特許第6201021号(P6201021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6201021充電制御装置及び方法、充電システム、対応付け方法、並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201021
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】充電制御装置及び方法、充電システム、対応付け方法、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170911BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20170911BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20170911BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20170911BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   H02J50/40
   H02J50/80
   H02J50/10
   H02J7/00 P
   B60L11/18 C
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-166757(P2016-166757)
(22)【出願日】2016年8月29日
(62)【分割の表示】特願2015-219204(P2015-219204)の分割
【原出願日】2011年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-28995(P2017-28995A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】大石 博一
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/086048(WO,A1)
【文献】 特開2010−213497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
50/00−50/90
B60L 1/00− 3/12
7/00−13/00
15/00−15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々が所定の電力供給経路を介して車両に電力を供給可能な複数の充電装置を制御する単一の充電制御装置であって、
前記複数の充電装置のうちの一の充電装置に、前記電力供給経路を介して、所定の電力パターンを有する電力を出力させて、前記車両からの応答信号に基づいて前記車両と前記複数の充電装置のうちの一の充電装置との対応付けを行い、
前記車両と各充電装置との対応付けに失敗し続けた結果、前記電力パターンを有する電力を未だ出力させていない充電装置が存在しない場合、前記車両に前記対応付けに関する信号を出力する
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項2】
前記電力パターンを有する電力を未だ出力させていない充電装置が存在しない場合に、前記対応付けに関する信号として、前記車両に前記対応付けの失敗を示す信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
所定の電力供給経路を介して複数の充電装置の夫々から電力が供給可能な車両に搭載される充電制御装置であって、
前記複数の充電装置のうちの一の充電装置から前記電力供給経路を介して供給された所定の電力パターンを有する電力の検出結果に基づいて、前記車両と前記一の充電装置との対応付けを行うための信号を出力し、
前記複数の充電装置を制御する外部の制御装置からの前記対応付けの失敗を示す信号が入力された場合、前記車両の充電を中止する
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項4】
当該充電制御装置は、前記外部の制御装置からの前記対応付けの失敗を示す信号が入力された場合、前記車両が備える表示手段及び音声出力手段の少なくとも一方に、前記車両の充電の中止を示す信号を出力する
請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記電力供給経路は、前記車両が備える充電池を充電する電力を供給するための経路であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の充電制御装置。
【請求項6】
夫々が所定の電力供給経路を介して車両に電力を供給可能な複数の充電装置と、
前記複数の充電装置を制御する単一の第1充電制御装置と、
前記車両に搭載される第2充電制御装置と
を備え、
前記第1充電制御装置は、前記複数の充電装置のうちの一の充電装置に、前記電力供給経路を介して、所定の電力パターンを有する電力を出力させて、前記車両からの応答信号に基づいて前記車両と前記複数の充電装置のうちの一の充電装置との対応付けを行い、
前記第2充電制御装置は、前記一の充電装置から前記電力供給経路を介して供給された所定の電力パターンを有する電力の検出結果に基づいて、前記車両と前記一の充電装置との対応付けを行うための信号を出力し、
前記第1充電制御装置は、前記車両と各充電装置との対応付けに失敗し続けた結果、前記電力パターンを有する電力を未だ出力させていない充電装置が存在しない場合、前記車両に前記対応付けの失敗を示す信号を出力し、
前記第2充電制御装置は、前記第1充電制御装置からの前記対応付けの失敗を示す信号が入力された場合、前記車両の充電を中止する
ことを特徴とする充電システム。
【請求項7】
夫々が所定の電力供給経路を介して車両に電力を供給可能な複数の充電装置を単一の充電制御装置を用いて制御する充電制御方法であって、
前記複数の充電装置のうちの一の充電装置に、前記電力供給経路を介して、所定の電力パターンを有する電力を出力させて、前記車両からの応答信号に基づいて前記車両と前記一の充電装置との対応付けを行い、
前記車両と各充電装置との対応付けに失敗し続けた結果、前記電力パターンを有する電力を未だ出力させていない充電装置が存在しない場合、前記車両に前記対応付けに関する信号を出力する
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載の充電制御装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を搭載する車両と、該二次電池を充電可能な充電装置と、の間で実行される非接触充電を制御する充電制御装置及び方法、充電システム、対応付け方法、並びにコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置を備える充電システムとして、例えば、予め設定された充電スペースに駐車した車両のバッテリを非接触で充電可能な充電ステーションと、予め登録された個々のユーザの車両情報を一括して管理するサービスシステムサーバと、を備えるシステムが提案されている。ここでは特に、充電ステーション、サービスシステムサーバ及び車両のシステムは、相互に無線通信の通信網を介して接続されていることが記載されている(特許文献1参照)。
