特許第6200916号(P6200916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャングルの特許一覧

<>
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000002
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000003
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000004
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000005
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000006
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000007
  • 特許6200916-情報処理装置およびプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6200916
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20170911BHJP
   G06F 19/00 20110101ALI20170911BHJP
【FI】
   G06Q10/06
   G06F19/00 110
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-89231(P2015-89231)
(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公開番号】特開2016-207007(P2016-207007A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2016年9月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイト (http://www.junglejapan.com/company/news/release/2014/1225/) (2)ウェブサイト (http://www.junglejapan.com/company/news/index.php?action_News_Index=0&offset=19&nkind=&nyear=2015)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500105779
【氏名又は名称】株式会社ジャングル
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 晃子
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−147957(JP,A)
【文献】 特開平10−283401(JP,A)
【文献】 特開2006−59016(JP,A)
【文献】 特開2002−334221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによってなされた入力に基づいて、収入または支出に関係するイベントについて金額および発生タイミングを定義したイベント情報を生成する生成手段と、
該生成されたイベント情報を記憶する記憶手段と、
該記憶された複数のイベント情報を各々表す第1オブジェクトを表示部の第1領域に表示する第1表示制御手段と、
前記第1領域に表示された複数の第1オブジェクトから、ユーザによる1以上の第1オブジェクトの選択を受け付ける受付け手段と、
該選択された一以上の第1オブジェクトが表すイベント情報に基づいて、収支の予測を計算する計算手段と、
該計算の結果を、前記表示部における、前記第1領域と重ならない第2領域に、表示する第2表示制御手段と
を有し、
前記第1表示制御手段は、更に、各第1オブジェクトが選択されているか否かを表す第2オブジェクトを前記第1領域に表示する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1表示制御手段は、前記第1領域に表示されている1以上の第1オブジェクトの指定を受け付けるための第3オブジェクトを、前記表示部において、前記第1領域および前記第2領域のいずれにも重ならない第3領域に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記イベント情報にはイベントの種別を表す情報が含まれ、
前記第3オブジェクトは、同一の種別のイベントを一括して選択するためのオブジェクトである、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
該生成された各イベント情報を編集する編集手段を更に有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項5】
新規オブジェクトの選択または選択済みオブジェクトの解除を前記ユーザに促す提案手
段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
