【文献】
株式会社コナミデジタルエンタテインメント,実況パワフルプロ野球15 最速公式ガイド,株式会社コナミデジタルエンタテインメント,2008年 8月14日,初版,Pages 1,64-67,73,160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係るゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
[ゲーム概要]
本ゲームは、ゲーム画面上に表示されるワールドマップと呼ばれる2次元または3次元の移動領域上を移動するプレイヤキャラクタなどのプレイヤオブジェクトを操作することによってゲームを進行させる。ワールドマップ上には、一または複数のゲームステージの入り口が設定されている。当該入り口にプレイヤオブジェクトを進入させることにより、ゲーム画面上にゲームステージ画面が表示され、ゲームステージにおけるゲームが開始される。
【0014】
ゲームステージに進入する際には、所定のパラメータ(例えばスタミナ値)が減少する。スタミナ値は、ワールドマップ上では時間経過に伴って自動的に増加(上限値まで回復)する。
【0015】
ゲームステージは、所定の形状を有する移動単位ユニットが複数連結されて構成されるマス目状の移動領域を有している。プレイヤオブジェクトは、連結されたマス目を順に辿ることによりゲームステージ内を移動することができる。ここで、プレイヤオブジェクトの移動には移動アイテムを用いる。移動アイテムは、ゲーム空間内で取得することができ、ゲーム画面上に表示されるものであり、例えばカード状の移動カードとして構成される。移動アイテムには移動領域を移動可能なマス目の数が少なくとも表示されている。プレイヤは移動アイテムを取得することができ、また、取得した複数の移動アイテムを保持することができる。移動アイテムを保持可能な上限枚数は予め設定されている。ゲームステージ内のプレイヤオブジェクトの移動に際しては、プレイヤが保持する複数の移動アイテムの中から、1つの移動アイテムを選択して使用することにより、原則として当該移動アイテムに記載されたマス目の数だけプレイヤオブジェクトを移動させることができる。
【0016】
移動アイテムは、ゲームステージにおいて、取得可能である。移動アイテムを取得する際、スタミナ値を消費して移動アイテムを取得することも、スタミナ値を消費せずに取得することも可能である。ただし、スタミナ値を消費することにより、特殊移動アイテムを取得する確率を高くすることができる。特殊移動アイテムには、移動領域を移動可能なマス目の数だけでなく、移動時にプレイヤオブジェクトに付加される能力(詳しくは後述するが、例えばはしごユニットの使用可能能力など)が表示されており、当該特殊移動アイテムを使用することにより、プレイヤオブジェクトが移動する際に、当該特殊カードに記載された能力の効果(例えばはしごユニットを用いた移動が可能となるなど)を得ることができる。また、ゲームステージ以外においても(例えばワールドマップ上やワールドマップ上に点在する町の中のお店などで)移動アイテムを取得することが可能である。
【0017】
移動領域を構成する移動単位ユニット(移動マス)は、所定のイベントが発生するイベントマスを含んでいる。プレイヤオブジェクトがマス目状の移動領域を移動し、イベントマスに位置した場合に、当該イベントマスに対応するイベントが発生する。イベントマスとしては、プレイヤオブジェクトの能力値(攻撃力、防御力、体力値、スタミナ値など)が減少したり、敵キャラクタの能力値が増加したりするネガティブイベントマスや、プレイヤオブジェクトの能力値が増加したり、敵キャラクタの能力値が減少したり、アイテムを取得できたりするポジティブイベントマスなどが含まれる。また、移動単位ユニット上にはアイテムやノンプレイヤオブジェクトである敵キャラクタなどが配置され得る。例えば敵キャラクタの位置する移動単位ユニット上にプレイヤオブジェクトが位置した際には戦闘が行われる。
【0018】
このように本ゲームにおいては、ゲームステージまたはワールドマップなどで移動アイテムを取得しながら、プレイヤが取りたい行動に応じて、複数保持した移動アイテムの中から選択した移動アイテムを使用する。このようにして、プレイヤオブジェクトを移動させてゲームステージごとに設定された課題(クエスト)を達成することが、本ゲームの目的である。
【0019】
また、ゲーム画面の所定位置にはゲームに対して課金を行うことでゲームを有利に進めるための特殊アイテムを取得することができるストア画面(図示せず)を表示可能に構成される。ストア画面では、特殊アイテムを所定枚数単位で購入することができる。具体的には、プレイヤが特殊アイテムを購入する操作を行うと、サーバ装置3とゲーム装置2とで通信を行い、プレイヤに特殊アイテムを所定枚数取得させるとともに、プレイヤのIDやそれに付随する口座情報などをサーバ装置3に伝え、プレイヤが取得する特殊アイテムの枚数に応じてサーバ装置3から電子取引によりプレイヤの口座から代金を引き落とすように構成される。このようにゲームに課金することで得られる特殊アイテムを使用することで、様々な場面でゲームを有利に進めることができるようになっている。
【0020】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施形態におけるゲームプログラムが適用されるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、コンピュータ装置として構成されるゲーム装置2と、サーバ装置3とが、インターネットやLANなどのネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちゲーム装置2は、その動作を制御するCPU10を備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM15、およびRAM16が接続されている。なお、ゲーム装置2は、ゲーム専用機器に限られず、スマートフォンやタブレット型情報端末などの携帯端末機器であってもよい。また、ゲーム装置2は、ディスクドライブ、メモリカードスロットまたはHDDなどを備えていてもよい。
【0021】
本実施形態におけるゲーム装置2は、サーバ装置3からネットワークNWを介して本実施形態に用いられる第1のゲームプログラム30aおよび後述する第1のゲームデータ30bをダウンロードすることにより、記憶装置14に格納する。また、CPU10は、ゲーム装置2で実行されたゲームの途中経過などのプレイ状況を示すセーブデータ42cを、所定のタイミングまたはプレイヤの操作に基づいてネットワークNWを介してサーバ装置3にアップロードする。すなわち、セーブデータ42cは、サーバ装置3に格納され、このセーブデータ42cをゲーム装置2に再びダウンロードすることにより、ゲーム装置2で当該セーブデータ42cに含まれるプレイ状況に基づいてゲームを再開することができる。
【0022】
なお、これに代えて、ディスクドライブを備えるゲーム装置においては、当該ディスクドライブにDVD−ROM等のディスク型記記憶体を装填することにより、ゲームプログラムおよびゲームデータをゲーム装置2が取得することとしてもよい。また、メモリカードスロットを備えるゲーム装置においては、カード型記憶媒体を装填することにより、当該カード型記憶媒体に、セーブデータを格納可能としてもよい
【0023】
