【実施例1】
【0019】
本発明に係る画像認証装置による人の入退場管理システム1は、
図1乃至
図2に示すように、建設用データサイトとしてその一例として挙げる建設サイト(登録商標、以下同じ)2がある。該建設サイト2の個人データと事務所サイト3で取得される顔画像データとを同じID情報に紐付けて予め顔蓄積サーバ3aに登録し、建設現場におけるゲートに顔認証装置を設けて、入退場者の顔画像データを取得すると共に、この顔画像データと前記顔蓄積サーバ3aから得られる顔画像データとを照合して、
図3−Aの認証フローチャートに示す手順にて、入退場者である建設作業員9の入退場を認証するものである。
【0020】
以下、画像認証装置による人の入退場管理システム1の具体的な構成を説明する。例えば、
図2に示すように、インターネットに代表されるネットワーク5に接続されているとともに特定業種の社員・作業員の個人データを蓄積するとともに、個人識別用のID情報のみを有するQRコード(6a)付きの個人情報識別書である、一例としてのアンケート用紙6を発行する特定業種用の入力装置(キーボード、モニター等を含む、図示せず)及び記憶装置2aとを有する、建設用データサイトである建設サイト2がある。
【0021】
前記特定業種とは、例えば、建設業等である。その個人データ2bとは、例えば、建設業に携わる複数の会社に所属する建設作業員9の、氏名、所属する会社名、性別、年齢などの項目を有するデータである。また、ID情報は、個人データ2bにおいて他の作業員と識別するための、例えば、「G001」、「G002」等の識別符号である。
【0022】
そして、建物等の建設現場7における事務所サイト3は、
図2に示すように、前記ネットワーク5に接続され前記建設サイト2から個人データ2bを入力装置3cで入手し、その個人データ2bを記憶装置3bに記憶するという機能を有する。
【0023】
更に、建設現場7における事務所3hへ初回に来所した新規入場者である建設作業員9が持参した、該新規入場者を特定するQRコード6a付きアンケート用紙6によって、該QRコードからQRコードリーダ3eで取得されるID情報によって抽出される個人データ2bと、初回登録用の顔画像認証装置(入力装置3c、記憶装置3b、撮像装置3d)から入手される前記新規入場者の顔画像データとを紐付けて、当該新規入場者である建設作業員9の顔画像データ付き個人データ3iとして蓄積するための、新規入場者用の入力装置3cと記憶装置3bとでなる連携システムと、初回登録用の顔画像認証装置(入力装置3c、記憶装置3b、撮像装置3d)および顔蓄積サーバ3aとでなる顔認証システムとを有してなる。
【0024】
前記建設現場7における建設作業員9が入退場するゲートサイト4は、該ゲートに設けられていて、前記ネットワーク5若しくは有線LAN8を介して前記新規入場者用の入力装置3cに接続されるとともに、顔画像認証装置(入力装置4a、撮像装置4b)で得られた入退場者である建設作業員9の顔画像データの顔認証を行う、入退場者用の顔認証用端末装置を有してなる。
【0025】
このように、本発明に係る画像認証装置による人の入退場管理システム1は、前記建設用データサイトの一例である建設サイト2、事務所サイト3、ゲートサイト4とで構成されている。以下、上記の各構成について詳述する。
【0026】
図1に示すように、前記建設サイト2における特定業種用の記憶装置2aに予め記憶されている個人用データ2bは、建設サイトシリーズにて協力会社で構成されるグリーンサイト(労務安全書類ASP:Application Service Provider)の個人データである。なお、これは一例であって、他の特定業種用の個人データであっても良い。
【0027】
事務所サイト3における連携システムは、
図2に示すように、入力装置(キーボード、モニタ、QRコードリーダ3eを含む)3cと記憶装置3bとで構成され、当該記憶装置3bに、建設サイト2の個人データ2bがQRコード6aの読み取りと同時に取り込まれて記憶されている。
【0028】
更に、入力装置3c、記憶装置3bには、前記個人データ2bと建設作業員9の顔画像3gのデータを紐付ける機能がある。初回入場用の事務所独自のID(例えば、K001等)を発行する機能がある。このほか、ゲートサイト4からの入退場者の入退場記録を記憶して、それを印刷装置3fに帳票として出力させる機能もある。
【0029】
また、
図3−Bに示すように、事務所サイト3には、初回登録用の顔認証システムがあり、顔画像認証装置(入力装置3c、記憶装置3b、撮像装置3d)および顔蓄積サーバ3aでなり、この顔蓄積サーバ3aのデータは、前記個人データ2bと、顔画像3gの画像データとの合体させた顔画像データ付き個人データ3iとなる。
【0030】
このように、事務所サイト3では、連携システムと顔人認証システムとの二つのシステムが混在しており、この画像認証装置による人の入退場管理システム1の中核をなすものである。
【0031】
前記ゲートサイト4は、建設現場7の1箇所(複数箇所でも良い)に設けられるゲートに設置される端末装置で顔人認証する機能がある。
図1乃至
図2に示すように、キーボードとモニタとの入力装置4a、顔画像を採るための撮像装置4bとで構成されており、プログラムなどを記憶する記憶装置があるものの、膨大な個人データを蓄積する記憶装置は無い。この端末装置で、ゲートの入退場者である建設作業員9の顔認証をするものである。
【0032】
上記本発明に係る画像認証装置による人の入退場管理システム1による、顔認証について、
図3−A乃至
図4を参照して、基本的な顔認証の手続きを説明する。
【0033】
図3−Aおよび
