特許第6200557号(P6200557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200557
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】回転機械用の受動的ワイヤレスセンサ
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20170911BHJP
   B64D 45/00 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   G08C15/00 D
   B64D45/00 Z
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-129507(P2016-129507)
(22)【出願日】2016年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-16658(P2017-16658A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】14/792,336
(32)【優先日】2015年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヨンジェ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・アルフレッド・イアノッティ
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−188621(JP,A)
【文献】 特開2013−158070(JP,A)
【文献】 特開2006−220574(JP,A)
【文献】 特開2005−291999(JP,A)
【文献】 特開2013−077268(JP,A)
【文献】 特開2007−093450(JP,A)
【文献】 特開2008−117165(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0241890(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0000386(US,A1)
【文献】 国際公開第92/005402(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0287386(US,A1)
【文献】 特表2010−520961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00
B64D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械用の監視システム(200)であって、前記回転機械が、回転可能シャフト(106)と、前記回転可能シャフト(106)に結合されており、かつ前記回転可能シャフト(106)の周りに少なくとも部分的に延びている保持リング(202)とを含み、前記回転可能シャフト(106)が、前記回転可能シャフト(106)を通して延びる長手方向軸(204)を画定し、前記回転可能シャフト(106)および前記保持リング(202)が、前記回転可能シャフト(106)と前記保持リング(202)との間に実質的に環状の空洞(206)を画定し、前記回転可能シャフト(106)が、半径方向外側表面(208)を含み、前記保持リング(202)が、半径方向外側表面(210)を含む、監視システム(200)において、
前記保持リング(202)に近接して位置付けられる固定リーダアンテナ(240)と、
無線周波数(RF)カプラ(220)と
を備え、前記RFカプラ(220)が、
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)に結合されており、かつ前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンドであって、前記固定リーダアンテナ(240)とのRF結合を確立するように構成されている、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドと、
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイ(256)であって、前記実質的に環状の空洞(206)の中に少なくとも部分的に延び、前記回転可能シャフト(106)の前記半径方向外側表面(208)にも結合される、少なくとも1つのセンサダイ(256)と
を備える、監視システム(200)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、
前記長手方向軸(204)に対して時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第1のアーム(258)であって、
可撓性積層体(254)の第1の部分(262)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第1の部分(262)内に実質的に埋め込まれている第1の可撓性電圧誘起導体(264)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第1の可撓性電圧誘起導体(264)
を備える第1のアーム(258)と、
前記長手方向軸(204)に対して反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第2のアーム(266)であって、
前記可撓性積層体(254)の第2の部分(268)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第2の部分(268)内に実質的に埋め込まれている第2の可撓性電圧誘起導体(270)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第2の可撓性電圧誘起導体(270)
を備える第2のアーム(266)と
を備える、請求項1記載の監視システム(200)。
【請求項3】
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)が、前記半径方向外側表面(210)上に外周を有し、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの前記第1のアーム(258)と、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの第2のアーム(266)とが、
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との間の隙間、
前記外周の周りの実質的に完全な延長部、および
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との少なくとも部分的な重なりであって、それによって自己容量効果が促進される、少なくとも部分的な重なり
のうちの1つを画定する、請求項2記載の監視システム(200)。
【請求項4】
前記保持リング(202)が、第1の長手方向端部(244)と、前記第1の長手方向端部(244)に対向する第2の長手方向端部(246)とを含み、前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、前記第1の長手方向端部(244)に近接する第1の可撓性アンテナバンド(222)と、前記第2の長手方向端部(246)に近接する第2の可撓性アンテナバンド(224)とを含む2つの可撓性アンテナバンドを備える、請求項1記載の監視システム(200)。
【請求項5】
前記第1の可撓性アンテナバンド(222)が、第1のセンサダイ(256)を備え、前記第2の可撓性アンテナバンド(224)が、前記実質的に環状の空洞(206)内で前記第1のセンサダイ(256)からおよそ180°の円周方向に位置付けられた第2のセンサダイ(256)を備える、請求項4記載の監視システム(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドおよび前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)のうちの少なくとも一部分に結合されており、かつ前記少なくとも一部分にわたって延びている熱収縮材料(226)、バイメタルリング(228)、およびガラス繊維撚糸巻きのうちの1つをさらに備える、請求項1記載の監視システム(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサダイ(256)が、接着剤を介して前記回転可能シャフト(106)の前記半径方向外側表面(208)に結合される、請求項1記載の監視システム(200)。
