特許第6200423号(P6200423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200423
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】使い捨てガイドワイヤの光学的接続方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20170911BHJP
【FI】
   G02B6/38
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-527443(P2014-527443)
(86)(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公表番号】特表2014-525604(P2014-525604A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】CA2012000803
(87)【国際公開番号】WO2013029157
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年6月12日
(31)【優先権主張番号】61/529,029
(32)【優先日】2011年8月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507090579
【氏名又は名称】オプセンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】クラウド べレヴィル
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン ラランセット
(72)【発明者】
【氏名】アラン プルー
【審査官】 里村 利光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−174960(JP,A)
【文献】 特開平02−072308(JP,A)
【文献】 特開昭60−059308(JP,A)
【文献】 特開昭55−144566(JP,A)
【文献】 特開昭63−250614(JP,A)
【文献】 特表2001−507251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24、6/255
G02B 6/36−6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
±25μm(0.001インチ)以下の公差で画定した外径を有するガイドワイヤ管の近位側部分内で第1光ファイバを終端させる方法であって、前記第1光ファイバの外径と前記ガイドワイヤ管の内径との間にはギャップが存在し、アライメント芯出し管装置を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の近位側部分の外径に対して芯出しする芯出しステップを有し、前記アライメント芯出し管装置は、前記ガイドワイヤ管の前記外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記第1光ファイバの外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有するものとし、前記方法は、さらに、前記第1フェルール及び前記第2フェルール上に分割スリーブを使用して双方のフェルールを同軸状に保持することにより前記第1フェルール及び前記第2フェルールを同心状に整列させるステップと、前記ギャップを少なくとも部分的に填隙するオーバーレイ管を前記第1光ファイバ上に摺動嵌合させるステップとを有する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、さらに、前記外径が±25μm(0.001インチ)以下の公差範囲内となるよう前記ガイドワイヤ管を研削、研磨、又はエッチングするステップを有する、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記方法は、さらに、接着剤を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の近位側部分の中心に固定するステップを有する、方法。
【請求項4】
請求項記載の方法において、前記アライメント芯出し管装置は、前記ガイドワイヤ管の前記外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記オーバーレイ管の外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有する、方法。
【請求項5】
