【実施例】
【0120】
特性化技術
Z平均エマルション粒径は、Malvern ZetasizerナノシリーズS粒径分析器を利用して決定した。
【0121】
還元粘度(RV、dl/g)は、クロロホルム中で(1重量%溶液)、ウベローデ粘度計OB型を25℃で使用して測定した。
残存ジベンゾイルペルオキシド含量の重量%は、滴定法により決定した。
【0122】
ブルックフィールド粘度測定法(BV、センチポイズ(cPs))は、ブルックフィールド粘度計RVDV−E型を使用して25℃で、測定される粘度範囲に応じてスピンドル及びスピードを調整した実施例47以降を除いて、スピンドル数5及びスピード20rpmで操作して実施した。
【0123】
重量平均分子量、Mwは、ポリメチルメタクリラート標準を較正に使用してゲル浸透クロマトグラフィーにより決定した。テトラヒドロフランを移動相として使用した。
アクリルビーズポリマー平均粒径は、Coulter LS230レーザー回折粒度分析計により測定した。
【0124】
ドウタイム及び硬化時間及び最大発熱温度は、BS ISO 5833:2002に従って測定した。
ドウタイムは、混合物が、優しく触る場合に手袋をつけた手に付着しないドウ状の塊に達する混合開始後の時間の長さであると考えられる。
【0125】
硬化時間は、室温と最大の中間の温度に達するのにかかる時間であると考えられる。
曲げ強度及び曲げ弾性率は、ISO 1567:1997に従って三点曲げ試験により決定した。圧縮強度は、ISO 5833:2002に従って決定した。
【0126】
実施例1から4は、32%wtから54%wtに変わる固形分のアクリルエマルションの調製を記載している。
【0127】
実施例1
32%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
2000グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットルの丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴で水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0128】
1000グラムのメチルメタクリラート、1.8グラムの1−ドデカンチオール、5.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び100グラムの脱イオン水からなる乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0129】
水の温度を80℃にして、100グラムの乳化されたモノマー混合物をフラスコに加え、それに続いて10ミリリットルの2重量%過硫酸カリウムの脱イオン水溶液を加えることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。わずかな発熱の後、反応は、温度が80℃に戻るまで30分間進行する。
【0130】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて250グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ45分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに30分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0131】
37.0グラムの75%の活性ジベンゾイルペルオキシド(BPO)を、残りの乳化されたモノマー混合物に45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて、BPOが加えられている乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。反応は、温度が80℃に戻るまで、全てのモノマー混合物を加えた後さらに15分間進行する。
【0132】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいに通して濾過する。
アクリルポリマーエマルションは、固形分が32%wt、還元粘度が1.8dl/g、残存ジベンゾイルペルオキシドが1.66%wt、及びz平均エマルション粒径が177nmである。
【0133】
実施例2
38%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
1200グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットルの丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴で水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0134】
1000グラムのメチルメタクリラート(MMA)、1.0グラムの1−ドデカンチオール、5.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び200グラムの脱イオン水からなる乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0135】
水の温度を80℃にして、100グラムの乳化されたモノマー混合物をフラスコに加え、それに続いて10ミリリットルの2重量%過硫酸カリウムの脱イオン水溶液を加えることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。わずかな発熱の後、反応は、温度が80℃に戻るまで30分間進行する。残りの乳化されたモノマー混合物に、1gのラウリル硫酸ナトリウムを撹拌しながら加える。
