(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するためのナースコール親機と、前記ナースコール子機と前記ナースコール親機との間の通信を制御する制御機とを備えたナースコールシステムにおいて、
前記ナースコール親機或いは前記制御機が、患者の氏名、ベッド番号、住所、家族氏名、診療科目を含む患者情報を記憶する患者データ記憶部を具備する一方、
前記ナースコール親機は、通話手段及び患者情報の一覧を電子表示する第1ディスプレイと、呼出元の患者情報を表示するための第2ディスプレイとを備えたボード型親機を有すると共に、前記第1ディスプレイにはタッチパネルから成るデータ入力部を具備し、
更に前記ボード型親機或いは前記制御機が、前記データ入力部から入力されたデータを前記患者データ記憶部に保存させるデータ保存制御部を具備し、
前記データ保存制御部は、前記データ入力部から前記患者情報のうち患者氏名及びベッド番号を含む基本患者データが入力されたら、前記患者データ記憶部に保存する一方、
前記ボード型親機は、前記データ入力部で基本患者データの入力を実施する際、関連する患者情報の詳細を前記第2ディスプレイに表示させる表示制御部を有することを特徴とするナースコールシステム。
前記データ保存制御部は、前記患者情報が記憶されている患者に対して前記データ入力部が操作されて前記基本患者データが入力されると、入力された項目のみ上書きし、入力されなかった項目は破棄せず保存を継続することを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
前記データ保存制御部は、前記患者情報が記憶されていない患者の前記基本患者データが入力されると、入力された項目を新規保存し、入力されなかった項目は空白データとして保存することを特徴とする請求項1又は2記載のナースコールシステム。
前記データ保存制御部は、詳細な患者情報を入力するための患者情報入力手段が前記ナースコール親機或いは前記制御機に別途接続されたら、その接続を検知して前記データ入力部からの基本患者データの入力を禁止することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のナースコールシステム。
【背景技術】
【0002】
ナースコールシステムは、患者が操作するナースコール子機とナースコール子機からの呼び出しに看護師が応答するためにナースステーションに設置されたナースコール親機とを有している。そして、ナースコール親機にはナースコール子機を使用した呼び出し(ナースコール呼出)が発生したら、呼出元の患者情報を表示するディスプレイを備えている。
このディスプレイに表示される呼出元情報により、応答した看護師はその後の処置をスムーズに行うことができた。
また、看護師が携行する携帯端末にも呼び出しが通知されるナースコールシステムの場合には、携帯端末にも呼出元の患者情報が表示された。
【0003】
このように表示される患者情報は、オーダリングシステムと接続されている場合は、オーダリングシステムから入手して作成/変更が行われ、ナースコール親機或いは制御機に保存された。また、オーダリングシステムを持たないナースコールシステムでは、パーソナルコンピュータから成るPC型親機をナースコール親機或いは制御機に接続して、患者情報の入力が成された(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、このようなナースコール親機は、通話手段と呼出元を表示するディスプレイを備えた卓上型親機に加えて、患者氏名の一覧がボード上に表示され、個々の患者名の表示に合わせて患者の救護区分や診療科目、更にはナースコール呼出の発生を発光通知する通知部等を備えたエスカッションと称される患者情報の一覧が表示されたボードを備えたボード型親機を備えたものが普及している(例えば、特許文献2参照)。
このボード型親機を備えることで、入院患者に関する情報の一覧がボード上に表示されているため、患者全体を把握し易かったし呼出元を認識し易かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、入院患者の患者情報はオーダリングシステムから入手するか、PC型親機による入力に依存しており、オーダリングシステムが無い場合或いは故障した場合は、全ての患者情報はPC型親機により入力された。
しかしながら、患者情報は患者氏名、ベッド番号、住所、家族氏名、診療科目等様々な項目があり、PC型親機により入力することは看護師の負担となっていた。また、ボード型親機或いは卓上型親機から入力することはできないため、PC型親機が故障した場合、或いは接続されていない場合は患者情報の入力が全くできなかった。
【0007】