【0003】
尚、充電ケーブルを介して車両に電力を供給する充電器が複数設けられた充電スタンドを備えるシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−74868号公報
【特許文献2】特開2010−178450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には、充電ステーションの充電用駐車スペースに車両が駐車したか否かを調べる方法については開示されていない。すると、充電装置(特許文献1に係る充電ステーションに相当)が複数個設置されている場合、充電装置と車両とが、例えば充電ケーブル等で直接接続されないことに起因して、充電装置と車両との対応付けが適切に行われない可能性があるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両に搭載された二次電池を非接触で充電可能な充電装置と該車両との対応付けを適切に行うことができる充電制御装置及び方法、充電システム、対応付け方法、並びにコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する出力手段と、前記車両から無線通信によって送信され、前記送信された第1信号に起因して前記一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する検出手段と、前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別手段と、を備える。
【0008】
本発明の第1の充電制御装置によれば、当該第1の充電制御装置は、複数の充電装置のうち一の充電装置と、車両との間の非接触充電を制御する充電制御装置である。ここで、「非接触充電」とは、無線で電力を供給し、充電池を充電する技術を意味する。非接触充電の具体的な方式としては、例えば電磁誘導方式、マイクロ波無線式(電波受信方式)、磁場結合共鳴方式等がある。尚、非接触充電の詳細については、本発明の要旨との相関が薄いため、ここではその詳細を割愛する。
【0009】
「非接触充電を制御」とは、充電装置及び車両間において適切に非接触充電が実行されるように、例えば充電電圧指令値、出力可能電圧値、電池残存容量等の各種信号の授受や、例えば充電回路内のスイッチ等の各種部材の電子制御を行うことを意味する。
【0010】
複数の充電装置の各々は、予め定められた駐車スペースに駐車した、例えばハイブリッド自動車、電気自動車等である車両に搭載された、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等である充電池に対して、非接触で充電可能である。
【0011】
複数の充電装置と車両とは、例えばアクセスポイント等の通信中継装置を介して、相互に接続されている。本発明では特に、車両と通信中継装置との間は無線通信で接続されている。他方、複数の充電装置各々と通信中継装置との間は、例えば光ファイバケーブル等を利用した有線通信で接続されていてもよいし、無線通信で接続されていてもよい。
【0012】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、駐車場に充電装置を設置して、該駐車場に駐車した車両に搭載された充電池が、該設置された充電装置により、充電されることが多い。この場合、利用者の利便性を考慮すると、複数の駐車スペースを有する一の駐車場に複数の充電装置が設置されることが望ましい。更に、非接触方式の充電装置を導入すれば、例えば充電ケーブルを車両に接続する等の利用者の作業負担を軽減することができる。
【0013】
ところで、非接触方式の充電装置の場合、該充電装置と車両とは、典型的には、無線通信で接続される。すると、充電装置が複数存在した場合、充電装置と車両との対応付け(以降、適宜“ペアリング”と称する)が適切に行われない可能性がある。駐車スペースに、例えば感圧センサ等のセンサを設置し、該センサの出力に基づいてペアリングを行う方法も考えられるが、充電装置の導入費用が比較的高額になる可能性がある。
【0014】
そこで本発明の第1の充電制御装置は、出力手段、検出手段及び識別手段を備えて構成されている。出力手段は、一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、複数の充電装置各々に対して、該複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する。尚、第1信号が送信される充電装置は、典型的には、未だペアリングがされてない(即ち、使用されていない)充電装置である。
【0015】
検出手段は、車両から無線通信によって送信され、送信された第1信号に起因して一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する。ここで、「第2信号」は、通信中継装置を介さずに、一の充電装置から車両に対して直接出力される。
【0016】
本発明では、複数の充電装置のうち一の充電装置は、出力手段から送信された第1信号を受信すると、該第1信号に起因する信号である第2信号を、車両に対して出力するように構成されている。車両は、一の充電装置から出力された第2信号を受信すると、該第2信号に対応する信号である第3信号を、第1の充電制御装置に対して送信するように構成されている。そして、第1の充電制御装置を構成する検出手段は、車両から送信された第3信号を検出する。
【0017】
例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる識別手段は、送信された第1信号及び検出された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。尚、複数の充電装置のうちどの充電装置が車両に対して第2信号を出力したかは、例えば、(i)複数の充電装置各々に第1信号が送信されるタイミングを変更し、第3信号が検出されたタイミングに応じて特定すればよい、或いは、(ii)充電装置毎に、第1信号として送信される信号のパターンを変更し、検出された第3信号に応じて特定すればよい。
【0018】
以上の結果、本発明の第1の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。加えて、一の充電装置と車両とのペアリングを行うためだけに、何らかの装置を設ける必要がないので、充電装置の導入費用を抑制することができ、実用上非常に有利である。