【0136】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて250グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ45分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに30分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0137】
35.0グラムの75%活性ジベンゾイルペルオキシドを、残りの乳化されたモノマー
混合物に45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて、BPOが加えられている乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。反応は、温度が80℃に戻るまで、全てのモノマー混合物を加えた後さらに15分間進行する。
【0138】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいに通して濾過する。
アクリルポリマーエマルションは、固形分が38%wt、還元粘度が2.1dl/g、ブルックフィールド粘度が50cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが1.98%wt、及びz平均エマルション粒径が186nmである。
【0139】
実施例3
50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
1200グラムの代りに600グラムの脱イオン水を5リットル丸底フラスコに加える以外、実施例2の手順を繰り返した。
【0140】
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が50%wt、還元粘度が1.6dl/g、ブルックフィールド粘度が540cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.10%wt、及びz平均エマルション粒径が205nmである。
【0141】
実施例4
54%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
1200グラムの代りに400グラムの脱イオン水を5リットル丸底フラスコに加える以外、実施例2の手順を繰り返した。
【0142】
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が55%wt、還元粘度が1.49dl/g、ブルックフィールド粘度が7920cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.20%wt、及びz平均エマルション粒径が191nmである。
【0143】
実施例5、7から12、及び19は、実施例2から4で調製したアクリルポリマーエマルションとアクリルビーズポリマーとの混合による、第一液の調製を説明する。それに続いて、第一液と第二液との混合により硬化性組成物を調製する。
【0144】
実施例5
38%wt固形分のアクリルポリマーエマルションを使用した第一液の調製
電動スターラーモーター及びステンレススチールパダルスターラーを備えた250mlポリプロピレンビーカーに、70gのポリ(メチルメタクリラート)(PMMA)ビーズポリマー(Colacryl(登録商標)B866、Lucite International Speciality Polymers & Resins Limitedから入手、RVは2.4dl/g、Mwは421,200、残存ジベンゾイルペルオキシドは2.94%wt、平均粒径は39ミクロン)を加える。撹拌を100rpmで始め、30gの実施例2の38%wt固形分のアクリルポリマーエマルションを60から90秒かけて加える。次いで、スターラーのスピードを800〜1000rpmに上げ、均一な液体混合物が得られるまで混合をさらに3から5分続ける。液体混合物のブルックフィールド粘度は7,000cPsである。液体混合物は安定であり、23℃で数日保存した後で分離は全くない。
【0145】
実施例6
硬化性組成物の調製
17.2gの実施例5の第一液を、60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤及び1%N,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤(第二液)を含む7mlのMMAモノマーと混合することにより、硬化性組成物を調製する。利用する混合比率は、14gのポリマー(等価乾燥重量(equivalent dry weight))対7mlのモノマー液体である。混合の前に、2成分を、23℃のインキュベーター中で少なくとも10時間平衡化させる。要求される量の第一液をポリプロピレンビーカーに入れ、それに続いて第二液を入れる。第二液を第一液に加えた点で時間測定を始める。次いで、金属のスパチュラを使用して手作業の混合を30秒間実施し、その後材料に覆いをして放置する。定期的に、材料を初期の混合物の粘稠度(initial mix consistency)に関して評価し、ドウタイム及び硬化時間を決定する。硬化する塊の中心に埋め込んだ熱電対の使用により、発熱温度も測定する。
【0146】
以下の比較例は、従来技術に対する本発明の利益を示すために調製した。
比較例1