【請求項8】
半径方向外側表面(208)を含む回転可能シャフト(106)と、
前記回転可能シャフト(106)に結合されており、かつ前記回転可能シャフト(106)の周りに少なくとも部分的に延びている保持リング(202)であって、前記回転可能シャフト(106)が、前記回転可能シャフト(106)を通して延びる長手方向軸(204)を画定し、前記回転可能シャフト(106)および当該保持リング(202)が、前記回転可能シャフト(106)と当該保持リング(202)との間に実質的に環状の空洞(206)を画定し、当該保持リング(202)が、半径方向外側表面(210)を含む、保持リング(202)と
監視システム(200)と
を備える回転機械であって、前記監視システム(200)が、
前記保持リング(202)に近接して位置付けられる固定リーダアンテナ(240)と、
無線周波数(RF)カプラ(220)と
を備え、前記RFカプラ(220)が、
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)に結合されており、かつ前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンドであって、前記固定リーダアンテナ(240)とのRF結合を確立するように構成されている、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドと、
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイ(256)であって、前記実質的に環状の空洞(206)の中に少なくとも部分的に延び、前記回転可能シャフト(106)の前記半径方向外側表面(208)にも結合される、少なくとも1つのセンサダイ(256)と
を備える、回転機械。
【請求項9】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、
前記長手方向軸(204)に対して時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第1のアーム(258)であって、
可撓性積層体(254)の第1の部分(262)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第1の部分(262)内に実質的に埋め込まれている第1の可撓性電圧誘起導体(264)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第1の可撓性電圧誘起導体(264)
を備える第1のアーム(258)と、
前記長手方向軸(204)に対して反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第2のアーム(266)であって、
前記可撓性積層体(254)の第2の部分(268)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第2の部分(268)内に実質的に埋め込まれている第2の可撓性電圧誘起導体(270)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第2の可撓性電圧誘起導体(270)
を備える第2のアーム(266)と
を備える、請求項8記載の回転機械。
【請求項10】
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)が、前記半径方向外側表面(210)上に外周を有し、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの前記第1のアーム(258)と、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの第2のアーム(266)とが、
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との間の隙間、
前記外周の周りの実質的に完全な延長部、および
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との少なくとも部分的な重なりであって、それによって自己容量効果が促進される、少なくとも部分的な重なり
のうちの1つを画定する、請求項9記載の回転機械。
【請求項11】
前記保持リング(202)が、第1の長手方向端部(244)と、前記第1の長手方向端部(244)に対向する第2の長手方向端部(246)とを含み、前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、前記第1の長手方向端部(244)に近接する第1の可撓性アンテナバンド(222)と、前記第2の長手方向端部(246)に近接する第2の可撓性アンテナバンド(224)とを含む2つの可撓性アンテナバンドを備える、請求項8記載の回転機械。
【請求項12】
前記第1の可撓性アンテナバンド(222)が、第1のセンサダイ(256)を備え、前記第2の可撓性アンテナバンド(224)が、前記実質的に環状の空洞(206)内で前記第1のセンサダイ(256)からおよそ180°の円周方向に位置付けられた第2のセンサダイ(256)を備える、請求項11記載の回転機械。
【請求項13】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドおよび前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)のうちの少なくとも一部分に結合されており、かつ前記少なくとも一部分にわたって延びている熱収縮材料(226)、バイメタルリング(228)、およびガラス繊維撚糸巻きのうちの1つをさらに備える、請求項8記載の回転機械。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサダイ(256)が、接着剤を介して前記回転可能シャフト(106)の前記半径方向外側表面(208)に結合される、請求項8記載の回転機械。
【請求項15】
胴体と、
前記胴体に結合された少なくとも1つのロータ組立体と
を備える航空機であって、前記少なくとも1つのロータ組立体が、
半径方向外側表面(208)を含む回転可能シャフト(106)と、
前記回転可能シャフト(106)に結合されており、かつ前記回転可能シャフト(106)の周りに少なくとも部分的に延びている保持リング(202)であって、前記回転可能シャフト(106)が、前記回転可能シャフト(106)を通して延びる長手方向軸(204)を画定し、前記回転可能シャフト(106)および当該保持リング(202)が、前記回転可能シャフト(106)と当該保持リング(202)との間に実質的に環状の空洞(206)を画定し、当該保持リング(202)が、半径方向外側表面(210)を含む、保持リング(202)と、
監視システム(200)と
を備え、前記監視システム(200)が、
前記保持リング(202)に近接して位置付けられる固定リーダアンテナ(240)と、
無線周波数(RF)カプラ(220)と
を備え、前記RFカプラ(220)が、
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)に結合されており、かつ前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンドであって、前記固定リーダアンテナ(240)とのRF結合を確立するように構成されている、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドと、
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイ(256)であって、前記実質的に環状の空洞(206)の中に少なくとも部分的に延び、前記回転可能シャフト(106)の前記半径方向外側表面(208)にも結合される、少なくとも1つのセンサダイ(256)と
を備える、航空機。
【請求項16】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、
