【実施例1】
【0016】
図1は情報通信機器用のサーバーが連続設置されているコンピュータ室における空調システムの全体構成を説明する図で、図において、30はコンピュータ室で、このコンピュータ室30には、情報通信機器用のサーバーなどのコンピュータ31が連続設置されている。32は前記コンピュータ室30内に設置された空調システムの室内ユニット、33は前記空調システムの室外ユニットである。
【0017】
前記室内ユニット32と前記室外ユニット33とは冷媒配管34で接続されており、前記室外ユニット33には凝縮器となる室外熱交換器やこの室外熱交換器に室外空気を供給するためのファンなどが設けられている。また、前記室内ユニット32には、
図2や
図3などに示すように、蒸発器となる室内熱交換器、この室内熱交換器に室内空気を供給して室内空気を冷却するためのファン、冷媒を圧縮するための圧縮機及び膨張弁などが設けられている。前記圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器などを前記冷媒配管で順次接続することにより冷凍サイクルが構成されている。
【0018】
前記コンピュータ室30はフリーアクセスフロア35となっており、前記室内ユニットからの冷風は前記フリーアクセスフロア35の通路に吹き出され、ここからコンピュータ室30内全体に供給されて、コンピュータ31などを冷却する。コンピュータ31などを冷却して温度が上昇した空気はコンピュータ室30の上部に流れ、前記室内ユニット32の上部から該室内ユニット32内に吸い込まれ、室内熱交換器で再び冷却されて前記フリーアクセスフロア35の通路に吹き出されるというサイクルを繰り返す。
【0019】
図1に示す例では室外ユニット33は2台、室内ユニット32も2台の例を示しているが、コンピュータ室30の広さやコンピュータ31の設置台数などによる負荷の大きさに応じて室外ユニット33や室内ユニット32の台数は増加される。
【0020】
前記コンピュータ室30には通常多数のコンピュータ31が設置され、それに応じてコンピュータ室30には前記室内ユニット32の設置台数を増加させたり、より大容量の室内ユニット32を設置する必要がある。しかし、室内ユニット32がコンピュータ室30内に密集して配置されたり、コンピュータ31に近接して設置されると、室内ユニットの保守点検のために、ファンやモータの交換作業をする際、それらを出し入れするための交換スペースを室内ユニット(空気調和機)の周囲に十分に確保することは困難になる。
【0021】
例えば、前記室内ユニット32がコンピュータ室30の壁面に沿って多数並設されると、前記ファンやモータの交換スペース(サービススペース)は室内ユニット32の正面(前面)にしか確保できない。
【0022】
ここで、従来の空気調和機(室内ユニット)の構造を
図13及び
図14により説明する。
図13は筐体の正面の扉を取って内部の構造を示す正面図、
図14は
図13のC−C線矢視断面図(内部構造を示す側面図)である。
これらの図において、1は筐体、2は前記筐体1の上面などに設けられた筐体の吸込口、3は熱交換器、4はファン(例えば遠心ファン)、5はファンケーシング、6はモータ、7は電気室、8は機械室、9は端子箱、10は前記筐体1の下面などに設けられた筐体の吹出口である。
【0023】
筐体1の前記吸込口2から空気が吸込まれ(吸込空気22)、熱交換器3を通って冷媒と熱交換され、前記ファン4に吸込まれて前記吹出口10からフリーアクセスフロア(二重床)の通路に空気が吹き出される(吹出空気23)。
前記熱交換器3は、筐体1上部の前記吸込口2から吸い込まれた空気が通り易いように、また熱交換器3の設置面積を多くするため、
図14の側断面図に示すように斜めに設けられている。
【0024】
前記ファン4は、空気を軸方向(側面)から吸込んで半径方向(外周方向)に吹き出すもので、主に遠心ファンが用いられている。ファン4には、該ファン4を覆う前記ファンケーシング5が設けられ、ファン4から吹き出された空気は前記ファンケーシング5で集められて、該ファンケーシング5の開口(吐出口)から吹き出される。
【0025】
図13、
図14に示す従来の空気調和機において、筐体1をコンピュータ室に複数台並べて設置し、前記ファン4やモータ6を交換する場合について説明する。まず、ファン4とモータ6との固定を解除し、その後、前記モータ6をファンケーシング5の反対側(
図13の左方向)に移動させてモータ6を取外し、筐体正面のサービススペースに引き出す。次に、ファンケーシング5の左側面から前記モータ6が設置してあったスペースに前記ファン4を引き出し、ここから筐体正面のサービススペースに前記ファン4を引き出す。
【0026】
このような従来の空気調和機の場合、ファン4をファンケーシング5の横にスライドさせる必要があるため、ファンケーシング5の横に少なくともファン4の幅分だけの取出しスペースを筐体1内に設けなければならず、筐体1の横幅が大きなものになってしまう。