【0019】
本発明の第1の充電制御装置の一態様では、前記出力手段は、前記複数の充電装置各々に対して、所定の時間間隔で順次、前記第1信号を送信する。
【0020】
この態様によれば、比較的容易にして一の充電装置を特定することができる。
【0021】
或いは、本発明の第1の充電制御装置の他の態様では、前記出力手段は、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置に夫々対応すると共に、相互に異なるパターンを有する複数の信号を、前記第1信号として、一度に送信する。
【0022】
この態様によれば、比較的容易にして一の充電装置を特定することができる。
【0023】
本発明の充電システムは、上記課題を解決するために、車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置と、前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置と、を備え、前記複数の充電装置のうち一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置は、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信し、前記複数の充電装置各々は、前記送信された第1信号に基づく信号である第2信号を出力し、前記通信中継装置は、(i)前記車両から無線通信によって送信され、前記一の充電装置から出力された第2信号に対応する信号である第3信号を検出すると共に、(ii)前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う。
【0024】
本発明の充電システムによれば、当該充電システムは、複数の充電装置及び通信中継装置を備えて構成されている。複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、通信中継装置は、複数の充電装置各々に対して、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する。送信された第1信号を受信した複数の充電装置各々は、該第1信号に基づく信号である第2信号を、車両に対し出力する。
【0025】
通信中継装置は、(i)車両から無線通信によって送信された第3信号を検出すると共に、(ii)送信された第1信号及び検出された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。尚、本発明の充電システムを構成する通信中継手段は、上述した本発明の第1の充電制御装置に相当する。
【0026】
本発明の充電システムによれば、上述した本発明の第1の充電制御装置と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0027】
本発明の充電システムの一態様では、前記複数の充電装置各々は、前記充電池に対して非接触で電力を供給可能な電力供給手段を有し、前記電力供給手段は、前記送信された第1信号に基づく電力パターンを、前記第2信号として、出力する。
【0028】
この態様によれば、比較的容易にして、通信中継装置を介さずに直接、充電装置から車両に対して第2信号を伝達することができる。
【0029】
この態様では、前記電力パターンの電圧は、前記充電池に対して非接触充電が実行される際の電圧よりも低くてもよい。
【0030】
このように構成すれば、仮に車両が駐車していない駐車スペースに対応する充電装置から第2信号が出力されたとしても、充電装置に不具合が生じることを防止することができ、実用上非常に有利である。
【0031】
本発明の第2の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して送信され、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号に起因して、前記一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する検出手段と、前記通信中継装置において、前記検出された第2信号に対応する信号である第3信号、及び前記送信された第1信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両とが対応付けされるように、前記通信中継装置に対して、前記第3信号を無線通信によって送信する通信手段と、を備える。
【0032】
本発明の第2の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けを行う際に、検出手段は、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する。
【0033】
通信手段は、通信中継装置において、検出された第2信号に対応する信号である第3信号、及び送信された第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされるように、通信中継装置に対して、第3信号を無線通信によって送信する。
【0034】
この結果、通信中継装置において、第3信号及び第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされる。従って、本発明の第2の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0035】
本発明の第3の充電制御装置によれば、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から出力され、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号のうち前記一の充電装置に対応する第1信号を受信する受信手段と、(i)前記車両が、前記受信された第1信号に基づく信号である第2信号に対応する信号である第3信号を、前記通信中継装置に対して無線通信によって送信でき、且つ(ii)前記通信中継装置が、前記送信された第1信号及び前記送信された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両とを対応付けできるように、前記車両に対して、前記第2信号を出力する出力手段と、を備える。
【0036】
本発明の第3の充電制御装置によれば、受信手段は、通信中継装置から出力され、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号のうち一の充電装置に対応する第1信号を受信する。即ち、当該第3の充電制御装置は、一の充電装置に搭載されている。
【0037】
出力手段は、(i)車両が、受信された第1信号に基づく信号である第2信号に対応する信号である第3信号を、通信中継装置に対して無線通信によって送信でき、且つ(ii)通信中継装置が、送信された第1信号及び送信された第3信号に基づいて、一の充電装置と車両とを対応付けできるように、車両に対して、第2信号を出力する。