前記長手方向軸(204)に対して時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第1のアーム(258)であって、
可撓性積層体(254)の第1の部分(262)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第1の部分(262)内に実質的に埋め込まれている第1の可撓性電圧誘起導体(264)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記時計回りの方向(272)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第1の可撓性電圧誘起導体(264)
を備える第1のアーム(258)と、
前記長手方向軸(204)に対して反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている第2のアーム(266)であって、
前記可撓性積層体(254)の第2の部分(268)、および
前記可撓性積層体(254)の前記第2の部分(268)内に実質的に埋め込まれている第2の可撓性電圧誘起導体(270)であって、前記長手方向軸(204)に対して前記反時計回りの方向(274)に、前記少なくとも1つのセンサダイ(256)に結合されており、かつ前記少なくとも1つのセンサダイ(256)から延びている、第2の可撓性電圧誘起導体(270)
を備える第2のアーム(266)と
を備える、請求項15記載の航空機。
【請求項17】
前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)が、前記半径方向外側表面(210)上に外周を有し、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの前記第1のアーム(258)と、前記保持リング(202)の前記外側表面(210)に沿って完全に延ばされたときの第2のアーム(266)とが、
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との間の隙間、
前記外周の周りの実質的に完全な延長部、および
前記第1のアーム(258)と前記第2のアーム(266)との少なくとも部分的な重なりであって、それによって自己容量効果が促進される、少なくとも部分的な重なり
のうちの1つを画定する、請求項16記載の航空機。
【請求項18】
前記保持リング(202)が、第1の長手方向端部(244)と、前記第1の長手方向端部(244)に対向する第2の長手方向端部(246)とを含み、前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドが、前記第1の長手方向端部(244)に近接する第1の可撓性アンテナバンド(222)と、前記第2の長手方向端部(246)に近接する第2の可撓性アンテナバンド(224)とを含む2つの可撓性アンテナバンドを備える、請求項15記載の航空機。
【請求項19】
前記第1の可撓性アンテナバンド(222)が、第1のセンサダイ(256)を備え、前記第2の可撓性アンテナバンド(224)が、前記実質的に環状の空洞(206)内で前記第1のセンサダイ(256)からおよそ180°の円周方向に位置付けられた第2のセンサダイ(256)を備える、請求項18記載の航空機。
【請求項20】
前記少なくとも1つの可撓性アンテナバンドおよび前記保持リング(202)の前記半径方向外側表面(210)のうちの少なくとも一部分に結合されており、かつ前記少なくとも一部分にわたって延びている熱収縮材料(226)、バイメタルリング(228)、およびガラス繊維撚糸巻きのうちの1つをさらに備える、請求項15記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に、受動的ワイヤレスセンサに関し、より詳細には、回転機械用の受動的ワイヤレスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリコプタは、動力駆動のロータブレードのシステムを使用して、ヘリコプタの上昇/降下、および水平方向の移動を可能にする揚力と推進力を生み出す回転翼航空機である。ロータブレードは、回転可能なシャフト、すなわち、回転駆動装置に結合されたロータシャフトに結合され、ロータシャフトから半径方向外側に延びる。各ブレードのピッチは、各ブレードによって生み出される迎え角および揚力の量を変えるために個々に調整可能とすることができる。いくつかの公知のヘリコプタにおいては、操縦士には、ブレードのすべてにおいて、ピッチを同時、かつ均等に変更するコレクティブピッチコントロールと、各回転周期を通して、個々のブレードのピッチを常に変えるサイクリックピッチコントロールとが与えられる。その上、サイクリックピッチコントロールを用いて回転ブレードのピッチを変えると、回転シャフトの中のトルクとひずみが変わる。
【0003】
ブレードピッチ変更によりロータシャフトに誘起される力と結合されて、回転駆動装置によってロータシャフトに誘起される回転力は、所定のパラメータの下、そのような誘起力の維持を促進するために監視される。したがって、これらの公知のヘリコプタロータシャフトの多くは、たとえば、1分当たり25,000回転(rpm)を超える高回転速度と、ほんの短い時間期間、すなわち100時間以下の間、そのような高速回転効果と関連する応力およびひずみとに耐えるように構成されている公知の感知装置を含む。そのため、そのような回転シャフト用の応力監視装置には、飛行中の故障の可能性を抑え、その運用耐用年数を延ばすために頑丈に構築され、搭載されることが必要である。たとえば、そのような公知の応力監視装置のうちのいくつかは、接地面および終端抵抗器などのハードウェアを含み、これらは、ヘリコプタの構築と保守の費用を実質的に増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8296087号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様においては、回転機械用の監視システムが提供される。回転機械は、回転可能シャフトと、回転可能シャフトに結合されており、かつ回転可能シャフトの周りに少なくとも部分的に延びている保持リングとを含む。回転可能シャフトは、それを通して延びる長手方向軸を画定する。回転可能シャフトおよび保持リングは、それらの間に実質的に環状の空洞を画定する。回転可能シャフトは、半径方向外側表面を含み、保持リングは、半径方向外側表面を含む。監視システムは、保持リングに近接して位置付けられる固定リーダアンテナと、無線周波数(RF)カプラとを含む。RFカプラは、保持リングの半径方向外側表面に結合されており、かつ保持リングの半径方向外側表面にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンド(flexible antenna band)を含む。少なくとも1つの可撓性アンテナバンドは、固定リーダアンテナとのRF結合を確立するように構成されている。RFカプラはまた、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイを含む。少なくとも1つのセンサダイ(sensor die)は、実質的に環状の空洞の中に少なくとも部分的に延びる。少なくとも1つのセンサダイは、回転可能シャフトの半径方向外側表面にも結合される。
【0006】
さらなる態様においては、回転機械が提供される。回転機械は、半径方向外側表面を含む回転可能シャフトと、回転可能シャフトに結合されており、かつ回転可能シャフトの周りに少なくとも部分的に延びている保持リングとを含む。回転可能シャフトは、それを通して延びる長手方向軸を画定し、回転可能シャフトおよび保持リングは、それらの間に実質的に環状の空洞を画定する。保持リングは、半径方向外側表面を含む。回転機械はまた、保持リングに近接して位置付けられる固定リーダアンテナと、無線周波数(RF)カプラとを含んだ監視システムを含む。RFカプラは、保持リングの半径方向外側表面に結合されており、かつ保持リングの半径方向外側表面にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンドを含む。少なくとも1つの可撓性アンテナバンドは、固定リーダアンテナとのRF結合を確立するように構成されている。RFカプラはまた、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイを含む。少なくとも1つのセンサダイは、実質的に環状の空洞の中に少なくとも部分的に延びる。少なくとも1つのセンサダイは、回転可能シャフトの半径方向外側表面にも結合される。