【0027】
上述した従来の空気調和機に対して、最近、空気調和機内にはモータを移動させることができるだけのサービススペースを確保し、またファンケーシングの正面(サービススペース側の面)にはファンを出し入れするための開口部を設けることにより、ファンやモータを正面のサービススペースに取り出すことができるようにすることも検討されている。このようにすれば、空気調和機内に広いサービススペースを取ることができない場合でも、モータを移動することができるサービススペースを設けるだけで、ファンやモータの交換が可能になり、空気調和機をより小型化して設置面積を小さくできる。
しかし、この場合でも、空気調和機内でのファンの脱着作業が必要であり、またモータを移動させるためのサービススペースを空気調和機内に設ける必要がある。
【0028】
上記従来の空気調和機などを改良した本発明の空気調和機(室内ユニット)の実施例1を
図2〜
図9により説明する。
図2は本発明の空気調和機の実施例1を示す正面図で、正面の扉を取って内部の構造を示した図、
図3は
図2のA−A線矢視断面図である。
【0029】
これら
図2及び
図3において、1は筐体、2は前記筐体1の上面などに設けられた筐体の吸込口、3は熱交換器、4はファンで、本実施例ではファン4として遠心ファン(ターボファンやシロッコファン)を用いている。5はファンケーシング、6は前記ファン4と連結されて該ファン4を駆動するモータ、7は電気室、8は機械室、9は端子箱(端子台)、10は前記筐体1の下面などに設けられた筐体の吹出口である。前記機械室8には冷凍サイクルの冷媒を圧縮する圧縮機20などが設置されている。
【0030】
前記ファン4の周りには前記ファンケーシング5が設けられており、空気は前記ファンケーシング5の側面から吸い込まれ、半径方向に吹き出される。前記ファンケーシング5は、前記ファン4から吹き出された空気を集めて、前記筐体1の下面に設けられている吹出口10から、フリーアクセスフロアの通路(下部空間)に吹き出すように構成されている。
図14に示した従来の空気調和機では、ファンケーシング5を渦巻型としているが、本実施例では、前記ファンケーシング5は、
図3に示すように、ファンの周囲を取り囲む簡易な箱形の多角形構造にしている。
【0031】
また、本実施例では、前記筐体1内に、
図13で説明したような、ファン4の幅分だけの取り出しスペースを設けていない。また、ファン4とモータ6を切り離すためにモータを移動させるためのサービススペースも空気調和機内に設ける必要がない。このため本実施例では、筐体1の横幅が従来のものに対して大幅に小さくなるように構成されている。
【0032】
なお、本実施例では、前記ファン4は、前記モータ6の一端側のみに取り付けられた片側配置構造になっているが、モータの両側にシャフトを設けて(即ち、両軸モータとし)それぞれのシャフトにファンを取り付けた両側配置構造にすることもできる。また、前記片側配置構造と前記両側配置構造とを併用するなどして、一つの筐体1内に、複数の前記送風機構と、複数の前記ファンケーシング5を配置するようにしても良い。
また、ファン4自体の構造も、両面吸込み構造(両吸込型)には限られず、片面吸込み構造(片吸込型)としても良い。
【0033】
図4は
図2の状態から正面の塞ぎ板と左右のインレットリングを取り外した状態のファンケーシング周辺の正面図、
図5は
図4の右側面図、
図6は
図4の左側面図で、正面側の半分だけ示し、背面側の半分は省略した図である。
【0034】
上記
図4に示すように、前記ファン4は、ファンモータ6のシャフト21と直結して接続され、前記モータ6を駆動することにより回転される。前記シャフト21はファン4内部で締結ねじ17により接続されている。前記シャフト21とファン4との締結は締結ねじ17に限られず、これらを固定できるものであれば良い。前記モータ6はモータベース13の上に固定され、前記モータベース13は、ボルト16により前記筐体1の基礎部に取り付けられている。
【0035】
ファン4の側面である両吸込み部分にはそれぞれインレットリング14,15が前記ファンケーシング5に脱着自在に取り付けられている。これらのインレットリング14,15は、ファン4に吸込まれる空気とファンケーシング5内に吹出される空気とが混ざらないようにすると共に、吸い込まれる空気を整流するために設けている。前記ファンケーシング5とインレットリング14,15を設けることにより、これらを設けない場合と比較してファン効率と空間効率を向上することができる。
【0036】
空気調和機を構成する筐体1の扉面を正面にすると、前記ファンケーシング5には、その正面に正面開口部18と、側面の正面側に側面開口部11(
図8参照)が設けられており、前記正面開口部18には正面塞ぎ板19が、前記側面開口部11には側面塞ぎ板12(
図6、
図8参照)がそれぞれ脱着可能に取り付けられている。前記正面開口部18は前記ファン4を正面側に取り出せるように、その高さと横幅の大きさが決められている。
