2】第1の側部プレートに装着されたノズルを備えたタービンの斜視図である。
図3a】ホイール平面における、本発明によるノズルの部分断面図である。
図3b】タービンのその回転軸に沿った長手方向平面における、本発明によるノズルの部分断面図である。
図4】ブレードの曲線横座標に応じた、吸引表面および加圧表面上に及ぼされた静圧の図である。
図5】基準の枢動位置および異なる位置におけるホィール平面におけるノズルブレードの図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1の全体図を参照すれば、例となるAPU1は、遠心圧縮機11、燃焼室12、およびタービン13から構成されたガス発生器10を備え、タービンは、圧縮機を中央軸X’Xを中心に伝達シャフト20を介して回転駆動させる。燃焼室を離れたガスは、タービン13内で膨張され、タービンはた装置にも動力を供給する。残留ガスは、次いで、排出管30を介して離れる。
【0020】
この動力は、貫通シャフト20を介して、前記シャフト20に接続された補機ギヤボックス3に送出される。補機ギヤボックス3は、適切な速度適合手段(ピニオン、減速ギヤなど)によって、APUの動力プラント補機および航空機の機能特有の補助装置4、すなわちオルタネータ、噴射装置、燃料ポンプ、負荷圧縮機、油圧ポンプなどを駆動する。
【0021】
作動においては、絞り調速機5は、空気入口6から入る、圧縮機11内で圧縮される空気流Fを調整する。圧縮された空気は、燃焼室12に取り付けられた噴射装置15内で燃料と混合される。タービン13内の膨張後、ガスGは、排出管30内に噴出される。
【0022】
図示される例では、動力タービン13は、接続式タービンである。他の例では、動力タービンは、フリータービン、または補機ギヤボックス3にリンクされた一部の取り付けられた装置の別のタービンになることができる。
【0023】
タービン13は、図2内の斜視図においてより詳細に示されている。この内向き流タービンは、羽根23に取り付けられた可動式インペラ22と、適切なケーシング上のインペラ22の周囲に装着された固定ノズル7とを備え、この図2では、ケーシング7aだけが示されている(図3bのケーシング7aおよび7bを参照)。
【0024】
ラジアルタービン13には、ボリュート21が取り付けられ、半分のボリュートが図では見ることができ、その直径は、羽根23においてその入口21aとその端部21bの間で減少する。このボリュートは、空気の流れの接線成分を発生させることを可能にし、それによってホイール22に供給するためにノズルによって生成される流れの偏向を抑えることを可能にする。
【0025】
本発明によれば、ノズル7は、2列のブレードを備え、すなわち固定ブレード2aを備えた、壁を平行に保つための第1の周囲列G1と、配向可能なブレード2bを備えた、流れ面積を調整するための第2の列G2とを備える。空気流は次いで、インペラ22に堅固に接続された羽根23およびシャフト20を回転駆動する。
【0026】
図3aおよび3bは、それぞれの断面BBおよびAAにおいて、列G1およびG2の機構と、2つの組立てケーシング7aおよび7bを分離する空間内のその固定ブレード2aおよび配向可能なブレード2bを示している。固定ブレード2aは、ケーシング7aおよび7bに堅固に接続される。この寸法は、これらのケーシング間のスペーシング「e」、換言すれば、平行なケーシング7aと7b間の空間Eの幅を画定している。ブレード2aは、有利には、ケーシング7aと7bの間の構造負荷の通過を確実にするのに十分な厚さのものである。
【0027】
各々のブレード2bの端部は、ケーシング7aおよび7b内に形成された対向するハウジング25aおよび25b内に配置された、円形の平行カップ24aおよび24bに堅固に接続される。ブレード2bは、カップ24aおよび24bをその中心2Aおよび2Bにおいて通り抜ける幾何学的な回転軸R’Rから距離を離して装着される。カップは、ここでは、各々のブレード2bの加圧表面および吸引表面、FiおよびFeに対して垂直である。