【0007】
別の態様においては、航空機が提供される。航空機は、胴体と、胴体に結合された少なくとも1つのロータ組立体とを含む。少なくとも1つのロータ組立体は、半径方向外側表面を含む回転可能シャフトを含む。少なくとも1つのロータ組立体はまた、回転可能シャフトに結合されており、かつ回転可能シャフトの周りに少なくとも部分的に延びている保持リングを含む。回転可能シャフトは、それを通して延びる長手方向軸を画定する。回転可能シャフトおよび保持リングは、それらの間に実質的に環状の空洞を画定する。保持リングは、半径方向外側表面を含む。ロータ組立体は、保持リングに近接して位置付けられる固定リーダアンテナと、無線周波数(RF)カプラとを含んだ監視システムをさらに含む。RFカプラは、保持リングの半径方向外側表面に結合されており、かつ保持リングの半径方向外側表面にわたって延びている少なくとも1つの可撓性アンテナバンドを含む。少なくとも1つの可撓性アンテナバンドは、固定リーダアンテナとのRF結合を確立するように構成されている。RFカプラはまた、少なくとも1つの可撓性アンテナバンドに結合された少なくとも1つのセンサダイを含む。少なくとも1つのセンサダイは、実質的に環状の空洞の中に少なくとも部分的に延びる。少なくとも1つのセンサダイは、回転可能シャフトの半径方向外側表面にも結合される。
【0008】
図面全体を通じて、同様の文字が同様の部品を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、本開示のこれらならびに他の特徴、態様、および利点がより良く理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な監視システムを内蔵した例示的なロータ組立体を搭載して含んだ例示的なヘリコプタの概略斜視図である。
図2図1に示されているヘリコプタとともに使用され得るロータ組立体および監視システムの例示的な一部分の概略図である。
図3図2に示されているロータ組立体および監視システムの部分の概略斜視図である。
図4図2および図3に示されているロータ組立体および監視システムとともに使用され得る静止ブラケットおよび保持リングの例示的な配置構成の概略図である。
図5図1図4に示されている監視システムとともに使用され得る例示的な無線周波数(RF)カプラの一部分の概略図である。
図6図5に示されているRFカプラの部分の概略斜視図である。
図7図8に示されているRFダイを含む図5および図6に示されているRFカプラとともに使用され得る1対の例示的な可撓性アンテナバンド概略図である。
図8図4に示されている保持リングに結合する前の図7に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
図9】例示的なロータシャフトに関連して図4に示されている保持リングに結合する前の図7および図8に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
図10図8に示されている保持リングに少なくとも部分的に結合された図7図8および図9に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
図11】例示的な重なり合っている配置構成における図7から図10に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
図12】例示的な隙間がある配置構成における図7から図10に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
図13】例示的な完全リング配置構成における図7から図10に示されている可撓性アンテナバンドの対の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
別段の指示がない限り、本明細書に提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を示すことを意味している。これらの特徴は、本開示の1つまたは複数の実施形態を含む幅広い多様なシステムにおいて適用できると考えられる。したがって、図面は、本明細書に開示される実施形態を実践するのに必要な、当業者によって知られている従来の特徴をすべて含んでいることを意味しているわけではない。
【0011】
以下の明細書および特許請求の範囲においては、いくつかの用語を参照することになり、これらは、以下の意味をもつように定義することとする。
【0012】
文脈により別段の明瞭な指示がない限り、単数形「a」「an」、および「the」は、複数の言及を含む。
【0013】
「任意選択の(optional)」または「任意選択で(optionally)」は、続いて説明される事象または事態が、起きる場合も、または起きない場合もあり、説明には、事象が起きる事例と起きない事例とが含まれることを意味する。
【0014】
明細書および特許請求の範囲全体を通じて、本明細書に使用されるとき、近似の文言は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく、許容範囲で変わることがあり得るいずれの量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「約(about)」、「およそ(approximately)」、および「実質的に(substantially)」などの1つの用語または複数の用語によって修飾される値は、指定された正確な値に限定すべきではない。少なくともいくつかの事例においては、近似の文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここでは、明細書および特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限界値は、組み合わせても、および/または相互に置き換えてもよく、そのような範囲は、特定され、文脈または文言により別段の指示がない限り、その中に含まれるすべての副範囲を含む。
【0015】
本明細書に使用されるとき、用語「プロセッサ(processor)」および「コンピュータ(computer)」、ならびに関連用語、たとえば、「処理装置(processing device)」、「コンピューティング装置(computing device)」、および「コントローラ(controller)」は、当技術分野において、コンピュータと称されるそれらの集積回路のみに限定されるのではなく、広範に、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、および特定用途向け集積回路、ならびに他のプログラマブル回路を示し、これらの用語は、本明細書において相互に置換え可能に使用される。本明細書に説明される実施形態においては、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピュータ可読媒体、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体を含むことができるが、それらに限定されない。代替として、フロッピディスク、コンパクトディスク、すなわち読み取り専用メモリ(CD−ROM)、磁気光学ディスク(MOD)、および/またはデジタル多用途ディスク(DVD)が使用されてもよい。また、本明細書に説明される実施形態においては、追加の入力チャネルは、マウス、およびキーボードなどのオペレータインターフェースと関連するコンピュータ周辺機器とすることができるが、それらに限定されない。代替として、たとえば、スキャナを含み得るが、それに限定されない他のコンピュータ周辺機器が使用されてもよい。さらには、例示的な実施形態においては、追加的な出力チャネルは、オペレータインターフェースモニタを含み得るが、それに限定されない。
【0016】
さらには、本明細書に使用されるとき、用語「ソフトウェア(software)」、および「ファームウェア(firmware)」は、相互に置換え可能であり、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クライアント、およびサーバによって実行されるようにメモリの中に任意のコンピュータプログラム記憶部を含む。
【0017】
