特許第6201039号(P6201039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201039
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/02 20090101AFI20170911BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170911BHJP
【FI】
   H04W4/02 110
   G06Q30/02 352
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-511592(P2016-511592)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2015059255
(87)【国際公開番号】WO2015151981
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-73543(P2014-73543)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】513147971
【氏名又は名称】株式会社エイス
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 暁
(72)【発明者】
【氏名】菊地 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中川 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中島 俊雄
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/036823(WO,A1)
【文献】 特表2014−530521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/02
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信端末と、
サーバ装置と
を備え、
前記第1通信端末が、
書き換え可能な識別子を記憶する発信機から発信される、当該発信機を識別するための当該識別子を受信する受信部と、
前記サーバ装置からサービスの提供を受けるため、前記受信部により受信された識別子を当該サーバ装置に送信するチェックイン部と
を有し、
前記サーバ装置が、
前記第1通信端末から受信した識別子が有効なものであった場合、当該第1通信端末に対し当該識別子に対応するコンテンツを送信する第2送信部と
前記発信機に記憶される識別子を変更する条件を満たすか否かを判断する判断部と
を有し、
前記第1通信端末から受信した識別子が前記条件を満たすと判断された場合、前記第2送信部が、当該第1通信端末に対し、当該識別子の変更を指示する第2変更指示を送信し、
前記第1通信端末が、
前記第2変更指示を受信すると前記書き換え可能な識別子を、第1識別子から第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を前記発信機に送信する第1送信部
を有する
通信システム。
【請求項2】
前記第1通信端末又は前記サーバ装置のいずれか、前記第2識別子を生成する生成部をさらに有する
請求項に記載の通信システム。
【請求項3】
前記判断部は、前記第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスしたときに、前記条件に含まれる第1条件を満たすか否かを判断し、
前記第1条件は、前記第1通信端末のアクセスが、
基準の時刻、曜日、又は日付を経過してから前記サーバ装置に対して行われた最初のアクセスであること、
前記発信機の識別子が前記第1識別子に変更された時点から所定の時間を経過したこと、又は
前記時点より後の期間において前記第1通信端末を含む少なくとも1の通信端末が前記サーバ装置にアクセスした回数の合計が所定の回数に達したことである
請求項又はに記載の通信システム。
【請求項4】
前記判断部は、前記第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスしたときに、前記条件に含まれる第2条件を満たすか否かを判断し、
前記第2条件は、前記第1通信端末の信頼度が基準より低いことである
請求項に記載の通信システム。
【請求項5】
記第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスした後、前記識別子の受信に応じて前記サーバ装置にアクセスする第2通信端末を含み、
前記第2送信部は、前記第1条件を満たすと判断された場合には、前記第2変更指示を前記第1通信端末に送信し、前記第2条件を満たすと判断された場合には、前記第2変更指示を前記第2通信端末に送信し
記第2通信端末は、前記第2変更指示を受信すると、前記第1変更指示を前記発信機に送信する第3送信部を有する
請求項に記載の通信システム。
【請求項6】
書き換え可能な識別子を記憶する発信機から発信される、当該発信機を識別するための識別子を通信端末が受信するステップと、
サーバ装置からサービスの提供を受けるため、前記受信された識別子を前記通信端末が前記サーバ装置に送信するステップと、
前記通信端末から受信した識別子が有効なものであった場合、前記サーバ装置が、当該通信端末に対し当該識別子に対応するコンテンツを送信するステップと、
前記サーバ装置が、記通信端末から受信した識別子を変更する条件を満たすか否かを判断するステップと、
前記通信端末から受信した識別子が前記条件を満たすと判断された場合、前記サーバ装置が、当該通信端末に対し、当該識別子の変更を指示する第2変更指示を送信し、
前記第2変更指示を受信すると前記書き換え可能な識別子を、第1識別子から第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を、前記通信端末が前記発信機に送信するステップと