実施例5に記載のPMMAビーズポリマー(Colacryl(登録商標)B866)を、アクリルポリマーエマルションを全く加えずにそれ自体で使用する。14gのこのPMMAビーズポリマーを、60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤及び1%N,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤を含む7mlのMMAモノマーと混合し、上述の通り試験する。
比較例2
使用前に実施例2のアクリルポリマーエマルションを噴霧乾燥してパウダーを形成する以外、この実施例は実施例6と等しい。PMMAビーズポリマー(Colacryl(登録商標)B866)と実施例2の噴霧乾燥した38%wt固形分エマルションの配合比率は、86/14%wtである。次いで、ビーズポリマーと微孔性アクリルポリマーパウダーのこのブレンド14gを、60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤及び1%N,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤を含む7mlのMMAモノマーと混合し、上述の通り試験する。
【0147】
表1は結果を記録するものである。実施例6が、比較例1と比べて、低い発熱温度並びに短いドウタイム及び硬化時間を示すことがわかる。さらに、実施例6は、比較例2に類似のドウタイムを示すが、硬化時間は長く、固体に凝固するまで硬化性組成物を施すための、より長い操作時間を与える。実施例6は、比較例2より低い発熱温度も示す。
【0148】
【表1】
【0149】
実施例7から12
50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションを使用する第一液の調製
電動スターラーモーター及びステンレススチールパダルスターラーを備えた250mlポリプロピレンビーカーに、ポリ(メチルメタクリラート)(PMMA)ビーズポリマー(Colacryl(登録商標)B866、Lucite International
Speciality Polymers & Resins Limitedから入手、RVは2.4dl/g、Mwは421,200、残存ジベンゾイルペルオキシドは2.94%wt、平均粒径は39ミクロン)を加える。撹拌を100rpmで始め、実施例3の50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションを、60から90秒かけて加える。次いで、スターラースピードを800〜1000rpmに上げ、均一な液体混合物が得られるまで、混合をさらに3から5分続ける。各実施例に使用したPMMAビーズポリマー及びアクリルポリマーエマルションの量を、各液体混合物のブルックフィールド粘度と共に表3に示す。液体混合物は全て安定で、23℃で数日保存した後で分離は全くない。
【0150】
【表2】
【0151】
実施例13から18
硬化性組成物の調製
硬化性組成物は、実施例7から12の第一液を、60ppmのヒドロキノン(HQ)阻害剤及び1%N,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤を含むMMAモノマー(第二液)と混合することにより調製する。利用する混合比率は、14.0gのポリマー(等価乾燥重量)対7.0mlのモノマー液体である。混合の前に、2成分を、23℃のインキュベーター中で少なくとも10時間平衡化させる。要求される量の第一液をポリプロピレンビーカーに入れ、それに続いて第二液を入れる。第二液を第一液に加えた点で時間測定を始める。次いで、手作業の混合を、金属のスパチュラを使用して30秒間実施し、その後材料に覆いをして放置する。定期的に、材料を初期の混合物の粘稠度に関して評価し、ドウタイム及び硬化時間を決定する。硬化する塊の中心に埋め込んだ熱電対の使用により、発熱温度も測定する。表3は結果を記録するものである。
【0152】
実施例18から13の順でアクリルポリマーエマルションの量が増加するにつれて、発熱温度、ドウタイム、及び硬化時間が全て減少することがわかる。さらに、実施例13から18は、比較例1に比べて低い発熱温度並びに短いドウタイム及び硬化時間を示し、従来技術に勝る本発明の利点を表している。
【0153】
【表3】
【0154】
実施例19
54%wt固形分のアクリルポリマーエマルションを使用する第一液の調製
電動スターラーモーター及びステンレススチールパダルスターラーを備えた250mlポリプロピレンビーカーに、65gのポリ(メチルメタクリラート)(PMMA)ビーズポリマー(Colacryl(登録商標)B866、Lucite International Speciality Polymers & Resins Limitedから入手、RVは2.4dl/g、Mwは421,200、残存ジベンゾイルペルオキシドは2.94%wt、平均粒径は39ミクロン)を加える。撹拌を100rpmで始め、実施例4の54%wt固形分のアクリルポリマーエマルション35gを、60から90秒かけて加える。次いで、スターラースピードを800〜1000rpmに上げ、均一な液体混合物が得られるまで、混合をさらに3から5分続ける。液体混合物は安定で、23℃で数日保存した後で分離は全くない。
【0155】
実施例20
硬化性組成物の調製
硬化性組成物は、16.7gの実施例19の第一液を、60ppmのヒドロキノン(HQ)阻害剤及び1%N,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤を含むMMAモノマー(第二液)7mlと混合することにより調製する。利用する混合比率は、14.0gのポリマー(等価乾燥重量)対7.0mlのモノマー液体である。混合の前に、2成分を、23℃のインキュベーター中で少なくとも10時間平衡化させる。要求される量の第一液をポリプロピレンビーカーに入れ、それに続いて第二液を入れる。第二液を第一