一方で、近年液晶ディスプレイの大型化が可能となったことで、患者情報の一覧を表示するボードを液晶ディスプレイを使用して電子表示させたものがある。この場合、液晶ディスプレイにタッチパネルを設ければ、ディスプレイをデータ入力する操作部として使用することが可能となり、上述したPC型親機を頼らなくても患者情報の入力が可能となる。
【0008】
また卓上型親機の場合、従来よりディスプレイにはタッチパネルが設けられており、看護に関する特定の情報の入力を可能としていたため、患者情報の一部の情報を入力することは大きく構成を変更することなく可能となる。
【0009】
そこで、本発明はパーソナルコンピュータのような患者情報入力手段を別途使用することなく、患者情報のうち少なくとも基本となる患者データの入力が可能なボード型親機或いは卓上型親機を備えたナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、ナースコール子機からの呼び出しに応答するためのナースコール親機と、ナースコール子機とナースコール親機との間の通信を制御する制御機とを備えたナースコールシステムにおいて、ナースコール親機或いは制御機が、患者の氏名、ベッド番号、住所、家族氏名、診療科目を含む患者情報を記憶する患者データ記憶部を具備する一方、ナースコール親機は、通話手段及び患者情報の一覧を電子表示する第1ディスプレイ
と、呼出元の患者情報を表示するための第2ディスプレイとを備えたボード型親機を有すると共に、第1ディスプレイにはタッチパネルから成るデータ入力部を具備し、更にボード型親機或いは制御機が、データ入力部から入力されたデータを患者データ記憶部に保存させるデータ保存制御部を具備し、データ保存制御部は、データ入力部から患者情報のうち患者氏名及びベッド番号を含む基本患者データが入力されたら、患者データ記憶部に保存する一方
、ボード型親機は、データ入力部で基本患者データの入力を実施する際、関連する患者情報の詳細を第2ディスプレイに表示させる表示制御部を有することを特徴とする。
この構成によれば、ナースコール親機であるボード型親機自身を操作して患者に関する基本データの入力ができる。よって、オーダリングシステムから患者情報を入手できなくても、またパーソナルコンピュータ等の患者情報入力手段を接続しなくても、患者に対する基本データの入力を行うことができるため、新規患者の受け入れ等で看護に混乱が発生することがない。
【0011】
そして、第1ディスプレイで入力する患者情報に関連する患者氏名等を第2ディスプレイで確認しながらデータ入力できるため、入力ミスを防ぐことができる。
【0013】
請求項
2の発明は、請求項
1に記載の構成において、データ保存制御部は、患者情報が記憶されている患者に対してデータ入力部が操作されて基本患者データが入力されると、入力された項目のみ上書きし、入力されなかった項目は破棄せず保存を継続することを特徴とする。
この構成によれば、入力或いは変更操作した項項目のみデータが書き換わるため、看護師の慣れない操作により患者情報が間違って削除されるようなことがない。
【0014】
請求項
3の発明は、請求項1
又は2に記載の構成において、データ保存制御部は、患者情報が記憶されていない患者の基本患者データが入力されると、入力された項目を新規保存し、入力されなかった項目は空白データとして保存することを特徴とする。
この構成によれば、新規入院の患者に関して登録された患者情報が、氏名とベッド番号を含む基本患者データのみであってもエラーとならず、新規患者として登録できる。そのため、入力操作に時間を取られることなく看護師の負担を軽減できる。
【0015】
請求項
4の発明は、請求項1乃至
3の何れかに記載の構成において、データ保存制御部は、詳細な患者情報を入力するための患者情報入力手段がナースコール親機或いは制御機に別途接続されたら、その接続を検知してデータ入力部からの基本患者データの入力を禁止することを特徴とする。
この構成によれば、患者情報入力手段として例えば専用のパーソナルコンピュータが接続されたら、データ入力部からの基本患者データの入力が禁止されるため、二重の入力操作が禁止され、誤入力やエラーの発生を防止できる。
【0016】
請求項
5の発明は、請求項1乃至
4の何れかに記載の構成において、ナースコール子機による呼び出しに応答するために個々の看護師が携行する携帯端末を具備し、携帯端末がタッチパネルから成るデータ入力部を有し、基本患者データの入力が可能であることを特徴とする。