を備える通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信機の識別子を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アクセスポイントやビーコン等の機器から発信される識別子は、悪意のある第三者に知られると、システムやサービスを不正に利用するために用いられる場合がある。このような不正使用を防ぐための技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、アクセスポイント固有のID情報が格納される領域に、本来のMACアドレスとは異なるダミーアドレスを格納して送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−242282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明のように、識別子を発信する機器側で識別子を制御する処理を行う場合には、発信機がその処理を行うための構成を備える必要がある。この場合、発信機の構成が複雑になり、発信機の電力消費が増加するという問題がある。
本発明は、発信機の構成の複雑化を招くことなく、発信機から発信される識別子の不正使用を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、発信機から発信される第1識別子を受信する受信部と、前記第1識別子を変更する条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記条件を満たすと判断された場合には、前記発信機と通信を確立し、前記第1識別子を第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を前記発信機に送信する第1送信部とを備える通信システムを提供する。
【0006】
前記通信システムは、前記受信部を有し、前記第1識別子の受信に応じてサーバ装置にアクセスする少なくとも1の通信端末と、前記少なくとも1の通信端末からのアクセスに応じて、前記少なくとも1の通信端末にサービスを提供するサーバ装置とを備え、前記サーバ装置は、前記判断部を有し、前記少なくとも1の通信端末は、前記第1送信部を有してもよい。
【0007】
前記少なくとも1の通信端末又は前記サーバ装置のいずれかは、前記第2識別子を生成する生成部をさらに有してもよい。
【0008】
前記判断部は、前記少なくとも1の通信端末に含まれる第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスしたときに、前記条件に含まれる第1条件を満たすか否かを判断し、前記第1条件は、前記第1通信端末のアクセスが、基準の時刻、曜日、又は日付を経過してから前記サーバ装置に対して行われた最初のアクセスであること、前記発信機の識別子が前記第1識別子に変更された時点から所定の時間を経過したこと、又は前記時点より後の期間において前記第1通信端末を含む少なくとも1の通信端末が前記サーバ装置にアクセスした回数の合計が所定の回数に達したことであってもよい。
【0009】
前記判断部は、前記少なくとも1の通信端末に含まれる第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスしたときに、前記条件に含まれる第2条件を満たすか否かを判断し、前記第2条件は、前記第1通信端末の信頼度が基準より低いことであってもよい。
【0010】
前記少なくとも1の通信端末は、前記第1通信端末が前記サーバ装置にアクセスした後に、前記第1識別子の受信に応じて前記サーバ装置にアクセスする第2通信端末を含み、前記サーバ装置は、前記第1条件を満たすと判断された場合には、前記第1識別子を第2識別子に変更するよう指示する第2変更指示を前記第1通信端末に送信し、前記第2条件を満たすと判断された場合には、前記第2変更指示を前記第2通信端末に送信する第2送信部を有し、前記第1通信端末及び前記第2通信端末は、それぞれ前記第1送信部を有し、前記第1送信部は、前記第2変更指示を受信した場合に、前記第1変更指示を前記発信機に送信してもよい。
【0011】
本発明は、発信機から発信される第1識別子を受信する受信部と、前記第1識別子を変更する条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記条件を満たすと判断された場合には、前記発信機と通信を確立し、前記第1識別子を第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を前記発信機に送信する第1送信部とを備える通信端末を提供する。
【0012】
前記通信端末は、前記第2識別子を生成する生成部をさらに有してもよい。
【0013】
本発明は、発信機から発信される第1識別子を受信するステップと、前記第1識別子を変更する条件を満たすか否かを判断するステップと、前記条件を満たすと判断された場合には、前記発信機と通信を確立し、前記第1識別子を第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を前記発信機に送信するステップとを備える通信方法を提供する。
【0014】
本発明は、コンピュータに、発信機から発信される第1識別子を受信するステップと、前記第1識別子を変更する条件を満たすか否かを判断するステップと、前記条件を満たすと判断された場合には、前記発信機と通信を確立し、前記第1識別子を第2識別子に変更するよう指示する第1変更指示を前記発信機に送信するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発信機の構成の複雑化を招くことなく、発信機から発信される識別子の不正使用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る通信システムの全体構成を示す図。
図2】通信端末のハードウェア構成を示す図。
図3】サーバ装置のハードウェア構成を示す図。
図4】管理テーブルの一例を示す図。
図5】履歴情報の一例を示す図。
図6】第1実施形態に係る通信システムの機能構成を示す図。
図7】第1実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャート。
図8】新たなビーコン識別子が格納された管理テーブルを示す図。
図9】変更確定処理後の管理テーブルを示す図。
図10】不正端末に対応する処理を示すシーケンスチャート。
図11】リトライ処理を示すシーケンスチャート。
図12】第2実施形態に係る通信システムの機能構成を示す図。
図13】第2実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャート。
図14】第3実施形態に係る通信システムの機能構成を示す図。
図15】第3実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.第1実施形態