【0038】
この結果、通信中継装置において、第3信号及び第1信号に基づいて、一の充電装置と車両とが対応付けされる。従って、本発明の第3の充電制御装置によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0039】
本発明の充電制御方法は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御方法であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する出力工程と、前記車両から無線通信によって送信され、前記送信された第1信号に起因して前記一の充電装置から出力された信号である第2信号に対応する信号である第3信号を検出する検出工程と、前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別工程と、を備える。
【0040】
本発明の充電制御方法によれば、上述した本発明の第1の充電制御装置と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。尚、本発明の充電制御方法においても、上述した本発明の第1の充電制御装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0041】
本発明の第1のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の第1の充電制御装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
【0042】
本発明の第1のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(DVD Read Only Memory)等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、第1の充電制御装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の第1の充電制御装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の第1の充電制御装置の場合と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0043】
本発明の対応付け方法は、上記課題を解決するために、車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置と、前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置と、を備える充電システムにおいて、前記複数の充電装置のうち一の充電装置と前記車両との対応付けを行う対応付け方法であって、前記通信中継装置が、前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号を送信する第1工程と、前記複数の充電装置各々が、前記送信された第1信号に基づく信号である第2信号を出力する第2工程と、前記通信中継装置が、(i)前記車両から無線通信によって送信され、前記一の充電装置から出力された第2信号に対応する信号である第3信号を検出すると共に、(ii)前記送信された第1信号及び前記検出された第3信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う第3工程と、を備える。
【0044】
本発明の充電制御方法によれば、上述した本発明の充電システムと同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。尚、本発明の対応付け方法においても、上述した本発明の充電システムにおける各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0045】
本発明の第2のコンピュータプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明の第2の充電制御装置として機能させる。
【0046】
本発明の第2のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するCD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムを、第2の充電制御装置に備えられたコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを通信手段を介してダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の第2の充電制御装置を比較的容易にして実現できる。これにより、上述した本発明の第2の充電制御装置の場合と同様に、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0047】
本発明の第4の充電制御装置は、上記課題を解決するために、(i)車両に搭載された充電池に対して非接触充電を実行可能な複数の充電装置のうち一の充電装置と、(ii)前記複数の充電装置及び前記車両相互間の通信を中継可能な通信中継装置を介して、前記一の充電装置と通信する前記車両と、の間の非接触充電を制御する充電制御装置であって、前記一の充電装置と前記車両との対応付けが行われる際に、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して、前記複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号が送信されるように、前記通信中継装置に対して、前記第1信号を無線通信によって送信する通信手段と、前記通信中継装置から前記複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して、前記一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する検出手段と、前記送信された第1信号及び前記検出された第2信号に基づいて、前記一の充電装置と前記車両との対応付けを行う識別手段と、を備える。
【0048】
本発明の第4の充電制御装置によれば、通信手段は、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両との対応付けが行われる際に、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して、複数の充電装置各々から出力される信号を指定する信号である第1信号が送信されるように、通信中継装置に対して、第1信号を無線通信によって送信する。
【0049】