【0037】
なお、ファンケーシング5の前記開口部11,18は、ファン4の交換作業時以外は風漏れ防止のため、前記塞ぎ板12,19が取り付けられて塞がれた状態になっている。
前記ファンケーシング5は板金製であり、形状はファン4の回転方向に合わせた円筒型でも良いが、多角形型にするとファンケーシング5の製作が容易になり、前記塞ぎ板12,19の着脱性も良くなる。
【0038】
本発明の空気調和機におけるファン交換の作業手順を、
図7〜
図9を用いて説明する。
図7は
図2のファン周りの正面図で、正面と側面の塞ぎ板、モータ側のインレットリング、モータベースの固定ボルトなどを取り外した状態を示す図、
図8は
図7の左側面図で、正面側の半分だけ示し、背面側の半分は省略し、更に側面塞ぎ板を取り外した状態を示す図、
図9は
図7の平面図で、ファンの取り出し方向を説明する図である。
筐体1の正面(即ち、空気調和機の正面)にはサービススペースがあるものとし、正面の扉を開けると
図2に示すように、ファンケーシング5とモータ6が横に並んで配置されている。なお、本実施例では、空気調和機から見てサービススペースがある側を空気調和機の正面と定義して説明する。
【0039】
ファンの交換作業を実施する場合、まず
図7に示すように、ファンケーシング5の正面に取り付けられている正面塞ぎ板19を取り外す。
次に、
図8に示すように、ファンケーシング5の側面に取り付けられている側面塞ぎ板12を取り外す。その後、
図7に示すように、ファンケーシング5の側面に取り付けられているインレットリング14,15を取り外し、横に移動する。また、モータベース13を固定しているボルト16も取り外す。
【0040】
次に、
図9に示すように、ファン4とモータ6がシャフト21で結合されたままの状態で、ファンケーシング5の正面開口部18(
図7参照)からファン4を通過させ、また側面開口部11(
図7、
図8参照)からシャフト21を通過させることにより、空気調和機正面のサービススペースに、前記ファン4とモータ6を引き出すことができる。なお、このとき、インレットリング14も引き出される。
サービススペースに前記ファン4とモータ6を引き出した後、ファン4とモータ6を結合している締結ねじ17を外し、前記モータ6を横に移動してシャフト21をファン6から引き抜く。
【0041】
以上の手順により、ファンケーシング5内から外部(空気調和機外)に引き出された前記ファン4とモータ6は、必要なメンテナンスや交換が為される。
前記ファン4及びモータ6を前記ファンケーシング5内に設置する場合には、上述した取り外しの作業手順とは逆の作業手順で行えば良い。
【0042】
以上述べたように、本実施例では、空気調和機内でファン4とモータ6との結合を解除し、ファンケーシング5の反対側にモータ6を移動させてファン4からシャフト21を引き抜くような作業が不要となるので、シャフト21を引き抜くためのモータの移動スペースを空気調和機内に設ける必要はない。また、
図13に示した従来の空気調和機のように、ファン4をファンケーシング5の横にスライドさせる必要もないため、ファンケーシング5の横の筐体1内にファン4の幅分だけの取り出しスペースを設ける必要もない。
【0043】
このように、本実施例では、空気調和機内でファンの脱着作業をすることなく、ファンやモータなどの送風機構を空気調和機から容易に取り出せる構造にしているから、送風機構を脱着する際の交換スペースを空気調和機内に余分に確保する必要がない。従って、筐体1の横幅を大幅に小さくすることができると共に、ファン4やモータ6の取り出し、交換作業を容易にすることができる空気調和機を得ることができる。
【0044】
即ち、本実施例では、ファンケーシング5のサービススペース側に前記正面開口部18と側面開口部11が設けられているので、ファン4を正面開口部18から取り出すと共にシャフト21を側面開口部11から取り出すことができる。このため、空気調和機内でモータ6を横に移動させたり、ファン4をモータ側に移動させてから取り出す必要がなくなり、空気調和機(筐体1)の横幅を大幅に小さくすることができる。
【実施例2】
【0045】
本発明の実施例2を
図10〜
図12により説明する。
図10は本実施例の空気調和機を示す正面図で、正面の扉を取って内部の構造を示した図、
図11は
図10のB−B線矢視断面図、
図12は
図10に示すファン周りの平面図で、ファンの取出し方向を説明する図である。
【0046】
これらの図において、
図1〜
図9と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示しており、本実施例2が上記実施例1と異なる点のみを説明する。
上記実施例1では、ファン4がモータ6の一端側のみに取り付けられた片側配置構造とした場合について説明したが、本実施例2では、前記モータ6を両軸モータとし、この両軸モータの両側のシャフトにそれぞれファン4を取り付けた両側配置構造に本発明を適用した場合について説明する。