第1光ファイバをガイドワイヤ管の近位側部分内で終端させる方法であって、
前記第1光ファイバの外径と前記ガイドワイヤ管の内径との間にはギャップが存在し、前記ガイドワイヤ管の外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記第1光ファイバの外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有するアライメント芯出し管装置を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の前記外径に対して芯出しするステップと、
前記第1フェルール及び前記第2フェルール上に分割スリーブを使用して双方のフェルールを同軸状に保持することにより前記第1フェルール及び前記第2フェルールを同心状に整列させ、接着剤を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の近位側部分の中心に固定するステップとを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年8月30日出願の米国特許出願第61/529,029号の優先権を主張する。
【0002】
本発明の要旨は、概して医療用途における侵襲性が少ないガイドワイヤに関する。より具体的には、ガイドワイヤ内で光ファイバを終端させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
圧力を測定する圧力ガイドワイヤは少なくともここ10年間使用されてきた。これら圧力ガイドワイヤは、最も一般的には、とくに、冠血管系における病変(狭窄)部に対する遠位(末梢)側の圧力を測定するのに使用される。病変部に対する遠位側の測定した圧力と幾つかの近位側の、最も一般的には上行大動脈又は冠動脈枝根における圧力との間における比を計算することによって、血流予備量比(FFR:fractional flow reserve)を得る。FFRは、現在狭窄病変部の重症度を評価し、これにより医師に最も適切な治療戦略に関する情報を与えるのに最も使用されている。
【0004】
現在の装置は、ガイドワイヤ内に取付けた圧電圧力変換素子を使用して、FFR値の計算に関与する狭窄部に対する遠位側の血圧を測定する。圧電変換器は、しかし、水分で誘発されるセンサドリフトの結果安定性欠如という難点を被る。特許文献1(米国特許第7689071号)に記載されている光学的圧力素子は、このような悪影響を受けず、特許文献2(米国特許公開第2013/0218032号:米国特許出願第13/389,319号)に記載の圧力ガイドワイヤのようなFFR測定によりよく適合する。
【0005】
圧力ガイドワイヤは、ガイドワイヤの圧力アナライザに対する容易な切離及び再接続が可能となるようにもしなければならない圧力ガイドワイヤは遠位血圧測定を行い、その後に、重篤な病変の場合、その後ステント・グラフト留置術のために、ガイドワイヤ上に沿って他の介入医療デバイス、例えば経皮経管冠動脈拡張(PTCA:percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)用のバルーンカテーテルを挿入する。しかし、ステント留置後のFFR評価、又は複数の血管病変評価のために、ガイドワイヤを圧力アナライザに信頼性高く再接続する能力を有するのが望ましい。現状の電気的コネクタ、例えば、米国特許第4,958,642号、米国特許第4,961,433号、米国特許第5,178,159号、米国特許第5,240,437号、米国特許第5,358,409号、米国特許第5,348,481号、米国特許第5,413,508号、米国特許第6,196,980号、米国特許第6,428,336号、米国特許第7,274,956号に記載されているような電気的コネクタが、電気的接続に適している。これら特許文献記載のコネクタは、ドライな条件における電気的接続には高い信頼性を示すが、一般的に、介入デバイス、例えばPTCAバルーンカテーテルを取外した後にガイドワイヤコネクタの表面が血液残滓で汚染されているような状況の影響を受け易い。
【0006】
従来技術文献のうち選択したものを以下に掲げる。それら文献は単に例示目的のために詳述する。これら文献は必ずしも最も近似するものを表しているとは限らない。
【0007】
特許文献3(米国特許第5,125,058号)は、ガイドワイヤに取付けた装置を中継(リレー)ケーブルに光学的に接続する方法について記載している。この方法は、しかし、ガイドワイヤの内径の精度に依存するもので、内径精度を得るのは困難である。ガイドワイヤに取付けた光ファイバインタフェースはガイドワイヤ内に引っ込んでおり、ファイバ表面の研磨を困難な作業にしている。ガイドワイヤ内に挿入しようとする光ファイバ部分は極めて小さい直径であることを必要とし、このことはコネクタが極めて機械的タメージを受け易いものにする。