本明細書に使用されるとき、用語「非一時的コンピュータ可読媒体(non−transitory computer−readable media)」は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュールおよび副モジュール、または任意の装置の中の他のデータなどの短期的および長期的に情報を記憶するための技術の任意の方法において実装される任意の有形のコンピュータベースの装置を表すように意図される。そのため、本明細書に説明される方法は、限定ではなく、記憶装置および/またはメモリ装置を含んだ有形の非一時的コンピュータ可読媒体に具現化される実行可能命令として符号化され得る。そのような命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、本明細書に説明される方法の少なくとも一部分を行わせる。その上、本明細書に使用されるとき、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、限定ではなく、ファームウェアなどの揮発性および不揮発性媒体と取外し式および非取外し式の媒体、物理および仮想記憶部、CD−ROM、DVD、ならびにネットワークまたはInternetなどの任意の他のデジタルソースだけでなく、まだ開発されていないデジタル手段も含む、限定ではなく、非一時的コンピュータ記憶装置を含んだすべての有形のコンピュータ可読媒体を含み、唯一の例外は、一時的伝搬信号である。
【0018】
本明細書に使用されるとき、用語「実時間(real−time)」は、関連事象の発生時間、所定のデータの測定および収集時間、データを処理する時間、ならびに事象および環境へのシステム応答の時間のうちの少なくとも1つを指す。本明細書に説明される実施形態においては、これらの活動および事象は、実質的には、瞬時に起きる。
【0019】
本明細書に説明される受動的センサ、関連のRFカプラ、ならびに関連の感知および監視システムは、過酷な環境における拡張動作を促進する。具体的には、本明細書に説明されるような無線周波数(RF)カプラは、ヘリコプタロータ組立体の中でロータシャフトの周りに延びる保持リングの少なくとも一部の外周の周りに延びる2つのフレックスアンテナ(flex antenna)を使用する。より具体的には、2つのフレックスアンテナのうちの一方は、保持リングの第1の長手方向端部に近接して位置付けられ、2つのリングのうちの第2のリングは、第1の長手方向端部と対向する保持リングの第2の長手方向端部に近接して位置付けられる。各フレックスアンテナは、対向方向に延びる2つのアームを含み、共通の固定表面弾性波(SAW)ダイからそれぞれが、両アームに結合される。各フレックスアンテナのアームは、互いに直接、電気的に結合されず、それによって、ロータ組立体の組立の容易さが促進される。
【0020】
第1の固定SAWダイは、第1の固定SAWダイが、ロータシャフトの半径方向外側部分と、保持リングの半径方向内側部分との間に画定される環状領域内のロータシャフト上に位置付けられるように、保持リングの第1の長手方向端部の周囲に折り畳める。同様に、第2の固定SAWダイは、第2の固定SAWダイが、同じ環状領域内のロータシャフト上に位置付けられるように、保持リングの第2の長手方向端部の周囲に折り畳める。第1の固定SAWダイは、環状領域内の第2の固定SAWダイから円周方向180°に位置付けられる。SAW装置は、ロータシャフトにおけるトルクとひずみを測定するように構成されている。しかしながら、SAW装置はまた、たとえば、局所温度などの環境上、およびロータシャフトの回転速度などの動作上の他の条件を測定するようにも構成され得る。2つのフレックスアンテナを使用することにより、ロータシャフトの高回転速度によって作り出される過酷な条件における冗長性が促進される。また、保持リングに可撓性アンテナを結合すると、可撓性アンテナが保持リングと結合解除する可能性を軽減することによって、ヘリコプタの動作中断の軽減が促進される。
【0021】
1つの実施形態においては、2つのフレックスアンテナはそれぞれ、保持リングの外表面の外周の周りに完全には延びていないアームを含む。別の実施形態においては、2つのアームはそれぞれ、関連の固定SAWダイに対向して180°の円周方向に接する。さらなる別の実施形態においては、アームのうちの一方が、およそ半周、他方のアームにわたって延び、それによって、RFカプラからリーダアンテナ装置に送信されるRF信号の信号品位、たとえば、かつ限定ではなく、信号の品質を向上させる自己容量効果(self−capacitive effect)が促進される。その上、本明細書に説明される配置構成のうちのいずれにも必要でないように、2つのアームの重なり合っている配置構成には、接地面が必要でない。そのため、接地面と関連する材料が、組立体から取り除かれる。さらには、RF信号が接地接続部から後方に反射しないようにするために、交流インピーダンスに合わせるように通常は接地接続部に結合されている終端抵抗器もやはり、取り除かれる。
【0022】
フレックスアンテナをそのように使用することにより、ヘリコプタロータ組立体の製造の容易さと速さとが促進される。接着剤を使用してフレックスアンテナを保持リングに結合すると、RFカプラとリーダアンテナ装置との間に満足のいくRF結合品質が維持されるとともに、時として1分当たり25,000回転(rpm)以上であることもあるロータシャフトの高速速度を介してロータシャフトに誘起される高G力(high−G force)に、RFカプラが耐えることが容易になる。その上、本明細書に説明されるようなRFカプラの配置構成は、RFカプラの機械的不安定性をその効果的な固定によって抑えることを容易にする。
【0023】
図1は、例示的な回転機械100、すなわち、航空機、具体的には、ヘリコプタ100の概略斜視図である。代替として、回転機械100は、回転装置を使用する、限定でなく、実質的に連続的に一方向に回転運動を生み出すそれらの機械を含んだ任意の機械、たとえば、かつ限定ではなく、エアコンプレッサ(ガスタービンエンジン向けのものを含む)、高速ドリル、プロペラ駆動航空機、および風力タービンである。また、代替として、回転機械100は、逆回転運動を生み出す任意の機械、たとえば、かつ限定ではなく、電気洗濯機である。
【0024】
ヘリコプタ100は、胴体102と、胴体102に結合されたロータ組立体104とを含む。ロータ組立体104は、回転可能シャフト、すなわち、ロータシャフト106と、中央ハブ110からロータ先端部112へと外側にそれぞれが延びる複数のロータブレード108とを含む。ロータ組立体104はまた、さらに後述するように、ロータ組立体104の部分内の動作上および環境上の条件を感知し、監視することを容易にする内蔵された監視システム200を含む。例示的な実施形態においては、監視システム200は、本明細書に説明されるような監視システム200の動作を可能にする任意のコンピュータプログラムを内蔵した任意の処理装置、コンピューティング装置、およびコントローラ(図示せず)とを含む。監視システム200は、ロータシャフト106と、限定ではなく、ロータシャフト106におけるトルクおよびひずみ、ロータシャフト106に近接する局所温度、ならびにロータシャフト106の回転速度および位置を含んだ局所環境との実時間測定を記録することにより、ロータ組立体104およびヘリコプタ100の動作を促進する。監視システム200は、限定ではなく、条件ベースの保守システム、構造監視プログラム、機械の動作制御システム、計装スキーマ、技術開発検証、および製品検証についての遠隔監視を促進する。
【0025】
図2は、ヘリコプタ100(図1に示されている)とともに使用され得るロータ組立体104および監視システム200の例示的な一部分の概略図である。図3は、図2に示されているロータ組立体104および監視システム200の部分の概略斜視図である。ロータ組立体104は、ロータシャフト106と、ロータシャフト106の周りに少なくとも部分的に延びる、および例示的な実施形態においては、完全に延びる保持リング202とを含む。ロータシャフト106は、ロータシャフト106を通して延びる長手方向中心線軸204を画定する。保持リング202およびロータシャフト106は、それらの間に実質的に環状の空洞206を画定する。ロータシャフト106は、半径方向外側表面208を含み、保持リング202は、半径方向外側表面210および半径方向内側表面212を含み、ここでは、表面210および212は、それらの間に画定される空洞206全体にわたって互いから実質的に等距離にある。したがって、保持リング202およびロータシャフト106は、実質的には、長手方向軸204の周りの互いに同心円である。また、保持リング202は、半径方向外側表面210と半径方向内側表面212との間に延びており、長手方向軸204の周りに同心円状に延びている長手方向表面211を含む。その上、保持リング202およびロータシャフト106は、限定ではなく、ダブテール接合部とハードウェア留め具との締まり嵌めを含んだ、リング202のシャフト106との同期回転を可能にする任意の機構を介して回転可能に結合される。
