特許第6200733号(P6200733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200733
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】バリ取り具及びバリ取り装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/00 20060101AFI20170911BHJP
   B24D 7/00 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   B24B9/00 602K
   B24D7/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-184432(P2013-184432)
(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公開番号】特開2015-51470(P2015-51470A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】395012617
【氏名又は名称】加藤木材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久也
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−019469(JP,U)
【文献】 特開平03−213259(JP,A)
【文献】 特開2004−142039(JP,A)
【文献】 実開昭56−171161(JP,U)
【文献】 米国特許第02978846(US,A)
【文献】 国際公開第2006/055335(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 9/00
B24D 3/00 − 18/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建材用の基材に形成された平面円形の大径穴部及び小径穴部のバリを除去するバリ取り具であって、
支持部と、
前記支持部の一端側に設けられ、前記大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、
前記第1研削部の表面側に設けられ、前記小径穴部より大きな直径で且つ前記第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、を備え
前記第1研削部を前記大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記大径穴部のバリを除去するとともに、前記第2研削部を前記小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記小径穴部のバリを除去することを特徴とするバリ取り具。
【請求項2】
前記支持部は、把持可能な取っ手部であり、
前記取っ手部は、前記第1研削部の裏面側から軸方向に延びる軸部と、前記軸部の一端側に設けられ且つ前記軸部の軸心と交差する方向に放射状に延びる複数の延設部を有するハンドルと、を備える請求項1記載のバリ取り具。
【請求項3】
建材用の基材に形成された平面円形の大径穴部及び小径穴部のバリを除去するバリ取り装置であって、
支持部と、
前記支持部の一端側に設けられ、前記大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、
前記第1研削部の表面側に設けられ、前記小径穴部より大きな直径で且つ前記第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、
前記支持部を回転させる駆動モータと、を備え
前記第1研削部を前記大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記大径穴部のバリを除去するとともに、前記第2研削部を前記小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記小径穴部のバリを除去することを特徴とするバリ取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリ取り具及びバリ取り装置に関し、さらに詳しくは、穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができるバリ取り具及びバリ取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、木製の基材では、ヒンジ、ダボ等の後付部品を取り付けるために穴部が形成される。この穴部にはバリが発生するため、やすり等の長尺状の工具(例えば、特許文献1参照)を用いて作業者によりバリ取り作業が行われる。