液に加えた点で時間測定を始める。次いで、手作業の混合を、金属のスパチュラを使用して30秒間実施し、その後材料に覆いをして放置する。定期的に、材料を初期の混合物の粘稠度に関して評価し、ドウタイム及び硬化時間を決定する。硬化する塊の中心に埋め込んだ熱電対の使用により、発熱温度も測定する。表4は結果を記録するものである。
【0156】
【表4】
【0157】
実施例20が、比較例1と比べて低い発熱温度並びに短いドウタイム及び硬化時間を示すことがわかる。
【0158】
実施例21及び22
溶解したポリマーを含む第二液を使用する硬化性組成物の調製
PMMAホモポリマーのMMAモノマー中の10%wtシロップを、10gのPMMAビーズポリマー(残存開始剤がなく、分子量Mwは426,700ダルトン、還元粘度は2.8dl/g)を、89gのMMAモノマー(60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤で安定化)及び1.0gのN,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤の混合物に溶解させて調製する。シロップのブルックフィールド粘度は220cPである。
【0159】
実施例7及び8の第一液を、この第二液と混合して、硬化性組成物を調製する。利用される混合比率は、第一液中の14.0gのポリマー(等価乾燥重量)対7.0gの第二液である。混合前、成分を、23℃のインキュベーター中で少なくとも10時間平衡化する。要求される量の第一液をポリプロピレンビーカーに入れ、それに続いて第二液を入れる。第二液の第一液への混合の点で時間測定を開始する。次いで、手作業の混合を、金属のスパチュラを使用して30秒間実施し、その後材料に覆いをして放置する。定期的に、材料を初期の混合物の粘稠度に関して評価し、ドウタイム及び硬化時間を決定する。硬化する塊の中心に埋め込んだ熱電対の使用により、発熱温度も測定する。表5は結果を記録するものである。
【0160】
【表5】
【0161】
実施例21及び22が、比較例1と比べてはるかに低い発熱温度並びに短いドウタイム及び硬化時間を示すことがわかる。MMAモノマー液体中にいくらかのPMMAを事前溶解させ、第二液としてシロップを形成することの効果は、MMAモノマー液体中に事前溶解されたPMMAがない等価な実施例、実施例13及び14と比べて、発熱温度のさらなる低下並びにドウタイム及び硬化時間の短縮をうみだすものである。
【0162】
実施例23から41
様々な機械的性質を持つ硬化性組成物の調製
以下の実施例は、第一液の組成及び第一液と第二液の比率の変更が、生じる硬化性組成物の機械的性質に与える影響を示すものである。曲げ強度及び曲げ弾性率は、ISO 1567:1997に従って三点曲げ試験により決定した。圧縮強度は、ISO 5833:2002に従って決定した。
【0163】
実施例23から41の第一液は、実施例10から12に類似な方法で調製したが、硫酸バリウムの添加を伴う実施例は例外とした。これらの特別な実施例では(実施例30、38、及び39)、要求される量の硫酸バリウムを、PMMAビーズポリマー及びアクリルポリマーエマルションを含む混合物に、60〜90秒かけて、100rpmで撹拌しながら加えて、スターラーのスピードを800〜1000romに上げて、均一な液体混合物が得られるまでさらに3〜5分混合する。実施例31、32、39、及び40以外の実施例23から41の第二液として使用されたPMMAホモポリマーのMMAモノマー中の16%wtシロップを、16gのPMMAビーズポリマー(残存開始剤無し、分子量Mwは426,700ダルトン、還元粘度は2.8dl/g)を、82.4gのMMAモノマー(60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤により安定化)及び1.6gのN,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤の混合物に溶解させることにより調製する。シロップのブルックフィールド粘度は4,250cPである。
【0164】
実施例31、32、39、及び40の第二液として使用される、ポリ(MMA−co−DMAEMA)コポリマーのMMAモノマー中の20%wtシロップは、20gのポリ(MMA−co−DMAEMA)コポリマー(残存開始剤無し)を、78.4gのMMAモノマー(60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤により安定化)及び1.6gのN,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤に溶解することにより調製する。実施例
31及び39では、コポリマーは、還元粘度が0.50dl/gであり、分子量Mwが69,900ダルトンである。シロップのブルックフィールド粘度は175cPである。実施例32及び40では、コポリマーは、還元粘度が1.52dl/gであり、分子量Mwが260,000ダルトンである。シロップのブルックフィールド粘度は4,420cPである。
【0165】
実施例40及び41の第二液は、硫酸バリウムの添加を含む。これらは、最初に、スターラーを備えたガラスフラスコ中で、関連するPMMAホモポリマー又はポリ(MMA−co−DMAEMA)コポリマーをMMAモノマー(60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤により安定化)及びN,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤に溶解させることにより調製する。次いで、要求される量の硫酸バリウムを、500〜600rpmで撹拌しながら加え、1時間放置して、硫酸バリウムをモノマー/ポリマーシロップに分散させる。