ユーザによってなされた入力に基づいて、収入または支出に関係するイベントについて
金額および発生タイミングを定義したイベント情報を生成するステップと
該生成されたイベント情報を記憶するステップと、
該記憶された複数のイベント情報を各々表す第1オブジェクトと、各第1オブジェクトが選択されているか否かを表す第2オブジェクトとを、表示部の第1領域に表示するステップと、
前記第1領域に表示された複数のオブジェクトから、ユーザによる1以上の第1オブジェクトの選択を受け付けるステップと、
該選択された一以上の第1オブジェクトが表すイベント情報に基づいて、収支の予測を計算するステップと、
前記計算の結果を、前記表示部における、前記第1領域と重ならない第2領域に、前記表示部に表示するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収支予測の計算および計算結果の提示に関する。
【背景技術】
【0002】
人生設計を支援するため、コンピュータを用いて、ユーザが指定した条件に基づいて収支の予測(シミュレーション)を行う技術がある。
条件の入力に関し、例えば文献1のシステムにおいては、ユーザは画面左欄に表示のイベントアイコン(自動車購入、余暇・旅行等のイベント種別に応じたアイコン)をタイムライン上にドラッグ・アンド・ドロップした後、イベントに要する金額等の条件を入力する。
また、文献2のシステムにおいては、ユーザは画面下に表示されているイベント種別(結婚、出産、家屋購入、退職等)に応じたイベントアイコンをその上のイベント設置部307にドラッグ・アンド・ドロップし、タイムライン上の希望する位置に希望する種別のイベントを配置する。
こうして入力された金額やタイミング(タイムライン上の位置)の情報に基づいて、収支シミュレーションが行われ、その結果がグラフとして表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−147957号公報
【特許文献2】特開2002−334221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のシミュレーションにおいては、得られたシミュレーション結果を踏まえて条件を修正し再度シミュレーションを実行するという試行錯誤を繰り返すことで、今後の行動の参考となる有意義な情報を得ることができるといえる。この点、文献1の技術では、一度設定した条件を変更することが容易でない。文献2の技術では、複数の条件を取捨選択することは容易であるものの、各条件の内容は固定的かつ一般的なものであり、シミュレーションにユーザ個々の事情や嗜好等を反映させることができない。
本発明は、シミュレーションに用いるための条件の設定の自由度を高めつつ、条件の調整を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一の態様において、ユーザによってなされた入力に基づいて、収入または支出に関係するイベントについて金額および発生タイミングを定義したイベント情報を生成する生成手段と、該生成されたイベント情報を記憶する記憶手段と、該記憶された複数のイベント情報を各々表す第1オブジェクトを表示部の第1領域に表示する第1表示制御手段と、前記第1領域に表示された複数の第1オブジェクトから、ユーザによる1以上の第1オブジェクトの選択を受け付ける受付け手段と、該選択された一以上の第1オブジェクトが表すイベント情報に基づいて、収支の予測を計算する計算手段と、該計算の結果を、前記表示部における、前記第1領域と重ならない第2領域に、表示する第2表示制御手段とを有し、前記第1表示制御手段は、更に、各第1オブジェクトが選択されているか否かを表す第2オブジェクトを前記第1領域に表示する、ことを特徴とする情報処理装置を提供する。
好ましい態様において、前記第1表示制御手段は、前記第1領域に表示されている1以上の第1オブジェクトの指定を受け付けるための第3オブジェクトを、前記表示部において、前記第1領域および前記第2領域のいずれにも重ならない第3領域に表示する。
好ましい態様において、前記イベント情報にはイベントの種別を表す情報が含まれ、前記第3オブジェクトは、同一の種別のイベントを一括して選択するためのオブジェクトである。
好ましい態様において、該生成された各イベント情報を編集する編集手段を更に有する
ましい態様において、新規オブジェクトの選択または選択済みオブジェクトの解除を前記ユーザに促す提案手段をさらに有する。
本発明は、他の観点において、コンピュータに、ユーザによってなされた入力に基づいて、収入または支出に関係するイベントについて金額および発生タイミングを定義したイベント情報を生成するステップと、該生成されたイベント情報を記憶するステップと、該記憶された複数のイベント情報を各々表す第1オブジェクトと、各第1オブジェクトが選択されているか否かを表す第2オブジェクトとを、表示部の第1領域に表示するステップと、前記第1領域に表示された複数のオブジェクトから、ユーザによる1以上の第1オブジェクトの選択を受け付けるステップと、該選択された一以上の第1オブジェクトが表すイベント情報に基づいて、収支の予測を計算するステップと、前記計算の結果を、前記表示部における、前記第1領域と重ならない第2領域に、前記表示部に表示するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シミュレーションに用いるための条件の設定の自由度を高めつつ、条件の調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理装置100の機能を表す図。