【0008】
特許文献4(米国特許第5,601,087号)に記載のものは、ガイドワイヤシャフトの近位(基端)側管部分に対し、整列(アライメント)目的のための正確な外径を有して、よくフェルールと称される付加物に依存している。このような近位側管部分を付加することは、デバイスに対する余分な製造ステップを付加し、光ファイバ部分の存在を考慮すると、組立てプロセスを難関にする。
【0009】
特許文献5(米国特許第6,445,939号)に記載のものは、ガイドワイヤシャフトの近位側端部に取付けたフェルールの付加物に依存する。このような小さく精密なフェルールを機械加工し、またガイドワイヤシャフトの近位側端部に取付けるのは、実際に極めて困難で高価なものである。
【0010】
特許文献6(米国特許第7,736,301号)に記載のものは、ガイドワイヤシャフトの近位側端部の近傍に取付けたフェルールの付加物に依存する。この場合、フェルールは、回転可能な接続ができるようにするのが望ましいのでガイドワイヤに取付けず、したがって、この部分における直径公差に対する要件は一層増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7,689,071号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2013/0218032号(米国特許出願第13/389,319号)明細書
【特許文献3】米国特許第5,125,058号明細書
【特許文献4】米国特許第5,601,087号明細書
【特許文献5】米国特許第6,445,939号明細書
【特許文献6】米国特許第7,736,301号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、ガイドワイヤに取付けた光学的圧力センサを、外部圧力アナライザ又は同様の光電デバイスに信頼性高く接続する能力を有する、すなわち、使い捨て可能であり、製造容易、かつ材料コストが安価であり、水分又は血液汚染があっても影響を受けない、光ガイドワイヤコネクタに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態によれば、ガイドワイヤ管の近位側部分内で第1光ファイバを終端させる方法を提供する。ガイドワイヤ管は、±0.0254mm(0.001インチ)の公差又はそれより優る公差で画定した外径を有する。本発明方法は、前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の近位側部分内で芯出しする芯出しステップを有する。
【0014】
一態様によれば、本発明方法は、さらに、前記外径が±0.0254mm(0.001インチ)の公差範囲又はそれより優る(厳密な)公差範囲内となるよう前記ガイドワイヤ管を研削、研磨、又はエッチングするステップを有する。
【0015】
一態様によれば、前記第1光ファイバの外径と前記ガイドワイヤ管の内径との間にはギャップが存在するものとし、本発明方法は、さらに、前記ギャップを少なくとも部分的に填隙するオーバーレイ管を前記第1光ファイバ上に摺動嵌合させるステップを有する。
【0016】
一態様によれば、前記芯出しステップは、前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の前記外径に対してアライメント芯出し管装置を使用して芯出しするものとし、本発明方法は、さらに、接着剤を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ近位側部分の中心に固定するステップを有する。
【0017】
一態様によれば、前記アライメント芯出し管装置は、前記ガイドワイヤ管の前記外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記第1光ファイバの外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有するものとし、本発明方法は、さらに、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを同心状に整列させるステップを有する。
【0018】
一態様によれば、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを整列させるステップは、前記第1フェルール及び前記第2フェルール上に分割スリーブを使用して双方のフェルールを同軸状に保持するステップを有する。
【0019】
一態様によれば、前記第1光ファイバの外径と前記ガイドワイヤ管の内径との間にはギャップが存在するものとし、前記芯出しステップは、さらに、前記ギャップを少なくとも部分的に填隙するオーバーレイ管を前記第1光ファイバ上に摺動嵌合させるステップを有する。