【0166】
実施例23から41の硬化性組成物は、実施例21及び22に記載の通り、2成分を手により混合することにより調製する。利用する混合比率は、第一液中の14.0gのポリマー(等価乾燥重量)対7.0gの第二液又は第一液中の14.0gのポリマー(等価乾燥重量)対14.0gの第二液のいずれかである。
【0167】
表6は、各成分の組成、利用する混合比率、各硬化性組成物から得られた機械的性質についての詳細を与える。実施例23から28の機械的性質の大きさが、利用するアクリルポリマーエマルションの相対量と共に変動することがわかる。これは、最終的な硬化した硬化性組成物に多孔性を生み出す、アクリルポリマーエマルション中の水の存在から生じるものである。アクリルポリマーエマルションの比率の増加による多孔性の増加は、水が全く添加されていない比較例3に比べた機械的性質の低下をもたらす。この多孔性により、硬化性組成物の機械的性質を、例えば、椎骨の機械的性質に合致させることができ、それにより、周囲の自然の骨よりもモジュラスが高い人工材料の埋め込みに関連する周知の問題が回避される。しかし、多孔性のレベルを調整し、機械的性質を変えて、例えば、ISO 5833:2002の要件を満たす機械的性質を達成するように、配合物を変えることもできる。
【0168】
【表6】
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】
【表9】
【0172】
【表10】
【0173】
【表11】
【0174】
【表12】
【0175】
【表13】
【0176】
実施例42から45は、50%wt固形分及び様々なz平均粒径のアクリルエマルションの調製を説明する。
【0177】
実施例42
Z平均粒径が195nmの約50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
600グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットル丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴により水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0178】
1000グラムのメチルメタクリラート、0.5グラムの1−ドデカンチオール、5.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び300グラムの脱イオン水からなる、乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0179】
水の温度を80℃にして、100グラムの乳化したモノマー混合物をフラスコに加え、それに続いて10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液を加えることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。わずかな発熱の後、温度が80℃に戻るまで、反応は30分間進行する。残りの乳化したモノマー混合物に、1gのラウリル硫酸ナトリウムを撹拌しながら加える。
【0180】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて300グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに15分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0181】
35.0グラムの75%活性ジベンゾイルペルオキシド(BPO)を、残りの乳化されたモノマー混合物に、45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いてBPOが加えられている乳化されたモノマー混合物を、およそ20分かけて、蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物を全て加えた後さらに15分間反応が進行する。
【0182】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいを通して濾過する。
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が50%wt、還元粘度が2.3dl/g、ブルックフィールド粘度が287cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.50%wt、且つz平均エマルション粒径が195nmである。
【0183】
実施例43
z平均粒径が306nmの約50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
600グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットル丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴により水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0184】
1000グラムのメチルメタクリラート、0.5グラムの1−ドデカンチオール、5.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び300グラムの脱イオン水からなる、乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0185】