図2】表示画面(全体構成)の例を表す図。
図3】情報処理装置100の動作を表す図。
図4】表示画面(カード作成時)の例を表す図。
図5】表示画面(カード選択時)の例を表す図。
図6】表示画面(シミュレーション実行時)の例を表す図。
図7】表示画面(再シミュレーション実行時)の例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、情報処理装置100の機能を表す。情報処理装置100は、一般的なパーソナルコンピュータとしての機能に加え、ライフプランニング(収支予測)を行うアプリケーションを実行する機能を有する。このアプリケーションは、ユーザの入力内容に基づいてシミュレーションを実行し、その結果を表示するものである。以下、ライフプランニングの機能に関係する部分に絞って説明する。情報処理装置100は、入力部110、表示部120、記憶部130、表示制御部140、制御部150を含む。
【0009】
入力部110は、キーボードやマウス等の入力デバイスによって実現され、ユーザがシミュレーションに必要な情報や指示を入力する。入力部110は、データ入力部111および選択部112を含む。
データ入力部111は、各イベント情報を構成する1以上の情報を取得する。イベント情報とは、収入および支出の少なくともいずれかに関係するイベントについて、その金額および1回以上の発生タイミングを定義した情報であって、シミュレーションの結果に影響を与え得る情報である。具体的には、データ入力部111は、表示部120に表示された所定の1以上の入力フィールド内にユーザによって入力された情報を取得する。
選択部112は、表示部120に表示された複数の画像オブジェクト(以下、単にオブジェクトという)から、ユーザによってなされた1以上のオブジェクトの選択を受け付ける。一のオブジェクトは一のイベント情報に対応する。加えて、選択部112は、生成されたイベント情報について編集(内容の変更、追加、削除)を行う。
【0010】
記憶部130は、半導体メモリやハードディスク等の記憶装置であって、情報処理装置100において種々のアプリケーションソフトウェアを実行するための基本ソフトウェア(OSプログラム)のほか、ライフプランニング用のアプリケーションを記憶する。加えて、記憶部130は、カード生成部151にて生成されたユーザ定義カードUCを記憶する。なお、これらのプログラムやイベント情報は、図示せぬ通信部を用い、インターネット等を介して接続されたサーバ装置からダウンロードしてもよい。加えて、記憶部130は、予め内容が定められたデフォルトカードDCを記憶する。同図においては、UDがN個でデフォルトカードDCがM個、つまり、合計で(N+M)個のイベント情報が記憶されている例である。
あるいは、これらのプログラムやイベント情報は、図示せぬ外部記憶媒体に格納され、ユーザの指示に応じて記憶部130に転送してもよい。
【0011】
制御部150は、CPUその他のプロセッサやモジュールによって実現される。制御部150はカード生成部151および演算部152を含む。カード生成部151は、データ入力部111から入力された情報に基づいてイベント情報を生成し、そのイベント情報の種別に対応する画像(アイコン)を決定する。当該イベント情報と当該画像とは対応付けられ、記憶部130に記憶される。イベント情報と画像のセットは、ユーザには「カード」として認識される。
演算部152は、ユーザによって選択された1以上のオブジェクトOBのそれぞれに対応するイベント情報を特定し、特定したイベント情報を記憶部130から読み出し、所定のアルゴリズムに基づいて、読み出したイベント情報を構成する情報をパラメータとして用いて、収支予測を計算する。
【0012】
表示部120は、液晶ディスプレイ等の表示装置であって、表示制御部140の指示の下、文字や画像を画面に表示する。なお、表示部120は、入力部110と機能が一体になったタッチパネルとして実装されてもよい。
表示制御部140は、画像処理プロセッサやディスプレイドライバとして実現される。表示制御部140は、第1表示制御部141および第2表示制御部142を含む。第1表示制御部141は、カード生成部151から提供された、記憶部130に記憶された複数のイベント情報を各々表すデフォルトカードDC(i)に対応するオブジェクトを表示部120の所定の表示領域に表示する。第2表示制御部142は、カード生成部151にて実行された演算結果Drを表示部120の所定の表示領域に表示する。
【0013】
図2は、表示部120の基本的な画面構成例を表す。SC1は,表示領域SA1、SA2、およびSA3からなる。表示領域SA1には、それぞれ、全体として横長矩形のカード形状で、左端部に正方形のアイコン画像が配置され、その右側にイベントの名称など各イベントを識別するための名称(基本情報、生活費、住宅ローン、年金、生命保険)が配置された複数のオブジェクトOBが表示される。この例では、既に5つのオブジェクト(OB11、OB12、OB13、OB14、OB15、)が生成されていることを示す。この名称はユーザが定めてもよい。