しかしながら、長尺状の工具を用いるバリ取り作業では、穴部のバリを迅速且つ確実に除去することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができるバリ取り具及びバリ取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、建材用の基材に形成された平面円形の大径穴部及び小径穴部のバリを除去するバリ取り具であって、支持部と、前記支持部の一端側に設けられ、前記大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、前記第1研削部の表面側に設けられ、前記小径穴部より大きな直径で且つ前記第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、を備え、前記第1研削部を前記大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記大径穴部のバリを除去するとともに、前記第2研削部を前記小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記小径穴部のバリを除去することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記支持部は、把持可能な取っ手部であり、前記取っ手部は、前記第1研削部の裏面側から軸方向に延びる軸部と、前記軸部の一端側に設けられ且つ前記軸部の軸心と交差する方向に放射状に延びる複数の延設部を有するハンドルと、を備えることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項に記載の発明は、建材用の基材に形成された平面円形の大径穴部及び小径穴部のバリを除去するバリ取り装置であって、支持部と、前記支持部の一端側に設けられ、前記大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、前記第1研削部の表面側に設けられ、前記小径穴部より大きな直径で且つ前記第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、前記支持部を回転させる駆動モータと、を備え、前記第1研削部を前記大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記大径穴部のバリを除去するとともに、前記第2研削部を前記小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて前記小径穴部のバリを除去することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のバリ取り具によると、支持部と、支持部の一端側に設けられ、大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、第1研削部の表面側に設けられ、小径穴部より大きな直径で且つ第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、を備え、第1研削部を大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて大径穴部のバリを除去するとともに、第2研削部を小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて小径穴部のバリを除去する。これにより、穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができる。また、直径の異なる穴部に対して第1及び第2研削部を使い分けて対応できる。よって、直径の異なる穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
さらに、前記支持部が、把持可能な取っ手部である場合は、作業者が取っ手部を把持して操作することで、研削部を穴部の軸心回りに容易に回転させることができる。
【0007】
本発明のバリ取り装置によると、支持部と、支持部の一端側に設けられ、大径穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部と、第1研削部の表面側に設けられ、小径穴部より大きな直径で且つ第1研削部より小さな直径を有する略半球状の第2研削部と、支持部を回転させる駆動モータと、を備え、第1研削部を大径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて大径穴部のバリを除去するとともに、第2研削部を小径穴部の開口周縁に当接させた状態で回転させて小径穴部のバリを除去する。これにより、穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】実施例に係るバリ取り具の側面図である。
図2図2のII矢視図である。
図3】上記バリ取り具の斜視図である。
図4】上記バリ取り具の作用説明図であり、(a)は大径の第1穴部のバリを除去する状態を示し、(b)は小径の第2穴部のバリを除去する状態を示す。
図5参考例に係るバリ取り装置の縦断面図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7】その他の参考例のバリ取り具を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
<バリ取り具>
本実施形態に係るバリ取り具は、基材(2)に形成された穴部(3、4)のバリを除去するバリ取り具(1、1’)であって、支持部(10)と、支持部の一端側に設けられ、穴部より大きな直径を有する略半球状の研削部(7、8)と、を備える(例えば、図1及び図7等参照)。
【0011】
なお、上記研削部の直径(D1)と穴部の直径(d1)との比(D1/d1)としては、例えば、1.5〜3.0(好ましくは1.8〜2.2)を挙げることができる(例えば、図1等参照)。
【0012】
本実施形態に係るバリ取り具としては、例えば、上記穴部は、第1穴部(3)と、第1穴部より小さな直径の第2穴部(4)と、を有し、研削部は、第1穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部(7)と、第1研削部の表面側に設けられ且つ第2穴部より大きな直径を有する略半球状の第2研削部(8)と、を有する形態(例えば、図4等参照)を挙げることができる。なお、上記第1研削部は、通常、第2研削部より大きな直径を有する。