つまり、通信手段は、通信中継装置を介して、複数の充電装置各々に対して第1信号を送信する。尚、送信手段は、典型的には、複数の充電装置各々に対して、所定の時間間隔で順次、第1信号を通信中継装置を介して送信する。
【0050】
検出手段は、通信中継装置から複数の充電装置各々に対して送信された第1信号に起因して、一の充電装置から出力された信号である第2信号を検出する。例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる識別手段は、送信された第1信号及び検出された第2信号に基づいて、一の充電装置と車両との対応付けを行う。
【0051】
以上の結果、本発明の第4の充電制御手段によれば、複数の充電装置のうち一の充電装置と車両とのペアリングを適切に行うことができる。
【0052】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】第1実施形態に係る充電システムの全体構成を示す概念図である。
図2】第1実施形態に係る充電システムの要部を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係るペアリング処理(車両側)を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態に係るペアリング処理(充電システム側)を示すフローチャートである。
図5】充電インフラから出力される電力パターンの一例を示す概念図である。
図6】第2実施形態に係るペアリング処理(車両側)を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係るペアリング処理(充電システム側)を示すフローチャートである。
図8】充電インフラから出力される電力パターンの他の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明に係る充電システムの実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0055】
<第1実施形態>
本発明の充電システムに係る第1実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0056】
(充電システムの構成)
本実施形態に係る充電システムの構成を図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る充電システムの全体構成を示す概念図であり、図2は、本実施形態に係る充電システムの要部を示すブロック図である。
【0057】
図1において、充電システム1は、例えば企業や自治体のビルの駐車場、或いはショッピングセンタの駐車場等の駐車場100において、一つの充電拠点(所謂、充電スタンド)を構成している。充電システム1は、複数の充電インフラストラクチャ10(以降、適宜、“充電インフラ”と称する)と、一つのアクセスポイント(AP)30と、を備えて構成されている。尚、本実施形態に係る「充電インフラ10」及び「アクセスポイント30」は、夫々、本発明に係る「充電装置」及び「通信中継装置」の一例である。
【0058】
充電インフラ10は、一つの充電スペース11(即ち、駐車スペース)に対して一つ設けられている。各充電インフラ10とアクセスポイント30との間の通信には、例えば光ファイバケーブル、同軸ケーブル等の有線の通信網が利用されている。
【0059】
図2において、充電インフラ10は、接続管理部110、パケット生成・解析部120、パケット送受信部130、送電制御部140、主回路150及びコイル160を備えて構成されている。
【0060】
例えば電気自動車、ハイブリッド自動車等である車両20は、接続管理部210、パケット生成・解析部220、パケット送受信部230、充電制御部240、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池等であるバッテリ250、及びコイル260を備えて構成されている。尚、本発明に係る「バッテリ250」は、本発明に係る「充電池」の一例である。
【0061】
アクセスポイント30は、接続管理部310、パケット生成・解析部320及びパケット送受信部330を備えて構成されている。
【0062】
充電インフラ10は、例えば電磁誘導の相互誘導作用に基づき、外部から非接触で電力を、車両20に搭載されたバッテリ250に供給可能に構成されている。具体的には、給電時に、給電側(即ち、充電インフラ10側)のコイルであるコイル160と、充電側(即ち、車両20側)のコイルであるコイル260との間で、コイル160における磁束形成に起因してコイル260に誘導起電力が生じることによって、コイル160からコイル260に電力が伝送されるように構成されている。
【0063】
尚、給電時における、充電インフラ10のコイル160と、車両20に搭載されたコイル260と、の間の距離は、例えば10〜25cm(センチメートル)等である。
【0064】
充電インフラ10の送電制御部140は、コイル160に適切な磁束が形成されるように、例えばコンバータ、インバータ、整流器、スイッチ等を備えてなる主回路を、給電時に制御する。送電制御部140は、更に、例えば出力可能電圧値、現在出力電圧値、現在充電電流値等の充電に係る情報(以降、適宜“インフラ側充電制御情報”と称する)を、接続管理部110に対して送信する。
【0065】
他方、車両20の充電制御部240は、バッテリ250が適切に充電されるように、バッテリ250及びその周辺回路(図示せず)等を、給電時に制御する。充電制御部240は、更に、例えば電池残存容量、充電電流指令値等の充電に係る情報(以降、適宜“車両側充電制御情報”と称する)を、接続管理部210に対して送信する。
【0066】
充電インフラ10の接続管理部110は、インフラ側充電制御情報を含む各種情報をパケット化して、パケット送受信部130を介してアクセスポイント30に送信するように、パケット生成・解析部120を制御する。接続管理部110は、更に、パケット送受信部130を介して受信されたパケットから、元の情報を復元するようにパケット生成・解析部120を制御する。
【0067】
同様に、車両20の接続管理部210は、車両側充電制御情報を含む各種情報をパケット化して、パケット送受信部230を介してアクセスポイント30に送信するように、パケット生成・解析部220を制御する。接続管理部210は、更に、パケット送受信部230を介して受信されたパケットから、元の情報を復元するようにパケット生成・解析部220を制御する。
【0068】
通信中継装置30の接続管理部310は、パケット送受信部330を介して受信されたパケットを解析するようにパケット生成・解析部320を制御する。接続管理部310は、更に、パケットを、パケット送受信部330を介して、解析結果に基づく所定の宛先(ここでは、複数の充電インフラ10、及び複数の車両20のうちの一つ)に送信するようにパケット生成・解析部320を制御する。
