(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200637
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】油入変圧器
(51)【国際特許分類】
H01F 27/02 20060101AFI20170911BHJP
H01F 27/00 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
H01F27/02 E
H01F27/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-187377(P2012-187377)
(22)【出願日】2012年8月28日
(65)【公開番号】特開2014-45114(P2014-45114A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴晃
(72)【発明者】
【氏名】白畑 年樹
(72)【発明者】
【氏名】椎名 洋悦
(72)【発明者】
【氏名】小野 淳治
【審査官】
久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−172124(JP,U)
【文献】
特開平08−162333(JP,A)
【文献】
特表2011−530185(JP,A)
【文献】
特開2012−102692(JP,A)
【文献】
特許第4950367(JP,B1)
【文献】
国際公開第2012/105032(WO,A1)
【文献】
特開2007−242904(JP,A)
【文献】
実開昭49−150318(JP,U)
【文献】
特開2008−103485(JP,A)
【文献】
特開昭48−021116(JP,A)
【文献】
特開昭51−044229(JP,A)
【文献】
特開昭49−004126(JP,A)
【文献】
特開平10−116734(JP,A)
【文献】
特開2009−267283(JP,A)
【文献】
特開2011−075425(JP,A)
【文献】
特開昭53−139128(JP,A)
【文献】
実開平06−031120(JP,U)
【文献】
特開平09−106918(JP,A)
【文献】
特開平03−021831(JP,A)
【文献】
特開昭46−055254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/00
H01F 27/02
H01F 27/08〜27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄心と巻線を変圧器タンク内に配置し、絶縁油を満たした油入変圧器であって、
前記変圧器タンクの上部に蓋を設け、該変圧器タンクの蓋に一次ブッシングと二次ブッシングを配置し、
前記変圧器タンクの側面に波形フィンを設けた放熱器を配置し、
前記変圧器タンクと前記放熱器とは側面の上部および下部をヘッダー部で接続して絶縁油が移動できるようにし、
前記放熱器は、その高さを前記変圧器タンクの蓋より高くし、内部の上部に空気層部を設け、
前記放熱器の上部と前記変圧器タンクの蓋とを、冷却器を設置した連結管で連結し、
前記放熱器の絶縁油の油面の位置を、前記放熱器の内部であって、波により絶縁油の油面が揺れても前記変圧器タンクに気泡が発生しない、前記変圧器タンクの蓋の高さより高い位置として、前記変圧器タンクの内部の上部に空気層部が生じないように構成したことを特徴とする洋上風力発電用の油入変圧器。
【請求項2】
請求項1記載の油入変圧器において、
前記連結管は、コ字形状であることを特徴とする油入変圧器。
【請求項3】
請求項1記載の油入変圧器において、
前記放熱器の上部に放圧装置を設置したことを特徴とする油入変圧器。
【請求項4】
請求項3記載の油入変圧器において、
前記放圧装置の周囲に油回収装置を設置したことを特徴とする油入変圧器。
【請求項5】
請求項4記載の油入変圧器において、
前記油回収装置は筒形状であることを特徴とする油入変圧器。
【請求項6】
請求項4記載の油入変圧器において、
前記油回収装置内に絶縁油を吸収する材料または固化する材料を配置したことを特徴とする油入変圧器。
【請求項7】
請求項6記載の油入変圧器において、
前記絶縁油を吸収する材料は、重層構造に圧着されたポリプロピレンシートであることを特徴とする油入変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油入変圧器に関し、特に放熱器を備えた油入変圧器に関する。
【背景技術】
【0002】
油入変圧器において、変圧器内部に異常が起きると異常温度が発生し、絶縁油や内部材料が分解され、さまざまなガスが発生する。このガスは、絶縁破壊、局部放電、加熱、タップの緩みなど異常に応じ、特有のガスを発生する。ここで変圧器の内部異常と発生ガスについて説明すると、巻線間短絡(アーク放電)の場合は、C
