【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する出力手段と、前記車両から無線通信によって送信され、前記送信された第1信号に起因して前記一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する検出手段と、前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別手段と、を備える。
【0008】
本発明の第1の充電制御装置によれば、当該第1の充電制御装置は、複数の充電装置のうち一の充電装置と、車両との間の非接触充電を制御する充電制御装置である。ここで、「非接触充電」とは、無線で電力を供給し、充電池を充電する技術を意味する。非接触充電の具体的な方式としては、例えば電磁誘導方式、マイクロ波無線式(電波受信方式)、磁場結合共鳴方式等がある。尚、非接触充電の詳細については、本発明の要旨との相関が薄いため、ここではその詳細を割愛する。
【0009】
「非接触充電を制御」とは、充電装置及び車両間において適切に非接触充電が実行されるように、例えば充電電圧指令値、出力可能電圧値、電池残存容量等の各種信号の授受や、例えば充電回路内のスイッチ等の各種部材の電子制御を行うことを意味する。
【0010】
複数の充電装置の各々は、予め定められた駐車スペースに駐車した、例えばハイブリッド自動車、電気自動車等である車両に搭載された、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等である充電池に対して、非接触で充電可能である。
【0011】
複数の充電装置と車両とは、例えばアクセスポイント等の通信中継装置を介して、相互に接続されている。本発明では特に、車両と通信中継装置との間は無線通信で接続されている。他方、複数の充電装置各々と通信中継装置との間は、例えば光ファイバケーブル等を利用した有線通信で接続されていてもよいし、無線通信で接続されていてもよい。
【0012】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、駐車場に充電装置を設置して、該駐車場に駐車した車両に搭載された充電池が、該設置された充電装置により、充電されることが多い。この場合、利用者の利便性を考慮すると、複数の駐車スペースを有する一の駐車場に複数の充電装置が設置されることが望ましい。更に、非接触方式の充電装置を導入すれば、例えば充電ケーブルを車両に接続する等の利用者の作業負担を軽減することができる。
【0013】
ところで、非接触方式の充電装置の場合、該充電装置と車両とは、典型的には、無線通信で接続される。すると、充電装置が複数存在した場合、充電装置と車両との対応付け(以降、適宜“ペアリング”と称する)が適切に行われない可能性がある。駐車スペースに、例えば感圧センサ等のセンサを設置し、該センサの出力に基づいてペアリングを行う方法も考えられるが、充電装置の導入費用が比較的高額になる可能性がある。
【0014】
そこで本発明の第1の充電制御装置は、出力手段、検出手段及び識別手段を備えて構成されている。出力手段は、一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、複数の充電装置各々に対して、該複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する。尚、第1信号が送信される充電装置は、典型的には、未だペアリングがされてない(即ち、使用されていない)充電装置である。
【0015】
検出手段は、車両から無線通信によって送信され、送信された第1信号に起因して一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する。ここで、「第2信号」は、通信中継装置を介さずに、一の充電装置から車両に対して直接出力される。
【0016】
本発明では、複数の充電装置のうち一の充電装置は、出力手段から送信された第1信号を受信すると、該第1信号に起因する信号である第2信号を、車両に対して出力するように構成されている。車両は、一の充電装置から出力された第2信号を受信すると、該第2信号に対応する信号である第3信号を、第1の充電制御装置に対して送信するように構成されている。そして、第1の充電制御装置を構成する検出手段は、車両から送信された第3信号を検出する。
【0017】
例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる識別手段は、送信された第1信号及び検出された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。尚、複数の充電装置のうちどの充電装置が車両に対して第2信号を出力したかは、例えば、(i)複数の充電装置各々に第1信号が送信されるタイミングを変更し、第3信号が検出されたタイミングに応じて特定すればよい、或いは、(ii)充電装置毎に、第1信号として送信される信号のパターンを変更し、検出された第3信号に応じて特定すればよい。
【0018】
以上の結果、本発明の第1の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。加えて、一の充電装置と車両とのペアリングを行うためだけに、何らかの装置を設ける必要がないので、充電装置の導入費用を抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0019】
本発明の第1の充電制御装置の一態様では、前記出力手段は、前記複数の充電装置各々に対して、所定の時間間隔で順次、前記第1信号を送信する。
【0020】
この態様によれば、比較的容易にして一の充電装置を特定することができる。
【0021】
或いは、本発明の第1の充電制御装置の他の態様では、前記出力手段は、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置に夫々対応すると共に、相互に異なるパターンを有する複数の信号を、前記第1信号として、一度に送信する。
【0022】
この態様によれば、比較的容易にして一の充電装置を特定することができる。
【0023】
本発明の充電システムは、上記課題を解決するために、車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置と、前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置と、を備え、前記複数の充電装置のうち一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置は、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信し、前記複数の充電装置各々は、前記送信された第1信号に基づく信号である第2信号を出力し、前記通信中継装置は、(i)前記車両から無線通信によって送信され、前記一の充電装置から出力された第2信号に対応する信号である第3信号を検出すると共に、(ii)前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う。
【0024】
本発明の充電システムによれば、当該充電システムは、複数の充電装置及び通信中継装置を備えて構成されている。複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、通信中継装置は、複数の充電装置各々に対して、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する。送信された第1信号を受信した複数の充電装置各々は、該第1信号に基づく信号である第2信号を、車両に対し出力する。
【0025】
通信中継装置は、(i)車両から無線通信によって送信された第3信号を検出すると共に、(ii)送信された第1信号及び検出された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。尚、本発明の充電システムを構成する通信中継手段は、上述した本発明の第1の充電制御装置に相当する。
【0026】
本発明の充電システムによれば、上述した本発明の第1の充電制御装置と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0027】
本発明の充電システムの一態様では、前記複数の充電装置各々は、前記充電池に対して非接触で電力を供給可能な電力供給手段を有し、前記電力供給手段は、前記送信された第1信号に基づく電力パターンを、前記第2信号として、出力する。
【0028】
この態様によれば、比較的容易にして、通信中継装置を介さずに直接、充電装置から車両に対して第2信号を伝達することができる。
【0029】
この態様では、前記電力パターンの電圧は、前記充電池に対して非接触充電が実行される際の電圧よりも低くてもよい。
【0030】
このように構成すれば、仮に車両が駐車していない駐車スペースに対応する充電装置から第2信号が出力されたとしても、充電装置に不具合が生じることを防止することができ、実用上非常に有利である。
【0031】
本発明の第2の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して送信され、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号に起因して、前記一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する検出手段と、前記通信中継装置において、前記検出された第2信号に対応する信号である第3信号、及び前記送信された第1信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両とが対応付けされるように、前記通信中継装置に対して、前記第3信号を無線通信によって送信する通信手段と、を備える。