ROM15は、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであり、ゲーム装置2を起動する起動プログラムなどが記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAMなどにより構成され、CPU10が実行するべき第1のゲームプログラム30aや、その実行の際に必要となる第1のゲームデータ30b、さらに、後述するサーバ装置3から取得される第2のゲームプログラム42aや、その実行の際に必要となる第2のゲームデータ42bなどを、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0024】
さらに、CPU10には、バス11を介してグラフィック処理部17、オーディオ合成部20およびネットワークインタフェイス25が接続されている。
【0025】
このうち、グラフィック処理部17は、CPU10の指示に従ってワールドマップおよびゲームステージなどの仮想ゲーム空間や各キャラクタ等を含むゲーム画像を描画する。また、グラフィック処理部17にはビデオ変換部18を介してゲーム装置2に内蔵されたモニタ19が接続されており、グラフィック処理部17にて描画されたゲーム画像はビデオ変換部18において動画形式に変換され、モニタ19にて表示されるようになっている。
【0026】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ合成部20にはオーディオ変換部21を介して外部のスピーカ22が接続されている。したがって、オーディオ合成部20にて再生および合成されたゲーム音声は、オーディオ変換部21にてアナログ形式にデコードされ、スピーカ22から外部へ出力されるようになっている。
【0027】
操作入力部12は、モニタ19上に設けられたタッチパネルで構成され、モニタ19上に表示された操作ボタンなどをプレイヤが触れることにより、対応する操作入力が行われる。なお、操作入力部12としてタッチパネルの代わりに、ゲーム装置に設けられた操作ボタンなどを操作することにより操作入力を行うこととしてもよい。
【0028】
一方、サーバ装置3は、その動作を制御する高性能のCPU40を備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインタフェイス45が接続されている。
【0029】
記憶装置42は、サーバ装置3が内蔵する大容量記憶媒体であって、上述したゲーム装置2が備えるものとは異なる第2のゲームプログラム42aおよび第2のゲームデータ42bなどを記憶する。さらに、記憶装置42は、ゲーム装置2からアップロードされたセーブデータ42cを記憶することができる。ROM43は、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであり、サーバ装置3と他のゲーム装置2との間の通信を制御するプログラムなど、サーバ装置3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。また、RAM44は、DRAMまたはSRAMなどから構成され、CPU40が実行するべき第2のゲームプログラム42aや、その実行の際に必要になる第2のゲームデータ42bなどを、ゲームのプレイ状況に応じて記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0030】
本実施形態においては、ゲーム装置2側に記憶された第1のゲームプログラム30aは、サーバ装置3との通信を行い、サーバ装置3からその都度ダウンロードされるゲーム情報を所定のゲーム画面の所定の位置に表示したり、プレイヤの操作を反映させるための処理を行う外形的なプログラムで構成されている。ゲームプログラムのうちゲーム構成やゲーム処理などを行うプログラムは、サーバ装置3側の記憶装置42に第2のゲームプログラム42aとして記憶される。また、ゲームプログラムに必要とされる全般的なゲームデータ42bは、サーバ装置3側の記憶装置42に第2のゲームデータ42bとして記憶され、ゲーム装置2側の記憶装置14には、ゲーム画面上で実際に表示する必要のあるゲームデータのみをサーバ装置3から随時ダウンロードして、第1のゲームデータ30bとして一時的に記憶する。例えばサーバ装置3の記憶装置42には、後述するゲームステージの情報、各種イベントの情報、各プレイヤのゲーム進行状況に関する情報(例えばプレイヤオブジェクトのレベル、スタミナ、どのゲームステージにいるか等の情報)、課金に関する情報などが記憶され、サーバ装置3がこれらの情報を管理する。
【0031】
この際、ゲームの進行は、サーバ装置3側で行うこととしてもよい。この場合、ゲーム装置2からの要求に応じてサーバ装置3がゲームを進行させ、その結果をゲーム装置2へ送ってゲーム画面に表示させる。例えば、ゲーム装置2が、後述するゲームにおいて、スタミナ値を減らすこと、移動アイテムの取得時における抽選を行うことなどの要求(操作)をサーバ装置3に送り、サーバ装置3でそれらの処理を実行して、その結果をゲーム装置2に返すようにしてもよい。これに代えて、ゲームの進行をゲーム装置2側で行い、その結果をサーバ装置3に送ってサーバ装置3で当該ゲームを管理することとしてもよい。例えば、スタミナ値を減らすこと、移動アイテムの取得時における抽選を行うことなどはゲーム装置2で行い、その結果をサーバ装置3に送って記憶させることとしてもよい。このようなクライアントサーバ方式のゲームプログラムとすることにより、ゲームプログラムおよびゲームデータの保守やアップデートを一括して容易に行うことができる。
【0032】
[ゲーム装置の機能的構成]
図2は、本実施形態におけるゲームシステムの機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲームシステム1を構成するゲーム装置2は、CPU10、記憶装置12、ROM15、RAM16、グラフィック処理部17、ビデオ変換部18、オーディオ合成部20、オーディオ変換部21、ネットワークインタフェイス25などを含む制御部を備えたコンピュータとして動作する。そして、
図2に示すように、ゲーム装置2の制御部は、サーバ装置3の制御部と協働して本発明のゲームプログラム30a,42aを実行することで、ステージ生成手段31、移動アイテム取得手段32、移動アイテム保持手段33、ゲームステージ移動手段34、パラメータ管理手段35、ゲームマップ生成手段36、およびプレイヤオブジェクト移動手段37などの機能を発揮する。
【0033】
このうち、ステージ生成手段31は、プレイヤオブジェクトがゲームステージに進入した際に、マス目状の移動領域を有するゲームステージを生成し、モニタ19に表示する。さらに、ステージ生成手段31は、ゲームステージ上にプレイヤオブジェクトやノンプレイヤオブジェクトなどを配置する。また、ゲームマップ生成手段36は、プレイヤオブジェクトが自由に移動可能な2次元または3次元の通常のゲームマップ(ワールドマップ)および当該ゲームマップを移動するキャラクタやゲームステージの入り口などを生成する。
【0034】
移動アイテム取得手段32は、移動領域を移動可能なマス目の数が少なくとも表示される移動アイテムを、プレイヤの操作に応じて取得させる。また、移動アイテム保持手段33は、プレイヤが取得した移動アイテムを複数保持可能とする。すなわち、移動アイテム取得手段32により取得された移動アイテムは、ゲーム装置2の記憶装置14またはサーバ装置3の記憶装置42に所定の上限枚数まで複数記憶可能に構成されている。
【0035】
ゲームステージ移動手段34は、プレイヤが保持する複数の移動アイテムの中から、プレイヤが選択した移動アイテムの内容に基づいて、移動領域上でプレイヤが操作するプレイヤオブジェクトを移動させる。具体的には、ゲームステージ移動手段34は、原則としてプレイヤオブジェクトの現在地からプレイヤが選択して使用した移動アイテムに表示されている数字だけ離れた移動マス(移動単位ユニット)にプレイヤオブジェクトを移動させる。移動領域の分岐などにより、当該移動マスが複数存在する場合は、プレイヤが何れの移動マスに移動するかを選択することができる。