2H
2,H
2,CO,CO
2などのガスが発生し、タップ接触子間での放電の場合は、C
2H
2、C
2H
4、C
3H
6、C
4系の炭化水素ガスなどが発生し、鉄心等でのコロナ放電の場合は、H
2、CH
4,C
2H
2などのガスが発生する。また、絶縁紙の過熱に伴う場合、CO、CO
2が顕著になり、合成樹脂部の過熱の場合は、C
3H
6,C
4系の炭化水素ガスなどが発生し、鉄心部の過熱の場合、C
2H
4、CH
4などの炭化水素ガス、H
2などのガスが発生し、タップ切換器接触不良の場合は、C
2H
4,C
3H
6,C
4系炭化水素ガスなどが発生し、リード接続部の過熱の場合は、C
2H
4などの炭化水素ガスが発生する。
【0003】
また、油入変圧器において、内部異常が起きると内圧が上昇し、この内圧上昇に対し変圧器本体内に空気層部を設け、圧力を緩和する方法がある。この方法は、空気層部が十分確保できない場合には外部に空気層部を設ける必要がある。また、内圧上昇に対する保護部品として放圧装置があり、内部異常が発生したときは、放圧装置よりガス及び絶縁油が噴出する場合がある。
【0004】
そして、これらの噴出するガス及び絶縁油を回収するため、従来は
図5に示すような構成としていた。
図5は、油入変圧器において、油回収タンクを備え内部異常による噴出するガスや絶縁油を放圧管を介して回収する構成を示している。
図5において、1は変圧器本体、3は絶縁油、4は絶縁油の油面、7は空気層部、10は珪素鋼板やアモルファス薄帯より形成された鉄心、11は巻線、16は一次ブッシング、17は二次ブッシング、30は放圧管、31は油回収タンク、32は油回収タンク排油弁である。変圧器の内部の巻線、鉄心での放電、絶縁紙の過熱などにより内部異常が起きた場合、ガスが発生して内圧が上昇し、ガス及び絶縁油は放圧管30を通り油回収タンク31へ回収される。油回収タンク31がガスや絶縁油で満杯になったら油回収タンク排油弁32を解放して排油する。
【0005】
また、洋上風力発電用としてタワー内に
図5に示した油入変圧器を設置する場合、油入変圧器内には空気層部33が確保されているため、波によってタワーが揺れ、それに伴い油入変圧器も揺れることで空気層部33の空気と絶縁油3が混ざり、気泡が発生する可能性がある。絶縁油3内に気泡が発生すると、場合によっては気泡が原因で絶縁破壊を起こす恐れがある。
【0006】
従って、洋上風力発電用として油入変圧器を使用する場合は、波によって油入変圧器が揺れても絶縁油内に気泡が発生しない構成にする必要がある。
また、洋上風力発電用として使用する場合、内部異常が起こり放圧装置が動作し絶縁油が噴出したとき、環境上海洋に絶縁油が流出すると悪影響を及ぼすため噴出しても外部に絶縁油が漏れにくい構造にする必要がある。
また、特許文献1(特開2001−126931号公報)には、変圧器本体の情報に位置するコンサベータの下部と変圧器本体1の上部とを連絡し、この連絡部の上端と変圧器本体の側方に位置する冷却器の上部とを連絡する油連絡管を設けることが記載され、コンサベータの上部に放圧弁を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−126931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の油入変圧器において、空気層部が十分に確保できない場合外部に空気層部を設置し、内部異常により内圧が上昇し絶縁油の噴出に対しては、油回収タンクをそれぞれ油入変圧器本体外に設けることで、変圧器全体が大形化しコストアップとなる。また、洋上風力発電用として使用する場合、油入変圧器が波の揺れによって絶縁油内での空気の気泡を発生し絶縁破壊などを起こす可能性があり、さらに放圧装置が動作し絶縁油が変圧器外部に噴出して漏れ、環境上悪影響を及ぼす恐れがある。また、特許文献1は、放圧弁はコンサベータの上部に設置するものであって、本発明の構成とは異なる。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、油入変圧器に内部異常が起きたとき変圧器内の内圧緩和、放圧機構、及び油回収機構を併せ持つ放熱器を具備した油入変圧器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、鉄心と巻線を変圧器タンク内に配置し、絶縁油を満たした油入変圧器であって、前記変圧器タンクの上部に蓋を設け、該変圧器タンクの蓋に一次ブッシングと二次ブッシングを配置し、前記変圧器タンクの側面に波形フィンを設けた放熱器を配置し、前記変圧器タンクと前記放熱器とは側面の上部および下部をヘッダー部で接続して絶縁油が移動できるようにし、前記放熱器は、その高さを前記変圧器タンクの蓋より高くし、内部の上部に空気層部を設け、前記放熱器の上部と前記変圧器タンクの蓋とを