【0026】
監視システム200は、保持リング202の半径方向外側表面210に結合された少なくとも1つの可撓性アンテナバンド222を含む無線周波数(RF)カプラ220を含む。例示的な実施形態においては、可撓性アンテナバンド222は、第1のバンドであり、RFカプラ220はまた、半径方向外側表面210に結合された第2の可撓性アンテナバンド224を含む。したがって、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224は、実質的には、長手方向軸204の周りの同心円である。半径方向外側表面210は、本明細書に説明されるような第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の部分を受けるために平坦である。
【0027】
図4は、静止ブラケット230および保持リング202の例示的な配置構成の概略図である。静止ブラケット230は、本明細書に説明されるようにロータ組立部104および監視システム200の動作を可能にする任意の手段を介して胴体102(図1に示されている)に結合される。図2図3、および図4を参照すると、静止ブラケット230は、保持リング202の周りに部分的に延びて、それらの間に通路232を画定する。静止ブラケット230の実際の配置構成は、通路232が、第1の部分234、第2の部分236、および第3の部分238を含むようにしてある。通路232の第1の部分234および第2の部分236は、静止ブラケット230と保持リング202との間に減少する距離を伴って実質的に同一であり、それにより、静止ブラケット230および保持リング202が、通路232の第3の部分238においてほぼ触れるようになる。通路232の第1の部分234および第2の部分236は、それらをより明瞭に示すように、図4においては、やや誇張して示されている。RFカプラ220はまた、周波数スペクトルのRFレンジにおける伝送により第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224に信号を送信するように構成されたリーダアンテナ240(図4には示されていない)を含み、それによって、バンド222および224に問合せが行われる。リーダアンテナ240はまた、周波数スペクトルのRFレンジにおける伝送を介して第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224から信号を受信するように構成され、それによって、バンド222および224の読取りが行われる。したがって、リーダアンテナ240は、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224にエネルギーを送信し、ここで、バンド222および224は、受動的に問合せが行われ、バンド222および224は、バンド222および224のそれぞれに結合されたRFセンサダイ(図4には示されていない)からの任意の変更された信号をリーダアンテナ240に受動的に送り返す。リーダアンテナ240は、導体242を介して、本明細書に説明されるように監視システム200の動作を可能にする任意の電源および任意の処理装置に結合される。
【0028】
図5は、無線周波数(RF)カプラ220の一部分の概略図である。図6は、図5に示されているRFカプラ220の部分の概略斜視図である。例示的な実施形態においては、保持リング202は、第1の長手方向表面211を含む第1の長手方向端部244と、第1の長手方向表面211に実質的に類似している第2の長手方向表面248を含む第2の長手方向端部246とを含む。第1の可撓性アンテナバンド222は、本明細書に説明されるようなRFカプラ220および監視システム200の動作を可能にする任意の接着剤を使用することにより、第1の長手方向端部244に近接して保持リング202の半径方向外側表面210の周りに延び、保持リング202の半径方向外側表面210に結合される。例示的な実施形態においては、第1の可撓性アンテナバンド222は、実質的には、無孔である。第2の可撓性アンテナバンド224もまた、本明細書に説明されるようにRFカプラ220および監視システム200の動作を可能にする任意の接着剤を使用することにより、第2の長手方向端部246に近接して保持リング202の半径方向外側表面210の周りに延び、保持リング202の半径方向外側表面210に結合される。第1の可撓性アンテナバンド222と対照的に、第2の可撓性アンテナバンド224は、表面210に対するバンド224の接着力の向上を促進する複数の穿孔250を含む。
【0029】
いくつかの実施形態においては、熱収縮材料226が、第1の可撓性アンテナバンド222と、第2の可撓性アンテナバンド224と、半径方向外側表面210の任意の残りの部分とにわたって位置付けられる。例示的な実施形態においては、熱収縮材料226は、第1の長手方向端部244から第2の長手方向端部246に延びる。代替として、熱収縮材料226は、第1の可撓性アンテナバンド222および/または第2の可撓性アンテナバンド224の一部分のみにわたって延びる。熱収縮材料226により、特にロータシャフト106の高速動作時に、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224が半径方向外側表面210から結合解除する可能性の低減が促進される。さらには、いくつかの実施形態においては、バイメタルリング(bimetallic ring)228が、半径方向外側表面210の一部分によって分離される第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の一部分にわたって位置付けられる。バイメタルリング228は、本明細書に説明されるようなバンド222および224の動作を妨げる可能性を抑えるように、中心導電性部分252から所定の距離に位置付けられる。バイメタルリング228により、特にロータシャフト106の高速動作時に、半径方向外側表面210のなおも露出された部分に近接している第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の部分が曲がりくねる可能性、および別の形で半径方向外側表面210から結合解除する可能性の低減が促進される。その上、いくつかの実施形態においては、バイメタルリング228ではなく、熱収縮金属バンド、またはバイメタルリング228に配置構成において類似するリング(図示せず)が使用される。さらには、いくつかの実施形態においては、熱収縮材料226ではなく、ガラス繊維撚糸巻き(fiber glass thread wrapping)(図示せず)が、第1の可撓性アンテナバンド222、第2の可撓性アンテナバンド224、および熱収縮材料226のものに類似する配置構成における半径方向外側表面210の任意の残りの部分の周囲に巻き付けられる。ガラス繊維撚糸巻きは、エポキシが含浸され、硬化されて、RFカプラ220の全体的な機械的剛性の向上を促進する。代替として、任意の配置構成における任意の材料が、本明細書に説明されるように監視システム200の動作を可能にする。図6においては、第2の可撓性アンテナバンド224の重なり領域251が示されている。可撓性アンテナバンドを重ね合わせることについては、さらに後述する。
【0030】