【0069】
充電システム1は、アクセスポイント30を一つだけ備えればよいので、例えば充電インフラ毎にアクセスポイントを備えるような充電システムに比べて、導入費用を低くすることができ、実用上非常に有利である。
【0070】
(ペアリング処理)
上述の如く構成された充電システム1では、充電インフラ10や充電スペース11には、車両20を認識するための、例えばセンサ等の部材が設けられていない。加えて、充電インフラ10と車両20とは、必ずアクセスポイント30を介して通信する。このため、充電システム1では、車両20に搭載されたバッテリ250の充電に先立って、充電インフラ10と車両20とのペアリングを行う(言い換えれば、どの充電インフラ10に対応する充電スペース11に車両20が駐車しているかを認識する)必要がある。
【0071】
以下、本実施形態に係るペアリング処理について、図3及び図4のフローチャート、並びに図5を参照して説明する。
【0072】
図3において、先ず、一の充電スペース11に駐車した車両20の運転者によって、バッテリ250の充電に係るスイッチ(図示せず)が押下されると、車両20の接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリング開始命令を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS101)。
【0073】
続いて、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、充電インフラ10から出力される電力パターンを指定する信号である、本発明に係る「第1信号」の一例としての、電力パターン信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS102)。ここで、「充電インフラ10から出力される電力パターン」とは、充電インフラ10のコイル160に形成された磁束に起因して、車両20のコイル260に生じた誘導起電力の電力パターンを意味する。
【0074】
続いて、車両20の接続管理部210は、送信された電力パターン信号に起因して、一の充電インフラ10から電力が送電されるまで、或いは、アクセスポイント30から何らかの応答があるまで、待機状態となる(ステップS103、S104)。
【0075】
他方、図4において、アクセスポイント30の接続管理部310は、車両20から送信されたペアリング開始命令を示す信号を受信する(ステップS201)と共に、送信された電力パターン信号を受信する(ステップS202)と、複数の充電スペース11のうち使用されていない一の充電スペース11に対応する一の充電インフラ10に対して、受信された電力パターン信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS203)。
【0076】
続いて、接続管理部310は、車両20から何らかの応答があるまで待機状態となる(ステップS204)。
【0077】
上記ステップS203の処理において送信された電力パターン信号を受信した一の充電インフラ10の接続管理部110は、充電制御部140に対し、該受信された電力パターン信号を送信する。充電制御部140は、送信された電力パターン信号により示される電力パターンに応じた磁束がコイル160に形成されるように、主回路150を制御する。
【0078】
ステップS102の処理(図3参照)において電力パターン信号を送信した車両20が駐車している充電スペース11に対応する充電インフラ10が、アクセスポイント30から送信された電力パターン信号を受信した充電インフラ10である場合には、車両20のコイル260に誘電起電力が生じ、充電インフラ10から車両20に電力が供給されることとなる。
【0079】
尚、車両20に供給される電力のパターン(即ち、電力パターン信号に応じたパターン)は、例えば図5のようである。ここで、電圧値は、無負荷状態の(即ち、車両20が駐車していない)充電スペース11に強電界が発生しないように、通常の給電時に比べて低い電圧値に設定されている。図5は、充電インフラから出力される電力パターンの一例を示す概念図である。
【0080】
他方、電力パターン信号を送信した車両20が駐車している充電スペース11に対応する充電インフラ10が、アクセスポイント30から送信された電力パターン信号を受信した充電インフラ10でない場合には、車両20のコイル260には誘電起電力が生じない(即ち、電力が供給されない)。
【0081】
再び図3に戻り、車両20の接続管理部210は、待機状態になってから所定時間(例えば20秒等)経過した(即ち、タイムアウトになった)時点、コイル260に誘電起電力が生じたことを検出した時点、或いは、何らかの信号を受信した時点で、ペアリングの失敗を示す信号を受信したか否かを判定する(ステップS105)。
【0082】
ペアリングの失敗を示す信号を受信したと判定された場合(ステップS105:Yes)、接続管理部210は、充電中止を示す信号を充電制御部240に送信すると共に、車両20の、例えばインストゥルメンタルパネル内に設置されたモニタ(図示せず)にエラーメッセージを表示する(及び/又は、スピーカから警告音を発する)。
【0083】
ペアリングの失敗を示す信号を受信していないと判定された場合(ステップS105:No)、接続管理部210は、何らかの電力パターンを検出したか否か(即ち、コイル260に誘電起電力が生じたか否か)を判定する(ステップS106)。
【0084】
電力パターンが検出されていない(即ち、コイル260に誘電起電力が生じていない)と判定された場合(ステップS106:No)、ステップS203の処理(図4参照)において電力パターン信号が送信された充電インフラ10は、車両20が駐車している充電スペース11に対応する充電インフラ10ではないと考えられるので、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリングの失敗を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御して(ステップS109)、再び待機状態となる。
【0085】
本発明に係る「第2信号」の一例としての、電力パターンが検出されたと判定された場合(ステップS106:Yes)、接続管理部210は、ステップS102の処理において送信した電力パターン信号により示される電力パターンと、検出された電力パターンとを比較する。続いて、接続管理部210は、指定の電力パターンを検出したか否か(即ち、ステップS102の処理において送信した電力パターン信号により示される電力パターンと、検出された電力パターンと、が一致したか否か)を判定する(ステップS107)。
【0086】