、冷却器を設置した連結管で連結し、前記放熱器の絶縁油の油面の位置を、前記放熱器の内部であって、波により絶縁油の油面が揺れても前記変圧器タンクに気泡が発生しない、前記変圧器タンクの蓋の高さより高い位置として、前記変圧器タンクの内部の上部に空気層部が生じないように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、油入変圧器内で内部異常が起き、ガスが発生し内圧が上昇しても変圧器本体内のガスは、連結管を介して放熱器へ移動し移動する際に冷却され、ガスは液体に戻り回収される。また、内圧上昇に対しては、放熱器の上部に設置した放圧装置により圧力を下げ、噴き出した絶縁油は放圧装置の周囲に設けた油回収筒で流出を軽減することができる。
【0012】
また、洋上風力発電用として使用する場合、絶縁油の油面位置が油入変圧器のカバー面より高くして変圧器本体には空気層部はないので、波により絶縁油の油面が揺れても気泡が発生することはなく、放熱器で生じる気泡は、絶縁油の循環が放熱器上部ヘッダー部は変圧器本体側より放熱器側へ、下部ヘッダー部は放熱器側から変圧器本体側へ流れ、空気層部が放熱器の上部にあるため変圧器本体には移動しにくい。従って、内部異常は起こり難い構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例の油入変圧器の正面断面図を示す。
【
図2】本発明の実施例の放熱器の正面断面図及び上面図を示す。
【
図3】本発明の別の実施例の油入変圧器の正面断面図を示す。
【
図4】油入変圧器の放熱器に設置した放熱装置の断面図及び上面部分切欠図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明による実施例の油回収機構を備えた放熱器を有する油入変圧器の正面断面図を示す。
図1において、1は油入変圧器本体、2は油入変圧器本体1の側面に取り付けられる放熱器、3は変圧器本体及び放熱器に充填している絶縁油、4は絶縁油の油面、5は変圧器本体1と放熱器2を連結している連結管、6は放圧装置、7は放熱器2上部の空気層部、10は変圧器本体1内に設置した珪素鋼板やアモルファス薄帯で形成した鉄心、11は巻線である。12は変圧器本体1と放熱器2を接続し、絶縁油3が移動するヘッダー部、13は変圧器本体1と放熱器2との絶縁油の流れの方向を示し、14は連結管5内のガスの流れ方向を示し、16は一次ブッシング、17は二次ブッシングを示す。
図1において、変圧器本体1の内部には、鉄心10と巻線11を組み込んだ組立体を設置し、変圧器タンク1の蓋41の上部には一次ブッシング16及び二次ブッシング17を配置する。変圧器本体1の側面には放熱器2を設置し、変圧器本体1と放熱器2はその側面の上部と下部にヘッダー部12を接続し、絶縁油3が相互に移動できるように構成する。
【0015】
また、
図1では、放熱器2を1個片側に配置しているが、もう片側に同じ構成の放熱器を設置してもよい。また、放熱器2の高さは、変圧器タンク本体1の蓋41面より高くする。そして変圧器本体1の上部と放熱器2の上部にコ字形状の連結管5を設置し、絶縁油3の油面が変圧器本体1のカバーより高くなるように変圧器本体1内に絶縁油を充填する。放熱器2において、その高さは変圧器本体1より高くし、絶縁油3は空気層部7を設けるため放熱器2の上部までは満杯にしないで、その絶縁油3の油面の高さは変圧器タンク本体1の蓋41面の高さより高くし、放熱器2の高さより低い位置とする。また、放熱器2は表面積を大きくした波形フィンで形成している。また、放熱器2の上部には、放圧装置6を設置する。放圧装置6については後で説明する。
【0016】
また、
図1において、変圧器本体1と放熱器2の絶縁油3の流れ13は、通常使用状態では変圧器本体1内では鉄心や鉄心の熱量で絶縁油は温められて下から上へ流れる対流となり、変圧器本体上部のヘッダー部より放熱器2に入り、冷却されて下降し、変圧器本体1の下部のヘッダー部より変圧器本体1に入り循環し、変圧器は冷却される。変圧器本体1内で、内部異常が起きたとき上記したようにガスが発生し、内圧が上昇するため、ガスは連結管5を介して流れ14のように放熱器2へ移動する。発生するガスは、放電の伴う場合は、C
2H
2,H
2ガスが多く、絶縁紙の過熱に伴う場合は、CO,CO
2が顕著になる。また、絶縁油3も内部異常により温度が上昇しガス化して連結管5を通る時、冷却され液化して液体に戻り、放熱器2内で絶縁油として回収することができる。このような構成とすることで、従来の油回収タンクを用いる必要はなくなる。
【0017】
(実施例2)
次に、洋上風力発電用として油入変圧器を使用する場合、外部特に外洋に絶縁油が流出しない構成について説明する。
図2は、絶縁油が外部に漏れない構造を有した放熱器を示し、
図2(a)は放熱器の上面図で、
図2(b)は放熱器の正面断面図を示す。
図2(a),(b)において、