この構成によれば、携帯端末を使用して簡易患者情報を入力できるため、ナースコール親機のあるナースステーションまで戻らなくても入力でき、看護師の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ナースコール親機であるボード型親機或いは卓上型親機から患者に関する基本データの入力ができるため、オーダリングシステムから患者情報を入手できなくても、またパーソナルコンピュータ等の患者情報入力手段を接続しなくても、患者に対する基本データの入力を行うことができるため、新規患者の受け入れ等で看護に混乱が発生することがない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るナースコールシステムの第1の形態を示す構成図であり、1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機(以下、単に「子機」と称する。)、2は病室の出入口に設置されてナースコール呼出の発生を通知するための廊下灯、3はナースステーションに設置されてナースコール呼出を受けて応答するためのナースコール親機(以下、単に「親機」と称する。)、4は呼出/応答を始め機器間の通信を制御する制御機、5は看護師が携行してナースコール呼出に応答するための携帯端末、6は携帯端末5との通信を管理する交換機、7は携帯端末5の通信を可能とするために所定の間隔で複数設置された基地局である。
【0020】
廊下灯2、親機3、制御機4、交換機6等はそれぞれHUB9を介して互いにLAN8により接続されている。一方、子機1は廊下灯2に伝送線L1を介して接続されているし、交換機6と制御機4とは伝送線L2で接続されている。また、基地局7は交換機6に接続されている。
【0021】
子機1は、ナースコール呼出を実施する呼出握りボタン1aと、通話するためのマイク及びスピーカを備えて壁面に取り付けられたプレート子機1bとで構成され、プレート子機1bが廊下灯2に接続されている。
【0022】
廊下灯2は病室毎の入口付近に設置され、ナースコール呼出が発生したら点滅等の報知動作する通知灯2a、病室の患者氏名等を表示する患者情報表示部2bを有し、子機1から送出された呼出信号を中継して制御機4に送信する。
【0023】
親機3は、壁掛け型でハンドセット(通話機器)31aと2つのディスプレイ32,33とを備えたボード型親機3aと、パーソナルコンピュータから成るPC型親機3bとで構成されている。
図2はボード型親機3aの回路ブロック図を示している。
図2に示すように、ハンドセット31aを備えた通話部31,例えば24インチのLCDから成る大型な第1ディスプレイ32、例えば7インチのLCDから成る小型の第2ディスプレイ33、第1ディスプレイ32に組み付けられて各種データの入力や設定操作を行うための第1タッチパネル34、第2ディスプレイ33に組み付けられて各種設定や操作を行うための第2タッチパネル35、それぞれのディスプレイ32,33が表示する画像或いは映像を制御する映像処理部37、各種設定情報に加えて表示画像や映像を記憶する情報記憶部36、ボード型親機全体を制御する親機CPU38、音声信号を処理する音声処理部39、制御機4等の他のナースコール機器とLAN8を介して接続するための親機通信IF40等を備えている。
【0024】
第1ディスプレイ32には、患者情報の一覧や病棟レイアウトが電子表示される。また、第2ディスプレイ33は通話部31の近傍に配置され、ナースコール呼出が発生したら呼出元の患者情報が電子表示される。
図3は第1ディスプレイ32の表示説明図であり、患者情報一覧を表示した状態を示している。
図3において、Pは個々の患者情報を表示する患者情報表示枠、Qは病室番号表示部であり、患者情報表示枠Pは患者氏名表示部P1、ベッド番号表示部P2、通知灯P3、担当看護師表示部P4、診療科目、担当医師等の表示部を備えている。
【0025】
尚、患者情報とは、患者氏名、ベッド番号(病室番号を含む)、住所、家族氏名、診療科目、担当看護師、救護区分、感染症、担当医師などの患者の看護に関する各種情報をいい、第1ディスプレイ32に表示される患者情報表示枠Pの中には、少なくとも氏名、ベッド番号等の看護に必要な患者情報の一部が表示される。
【0026】
図4は制御機4の回路ブロック図を示している。
図4に示すように、患者と子機1の関係(患者とベッド番号)を記憶する患者ベッド記憶部41、入院患者の上述した患者情報を記憶する患者データ記憶部42、患者と携帯端末5の関係を記憶する呼出先情報記憶部43、制御機4を制御する制御機CPU44、LAN8を介して廊下灯2及び親機3と通信する第1通信IF45、交換機6と通信する第2通信IF46等を備えている。
【0027】
また、携帯端末5は、ディスプレイ5aにタッチパネルから成る操作部を備えたスマートフォンであり、後述する基本患者データを入力するための所定のアプリケーションソフトウェアが予めインストールされている。
【0028】