指定の電力パターンが検出されていないと判定された場合(ステップS107:No)、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリングのリトライを示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御して(ステップS110)、再び待機状態となる。
【0087】
指定の電力パターンが検出されたと判定された場合(ステップS107:Yes)、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリングの成功を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS108)と共に、充電開始を示す信号を充電制御部240に送信する。
【0088】
再び図4に戻り、アクセスポイント30の接続管理部310は、待機状態になってから所定時間(例えば60秒等)経過した(即ち、タイムアウトになった)時点、或いは、ステップS201の処理において受信したペアリング開始命令を示す信号を送信した車両20から何らかの信号を受信した時点で、何らかの信号を受信したか否かを判定する(ステップS205)。尚、ペアリング開始命令を示す信号を送信した車両20からの信号か否かは、例えばパケットの送信元ID(Identification Data)等を参照して判定すればよい。
【0089】
信号を受信していないと判定された場合(ステップS205:No)、接続管理部310は、ステップS203の処理において電力パターン信号を送信した充電インフラ10に対し、充電中止を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0090】
信号を受信したと判定された場合(ステップS205:Yes)、接続管理部310は、受信された信号がペアリングの成功を示す信号か否かを判定する(ステップS206)。ペアリングの成功を示す信号を受信したと判定された場合(ステップS206:Yes)、接続管理部310は、車両20に対して、ペアリングの成功を示す信号を受信したことを示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS207)と共に、ステップS203の処理において電力パターン信号を送信した充電インフラ10に対し、充電開始を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0091】
受信された信号がペアリングの成功を示す信号ではないと判定された場合(ステップS206:No)、接続管理部10は、受信された信号がペアリングのリトライを示す信号であるか否かを判定する(ステップS208)。ペアリングのリトライを示す信号であると判定された場合(ステップS208:Yes)、接続管理部310は、前回電力パターン信号を送信した充電インフラ10に対して、再び電力パターン信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0092】
受信された信号がペアリングのリトライを示す信号ではないと判定された場合(ステップS208:No)、接続管理部310は、複数の充電スペース11のうち使用されていない充電スペース11に対応し、且つ電力パターン信号が未だ送信されていない充電インフラ10が存在するか否かを判定する(ステップS209)。
【0093】
使用されていない充電スペース11に対応し、且つ電力パターン信号が未だ送信されていない充電インフラ10が存在すると判定された場合(ステップS209:Yes)、接続管理部310は、使用されていない充電スペース11に対応し、且つ電力パターン信号が未だ送信されていない充電インフラ10のうち一の充電インフラ10に対し、電力パターン信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS211)。
【0094】
使用されていない充電スペース11に対応し、且つ電力パターン信号が未だ送信されていない充電インフラ10が存在しないと判定された場合(ステップS209:No)、接続管理部310は、車両20に対し、ペアリングの失敗を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS210)と共に、ステップS203の処理において電力パターン信号を送信した充電インフラ10に対し、充電開始を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0095】
本実施形態に係る「接続管理部210」、「パケット生成・解析部220」、「パケット送受信部230」及び「コイル260」は、本発明に係る「第4の充電制御装置」の一例である。本実施形態に係る「接続管理部210」及び「コイル260」は、夫々、本発明に係る「第4の充電制御装置」の「識別手段」及び「検出手段」の一例である。本実施形態に係る「パケット生成・解析部220」及び「パケット送受信部230」は、本発明に係る「第4の充電制御装置」の「通信手段」の一例である。
【0096】
<第2実施形態>
本発明の充電システムに係る第2実施形態について、図6乃至図8を参照して説明する。尚、第2実施形態では、ペアリング処理が異なっている以外は、第1実施形態の構成と同様である。よって、第2実施形態について、第1実施形態と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ図6乃至図8を参照して説明する。
【0097】
(ペアリング処理)
図6のフローチャートにおいて、先ず、一の充電スペース11に駐車した車両20の運転者によって、バッテリ250の充電に係るスイッチ(図示せず)が押下されると、車両20の接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリング開始命令を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS301)。
【0098】
続いて、車両20の接続管理部210は、一の充電インフラ10から電力が送電されるまで、或いは、アクセスポイント30から何らかの応答があるまで、待機状態となる(ステップS302、S303)。
【0099】
他方、図7のフローチャートにおいて、アクセスポイント30の接続管理部310は、車両20から送信されたペアリング開始命令を示す信号を受信する(ステップS401)と、複数の充電スペース11のうち使用されていない充電スペース11に対応する充電インフラ10各々に対し、各充電インフラ10から出力され、相互に異なるパターンを有する電力パターンを指定する信号である、本発明に係る「第1信号」の他の例としての、電力パターン信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS402)。
【0100】
尚、接続管理部310は、充電インフラ10各々に対し、電力パターン信号を、(i)所定の時間間隔で順次送信するようにしてもよいし、(ii)一度に送信するようにしてもよい。
【0101】