【0013】
本実施形態に係るバリ取り具としては、例えば、上記支持部は、把持可能な取っ手部(10)である形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。
【0014】
<バリ取り装置>
本実施形態に係るバリ取り装置は、基材(22)に形成された穴部(23、24)のバリを除去するバリ取り装置(17)であって、支持部(27a、28a)と、支持部の一端側に設けられ、穴部より大きな直径を有する略半球状の研削部(27、28)と、支持部を回転させる駆動モータ(29)と、を備える(例えば、図5等参照)。
【0015】
本実施形態に係るバリ取り装置としては、例えば、上記穴部は、第1穴部(23)と、第1穴部より小さな直径の第2穴部(24)と、を有し、研削部は、第1穴部より大きな直径を有する略半球状の第1研削部(27)と、第1研削部に隣接して設けられ且つ第2穴部より大きな直径を有する略半球状の第2研削部(28)と、を有する形態(例えば、図5等参照)を挙げることができる。これにより、直径の異なる穴部のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【0016】
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
【実施例】
【0017】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0018】
<実施例1>
(1)バリ取り具の構成
本実施形に係るバリ取り具1は、図1図3に示すように、木製の基材2に形成された平面円形で凹状の第1穴部3及び第2穴部4のバリを除去するものである。この第2凹部4は、第1穴部3の両側に配置され且つ第1穴部3より小さな直径を有している。
【0019】
上記バリ取り具1は、第1穴部3より大きな直径を有する略半球状の第1研削部7と、この第1研削部7の表面中央側に配され且つ第2穴部4より大きな直径を有する略半球状の第2研削部8と、を備えている。これら各第1及び第2研削部7、8の表面側には、ダイヤモンドコーティング層が形成されている。なお、上記第1研削部7の直径D1と第1穴部3の直径d1との比(D1/d1)は約2とされている(図1参照)。
【0020】
上記第1研削部7の裏面側には、作業者が把持可能な取っ手部10(本発明に係る「支持部」として例示する。)が設けられている。この取っ手部10は、第1研削部7の裏面側から軸方向に延びる軸部11と、この軸部11の一端側に設けられ且つ軸部11の軸心と交差する方向に放射状に延びる複数の延設部を有するハンドル12と、を備えている。
【0021】
(2)バリ取り具の作用
次に、上記構成のバリ取り具1の作用について説明する。第1穴部3のバリ取り作業では、図4(a)に示すように、作業者が取っ手部10を把持して第1研削部7を第1穴部3の開口周縁に当接させる。そして、その状態で第1研削部7を第1穴部3の軸心回りに回転(正逆回転の回動も含む。)させることで第1穴部3のバリが除去される。また、第2穴部4のバリ取り作業では、図4(b)に示すように、作業者が取っ手部10を把持して第2研削部8を第2穴部4の開口周縁に当接させる。そして、その状態で第2研削部8を第2穴部4の軸心回りに回転(正逆回転の回動も含む。)させることで第2穴部4のバリが除去される。
【0022】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のバリ取り具1によると、取っ手部10と、取っ手部10の一端側に設けられ、穴部3、4より大きな直径を有する略半球状の研削部7、8と、を備える。そして、研削部7、8を穴部3、4の開口周縁に当接させた状態で穴部3、4の軸心回りに回転させることで穴部3、4のバリが除去される。これにより、穴部3、4のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【0023】
また、本実施例では、穴部は、第1穴部3と、第1穴部3より小さな直径の第2穴部4と、を有し、研削部は、第1穴部3より大きな直径を有する略半球状の第1研削部7と、第1研削部7の表面側に設けられ且つ第2穴部4より大きな直径を有する略半球状の第2研削部8と、を有する。これにより、直径の異なる穴部3、4に対して第1及び第2研削部7、8を使い分けて対応できる。よって、直径の異なる穴部3、4のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【0024】
さらに、本実施例では、支持部は、把持可能な取っ手部10である。これにより、作業者が取っ手部10を把持して操作することで、研削部7、8を穴部3、4の軸心回りに容易に回転させることができる。
【0025】
参考例
(1)ボーリング装置の構成
参考例に係るボーリング装置15は、図5に示すように、穴明け装置16及びバリ取り装置17を備えている。この穴明け装置16は、上下方向及び水平方向に移動可能とされる穴明けヘッド16aを備えている。この穴明けヘッド16aには、大径の第1ドリル18及び小径の第2ドリル19のそれぞれから下方に延びる支持軸18a、19aが回転自在に支持されている。また、穴明けヘッド16aには、ギヤ構造21を介して第1及び第2ドリル18、19を同時に回転させる駆動モータ20が設けられている。この第1ドリル18は、木製の基材22に凹状の第1穴部23を形成する。また、第2ドリル19は、木製の基材22に第1穴部23より小さな直径を有する凹状の第2穴部24を形成する。