【0020】
一態様によれば、前記アライメント芯出し管装置は、前記ガイドワイヤ管の前記外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記オーバーレイ管の外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有するものとし、本発明方法は、さらに、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを同心状に整列させるステップを有する。
【0021】
他の実施形態によれば、第1光ファイバをガイドワイヤ管の近位側部分内で接続する方法を提供し、この方法は、前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管近位側部分内で芯出しするステップと、前記第1光ファイバのコア直径とは異なるコア直径を有する第2光ファイバを備える雌型コネクタに前記第1光ファイバを接続するステップとを有する。
【0022】
一態様によれば、本発明方法は、さらに、前記ガイドワイヤ管の外径に適合する内径を有する第1フェルールと、光学的信号を外部信号調整ユニットに中継するための第2光ファイバの外径に適合する内径を有する第2フェルールとを備える雌型光学的収容装置を有する雌型コネクタに前記第1光ファイバを接続するステップを有し、本発明方法は、さらに、第1フェルール及び第2フェルールを同心状に整列させるステップを有する。
【0023】
一態様によれば、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを分割スリーブによりともに同軸状に保持して整列させるステップを有する。
【0024】
他の実施形態によれば、第1光ファイバを第2光ファイバに接続し、前記第1光ファイバをガイドワイヤ管の近位側部分内にほぼ芯出しし、この雌型光学的収容装置は、前記ガイドワイヤ管の外径に適合する長手方向軸線及び内径を有する第1フェルールと、前記第2光ファイバの外径に適合する長手方向軸線及び内径を有する第2フェルールとを備え、前記第1フェルールの長手方向軸線は、前記第2フェルールの長手方向軸線に整列しているものとする。
【0025】
一態様によれば、雌型光学的収容装置は、さらに、前記第1フェルール及び前記第2フェルール上に摺動嵌合して、これらフェルールを同時に固定し、これにより前記第1フェルールの長手方向軸線が前記第2フェルールの長手方向軸線に整列するようにした分割スリーブを備える。
【0026】
一態様によれば、前記第2光ファイバは、前記第1光ファイバのコア直径とは異なるコア直径を有し、前記第2光ファイバを前記第2フェルール内に固定する。
【0027】
他の実施形態によれば、第1光ファイバを第2光ファイバに接続し、前記第1光ファイバをガイドワイヤ管の近位側部分内でほぼ芯出しし、前記第2光ファイバは光学的インタフェースケーブル内に通し、かつこの光学的インタフェースケーブルから突出しているものとした、インタフェースコネクタハンドルを提供し、このインタフェースコネクタハンドルは、前記第1光ファイバを前記第2光ファイバに押付けて接触させるバイアス組立体を備える。
【0028】
一態様によれば、インタフェースコネクタハンドルは、さらに、前記第2光ファイバの遠位側端部における雌型光学的収容装置を備え、前記第1光ファイバを前記雌型光学的収容装置内に挿入して前記第2光ファイバに接触できるようにする。
【0029】
一態様によれば、前記バイアス組立体は、前記ガイドワイヤ管を押し込むコレットであって、前記コレットが閉鎖位置をとるとき前記ガイドワイヤ管を所定位置に保持する、該コレットを有する。
【0030】
一態様によれば、前記バイアス組立体は、さらに、バイアス装置、及びコネクタキャップを有し、前記コネクタキャップ内に前記ガイドワイヤ管を通して雌型光学的収容装置に向って摺動し、前記コネクタキャップは或る方向に移動可能であり、前記バイアス装置は、前記コネクタキャップの前記移動方向とは反対向きの対向力を発生し、前記対向力が前記コレットを強制的に前記閉鎖位置に向かわせるようにする。
【0031】
他の実施形態によれば、第1光ファイバをガイドワイヤ管の近位側部分内で終端させる方法を提供し、この方法は、アライメント芯出し管装置を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管の外径に対して芯出しするステップと、さらに、接着剤を使用して前記第1光ファイバを前記ガイドワイヤ管近位側部分の中心に固定するステップとを有する。
【0032】