【0014】
イベント「基本情報」とは、ユーザの年齢・性別など、シミュレーションの基本となる個人に関する情報を含む。イベント「生活費」とは、給与、食費など、例えば月ごとに固定的に発生する収支の情報である。イベント「住宅ローン」とは、例えば、返済額、利息(額や算出アルゴリズム)、返済のタイミング等の情報を含む。イベント「年金」とは、受給開始年齢や額やタイミングを含む。イベント「生命保険」とは、設定額や支給条件を含む。
【0015】
各イベント情報には、その属性として種別が設定される。各イベント情報を表すアイコン(色や形状など)は、その種別に応じて決定される。例えば、「年金」というイベント情報(OB14)と生命保険というイベント情報(OB15)は、ともに「年金・保険」という種別が設定され、従って両オブジェクトには共通のアイコンが表示される。以下の例では、各アイコンの形状は同一であるが、属性に応じた色を有するものとする。
なお、同一名称のイベントを有する複数のイベントが生成されてもよい。例えば、複数種類の年金に加入している場合、「年金・保険」種別に属する名称「年金1」というイベント情報と「年金・保険」種別に属する名称「年金2」という名称のイベント情報とが生成される。
表示領域SA1は、表示領域SA3や表示領域SA2の表示内容(メッセージやアイコン)に関わらず、常に表示される。
【0016】
表示領域SA2には、ユーザの操作内容に対応して、情報を入力するための画面、入力力操作内容の説明や操作を案内するメッセージ、計算の結果、の少なくともいずれかが表示される。この例では、カードを作成する処理を行っているため、ユーザがすべき操作を案内するメッセージが表示されている。
【0017】
表示領域SA3には、ユーザの操作内容に対応して、ユーザに、情報の入力、選択、保存、出力、各機能の実行・終了等などの操作を行うためのアイコン(OB31、OB32、OB33、OB34およびOB35)が配置される。ユーザは各アイコンをタッチないしクリックすることで、所望の処理を情報処理装置100に行われる。加えて、記憶部130に記憶されている全てのオブジェクトOBのうちどのオブジェクトOBを選択的に表示するかを指定するためのアイコン(OB36)が表示される。例えば、オブジェクトOB36の「年金・保険」をクリックすると、オブジェクトOB14およびOB15のみが表示領域SA1に表示される。これにより、登録したカードの数が増えても、閲覧や編集が容易になる。
【0018】
図3は情報処理装置100の動作を表す。まず、ユーザは情報を入力してユーザ定義カードUCを作成する(S102)。なお、既に作成済みのユーザ定義カードUCがある場合、ユーザからの指示に応じて記憶部130からユーザ定義カードUCを読み出してもよい。読み出されたユーザ定義カードUCは、表示領域SA1に表示される。また、ユーザは、必要に応じて、作成済みのユーザ定義カードUCを変更(編集)してもよい。
【0019】
図4に、カード作成または編集時の表示画面SC2の例を表す。同図は、ユーザの操作に基づいて、イベント「自動車ローン」が生成される例を示す。具体的には、ユーザは、まず「新規カードの作成」(オブジェクトOB33)を選択し、そのカードの種別(例えば「借入れ」)を指定する。すると、カード生成部151は、当該種別に対応する入力フィールド(IF1〜IF5)を表示領域SA2に表示して、ユーザに入力を促す。ユーザが表示領域SA2に表示された各情報項目(「ローン名」、「借入日」、「借入額」、「返済期間」、「金利」)について情報を入力し、入力内容を確定する操作を行うと、「自動車ローン」という名称のイベント、情報項目としてIF1〜IF5からなる一つの情報が新たに生成され、記憶部130に記憶されるとともに、該生成されたイベント情報に対応するオブジェクト(オブジェクトOB13)が作成され、表示領域SA1に表示される。
【0020】
続いて、図3に戻り、ユーザ定義カードUCが所望のカードを選択する(S104)。具体的には、図4の表示画面SC2においてユーザがオブジェクトOB31を指定すると、図5に示すように、表示領域SA1に表示される各オブジェクトOBのアイコン内に重ねてチェックボックス画像が表示される。ユーザは、チェックボックスをチェック(またはチェック解除)することによってシミュレーションに用いたいカード(外したいカード)を指定する。同図では、オブジェクトOB11、OB12、OB16、OB14が選択されていることを示す。なお、表示領域SA1に表示されているカードのうち一部のカード(例えば「基本情報」)については、強制的に選択されるようにしてもよい。
また、画面上部に表示領域SA4(オブジェクトOB41〜45)が表示される。オブジェクトOB41〜OB45は、記憶部130から読み出され、シミュレーションに反映させることができるデフォルトカードDCである。この例では、オブジェクトOB41〜オブジェクトOB45は、生活費に関する出費の額やタイミングを補正する情報である。好ましい態様において、オブジェクトOB41〜オブジェクトOB45の選択は任意である。ただし、オブジェクトOB41〜45のうちいずれか一つを選択しないと、シミュレーション実行の指示を受け付けないようにしてもよい。
