(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャップが開口と開口に提供されたフランジ付き部分とを含み、1つ以上のキャップ係合メカニズムがキャップの開口内に嵌合するように構成され、キャップのフランジ付き部分が1つ以上のキャップ係合メカニズムの下で空隙に収容される、請求項1に記載の装置。
第1の傾斜した壁が、管状部材の長手方向軸に対して20°までの角度で突出するように構成され、第2の傾斜した壁が、管状部材の長手方向軸に対して30°から60°の角度で突出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
管状部材の側壁に沿って長手方向に延伸する1つ以上のスロットをさらに備え、前記1つ以上のスロットが、針シールドとの装置の組み立ての間に側壁の半径方向外向きの移動を可能にするように構成されかつ位置決めされている、請求項1に記載の装置。
装置の中心長手方向軸の周りの実質的に固定された角度位置で切り欠き部分の位置合わせを維持するために管状部材の外表面上で長手方向に延伸する、1つ以上の溝または突起をさらに含む、請求項1に記載の装置。
遠位キャップが開口と開口に提供されるフランジ付き部分とを含み、1つ以上のキャップ係合メカニズムがキャップの開口内に嵌合するように構成され、遠位キャップのフランジ付き部分は1つ以上のキャップ係合メカニズムの下で空隙に収容される、請求項14に記載の自動注入デバイス。
針シールドリムーバが、管状部材の側壁に設けられた2つの開口をさらに備え、2つのシールド係合メカニズムの各々が、前記2つの開口の各開口に設けられている、請求項14に記載の自動注入デバイス。
キャップおよび針シールドリムーバが、単一の組立体を形成し、キャップおよび針シールドリムーバが、長手方向軸に沿って互いに対して移動するように構成されている、請求項14に記載の自動注入デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0013】
従来の自動注入デバイスの設計に関する1つの問題は、柔らかい針シールドおよび/または硬い針シールドをシリンジから取り外すように柔らかい針シールドおよび/または硬い針シールドを信頼可能に係合するメカニズムを提供することにある。例えば、特定の従来の自動注入デバイスにおいて、取り外し可能な遠位キャップは、シリンジ本体と針シールドとの間に形成される空隙内の位置に嵌め込むメカニズムを含む。取り外し可能な遠位キャップが取り外された時に、キャップ内のメカニズムは、キャップと針シールドの係合により針シールドも取り外されることを可能にする。しかしながら、製造工程の間に生じる構成要素の公差や構成要素の他のばらつきにより、従来の自動注入デバイスにおいては、シリンジ本体と針シールドとの間に形成される空隙に常に嵌合する針シールド取り外しメカニズムを達成することは困難である。同じ理由で、従来の自動注入デバイスにおいて、針シールド取り外しメカニズムが針シールドと係合して維持されることと、針シールドを取り外すためにユーザがキャップを取り外した時に針シールド取り外しメカニズムが針シールドに適切なレベルの力を加えることとを確実にすることが困難である。
【0014】
例示的な実施形態は、取り外し可能な遠位キャップがデバイスの遠位端から取り外された時に、1つ以上の針シールドを信頼可能に係合して取り外す針シールドリムーバを提供することによって従来の自動注入デバイスの欠陥に対処する。例示的な針シールドリムーバは、1つ以上の針シールドと、デバイスの遠位端を覆う取り外し可能な遠位キャップとから別々に提供されてもよい。針シールドリムーバは、1つ以上の針シールドと信頼可能に係合する内側に突出する1つ以上のシールド係合メカニズムと、取り外し可能な遠位キャップと信頼可能に係合する1つ以上のキャップ係合メカニズムとを含んでもよい。ユーザがデバイスの遠位端を覆う取り外し可能な遠位キャップを取り外した時に、例示的な針シールドリムーバはシリンジから針シールドを信頼可能に取り外すことにより、注入を行うために注入針を露出させる。
【0015】
本出願が優先権を主張する、2011年1月24日出願の米国仮特許出願第61/435,467号は、取り外し可能な遠位キャップと、自動注入デバイスへの取り外し可能な遠位キャップの配置前に遠位キャップに取り付けられる針シールドリムーバとに関連して、「フロート」という概念を利用する一部の例示的な針シールドリムーバを教示する。2011年1月24日出願の米国仮特許出願第61/435,467号はまた、取り外し可能な遠位キャップと、自動注入デバイスに取り付けられる針シールドリムーバとに関して、「フロート」という概念を利用しない「フロートがない」一部の例示的な針シールドリムーバを教示する。
【0016】
「フロート」という概念は、単一の組立体を形成すると共に、自動注入デバイスに取り付ける間に組立体の一部として長手方向軸に沿って互いに対して滑動する針シールドリムーバおよび取り外し可能な遠位キャップの構造、機能、および動作を指し、この場合、相対運動は、組み立てられた構成要素における製造ばらつきの原因となる許容可能な公差を超える。「フロート」の利用は、針シールドリムーバが針シールドに係合される前に事前に組み立てられた、針シールドリムーバと取り外し可能な遠位キャップとで形成された単一の組立体を指す。すなわち、「フロート」を利用する自動注入デバイスにおいて、事前に組み立てられた取り外し可能な遠位キャップと針シールドリムーバとは、シリンジが自動注入デバイスに装填された後に針シールドと自動注入デバイスとに係合された1つの組立体を形成する。事前に組み立てられた取り外し可能な遠位キャップと針シールドリムーバとは少なくとも2段階で自動注入デバイスに係合され、その段階においては、遠位キャップが最初に自動注入デバイスに係合され、次に、遠位キャップは自動注入デバイスに係合されたままであるが、針シールドリムーバが第1の位置から第2の係合位置に長手方向軸に沿って滑動することによって針シールドに係合される。
【0017】
本出願で教示される他の例示的な針シールドリムーバと遠位キャップとは「フロートがなく」、自動注入デバイスにおいて針シールドリムーバと取り外し可能な遠位キャップとを適切かつ信頼可能に組み立てるために「フロート」という概念に依存しない。「フロートがない」または「フロートがないこと」という概念は、単一の組立体として事前に組み立てられず、針シールドに針シールドリムーバを係合させるように自動注入デバイスに取り付ける間に長手方向軸に沿って互いに滑動するようには構成されていない例示的な針シールドリムーバおよび取り外し可能な遠位キャップの構造、機能、および動作を指し、この場合、相対運動は、組み立てられた構成要素の製造ばらつきの原因となる許容可能な公差を超える。すなわち、「フロート」を利用しない(すなわち「フロートがない」)自動注入デバイスにおいて、取り外し可能な遠位キャップと例示的な針シールドリムーバとは事前に組み立てられず、1つの組立体を形成しない。すなわち、例示的な「フロートがない」実施形態において、例示的な針シールドリムーバは、自動注入デバイスの筐体の中にシリンジと針シールドリムーバとの組立体を挿入する前にシリンジに取り付けられる針シールドに係合させられる組立体である。今度は、取り外し可能な遠位キャップが次に1段階の工程でデバイスに係合され、その工程では、デバイスの筐体の遠位端に遠位キャップを結合させることがまた、針シールドリムーバと遠位キャップを係合する。「フロートがない」実施形態における取り外し可能な遠位キャップおよび針シールドリムーバの構造、機能、および動作は、1つの組立体としての事前組み立てを考慮せず、取り外し可能な遠位キャップに取り付けられた針シールドリムーバが長手方向軸に沿って第1の位置から係合位置に動くことを考慮しない。
【0018】
例示的な針シールドリムーバと遠位キャップとを組み立てるために「フロート」という概念に頼らない自動注入デバイスは「フロート」の概念に頼る自動注入デバイスよりも有利である。なぜならば、「フロート」を使用する自動注入デバイスにおける針シールドリムーバと遠位キャップとの間の相対運動に対する依存は、針シールドと針シールドリムーバの信頼できない不適切な係合のリスクを増加させることにより、組立体の堅牢性を低下させるからである。
【0019】
さらに、例示的な実施形態において、デバイスの筐体や遠位キャップの外で針シールドと例示的な針シールドリムーバを組み立てることが出来ることが、針シールドリムーバがシリンジ本体と針シールドとの間の間隙と適切かつ信頼可能に係合されることを確実にするように組み立て工程の目視検査を可能にする。
【0020】
1.定義
例示的な実施形態の理解を容易にするためにこの節において特定の用語が定義される。
【0021】
本明細書において使用される通り、「自動注入デバイス」および「自動注入器」という用語は、治療効果のある用量の治療薬を患者が自己投与することを可能にするデバイスを指し、注入によって患者に治療薬を自動的に送達するためのメカニズムが係合され、該メカニズムを含むことによって、デバイスは従来のシリンジとは異なる。
【0022】
本明細書において使用される通り、「器」および「容器」という用語は、1回分の用量の治療薬を保持するために例示的な自動注入デバイスで使用される可能性があるシリンジまたはカートリッジを指す。
【0023】
本明細書において使用される通り、「シリンジ」および「カートリッジ」という用語は、患者に治療薬を投与するために患者または医療の専門家ではない他の人にデバイスを配布または販売する前に、1回分の用量の治療薬で満たされた、自動注入デバイスの滅菌バレル部分を指す。例示的な実施形態において、シリンジのバレル部分の遠位端は滅菌皮下注射注入針に結合されてもよい。例示的な実施形態において、カートリッジのバレル部分の遠位端は注入針に結合されなくてもよい。すなわち、例示的な実施形態において、シリンジは、バレル部分に結合された事前に取り付けられた注入針を有するカートリッジであってもよい。
【0024】
シリンジ組立体に関して本明細書において記載される例示的な実施形態もまたカートリッジ組立体を使用して実装されてもよい。同様に、カートリッジ組立体に関して本明細書において記載される例示的な実施形態もまたシリンジ組立体を使用して実装されてもよい。
【0025】
本明細書において使用される通り、「事前に満たされたシリンジ」という用語は、治療薬を患者に投与する直前に治療薬で満たされたシリンジと、治療薬で満たされて、治療薬を患者に投与するまで一定の期間この事前に満たされた形態で貯蔵されるシリンジとを指す。
【0026】
本明細書において使用される通り、「注入針」および「針」という用語は、患者の身体に1回分の用量の治療薬を送達するために患者の身体に挿入される、自動注入デバイスにおける針を指す。例示的な実施形態において、注入針は、1回分の用量の治療薬を保持するシリンジ組立体またはカートリッジ組立体に直接結合されても、別の方法で接触させられてもよい。別の例示的な実施形態において、注入針は、例えば、シリンジの針、および/またはシリンジ組立体またはカートリッジ組立体と注入針との間の流体連通を提供する移送メカニズムを介してシリンジ組立体またはカートリッジ組立体に間接的に結合されてもよい。
【0027】
本明細書において使用される通り、「熱可塑性材料」という用語は、加熱された時に軟化または溶解し、冷却された時に再び硬化し硬くなる性質を有する材料を指す。熱可塑性材料は認知可能な化学的変化を全く伴うことなく繰り返し再溶解や冷却することが出来る。熱可塑性物質は、加熱された時には液体に変わり、充分に冷却された時には非常にガラス状の状態に凝固するポリマーである。大部分の熱可塑性物質は、連鎖が弱いファンデルワールス力を通じて連結する高分子ポリマー(ポリエチレン)、連鎖が強い双極子−双極子相互作用や水素結合を通じて連結する高分子ポリマー(ナイロン)、または連鎖が芳香環の積み重ねを通じて連結する高分子ポリマー(ポリスチレン)である。熱可塑性ポリマーは熱硬化性ポリマーとは異なり再溶解したり再成形したりすることが出来るので、熱可塑性ポリマーは熱硬化性ポリマー(加硫ゴム)とは異なる。多くの熱可塑性材料が付加重合体、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのビニル連鎖成長ポリマーである。
【0028】
本明細書において使用される通り、「注入前状態」は、デバイスの作動の前、すなわち、デバイス中に含有される治療薬の送達開始前の自動注入デバイスの状態を指す。
【0029】
本明細書において使用される通り、「注入状態」という用語はデバイス中に含有される治療薬の送達の間の自動注入デバイスの1つ以上の状態を指す。
【0030】
本明細書において使用される通り、「注入後状態」という用語は、デバイス中に含有される治療効果のある用量の治療薬の送達の完了を指すか、または治療効果のある用量の治療薬の送達の完了前の患者からのデバイスの取り外しを指す。
【0031】
本明細書において使用される通り、「患者」または「ユーザ」という用語は、例示的な自動注入デバイスを使用して物質を投与される可能性があるあらゆる種類の動物、ヒト、または非ヒトを指す。
【0032】
本明細書において使用される通り、「近位」という用語は、デバイスが、注入のために、または注入を真似るために患者に対して保持された時に、患者の身体上の注入部位から最も遠い、例示的な自動注入デバイスの部分、端、または構成要素を指す。
【0033】
本明細書において使用される通り、「遠位」という用語は、デバイスが、注入のために、または注入を真似るために患者に対して保持された時に、患者の身体上の注入部位から最も近い、例示的な自動注入デバイスの部分、端、または構成要素を指す。
【0034】
「平面」という用語は、正確な平面、または正確な平面から何らかの公差の範囲内のほぼ平面を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0035】
「凹形」という用語は、正確な凹形、または正確な凹形から何らかの公差の範囲内のほぼ凹形を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0036】
「凸形」という用語は、正確な凸形、または正確な凸形から何らかの公差の範囲内のほぼ凸形を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0037】
「楕円形」という用語は、正確な楕円形、または正確な楕円形から何らかの公差の範囲内のほぼ楕円形を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0038】
「卵形」という用語は、正確な卵形、または正確な卵形から何らかの公差の範囲内のほぼ卵形意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0039】
「長方形」という用語は、正確な長方形、または正確な長方形から何らかの公差の範囲内のほぼ長方形を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0040】
「平行」という用語は、正確な平行、または正確な平行から何らかの公差の範囲内のほぼ平行を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0041】
「直線」という用語は、正確な直線、または正確な直線から何らかの公差の範囲内のほぼ直線を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0042】
「等しい」という用語は、正確な等しさ、または何らかの公差の範囲内のほぼ等しいを意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0043】
「隣接した」という用語は、すぐ隣接、または何らかの公差の範囲内のほぼ隣接を意味するような広い状態の意味で本明細書において使用される。
【0044】
「横断軸」という用語は、長手方向軸に対して実質的に垂直な軸を指すように本明細書において使用される。
【0045】
「内側に突出する」という用語は、針シールドリムーバ上の1つ以上のタブまたは歯が、長手方向軸に沿って長さ方向に延伸し、そして、針シールドリムーバの管状構造に取り付けられる近位端と、針シールドリムーバの管状構造から離れ、管状構造の内部空洞の中に内側に突出する遠位端とを有することを指すように本明細書において使用される。
【0046】
II.例示的な針シールドリムーバ
例示的な実施形態において、針シールドリムーバは、注入針を覆うための針シールドとは別個であり、自動注入デバイスの遠位端を覆うための取り外し可能な遠位キャップとは別個である構成要素として提供されてもよい。針シールドリムーバはデバイス筐体からの遠位キャップの取り外しが針シールドリムーバをも自動的に取り外すような取り外し可能な遠位キャップとの係合のために構成された1つ以上のキャップ係合メカニズムを含んでもよい。針シールドリムーバは(硬い針シールドを含むデバイスにおいて)硬い針シールドとの直接または間接的な係合、および/または(柔らかい針シールドを含むが硬い針シールドを欠くデバイスにおいて)柔らかいシールドとの直接または間接的な係合のために構成された1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムを含んでもよい。針シールドリムーバが(例えば、針シールドリムーバに係合させられた遠位キャップの取り外しによって)デバイス筐体から取り外された時に、針シールドリムーバは針シールドに係合させられるので、これが針シールドリムーバに係合させられた針シールドの取り外しをもたらす。
【0047】
例示的な針シールドリムーバは遠位キャップと針シールドとの両方に対する素早く簡単で信頼可能な係合のために構成および設計される。1つ以上の例示的な方法は、シリンジに結合された針シールドに例示的な針シールドリムーバを組み立てるために使用されてもよい。例示的な方法において、シリンジがデバイスの筐体の中に挿入された後に、例示的な針シールドリムーバがシリンジと結合された針シールドと組み立てられてもよい。別の例示的な方法において、遠位キャップおよびシリンジとは別個の構成要素として提供される例示的な針シールドリムーバが、デバイスの筐体の中へのシリンジの挿入前に、シリンジに結合された針シールドと組み立てられてもよい。デバイス筐体の外側で針シールドに針シールドリムーバを組み立てることが出来ることは、組立プロセスの目視検査により、シリンジ組立体がデバイス筐体の中に挿入される前に針シールドリムーバがシリンジ上で針シールドを信頼可能に係合することを確実にすることを可能にする。このように、自動注入デバイスにおける例示的な針シールドリムーバの組立は、シリンジ組立体がデバイス筐体の中に挿入された時に、針シールドリムーバが針シールドと信頼可能かつ適切に係合させられることを確かにすることを可能にすることにより、従来の自動注入デバイスにおける針シールド取り外しメカニズムの配置が信頼できないという問題を解決する。