図7は、この例示的な実施形態においては、実質的に同一である第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224はともに、固定リーダアンテナ240(図2および図3に示されている)とのRF結合を確立するように構成されている。また、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224はともに、限定ではなく、本明細書に説明されるようなRFカプラ220および監視システム200の動作を可能にする電気伝導性およびインピーダンスを含んだ十分な電気特性を有する任意の導電性材料である中心導電性部分252を含み、そのような材料は、たとえば、かつ限定ではなく、銅を含む。また、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224はともに、2つの外側非導電性部分254を含む。例示的な実施形態においては、部分254は、限定ではなく、ポリイミドの薄膜または積層体を含んだ、本明細書に説明されるようなRFカプラ220および監視システム200の動作を可能にする任意の非導電性可撓性材料である。例示的な実施形態においては、中心導電性部分252は、可撓性ポリイミド積層体内に埋め込まれている。
【0031】
第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224はそれぞれ、RFセンサダイ256を含む。また、バンド222および224はそれぞれ、コネクタストリップ260を介してRFセンサダイ256に結合されており、かつRFセンサダイ256から延びている第1のアーム258を含む。第1のアーム258は、可撓性積層体の第1の部分262と、その中に埋め込まれている第1の可撓性電圧誘起導体(flexible voltage−inducing conductor)264とを含む。さらには、バンド222および224のそれぞれは、コネクタストリップ260を介してRFセンサダイ256に結合されており、かつRFセンサダイ256から延びている第2のアーム266を含む。第2のアーム266は、可撓性積層体の第2の部分268と、その中に埋め込まれている第2の可撓性電圧誘起導体270とを含む。
【0032】
図5図6、および図7を参照すると、第1の可撓性電圧誘起導体264がその中に埋め込まれている第1のアーム258が、長手方向軸204に対して時計回りの方向272にRFセンサダイ256から延びる。同様に、第2の可撓性電圧誘起導体268がその中に埋め込まれている第2のアーム266が、長手方向軸204に対して反時計回りの方向274にRFセンサダイ256から延びる。
【0033】
また、例示的な実施形態においては、第1の可撓性アンテナバンド222のコネクタストリップ260は、第1の長手方向端部244に近接して空洞206の中に第1の長手方向表面211にわたって折り畳まれて、摩擦嵌め(friction fit)により、ロータシャフト106の半径方向外側表面208にRFセンサダイ256を結合する。同様に、第2の可撓性アンテナバンド224のコネクタストリップ260は、第2の長手方向端部246に近接して空洞206の中に第2の長手方向表面248にわたって折り畳まれて、摩擦嵌めにより、ロータシャフト106の半径方向外側表面208にRFセンサダイ256を結合する。
【0034】
図8は、保持リング202に結合する前の第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。図9は、ロータシャフト106に対して保持リング202に結合する前の第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。図10は、保持リング202に少なくとも部分的に結合された第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。例示的な実施形態においては、バンド222のRFセンサダイ256は、接触領域276内でロータシャフト106に接触するように、空洞206(図2および図3に示されている)の中に挿入される。同様に、バンド224のRFセンサダイ256は、接触領域276に類似した、表面208に沿って180°の円周方向に位置付けられた接触領域(図示せず)内でロータシャフト106に接触するように、空洞206の中に挿入される。例示的な実施形態においては、バンド222のRFセンサダイ256は、温度、およびロータ組立体104の意図した使用に関連するロータシャフト106の速さに耐えるように構成されている強固な接着剤を用いて、接触領域276に結合される。代替として、限定ではなく、ろう付けを含んだ、接触領域276にバンド222のRFセンサダイ256を結合する任意の方法が使用される。
【0035】
図11は、例示的な重なり合っている配置構成280における第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。例示的な実施形態においては、AとBとの間に、バンド222の第1のアーム258が、バンド222の重なり領域282を画定するためのおよそ180°について第2のアーム266に重なり合う。同様に、第2の可撓性アンテナバンド224は、バンド222の重なり領域282に対向するAとBとの間の重なり領域284を画定する。代替として、本明細書に説明されるようなRFカプラ220および監視システム200の動作を可能にするアーム258および266の任意の量の重なりが使用される。本明細書に説明されるようにバンド222および224を重ね合わせると、RFカプラ220とリーダアンテナ240(図2および図3に示されている)との間のRF結合品質の向上をさらに促進する各バンド222および224内の自己容量効果の誘起が促進される。したがって、バンド222および224を重ね合わせると、高速動作中の信号品質の変動性を減少させることが促進される。
【0036】
図12は、例示的な隙間がある配置構成286における第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。バンド222の場合、第1のアーム258および第2のアーム266は、保持リング202の表面210にわたって円周方向に完全に延びて、RFセンサダイ256およびコネクタ260に対向するアーム258と266との間の隙間がある領域288を画定する。第2の可撓性アンテナバンド224も同様に構成されている。隙間がある領域288を画定すると、RFカプラ220の組立の加速化が促進される。
【0037】
図13は、例示的な完全リング配置構成290における第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224の概略図である。バンド222の場合、第1のアーム258および第2のアーム266は、保持リング202の表面210にわたって円周方向に完全に延びて、それにより、アーム258および266は、RFセンサダイ256およびコネクタ260に対向する、およそ円周方向に1つの点で触れるようになる。第2の可撓性アンテナバンド224も同様に構成されている。
【0038】
図2図3図5、および図6を参照すると、ヘリコプタ100および監視システム200の動作に際して、リーダアンテナ240は、RFスペクトルの所定の部分においてRFカプラ220に近接して電磁場(図示せず)を生成し、それによって、第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224に電磁場が照らされる。具体的には、リーダアンテナ240は、放射アンテナとして、励起し、動作するように命令され、それにより、アンテナバンド222および224は、受信側アンテナとして動作するようになる。第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224は、バンド222および224のうちの一方に異常が起きた場合に、ヘリコプタ100の動作を中断するいずれもの可能性を軽減する冗長バンドである。第1の可撓性アンテナバンド222および第2の可撓性アンテナバンド224はそれぞれ、RFセンサダイ156に動力供給するために、十分なエネルギーを受け取る。RFセンサダイ256は、ロータシャフト106に触れ、ダイ256は、たとえば、かつ限定ではなく、25,000rpmを超える半径方向高速度で回転しているロータシャフト106と関連する対象の特性を感知する。RFセンサダイ256は、対象の特性の変化を感知することを促進し、測定信号が、ダイ256によって生成され、アンテナバンド222および224に送信され、反射してリーダアンテナ240に向けて戻される電磁場(図示せず)を生成する。リーダアンテナ240は、反射信号を受信し、調整された電磁場を示す電圧および電流の信号を生成し、この電圧および電流の信号は、その中のプログラミングされた十分なアルゴリズムおよび命令を含む処理装置に送信されて、少なくとも1つの測定特性の値を示す信号を生成し、少なくとも1つの測定特性の値を示す信号を記録装置および表示装置のうちの少なくとも1つに送信する。
【0039】