このように構成されたナースコールシステムの動作は以下の様である。但し、子機1による呼び出し(ナースコール呼出)を受けて、親機3からの応答操作、更には携帯端末5による応答操作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは患者の入院や退院毎に書き換えられる患者情報の入力/変更について説明する。
患者情報は、図示しないオーダリングシステムとLAN8を介して接続されている場合は、オーダリングシステムがら入手して入力/変更が行われるし、オーダリングシステムが接続されていない、或いはオーダリングシステムから送信されない情報に関しては、PC型親機3bを使用して全項目を入力することができる。入力された患者情報は、制御機4の患者データ記憶部42に上書保存される(詳述せず)。
【0029】
そして、
図1に示すナースコールシステムでは、ボード型親機3aから或いは携帯端末5から患者情報のうちの基本となる患者情報(基本患者データ)を入力することができる。
まず、ボード型親機3aから入力する操作を具体的に説明する。データの書換を行う場合は、第1ディスプレイ32に表示されている患者情報の一覧からデータ変更対象の患者ベッドである患者情報表示枠Pをタッチ操作する。或いは新規入院患者のデータを入力する場合は、患者が入院する空きベッドである空白の患者情報表示枠Pをタッチ操作等で選択すると、親機CPU38の制御により第1ディスプレイ32にタッチ操作した患者の患者情報がポップアップ表示される。
【0030】
この表示を受けて、表示の中の「情報入力」ボタン(図示せず)を選択すると、親機CPU38の制御により基本患者データ入力モードに移行して基本患者データに該当する項目が、入力のための選択が可能となるよう表示される。同時に、第1ディスプレイ32にはソフトウェアキーボードが表示され(図示せず)、操作者である看護師は表示されたキーボードを操作することで、基本患者データを入力することができる。
尚、基本患者データ入力モードに移行すると、親機CPU38の制御により第1ディスプレイ32にポップアップ表示された患者に関する患者情報の詳細が第2ディスプレイ33に表示される。
【0031】
こうして第1ディスプレイ32上から基本患者データが入力されると、その入力を検知した制御機CPU44により、当該患者に対する何らかの情報が患者データ記憶部42に記憶されているかどうかを検索し、当該患者に対する情報がなにも記憶されていなければ、患者データ記憶部42に新規保存する。このとき、入力情報のない項目に対しては、「空白データ」が保存され、未入力項目があってもエラーとならない。
また、データ入力する患者の患者情報が患者データ記憶部42に存在する場合は、入力された項目は患者データ記憶部42に上書き保存されるが、入力されないデータについては、既に記憶している内容を変更せず、そのまま保存される。
【0032】
尚、基本患者データを記憶するデータエリアと患者情報を記憶するデータエリアは別個に備えられているわけではなく、基本患者データとして入力されたデータは患者情報の一部として保存される。
【0033】
このように、ボード型親機3aを操作して患者に関する基本データの入力ができる。よって、オーダリングシステムから患者情報を入手できなくても、またPC型親機を接続しなくても、或いは操作しなくても、患者に対する基本データの入力を行うことができるため、新規患者の受け入れ等で看護に混乱が発生することがない。
また、第1ディスプレイ32で入力する患者情報に関連する患者氏名等を第2ディスプレイ33で確認しながらデータ入力できるため、入力ミスを防ぐことができる。
更に、入力或いは変更操作した項目のみデータが書き換わるので、看護師の慣れない操作により患者情報が間違って削除されるようなことがない。
また、新規入院の患者に関して登録された患者情報が、氏名とベッド番号を含む基本患者データのみであってもエラーとならず新規患者として登録できるため、入力操作に時間を取られることなく看護師の負担を軽減できる。
【0034】
次に、携帯端末5により基本患者データを入力する操作を説明する。待受時の携帯端末5を操作して、「患者情報閲覧」ボタン(図示せず)をディスプレイ5aに表示し、このボタンを操作する。この操作を受けて、携帯端末5から交換機6を介して制御機4に基本患者データ入力を行う基本患者データ入力モードへ移行させる信号が送信される。そして、病室番号及びベッド番号を指定することで、そのベッド番号に該当する患者情報の中の基本患者データの入力/変更が可能となる。
この時、ディスプレイ5aにはボード型親機3aと同様にソフトウェアキーボードが表示され、基本患者データの入力をスムーズに実施可能となる。
【0035】
このように、携帯端末5を使用して簡易患者情報を入力できるため、親機3のあるナースステーションまで戻らなくても入力でき、看護師の負担を軽減できる。
【0036】