【0048】
図2Aから
図2Dはシリンジ202と遠位キャップ204とに係合させられた例示的な針シールドリムーバ200を例示する。
図2Aはシリンジに係合させられた例示的な針シールドリムーバの側面図を例示する。
図2Bは約90°回転させられた、
図2Aの例示的な針シールドリムーバの別の側面図を例示する。
図2Cはシリンジと遠位キャップとに係合させられた、
図2Aと
図2Bとの例示的な針シールドリムーバの断面斜視図を例示する。
図2Dは
図2Cの例示的な遠位キャップの底面図であり、遠位キャップに対する針シールドリムーバの係合を示す。例示的な針シールドリムーバ200の長さは約10mmから約50mmの範囲であり得るが、この例示的な範囲には限定されない。
【0049】
図2Aから
図2Dは例示的な針シールドリムーバの構造と機能と動作とを概略的に記載する目的で提示される。限定するものではない一定の特定の針シールドリムーバの例示的な実施形態が
図5から
図24に関して記載される。
【0050】
図2Aから
図2Dの例示的な実施形態において、注入針(図示せず)がシリンジ202の遠位端に結合される。針は柔らかい針シールド206で覆われ、次に、柔らかい針シールド206は硬い針シールド208の中に配置されて覆われる。柔らかい針シールド206の一部分は
図2Bに示される通り硬い針シールド208における1つ以上の開口を通って延伸してもよい。例示的な針シールドリムーバ200は硬い針シールド208を覆って配置される。針シールドリムーバ200がシリンジ202に対する針シールドリムーバ200の係合から取り外された時に、針シールドリムーバ200は針シールドの全てを取り外すように使用されてもよい。
【0051】
例示的な針シールドリムーバ200は単一の管状部材を含んでもよい。他の例示的な実施形態において、針シールドリムーバ200は2つ以上の管状部材を含んでもよい。
図2Aから
図2Dに例示された例示的な実施形態において、例示的な針シールドリムーバ200は近位管状部材210を含んでもよく、近位管状部材210は、一部の例示的な実施形態において、近位管状部材210の遠位縁において遠位管状部材212に一体的に結合される。遠位管状部材212は近位管状部材210よりも小さい外径と短い長さとを有してもよく、長手方向軸Lに沿って、近位管状部材210よりも短い、針シールドリムーバ200の長さに沿って延伸してもよい。遷移部分214は近位管状部材210と遠位管状部材212との間で延伸してもよい。例示的な遷移部分214は、段階的遷移、傾斜した遷移、または両者の組み合わせであってもよい。
【0052】
遠位管状部材212は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。遠位管状部材212の遠位端において、遠位管状部材212の側壁は、取り外し可能な遠位キャップに向かって遠位管状部材212の表面から長手方向に突出する1つ以上のプラットフォーム構造を含んでもよい。例示的な実施形態において、プラットフォーム構造は、第1の長手方向に突出する部分216aと、第2の長手方向に突出する部分216bと、プラットフォーム構造の遠位端において、長手方向に突出する部分216a、216b間で延伸する横断方向部分216cとを含んでもよい。横断方向部分216cは一例示的な実施形態において1つ以上のキャップ係合メカニズムを支持してもよい。
【0053】
プラットフォーム構造の遠位端において、例示的なプラットフォーム構造は、プラットフォーム構造から半径方向外側に突出する1つ以上のキャップ係合メカニズム218a、218bを支持または画定もしくは提供してもよい。例示的なキャップ係合メカニズムは、突起、歯、クリップ、および他の適切な係合メカニズムの形態を取ってもよい。例示的なキャップ係合メカニズム218a、218bは任意の適切な寸法と構造とを有してもよい。キャップ係合メカニズムの例示的な長さは、約1mm、約2mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、間にある全ての数字などを含んでもよいが、それらには限定されない。
【0054】
図2Aと
図2Bとに例示された例示的な実施形態において、第1のキャップ係合メカニズム218aと第2のキャップ係合メカニズム218bとが、プラットフォーム構造の両側に提供され、すなわち約180°だけ互いから離される。
図2Aと
図2Bとに例示された例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズムは、別個に提供され、互いから間隔を置かれる。別の例示的な実施形態において、単一のキャップ係合メカニズムがプラットフォーム構造の周りにおいて環状で延伸するように提供されてもよい。例示的な針シールドリムーバはプラットフォーム構造から延伸する任意の適切な数のキャップ係合メカニズム含んでもよく、任意の適切な数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つなどを含むが、それらには限定されないことを当業者は認識する。
【0055】
キャップ係合メカニズム218a、218bのそれぞれの第1の端は、プラットフォーム構造に結合されても、プラットフォーム構造と一体で提供されてもよく、キャップ係合メカニズム218a、218bのそれぞれの第2の端は、キャップ係合メカニズムの第2の端と遠位管状部材212との間で、対応する空隙220a、220bの上に垂下させられてもよい。針シールドリムーバを覆うために提供される取り外し可能な遠位キャップ204と針シールドリムーバ200の組み立ての間に、キャップ係合メカニズム218a、218bは、キャップの取り外しが針シールドリムーバ200をも自動的に取り外すようにキャップ204に結合されてもよい。
【0056】
図2Cは中央開口226が長手方向軸Lに沿って提供される取り外し可能な遠位キャップ204の断面斜視図を例示する。
図2Dは遠位キャップ204の遠位面222の底面図であり、遠位キャップ204に対する針シールドリムーバ200の係合を示す。1つ以上の内側に突出する停止部分228a、228b(例えば、フランジまたは隆起縁)が遠位キャップ204の中央開口226の内表面に提供されてもよい。
図2Cと
図2Dとの例示的な実施形態において、内側に突出する停止部分228a、228bは中央開口226の周囲全体に沿って延伸しなくてもよい。別の例示的な実施形態において、内側に突出する停止部分は中央開口226の周囲全体に沿って延伸してもよい。
【0057】
図2Cに示される通り、針シールドリムーバ200の1つ以上のキャップ係合メカニズム218a、218bは遠位キャップ204の開口226を通って嵌合するように作られてもよい。針シールドリムーバ200と遠位キャップ204とのこの組み立てられた構成において、遠位キャップ204の開口226に提供される内側に突出する停止部分228a、228b(例えば、フランジ、または隆起縁)は針シールドリムーバ200の空隙220a、220bの中に信頼可能に配置されてもよい。これは、針シールドリムーバ200が、組み立ての際と、デバイス筐体からのキャップ204の取り外しの間とに、遠位キャップ204に信頼可能に係合されることを可能にすることにより、デバイス筐体からの遠位キャップ204の取り外しが針シールドリムーバ200をも自動的に取り外すようにする。針シールドリムーバ200が1つ以上の針シールド206、208に信頼可能に係合させられるので、針シールドリムーバの取り外しが次に針シールドをも自動的に取り外す。
【0058】
内側に突出する停止部分228a、228bが針シールドリムーバ200の空隙220a、220bの中に配置されるように、キャップ係合メカニズム218a、218bは遠位キャップ204の開口226における適切な場所に嵌ってもよい。例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズム218a、218bが遠位キャップ204と係合させられた時には、針シールドリムーバ200を覆う遠位キャップ204の挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、遠位キャップ204の内側に突出する停止部分228a、228bが針シールドリムーバ200の空隙220a、220bの中に信頼可能に配置されたことを決定するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズム218a、218bが遠位キャップ204と係合させられた時には、遠位キャップ204が針シールドリムーバ200と首尾よく係合させられたということの可聴表示を提供するために、可聴「クリック」音が発せられてもよい。
【0059】
針シールドリムーバ200の近位管状部材210は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。第1の管状部材210の側壁は柔らかい針シールド206と硬い針シールド208とによって覆われた注入針を収容するための実質的に円筒形の空洞を囲んで画定してもよい。
【0060】
近位管状部材210の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材210の側壁は、シリンジ202の本体と硬い針シールド208の近位縁との間に形成された空隙232の中に信頼可能に配置されたままであるように側壁によって付勢させられる1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bを画定してもよく、および/または含んでもよい。
図2Aと
図2Bとの例示的な実施形態において、第1の内側に突出するシールド係合メカニズム230aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム230bとは針シールドリムーバ200の両側に提供され、すなわち約180°だけ互いから離される。
【0061】
内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは組立プロセスの間に空隙232に配置されてもよく、デバイスの使用の間に空隙に信頼可能に配置されてもよい。注入針を覆う取り外し可能な遠位キャップが(矢印Rによって示された方向に引っ張ることによって)注入を行う前に取り外された時に、内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bが硬い針シールド208の周囲縁に対して方向Rで力を及ぼすことにより、シリンジ本体202から離れるように方向Rに硬い針シールド208と柔らかい針シールド206とを引っ張り、注入を行うために注入針を露出させる。
【0062】
例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは、針シールドリムーバがデバイスから取り外された時に、針シールドリムーバ200が硬い針シールド208と係合されたままであることにより、シリンジ202の本体から硬い針シールド208を信頼可能に取り外すことを確実なものにするために充分な力で空隙232に対して付勢させるように構成されてもよい。例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは、針シールドリムーバがシリンジから離れるように引っ張られた時に、硬い針シールドを取り外すために充分な力を加えるために充分な範囲または幅にわたる空隙232と相互作用するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、空隙232と相互作用する例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bの幅は、約3mmから約7mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。例示的な実施形態において、空隙232と相互作用する内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bの縁は実質的に直線であってもよい。別の例示的な実施形態において、空隙232と相互作用する内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bの縁は鋸歯状であってもよい。
【0063】
例示的な実施形態において、内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bにおける、針シールドリムーバ200の内径は、硬い針シールド208の外径よりも小さくてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bにおける、針シールドリムーバ200の内径はまたシリンジ本体202の外径よりも小さくてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bにおける針シールドリムーバ200の内径はシリンジ本体と硬い針シールド208の近位端との間に形成された空隙232の外径と実質的に等しくてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bのこの構成が、脱着が最小しきい値レベルの力を必要とするような信頼可能でしっかりとした方法で空隙232における適切な場所にシールド係合メカニズムが嵌ることを可能にする。この構成はまた、針シールドリムーバ200がシリンジ本体から離れるように引っ張られる前に、空隙232からの内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bのクリープを防ぐ。
【0064】
針シールドリムーバ200の例示的な内径は約5mmから約20mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。針シールドリムーバ200の例示的な内径は一部の例示的な実施形態において約8mmから約1mmの範囲であってもよい。針シールドリムーバ200の例示的な内径は例示的な実施形態において約8.5mmであってもよい。針シールドリムーバ200の例示的な内径は別の例示的な実施形態において約11mmであってもよい。
【0065】
針シールドリムーバ200が硬い針シールド208を覆って挿入されると、内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは空隙232における適切な場所に嵌ってもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bが空隙232における適切な場所に嵌る時に、硬い針シールド208を覆う針シールドリムーバ200の挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bが空隙232に首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙232内における内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bの配置は、針シールドリムーバ200が硬い針シールド208と首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0066】
例示的な針シールドリムーバは任意の適切な数の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bを含んでもよく、任意の適切な数とは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つなどを含むが、それらには限定されないことを当業者は認識する。例示的な内側に突出するシールド係合メカニズムは、突起、歯、クリップ、および他の適切な係合メカニズムの形態を取ってもよい。
【0067】
図2Aと
図2Bとに例示された例示的な実施形態において、1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bはシリンジ202の本体と硬い針シールド208の近位縁との間に形成された空隙232内に信頼可能に常に嵌合するように構成され配置される。別の例示的な実施形態において、1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bが硬い針シールド208における開口(例えば、
図1Aに例示された例示的な開口108)と信頼可能に常に係合させられるように構成および配置されてもよい。これが、ユーザによって取り外された遠位キャップ204との針シールドリムーバ200の係合によって針シールドリムーバ200がデバイス筐体から取り外された時に、針シールドリムーバ200の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bによる硬い針シールド208(および結合されている柔らかい針シールド206)の自動的な取り外しを可能にする。
【0068】
別の例示的な実施形態において、1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは、硬い針シールド208における隆起部分(例えば、
図1Aに例示された例示的な隆起部分110)と信頼可能に常に係合するように構成および配置されてもよい。これが、ユーザによって取り外された遠位キャップ204との針シールドリムーバ200の係合によってデバイス筐体から針シールドリムーバ200が取り外された時に、針シールドリムーバ200の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bによる硬い針シールド208(および結合されている柔らかい針シールド206)の自動的な取り外しを可能にする。注入針が柔らかい針シールド206によって覆われ、硬い針シールド208を欠く別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバ200の1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは柔らかい針シールド206と信頼可能に常に係合するように構成および配置されてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは硬い針シールド208および/または柔らかい針シールド206上でその他任意の適切な構成要素を係合するように構成および配置されてもよいことを当業者は認識する。
【0069】
図2Aと
図2Bとに例示された例示的な実施形態において、内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは硬い針シールド208とは別個の構成要素において(すなわち、針シールドリムーバ200において)提供され、シールド係合メカニズム230a、230bは硬い針シールド208と恒久的には係合させられない。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバ200の内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bは例えば接着剤またはエポキシ樹脂を使用して硬い針シールド208と恒久的に係合させられてもよい。