【0036】
パラメータ管理手段35は、プレイヤの所定の操作に基づいて値が増減するパラメータ(スタミナ値)を管理する。パラメータ管理手段35は、上述したように、プレイヤオブジェクトがワールドマップに位置する場合には、上限値までは時間経過に応じて自動的にスタミナ値を上昇させたり、プレイヤオブジェクトがゲームステージの入り口に侵入した場合に、当該ゲームステージに設定されたスタミナ値を消費(減少)させたり、移動アイテムを取得する際に所定の値だけスタミナ値を減少させたりする。
【0037】
プレイヤオブジェクト移動手段37は、ワールドマップ上で移動するプレイヤオブジェクトをプレイヤの操作に基づいて移動させる。
【0038】
[ワールドマップ]
次に本実施形態におけるワールドマップ画面について説明する。
図3は本実施形態においてワールドマップが表示されたゲーム画面を示す図である。また、
図4は
図3に示されるワールドマップからゲームステージへの移行処理を説明するためのフローチャートである。まず、ゲーム開始後、プレイヤが所定の町などからワールドマップMへ移動する操作を行うと、ゲームマップ生成手段36は、プレイヤオブジェクトPが自由に移動できるゲームマップとして構成されるワールドマップMをモニタ19のゲーム画面上に表示する(ステップS1)。
図3に示すように、本実施形態においては、2次元のワールドマップMがゲームマップとしてゲーム画面上に表示される。ワールドマップM上には、様々な地形および岩や木などのオブジェクトが配置されている。なお、
図3においては、ゲーム画面上に実際には見えていない(非表示の状態で設定されている)オブジェクトなどを想像線で示している。また、図示していないがワールドマップM上には進入可能な町や村などが点在するように設定されている。また、ワールドマップMは、2次元に限られず、3次元のマップで構成されてもよい。
【0039】
また、ワールドマップM上には、プレイヤオブジェクトPやノンプレイヤオブジェクトNなどが配置される。プレイヤオブジェクトPやノンプレイヤオブジェクトNのワールドマップM上の位置座標は、記憶装置(14または42)に逐次記憶される。プレイヤオブジェクトPは、プレイヤの操作入力部12の操作に基づいて移動する。例えば、タッチパネルとして構成されるゲーム画面においては、プレイヤオブジェクトPを移動させたいワールドマップM上の目的地をタッチすることにより、当該目的地へ直線状に移動させることができる。また、プレイヤオブジェクトPをタッチした状態でワールドマップM上の目的地にプレイヤの指を移動させることにより当該プレイヤの指の動きに沿った経路(
図3において矢印Kで示す)でプレイヤオブジェクトPを移動させることができる。プレイヤオブジェクト移動手段37は、プレイヤの操作に基づいてプレイヤオブジェクトPをワールドマップM上で移動させる。なお、プレイヤオブジェクト移動手段37は、プレイヤオブジェクトPをプレイヤの指の動きに沿った経路で移動させる場合、プレイヤの指の移動軌跡をゲーム画面上に表示してプレイヤオブジェクトPをその移動軌跡に沿って移動させることとしてもよい。
【0040】
パラメータ管理手段35は、ワールドマップM上の移動に伴ってスタミナ値を所定量減少させる。例えば、パラメータ管理手段35は、ワールドマップM上を所定距離または所定時間進むごとに所定量のスタミナを減少させる。移動の途中でスタミナ値が0になった場合、プレイヤオブジェクト移動手段37は、プレイヤオブジェクトPをその場で停止させる。このとき、所定のイベント(一定時間眠る、一番近い町に強制的に戻されるなど)を発生させてもよい。
【0041】
さらに、パラメータ管理手段35は、スタミナ値を、時間の経過に応じて回復させる。スタミナの回復は、プレイヤオブジェクトPが停止している間の所定時間経過時に行うこととしてもよいし、プレイヤオブジェクトPの移動時を含む所定時間経過時に行うこととしてもよい。また、設定される時間は、実時間(現実空間における実際の時間、例えば3分経過するとスタミナ値が1回復するなど)であってもよいし、ゲーム空間内で独自に設定される時間(例えば実時間における1分がゲーム空間における1時間に設定される時間またはプレイヤオブジェクトPが所定距離移動するごとに所定の単位時間進むように設定される時間など)であってもよい。
【0042】
また、ワールドマップM上の所定位置には、ゲームステージへの入り口Eが設定される。本実施形態において、ゲームマップ生成手段36は、ゲームステージへの入り口EをゲームマップM上に非表示かつプレイヤオブジェクトPが進入不可の状態で設定する。プレイヤオブジェクトPには、自身の位置に基づいて所定の第1領域A1が設定されている。第1領域A1は、例えばプレイヤオブジェクトPを中心とする円として設定されるが、プレイヤオブジェクトPを第1領域A1の中心からずらした位置に設定してもよいし、第1領域A1の形状も楕円や四角などであってもよい。ゲームマップ生成手段36は、所定のタイミングごと(例えばプレイヤの操作入力ごと、所定のフレーム数経過ごとなど)にプレイヤオブジェクトPに基づいて設定される第1領域A1内に非表示の状態にあるゲームステージへの入り口Eが存在するかどうかを判定する(ステップS2)。具体的には、ゲーム装置2またはサーバ装置3は、プレイヤオブジェクトの位置座標、入り口Eの位置座標(表示領域の外周座標)および第1領域A1の外周座標を記憶し、これに基づいて判定を行う。ゲームマップ生成手段36は、プレイヤオブジェクトPの位置座標と第1領域A1の外周座標とを比較して、プレイヤオブジェクトPの位置座標が第1領域A1内に位置したかどうかを判定する。
【0043】
プレイヤオブジェクトPを移動させた結果、プレイヤオブジェクトPの位置がゲームステージへの入り口Eに近づくことにより、プレイヤオブジェクトPに基づく第1領域A1内に入り口Eが位置した場合(ステップS2でYes)、ゲームマップ生成手段36は、対応するゲームステージへの入り口Eを表示し、かつプレイヤオブジェクトPが当該入り口Eに進入することを可能に設定する。これにより、プレイヤがプレイヤオブジェクトPを当該入り口E上に位置させるように移動させることにより、ゲームステージへの移行処理が開始される。なお、ゲームステージへの入り口Eを表示する際、ゲームマップ生成手段36は、プレイヤオブジェクトPの現在位置から当該入り口Eまでの経路をゲームマップM上に表示して、その経路上を自動的にまたはプレイヤの操作に基づいて移動させることとしてもよい。
【0044】
ステージ生成手段31は、プレイヤオブジェクトPがゲームステージへの入り口Eに進入したかどうかを判定する(ステップS4)。具体的には、ステージ生成手段31は、入り口Eの表示領域の外周座標とプレイヤオブジェクトPの位置座標とを比較して、入り口Eの表示領域内にプレイヤオブジェクトPの位置座標が位置していればプレイヤオブジェクトPが入り口Eに進入したと判定する。プレイヤオブジェクトPが入り口Eに進入したと判定された場合(ステップS4でYes)、ステージ生成手段31は、ゲーム画面上に当該入り口Eに対応するゲームステージに入るか否かを確認する画面を表示する(ステップS5)。プレイヤが当該ゲームステージに入ることを選択した場合(ステップS5でYes)、パラメータ管理手段35は、現在のスタミナ値が当該ゲームステージに入るために必要なスタミナ値以上あるかどうかを判定する(ステップS6)。
【0045】