【0032】
本発明の第2の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けを行う際に、検出手段は、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する。
【0033】
通信手段は、通信中継装置において、検出された第2信号に対応する信号である第3信号、及び送信された第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされるように、通信中継装置に対して、第3信号を無線通信によって送信する。
【0034】
この結果、通信中継装置において、第3信号及び第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされる。従って、本発明の第2の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0035】
本発明の第3の充電制御装置によれば、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から出力され、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号のうち前記一の充電装置に対応する第1信号を受信する受信手段と、(i)前記車両が、前記受信された第1信号に基づく信号である第2信号に対応する信号である第3信号を、前記通信中継装置に対して無線通信によって送信でき、且つ(ii)前記通信中継装置が、前記送信された第1信号及び前記送信された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両とを対応付けできるように、前記車両に対して、前記第2信号を出力する出力手段と、を備える。
【0036】
本発明の第3の充電制御装置によれば、受信手段は、通信中継装置から出力され、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号のうち一の充電装置に対応する第1信号を受信する。即ち、当該第3の充電制御装置は、一の充電装置に搭載されている。
【0037】
出力手段は、(i)車両が、受信された第1信号に基づく信号である第2信号に対応する信号である第3信号を、通信中継装置に対して無線通信によって送信でき、且つ(ii)通信中継装置が、送信された第1信号及び送信された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両とを対応付けできるように、車両に対して、第2信号を出力する。
【0038】
この結果、通信中継装置において、第3信号及び第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされる。従って、本発明の第3の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0039】
本発明の充電制御方法は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御方法であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する出力工程と、前記車両から無線通信によって送信され、前記送信された第1信号に起因して前記一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する検出工程と、前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別工程と、を備える。
【0040】
本発明の充電制御方法によれば、上述した本発明の第1の充電制御装置と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。尚、本発明の充電制御方法においても、上述した本発明の第1の充電制御装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0041】
本発明の第1のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の第1の充電制御装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
【0042】
本発明の第1のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD Read Only Memory)等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、第1の充電制御装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の第1の充電制御装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の第1の充電制御装置の場合と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0043】
本発明の対応付け方法は、上記課題を解決するために、車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置と、前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置と、を備える充電システムにおいて、前記複数の充電装置のうち一の充電装置と前記車両との対応付けを行う対応付け方法であって、前記通信中継装置が、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する第1工程と、前記複数の充電装置各々が、前記送信された第1信号に基づく信号である第2信号を出力する第2工程と、前記通信中継装置が、(i)前記車両から無線通信によって送信され、前記一の充電装置から出力された第2信号に対応する信号である第3信号を検出すると共に、(ii)前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う第3工程と、を備える。
【0044】
本発明の充電制御方法によれば、上述した本発明の充電システムと同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。尚、本発明の対応付け方法においても、上述した本発明の充電システムにおける各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0045】
本発明の第2のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の第2の充電制御装置として機能させる。
【0046】
本発明の第2のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、第2の充電制御装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の第2の充電制御装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の第2の充電制御装置の場合と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0047】
本発明の第4の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号が送信されるように、前記通信中継装置に対して、前記第1信号を無線通信によって送信する通信手段と、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して、前記一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する検出手段と、前記送信された第1信号及び前記検出された第2信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別手段と、を備える。
【0048】
本発明の第4の充電制御装置によれば、通信手段は、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号が送信されるように、通信中継装置に対して、第1信号を無線通信によって送信する。
【0049】
つまり、通信手段は、通信中継装置を介して、複数の充電装置各々に対して第1信号を送信する。尚、送信手段は、典型的には、複数の充電装置各々に対して、所定の時間間隔で順次、第1信号を通信中継装置を介して送信する。
【0050】
検出手段は、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して、一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する。例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる識別手段は、送信された第1信号及び検出された第2信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。
【0051】
以上の結果、本発明の第4の充電制御手段によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0052】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。