【0070】
針シールドリムーバ200の近位管状部材210の近位縁またはその近くにおいて、針シールドリムーバ200の近位管状部材210の側壁はまた、ユーザが、デバイス筐体の外側から、シリンジ202の内容物を見ること、および/または注入終了のインジケータを見ることを可能にするための1つ以上の切り欠き部分234を画定してもよい。すなわち、近位管状部材210の切り欠き部分234は、ユーザが、デバイスの外側から、シリンジ202の内容物を見ること、および/または注入終了のインジケータを見ることを可能にするためにデバイス筐体に提供される透明な検査窓または検査開口と位置合わせされてもよい。例示的な実施形態において、2つの例示的な切り欠き部分は針シールドリムーバ200の両側に提供されてもよく、すなわち約180°だけ互いから離されてもよい。例示的な実施形態において、切り欠き部分234は内側に突出するシールド係合メカニズム230a、230bと互い違いに提供されてもよく、切り欠き部分234の全てが近位管状部材210の近位縁またはその近くに提供されてもよい。例示的な実施形態において、各切り欠き部分234は実質的に凹形形状または半円形形状を有してもよいが、これらの例示的な形状には限定されない。
【0071】
切り欠き部分の例示的な幅は約3mmから約7mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。切り欠き部分の例示的な幅は、約4.0mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5.0mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mmなどを含んでもよいが、それらには限定されない。
【0072】
1つ以上の追加の突起および/または溝が、例えば、針シールドリムーバ200の近位部分と協働するように係合して覆うシリンジスリーブ、針シールドリムーバ200の遠位部分を覆う取り外し可能なキャップ204などの自動注入デバイスの別の構成要素と針シールドリムーバ200の係合を容易にするように近位管状部材210および/または遠位管状部材212の外表面に提供されてもよい。例えば、1つ以上の長手方向に延伸する溝236a、236bがシリンジスリーブと可動に係合するように針シールドリムーバ200の外表面に提供されてもよい。例示的な実施形態において、シリンジスリーブは、長手方向軸Lに沿ったシリンジスリーブおよび/または針シールドリムーバ200の相対運動を可能にしてもよいが、シリンジスリーブに対して実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバ200を保持してもよい。これは、針シールドリムーバ200の切り欠き部分234がシリンジスリーブに提供された透明な検査窓または検査開口およびデバイス筐体に提供された透明な検査窓または検査開口と位置合わせされて維持されることにより、ユーザが、検査窓または検査開口を通じて、シリンジ202の内容物を見ること、および/または注入終了のインジケータを見ることを可能にすることを確実なものにする。シリンジスリーブの特定の例示的な実施形態が
図3と
図4とに関して記載される。
【0073】
図2Aから
図2Cに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ200が自動注入デバイスの遠位キャップ204とは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバ200は例えばデバイスの遠位キャップ204と針シールドリムーバ200のキャップ係合メカニズム218a、218bを一体的に結合することによって遠位キャップ204と一体的に提供されてもよい。
【0074】
III.自動注入デバイスにおける使用のための例示的なシリンジスリーブ
例示的な自動注入デバイスは、針シールドリムーバと嵌合させられたシリンジの一部分を包むための構造部材であるシリンジスリーブを含んでもよい。シリンジスリーブは、シリンジが後退位置(すなわち、注入部位から離れた位置)から注入位置(すなわち、注入針がデバイス筐体の開放端から突出する注入部位の近くの位置)までデバイスの筐体の中でデバイスの筐体に対して前方向に動いてもよいように、針シールドリムーバと嵌合させられたシリンジを保持し誘導するように構成されてもよい。シリンジはシリンジスリーブの中にあってもよく、シリンジとシリンジスリーブとの両方が自動注入デバイスの筐体の中に収容されてもよい。
【0075】
他の例示的な自動注入デバイスはシリンジスリーブを提供しなくてもよい。
【0076】
例示的なシリンジスリーブは、シリンジの内容物がデバイス筐体の外側から信頼可能に見られてもよいように、針シールドリムーバの切り欠き部分とデバイス筐体に提供された検査窓または検査開口との両方と位置合わせされてもよい透明な検査窓または検査開口を含んでもよい。シリンジスリーブは、針シールドリムーバの切り欠き部分がシリンジスリーブの検査窓または検査開口およびデバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされるような実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバを維持してもよい。これが、デバイス内での針シールドリムーバの動きがデバイス筐体の検査窓または検査開口の障害とならないことを確実なものにする。
【0077】
シリンジスリーブは、針シールドリムーバと嵌合させられたシリンジを収納し、デバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされて針シールドリムーバの切り欠き部分を軸方向で配向させることに適した任意の適切な構成、形状、およびサイズを有してもよい。シリンジスリーブは任意の適切な材料で形成されてもよく、任意の適切な材料は例えばポリカーボネートなどの熱可塑性ポリマーを含むが、それらには限定されない。
【0078】
図3Aは例示的なシリンジスリーブ300の斜視図を例示する。
図3Bは長手方向軸Lに沿って二等分された例示的なシリンジスリーブ300の断面斜視図を例示する。例示的なシリンジスリーブ300は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい管状部材302を含んでもよい。管状部材302の側壁は針シールドリムーバと嵌合させられたシリンジを収容するための実質的に円筒形の空洞を囲んで画定してもよい。
【0079】
管状部材302の側壁はデバイスのユーザがシリンジの内容物および/またはインジケータを見ることを可能にするための1つ以上の透明な検査窓または検査開口304を画定してもよく、および/または含んでもよい。管状部材302の検査窓または検査開口は、シリンジの内容物および/またはインジケータの遮るもののない明確な表示を提供するように、針シールドリムーバの切り欠き部分および自動注入デバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされてもよい。検査窓または検査開口304はシリンジの内容物を見ることを可能にするための任意の適切な構成、サイズ、および形状を有してもよい。検査窓または検査開口304の例示的な形状は、実質的に細長い卵形または楕円形の形状、実質的に細長い長方形の形状などを含んでもよいが、それらには限定されない。例示的な実施形態において、検査窓または検査開口304は横断方向軸に沿った幅よりも長い長手方向軸Lに沿った長さを有してもよい。
【0080】
例示的な実施形態において、シリンジスリーブ300全体が透明な材料で形成されてもよい。別の例示的な実施形態において、検査窓または検査開口304は、透明な材料で形成された、シリンジスリーブ300の唯一の構成要素、または管状部材302における開口であってもよい。
【0081】
管状部材302の外表面は自動注入デバイスの1つ以上の他の構成要素と係合するための1つ以上の隆起構造および/または溝を含んでもよい。例示的な隆起構造は、デバイス筐体の内表面上に提供された、内部の長手方向に延伸する溝および/または突起(図示せず)に沿って可動に嵌合してもよい1つ以上の長手方向に延伸するレール306、308であってもよい。レール306、308はシリンジスリーブ300がデバイス筐体に対して長手方向に移動することを可能にし、シリンジスリーブ300がデバイス筐体に対して固定された軸方向の配向で保持されることを可能にしてもよい。例示的な実施形態において、レール306、308は管状部材302の全長に沿って延伸してもよい。例示的な実施形態において、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つのレールが管状部材302の外表面に提供されてもよいが、レールの数はこれらの例示的な数には限定されない。管状部材302の外表面における、レール306、308、または溝および/もしくは突起の例示的な長さは、約1mmから約6mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。
【0082】
管状部材302の内表面は自動注入デバイスの1つ以上の他の構成要素と係合するための1つ以上の隆起構造および/または溝を含んでもよい。例示的な隆起構造は、針シールドリムーバの外表面上に提供された、内部の長手方向に延伸する溝および/または突起に沿って可動に嵌合してもよい1つ以上の長手方向に延伸するレール310であってもよい。レール310はシリンジスリーブ300が針シールドリムーバに対して長手方向に動くことを可能にし、針シールドリムーバがシリンジスリーブ300に対して長手方向に動くことを可能にしてもよい。レール310はまた針シールドリムーバがシリンジスリーブ300に対して固定された軸方向の配向で保持されることを可能にしてもよい。針シールドリムーバとシリンジスリーブ300との間の固定された軸方向の配向は針シールドリムーバの切り欠き部分がシリンジスリーブ300の検査窓または検査開口およびデバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされることを可能にする。これは、シリンジの内容物がいかなる時でもデバイス筐体の検査窓または検査開口を通じてデバイスの外側から信頼可能に見られてもよいことを確実なものにする。レール310または管状部材302上の内表面上の溝の例示的な長さは、約1mmから約6mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。
【0083】
管状部材302の近位部分(注入部位から最も遠い部分)はシリンジスリーブ300に対して実質的に固定された軸方向の配向でシリンジを位置合わせさせるための1つ以上の長手方向に延伸するシリンジ位置合わせガイド311、312、314、316に結合されてもよい。これは、管状部材302の検査窓または検査開口304がシリンジに取り付けられた例示的な針シールドリムーバの対応する切り欠き部分と信頼可能に位置合わせされることを確実なものにする。任意の数のシリンジ位置合わせガイドが例示的なシリンジスリーブにおいて使用されてもよいことを当業者は認識する。
【0084】
例示的な実施形態において、2対のシリンジ位置合わせガイドは、その対が管状部材302の両側に提供されるように提供されてもよい。例示的な実施形態において、第1の対のガイドは、第1のシリンジ位置合わせガイド311と第2のシリンジ位置合わせガイド312とを含んでもよい。第2の対のガイドは、管状部材302の両側に提供されてもよく(すなわち、約180°だけ第1の対のガイドから偏向させられてもよく)、第3のシリンジ位置合わせガイド314と第4の位置合わせガイド316とを含んでもよい。
【0085】
位置合わせガイドの近位端において、位置合わせガイド311および312は位置合わせガイド311および312の間で横断方向軸に沿って延伸する第1のビーム318によって互いに結合されてもよい。例示的な実施形態において、タブ付き脚320がデバイス筐体と係合するように第1のビーム318から外側に延伸してもよい。位置合わせガイドの遠位端において、位置合わせガイド311および312は位置合わせガイド311および312の間で横断方向軸に沿って延伸する第2の可撓性ビーム322によって共に結合されてもよい。例示的な実施形態において、第2の可撓性ビーム322はシリンジの近位端に対する停止位置を提供してもよい。すなわち、シリンジのフランジ付きの近位端が第2の可撓性ビーム322に到達した時には、シリンジはシリンジの注入位置に既に到達したので、シリンジは注入位置に向かってさらに動くことを防がれてもよい。
【0086】
同様に、位置合わせガイドの近位端において、位置合わせガイド314および316が位置合わせガイド314および316の間で横断方向軸に沿って延伸する第1のビーム324によって互いに結合されてもよい。例示的な実施形態において、タブ付き脚326はデバイス筐体と係合するように第1のビーム324から外側に延伸してもよい。位置合わせガイドの遠位端において、位置合わせガイド314および316は位置合わせガイド314および316の間で横断方向軸に沿って延伸する第2の可撓性ビーム328によって共に結合されてもよい。例示的な実施形態において、第2の可撓性ビーム328はシリンジの近位端に対する停止位置を提供してもよい。すなわち、シリンジのフランジ付き近位端が第2の可撓性ビーム328に到達した時には、シリンジはシリンジの注入位置に既に到達したので、シリンジは注入部位に向かってさらに動くことを防がれてもよい。
【0087】
図4Aは例示的なシリンジ400の遠位端において例示的な針シールドリムーバ200と嵌合させられた例示的なシリンジ400を収容する例示的なシリンジスリーブ300の組立体の斜視図を例示する。シリンジスリーブ300の近位端において提供されたシリンジ位置合わせガイド311、312、314、316はシリンジ400と位置合わせされ、シリンジスリーブ300に対して実質的に固定された軸方向の配向でシリンジ400を保持してもよい。
図4Aに示される通り、針シールドリムーバ200とシリンジスリーブ300とは、シリンジスリーブ300の検査窓または検査開口304が針シールドリムーバ200の切り欠き部分と重複して位置合わせされるように、一部の部分において互いに重複する。
【0088】
図4Bは例示的なシリンジ400を収容する例示的なシリンジスリーブ300が例示的な針シールドリムーバ200と嵌合させられた例示的な組立体の横断方向断面図を例示する。例示的なシリンジスリーブ300は例示的なシリンジスリーブ300の内表面上に4つの例示的な長手方向に延伸するレール402、404、406、408を含む。シリンジスリーブ300は4つの対応する長手方向溝410、412、414、416をそれぞれ含む例示的な針シールドリムーバ200を部分的に囲む。シリンジスリーブ300の各レールは、針シールドリムーバ200がシリンジスリーブ300に対して実質的に固定された軸方向の配向で保持されるように、針シールドリムーバ200の対応する溝と係合してもよい。
【0090】
図3A、
図3B、
図4A、および
図4Bに例示された例示的なシリンジスリーブ以外のシリンジスリーブが例示的な自動注入デバイスにおいて使用されてもよいことを当業者は認識する。
【0091】
IV.針シールドリムーバに関する第1の非限定的な例示的実施形態
図5Aと
図5Bとは硬い針シールドとの係合のための2つの例示的な内側に突出するシールド係合メカニズムを有する例示的な針シールドリムーバ500を例示する。
図5Aは例示的な針シールドリムーバ500の斜視図を例示する。
図5Bは長手方向軸Lに沿って二等分された
図5Aの例示的な針シールドリムーバ500の断面斜視図を例示する。
【0092】
例示的な針シールドリムーバ500は近位管状部材502を含んでもよく、近位管状部材502は、一部の例示的な実施形態において、近位管状部材502の遠位縁において、遠位管状部材504と一体的に結合される。遠位管状部材504は近位管状部材502よりも小さい直径と短い長さとを有してもよく、近位管状部材502よりも長手方向軸Lに沿った針シールドリムーバ500の短い長さに沿って延伸してもよい。遷移部分506は近位管状部材502と遠位管状部材504との間で延伸してもよい。例示的な遷移部分506は、段階的遷移、傾斜した遷移、または両者の組み合わせであってもよい。
【0093】
針シールドリムーバ500の遠位管状部材504は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。遠位管状部材504の遠位端において、遠位管状部材504の側壁は取り外し可能な遠位キャップに向かって遠位管状部材504の表面から長手方向に突出する1つ以上のプラットフォーム構造を含んでもよい。例示的な実施形態において、プラットフォーム構造は、第1の長手方向に突出する部分508aと、第2の長手方向に突出する部分508bと、プラットフォーム構造の遠位端において、長手方向に突出する部分508a、508bの間で延伸する横断方向部分508cとを含んでもよい。横断方向部分508cは、一例示的な実施形態において、1つ以上のキャップ係合メカニズムを支持してもよい。
【0094】
例示的なプラットフォーム構造の遠位端において、例示的なプラットフォーム構造は、プラットフォーム構造から半径方向外側に突出する第1の外側に突出する可撓性のキャップ係合メカニズム510aと第2の外側に突出する可撓性のキャップ係合メカニズム510bとを支持または画定もしくは提供してもよい。例示的なキャップ係合メカニズムは任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図5Aと
図5Bとの例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズム510a、510bはプラットフォーム構造の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。例示的な針シールドリムーバはプラットフォーム構造から延伸する任意の適切な数のキャップ係合メカニズムを含んでもよく、任意の適切な数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つなどを含むが、それらには限定されないことを当業者は認識する。
【0095】