水の温度を80℃にして、40グラムの乳化されたモノマー混合物をフラスコに加え、それに続いて20ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液を加えることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。わずかな発熱の後、温度が80℃に戻るまで、反応は30分間進行する。
【0186】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて300グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに15分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0187】
35.0グラムの75%活性ジベンゾイルペルオキシド(BPO)を、残りの乳化されたモノマー混合物に、45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いてBPOが加えられている乳化されたモノマー混合物を、およそ20分かけて、蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物を全て加えた後さらに15分間反応が進行する。
【0188】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいを通して濾過する。
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が49.4%wt、還元粘度が2.0dl/g、ブルックフィールド粘度が62cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.30%wt、且つz平均エマルション粒径が306nmである。
【0189】
実施例44
z平均粒径が582nmの約50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
600グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットル丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴により水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0190】
980グラムのメチルメタクリラート、0.5グラムの1−ドデカンチオール、5.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び300グラムの脱イオン水からなる、乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0191】
水の温度を80℃にして、20グラムのメチルメタクリラートをフラスコに加え、それに続いて0.3グラムの過硫酸カリウムの10ミリリットルの脱イオン水中の溶液を加えて、80℃で1時間反応させることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。
【0192】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて300グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに15分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0193】
35.0グラムの75%活性ジベンゾイルペルオキシド(BPO)を、残りの乳化されたモノマー混合物に、45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いてBPOが加えられている乳化されたモノマー混合物を、およそ20分かけて、蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物を全て加えた後さらに15分間反応が進行する。
【0194】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいを通して濾過する。
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が48.0%wt、還元粘度が1.94dl/g、ブルックフィールド粘度が21cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.28%wt、且つz平均エマルション粒径が582nmである。
【0195】
実施例45
z平均粒径が694nmの約50%wt固形分のアクリルポリマーエマルションの調製
600グラムの脱イオン水を、窒素入口、冷却管、及び電動式ステンレススチールパドルスターラーを備えた5リットル丸底ガラスフラスコに加える。毎分200回転(rpm)で撹拌しながら、水浴により水を80℃に加熱する。窒素流を、液体の表面上のフラスコの蒸気の空間に通す。
【0196】
985グラムのメチルメタクリラート、0.5グラムの1−ドデカンチオール、3.0グラムのラウリル硫酸ナトリウム、及び300グラムの脱イオン水からなる、乳化されたモノマー混合物を調製する。この混合物を、添加の前及び添加の間60分間撹拌して、乳化した状態を保つ。
【0197】
水の温度を80℃にして、15グラムのメチルメタクリラートをフラスコに加え、それに続いて0.3グラムの過硫酸カリウムの10ミリリットルの脱イオン水中の溶液を加えて、80℃で1時間反応させることにより、ポリマーシード(ステージ1)を調製する。
【0198】