【0047】
図10〜
図12に示すように、ファンモータ6の右側にはファン4aが設けられ、ファンモータ6の左側にはファン4bが設けられており、前記モータ6と前記右側ファン4aとはシャフト21aで、前記モータ6と前記左側ファン4bとはシャフト21bで結合されている。前記右側ファン4aの周りにはファンケーシング5aが設けられており、実施例1と同様に、空気は前記ファンケーシング5の両側面から吸い込まれ、半径方向に吹き出される。前記ファンケーシング5は、前記ファン4から吹き出された空気を集めて、筐体1の下面に設けられている吹出口10から、フリーアクセスフロアの通路に吹き出すように構成されている。また、実施例1と同様に、インレットリング14,15(
図7参照)なども設けられている。更に、前記ファンケーシング5aには、実施例1と同様に、正面開口部18、これを塞ぐ塞ぎ板19、側面開口部11及びこれを塞ぐ塞ぎ板12なども設けられている。
【0048】
前記左側ファン4bの周りにもファンケーシング5bが設けられており、上記右側ファン4a側とはモータ6を挟んで対称的な形状で構造的には実質的に同一構造に構成されている。端子箱9は、本実施例では、前記右側ファン4aと前記左側ファン4bとの間に設置されている。
【0049】
本実施例におけるファン交換作業手順も上記実施例1と実質的に同様である。即ち、
図12に示すように、左右両側のファンケーシング5a,5bに設けられている正面塞ぎ板19(
図4参照)及び側面塞ぎ板12(
図6参照)を取り外し、またインレットリング14,15も取り外し、横に移動する。モータベース13を固定しているボルト16も取り外した後、モータ6と、ファン4a,4bとがモータシャフト21a,21bで結合されたままの状態で、ファンケーシング5a,5bの正面開口部18からファン4a,4bを通過させ、また側面開口部11からモータシャフト21a,21bを通過させることにより、空気調和機正面のサービススペースに、前記ファン4a,4bとモータ6を引き出すことができる。他の手順は実施例1と同様である。
【0050】
このように、本発明は、モータ6の両側にファン4a,4bを取り付けた両側配置構造のものにも同様に実施でき、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、実施例1に示す片側配置構造と実施例2に示す前記両側配置構造を併用することも同様に可能である。
【0051】
以上述べたように、本発明の各実施例によれば、送風機構を脱着する際の交換スペースを空気調和機内に余分に確保することなく、ファンやモータの取り出し、交換作業を容易にすることができる空気調和機を得ることができる。
【0052】
また、本発明の各実施例によれば、送風機構を脱着する際の交換スペースを空気調和機内に余分に確保せずに空気調和機を小型化しても、前記送風機構を出し入れするための交換スペースは空気調和機の前方または後方の少なくとも何れかに確保するだけで良い。即ち、空気調和機の側方に前記交換スペースは不要であり、これにより複数台の空気調和機を、例えば壁に沿って横に並設することが容易に可能となる。従って、本実施例によれば、空気調和機(室内機)を小型化しつつ、ファンやモータの交換作業も容易に可能となる効果がある。
【0053】
なお、上述した実施例では、サーバーが設置されているコンピュータ室における空気調和機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はコンピュータ室における空気調和機には限定されず、複数の筐体が並べて設置されるところで実施すれば同様の効果が得られる。また、空気調和機が単体で設置されている場合であっても、周囲にサービススペースを広くとることができない場合にも本発明を適用すれば同様の効果が得られる。
【0054】
上記実施例では、前記インレットリングを横にスライドさせて取外しているが、分割できるインレットリングを使用すれば、インレットリングをシャフトから抜かなくても取り外すことが可能となる。
また、上記実施例では、筐体1の上部に熱交換器を、筐体1の下部にファンを設けているが、これらを上下逆に配置して、筐体1の下面に吸込口を設け、筐体の上面に吹出口を設けるようにしても良い。更に、正面吸込み下面吹出し、背面吸込み上面吹出し等の空気調和機でも同様に適用可能である。
【0055】
なお、上述した実施例では、空気調和機から見てサービススペースがある側を空気調和機の正面と定義して説明したが、本発明は、空気調和機のサービススペース側のファンケーシングに、ファンを出し入れするためのファン出し入れ用開口部(上記実施例では正面開口部)と、シャフトを前記サービススペース側に出し入れするためのシャフト出し入れ用開口部(上記実施例では側面開口部)とを形成すると共に、前記ファン出し入れ用開口部を塞ぐための脱着可能な塞ぎ板と、前記シャフト出し入れ用開口部を塞ぐための脱着可能な塞ぎ板とを備えるようにすれば良い。