キャップ係合メカニズム510a、510bのそれぞれの第1の端は、プラットフォーム構造に結合されても、プラットフォーム構造と一体的に提供されてもよく、キャップ係合メカニズム510a、510bのそれぞれの第2の端は、キャップ係合メカニズム510a、510bと遠位管状部材504との間で空隙512a、512bを覆って垂下させられてもよい。針シールドリムーバを覆うために提供された、自動注入デバイス(図示せず)の遠位キャップと針シールドリムーバ500の組み立ての間、キャップの取り外しがまた針シールドリムーバ500を自動的に取り外すように、キャップ係合メカニズム510a、510bは遠位キャップに結合されてもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップの中央開口に提供された1つ以上の内側に突出する停止部分(例えば、フランジまたは隆起部分)が針シールドリムーバ500の空隙512a、512bを信頼可能に係合するように、針シールドリムーバ500のキャップ係合メカニズム510a、510bは遠位キャップに提供された中央開口内に嵌合するように挿入されてもよい。この係合は、針シールドリムーバ500が組み立て後とデバイス筐体からの遠位キャップの取り外しの間とに遠位キャップに信頼可能に係合させられることにより、デバイス筐体からの遠位キャップの取り外しが針シールドリムーバ500をも自動的に取り外すようにすることを可能にする。針シールドリムーバ500は1つ以上の針シールドに信頼可能に係合させられるので、針シールドリムーバの取り外しが次に、シリンジに結合された針シールドを自動的に取り外す。
【0096】
図5Aと
図5Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ500は自動注入デバイスの遠位キャップとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは例えばデバイスの遠位キャップと針シールドリムーバ500のキャップ係合メカニズム510a、510bを一体的に結合することによって遠位キャップと一体的に提供されてもよい。
【0097】
針シールドリムーバ500の近位管状部材502は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。近位管状部材502の側壁はシリンジに結合された柔らかい針シールドおよび/または硬い針シールドによって覆われた注入針を収容するように実質的に円筒形の空洞514を囲んで画定してもよい。
【0098】
近位管状部材502の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材502の側壁は第1の内側に突出するシールド係合メカニズム516aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム516bとを画定してもよく、および/または含んでもよい。第1の内側に突出するシールド係合メカニズム516aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム516bとはシリンジの本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙内に信頼可能に配置されたままであるように側壁によって付勢させられてもよい。例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは、任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図5Aと
図5Bとにおける例示的な実施形態において、例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bが針シールドリムーバ500の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは組み立てプロセスの間にシリンジ本体と硬い針シールドとの間に形成された空隙に配置されてもよく、デバイスの使用の間に空隙に信頼可能に配置されてもよい。注入針を覆う遠位キャップが(矢印Rによって示される方向に引っ張られることによって)注入を行う前に取り外された時に、内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは硬い針シールドの周囲縁に対して方向Rに力を及ぼすことにより、シリンジ本体から離れるように方向Rに硬い針シールドと柔らかい針シールドとを引っ張り、注入を行うために注入針を露出させる。
【0099】
例示的な構成において、各内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは近位管状部材502における開口518a、518bに置かれてもよい。各内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは、第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bを含んでもよく、第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bは開口518a、518bの近位底壁から延伸し、長手方向軸Lに対して第1の角度で空洞514の中に内側に突出する。第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bは内側に突出する第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bに結合されても、それらと一体的に形成されてもよい。第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bは長手方向軸Lに対して第2の角度で空洞514の中に内側に第1の傾斜したまたは半径方向の壁から延伸してもよい。
【0100】
例示的な実施形態において、第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bが実質的に長手方向軸Lに沿って延伸し、第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bが長手方向軸Lに対して実質的に直交して延伸するように、第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bに対応する第2の角度は第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bに対応する第1の角度よりも実質的に大きくてもよい。例示的な第1の角度は空洞514に向かって長手方向軸Lに対して約0°から約20°の範囲であってもよい。例示的な第2の角度は空洞514に向かって長手方向軸Lに対して約30°から約60°の範囲であってもよい。
【0101】
近位管状部材502の一部としてシールド係合メカニズム516a、516bを提供することが、自動注入デバイスにおける針シールドリムーバ500の堅牢な組み立てを容易にする。空洞514の中へと内側に向かった、開口518a、518bの近位底壁からのシールド係合メカニズム516a、516bの傾斜したまたは半径方向の壁の突出もまた、デバイスにおける針シールドリムーバ500の堅牢な組み立てを容易にする。これらの構造的な特徴が、例えば、針シールドリムーバ500が組み立ての間に針シールドを覆って同軸で挿入されると、シールド係合メカニズム516a、516bにおける近位管状部材502の半径方向外側の動きを最小化しながら、針シールドリムーバ500の傾斜したまたは半径方向の壁が近位管状部材502に対して半径方向外側に動くことを可能にする。すなわち、針シールドリムーバ500の外径の拡張は、シールド係合メカニズム516a、516bが針シールドとシリンジ本体との間の空隙に配置されないリスクを最小化するように、そしてシールド係合メカニズム516a、516bが針シールドとシリンジ本体との間の空隙から脱着されるリスクを最小化するように、組み立ての間に最小化される。
【0102】
特定の従来の針シールドリムーバは管状部材の一部として形成されないシールド係合メカニズムを含む。さらに、特定の従来の針シールドリムーバにおいて、シールド係合メカニズムは開口または支持メカニズムの近位底縁から延伸しない。これらの従来の針シールドリムーバはシールド係合メカニズムにおける針シールドリムーバの半径方向外側の動きを最小化しない。従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きはシリンジ本体と針シールドとの間に形成される空隙の外側にシールド係合メカニズムを配置するリスクを増加させるので、従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きは組み立てプロセスの堅牢性を低下させる。
【0103】
例示的な第1の傾斜したまたは半径方向の壁と第2の傾斜したまたは半径方向の壁とは任意の適切な寸法と構造とを有してもよい。第1の傾斜したまたは半径方向の壁と第2の傾斜したまたは半径方向の壁との例示的な長さと幅とは、約1mm、約2mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、間にある全ての数字などを含んでもよいが、それらには限定されない。
【0104】
内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bの第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bはシリンジ本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙内に配置されるように構成されてもよい。第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bのそれぞれは、硬い針シールドとの充分な大きさの界面を提供する幅を有する周囲縁524a、524bを有してもよい。例示的な実施形態において、周囲縁524a、524bの幅は約3mmから約7mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。例示的な実施形態において、幅は約4.00mmである。
【0105】
例示的な実施形態において、内側に突出する第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bと内側に突出する第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bは内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bにおける針シールドリムーバ500の内径を硬い針シールドの近位端の外径よりも小さくなるようにする。例示的な実施形態において、内側に突出する第1の傾斜したまたは半径方向の壁520a、520bと内側に突出する第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bは内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bにおける針シールドリムーバ500の内径をシリンジ本体の外径よりも小さくなるようにする。内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bにおける針シールドリムーバ500の内径はシリンジ本体と硬い針シールドの近位端との間に形成された空隙の外径と実質的に等しくてもよい。それにより、内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bのこの構成は、第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bが、脱着が少なくとも最小しきい値レベルの力を必要とするような信頼可能でしっかりとした方法で空隙における適切な場所に嵌ることを可能にする。この構成はまた、組み立ての後ではあるがユーザによる取り外しの前に、空隙からの第2の傾斜したまたは半径方向の壁522a、522bのクリープを防ぐ。
【0106】
針シールドリムーバ500が硬い針シールドを覆って挿入されると、内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bは硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙における適切な場所に嵌ってもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bが空隙における適切な場所に嵌った時に、硬い針シールドを覆う針シールドリムーバ500の挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bが硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙に首尾よく係合させられたことを判断するために、この力の減少はユーザによって感知されても組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙における内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bの配置は、針シールドリムーバ500が硬い針シールドと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0107】
図5Aと
図5Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ500は自動注入デバイスの針シールドとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは、例えば、針シールドリムーバ500の内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bを硬い針シールドと一体的に結合することによって硬い針シールドと一体的に提供されてもよい。
【0108】
近位管状部材502の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材502の側壁はまた、ユーザが、デバイス筐体の外側から、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にするための1つ以上の切り欠き部分526a、526bを画定してもよい。すなわち、近位管状部材502の切り欠き部分526a、526bは、ユーザが、デバイスの外側から、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にするための、デバイス筐体の透明な検査窓または検査開口と位置合わせする。
図5Aと
図5Bとの例示的な実施形態において、第1の切り欠き部分526aと第2の切り欠き部分526bとが針シールドリムーバ500の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。例示的な実施形態において、切り欠き部分526a、526bは内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bと互い違いで提供されてもよく、切り欠き部分526a、526bの全てが近位管状部材502の近位縁またはその近くに提供される。例示的な実施形態において、切り欠き部分526a、526bのそれぞれが実質的に凹形の形状または半円形の形状を取ってもよいが、これらの例示的な形状には限定されない。
【0109】
例示的な実施形態において、1つ以上の追加の突起および/または溝が、例えば、針シールドリムーバの近位部分と協働的に係合して覆うシリンジスリーブ、針シールドリムーバの遠位部分を覆う取り外し可能なキャップなどの自動注入デバイスの別の構成要素と針シールドリムーバ500の係合を容易にするために近位管状部材502および/または遠位管状部材504の外表面に提供されてもよい。例えば、1つ以上の長手方向に延伸する溝528a、528bがシリンジスリーブと可動に係合するように針シールドリムーバ500の外表面に提供されてもよい。例示的な実施形態において、シリンジスリーブは長手方向軸Lに沿ったシリンジスリーブおよび/または針シールドリムーバの相対運動を可能にしてもよいが、シリンジスリーブに対する実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバを保持してもよい。これは、針シールドリムーバ500の切り欠き部分526a、526bがシリンジスリーブの透明な検査窓または検査開口およびデバイス筐体の透明な検査窓または検査開口と位置合わせされて維持されることにより、ユーザが、検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にすることを確実なものにする。
【0110】
図6はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図5Aと
図5Bとの例示的な針シールドリムーバ500の断面斜視図を例示する。
図6の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブを欠いている。
図7はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図5Aと
図5Bとの例示的な針シールドリムーバ500の断面斜視図を例示する。
図7の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブ700を含む。
図8はシリンジスリーブ700を含む
図7の例示的な組立体の前断面図を例示する。
図9は
図6から
図8に適用可能な例示的な遠位キャップ800の底面図を例示する。
【0111】
注入針604はシリンジ600の遠位端に付着させられてもよく、栓606はシリンジ600内に配置されてもよく、1回分の用量の治療薬608がシリンジ600を満たすように提供されてもよい。注入針604は、柔らかい針シールド610と、柔らかい針シールド610を覆って配置された硬い針シールド612とで覆われてもよい。例示的な針シールドリムーバ500は、針シールドリムーバ500の内側に突出するシールド係合メカニズム516a、516bが硬い針シールド612とシリンジ600の本体との間の空隙に嵌合するように硬い針シールド612を覆って配置されてもよい。針シールドリムーバ500のキャップ係合メカニズム510a、510bはデバイスの遠位部分を覆うように提供された遠位キャップ800と係合してもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップ800の中央開口802に提供された1つ以上の内側に突出する停止部分804a、804b(例えば、フランジまたは隆起部分)がキャップ係合メカニズム510a、510bの近くの空隙512a、512bの中に信頼可能に配置されるように、キャップ係合メカニズム510a、510bは遠位キャップ800に提供された中央開口802の中に収納されてもよい。例示的な実施形態において、単一の停止部分が中央開口802の周囲の周りに半径方向に延伸してもよい。
【0112】
図7と