【0026】
上記バリ取り装置17は、第1穴部23及び第2穴部24のバリを除去するものである。このバリ取り装置17は、上下方向及び水平方向に移動可能とされるバリ取りヘッド17aを備えている。このバリ取りヘッド17aには、大径の第1研削部27及び小径の第2研削部28のそれぞれから下方に延びる支持軸27a、28a(本発明に係る「支持部」として例示する。)が回転自在に支持されている。また、バリ取りヘッド17aには、ギヤ構造25を介して第1及び第2研削部27、28を同時に回転させる駆動モータ29が設けられている。
【0027】
上記第1研削部27は、図6に示すように、第1穴部23より大きな直径を有する略半球状に形成されている。この第1研削部27の表面側には、ダイヤモンドコーティング層が形成されている。また、第1研削部27は、第1穴部23の開口周縁に当接された状態で第1穴部23の軸心回りに回転されることで第1穴部23のバリを除去する。また、上記第2研削部28は、第2穴部24より大きな直径を有する略半球状に形成されている。この第2研削部28の表面側には、ダイヤモンドコーティング層が形成されている。さらに、第2研削部28は、第2穴部24の開口周縁に当接された状態で第2穴部24の軸心回りに回転されることで第2穴部24のバリを除去する。
【0028】
(2)ボーリング装置の作用
次に、上記構成のボーリング装置15の作用について説明する。図5に示すように、クランプ26で直線上に位置決めされた多数の基材22に対して穴明け装置16及びバリ取り装置17を上昇させる。すると、穴明け装置16では、駆動モータ20の駆動により、第1ドリル18で基材22に第1穴部23が形成されるとともに、第2ドリル19で基材22に第2穴部24が形成される。また、バリ取り装置17では、駆動モータ29の駆動により、回転する第1研削部27が第1穴部23の開口周縁に当接して第1穴部23のバリが除去されるとともに、回転する第2研削部28が第2穴部24の開口周縁に当接して第2穴部24のバリが除去される。以後、基材22の個数に必要に応じて上述の作用が繰り返される。
【0029】
(3)参考例の効果
以上より、本参考例のバリ取り装置17によると、支持部と、支持部の一端側に設けられ、穴部23、24より大きな直径を有する略半球状の研削部27、28と、支持部を回転させる駆動モータ29と、を備える。そして、研削部27、28を穴部23、24の開口周縁に当接させた状態で穴部23、24の軸心回りに回転させることで穴部23、24のバリが除去される。これにより、穴部23、24のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【0030】
さらに、本参考例では、穴部は、第1穴部23と、第1穴部23より小さな直径の第2穴部24と、を有し、研削部は、第1穴部23より大きな直径を有する略半球状の第1研削部27と、第1研削部27に隣接して設けられ且つ第2穴部24より大きな直径を有する略半球状の第2研削部28と、を有する。これにより、直径の異なる穴部23、24のバリを迅速且つ確実に除去することができる。
【0031】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、2種類の研削部7、8を備えるバリ取り具1を例示したが、これに限定されず、例えば、3種類以上の研削部を備えるバリ取り具得としてもよい。さらに、参考例としては、例えば、図7に示すように、1種類の研削部7’のみを備えるバリ取り具1’が挙げられる。
【0032】
また、上記実施例における研削部7、8、27、28としては、例えば、刃が平行に配列されたもの(単目)、刃が交差して配列されたもの(複目)、刃が曲線状に配列されたもの(波目)、溝がなく突起を多数備えているもの(鬼目)等を挙げることができる。
【0033】
また、上記実施例では、凹状の穴部3、4、23、24のバリを除去する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、貫通状の穴部のバリを除去する形態としてもよい。
【0034】
さらに、上記実施例では、木製の基材2、22に形成された穴部のバリを除去する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、樹脂製や金属製の基材に形成された穴部のバリを除去する形態としてもよい。なお、上記木製の基材としては、例えば、パーティクルボード、中質繊維板(MDF)、木質単板、木質合板等の基材を挙げることができる。
【0035】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0036】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
基材に形成された穴部のバリを除去する技術として広く利用される。特に、家具の表面材、床材、壁材、扉材、間仕切り材、カウンタ材などの建材用の基材に形成された穴部のバリを除去する技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0038】
1,1’;バリ取り具、2,22;基材、3,23;第1穴部、4,24;第2穴部、7,7’,27;第1研削部、8,28;第2研削部、10;取っ手部、17;バリ取り装置、27a,28a;支持軸、29;駆動モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7