一態様によれば、前記アライメント芯出し管装置は、前記ガイドワイヤ管の前記外径に適合する内径を有する第1フェルールと、前記第1光ファイバの外径に適合する内径を有する第2フェルールとを有するものとし、本発明方法は、さらに、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを同心状に整列させるステップを有する。
【0033】
一態様によれば、前記第1フェルール及び前記第2フェルールを整列させるステップは、前記第1フェルール及び前記第2フェルール上に分割スリーブを使用して双方のフェルールを同軸状に保持するステップを有する。
【0034】
本発明を一層理解できるようにする添付図面は、本明細書に組入れて明細書の一部をなし、本発明の原理を説明するのに供する記載とともに、本発明の例示的実施形態を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態によるインタフェースケーブルハンドルのガイドワイヤ組立体接続構成の概略図である。
図2】本発明の実施形態によるガイドワイヤの光ファイバが突出するガイドワイヤ近位側端部における断面を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部の中心に光ファイバを整列させるアライメント組立装置の断面を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部の、接続性を得るよう終端した状態の断面を示す概略図である。
図5】オーバーレイ管を有する本発明の他の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部の、接続性を得るよう終端した状態の断面を示す概略図である。
図6a】本発明の他の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部の中心におけるオーバーレイ管に光ファイバを整列させるアライメント組立装置の断面を示す概略図である。
図6b】本発明の他の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部の中心におけるオーバーレイ管に光ファイバを整列させるアライメント組立装置の断面を示す概略図である。
図7a】本発明の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部を収容するのに使用する雌型光学的接続部の断面を示す概略図である。
図7b】本発明の実施形態によるガイドワイヤの近位側端部に整列する対応の光ファイバを収容するのに使用する雌型光学的接続部の断面を示す概略図である。
図8】本発明の実施形態による光インタフェースケーブルの端部における雌型光ファイバ収容部を保持する方法に用いることができるハンドルの断面を示す概略図である。
図9図8に示すハンドルを側面から見た概略図である。
図10a図8に示すハンドルの開放位置における断面を示す概略図である。
図10b図8に示すハンドルの閉鎖位置における断面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の本発明による実施形態の説明において、添付図面に対する言及は、本発明を実施することができる例を示すものである。本明細書に記載する本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を為すことができると理解されたい。
【0037】
FFRを測定するシステム2を図1に示す。このシステムは、光学的圧力センサ7を遠位側(患者に向かう側)の端部近傍に装備したガイドワイヤ1を有する。ガイドワイヤ1は、したがって、光ファイバ(図示せず)を収容する中空管(すなわち、ガイドワイヤ管)で構成する。ガイドワイヤの近位側(医師に向かう側)の端部は、光インタフェースケーブル5に接続するための接続端部で終端させる。光インタフェースケーブル5は、信号調整ユニット3(例えば、光アナライザ)からの光信号をガイドワイヤに取付けた光学的圧力センサ7に中継し、また信号調整ユニット3に戻すのに使用する。ガイドワイヤ1は、光信号を光学的圧力センサ7に搬送し、また信号調整ユニット3に逆搬送する内部光ファイバ(図示せず)を有する。この点に関して、ガイドワイヤ1内の光ファイバ及び光インタフェースケーブル5内の光ファイバ双方ともに、使用中同軸状に整列する及び接触状態に保持することを必要とする。光インタフェースケーブル5の遠位側端部は、インタフェースケーブルハンドル4内に埋設した光学的アライメント装置6(本明細書において、雌型光学的収容装置とも称する)で終端させる。
【0038】
図2は、ガイドワイヤ1の近位側部分10の第1実施形態を示し、図3につき以下に詳細に説明するような若干の更なる処理をした後に、光インタフェースケーブル5(図7a参照)に接続することができる。ガイドワイヤ1の近位側部分の外径13は正確かつ精密な直径を有する。