図8とに例示された例示的な実施形態において、シリンジスリーブ700はデバイス筐体との実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバ500を維持するようにシリンジ600と針シールドリムーバ500とを覆って提供されてもよい。
【0113】
図2から
図3に例示された構成要素に共通する、
図6から
図9に例示された例示的な構成要素は
図2から
図3に関連して記載される。
【0114】
V.針シールドリムーバに関する第2の非限定的な例示的実施形態
図10Aと
図10Bとは硬い針シールドとの係合のために2つの例示的な内側に突出するシールド係合メカニズムを有する例示的な針シールドリムーバ1000を例示する。
図10Aは例示的な針シールドリムーバ1000の斜視図を例示する。
図10Bは長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ1000の断面斜視図を例示する。
【0115】
例示的な針シールドリムーバ1000は近位管状部材1002を含んでもよく、近位管状部材1002は、一部の例示的な実施形態において、近位管状部材1002の遠位縁において遠位管状部材1004と一体的に結合される。遠位管状部材1004は近位管状部材1002よりも小さい直径と短い長さとを有してもよく、近位管状部材1002よりも長手方向軸Lに沿った針シールドリムーバ1000の短い長さに沿って延伸してもよい。遷移部分1006は近位管状部材1002と遠位管状部材1004との間で延伸してもよい。例示的な遷移部分1006は、段階的遷移、傾斜した遷移、または両者の組み合わせであってもよい。
【0116】
針シールドリムーバ1000の遠位管状部材1004は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。遠位管状部材1004の遠位端において、遠位管状部材1004の側壁は取り外し可能な遠位キャップに向かって遠位管状部材1004の表面から長手方向に突出する1つ以上のプラットフォーム構造を含んでもよい。例示的な実施形態において、プラットフォーム構造は、第1の長手方向に突出する部分1008aと、第2の長手方向に突出する部分1008bと、プラットフォーム構造の遠位端において第1の長手方向に突出する部分1008aと第2の長手方向に突出する部分1008bとの間で延伸する横断方向部分1008cとを含んでもよい。横断方向部分1008cは一例示的な実施形態において1つ以上のキャップ係合メカニズムを支持してもよい。
【0117】
例示的なプラットフォーム構造の遠位端において、例示的なプラットフォーム構造は、プラットフォーム構造から半径方向外側に突出する、第1の外側に突出する可撓性キャップ係合メカニズム1010aと第2の外側に突出する可撓性キャップ係合メカニズム1010bとを支持または画定もしくは提供してもよい。例示的なキャップ係合メカニズムは、任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図10Aと
図10Bとの例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズム1010a、1010bはプラットフォーム構造の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。例示的な針シールドリムーバはプラットフォーム構造から延伸する任意の適切な数のキャップ係合メカニズムを含んでもよく、任意の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つなどを含むが、それらには限定されないことを当業者は認識する。
【0118】
キャップ係合メカニズム1010a、1010bのそれぞれの第1の端は、プラットフォーム構造に結合されても、プラットフォーム構造と一体的に提供されてもよく、キャップ係合メカニズム1010a、1010bのそれぞれの第2の端はキャップ係合メカニズム1010a、1010bと遠位管状部材1004との間の空隙1012a、1012bの上で垂下させられてもよい。針シールドリムーバを覆うために提供される自動注入デバイス(図示せず)の遠位キャップと針シールドリムーバ1000の組み立ての間、キャップ係合メカニズム1010a、1010bはキャップの取り外しがまた針シールドリムーバ1000を自動的に取り外すように遠位キャップに結合されてもよい。
【0119】
例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1000のキャップ係合メカニズム1010a、1010bは、遠位キャップの中央開口に提供される1つ以上の内側に突出する停止部分(例えば、フランジまたは隆起部分)が針シールドリムーバ1000の空隙1012a、1012bを信頼可能に係合するように、遠位キャップに提供された中央開口内に嵌合するように挿入されてもよい。この係合は、針シールドリムーバ1000が組み立ての後とデバイス筐体からの遠位キャップの取り外しの間とに遠位キャップに信頼可能に係合させられることを可能にすることにより、デバイス筐体からの遠位キャップの取り外しが針シールドリムーバ1000をも自動的に取り外すようにする。針シールドリムーバ1000が1つ以上の針シールドに信頼可能に係合させられるので、針シールドリムーバの取り外しが次に、シリンジに結合された針シールドを自動的に取り外す。
【0120】
図10Aと
図10Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1000は自動注入デバイスの遠位キャップとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは例えばデバイスの遠位キャップと針シールドリムーバ1000のキャップ係合メカニズム1010a、1010bを一体的に結合することによって遠位キャップと一体的に提供されてもよい。
【0121】
針シールドリムーバ1000の近位管状部材1002は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。近位管状部材1002の側壁はシリンジに結合された柔らかい針シールドおよび/または硬い針シールドによって覆われた注入針を収容するための実質的に円筒形の空洞1014を囲んで画定してもよい。
【0122】
近位管状部材1002の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材1002の側壁は第1の内側に突出するシールド係合メカニズム1016aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム1016bとを画定してもよく、および/または含んでもよい。第1の内側に突出するシールド係合メカニズム1016aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム1016bとはシリンジの本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙の中に信頼可能に配置されたままであるように側壁によって付勢させられてもよい。例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bは、任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図10Aと
図10Bとの例示的な実施形態において、例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bは針シールドリムーバ1000の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bは組み立てプロセスの間にシリンジ本体と硬い針シールドとの間に形成された空隙に配置されてもよく、デバイスの使用の間に空隙に信頼可能に配置されてもよい。注入針を覆う遠位キャップが(矢印Rによって示される方向に引っ張られることによって)注入を行う前に取り外された時に、内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bは硬い針シールドの周囲縁に対して方向Rに力を及ぼすことにより、シリンジ本体から離れるように方向Rに硬い針シールドと柔らかい針シールドとを引っ張り、注入を行うために注入針を露出させる。
【0123】
例示的な構成において、内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bのそれぞれが、近位管状部材1002の側壁において開口部を提供する開口1018a、1018bに置かれてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bのそれぞれが、内側に突出する傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bを含んでもよく、内側に突出する傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bは、開口1018a、1018bの近位底壁から延伸し、長手方向軸Lに対して何らかの角度で空洞1014の中へと内側に突出する。例示的な角度は空洞に向かって長手方向軸Lに対して約30°から約60°の範囲であってもよい。近位管状部材1002の一部としてシールド係合メカニズム1016a、1016bを提供することが、自動注入デバイスにおける針シールドリムーバ1000の堅牢な組み立てを容易にする。空洞1014の中へと内側に開口1018a、1018bの近位底壁からのシールド係合メカニズム1016a、1016bの傾斜したまたは半径方向の壁の突出もまた、デバイスにおける針シールドリムーバ1000の堅牢な組み立てを容易にする。これらの構造的な特徴は、例えば、針シールドリムーバ1000が組み立ての間に針シールドを覆って同軸で挿入されると、シールド係合メカニズム1016a、1016bにおける近位管状部材1002の半径方向外側の動きを最小化しながら、針シールドリムーバ1000の傾斜したまたは半径方向の壁が近位管状部材1002に対して半径方向外側に動くことを可能にする。すなわち、針シールドリムーバ1000の外径の拡張は、シールド係合メカニズム1016a、1016bが針シールドとシリンジ本体との間の空隙に配置されないリスクを最小化するように、そして、シールド係合メカニズム1016a、1016bが針シールドとシリンジ本体との間の空隙から脱着されるリスクを最小化するように、組み立ての間、最小化される。
【0124】
特定の従来の針シールドリムーバは管状部材の一部として形成されないシールド係合メカニズムを含む。さらに、特定の従来の針シールドリムーバにおいて、シールド係合メカニズムは開口または支持メカニズムの近位底縁から延伸しない。これらの従来の針シールドリムーバはシールド係合メカニズムにおける針シールドリムーバの半径方向外側の動きを最小化しない。従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きはシリンジ本体と針シールドとの間に形成される空隙の外側にシールド係合メカニズムを配置するリスクを増加させるので、従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きは組み立てプロセスの堅牢性を低下させる。
【0125】
例示的な実施形態において、近位管状部材1002は1つ以上のスロット1001a、1001bによって切り離されてもよく、1つ以上のスロット1001a、1001bはシールド係合メカニズム1016a、1016bの間の半径方向の場所で長手方向軸Lに対して実質的に平行に延伸する。例示的な実施形態において、2つの例示的なスロット1001a、1001bは近位管状部材1002上で約180°だけ互いから離されてもよい。例示的な実施形態において、スロット1001a、1001bは硬い針シールドと針シールドリムーバ1000のシールド係合メカニズム1016a、1016bを係合させることを容易にしてもよい。
【0126】
この例示的な実施形態において、スロット1001a、1001bは、針シールドリムーバ1000が組み立ての間に針シールドを覆って同軸で挿入されると、シールド係合メカニズム1016a、1016bが半径方向外側に動くことを可能にしてもよく、このことが、有利なことに、針シールドリムーバ1000が矢印Rによって示される方向に対して反対方向に多量の力を加えることを必要とすることなく針シールドに係合させられることを可能にする。組み立ての間に大量の力を加えることは、針シールドとシリンジとに対する損傷をもたらす結果となることにより、組み立てられた針シールドリムーバの信頼性に悪影響を与え得る。
【0127】
例示的な傾斜したまたは半径方向の壁は任意の適切な寸法と構造とを有してもよい。傾斜したまたは半径方向の壁の例示的な長さと幅とは、約1mm、約2mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、間にある全ての数字などを含んでもよいが、それらには限定されない。
【0128】
内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bの傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bはシリンジ本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙内に配置されるように構成されてもよい。傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bは硬い針シールドとの充分に大きな界面を提供する幅を有する周囲縁1024a、1024bを有してもよい。例示的な実施形態において、周囲縁1024a、1024bの幅は約3mmから約7mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。例示的な実施形態において、幅は約5.3mmである。
【0129】
例示的な実施形態において、内側に突出する傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bは内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bにおける針シールドリムーバ1000の内径を硬い針シールドの近位端の外径よりも小さくなるようにする。例示的な実施形態において、内側に突出する傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bは内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bにおける針シールドリムーバ1000の内径をシリンジ本体の外径よりも小さくする。内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bにおける針シールドリムーバ1000の内径はシリンジ本体と硬い針シールドの近位端との間に形成される空隙の外径と実質的に等しくてもよい。それにより、内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bのこの構成は、傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bは、脱着が少なくとも最小しきい値レベルの力を必要とするような信頼可能でしっかりとした方法で空隙における適切な場所に嵌ることを可能にする。この構成はまた組み立ての後ではあるがユーザによる取り外しの前に空隙からの傾斜したまたは半径方向の壁1020a、1020bのクリープを防ぐ。
【0130】
針シールドリムーバ1000が硬い針シールドを覆って挿入されると、内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bは硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙における適切な場所に嵌ってもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bが空隙における適切な場所に嵌った時に、硬い針シールドを覆う針シールドリムーバ1000の挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bが硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙に首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙における内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bの配置は針シールドリムーバ1000が硬い針シールドと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0131】
図10Aと
図10Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1000は自動注入デバイスの針シールドとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは例えば硬い針シールドと針シールドリムーバ1000の内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bを一体的に係合することによって硬い針シールドと一体的に提供されてもよい。
【0132】
近位管状部材1002の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材1002の側壁はまた、ユーザが、デバイス筐体の外側から、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にするための1つ以上の切り欠き部分1026a、1026bを画定してもよい。すなわち、近位管状部材1002の切り欠き部分1026a、1026bは、ユーザが、デバイスの外側から、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にするための、デバイス筐体の透明な検査窓または検査開口と位置合わせする。
図10Aと
図10Bとの例示的な実施形態において、第1の切り欠き部分1026aと第2の切り欠き部分1026bとが針シールドリムーバ1000の両側に提供され、すなわち、約180°だけ互いから離される。例示的な実施形態において、切り欠き部分1026a、1026bは内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bと互い違いで提供されてもよく、切り欠き部分1026a、1026bの全てが近位管状部材1002の近位縁またはその近くに提供される。例示的な実施形態において、切り欠き部分1026a、1026bのそれぞれが実質的に凹形の形状または半円形の形状を取ってもよいが、これらの例示的な形状には限定されない。例示的な実施形態において、切り欠き部分1026a、1026bの遠位端は、切り離しスロット1001a、1001bと隣接して接合してもよい。