現在のスタミナ値が当該ゲームステージに入るために必要なスタミナ値以上ある場合(ステップS6でYes)、ステージ生成手段31は、対応するゲームステージをゲーム画面上に表示し(ステップS7)、当該ゲームステージを開始する(ステップS8)。一方、現在のスタミナ値が当該ゲームステージに入るために必要なスタミナ値未満である場合(ステップS6でNo)、ステージ生成手段31は、ゲーム画面上に、スタミナ値が足りない旨のエラー表示を行い(ステップS9)、再びワールドマップM上をプレイヤオブジェクトPが移動可能な状態とする。なお、スタミナ値が足りない場合には、ステージ生成手段31は、ゲーム画面上に、スタミナを回復するアイテムの使用を促す表示を行ったり、特殊アイテム(課金)によりスタミナの回復が行えることについてのガイダンス表示を行ったりしてもよい。
【0046】
前述したとおり、パラメータ管理手段35は、プレイヤオブジェクトPがワールドマップMに位置する場合には、上限値までは時間経過に応じて自動的にスタミナ値を上昇させる。このため、ステップS6でスタミナ値が不足していた場合であっても、所定のアイテムを使用したり、ワールドマップM上でプレイヤオブジェクトPを待機させることによりスタミナ値を回復させれば、当該ゲームステージを開始させることも可能である。ただし、ゲームステージの開始に必要なスタミナ値がプレイヤオブジェクトPのスタミナ値の上限値より大きい場合には、当該ゲームステージを開始させることはできない。例えば、ゲームステージの開始に必要なスタミナ値は、ゲームステージの難易度や攻略により得られるアイテムの希少度などによって変化してもよい。また、プレイヤオブジェクトPのレベル(経験値)に応じてスタミナ値の上限値が変化してもよい。このため、ゲームステージの難易度やプレイヤオブジェクトPのレベルとの関係で当該プレイヤオブジェクトPが開始できるゲームステージが制限される場合があり得る。なお、特殊アイテム(課金)やその他の所定のアイテムの使用によってスタミナ値の上限値が変化(上昇)してもよい。
【0047】
また、ワールドマップM上には、ノンプレイヤキャラクタNや所定のアイテムが入った宝箱Lなども配置される。ノンプレイヤキャラクタNやアイテムLなどもゲームステージへの入り口Eと同様に、初期設定として非表示の状態とし、プレイヤオブジェクトPに基づく第1領域A1内に位置した際に表示状態にすることとしてもよい。また、プレイヤオブジェクトPに基づく第1領域Aの代わりに、プレイヤオブジェクトPが進入した際に非表示のオブジェクトを表示させる領域として、ゲームステージへの入り口Eなどのオブジェクトごとに、当該オブジェクトを基準とした所定の領域を設定することとしてもよい。なお、特定のオブジェクトは、常に表示されることとしてもよいし、通常は表示されない種類のオブジェクトでも、特定のイベントに関連するオブジェクトは予め表示されることとしてもよい。
【0048】
このように設定されたワールドマップM上や当該ワールドマップM上に点在する町の中でプレイヤオブジェクトPが遭遇したノンプレイヤキャラクタと会話したり、所定のイベントが発生した際に、対応するゲームステージを攻略するというクエストが発生する。クエストを受任した場合、プレイヤはワールドマップM上で対応するゲームステージへの入り口Eを探索することになる。ワールドマップM上で非表示となっているゲームステージへの入り口Eの所在については、ノンプレイヤキャラクタとの会話などによりヒントが与えられる。
【0049】
さらに、ゲームステージへの入り口Eを表示させるためにスタミナ値を消費させることとしてもよい。例えば、プレイヤオブジェクトが所定のノンプレイヤキャラクタに会った際に、スタミナ値を消費する操作をプレイヤが行うことにより、ゲームステージへの入り口Eが表示される。これにより、スタミナ値の減少と引き換えに、プレイヤが当該入り口Eを発見する時間を短くすることができる。
【0050】
この場合、具体的には、パラメータ管理手段35は、プレイヤの操作に基づいてスタミナ値を予め設定された量減少させ、ゲームマップ生成手段36は、予め設定された量のスタミナ値を減少させるプレイヤの上記操作に基づいて、ワールドマップM上において非表示の状態となっているゲームステージへの入り口Eを表示し、かつプレイヤオブジェクトPが進入可能の状態とする。なお、この場合には、さらに、表示状態となったゲームステージへの入り口EにプレイヤオブジェクトPを自動的に移動(瞬間移動)させることとしてもよい。
【0051】
また、ゲーム空間内で経過する時間などに応じてゲームステージへの入り口Eが現れたり現れなかったりするような演出を行ってもよい。例えば夜の間だけ入り口Eが現れるゲームステージが設けられ得る。この場合、ゲームマップ生成手段36は、ゲーム空間内で経過する時間に基づく所定の時間において対応するゲームステージへの入り口Eを表示し、かつプレイヤオブジェクトPが進入可能の状態とし、それ以外の時間において当該入り口Eを非表示かつプレイヤオブジェクトPの進入を不可とする。
【0052】
また、ゲームに課金することで得られる特殊アイテムを使用することでのみ、ゲームステージへの入り口Eが現れるゲームステージを設定してもよい。このようなゲームステージにおいてはプレイヤオブジェクトPの能力値を上げるための経験値が多く取得できたり、特殊または珍しいアイテムが取得できたりすることとしてもよい。
【0053】
本ゲームは、上記のようにワールドマップM上でクエストの目的地であるゲームステージの入り口Eを探索し、当該ゲームステージを攻略することにより進行する。また、所定のゲームステージを攻略すると、ワールドマップM上で行動可能な範囲が広がるように構成されることとしてもよい。
【0054】
また、ワールドマップM上に、サーバ装置3の記憶装置42に記憶されている他のプレイヤ(他のゲーム装置2のプレイヤ)のプレイヤオブジェクトPを登場させてもよい。この際、一のプレイヤのゲーム装置2と他のプレイヤのゲーム装置2とをサーバ装置3を介して同期することとしてもよいが、一のプレイヤのゲーム装置2と他のプレイヤのゲーム装置2とは非同期の状態のまま、他のプレイヤのプレイヤオブジェクトPをノンプレイヤキャラクタとして一のプレイヤのゲーム装置におけるワールドマップM上に表示させることとしてもよい。この際、例えば過去に遭遇した他のプレイヤのキャラクタのゲームの進行状況を反映して、当該キャラクタのワールドマップM上の位置(当該プレイヤによりセーブされたゲームデータにおけるワールドマップM上の位置)を表示させることとしてもよい。
【0055】
また、例えばノンプレイヤキャラクタとして登場する他のプレイヤのキャラクタが一のプレイヤのゲーム進行状況より先に進んでいる場合には、プレイヤオブジェクトが当該ノンプレイヤキャラクタと会話した際に、他のプレイヤが攻略済みのゲームステージの入り口Eや攻略法(例えばどのような敵キャラクタがいるか、どのような属性の攻撃が有効かなど)を表示するようにしてもよい。
【0056】
なお、過去に遭遇した他のプレイヤキャラクタの代わりに、所定の方法でフレンドとして登録された他のプレイヤキャラクタのゲームの進行状況をワールドマップM上に反映することとしてもよい。フレンドの登録に際しては、例えば、過去に遭遇した他のプレイヤのキャラクタの情報を一覧できる画面を表示させ、当該一覧表示の中から、所望のキャラクタに対してフレンド申請を行う。フレンド申請された他のプレイヤは、フレンド申請に対して許可または拒否することができ、当該プレイヤによりフレンド申請が許可されることにより、両キャラクタがフレンドとしてサーバ装置3に記憶(登録)される。なお、過去に遭遇した他のプレイヤキャラクタ以外の他のプレイヤキャラクタについても、所定の方法で(例えばランキングに基づいて、または、ランダムなどで)一覧表示させた上で、当該一覧表示されたキャラクタの中からプレイヤが選択してフレンド申請を実行可能としてもよい。
【0057】
[ゲームステージ]