【0039】
第1光ファイバ11は、ガイドワイヤ管12の中心に位置決め装置により整列することができ、この位置決め装置は、第1光ファイバ11をガイドワイヤ1の中心に、すなわち、ガイドワイヤ近位側部分10の端部に同心状となるよう機械的に位置決めする。ガイドワイヤ管12に対する第1光ファイバ11の位置は、オハイオ州デイトンのベータ・レーザーマイク(Beta LaserMike)社から利用可能なような方法によって測定する。
【0040】
図3に示す光ファイバアライメント方法が好ましい方法であり、なぜならそのコンパクト性は組立て装置に対して高いレベルの機械的安定性を必要とせず、自己アライメント方法でもあるからである。アライメント組立装置20(アライメント芯出し管装置としても知られる)は、第1整列フェルール21により形成し、このフェルールはガイドワイヤ近位側部分10を収容し得る精密内径22を有する管又は類似の装置である。例えば、第1整列フェルール21は、好適には、市販の光ファイバ整列フェルールで形成し、セラミック、ジルコニウム、ガラス、ステンレス鋼、又は適切な支持及びアライメント精度をもたらす他の材料により形成する。以下において、フェルールは、セラミック、ジルコニウム、ガラス、ステンレス鋼、又は他の材料により形成した、フェルール、管、又は他の類似の装置であると理解されたい。光ファイバのための市販のフェルールは、偏心性及び孔直径に関して±1ミクロンのオーダーの公差で形成される。このようなフェルールの好適な外径は一般的に1.25mmであるが、他の外径としては2.5mmもあり得る。第2整列フェルール23を使用して第1光ファイバ11を収容し、したがって、光ファイバの金属被覆(クラッディング)における直径に合致する内径24を有するよう選択する。これら双方のフェルールを、この場合分割スリーブ25を使用して同軸状に整列させる。
【0041】
ガイドワイヤ近位側部分10内で第1光ファイバ11を適切に芯出しすることは、このガイドワイヤ近位側部分10の外径13が正確であると考えられる場合に可能である。ガイドワイヤ近位側部分10は、±0.0254mm(0.001インチ)より優る公差の外径13を有し、好適には、±0.0127mm(0.0005インチ)より優る公差の外径にする。±0.0127mm(0.0005インチ)又はそれより優る精度を有する直径を得る1つの好適な方法は、ガイドワイヤ管12のガイドワイヤ近位側部分10の外面を、当業者には既知の芯なし研削盤又は他のタイプのグラインダを使用して、この作業に適切となるよう研削することである。当業者であれば、同一目的のために、例えば、電気エッチングのような他の方法を用いることもできることは明らかであろう。つぎに、第1光ファイバ11をガイドワイヤ管12の中心軸線に整列させ、接着剤14を使用して所定位置に固着する。
【0042】
図3に示すアライメント組立装置20を使用して第1光ファイバ11をガイドワイヤ管12内に芯出しする。光学的ガイドワイヤは、第1光ファイバ11をガイドワイヤ管12から突出させることによって準備する。この場合、必要量の接着剤14を設け、第1光ファイバ11とガイドワイヤ近位側部分10の内面26との間におけるギャップを填隙し、未硬化のまま放置する。次に、第1光ファイバ11が突出した状態にして、ガイドワイヤ近位側部分10を第1整列フェルール21内に挿入し、第1光ファイバ11が第2整列フェルール23内に進入するよう押し込む。特定アライメント組立装置20に基づいて、ガイドワイヤ近位側部分10を、第2整列フェルール23に近づける又は密に接触するよう押し込み、第1光ファイバ11が第2整列フェルール23の外側に曲がることによって生ずる光ファイバ誤整列が少なくなるようにすることができる。この後、接着剤14は、既知の硬化方法に従って硬化させる。
【0043】
代替的な方法においては、ガイドワイヤ近位側部分10を第1整列フェルール21内に挿入し、接着剤のない状態で第1光ファイバ11が第2整列フェルール23内に進入するよう押し込む。つぎに、第1光ファイバ11とガイドワイヤ近位側部分10の内面26と間におけるギャップを必要量の接着剤14で填隙し、この後、接着剤14の硬化ステップが続く。この代替的な方法は、接着剤14がガイドワイヤ近位側部分10と第1整列フェルール21の内面との間のギャップも填隙するのを防止し、接着剤14の硬化後にガイドワイヤ組立体を容易に取り外すことができるようにするのに役立つ。
【0044】