【0133】
例示的な実施形態において、1つ以上の追加の突起および/または溝が、例えば、針シールドリムーバの近位部分と協働的に係合して覆うシリンジスリーブ、針シールドリムーバの遠位部分を覆う取り外し可能なキャップなどの自動注入デバイスの別の構成要素と針シールドリムーバ1000の係合を容易にするために近位管状部材1002および/または遠位管状部材1004の外表面に提供されてもよい。例えば、1つ以上の長手方向に延伸する溝1028a、1028bがシリンジスリーブと可動に係合するように針シールドリムーバ1000の外表面に提供されてもよい。例示的な実施形態において、シリンジスリーブは長手方向軸Lに沿ったシリンジスリーブおよび/または針シールドリムーバの相対運動を可能にしてもよいが、シリンジスリーブに対する実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバを保持してもよい。これは、針シールドリムーバ1000の切り欠き部分1026a、1026bがシリンジスリーブの透明な検査窓または検査開口およびデバイス筐体の透明な検査窓または検査開口と位置合わせされて維持されることにより、ユーザが、検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にすることを確実なものにする。
【0134】
図11はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図10Aと
図10Bとの例示的な針シールドリムーバ1000の断面斜視図を例示する。
図11の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブを欠いている。
図12はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図10Aと
図10Bとの例示的な針シールドリムーバ1000の断面斜視図を例示する。
図12の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブ700を含む。
図13はシリンジスリーブ700を含む
図12の例示的な組立体の前断面図を例示する。
図14は
図11から
図13に適用可能な例示的な遠位キャップ800の底面図を例示する。
【0135】
注入針604はシリンジ600の遠位端に付着させられてもよく、栓606はシリンジ600内に配置されてもよく、1回分の用量の治療薬608がシリンジ600を満たすように提供されてもよい。注入針604は、柔らかい針シールド610と、柔らかい針シールド610を覆って配置された硬い針シールド612とで覆われてもよい。例示的な針シールドリムーバ1000は、針シールドリムーバ1000の内側に突出するシールド係合メカニズム1016a、1016bが硬い針シールド612とシリンジ600の本体との間の空隙内に嵌合するように硬い針シールド612を覆って配置されてもよい。針シールドリムーバ1000のキャップ係合メカニズム1010a、1010bはデバイスの遠位部分を覆うように提供された遠位キャップ800と係合してもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップの中央開口に提供された内側に突出する停止部分804a、804b(例えば、フランジまたは隆起部分)がキャップ係合メカニズム1010a、1010bの近くの空隙1012a、1012bの中に信頼可能に配置されるように、キャップ係合メカニズム1010a、1010bは遠位キャップ800に提供された中央開口802の中に収納されてもよい。
【0136】
図12と
図13とに例示された例示的な実施形態において、シリンジスリーブ700はデバイス筐体との実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバ1000を維持するようにシリンジ600と針シールドリムーバ1000とを覆って提供されてもよい。
【0138】
VI.針シールドリムーバに関する第3の非限定的な例示的実施形態
図15Aと
図15Bとは硬い針シールドとの係合のために3つの例示的な内側に突出するシールド係合メカニズムを有する例示的な針シールドリムーバ1500を例示する。
図15Aは例示的な針シールドリムーバ1500の斜視図を例示する。
図15Bは長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ1500の断面斜視図を例示する。
【0139】
例示的な針シールドリムーバ1500は近位管状部材1502を含んでもよく、近位管状部材1502は、一部の例示的な実施形態において、近位管状部材1502の遠位縁において遠位管状部材1504と一体的に結合される。遠位管状部材1504は近位管状部材1502よりも小さい直径と短い長さとを有してもよく、近位管状部材1502よりも長手方向軸Lに沿った針シールドリムーバ1500の短い長さに沿って延伸してもよい。遷移部分1506は近位管状部材1502と遠位管状部材1504との間で延伸してもよい。例示的な遷移部分1506は、段階的遷移、傾斜した遷移、または両者の組み合わせであってもよい。
【0140】
針シールドリムーバ1500の遠位管状部材1504は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。遠位管状部材1504の遠位端において、遠位管状部材1504の側壁は取り外し可能な遠位キャップに向かって遠位管状部材の表面から長手方向に突出する1つ以上のプラットフォーム構造1508を含んでもよい。例示的な実施形態において、プラットフォーム構造1508は、1つ以上の長手方向に突出する部分と、プラットフォーム構造1508の遠位端において長手方向に突出する部分間で延伸する横断方向部分とを含んでもよい。
【0141】
1つ以上のプラットフォーム構造1508の遠位端において、1つ以上のプラットフォーム構造1508は、プラットフォーム構造1508から半径方向外側に突出する、第1の外側に突出する可撓性キャップ係合メカニズム1510aと第2の外側に突出する可撓性キャップ係合メカニズム1510bと第3の外側に突出する可撓性キャップ係合メカニズム1510cとを支持または画定もしくは提供してもよい。この例示的な実施形態において3つのキャップ係合メカニズムを提供することは、1つまたは2つのキャップ係合メカニズムを含む実施形態よりも、遠位キャップと係合する針シールドリムーバの広い表面を提供する。それにより、例示的な針シールドリムーバ1500は、注入の実施前に遠位キャップが取り外された時に、シリンジからの針シールドリムーバの信頼可能な取り外しを可能にする。
【0142】
例示的なキャップ係合メカニズムは、任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図15Aと
図15Bとの例示的な実施形態において、キャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cはプラットフォーム構造1508の周りで互いから間隔を置かれ、すなわち、約120°離される。例示的な針シールドリムーバはプラットフォーム構造1508から延伸する任意の適切な数のキャップ係合メカニズムを含んでもよく、任意の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つなどを含むが、それらには限定されないことを当業者は認識する。
【0143】
キャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cのそれぞれの第1の端は、プラットフォーム構造1508に結合されても、プラットフォーム構造1508と一体的に提供されてもよく、キャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cのそれぞれの第2の端はキャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cと遠位管状部材1504との間の空隙(例えば、空隙1512a、1512b、1512c)の上で垂下させられてもよい。針シールドリムーバを覆うために提供される、自動注入デバイス(図示せず)の遠位キャップと針シールドリムーバ1500の組み立ての間、キャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cは、キャップの取り外しがまた針シールドリムーバ1500を自動的に取り外すように遠位キャップに結合されてもよい。
【0144】
例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1500のキャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cは、遠位キャップの中央開口に提供される1つ以上の内側に突出する停止部分(例えば、フランジまたは隆起部分)が針シールドリムーバ1500の空隙1512a、1512b、1512cを信頼可能に係合するように、遠位キャップに提供された中央開口内に嵌合するように挿入されてもよい。この係合は、針シールドリムーバ1500が組み立ての後とデバイス筐体からの遠位キャップの取り外しの間とに遠位キャップに信頼可能に係合させられることを可能にすることにより、デバイス筐体からの遠位キャップの取り外しが針シールドリムーバ1500をも自動的に取り外すようにする。針シールドリムーバ1500が1つ以上の針シールドに信頼可能に係合させられるので、針シールドリムーバの取り外しが次に、針シールドを自動的に取り外す。
【0145】
図15Aと
図15Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1500は自動注入デバイスの遠位キャップとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは例えばデバイスの遠位キャップと針シールドリムーバ1500のキャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cを一体的に結合することによって遠位キャップと一体的に提供されてもよい。
【0146】
針シールドリムーバ1500の近位管状部材1502は実質的に円形または卵形の断面を有する実質的に円筒形の形状であってもよい。近位管状部材1502の側壁は柔らかい針シールドおよび/または硬い針シールドによって覆われた注入針を収容するための実質的に円筒形の空洞1514を囲んで画定してもよい。
【0147】
近位管状部材1502の近位縁またはその近くにおいて、近位管状部材1502の側壁は第1の内側に突出するシールド係合メカニズム1516aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム1516bと第3の内側に突出するシールド係合メカニズム1516cとを画定してもよく、および/または含んでもよい。第1の内側に突出するシールド係合メカニズム1516aと第2の内側に突出するシールド係合メカニズム1516bと第3の内側に突出するシールド係合メカニズム1516cとはシリンジの本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙の中に信頼可能に配置されたままであるように側壁によって付勢させられてもよい。例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cは、任意の適切な突起、突出部、歯などであってもよい。
図15Aと
図15Bとの例示的な実施形態において、例示的な内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cは針シールドリムーバ1500の周りで互いから間隔を置かれてもよく、すなわち、約120°互いから離されてもよい。
【0148】
内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cは組み立てプロセスの間にシリンジ本体と硬い針シールドとの間に形成された空隙に配置されてもよく、デバイスの使用の間に空隙に信頼可能に配置されてもよい。注入針を覆う遠位キャップが(矢印Rによって示される方向に引っ張られることによって)注入を行う前に取り外された時に、内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cは硬い針シールドの周囲縁に対して方向Rに力を及ぼすことにより、シリンジ本体から離れるように方向Rに硬い針シールドと柔らかい針シールドとを引っ張り、注入を行うために注入針を露出させる。
【0149】
例示的な構成において、内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cのそれぞれが、近位管状部材1502の側壁において開口部を提供する開口1518a、1518b、1518cに置かれてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cのそれぞれが第1の傾斜したまたは半径方向の壁1520a、1520b、1520cを含んでもよく、第1の傾斜したまたは半径方向の壁1520a、1520b、1520cは、長手方向軸Lに対して第1の角度で空洞1514の中へと開口1518a、1518b、1518cの近位壁から延伸する。第1の傾斜したまたは半径方向の壁1520a、1520b、1520cは内側に突出する第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cに結合されても、それらと一体的に形成されてもよい。第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cは長手方向軸Lに対して第2の角度で空洞1514の中へと第1の傾斜したまたは半径方向の壁から延伸してもよい。
【0150】
第1の傾斜したまたは半径方向の壁1520a、1520b、1520cが長手方向軸Lに実質的に沿って延伸し、第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cが長手方向軸Lに対して実質的に直交して延伸するように、第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cに対応する第2の角度は第1の傾斜したまたは半径方向の壁1520a、1520b、1520cに対応する第1の角度よりも実質的に大きくてもよい。例示的な第1の角度は空洞1514に向かって長手方向軸Lに対して約0°から約20°の範囲であってもよい。例示的な第2の角度は空洞1514に向かって長手方向軸Lに対して約30°から約60°の範囲であってもよい。
【0151】
近位管状部材1502の一部としてシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cを提供することが、自動注入デバイスにおける針シールドリムーバ1500の堅牢な組み立てを容易にする。空洞1514の中へと内側に開口1518a、1518b、1518cの近位底壁からのシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cの傾斜したまたは半径方向の壁の突出もまた、デバイスにおける針シールドリムーバ1500の堅牢な組み立てを容易にする。これらの構造的な特徴は、例えば、針シールドリムーバ1500が組み立ての間に針シールドを覆って同軸で挿入されると、シールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cにおける近位管状部材1502の半径方向外側の動きを最小化しながら、針シールドリムーバ1500の傾斜したまたは半径方向の壁が近位管状部材1502に対して半径方向外側に動くことを可能にする。すなわち、針シールドリムーバ1500の外径の拡張は、シールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cが針シールドとシリンジ本体との間の空隙に配置されないリスクを最小化するように、そして、シールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cが針シールドとシリンジ本体との間の空隙から脱着されるリスクを最小化するように、組み立ての間に最小化される。
【0152】
特定の従来の針シールドリムーバは管状部材の一部として形成されないシールド係合メカニズムを含む。さらに、特定の従来の針シールドリムーバにおいて、シールド係合メカニズムは開口または支持メカニズムの近位底縁から延伸しない。これらの従来の針シールドリムーバはシールド係合メカニズムにおける針シールドリムーバの半径方向外側の動きを最小化しない。従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きはシリンジ本体と針シールドとの間に形成される空隙の外側にシールド係合メカニズムを配置するリスクを増加させるので、従来の針シールドリムーバのこの半径方向外側の動きは組み立てプロセスの堅牢性を低下させる。
【0153】
例示的な第1および第2の傾斜したまたは半径方向の壁は任意の適切な寸法と構造とを有してもよい。第1および第2の傾斜したまたは半径方向の壁の例示的な長さと幅とは、約1mm、約2mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、間にある全ての数字などを含んでもよいが、それらには限定されない。
【0154】
内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cの第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cはシリンジ本体と硬い針シールドの近位縁との間に形成された空隙内に配置されるように構成されてもよい。この例示的な実施形態において3つの内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cを提供することが、1つまたは2つの内側に突出するシールド係合メカニズムを含む実施形態よりも、硬い針シールドと係合する針シールドリムーバの広い表面を提供する。それにより、例示的な針シールドリムーバ1500は、注入の実施前に針シールドリムーバが取り外された時に、シリンジからの針シールドの信頼可能な取り外しを可能にする。第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cは硬い針シールドとの充分に大きい界面を提供する幅を有する周囲縁1524a、1524b、1524cを有してもよい。例示的な実施形態において、周囲縁1524a、1524b、1524cの幅は約3mmから約7mmの範囲であってもよいが、この例示的な範囲には限定されない。例示的な実施形態において、幅は約5.4mmである。第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cのより広い幅の周囲縁はまた1つまたは2つの内側に突出するシールド係合メカニズムを含む実施形態よりも、硬い針シールドと係合する針シールドリムーバの広い表面を提供することにより、針シールドリムーバが注入の実施前に取り外された時に、シリンジからの針シールドの信頼可能な取り外しを可能にする。