図1と異なる点は、放圧装置6の周囲に放熱器の油回収筒を設けた点である。
【0018】
油入変圧器本体内に内部異常が起こり、ガスが発生し内圧が上昇して変圧器本体1の側面に設置された放熱器2と連結された連結管5を通って、ガスは空気層部7の圧力を一気に上げ放圧装置6が動作して、ガスは放圧装置6を介して外部へ放出される。このとき放圧装置6から放出されるのはガス以外に絶縁油も含まれる。この放出される絶縁油が外部に漏れないように放圧装置6の周囲に油回収筒8を設け、放圧装置6から放出した絶縁油を溜める構成とする。油回収筒8は蓋を設け、開閉できるようにする。
【0019】
また、油回収筒8内に絶縁油を吸収する、重層構造に圧着されたポリプロピレンシートなどを配置し、液体が外部へ漏れないようにすることも可能である。
さらに、絶縁油を吸収する以外に絶縁油を固化する材料を配置する方法もある。
このように、放圧装置6の周囲に救出された絶縁油を溜める、または吸収、固化する構成としているため、変圧器外部へ特に外洋に流出することを防止できる。
【0020】
ここで、
図2(a)において、放熱器2の構成について説明する。
油入変圧器本体1とヘッダー部12により接続された放熱器2は、ヘッダー部12とほぼ同じ寸法の幅を有する四角柱で形成され、ヘッダー部12に連なる平面の両側には波形フィン42を設置し、放熱器の表面積を増大し、冷却効率を向上させている。波形フィン42は、鉄鋼板を波形に折り曲げて形成し、この波形フィン42の中に絶縁油が入り、対流によって循環でき冷却するようになっている。放熱器2は、中央の四角柱の本体部分も波形フィンの部分も絶縁油は温度が高い方が上昇し、冷やされると下降する流れを形成する。
【0021】
(実施例3)
次に、油入変圧器本体1と放熱器2を連結する連結管5を冷却する構成について説明する。
図3は、連結管5に冷却機能を配置した図を示し、冷却器43は、連結管5に中空の管を所定回数巻いて、この管に水、冷媒ガスまたは空気などを送り、連結管5内を通過するガス、特に絶縁油がガス化した油のガスを冷却し、液化して液体に戻し回収する構成である。
【0022】
図3において、連結管5の冷却器43は、常時でなく内部異常が起きたとき圧力センサなどで内圧上昇を検知し、検知した信号により動作させることもできる。また、冷却は上記以外にファンなどの風力でもよく、急冷用スプレーなどを用いてもよい。
【0023】
次に、放圧装置6について説明する。
図4は放圧装置を示し、
図4(a)は放圧装置の上面図で、
図4(b)はその断面図である。
図4(a)(b)において、20はカバー、21はシャフト26の受け部、22は放圧装置本体、23は放熱装置の上部壁などの取付座、24は放圧装置を取付座に固定するボルト、25はナット、27はシャフト26に設けられているスプリング、28は放圧装置本体22に設けられた孔部、29はカバー20と放圧装置本体22が閉じた状態でガスが漏れないようにするためのOリング、30は放熱器2の上部壁を示す。
【0024】
次に、この放圧装置6の動作について説明する。放圧装置6の取付座23の下側の領域にガスや絶縁油の液体が充満し圧力が高くなると、放圧装置本体22の凹部31部分に高圧のガスが入り、放圧装置本体22に設けられた孔28から、カバー20と放圧装置本体22とで囲まれた空間32に高圧ガスや絶縁油の液体が入り、放圧機装置本体22は固定されているため、シャフト26が押し上げられると同時にスプリング27が圧縮し、シャフト26はカバー20の受け部21を押し上げ、カバー22は上方へ押し上げられる。カバー20が押し上げられると、放圧装置本体22とカバー20で形成された空間32の高圧ガス又は絶縁油の液体はカバー20の内側の空間33より放出される。
上記の構成において、内部異常により異常圧力が生じた場合、放圧装置のカバーを押し上げて、内圧を外部に放出し、内圧が低下したらカバー20はスプリング27により自動的に元に復帰して気密を保持する。
【0025】
本発明は、上記した構成により油入変圧器に内部異常が起きた場合、変圧器本体の側面に設置した放熱器とを連結した連結管でガス化した絶縁油を冷却して液体に戻し油回収ができるようにし、また、放熱器上部に設けた放圧装置の周囲に放出された絶縁油を溜めたり、吸収する材料や固化する材料を用いて外部へ絶縁油の液体が漏れないようにして、環境上悪影響を及ぼさないようにする。
【符号の説明】
【0026】
1‥油入変圧器タンク 2‥放熱器
3‥絶縁油 4‥絶縁油の油面
5‥連結管 6‥放圧装置
7‥空気層部 8‥油回収筒
10‥鉄心 11‥巻線
12‥ヘッダー部 14‥連結管のガスの流れ
16‥一次ブッシング 17‥二次ブッシング
20‥放圧装置カバー 21‥シャフト受け部
22‥放圧装置本体 23‥取付座
24‥ボルト 25‥ナット
26‥シャフト 27‥スプリング
28‥孔部 29‥Oリング
41‥変圧器タンクの蓋 42‥波形フィン
43‥冷却器