次に本実施形態におけるゲームステージ画面について説明する。
図5は本実施形態においてゲームステージが表示されたゲーム画面を示す図である。
【0058】
ゲームステージGは、所定の形状を有する移動単位ユニットとして構成される移動マスHf,Hp,Hnが複数連結されて構成されるマス目状の移動領域Rを有している。移動マスには、プレイヤオブジェクトPが位置した際に、イベントが発生しない普通マスHfと、イベントが発生するイベントマスとが含まれる。イベントマスには、後述する敵キャラクタの攻撃力などの能力値が下がったり、アイテムが得られるなど、プレイヤにとって利益となるイベントが発生するポジティブマスHpと、プレイヤオブジェクトPの体力が減少したり、敵キャラクタの能力値が上がったりするなど、プレイヤにとって不利益となるイベントが発生するネガティブマスHnとが含まれる。
【0059】
移動領域Rの移動マス上には、プレイヤオブジェクトPおよび敵キャラクタF1,F2が配置される。本実施形態において、敵キャラクタF1,F2は、予め所定の位置に配置された状態で固定されている。なお、敵キャラクタF1,F2は、移動領域R上を移動する(例えばプレイヤオブジェクトPと移動する順番が交互にくるターン制を採用する)こととしてもよい。また、本実施形態においては、敵キャラクタF1,F2は、常に表示されている(プレイヤに見えている)状態としているが、どこに敵キャラクタF1、F2が配置されているか分からないように非表示としてもよい。
【0060】
また、ゲーム空間内で経過する時間によって敵キャラクタF1,F2の数、能力、種類などが変化することとしてもよい。すなわち、ステージ生成手段31は、ゲーム空間内で経過する時間に基づく所定の時間において配置される敵キャラクタF1,F2の数、能力および種類のうちの少なくとも1つを上記所定の時間以外とは異ならせることとしてもよい。例えば夜になると、敵キャラクタF1の数が増えたり、ボス敵キャラクタF2が特殊な攻撃(プレイヤキャラクタPが受けるダメージがより大きい攻撃)を行う確率が高くなるなどの変化が生じる。これにより、同じゲームステージGでも攻略する時間帯に応じて異なる戦略を立てる必要が生じ、より戦略性に富んだゲームとすることができる。
【0061】
プレイヤオブジェクトPは、後述する移動アイテムを用いて移動領域R上を移動し、敵キャラクタF1,F2が位置する移動マスと同じ移動マス上に位置した際に、戦闘が行われる。戦闘は、カードバトルなどの所定の戦闘が行われる。
【0062】
移動マスには、ゲームステージの場所、特性などに応じて種々の模様や色などのテクスチャがつけられている。例えば、洞窟のゲームステージGであれば、移動マスに岩の模様や色などのテクスチャが付され、火山地帯近くのゲームステージGであれば、移動マスに火山や溶岩の模様や色などのテクスチャが付される。さらに、移動マスには、ゲームステージの場所、特性などに応じてプレイヤオブジェクトPや敵キャラクタF1,F2の能力値に影響を与える属性情報が付されていてもよい。
【0063】
属性情報が付された移動マスでプレイヤオブジェクトPが停止し、そこで敵キャラクタF1,F2と戦闘が行われる場合には、プレイヤオブジェクトPおよび敵キャラクタF1,F2の能力値などに、当該属性情報による属性効果が適用される。属性効果には、戦闘が行われる移動マスの属性と同じ属性を有する攻撃力が上昇したり、睡眠などの状態異常の付加確率が増大または減少したりする。例えば、火山地帯近くのゲームステージGであれば移動マスに火の属性が付されていてもよい。これにより、当該移動マスにおいて戦闘が行われた場合に、プレイヤオブジェクトPおよび敵キャラクタF1,F2の火の属性の攻撃力が上昇する。また、例えば、ガス地帯近くのゲームステージGであれば移動マスに淀んだガスの属性が付されていてもよい。これにより、睡眠などの状態異常の付加確率が増大する。このように様々な効果を生じる属性を移動マスに付加することにより、戦闘が行われる移動マスに応じて戦闘の有利不利を生じさせることができ、より戦略性に富んだゲームとすることができる。
【0064】
なお、属性情報には、その属性の効果の強さについての情報が含まれていてもよい。この場合、属性の効果の強さを複数設定することも可能である。例えば、同じ火の属性であっても、火の属性の攻撃力の上昇量または上昇率の大きさに応じて複数の段階を設定することができる。この場合、属性の強さを移動マスの表示によって示してもよい。例えば、火の属性の場合、移動マス上に立体的な炎の表示を付加し、攻撃力の上昇量または上昇率が高いほど大きい炎の表示とすることができる。また、属性情報が付加されるのは、普通マスHfのみでもよいし、イベントマスHp,Hnにも付加されることとしてもよい。
【0065】
ポジティブマスHpは、プレイヤオブジェクトPが位置すると、敵キャラクタF1,F2の攻撃力などの能力値が下がったり、アイテムが得られるなど、プレイヤにとって利益となるイベントが発生するイベントマスである。例えば、利益となるイベントの効果としては、プレイヤオブジェクトPの体力が回復したり、ボスの敵キャラクタF2が弱体化したり、敵キャラクタF1の数が少なくなったり、後述する特殊移動アイテムが得られたりすることなどが含まれる。また、ネガティブマスHnは、プレイヤオブジェクトPが位置すると、例えばゲームステージG上の敵キャラクタF1,F2の能力値が上がったり、プレイヤオブジェクトPの体力が減少したりするなど、プレイヤにとって不利益となるイベントが発生するイベントマスである。ポジティブマスHpおよびネガティブマスHnのそれぞれにおいて、何れの効果が生じるかは、ランダムまたは予め設定された抽選確率に基づいて抽選されることとしてもよいし、イベントマスごとに生じる効果が予め設定されていてもよい。なお、普通マスHfにおいてもポジティブマスHpの同様かつ効果のより弱いイベントがより低確率で発生することとしてもよい。
【0066】
また、ゲームステージGには、複数の移動単位ユニットの間を連結する連結ユニットも設けられ得る。例えば、
図5の例においては、ゲームステージGの構成要素として2つの移動単位ユニットを3次元的に連結するはしごユニットQが用いられており、移動領域Rが3次元的に構成されている。なお、連結ユニットは、はしごユニットQだけでなく、例えば階段やワープポイント(2つの移動単位ユニット間を瞬間移動することができる)などの機能を実現するユニットを含んでもよい。これらの連結ユニットは、後述する移動に要するマス目の数には含まれない(含むこととしてもよい)。なお、移動領域Rを3次元的に構成するために、連結ユニットを用いない構成とすることもできる。例えば、隣接する2つの移動単位ユニット同士に高さ方向に段差を設けた上で、プレイヤオブジェクトPが当該段差を移動可能としてもよい。この場合、隣接する2つの移動単位ユニットの高さを段階的に設定し、所定の段階までは移動(ジャンプ移動)可能であるが、所定の段階を超えた場合には、ジャンプ力アップなどの特殊能力やアイテムを必要としたり、回り道をしないとたどり着けないように設定してもよい。
【0067】
また、移動マス上には、プレイヤオブジェクトPや敵キャラクタF1,F2の他に、宝箱Lや体力回復アイテムなどプレイヤが取得可能なもの(一度取得すると消えてしまうもの)が配置可能である。また、図示しないが、障害物や扉、トラップなどの固定物など様々な効果を生じるオブジェクトを移動マス上に配置可能である。
【0068】
その他、ゲームステージ画面におけるゲーム画面において、ステージ生成手段31は、種々の表示を行う。例えば、ゲーム画面には、そのゲームステージGにおける最終目的(クエストの内容)D1が表示される。
図5の例では、「最奥のボスモンスターを倒せ!」と表示されており、最終目的がプレイヤオブジェクトPと最も離れた場所に初期配置されるボス敵キャラクタF2を討伐することであることが示される。