【0028】
各々のブレード2bは、特に航空機の過渡段階中、ブレードの可変ピッチを制御するための手段40によって幾何学的軸R’Rを中心に回転駆動されることが可能である。これらの制御手段は、カップ24bに堅固に接続され、電気または電磁アクチュエータ42にリンクされた機械的リンク(アーム、ピニオン、軸受)に結合されたステム41を備える。単一のアクチュエータが、すべてのブレード用に構成され得る。
【0029】
アクチュエータ(複数可)は、エンジン制御用の中央処理装置50によって駆動される。制御装置は、数値式、電子式、または油圧機械式になることができる。ブレード2bの配向によって画定された空気の流れの発生は、流量を調整することを可能にするように制御手段40によって確立される。図示される例では、圧力センサ45が中央処理装置50にデータを供給し、中央処理装置50は、制御手段40を介してノズル7のブレード2bの開閉を調節する。
【0030】
これらのブレード2bの各々は、ブレード2bの面FiおよびFeにリンクされた、空気の流れに関する後縁Bfおよび前縁Baを有する。第2の列の各々のブレード2bの前縁Baは、第1の列の固定ブレード2aのほぼ後流内に配置され、それによって空気流をタービン22の中央回転軸X’Xに向かって半径方向に誘導する。固定ブレードの後流は、乱されない流れ内にこれが残す空気力学的トレースに対応する。この後流は、極めて破壊された低速領域を画定する。
【0031】
各々のブレード2bは、軸R’Rから外れて装着され、中心を外して置かれ、それにより、回転軸R’Rは、ブレード2bの吸引面Fに面し、かつ各々のブレード2bの前縁Baよりも後縁Bfのかなり近くに配置される。
【0032】
これらの条件の下、カップ24aおよび24bは、ブレードの圧力面と吸引表面の間の最大圧力差のために空気力学的負荷が最大になる点に配置される。図4は、ブレード2bの面FiおよびFeの各々に対応する曲線横座標 Acに応じた、静圧Psの変動を示している。
【0033】
したがって最大圧力変動は、ブレード2bの後縁側Bf上の、カップによって画定された空間「E」の内側に位置するブレード部分2p内の、斜線領域Z内に位置している。カップは、あそびの影響が最も大きい領域Z内のいかなるあそびも解消する。後縁Bfに向かってずらされた、回転軸R’Rの位置の最適化された選択により、ブレードにリンクされた空気力学的トルクに反作用する、したがって航空気力学的制約の吸収を最適化するのに必要とされる機械的トルクを抑えながら、後縁Bf自体の、タービン22の羽根23の前縁に対するその位置に関する隙間を抑えることが可能になる。
【0034】
各々のブレード2bの前縁Baは、後縁Bfよりもかなり大きい厚さと、これに面する固定列のブレードによって生成された空気の後流を吸収するように最適化された空気力学的に湾曲した形状とを有する。特に、ブレード2pの、圧力面Fiと吸引面Feの部分間の(図では点線の)平均厚さは、前縁側Ba上に位置するブレード2bの残りの部分の厚さよりかなり小さい。
【0035】
ブレード2bの回転は、有利には、2つの極端位置間の枢動の大きさによって限定される。図5は、空気力学的流れ面積の100%に対応する基準位置2bref周りの極端位置2bsupおよび2bを示している。極端位置2bは、流れ面積の完全な閉鎖に対応する。位置2binfは、基準流れ面積の70%を有する、低負荷要求を目的にした閉位置に対応する。位置2bsupは、基準流れ面積の150%を有する、高負荷要求を目的にした開位置に対応する。
【0036】
本発明は、説明され図示された例に限定されない。たとえば、個々もしくは集中的、または電気式制御もしくは電子式制御、数値制御の有無に関わらず、単に機械的調整によって可動式ブレードのスペーシングを実施することが可能である。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5