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いて300グラムの乳化されたモノマー混合物をおよそ30分かけて、蠕動ポンプを利用して連続的に添加することにより、コアをポリマーシード粒子上に成長させる(ステージ2)。反応は、温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物の添加の完了後さらに15分間進行する。次いで、この工程を2回繰り返す。
【0199】
35.0グラムの75%活性ジベンゾイルペルオキシド(BPO)を、残りの乳化されたモノマー混合物に、45分間撹拌しながら溶解させる。
次いで、最初に、10ミリリットルの2重量%の過硫酸カリウムの脱イオン水溶液をフラスコに加え、それに続いてBPOが加えられている乳化されたモノマー混合物を、およそ20分かけて、蠕動ポンプを使用して連続的に加えることにより、BPO含有シェルをコアの上に成長させる(ステージ3)。温度が80℃に戻るまで、モノマー混合物を全て加えた後さらに15分間反応が進行する。
【0200】
次いで、得られたアクリルポリマーエマルションを40℃未満に冷却し、150ミクロンのふるいを通して濾過する。
得られたアクリルポリマーエマルションは、固形分が48.0%wt、還元粘度が1.90dl/g、ブルックフィールド粘度が19cPs、残存ジベンゾイルペルオキシドが2.60%wt、且つz平均エマルション粒径が694nmである。
【0201】
実施例46
実施例42から45の結果は、粒径の増加と共に、アクリルポリマーエマルションのブ
ルックフィールド粘度が低下することを示す。実施例42から44のエマルションを等量(それぞれ100g)とることにより、アクリルポリマーエマルション混合物を調製した。ブルックフィールド粘度は40cPsであった。表7は、実施例42、43、及び44の単一のエマルションと、エマルションの混合物、実施例46の粘度比較を示す。
【0202】
【表14】
【0203】
実施例47から65
実施例47から65は、実施例42、43、44、又は46のアクリルポリマーエマルションを、単一のアクリルビーズポリマー(実施例48から50、52から54、及び56から58)とアクリルビーズポリマーの混合物(実施例47、51、55、及び59から65)のいずれかと混合することによる、第一液の調製を含む。アクリルビーズポリマー(表8に詳細に記載)を、異なる平均粒径を持つPMMAホモポリマー((i)、(ii)、及び(iii)と称する)又はコポリマー、すなわちポリ(メチルメタクリラート−co−2−エチルヘキシルアクリラート)(ポリ(MMA−co−2EHA))((iv)、(v)、及び(vi)と称する)、及びポリ(メチルメタクリラート−co−スチレン)(ポリ(MMA−co−sty)((vii)、(viii)、及び(ix)と称する)のいずれかから選択する。実施例47から61の第一液の調製方法は以下の通りである。
【0204】
電動スターラーモーター及びステンレススチールパドルスターラーを備えた250mlのポリプロピレンビーカーに、70gのアクリルビーズポリマーを加える。100rpmで撹拌を始め、30gのアクリルポリマーエマルションを、60から90秒かけて加える。次いで、スターラースピードを600〜1000rpmに上げ、均一な液体混合物が得られるまで、混合をさらに3から5分続ける。アクリルビーズポリマーの混合物を使用する場合、好適な容器中で等しい重量の各ビーズポリマーを乾式混合することにより、混合物を最初に調製する。
【0205】
アクリルビーズポリマー対アクリルポリマーエマルションの比率が70g:30gから76g:24gに変わる以外、実施例62から65に同じ調製方法を利用する。
調製後、各第一液のブルックフィールド粘度を測定して、表9から14に記録した。
【0206】
シリンジ又はコーキングガンの区画に接続しているスタティックミキサーによる混合及
び供給挙動の評価は以下の通り実施した。実施例47から65の第一液及び実施例78の第二液を、Nordson EFDから入手可能な50ml 1:1 vol:volポリプロピレンカートリッジの別々な区画に充填した。Nordson EFD Series 190スパイラルミキサー(混合エレメント11、直径6.35mm、長さ8.6cm)をカートリッジの1対の区画に取り付け、内容物を均質な流れとして、スパイラルミキサーを通して、平らな表面に検査のために供給した。入口から出口までのスタティックミキサーを通る各混合物の流れの程度を記録した。生じた押出物の特性も評価し、連続的な流れの全実施例において、押出物が元の形状を保ったことが分かった。結果を表9から14に報告する。
【0207】
表9から14の結果は、第一液のブルックフィールド粘度をどのように低下できるかを示す。以下の観察をすることができる。
1.実施例47を実施例48から50と、又は実施例51を実施例52から54と、又は実施例55を実施例56から58と比較すると、アクリルポリマーエマルションをアクリルビーズポリマーの混合物と混合して調製した第一液が、単一の種類のアクリルビーズポリマーを含む第一液より低いブルックフィールド粘度を示すことが示される。
2.実施例47、51、及び55を比較すると、第一液のブルックフィールド粘度が、アクリルポリマーエマルションの粒径の増加と共に低下することが示される。
3.実施例61より、アクリルポリマーエマルションの混合物をアクリルビーズポリマーの混合物と合わせて調製した第一液が、実施例47及び51の第一液より低いブルックフィールド粘度を示すことが示される。
【0208】
実施例62から65(表14)は、第一液のブルックフィールド粘度が、アクリルビーズとアクリルポリマーエマルションの比率の増加と共にどのように増加するかを示すものである。
【0209】
【表15】
【0210】
【表16】
【0211】
【表17】