続いて、接続管理部310は、車両20から何らかの応答があるまで待機状態となる(ステップS403)。
【0102】
上記ステップS402の処理において送信された電力パターン信号を受信した各充電インフラ10の接続管理部110は、充電制御部140に対し、該受信された電力パターン信号を送信する。充電制御部140は、例えば図8に示すような、送信された電力パターン信号により示される電力パターンに応じた磁束がコイル160に形成されるように、主回路150を制御する。
【0103】
図8は、図5と同趣旨の、充電インフラから出力される電力パターンの他の一例を示す概念図である。複数の充電インフラ10のうち、一の充電インフラ10には、図8のパターン1に示される電力パターン信号が送信され、他の一の充電インフラ10には、図8のパターン2に示される電力パターン信号が送信される。このため、車両20で検出された電力パターンから該車両20に対応する充電インフラ10を特定することができる。
【0104】
再び図6に戻り、車両20の接続管理部210は、待機状態になってから所定時間経過した時点、コイル260に誘電起電力が生じたことを検出した時点、或いは、何らかの信号を受信した時点で、何らかの電力パターンを検出したか否かを判定する(ステップS304)。
【0105】
電力パターンが検出されていないと判定された場合(ステップS304:No)、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、ペアリングの失敗を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS306)、と共に、充電中止を示す信号を充電制御部240に送信する。
【0106】
電力パターンが検出されたと判定された場合(ステップS304:Yes)、接続管理部210は、アクセスポイント30に対し、本発明に係る「第3信号」の一例としての、検出された電力パターンを示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部220を制御する(ステップS305)と共に、充電開始を示す信号を充電制御部240に送信する。
【0107】
再び図7に戻り、アクセスポイント30の接続管理部310は、待機状態になってから所定時間経過した時点、或いは、ステップS201の処理において受信したペアリング開始命令を示す信号を送信した車両20から何らかの信号を受信した時点で、信号を受信したか否かを判定する(ステップS404)。
【0108】
信号を受信したと判定された場合(ステップS404:Yes)、接続管理部310は、ペアリングが成功したか否か(即ち、ステップS402の処理において送信した電力パターン信号の中に、ステップS305の処理(図6参照)において送信された電力パターンを示す信号と対応するものがあるか否か)を判定する(ステップS405)。
【0109】
ペアリングが成功したと判定された場合(ステップS405:Yes)、接続管理部310は、車両20に対し、ペアリングの成功を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS406)と共に、ステップS402の処理において、ステップS305の処理において送信された電力パターンを示す信号と対応する電力パターン信号を送信した充電インフラ10に対し、充電開始を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0110】
ステップS404の処理において、信号を受信していないと判定された場合(ステップS404:No)、或いは、ステップS405の処理において、ペアリングが失敗したと判定された場合(ステップS405:No)、接続管理部310は、車両20に対し、ペアリングが失敗したことを示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する(ステップS407)と共に、ステップ402の処理において電力パターン信号を送信した全ての充電インフラ10に対し、充電中止を示す信号をパケット化して送信するように、パケット生成・解析部320を制御する。
【0111】
本実施形態に係る「接続管理部310」、「パケット生成・解析部320」及び「パケット送受信部330」は、本発明に係る「第1の充電制御装置」の一例である。本実施形態に係る「接続管理部310」は、本発明に係る「第1の充電制御装置」の「識別手段」の一例である。本発明に係る「パケット生成・解析部320」及び「パケット送受信部330」は、本発明に係る「第1の充電制御装置」の「出力手段」及び「検出手段」の一例である。
【0112】
本実施形態に係る「パケット生成・解析部220」、「パケット送受信部230」及び「コイル260」は、本発明に係る「第2の充電制御装置」の一例である。本実施形態に係る「コイル260」は、本発明に係る「第2の充電制御装置」の「検出手段」の一例である。本実施形態に係る「接続管理部210」、「パケット生成・解析部220」及び「パケット送受信部230」は、本発明に係る「第2の充電制御装置」の「通信手段」の一例である。
【0113】
本実施形態に係る「パケット生成・解析部120」、「パケット送受信部130」、「送電制御部140」、「主回路150」及び「コイル160」は、本発明に係る「第3の充電制御装置」の一例である。本実施形態に係る「パケット生成・解析部120」及び「パケット送受信部130」は、本発明に係る「第3の充電制御装置」の「受信手段」の一例である。本実施形態に係る「送電制御部140」、「主回路150」及び「コイル160」は、本発明に係る「第3の充電制御装置」の「出力手段」の一例である。
【0114】
尚、上述した実施形態では充電システム1として、電磁誘導型の充電システムを挙げたが、本発明は、該電磁誘電型の充電システムに限らず、例えば電波受信型や、磁場結合共鳴型等の各種非接触充電方式を採用するシステムにも適用可能である。具体的には例えば、上述の実施形態に係る充電システム1として、電波受信型の充電システムを採用した場合は、上述の実施形態に係る「コイル160」及び「コイル260」を「アンテナ」と読み替えればよい。
【0115】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う充電制御装置及び方法、充電システム、対応付け方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
1…充電システム、10…充電インフラ、11…充電スペース、20…車両、30…アクセスポイント、100…駐車場、110、210、310…接続管理部、120、220、320…パケット生成・解析部、130、230、330…パケット送受信部、140…送電制御部、150…主回路、160、260…コイル、240…充電制御部、250…バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8