【0069】
また、ゲーム画面には、プレイヤオブジェクトPのスタミナ値および体力値を含むステータス情報欄D2が表示されている。また、ゲーム画面には、プレイヤが所持し、プレイヤオブジェクトPの移動に用いる移動アイテム(移動カード)が表示される移動アイテム表示領域Cが設けられており、プレイヤが獲得した移動アイテムCn,Csが表示されている。さらに、ゲーム画面には、この移動アイテムを取得するための移動アイテムドローボタンB1,B2が表示されている。移動アイテムドローボタンは、スタミナ値を使用して移動アイテムを取得するスタミナ使用ドローボタンB1とスタミナ値を使用しないで移動アイテムを取得するスタミナ不使用ドローボタンB2とが含まれる。
【0070】
また、ゲーム画面には、ゲームに対して課金を行うことでゲームを有利に進めるための特殊アイテムを取得することができるストア画面への移行ボタンB3が表示されている。前述したように、ストア画面では、特殊アイテムを所定枚数単位で購入することができる。
【0071】
プレイヤオブジェクトPは、このように構成されたゲームステージGの移動領域R上をプレイヤが所持する移動アイテムの内容に基づいて移動可能に構成されている。移動アイテムは、移動可能なマス目の数のみが表示される通常の移動アイテム(第1の移動アイテム)Cnと、移動可能なマス目の数および移動時にプレイヤオブジェクトPに付加される能力が表示される特殊移動アイテム(第2の移動アイテム)Csとを含んでいる。特殊移動アイテムCsにおいてプレイヤオブジェクトPに付加される能力には、例えば、はしごユニットQを使用することができる能力、移動範囲内に敵キャラクタF1が配置されていても敵キャラクタF1との戦闘を回避できる能力、ネガティブマスHnに位置してもプレイヤにとって不利益なイベントを回避できる能力、障害物を破壊できる能力、状態異常の付加を回避できる能力などが含まれる。移動可能なマス目の数とともにこれらの能力の表示は、移動アイテム表示領域Cに表示されるカード状の表示枠内に文字または模式図で示される。また、特殊移動アイテムCsは、通常の移動アイテムCnと一目で区別できるように表示されている。具体的には、特殊移動アイテムCnは、例えば表示枠の周囲が装飾表示されていたり、背景色が通常の移動アイテムCnと異なったりしている。
【0072】
以下、上述した移動アイテムCn,Csを用いてプレイヤオブジェクトPをゲームステージGの移動領域R上を移動させる態様について説明する。まず、移動アイテム取得手段32は、上記のような移動アイテムCn,Csをプレイヤの操作に応じて取得させる。例えば、ゲームステージG内では、プレイヤが移動アイテムドローボタンB1,B2を押下操作(タッチパネルの場合は当該ドローボタンB1,B2の表示領域をタップ操作)することにより、移動アイテムCn,Csを取得することができる。その他の取得方法としては、例えばプレイヤオブジェクトPがゲームステージGまたはワールドマップM上に存在する宝箱Lを開けることにより取得したり、ワールドマップM上に点在する町にあるショップで購入することにより取得したり、ゲームステージGまたはワールドマップM上で遭遇したノンプレイヤキャラクタNなどから譲り受けたり、ゲームステージGまたはワールドマップM上で倒した敵キャラクタF1,F2などから取得したりしてもよい。さらに、ゲームに課金することで得られる特殊アイテムを使用することにより移動アイテムCs,Cnを取得可能としてもよい。この場合、効果の高い移動アイテム(主に特殊移動アイテムCs)が高確率で取得できることとしてもよい。
【0073】
具体的には、移動アイテム取得手段32は、上記のようなプレイヤの所定の操作があった場合、現在プレイヤが保持している移動アイテムCn,Csの数が所定の上限枚数(例えば5枚)未満か否かを判定する。上限枚数未満であれば、移動アイテム取得手段32は、当該プレイヤの操作に基づいて移動アイテムCn,Csを取得し、取得した移動アイテムCn,Csをゲーム画面に表示する。移動アイテム保持手段33は、取得した移動アイテムCn,Csをゲーム装置2の記憶装置14またはサーバ装置3の記憶装置42に記憶する。移動アイテム保持手段33は、このようにしてプレイヤが取得した移動アイテムCn,Csを複数保持可能とする。一方、取得操作の際、プレイヤが保持している移動アイテムCn,Csの枚数が上限枚数に達している場合には、移動アイテム取得手段32は、移動アイテムCn,Csの取得処理を中止し、ゲーム画面上に「上限枚数を超えるため取得できません」などの表示を行う。なお、プレイヤが保持可能な移動アイテムCn,Csの上限枚数は、プレイヤオブジェクトPのレベルまたは特殊アイテム(課金)によって変化させることとしてもよい。また、プレイヤが保持可能な移動アイテムCn,Csの上限枚数は、ダンジョンの種類(難易度など)に応じて変化させることとしてもよい。
【0074】
ゲームステージ移動手段34は、プレイヤが取得した複数の移動アイテムCn,Csの中からプレイヤが選択した移動アイテムCn,Csの内容に基づいて移動領域R上でプレイヤが操作するプレイヤオブジェクトPを移動させる。プレイヤは、移動アイテム表示領域Cに表示されている移動アイテムCn,Csの中から移動したいマス目の数および特殊効果の有無を選択する。本実施形態においては、移動アイテム表示領域Cに表示されている移動アイテムCn,Csのうち所望の移動アイテムCn,Csを選択操作(例えばタップ操作)することにより、ゲームステージ手段33は、選択操作された移動アイテムCn,Csを選択されなかった移動アイテムCn,Csより一段上にずれた状態に表示させる(移動アイテム選択状態)。なお、ゲームステージGによって、特定の移動アイテムCn,Csしか選択できない、または、選択不能の特殊移動アイテムCn,Csが存在することとしてもよい。
【0075】
この移動アイテム選択状態において、ゲームステージ移動手段34は、プレイヤオブジェクトPが現在選択されている移動アイテムCn,Csを使用した場合の移動先のマス(移動候補マス)Ji(i=1,2,3,…)について表面色を変更したり、点滅表示させたりする。
図5の例においては、4マス移動可能かつはしごユニットQを使用可能な特殊移動アイテムCsが選択されており、プレイヤキャラクタPの移動先として3つの移動候補マスP1〜P3が変色表示されている。移動候補マスJ1は、平面上でプレイヤオブジェクトPから4マス先の移動先を示している。一方、移動候補マスJ2は、プレイヤオブジェクトPから3マス先の移動先を示している。これは、敵キャラクタF1が移動マスに位置している場合には、移動アイテムに表示されたマス目以下であっても、当該敵キャラクタF1の位置で停止しなければならないように予め設定されていることによる。したがって、移動候補マスJ2を移動先に決定すると、プレイヤオブジェクトPから3マス進んだ上で敵キャラクタF1と戦闘が開始される。さらに、移動候補マスJ3は、途中にあるはしごユニットQを用いてプレイヤオブジェクトPの現在位置より高い位置にある通路を進む経路においてプレイヤオブジェクトPから4マス先の移動先を示している。移動候補マスJ3には、宝箱Lが配置されているため、移動候補マスJ3を移動先に決定すると、プレイヤは宝箱Lを開けてアイテムを取得することができる。
【0076】
ここで、仮に、同じ4マス移動可能な通常の移動アイテムCnを選択すると、移動候補マスJ1,J2は同様に表示されるが、はしごユニットQの使用能力が必要な移動候補マスJ3は表示されない。また、5マス移動可能かつ敵キャラクタF1との戦闘を回避する能力を有する特殊移動アイテムCsを選択した場合には、移動候補マスJ1の代わりに移動候補マスJ1より1つ先(プレイヤオブジェクトPから遠い側)の移動マスが移動候補マスとなり、移動候補マスJ2の代わりに移動候補マスJ2の2つ先の移動マスが移動候補マスとなる(プレイヤオブジェクトPに近い側から2体の敵キャラクタF1との戦闘が回避される)。