【0212】
【表18】
【0213】
【表19】
【0214】
【表20】
【0215】
【表21】
【0216】
【0217】
【表22】
【0218】
【0219】
実施例66から77
これらの実施例は、あるアクリルポリマーエマルションと、異なる粒径を持つ異なる比率のアクリルビーズポリマーの混合物との混合から得られる第一液に対する粘度低下効果を示す。結果を表15に表す。2系列の実験を行った。1つの系列は、異なる平均粒径のPMMAホモポリマー((i)、(ii)、及び(iii)と称する)に基づいていた。第2の系列は、異なる平均粒径のポリ(MMA−co−2EHA)コポリマーに基づいていた((iv)、(v)、及び(vi)と称する)に基づいていた。ポリマー(i)から(vi)の詳細を表8に与える。各第一液の全般的な調製方法は以下の通りである。
【0220】
電動スターラーモーター及びステンレススチールパドルスターラーを備えた250mlのポリプロピレンビーカーに、70gのアクリルビーズポリマー混合物を加える。各実施例に使用したアクリルビーズポリマー混合物の組成を表15に列挙する。100rpmで撹拌を始め、実施例44のアクリルポリマーエマルション30gを60から90秒かけて加える。次いで、スターラースピードを600〜1000rpmに上げ、均一な液体混合物が得られるまで混合をさらに3から5分続ける。
【0221】
実施例66から72を実施例56から58と比べると、異なる平均粒径の2種以上のPMMAビーズポリマーの混合物を使用すると、単一のPMMAビーズポリマーのみ使用する場合よりも低いブルックフィールド粘度を示す第一液を生み出すことが示される。実施例73から77は、異なる平均粒径の2種以上のポリ(MMA−co−2EHA)ビーズコポリマーの混合物を使用する場合に類似の粘度低下効果が生み出されることを示す。
【0222】
実施例78
硬化性組成物の製造に使用するための、溶解されたポリマー及びX線不透明剤(opacifier)を含む第二液の調製
第二液を以下の通り調製する。最初に、10gのポリ(MMA−co−DMAEMA)コポリマー(残存開始剤無し、RV=0.50dl/g)及び10gのより高分子量のポリ(MMA−co−DMAEMA)コポリマー(残存開始剤無し、RV=1.52dl/g)を、79.2gのMMAモノマー(60ppmヒドロキノン(HQ)阻害剤により安定化)及び0.8gのN,N−ジメチル−パラ−トルイジン(DMPT)加速剤の混合物に溶解させる。次いで、このモノマー/ポリマーシロップ60gを、スターラーを備えたガラスフラスコに移し、40gの硫酸バリウムを、500〜600rpmで撹拌しながら、ゆっくりと2分かけて加える。撹拌を5時間続けて、硫酸バリウムをモノマー/ポリマーシロップに分散させる。得られた第二液のブルックフィールド粘度は、2,734cPsである。
【0223】
実施例79
実施例60の第一液及び実施例78の第二液を使用する硬化性組成物の調製
実施例60の第一液及び実施例78の第二液の組み合わせからの硬化性組成物の調製を以下の通り記載する。混合前に、2成分を、23℃のインキュベーター中で少なくとも10時間平衡化させる。14.0gの60の第一液をポリプロピレンビーカーに入れ、それに続いて14.0gの実施例78の第二液を入れる。次いで、金属のスパチュラを使用して、手作業の混合を23℃で30秒実施し、その後材料に覆いをして放置する。定期的に、材料を初期の混合物の粘稠度に関して評価する。ドウタイムが達成されると、こねた混合物をビーカーから取り出し、手作業でさらに30秒間混合する。機械的試験の検体の調製には、23℃にあらかじめ調整した金属の型にドウを詰め、圧力をかけて(2バール)硬化させる。硬化時間の30分後に検体を型から出す。表16は結果を記録するものである。
【0224】
【表23】
【0225】
実施例79の硬化性組成物が、ISO 5833:2002−“Implants for surgery−Acrylic resin cements”の最低の要件、すなわち圧縮強度≧70MPa、曲げ弾性率≧1.8GPa、及び曲げ強度≧50MPaを超える機械的性質を示すことがわかる。
【0226】
本願に関連して本明細書と同時に又は本明細書より前に提出され、本明細書と共に縦覧に供されている全ての論文及び文書に関心が集められ、そのような論文及び文書の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0227】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示されている特徴の全て及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスの工程の全ては、どのような組み合わせでも組み合わせられるが、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互排他的である組み合わせは除かれる。
【0228】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示されている各特徴は、明白に他のように述べられていない限り、同じ、等価な、又は類似な目的を果たす代替的な特徴に代えることができる。そのため、明白に他のように述べられていない限り、開示される各特徴は、包括的な系列の等価又は類似な特徴の一例に過ぎない。
【0229】
本発明は、上記の実施形態の詳細に制限されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示されている特徴の任意の新規な一つ若しくは任意の新規な組み合わせにわたり、又はそのように開示されている任意の方法若しくはプロセスの工程の任意の新規な一つ若しくは任意の新規な組み合わせにわたる。