尚、ボード型親機3aでの患者情報の閲覧方法としては、第1ディスプレイ32に表示されている患者の中から任意の1名の患者情報表示枠Pをタッチパネルで選択し、タッチパネルとして表示されている「情報閲覧」ボタンB1(
図3に示す)をタッチすると第2ディスプレイ33に選択した患者の詳細患者情報が表示される。
【0037】
このように、オーダリングシステムが無い(或いは通信ができない状態が発生した)状況で、新規患者の入院が発生したら、従来はPC型親機3bによりその患者の全ての患者情報を入力する必要が生じたが、患者情報のうちの看護する上で当面必要な基本情報は、このようにボード型親機3a、或いは携帯端末5から入力できるため、PC型親機3bを操作して入力する必要が無く看護師の負担を軽減できる。特に、PC型親機3bが故障した場合に、この入力形態はスムーズな看護業務を進めるのに役立つ。患者情報の他の詳細な項目は、後からPC型親機3b等で入力すれば良い。
【0038】
図5はナースコールシステムの第2の形態を示している。
図5において親機3は、ボード型親機3c、卓上型親機3d、PC型親機3bにより構成されている。但し、ボード型親機3cは、上記
図1に示したボード型親機3aのような患者情報の一覧を電子表示する第1ディスプレイ32を持たず、手書きのマグネットシート式で患者情報の一覧を表示するボード部51を有する従来の構成であり、ナースコール呼出に応答するための通話部52を備えている。
【0039】
一方、卓上型親機3dは、ナースコール呼出に応答するためのハンドセット301、患者情報を表示する第3ディスプレイ302を有し、第3ディスプレイ302にはタッチパネルで構成された操作部303(
図6に示す)が設けられている。
また、各機器は制御機4に伝送線を介して接続され、廊下灯2は廊下灯幹線L11を介して制御機4に接続され、ボード型親機3c、卓上型親機3d、PC型親機3bはそれぞれ伝送線L12,L13,L14を介して制御機4に接続されている。尚、
図1と共通する構成要素は同一の符号を付与してある。
【0040】
図6は卓上型親機3dの回路ブロック図を示している。
図6に示すように、第3ディスプレイ302、操作部303に加えて、ハンドセット301を備えた通話部304、第3ディスプレイ302の表示を制御する映像処理部305、音声信号を処理する音声処理部306、卓上型親機3dを制御する卓上型親機CPU307、制御機4と通信する卓上型親機通信IF308等を備えている。
【0041】
この卓上型親機3dによる基本患者データの入力/変更は以下のように行われる。先ず、第3ディスプレイ302上の操作部303を操作して「患者情報閲覧」ボタン(図示せず)を表示させ、このボタンを更に操作することで患者情報の閲覧が可能となり「情報入力」ボタンが表示される。
そして、表示された「情報入力」ボタンを操作すると、基本患者データの入力モードに移行する。移行したらソフトウェアキーボードが表示され、基本患者データの入力が可能となる。例えば、データ入力対象の病室番号及びベッド番号を入力すれば、そのベッド番号に対応する患者情報の中の基本患者データの入力/変更が可能となる。
【0042】
第3ディスプレイ302上に表示されたソフトウェアキーボードを操作して基本患者データが入力されると、その入力を検知した制御機CPU44により、当該患者に対する何らかの情報が患者データ記憶部42に記憶されているかどうかを検索し、当該患者に対する情報がなにも記憶されていなければ、患者データ記憶部42に新規保存する。このとき、上記実施形態の場合と同様に、入力情報のない項目に対しては、「空白データ」が保存され、未入力項目があってもエラーとならない。
また、データ入力する患者の患者情報が患者データ記憶部42に存在する場合は、入力された項目は患者データ記憶部42に上書き保存されるが、入力されないデータについては、既に記憶している内容を変更せず、そのまま保存される。
【0043】
このように、卓上型親機3dを操作して患者情報のうちの基本患者データの入力ができる。よって、オーダリングシステムから患者情報を入手できない状況が発生しても、またPC型親機3bを接続しなくても、患者に対する基本情報の入力を行うことができ、新規患者の受け入れ等で看護に混乱が発生することがない。
【0044】
尚、上記第1の形態では患者情報の一覧を電子表示する第1ディスプレイ32を備えたボード型親機3aとPC型親機3bとで親機3を構成しているが、第2の形態の卓上型親機3dを更に設けて、第1の形態と第2の形態を一体にして親機3を構成しても良い。
また、PC型親機3bが接続されている場合は、親機3或いは制御機4にそれを検知させて、ボード型親機3a或いは卓上型親機3dによる基本患者データの入力を禁止させても良い。このような機能を持たせることで、二重登録を防止できる。
更に、患者データ記憶部42を制御機4に設けているが、親機3に設けても良い。