【0077】
プレイヤは、移動候補マスJ1〜J3の中から所望の移動先を選択し、対応する移動候補マスJ1〜J3を決定入力(例えば所望の移動先の移動候補マスJ1〜J3をタップ操作)する。移動候補マスJ1〜J3の中で所望の移動先がない場合は、移動アイテムCn,Csを再選択することも可能である。こうして、移動候補マスJ1〜J3の中から所望の移動先が決定入力されると、ゲームステージ移動手段34は、対応する移動先へプレイヤオブジェクトPを移動させる。
【0078】
なお、プレイヤオブジェクトPを移動させる手順はこれに限られない。例えば、まず、所定の移動マス(移動候補マス)を選択操作することにより、プレイヤが所持している移動アイテムのうち当該移動マスに移動可能な移動アイテムがあればそれを選択表示(対応する移動アイテムCn,Csをその他の移動アイテムCn,Csより一段上にずれた状態に表示)させ、当該選択表示された移動アイテムを選択操作することにより当該移動アイテムの使用を決定することとしてもよい。
【0079】
このように、上記構成によれば、ゲームステージGの移動経路Rとして複数のマス目が連設された構成とすることにより、プレイヤオブジェクトPの移動経路Rを簡略化することができ、ゲームプログラムにおけるゲームマップのデータ量を抑えることができる。その上で、従来のようなプレイヤオブジェクトの移動量が抽選結果で一義的に決まるような構成とは異なり、プレイヤオブジェクトPの移動量がプレイヤが複数所持する移動アイテムCn,Csの中から移動量および移動経路についてプレイヤが自ら判断し、最適と思う移動アイテムCn,Csを選択して使用することによりプレイヤオブジェクトPを移動させることができる。
【0080】
例えば、
図5の例において、プレイヤが宝箱Lの取得またはポジティブイベントHpの発生を望む場合かつはしごユニットQを登ることが可能な特殊移動アイテムCsを所持している場合には、当該特殊移動アイテムCsを用いてはしごユニットQを通る移動経路T3を選択することができる。また、特殊移動アイテムCsの使用を温存しつつ、このゲームステージGの目的である最奥のボスモンスターF2を倒すことを優先して通常のモンスターF1との戦闘を避け、時間短縮したいという場合には、回り道の移動経路T1を選択することができる。また、敵キャラクタF1との戦闘をより多く行い、プレイヤオブジェクトPをレベルアップさせたい場合や敵キャラクタF1との戦闘に勝利した際に取得できるアイテムなどをより多く取得したい場合には、敵キャラクタF1が数多く配置されている移動経路T2を選択することができる。さらに、各移動経路T1〜T3において移動アイテムCn,Csを使用する順序を選択することにより、停まりたい移動マスおよび停まりたくない移動マスをプレイヤがある程度自由に選ぶことができる。
【0081】
このように、プレイヤの取りたい行動に応じて移動アイテムCn,Csおよび移動経路T1〜T3を選択することができるため、プレイヤオブジェクトPの移動に関するプレイヤの選択の自由度を高くすることができる。したがって、移動領域Rを複数のマス目が連設された構成とするとともにプレイヤが移動量および移動経路を選択可能な移動アイテムCn,Csを複数所持可能な構成とすることにより、ゲームプログラムにおけるゲームマップのデータ量を抑えつつ、プレイヤオブジェクトPの移動に関するプレイヤの選択の自由度を高くすることができる。
【0082】
プレイヤオブジェクトPの移動に使用された移動アイテムCn,Csは削除される。すなわち、移動アイテム保持手段33は、選択決定された移動アイテムCn,Csをプレイヤが所持する移動アイテムCn,Csが記憶されている記憶装置14,42から消去する。
【0083】
これにより、移動アイテム表示領域Cには、上限枚数より少ない数の移動アイテムCn,Csが表示される。このとき、移動アイテム取得手段32は、プレイヤの操作に応じて移動アイテムCn,Csを再び取得させることができる。具体的には、前述したように、移動アイテムドローボタンB1,B2を押下操作することにより、移動アイテムCn,Csを取得することができる。なお、ゲームステージGによって、取得可能な移動アイテムCn,Csの種類が予め決められていてもよい。
【0084】
ここで、プレイヤがスタミナを使用して移動アイテムを引くスタミナ使用ドローボタンB1を押下操作した場合、移動アイテム取得手段32は、それぞれに所定の抽選確率が予め設定された複数種類の移動アイテムCn,Csを含む第1群の中から、当該抽選確率に基づいて移動アイテムCn,Csをプレイヤに取得させる。この第1群には、少なくとも1つの特殊移動アイテムCsが含まれている。この第1群の中からプレイヤが移動アイテムを取得した場合には、パラメータ管理手段35は、スタミナ値を所定量(
図5の例では100)減少させる。なお、減少させるスタミナの量は、ゲーム空間内で経過する時間によって変化することとしてもよい。例えば夜間の時間帯の方が、昼間の時間帯に比べてスタミナ値の減少量が大きくなるなどとしてもよいし、現在のゲームステージGに入ってからの経過時間が所定時間過ぎるとそれ以降はスタミナ値の減少量が大きくなるなどとしてもよい。
【0085】
一方、プレイヤがスタミナを使用せずに移動アイテムを引くスタミナ不使用ドローボタンB2を押下操作した場合、それぞれに所定の抽選確率が予め設定された複数種類の移動アイテムCn,Csを含む第2群の中から、前記抽選確率に基づいて前記移動アイテムを前記プレイヤに取得させる。本実施形態において、第2群にも、少なくとも1つの特殊移動アイテムCsが含まれている。ここで、第2群の中から特殊移動アイテムCsが取得できる確率は、第1群の中から移動アイテムCn,Csを取得する際に特殊移動アイテムCsが取得できる確率より低いように設定されている。この第2群の中からプレイヤが移動アイテムを取得した場合には、パラメータ管理手段35は、スタミナ値を変化させない。
【0086】
より詳しく説明する。移動アイテムドローボタンB1,B2を押下操作することによって抽選される移動アイテムの第1群および第2群は、それぞれ、抽選対象となる移動アイテムCn,Csおよびその移動アイテムCn,Csが当選する確率(抽選確率)が設定されている。そして、スタミナ値を使用して移動アイテムを引く際に用いられる第1群においては、特殊移動アイテムCsを取得する確率が第2群の中から特殊移動アイテムCsを取得する確率より高く設定されている。要するに、プレイヤがスタミナ値を使用して移動アイテムを取得することにより、特殊移動アイテムCsを取得する可能性を高めることができる。
【0087】