本明細書に説明される上述の受動的センサ、関連のRFカプラ、ならびに関連の感知および監視システムは、過酷な環境における動作の拡張を促進する。具体的には、本明細書に説明されるような無線周波数(RF)カプラは、ヘリコプタロータ組立体内のロータシャフトの周りに延びる保持リングの少なくとも一部分の外周の周りに延びる2つのフレックスアンテナを使用する。各フレックスアンテナは、対向方向に延びる2つのアームを含み、共通の固定表面弾性波(SAW)ダイからそれぞれが、両アームに結合される。各フレックスアンテナのアームは、電気的に結合されず、それによって、ロータ組立体の組立の容易さが促進される。2つの固定SAWダイは、ロータシャフトの半径方向外側部分と保持リングの半径方向内側部分との間に画定される環状領域内でロータシャフトに近接して互いから円周方向180°に位置付けられる。SAW装置は、ロータシャフトにおけるトルクとひずみを測定するように構成されている。2つのフレックスアンテナおよび2つのSAWダイを使用することにより、ロータシャフトの高回転速度によって生み出される過酷な条件における冗長性が促進される。1つの実施形態においては、アームのうちの一方が、およそ半周、他方のアームにわたって延び、それによって、RFカプラからリーダアンテナ装置に送信されるRF信号を向上させる自己容量効果が促進される。その上、本明細書に説明される配置構成のうちのいずれにも必要でないように、2つのアームの重なり合っている配置構成には、接地面、または終端抵抗器が必要でない。そのため、接地面と関連する材料が、組立体から取り除かれる。フレックスアンテナをそのように使用することにより、ヘリコプタロータ組立体の製造の容易さと速さとが促進される。接着剤を使用してフレックスアンテナを保持リングに結合すると、高速動作中を含んで、RFカプラとリーダアンテナ装置との間に満足のいくRF結合品質が維持されるとともに、時として1分当たり25,000回転(rpm)以上であることもあるロータシャフトの高速速度を介してロータシャフトに誘起される高G力に、RFカプラが耐えることが容易になる。その上、本明細書に説明されるようなRFカプラの配置構成は、RFカプラの機械的不安定性をRFカプラダイの効果的な固定によって抑えることを容易にする。
【0040】
本明細書に説明される方法、システム、および機器の例示的な技術的効果は、(a)回転可能な構成要素と関連する感知および監視システム構成要素を、あまり材料を使用せずに、構成要素の組立がより容易なそのような回転可能な構成要素の製造中に組み立てることであり、それによって、それらが製造された後、それぞれの機械の中に挿入するための回転可能な構成要素を準備する際に費やされる時間と資源の量が抑えられること、(b)フレックスアンテナの部分を使用して、自己容量効果を得ることであり、それによって、RFカプラとリーダアンテナ装置との間のRF品質が向上し、したがって、高速動作中の信号品質の変動性が減少すること、(c)関連のロータ組立体内の最も適切な、かつ望ましい位置に、センサ構成要素を配置することを促進すること、(d)過酷な環境に、精巧なチップ特徴を有していないセンサを位置付けることであり、それによって、より強固な感知装置が促進されること、(e)2つのフレックスアンテナおよび2つのロータダイを使用して、ロータシャフトの高回転速度によって生み出される過酷な条件における冗長性を向上させること、(f)組立体から接地面および終端抵抗器を取り除くことであり、それによって、組立の時間、材料、および費用がさらに減少すること、ならびに(g)RFカプラを効果的に固定することによって、RFカプラの機械的不安定性を抑えること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
回転機械を動作させるための方法、システム、および機器の例示的な実施形態は、本明細書に説明される具体的な実施形態に限定されるのではなく、むしろ、システムの構成要素および/または方法のステップは、本明細書に説明される他の構成要素および/またはステップと無関係に、かつ分離して利用され得る。たとえば、方法、システム、および機器はまた、過酷な環境、および関連の方法における構成要素の監視が必要な他のシステムとの組合せで使用されてよく、本明細書に説明されるようなシステムおよび方法のみを用いて実践するように限定されない。むしろ、例示的な実施形態は、本明細書に説明されるRF結合特徴を有する受動的ワイヤレスセンサを使用することから便益を得ることが可能な多くの他の適用例、装備、およびシステムと関係して、実装可能であり、利用可能である。
【0042】
本開示の様々な実施形態の具体的な特徴は、一部の図面には示されていても、他の図面には示されていないこともあるが、これは、単に便宜上にすぎない。本開示の原理により、ある図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴との組合せで参照され、かつ/または特許請求され得る。
【0043】
いくつかの実施形態は、1つまたは複数の電子装置もしくはコンピューティング装置の使用を含む。そのような装置は、典型的には、汎用中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(reduced instruction set computer:RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号処理(DSP)装置、および/または本明細書に説明される機能を実行することができる任意の他の回路もしくは処理装置など、プロセッサ、処理装置、あるいはコントローラを含む。本明細書に説明される方法は、限定ではなく、記憶装置、および/またはメモリ装置を含んだ、コンピュータ可読媒体の中に具現化された実行可能な命令として符号化され得る。そのような命令は、処理装置によって実行されるとき、処理装置に、本明細書に説明される方法の少なくとも一部分を行わせる。上記の例は、例示にすぎず、したがって、プロセッサおよび処理装置という用語定義ならびに/または意味付けをいかなる形でも限定するように意図されていない。
【0044】
本明細書は、例を使用して、最良モードを含んだ実施形態を開示し、また当業者が、任意の装置またはシステムを作製し使用すること、および任意の組み込まれた方法を行うことを含んだ実施形態を実践することを可能にする。本開示の特許請求可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが、特許請求の範囲の文字通りの文言と異なっていない構造上の要素を有する場合、またはそれらが、特許請求の範囲の文字通りの文言と実質的には異なっていない等価な構造上の要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものと意図される。
【符号の説明】
【0045】
100 ヘリコプタ
102 胴体
104 ロータ組立体
106 ロータシャフト(回転可能シャフト)
108 ロータブレード
110 中央ハブ
112 ロータ先端部
200 監視システム
202 保持リング
204 長手方向中心線軸
206 空洞
208 半径方向外側表面(ロータシャフト)
210 半径方向外側表面(保持リング)
211 第1の長手方向表面(保持リング)
212 半径方向内側表面(保持リング)
220 無線周波数(RF)カプラ
222 第1の可撓性アンテナバンド
224 第2の可撓性アンテナバンド
226 熱収縮材料
228 バイメタルリング
230 静止ブラケット
232 通路
234 通路の第1の部分
236 通路の第2の部分
238 通路の第3の部分
240 リーダアンテナ
242 導体
244 第1の長手方向端部(保持リング)
246 第2の長手方向端部(保持リング)
248 第2の長手方向表面(保持リング)
250 穿孔
251 重なり領域
252 中心導電性部分
254 外側非導電性部分(可撓性積層体)
256 RFセンサダイ
258 第1のアーム
260 コネクタストリップ
262 可撓性積層体の第1の部分
264 第1の可撓性電圧誘起導体
266 第2のアーム
268 可撓性積層体の第2の部分
270 第2の可撓性電圧誘起導体
272 時計回りの方向
274 反時計回りの方向
276 接触領域
280 重なり合っている配置構成
282 重なり領域
284 重なり領域
286 隙間がある配置構成
288 隙間がある領域
290 触れている配置構成
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13