接着剤14が硬化した後、芯出しした第1光ファイバ11を有するガイドワイヤをアライメント組立装置20から取出し、図4に示すように終端させる。ガイドワイヤの光学的終端面31を研磨し、第1光ファイバ11をインタフェースケーブルの光ファイバ(ここでは図示せず)に接続できるようにする。ガイドワイヤの光学的終端面31は、硬質表面で研磨することができるが、柔らかい研磨面でガイドワイヤ近位側部分10を研磨するのが好ましく、これにより光ファイバ終端部はインタフェースケーブルの光ファイバに物理的接触できる能力が得られる。
【0045】
しかし、図4に示す光学的接続化方法は最適ではない。第1光ファイバ11とガイドワイヤ管12の内径との間のギャップ32を填隙するのに使用する接着剤14の比較的多い量は、このような光学的接続部が組立て中及び時間経過にともなって光ファイバ誤整列を受け易くする。組立て中に接着剤14の量が多くなるにつれて、接着剤14が不均一に分布するリスクが増大し、この不均一分布は、第1光ファイバ11を中心軸線から不均一に引きずらすリスクを増大させる。使用にあたり、あらゆる接着剤は、時間経過とともに、とくに水分の存在及び温度変化があるとき膨張する傾向がある。したがって、比較的多量の接着剤14は、光学的終端部をより不安定にする。
【0046】
図5に示す終端方法は図4に示すものの変更例であり、この場合、第1光ファイバ11とガイドワイヤ近位側部分10の内面26との間におけるギャップをオーバーレイ管36で部分的に填隙する。実施形態において、オーバーレイ管36は、第1光ファイバ11に精密に整合するよう選択する。これによりガイドワイヤ近位側部分10の中心にファイバを保持する接着剤14の量が大幅に減少し、したがって、光学的接続部の長期間の安定性が確保される。
【0047】
図5に示す光学的接続部は、図3に示すのと同一の光学的組立装置を使用して終端させることができる。オーバーレイ管36は、この場合、組立て中ガイドワイヤ近位側部分10よりも僅かに長い範囲にわたり延在させる。
【0048】
オーバーレイ管36が極めて精密である場合、しかし、図6aに示すアライメント組立装置27を使用するのが望ましく、このアライメント組立装置27において、第2整列フェルール41はオーバーレイ管36を収容し得る内径を有する。しかし、内径37及びオーバーレイ管36の外径38の公差によって生ずる誤整列の誤差は、第1光ファイバ11の最終同軸位置決め誤差まで累積し、潜在的に次善同心度になる。光ファイバは、図3に示すセットアップ及びアライメント方法で整列したとき、ガイドワイヤと同心状に整列するための適正な剛性を生ずることが分かっている。好適な方法は、第1光ファイバ11上に精密に嵌合しないオーバーレイ管を使用する。
【0049】
図6bは、第1光ファイバ11上に精密に嵌合しないオーバーレイ管39を使用するこのような好適な組立方法及びアライメント組立装置20を示す。第1光ファイバ11をガイドワイヤ近位側部分10内における同心状整列は、第1光ファイバ11を、この第1光ファイバ11の外径に整合する内径を有する第2整列フェルール23内に挿入することによって確保するとともに、オーバーレイ管39の目的は、主にギャップ32を填隙することにある(図4参照)。
【0050】
上述の実施形態は、光学的ガイドワイヤの近位側端部で光学的接続を行う種々の方法及び装置について説明するものである。しかし、光学的信号を信号調整ユニット3(図1参照)に中継する光インタフェースケーブル5と光学的接続を行うには、ガイドワイヤの光学的接続部を収容する雌型部分を設ける必要性もある。
【0051】
図7a及び7bは、このような雌型光学的収容装置6を構成するのに使用する光学的部分を示す。雌型光学的収容装置6は、図3に示すアライメント組立装置20に極めて類似した構成とする。この場合、ガイドワイヤ近位側部分10を収容し得る内径52を有する第1フェルール51を使用してガイドワイヤ1を収容する。第1フェルール51及び第2フェルール53は整列させ、分割スリーブ54を使用してともに保持する。第2フェルール53は、しかし、光インタフェースケーブル5に通した第2光ファイバ55を収容するよう選択する。例として、光インタフェースケーブル5は、62.5μmのコア直径及び125μmの被覆直径を有する第2光ファイバ55を有する。この場合、第2フェルール53は126μm又は127μmの直径を選択する。第2光ファイバ55は第2フェルール53内に結合し、ガイドワイヤの光終端部に適合可能な適正な光学的表面56となるよう研磨する。
【0052】
図7bは、雌型光学的収容装置6を第1フェルール51内に係合するガイドワイヤ近位側部分10とともに示す。光学的接続が最小損失となるのは、第1光ファイバ11が第2光ファイバ55と同軸状に整列し、また第1光ファイバ11及び第2光ファイバ55双方の端面が密に接触する場合である。
【0053】