【0155】
例示的な実施形態において、内側に突出する第1および第2の傾斜したまたは半径方向の壁は内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cにおける針シールドリムーバ1500の内径を硬い針シールドの近位端の外径よりも小さくなるようにする。例示的な実施形態において、内側に突出する第1および第2の傾斜したまたは半径方向の壁は内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cにおける針シールドリムーバ1500の内径をシリンジ本体の外径よりも小さくなるようにする。内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cにおける針シールドリムーバ1500の内径はシリンジ本体と硬い針シールドの近位端との間に形成される空隙の外径と実質的に等しくてもよい。それにより、内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cのこの構成は、第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cが、脱着が少なくとも最小しきい値レベルの力を必要とするような信頼可能でしっかりとした方法で空隙における適切な場所に嵌ることを可能にする。この構成はまた、組み立ての後ではあるがユーザによる取り外しの前の、空隙からの第2の傾斜したまたは半径方向の壁1522a、1522b、1522cのクリープを防ぐ。
【0156】
針シールドリムーバ1500が硬い針シールドを覆って挿入されると、内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cは硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙における適切な場所に嵌ってもよい。内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cが空隙における適切な場所に嵌った時に、硬い針シールドを覆う針シールドリムーバ1500の挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cが硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙に首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙における内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cの配置は針シールドリムーバ1500が硬い針シールドと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0157】
図15Aと
図15Bとに例示された例示的な実施形態において、針シールドリムーバ1500は自動注入デバイスの遠位キャップとは別個の構成要素として提供されてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバは例えばデバイスの遠位キャップと針シールドリムーバ1500の内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cを一体的に結合することによって遠位キャップと一体的に提供されてもよい。
【0158】
例示的な実施形態において、1つ以上の追加の突起および/または溝が、針シールドリムーバの近位部分、針シールドリムーバの遠位部分を覆う取り外し可能なキャップなどと協働するように係合して覆う自動注入デバイスの別の構成要素、例えば、シリンジスリーブと針シールドリムーバ1500の係合を容易にするように近位管状部材1502および/または遠位管状部材1504の外表面に提供されてもよい。
【0159】
図16はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図15Aと
図15Bとの例示的な針シールドリムーバ1500の断面斜視図を例示する。
図16の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブを欠いている。
図17はシリンジ600および遠位キャップ800と組み立てられた
図15Aと
図15Bとの例示的な針シールドリムーバ1500の断面斜視図を例示する。
図17の例示的な実施形態において、組立体はシリンジスリーブ700を含む。
図18はシリンジスリーブ700を含む
図17の例示的な組立体の前断面図を例示する。
図19は
図16から
図18に適用可能な例示的な遠位キャップ800の底面図を例示する。
【0160】
注入針604はシリンジ600の遠位端に付着させられてもよく、栓606はシリンジ600内に配置されてもよく、1回分の用量の治療薬608がシリンジ600を満たすように提供されてもよい。注入針604は、柔らかい針シールド610と、柔らかい針シールド610を覆って配置された硬い針シールド612とで覆われてもよい。例示的な針シールドリムーバ1500は、針シールドリムーバ1500の内側に突出するシールド係合メカニズム1516a、1516b、1516cが硬い針シールド612とシリンジ600の本体との間の空隙内に嵌合するように硬い針シールド612を覆って配置されてもよい。針シールドリムーバ1500のキャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cはデバイスの遠位部分を覆うように提供された遠位キャップ800と係合してもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップの中央開口に提供された内側に突出する停止部分804a、804b、804c(例えば、フランジまたは隆起部分)がキャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cの近くの空隙1512a、1512b、1512cの中に信頼可能に配置されるように、キャップ係合メカニズム1510a、1510b、1510cは遠位キャップ800に提供された中央開口802の中に収納されてもよい。
【0161】
図17と
図18とに例示された例示的な実施形態において、シリンジスリーブ700はデバイス筐体との実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバ1500を維持するようにシリンジ600と針シールドリムーバ1500とを覆って提供されてもよい。
【0163】
VII.針シールドリムーバに関する特定の他の非限定的な例示的実施形態
図20は長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ2000の断面図を例示する。針シールドリムーバ2000はシリンジ2002または自動注入デバイスから針シールドを取り外すように構成される。シリンジ2002は典型的には柔らかい針シールド2004および硬い針シールド2006などの1つ以上の針シールドを有する自動注入デバイスと共に利用されるあらゆる種類のシリンジを含んでもよい。上で考察された通り、柔らかい針シールド2004は硬い針シールド2006の中に配置され、柔らかい針シールド2004の一部分は硬い針シールド2006に形成された開口2008を通って延伸する。
【0164】
針シールドリムーバ2000は、外壁2010と、1つ以上の内側に向いた突起または歯2014とを含み、外壁2010は、底壁2012の周囲に取り付けられ、底壁2012の周囲から垂下し(または底壁2012の周囲と一体的に形成され)、1つ以上の内側に向いた突起または歯2014は、シリンジ2002の本体と硬い針シールド2006の周囲2016との間に形成される空隙内の適切な位置で外壁2010によって付勢させられる。外壁2010と底壁2012とは任意の所望の形状またはサイズを有してもよく(例えば、針シールドリムーバ2000は円筒形または他の形状であってもよく)、複数の外壁2010が提供されてもよい(例えば、針シールドリムーバ2000が正方形または長方形の形状である場合)。針シールドリムーバ2000は柔らかい針シールド2004と硬い針シールド2006とを受け取る空洞を画定する。複数の外側突起2018が取り外し可能なキャップに把持表面を提供するために自動注入デバイスの取り外し可能なキャップの中での針シールドリムーバ2000のしっかりとした係合を容易にするように外壁2010の外表面上に提供されてもよい。この方法で、取り外し可能なキャップは、シリンジまたは自動注入デバイスから硬い針シールド2006と柔らかい針シールド2004とを信頼可能に取り外すために、複数の突起2018と複数の谷とによって画定される把持表面と協働的に係合する。
【0165】
針シールドリムーバ2000が(矢印Rによって示される通り)シリンジ本体2002から離れるように引っ張られた時に、突起2014は硬い針シールド2006の周囲2016に対して力を及ぼすことにより、シリンジ本体2002から離れるように硬い針シールド2006と柔らかい針シールド2004とを引っ張り、使用のためにシリンジ2002の針を露出させる。突起2014はまた硬い針シールド2006の開口2008内に嵌合するように、または別の形で硬い針シールド2006と接触するように(例えば、硬い針シールド2006で形成された対応する凹所内に嵌合するように)構成されてもよいことを留意されたい。
【0166】
図21は長手方向軸Lに沿って二等分された別の例示的な針シールドリムーバ2100の断面図を例示する。この実施形態において、針シールドリムーバ2100は(第1の)内壁2102を含み、(第1の)内壁2102は、(第2の)外壁2104の中に同軸で配置され、底壁2108に形成された開口を通って延伸する中空の突起2106によって外壁2104に結合され、底壁2108は、底壁2108の周囲において外壁2104に接合される(または外壁2014と一体的に形成される)。
図20に関して上で示され考察された実施形態と同様に、内壁2102は内壁2102から延伸する1つ以上の突起2110を含み、1つ以上の突起2110はシリンジ本体2112と硬い針シールド2116の下側周囲2114との間に形成された空隙において付勢させられる。内壁2102は、外壁2104に固定して、または回転可能に結合されてもよい。1つ以上の突起2118、例えばフランジまたはカラーが、底壁2108と外壁2104とを結合するように中空の突起2106の底端で形成されてもよい。内壁2102と外壁2104とは、円形の断面、細長い断面、正方形の断面、長方形の断面、またはその他任意の適切な断面を有してもよい。外壁2104は、自動注入デバイスの取り外し可能なキャップの内表面に固定して結合されてもよく、
図21に示される通り、こうした結合を容易にし、取り外し可能なキャップに把持表面を提供するために1つ以上の突起2120を含んでもよい。突起は、リング、カラー、フランジ、または他の種類の突起であってもよい。
【0167】
外壁2104が(矢印Rによって示される通り)シリンジ本体2112から離れるように引っ張られた時に、外壁2104がシリンジ本体2112から離れるように内壁2102を引っ張ることにより、突起2110が、硬い針シールド2116の下側周囲2114に対して力を及ぼし、使用のために針を露出させるようにシリンジ2112から離れるように硬い針シールド2116と柔らかい針シールド2122とを引っ張るようにする。先の実施形態に関して、突起2110は他の場所に配置されてもよく、例えば、突起2110は、硬い針シールド2116における開口2124の中に延伸するように、または硬い針シールド2116上の他の場所(例えば、対応する凹所)と接触するように配置されてもよいことを留意されたい。
【0168】
図22は長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ2200の断面図を例示する。針シールドリムーバ2200は外壁2202を含み、外壁2202は底壁2204の周囲から垂下し、底壁2204の周囲に接続される(または底壁2204の周囲と一体的に形成される)。先の実施形態に関して述べた通り、針シールドリムーバ2200は任意の形状(例えば、円筒形または他の形状)を有してもよい。環状の凹所2206が、外壁2202の一端に沿って提供され、環状の凹所2206は、環状の開口部を有するか、または環状の凹所の円周の周りで半径方向に間隔を置かれた複数の開口を有し、そして、環状の凹所2206は、取り外し要素2208、例えば、凹所2206に形成された対応する開口を通って延伸する1つ以上の突起2218を有する環状のワッシャ、リング、またはピンを受け取る。突起2218の端がシリンジ本体2212と硬い針シールド2216の下側周囲2214との間に形成された空隙に配置される。針シールドリムーバ2200は自動注入デバイスの取り外し可能なキャップの内表面に固定して結合されてもよい。
【0169】
針シールドリムーバ2200が(矢印Rによって示された通り)シリンジ2212から離れるように引っ張られた時に、突起2218は硬い針シールド2216の下側周囲2214に対して力を及ぼし、硬い針シールド2216と柔らかい針シールド2220とをシリンジ2212から離れるように引っ張ることにより、使用のために針を露出させる。突起が他の場所に接触するように、例えば、突起が硬い針シールド2216の開口2222の中に延伸するように、または硬い針シールド2216の他の場所と接触する(例えば、突起は硬い針シールド2216において形成された対応する凹所と接触してもよい)ように配置されるように、取り外し要素2208は配置されてもよいことを留意されたい。
【0170】
図23は長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ2300の断面図を例示する。針シールドリムーバ2300は、上部開口2304を有する改変された硬い針シールド2302と、硬い針シールド2302に結合された係留構成要素2306とを含む。係留構成要素2306は開口2304から延伸する中空の芯棒2308を含む。硬い針シールド2302の肩2310は係留構成要素2306の周囲壁2312と横断方向の環状壁2314との間で係留され、横断方向の環状壁2314は芯棒2308の下側端に形成され、肩2310と柔らかい針シールド2316との間に配置される。柔らかい針シールド2316の一部分は硬い針シールド2302に形成された開口2318を通って延伸する。突起2320は(例えば、スナップ式で)自動注入デバイスの取り外し可能なキャップに係留構成要素2306を結合するために芯棒2308の底端に提供される。係留構成要素2306が(矢印Rによって示される通り)シリンジから離れるように引っ張られた時に、横断方向の環状壁2314が肩2310に対して力を及ぼすことにより、シリンジから離れるように硬い針シールド2302と柔らかい針シールド2316とを引っ張り、使用のために針を露出させる。
【0171】
図24は長手方向軸Lに沿って二等分された例示的な針シールドリムーバ2400の断面図を例示する。針シールドリムーバ2400は、底壁2404から延伸して底壁2404に接続された(または底壁2404と一体的に形成された)外壁2402と、底壁2404から延伸して底壁2404に接続された(または底壁2404と一体的に形成された)内壁2406とを含む。外壁2404と内壁2406とはシリンジの中央長手方向軸の周りで環状に位置合わせされてもよい。外壁2402と内壁2406とは、円形の断面、細長い断面、正方形の断面、長方形の断面、またはその他任意の適切な断面を有してもよい。
【0172】
カラーまたはバネクリップ2408は内壁2406の一端2410に形成された開口を通って延伸し、硬い針シールド2416の開口2414を通って柔らかい針シールド2412と接触する。1つ以上の突起2418が内壁2406の下側端2410に形成され、シリンジ本体2420と硬い針シールド2416の下側周囲2422との間に形成された空隙に配置される。カラー/バネクリップ2408は、突起2418がシリンジ本体2420と硬い針シールド2416の下側周囲2422との間の空隙からクリープすることを防ぐように突起2418を安定化させる。外壁2402は自動注入デバイスの取り外し可能なキャップの内表面に固定して結合されてもよく、
図24に示される通り、こうした結合を容易にするように、そして、取り外し可能なキャップに把持表面を提供するように1つ以上の突起2424を含んでもよいことを留意されたい。突起は、リング、カラー、フランジ、または他の種類の突起であってもよい。
【0173】
針シールドリムーバ2400が(矢印Rによって示される通り)シリンジ2420から離れるように引っ張られた時に、カラー2408と突起2418とは硬い針シールド2416に対して力を及ぼすことにより、シリンジ2420から離れるように硬い針シールド2416と柔らかい針シールド2412とを引っ張り、使用のために針を露出させる。カラー/バネクリップ2408および/または突起2418は硬い針シールド2416および/または柔らかい針シールド2412の他の場所に接触するように配置されてもよいことを留意されたい。針シールドリムーバ2400は自動注入デバイスの取り外し可能なキャップの内表面に固定して結合されてもよい。
【0174】
本明細書において考察された実施形態のそれぞれにおいて、シリンジから硬い針シールドを取り外すために硬い針シールドに接触する様々な突起が、例えば接着剤/エポキシ樹脂によって硬い針シールドに恒久的に取り付けられてもよいことを留意されたい。当然、こうした特徴は完全に任意選択であり、突起は硬い針シールドに恒久的に取り付けられる必要はない。
【0175】
VIII.自動注入デバイスを組み立てて使用する例示的な方法
例示的な針シールドリムーバは、自動注入デバイスの遠位キャップとデバイスの注入針を覆う1つ以上の針シールドとの両方に対する素早く容易で信頼可能な係合のために構成および設計される。1つ以上の例示的な方法がデバイスの他の構成要素と例示的な針シールドリムーバを組み立てるために使用されてもよい。
【0176】
例示的な方法において、シリンジがデバイスの筐体の中に挿入された後に、例示的な針シールドリムーバはシリンジと組み立てられてもよい。
【0177】