なお、第1群において特殊移動アイテムCsが当選する確率を第2群の場合より高くする方法として、第1群と第2群とで抽選対象となる移動アイテムCn,Csが同じ場合には、当選確率のみが異なることとしてもよい。この場合、第1群用の確率テーブルと第2群用の確率テーブルを用意して、第1群用の確率テーブルにおいて特殊移動アイテムCsが当選する確率が第2群より高く設定されることで実現できる。例えば、スタミナ不使用ドローボタンB2を押下操作することにより抽選される第2群において、通常の移動アイテムCnの抽選確率が90%かつ特殊移動アイテムCsの抽選確率が10%である確率テーブルが使用されるのに対し、スタミナ使用ドローボタンB1を押下操作することにより抽選される第1群において、通常の移動アイテムCnの抽選確率が50%かつ特殊移動雄アイテムCsの抽選確率が50%である確率テーブルが使用される。また、第1群において抽選対象となる移動アイテムCn,Csのうち特殊移動アイテムCsが含まれる割合を第2群に対して増やすこととしてもよい。例えば、スタミナ不使用ドローボタンB2を押下操作することにより抽選される第2群に、4つの通常の移動アイテムCnと、1つの特殊移動アイテムCsとが含まれるとすると、各移動アイテムCn,Csが抽選により選ばれる確率はそれぞれ20%であるため、移動アイテムCnの抽選確率が80%かつ特殊移動アイテムCsの抽選確率が20%となる。一方、スタミナ使用ドローボタンB1を押下操作することにより抽選される第1群に、2つの通常の移動アイテムCnと、3つの特殊移動アイテムCsとが含まれるとすると、各移動アイテムCn,Csが抽選により選ばれる確率はそれぞれ20%で変わらないが、移動アイテムCnの抽選確率が40%かつ特殊移動アイテムCsの抽選確率が60%となる。また、第2群には特殊移動アイテムCsが含まれないこととしてもよい。すなわち、第2群において特殊移動アイテムCsが当選する確率を0としてもよい。
【0088】
第1群および第2群において抽選対象となる移動アイテムCn,Csは、ゲームステージGに応じて異なってもよい。特に、第1群で抽選対象となる特殊移動アイテムCsは、ゲームステージGの構成に応じて設定されることが好ましい。例えば、
図5の例においては、はしごユニットQが用いられているため、はしごユニットQを使用可能な特殊移動アイテムCsが第2群の抽選対象として必ず1種類は含まれることが好ましい。さらに、当該特殊移動アイテムCsの抽選確率を高くすることにより、スタミナ値を消費することにより戦略性が広がることをプレイヤに印象付けることができる。
【0089】
なお、ゲームステージG内では移動アイテムCn,Csは選択してプレイヤオブジェクトPの移動に使用しない限り捨てることはできないように設定される。また、ゲームステージGで取得した移動アイテムCn,Csは、当該ゲームステージG外へ持ち出すことができる(移動アイテムCn,Csを保持した状態のまま当該ゲームステージG外へプレイヤオブジェクトPを移動させることが可能である)。そして、ワールドマップM上ではゲームステージG内へ持ち込む移動アイテムCn,Csを取捨選択して次のゲームステージGに備えることができる。すなわち、ゲームステージGに持ち込む移動アイテムCn,Csを選択することによりさらに戦略性を広げることができる。
【0090】
パラメータ管理手段35は、前述したように、ワールドマップM上にプレイヤオブジェクトPが位置する場合には、スタミナ値を経過時間に応じて自動的に増加させるが、ゲームステージG上にプレイヤオブジェクトPが位置する場合には、当該ゲームステージG内ではスタミナ値を回復させない。このため、いったんゲームステージG内に進入すると、原則的には進入時のスタミナ値分しかスタミナ値を使用して移動アイテムCn,Csを取得することはできない。なお、パラメータ管理手段35は、ゲームステージG内においても内部的には時間の経過に応じてスタミナ値を回復させる処理を行うが、当該スタミナ値の回復量は、ゲームステージG内では反映させず、ゲームステージGの終了後(ワールドマップMなどへの移行後)に反映させる。この代わりに、パラメータ管理手段35は、ゲームステージG内で経過した時間を計測し、当該ゲームステージGの終了時における経過時間(すなわち、ゲームステージG内でのプレイ時間)に基づいてスタミナ値の回復量を決定し、スタミナ値を回復させることとしてもよい。
【0091】
このように、スタミナ値を使用することによって経路選択の幅を広げることのできる特殊移動アイテムCsを取得する可能性が高まる。一方、スタミナ値は有限であり、毎回スタミナ値を使用して移動アイテムCn,Csを取得することはできない。このため、プレイヤは、いつスタミナ値を使用してどのような移動経路T1〜T3を選択するかを考慮する必要が生じる。したがって、スタミナ値を用いて移動アイテムCn,Csを取得可能に構成することにより、移動経路T1〜T3の選択および選択された移動経路T1〜T3における移動においてより戦略性を高めることができる。
【0092】
なお、所定のアイテムやゲームに課金することで得られる特殊アイテムを使用することで、ゲームステージG内でスタミナ値を回復させることを可能としてもよい。
【0093】
本実施形態において移動マスHf,Hp、Hnはすべて同じ形状を有しており、所定の3次元領域(例えば縦30マス×横30マス×高さ10マス)内に移動マスを配置することにより移動領域Rを作成する。したがって、移動マスの並び方を変えたり、イベントマスHp,Hnの数や配置を変えたり、移動マスの属性を変更したり、オブジェクトの種類、数または配置を変えたりすることにより、移動領域Rが異なるゲームステージGのバリエーションを容易に増やすことができる。
【0094】
さらに、上述したように、本実施形態においては、ゲームプログラムに必要とされる全般的なゲームデータは、サーバ装置3側の記憶装置42に第2のゲームデータ42bとして記憶される。サーバ装置3の記憶装置42に記憶される第2のゲームデータ42bには、ゲームステージGのデータ(移動マスの配置態様、移動マスの属性情報、各オブジェクトの配置態様など)も含まれる。したがって、上記のように容易にバリエーションを増やすことができるゲームステージGをサーバ装置3の記憶装置42上に記憶させることにより、容易に複数のゲーム装置2上で実行されるゲームに当該ゲームステージGを追加することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0096】
例えば、上記実施形態においては、移動単位ユニットとして構成される移動マスHf,Hp,Hnは、すべて同じ形状を有しているが、移動マスの形状、大きさなどは種々異なっていてもよい。また、上記実施形態においては、移動単位ユニットが直方体形状の移動マスとして構成されているが、例えば円筒形などのその他の形状であってもよいし、2次元的な形状であってもよい。
【0097】
また、上記実施形態においては、特殊移動アイテムCsを取得する確率の高い第1群から移動アイテムCn,Csを取得する際に使用される所定のパラメータとしてゲームステージGにおける戦闘で使用されないスタミナ値を用いた構成について説明したが、他のパラメータ、例えば当該戦闘でも使用され得るパラメータ値(例えば体力、マジックポイントなど)を使用することとしてもよい。この場合、移動態様によって戦闘内容に影響を及ぼす可能性があるため、より複雑な戦略性を有するゲームを構成することができる。
【0098】
また、上記実施形態においては、プレイヤオブジェクトPとしてプレイヤキャラクタが用いられているが、プレイヤが操作するオブジェクトであればキャラクタ以外、例えば自動車、船などの乗り物であってもよいし、すごろくの駒のようなものであってもよい。
【0099】
また、上記実施形態においては、1つのゲーム装置2とサーバ装置4とがネットワークNWを介して通信する態様のみ説明したが、例えば、複数のゲーム装置2とサーバ装置4とがネットワークNWを介して相互に接続され、互いに異なるゲーム装置2を操作する複数のプレイヤに対応する複数のプレイヤキャラクタを同一の仮想ゲーム空間に登場させ、これらを協力させて行動させるオンラインゲームについても適用可能である。また、サーバ装置3を介さないオフラインゲームにおいても適用することができる。
【0100】
また、本実施形態ではゲーム装置2として、スマートフォンなどの携帯型の情報端末や携帯型のゲーム専用機器を想定して説明したが、ゲーム装置2は、これらに限られず、据え置き型のゲーム装置やパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置についても、本発明を好適に適用することができる。