図8は、雌型光学的収容装置6を保持する方法に使用できるインタフェースコネクタハンドル4を示す。第2光ファイバ55は、雌型光学的収容装置6の一方の側に接続し、また光インタフェースケーブル5の他方の側に延びる。雌型光学的収容装置6は、インタフェースコネクタハンドル4の中心に保持され、またばね67により表面68に押付けられる。ガイドワイヤ近位側部分10(図7b参照)をコネクタキャップ61の円錐状入口66に挿通し、コレット63を経て雌型光学的収容装置6の内側に押し込み、ガイドワイヤの光学的終端面31(図4参照)及び第2光ファイバ55の光学的表面56(図7a参照)が接触するようにする。ユーザーは次にコネクタキャップ61を締め込むことができる。これにより、コネクタキャップの近位側端部62はコレット63を押圧し、この結果、着座部70を介してばね65により生ずる対向力によってこのようなコレット63を閉じる。ばね65の代わりに類似のデバイス、例えばゴムチューブ又は他のバイアスデバイスを使用することができることを理解されたい。締付けコレット63を着座部70に押付ける作用は、締付けコレット63をガイドワイヤ近位側部分10に対して閉鎖する作用を有し、このガイドワイヤ近位側部分10を所定位置に強固に保持する。
【0054】
実施形態によれば、インタフェースコネクタハンドル4は、第1光ファイバ11を第2光ファイバ55に接触させるよう押圧するバイアス組立体(符合で示さない)を有する。このバイアス組立体はコレット63を有し、このコレット63内にガイドワイヤ1を押し込み、コレット63が閉じた状態になるとき保持する。バイアス組立体は、さらに、バイアスデバイス(ばね65)及びコネクタキャップを有し、このコネクタキャップ内にガイドワイヤ管を雌型光学的収容装置の方向に摺動させ、コネクタキャップ61はある方向に移動することができる。バイアスデバイスは、コネクタキャップ61の移動方向とは反対向きの対向力を発生し、この対向力が強制的にコレット63を閉鎖状態に向かわせる。
【0055】
インタフェースコネクタハンドル4を用いる方法の一態様によれば、ガイドワイヤ1の光学的インタフェース及び雌型光学的収容装置6の光学的インタフェースとの間における良好な物理的接触を確保及び維持する。物理的接触は、コネクタキャップ61を締込む際に得られるガイドワイヤ近位側部分10の変位によって確保される。コネクタキャップ61を締込む際に、コレット63がまず閉じ、そしてガイドワイヤ近位側部分10を把持し、ガイドワイヤの光学的終端面31(図4参照)を第2光ファイバ55の光学的表面56(図7a参照)に強制的に押付ける。この作用を図10a及び10bに示す。
【0056】
図10aは開放位置にあるコネクタハンドルを示し、図10bは閉鎖(下方)位置にあるコネクタハンドルを示し、この場合、コレット63及び雌型光学的収容装置6双方の下方位置を図10bにおいて見ることができる。ガイドワイヤ1を雌型光学的収容装置6に押付ける下方変位は、摺動レール72のピッチ及び摺動レールと突起71との相互作用によって得る(図9参照)。ガイドワイヤ1の雌型光学的収容装置6に対する下方変位は、光終端インタフェース(図4に示すガイドワイヤ光学的終端面31)と第2光ファイバ55の光学的表面56(図7a参照)との間における接触圧力に変換される。力は、雌型光学的収容装置6を押圧しているばね67により得る。ばね67は、その圧力を雌型光学的収容装置6にフランジ69を介して加え、このフランジ69は第2フェルール53(図7a参照)に取付ける光学的インタフェース相互間の圧力は、良好な物理的接触及び良好な光学的接続を確保する。
【0057】
ガイドワイヤ及び光学的収容装置双方における光学的終端面に対して相互圧力を発生する上述の方法は例として記載する。ガイドワイヤ及び光学的収容装置との間の相対移動を行わせる他の方法も本発明の範囲内であると理解されたい。例えば、ガイドワイヤ挿入前にガイドワイヤから離れる方向に内部収容装置を移動させ、ガイドワイヤがコネクタハンドル内で締付けられた後に釈放する方法もあり得る。
【0058】
光学的接続の品質は、互いに向き合う双方の光ファイバ軸線を相対的に芯出しすることに関連する。この芯出しの公差を減少する1つの方法は、ガイドワイヤ1の光ファイバ(図示せず)のコア直径とは異なるコア直径を有する光インタフェースケーブル5内の第2光ファイバ55を使用することである。この手法は常に可能ではないが、このような戦略により適した光学的測定方法がある。例えば、米国特許第7,689,071号に記載の圧力センサ、及び米国特許第7,259,862号に記載の関連信号調整ユニットがこのような戦略の実施によく適している。
【0059】
好適な実施形態について上述し、また添付図面で示してきたが、当業者であれば、本明細書から逸脱することなく、変更例が可能であること明らかであろう。このような変更例は、本発明の範囲に含まれるあり得るバリエーションであるとみなせるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b