別の例示的な方法において、遠位キャップおよび針シールドとは別個の構成要素として提供される例示的な針シールドリムーバが、デバイスの筐体の中へのシリンジの挿入前に、シリンジと組み立てられてもよい。デバイス筐体の外側でシリンジと例示的な針シールドリムーバを組み立てることが出来ることは、シリンジと針シールドリムーバとの組立体がデバイス筐体の中に挿入される前に、針シールドリムーバがシリンジ上で針シールドと適切かつ信頼可能に係合させられることを確実なものにするための、組み立てプロセスの目視検査を可能にする。こうして、自動注入デバイスにおける例示的な針シールドリムーバの組み立ては、シリンジ組立体がデバイス筐体の中に挿入された時に、針シールドリムーバが針シールドと信頼可能にしっかりと係合させられることを確実なものにすることを可能にする。これが、従来の自動注入デバイスにおける針シールドの除去メカニズムに関する構成要素の公差と信頼できない配置との問題を解決する。
【0178】
図25はシリンジおよび自動注入デバイスの遠位キャップと例示的な針シールドリムーバを組み立てるための例示的な方法2500の流れ図であり、例示的な方法においては、針シールドリムーバは、自動注入デバイスの筐体の中へのシリンジの挿入の前に、シリンジと組み立てられる。
【0179】
ステップ2502において、適切な注入針がシリンジの遠位端に結合されてもよい。ステップ2504において、栓がシリンジの内容物をシールするためにシリンジ内に配置されてもよい。ステップ2506において、シリンジは1回分の用量の治療薬で満たされてもよい。ステップ2508において、注入針が1つ以上の柔らかい針シールドおよび/または1つ以上の硬い針シールドによって覆われてもよい。
【0180】
ステップ2510において、針シールドリムーバは、デバイスの筐体の中へのシリンジの挿入前に、シリンジに取り付けられた硬い針シールドに係合させられてもよい。デバイス筐体の外側でシリンジに例示的な針シールドリムーバを組み立てることが出来ることは、シリンジ組立体がデバイス筐体の中に挿入される前に、針シールドリムーバがシリンジ上で針シールドと信頼可能に係合されることを確実なものにするための、組み立てプロセスの目視検査を可能にする。
【0181】
例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムが硬い針シールドの近位端とシリンジ本体との間に形成された空隙に係合させられてもよい。例示的な実施形態において、針シールドリムーバが硬い針シールドを囲んで配置されると、シールド係合メカニズムは空隙における適切な場所に嵌ってもよく、組み立てプロセスの間に脱着させられなくてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズムが空隙における適切な場所に嵌った時に、硬い針シールドを覆う針シールドリムーバの挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、内側に突出するシールド係合メカニズムが空隙における針シールドに首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙におけるシールド係合構成要素の配置は、針シールドリムーバが硬い針シールドと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0182】
別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムが硬い針シールドにおいて画定された1つ以上の開口に係合させられてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムが硬い針シールドの外表面において1つ以上の隆起部分に係合させられてもよい。
【0183】
ステップ2512において、例示的な実施形態においては、シリンジスリーブはシリンジおよび針シールドリムーバと係合させられてもよい。シリンジスリーブはデバイス筐体に対して実質的に固定された軸方向の配向で維持されてもよい。次に、シリンジスリーブはシリンジスリーブに対して実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバを維持してもよい。この組み立ては、シリンジスリーブの検査窓または検査開口およびデバイス筐体の検査窓または検査開口と針シールドリムーバの切り欠き部分を位置合わせする。これは、ユーザが、デバイス筐体の検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物および/または注入終了のインジケータを見ることを可能にする。
【0184】
別の例示的な実施形態において、シリンジスリーブは自動注入デバイスに存在しなくてもよく、ステップ2512が飛ばされてもよい。この例示的な実施形態において、針シールドリムーバの軸方向の配向は、針シールドリムーバの切り欠き部分がデバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされるように、デバイス筐体に対して手動または自動で調節されてもよい。これは、ユーザが、デバイス筐体の検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/またはインジケータを見ることを可能にする。
【0185】
ステップ2514において、シリンジと針シールドリムーバとシリンジスリーブとの組立体はデバイス筐体の近位端を通ってデバイス筐体の中に挿入されてもよい。
【0186】
ステップ2516において、近位キャップが近位端をシールするためにデバイス筐体の近位端に結合されてもよい。
【0187】
ステップ2518において、遠位キャップが筐体の遠位端と針シールドリムーバとの両方に一工程で係合させられるように、遠位キャップはデバイス筐体の遠位端に結合されてもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップが、デバイス筐体の遠位端に配置された針シールドリムーバを覆って挿入されると、針シールドリムーバの1つ以上のキャップ係合メカニズムが遠位キャップに提供された中央開口内に嵌合してもよい。遠位キャップの中央開口に提供された1つ以上の内側に突出する停止部分(例えば、フランジまたは隆起部分)は、キャップ係合メカニズムの下に形成された空隙の中の適切な場所に嵌ってもよい。キャップ係合メカニズムが遠位キャップの中央開口における内側に突出する停止部分を覆って空隙における適切な場所に嵌った時には、針シールドリムーバを覆った遠位キャップの挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、キャップ係合メカニズムが遠位キャップと首尾よく係合させられたことを決定するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップとキャップ係合メカニズムの係合は、針シールドリムーバが遠位キャップと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0188】
図26は例示的な自動注入デバイスが組み立てられてもよい
図25の例示的な方法2500のデバイスの図を例示する。シリンジ組立体2600は、シリンジと、シリンジに結合された針シールドリムーバ2602と、シリンジおよび針シールドリムーバ2602に結合されたシリンジスリーブ2604とを含んでもよい。シリンジスリーブ2604の側壁は透明な検査窓または検査開口2606を画定しても含んでもよい。シリンジ組立体2600は自動注入デバイスの筐体2650の中へのシリンジ組立体2600の挿入前に組み立てられてもよい。筐体2650は近位端2652を有してもよく、近位端2652は組み立ての間には開き、シリンジ組立体が筐体2650の中に挿入された後に近位キャップ(図示せず)によって覆われてもよい。筐体2650は遠位端2654を有してもよく、遠位端2654は組み立ての間には開き、シリンジ組立体が筐体2650の中に挿入された後に遠位キャップ(図示せず)によって覆われてもよい。筐体2650の側壁は透明な検査窓または検査開口2656を画定しても含んでもよく、透明な検査窓または検査開口2656を通じて、ユーザはシリンジの内容物を見てもよい。
【0189】
針シールドリムーバ2602の遠位端がデバイス筐体2650の遠位端2654に配置されるように、組み立てられたシリンジ2600は矢印Rによって表される方向で近位端2652においてデバイス筐体2650の中に挿入されてもよい。シリンジ組立体2600が筐体2650に挿入されると、筐体2650の検査窓または検査開口2656はシリンジスリーブ2604の検査窓または検査開口2606と位置合わせされる。シリンジスリーブ2604の透明な検査窓または検査開口2606は、次に、針シールドリムーバ2602上の切り欠き部分と位置合わせされることにより、デバイスのユーザが、デバイス筐体2650の検査窓または検査開口2656を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/または注入終了のインジケータを見ることを可能にする。
【0190】
図27はシリンジおよび自動注入デバイスの遠位キャップと例示的な針シールドリムーバを組み立てるための例示的な方法2700の流れ図であり、例示的な方法2700においては、針シールドリムーバがデバイスの筐体の中へのシリンジの挿入後にシリンジと組み立てられる。
【0191】
ステップ2702において、適切な注入針がシリンジの遠位端に結合されてもよい。ステップ2704において、シリンジの内容物をシールするために栓がシリンジ内に配置されてもよい。ステップ2706において、シリンジは1回分の用量の治療薬で満たされてもよい。ステップ2708において、注入針は1つ以上の柔らかい針シールドおよび/または1つ以上の硬い針シールドによって覆われてもよい。
【0192】
ステップ2710において、例示的な実施形態においては、シリンジスリーブがシリンジに係合させられてもよい。シリンジスリーブはデバイス筐体に対して実質的に固定された軸方向の配向で維持されてもよい。次に、シリンジスリーブはシリンジスリーブに対して実質的に固定された軸方向の配向で針シールドリムーバを維持してもよい。この組み立ては、シリンジスリーブの検査窓または検査開口およびデバイス筐体の検査窓または検査開口と針シールドリムーバの切り欠き部分を位置合わせする。これは、ユーザがデバイス筐体の検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/または注入終了のインジケータを見ることを可能にする。
【0193】
別の例示的な実施形態において、シリンジスリーブは自動注入デバイスに存在しなくてもよく、ステップ2710が飛ばされてもよい。この例示的な実施形態において、針シールドリムーバの軸方向の配向は、針シールドリムーバの切り欠き部分がデバイス筐体の検査窓または検査開口と位置合わせされるように、デバイス筐体に対して手動または自動で調節されてもよい。これは、ユーザが、デバイス筐体の検査窓または検査開口を通じて、シリンジの内容物を見ることおよび/または注入終了のインジケータを見ることを可能にする。
【0194】
ステップ2712において、シリンジとシリンジスリーブとの組立体はデバイス筐体の近位端を通ってデバイス筐体の中に挿入されてもよい。
【0195】
ステップ2714において、近位キャップが近位端をシールするためにデバイス筐体の近位端に結合されてもよい。
【0196】
ステップ2716において、針シールドリムーバは自動注入デバイスの遠位キャップに係合されてもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップが針シールドリムーバを覆って挿入されると、針シールドリムーバの遠位端は遠位キャップに提供された中央開口内に嵌合してもよい。遠位キャップの中央開口に提供された1つ以上の内側に突出する停止部分(例えば、フランジまたは隆起部分)は、針シールドリムーバの遠位端に提供されたキャップ係合メカニズムの下に形成された空隙の中の適切な場所に嵌ってもよい。キャップ係合メカニズムが遠位キャップの中央開口における内側に突出する停止部分を覆って空隙における適切な場所に嵌った時には、針シールドリムーバを覆った遠位キャップの挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、キャップ係合メカニズムが遠位キャップと首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、遠位キャップとキャップ係合メカニズムの係合は、針シールドリムーバが遠位キャップと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0197】
ステップ2718において、遠位キャップと針シールドとの組立体は針シールドリムーバがシリンジ上で針シールドに係合させられるようにデバイス筐体の遠位端を覆うためにデバイス筐体の遠位端に結合されてもよい。例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムは硬い針シールドとシリンジ本体との間に形成された空隙に係合させられる。例示的な実施形態において、針シールドリムーバが硬い針シールドを覆って挿入されると、内側に突出するシールド係合メカニズムは空隙における適切な場所に嵌ってもよく、組み立てプロセスの間に脱着されなくてもよい。内側に突出するシールド係合メカニズムが空隙における適切な場所に嵌った時には、硬い針シールドを覆う針シールドリムーバの挿入に対して経験させられる力の減少が存在する可能性がある。例示的な実施形態において、この力の減少は、内側に突出するシールド係合メカニズムが空隙における針シールドに首尾よく係合させられたことを判断するために、ユーザによって感知されても、組立体の機械によって自動的に感知されてもよい。例示的な実施形態において、空隙におけるシールド係合メカニズムの配置は、針シールドリムーバが硬い針シールドと首尾よく係合させられたという可聴表示を提供する可聴「クリック」音を発してもよい。
【0198】
別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムは硬い針シールドに画定された1つ以上の開口に係合させられてもよい。別の例示的な実施形態において、針シールドリムーバの1つ以上の内側に突出するシールド係合メカニズムは硬い針シールドの外表面における1つ以上の隆起部分に係合させられてもよい。
【0199】
図28は注入を実施するために例示的な自動注入デバイスを使用するための例示的な方法2800の流れ図である。例示的な自動注入デバイスは治療薬でパッケージングされたり治療薬で事前に満たされたりしてもよく、使用前には、冷凍された貯蔵庫に貯蔵されてもよい。ステップ2802において、パッケージングされた自動注入デバイスは貯蔵庫から取り外されてもよい。ステップ2804において、自動注入デバイスは、自動注入デバイスのパッケージングや任意の包装から取り外され、例えば、パッケージングの外側でデバイスを室温のままにすることによって、またはデバイスを温めることによって室温まで温められてもよい。ステップ2806において、ユーザはデバイスが大量の治療薬を含むことを確実なものにするために、そして必要がある場合には、治療薬の透明度を確認するためにデバイス筐体に提供された透明な検査窓または検査開口を通じてデバイスの内容物を見てもよい。ステップ2808において、患者の身体上の注入部位が治療薬の送達のために選択され準備されてもよい。
【0200】
ステップ2810において、自動注入デバイスのユーザは、注入針と、針を保護するあらゆる針シールドとを保護する、自動注入デバイスの遠位キャップを取り外してもよい。デバイスにおいて提供された針シールドリムーバは、ユーザが遠位キャップを取り外した時に、針シールドの全てを自動的に取り外す。ステップ2812において、デバイスのユーザは、デバイスの遠位端が、患者の身体上の注入部位またはその近くに配置されるように、自動注入デバイスを配置してもよい。ステップ2814において、デバイス上の発射ボタンが、デバイスが注入部位において注入を行うように押し下げられても、作動させられてもよい。ステップ2816において、患者の身体上の注入部位がデバイスによって投与された治療上有効な用量の治療薬を受け取ってもよい。例示的な実施形態において、発射ボタンを作動させることが、注入針が筐体の開放遠位端から突出するようにデバイス筐体の中でデバイス筐体に対してシリンジを前進させてもよく、注入針を通って注入部位の中にシリンジから治療薬を排出するようにシリンジの中で栓を動かしてもよい。
【0201】
ステップ2818において、治療薬の投与後、自動注入デバイスは患者の身体上の注入部位から取り外されて、適切な方法で捨てられてもよい。
【0202】
IX.参照による組み込み
この出願全体を通して引用された、特許および特許出願を含む全ての参考文献の全内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。それらの参考文献の適切な構成要素および方法が本発明および本発明の実施形態に対して選択されてもよい。またさらに、背景技術の節で識別された構成要素および方法は本開示と一体であり、本発明の範囲内で、本開示の別の場所で記載された構成要素および方法と関連して、またはそれらの代わりに使用されてもよい。
【0203】
X.均等物
例示的な実施形態を記載する際、特定の用語が明確性の目的で使用される。記載の目的のために、特定の用語のそれぞれが、同様の目的を達成するために同様の方法で動作する全ての技術的な均等物および機能的な均等物を少なくとも含むように意図される。さらに、特定の例示的な実施形態が複数のシステム要素または複数の方法ステップを含む一部の場合において、それらの要素またはステップは単一の要素またはステップと置換されてもよい。同様に、単一の要素またはステップが同じ目的に適う複数の要素またはステップと置換されてもよい。さらに、様々な特性に関するパラメータが本明細書において例示的な実施形態に対して特定された場合には、それらのパラメータは、特に断りがない場合には、1/20、1/10、1/5、1/3、1/2などだけ上下に調節されてもよく、またはそれらのパラメータの丸め概算によって上下に調節されてもよい。さらに、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の特定の実施形態を参照して示され記載されてきたが、形態や詳細に関する様々な置換や代替案が本発明の範囲を逸脱することなく行われてもよいことを当業者は理解する。またさらに、他の局面、機能、および利点もまた本発明の範囲内である。
【0204】
例示的な流れ図が例示の目的のために本明細書において提供され、例示的な流れ図は方法の非限定的な例である。例示的な方法は例示的な流れ図に例示されたステップよりも多いステップまたは少ないステップを含んでもよいことと、例示的な流れ図におけるステップは示された順序とは異なる順序で行われてもよいこととを当業者は認識する。