図4に示すように、ステップ(以下、STと略記)1で、ある建設現場7での新規入場者となる建設作業員9が、QRコード付きアンケート用紙6を持参して、建設現場7の事務所3hに出向いて、この建設現場に出入りする作業員であることを認証するため、初回登録を行う。
【0034】
この建設作業員9が持参する前記QRコード付きアンケート用紙6は、
図4に示すように、前記建設作業員9の属する協力会社の担当者が、インターネットを介して建設サイト2からQRコード6aを特定して前記建設作業員9の個人データを入手し、QRコード付きアンケート用紙6を印刷装置で印刷したものである。なお、建設サイト2には、建設作業員9の個人データが記憶装置2aに予め登録されている。
【0035】
次に、ST2において、前記建設作業員9の顔画像3gのデータを個人データ2bに登録する。
図3−Bに示すように、事務所サイト3の顔認証システムである、顔画像認証装置(入力装置3c、記憶装置3b、撮像装置3d)で行う。
【0036】
そして、ST3にて、個人データ2bと顔画像3gの画像データとが紐付けられて、顔画像データ付き個人データ3iは、顔蓄積サーバ3aに保存される。これで、初回登録が完了する。
【0037】
初回登録が完了したので、ST4において、前記建設作業員9は、建設現場7の入退場用のゲートに行く。このゲートは、
図7−A(A),(B)に示すように、建設現場7で仮囲いで囲われた作業所の一角に設けられ、該ゲートを入退場者である建設作業員9が、一人づつ出入りするものである。尚、ゲートが複数箇所にある場合には、各ゲート毎に顔認証用の端末装置を設けるものである。
【0038】
このゲートでは、撮像装置4bの配置と、建設作業員9の入口4eと、出口4fとの関係で、2種類の構造を設定している。そのうち、一つのゲート構造は、顔認証が行い易いようにすべく、
図7−A(A)のように、このゲートを通らないと入場できないように設定できる。また、光の影響の防水排除及び防水のため、当該ゲートは屋根付きとするものである。
【0039】
また、他のゲート構造は、
図7−A(B)のように設定することで、光の影響が少ないので顔認証に好都合である。これ以外にも適宜にゲートの設定を変更することが好ましい。尚、図示等していないが、前記ゲートの構造において、入場専用ゲートと退場専用ゲートとを別々に設けてそれぞれの顔画像認証装置で顔認証することも好ましいものである。
【0040】
次に、ST5において、
図7−Bに示すように、ゲートサイト4において、顔認証用の端末装置でゲートを入退場する建設作業員9の顔認証が行われ判定される。入退場する建設作業員9が入力装置4aのモニタ画面4dのタッチパネルに表示された「入場」若しくは「退場」の画像をタッチすると、撮像装置4bで顔画像4cが撮影されて、その顔画像4cのデータと、事務所サイト3における顔蓄積サーバ3aの顔画像データ付き個人データ3iとが瞬時に比較されて、該当者が居る場合には、認証成功となる。よって、建設作業員9は、「OK」にタッチして、建設現場7内部に入場若しくは退場する。
【0041】
前記顔認証に失敗した場合で、顔画像が上手く撮影されなかったと思われる場合には、再度、顔認証のトライをする。また、顔画像データ付き個人データ3iが登録されていない場合には、事務所3hに行って
図4に示す初回の作業員登録を済ませるものである。
【0042】
なお、ゲートの入口4e、出口4fに電子扉を設けて、前記ゲートサイト4の顔認証用の端末装置と連動させ、前記電子扉の開閉を行うようにしても良い。更に、不正入場しようとした場合には、この端末装置で、警告表示、警報音などで警報を発するものである。
【実施例3】
【0047】
図6に示すように、事務所3hに来た新規入場者である建設作業員9が、予め建設サイト2において当該新規入場者に係る個人データ2bを登録していない場合には、事務所サイト3にて初回登録するために、事務所3hにおいて前記新規入場者である建設作業員9がアンケートの回答を行う。
【0048】
それにより、○×建設の担当者が前記新規入場者の氏名、会社名等の個人データ2bだけを入力装置3cから入力し、QRコードに代わる変わる独自の事務所サイト3におけるID情報(この場合には、K001など)を付けて記憶装置3bに登録する。
【0049】
そして、当該事務所サイト3にて前記事務所サイト3のID情報を有するQRコード付きアンケート用紙6を発行し、印刷装置3fで印刷する。なお、後に、ID情報として、建設サイト2から初回登録用のG001等のデータを入手して、前記事務所サイト3のID情報(K001)と建設サイト2のID情報(G001)とを、前記建設作業員9の個人データ2bとして互いに結びつけるものである。
【0050】
前記印刷されたQRコード付きアンケート用紙6を、前述と同様に、QRコードリーダ3eで読み取り、前記新規入場者である建設作業員9の顔画像3gのデータを、顔認証システムである顔画像認証装置(入力装置3c、記憶装置3b、撮像装置3d)で取得する。
【0051】
そして、前記新規入場者である建設作業員9の個人データ2bと顔画像3gのデータとを紐付けて、顔画像データ付き個人データ3iを、顔蓄積サーバ3aに保存して、当該新規入場者である建設作業員9の初回登録を行うのである。なお、他の実施例として、前記事務所サイト3における登録作業の省力化のために、QRコード付きアンケート用紙6を発行しない場合には、事務所サイト3における前記顔画像認証装置で作業員9の氏名、会社名等を入力してこの個人データ2bと、顔画像3gのデータとを紐付けて、顔画像データ付き個人データ3iを顔蓄積サーバ3aに保存して、初回登録を行うようにしても良い。その後、新規入場者である建設作業員9は、ゲートに行ってゲートサイト4における顔認証用の端末装置で顔認証をするものである。