【0021】
ユーザは、オブジェクトOB41〜45のうちいずれか一つを選択する(図3:S106)。具体的には、図5のSC3において「シミュレーション開始」を選択すると、選択した「基本情報」、「生活費」、「住宅ローン」、「年金」のイベント情報を反映したシミュレーションが実行され(図3:S108)、その結果が(図3:S110)表示領域SA2に表示される。
図6は、シミュレーション実行時のSC4の例を表す。SC4において、表示領域SA2は、表示領域SA21と表示領域SA22とに分割される。表示領域SA22にはシミュレーション結果が表示される。表示領域SA21には、条件(用いるカードやカードの内容)を変更した再度シミュレーションを行うことを促すメッセージが表示される。ユーザが保存を選択すると(図3:S112,NO)、選択されたカードを識別する情報とともに、シミュレーション結果(数値やグラフ)が所定のフォーマットで保存される。
【0022】
図6の画面において、ユーザがカードの選択方法を変えたいと思った場合(図3:S112,YES)、表示領域SA1に表示されているチェックボックスのチェック状態を変更する。図7は、再シミュレーション実行時のSC5の例を表す。「自動車ローン」のイベントを追加選択する場合は、ユーザはオブジェクトOB16を選択する。すると、表示領域SA21に編集画面が表示され、ユーザは必要に応じて情報を変更して編集内容を確定させる。そして、シミュレーションの実行を指示すると、「基本情報」、「生活費」、「住宅ローン」、「自動車ローン」、「年金」を加味したシミュレーションが実行され、その結果が表示領域SA22に表示される。
【0023】
上記実施例によれば、ユーザがその内容登録したイベント情報をカードとして常に画面に表示しているので、どのような条件が用いられたかを容易に把握することできる。また、シミュレーションに使用する情報をカード単位で簡単に取捨選択することができるので、シミュレーションの条件の調整および結果の確認が容易である。加えて、必要に応じてイベント情報を編集することができるので、多様なユーザの状況やニーズに応じてきめ細かい予測ができ、推定精度の向上に寄与すると期待される。また、ユーザが定義する情報以外に予め用意された情報を用いることで、ユーザの入力の手間を省くことができる。
【0024】
他人が生成したユーザ定義カードUCやデフォルトカードDCを用いてシミュレーションを実行してもよい。具体的には、複数の情報処理装置100とネットワークを介して接続するサーバを設ける。サーバは、各情報処理装置100にて作成されたユーザ定義カードUCを蓄積し、あるいはサーバの管理者が作成したデフォルトカードDCを蓄積しておく。そして、サーバは、各ユーザからの指示や各情報処理装置100の制御部150からの指示に応じて、あるいは自発的に、蓄積したデフォルトカードDCやユーザ定義カードUCから適切なものを選択して送信する。
例えば、制御部150は、ユーザが指定した条件(カードの内容、種類、枚数など)に基づいてサーバへの問い合わせの要否を判定する。サーバは、情報処理装置100からの要求に応じて、当該条件に応じた、シミュレーションの結果の精度を向上させるために必要な情報(追加・削除すべきカードの種類や数など)を決定する。蓄積したカードの中から該特定した情報に対応するカードが抽出され、情報処理装置100に送信される。情報処理装置100では、サーバからカードを受信すると、カードを取得した事実を画面に表示し、そのカードを選択してシミュレーションを再度実行することを提案するメッセージを表示する。
このように、新規カードの選択または選択済みカードの解除をユーザに提案することで、より有意義なシミュレーションへユーザを誘導することができる。
【0025】
上述した情報処理装置100によって実現される機能は、一つのハードウェアのみで実装する必要はなく、複数のノードに分散して実行されてもよい。例えば、表示、演算、記憶は、それぞれネットワーク接続された異なるノードによって実行されてもよい。要するに、本発明の情報処理システムは、ユーザによってなされた入力に基づいて、収入または支出に関係するイベントについて金額および発生タイミングを定義したイベント情報を生成する生成手段と、該生成されたイベント情報を記憶する記憶手段と、該記憶された複数のイベント情報を各々表すオブジェクトを表示部に表示する第1表示制御手段と、前記表示部に表示された複数のオブジェクトから、ユーザによる1以上のオブジェクトの選択を受け付ける受付け手段と、該選択された一以上のオブジェクトが表すイベント情報に基づいて、収支の予測を計算する計算手段と、該計算の結果を前記表示部に表示する第2表示制御手段とを有していればよい。
【符号の説明】
【0026】
100・・・情報処理装置、110・・・入力部、120・・・表示部、140・・・表示制御部、130・・・記憶部、150・・・制御部、111・・・データ入力部、112・・・選択部、151・・・カード生成部、152・・・演算部、141・・・第1表示制御部、142・・・第2表示制御部、DC・・・デフォルトカード、UC・・・ユーザ定義カード、OB11〜16・・・オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7