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
【0018】
(1)構成
図1は、第1実施形態に係る通信システム10の全体構成を示す図である。この通信システム10は、特定の場所に移動したユーザに対して、特定の場所を来訪した特典として、コンテンツを配信するサービスを提供するシステムである。通信システム10は、サーバ装置100と、通信端末200−1、200−2、及び200−3と、ビーコン300(発信機の一例)とを備える。なお、以下の説明において、通信端末200−1、200−2、及び200−3を特に区別する必要がない場合には、総称して「通信端末200」という。
【0019】
サーバ装置100と通信端末200とは、インターネット及び移動体通信網を含むネットワーク20を介して接続される。ビーコン300は、例えば店舗に設置される。ビーコン300は、通信範囲30内に存在する通信端末200との間で、Bluetooth(登録商標) Low Energy等の近距離無線規格に従って無線通信を行う。ビーコン300は、予め格納されたビーコン識別子を発信する機能を有する。ビーコン300は、このビーコン識別子により一意に識別される。なお、図1では、ビーコン300が1台だけ示されているが、ビーコン300の数は2台以上あってもよい。また、通信端末200の数も3台に限定されない。
【0020】
通信端末200は、例えばスマートフォンである。通信端末200は、ビーコン300の通信範囲30内に移動すると、サーバ装置100にチェックインして、このビーコン300に対応するサービスの提供を受ける機能を有する。このチェックインとは、サーバ装置100にアクセスして、現在位置を知らせることをいう。
【0021】
図2は、通信端末200のハードウェア構成を示す図である。通信端末200は、プロセッサ210と、メインメモリ220と、通信部230と、操作部250と、表示部260と、記憶部270とを備える。
【0022】
プロセッサ210は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ210は、記憶部270に記憶されたプログラムを実行することにより、通信端末200の各部を制御する。メインメモリ220は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成される。メインメモリ220は、プログラムやデータを一時的に記憶する。メインメモリ220は、プロセッサ210の作業領域として用いられる。通信部230は、ネットワーク20に接続される通信用のインタフェースである。通信部230は、ネットワーク20を介してサーバ装置100と通信を行う。また、通信部230は、ビーコン300の通信範囲30内にて、ビーコン300と無線通信を行う。
【0023】
操作部250は、例えばタッチパネルとキーとにより構成される。操作部250は、ユーザの操作に応じた信号をプロセッサ210に入力する。表示部260は、例えば液晶ディスプレイにより構成される。表示部260は、各種の情報を表示する。記憶部270は、例えばフラッシュメモリにより構成される。記憶部270には、各種のプログラムやデータが記憶される。また、記憶部270には、サーバ装置100にチェックインする機能を提供するアプリケーションが記憶される。
【0024】
サーバ装置100は、チェックインした通信端末200に対し、コンテンツを配信するサービスを提供する機能を有する。また、サーバ装置100は、ビーコン300から発信されるビーコン識別子の不正使用を防止するために、通信端末200と協働して、ビーコン識別子を変更する機能を有する。
【0025】
図3は、サーバ装置100のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置100は、プロセッサ110と、メインメモリ120と、通信部130と、操作部140と、表示部150と、記憶部160とを備える。
【0026】
プロセッサ110は、例えばCPUにより構成される。プロセッサ110は、記憶部160に記憶されたプログラムを実行することにより、サーバ装置100の各部を制御する。メインメモリ120は、例えばRAMにより構成される。メインメモリ120は、プログラムやデータを一時的に記憶する。メインメモリ120は、プロセッサ110の作業領域として用いられる。通信部130は、ネットワーク20に接続される通信用のインタフェースである。通信部130は、ネットワーク20を介して通信端末200と通信を行う。
【0027】
操作部140は、例えばマウスとキーボードとにより構成される。操作部140は、ユーザの操作に応じた信号をプロセッサ110に入力する。表示部150は、例えば液晶ディスプレイにより構成される。表示部150は、各種の情報を表示する。記憶部160は、例えばハードディスクにより構成される。記憶部160には、各種のプログラムやデータが記憶される。また、記憶部160には、通信端末200に配信されるコンテンツが記憶される。このコンテンツは、例えばビーコン300が設置された店舗の来店ポイントやクーポン券である。さらに、記憶部160には、ビーコン識別子を管理する管理テーブル161と、チェックインの履歴を示す履歴情報162とが記憶される。
【0028】
図4は、管理テーブル161の一例を示す図である。管理テーブル161は、コンテンツIDと、ビーコン識別子と、ステータスと、変更日時とが関連付けて格納される。コンテンツIDは、記憶部160に記憶されたコンテンツを識別する情報である。ビーコン識別子は、ビーコン300を識別する情報である。ステータスは、ビーコン識別子の状態を示す情報である。変更日時は、ビーコン識別子が変更された日時である。
【0029】
図5は、履歴情報162の一例を示す図である。履歴情報162は、チェックイン日時と、端末IDと、ビーコン識別子とを含む。チェックイン日時は、通信端末200がサーバ装置100にチェックインした日時である。端末IDは、通信端末200を識別する情報である。ビーコン識別子は、ビーコン300を識別する情報である。
【0030】
図5に示す例では、履歴情報162には、チェックイン日時「2014/3/1 10:00」、端末ID「T1」、ビーコン識別子「B1」とが関連付けられている。これは、2014/3/1 10:00に、端末ID「T1」により識別される通信端末200が、ビーコン識別子「B1」により識別されるビーコン300の通信範囲30内でチェックインを行ったことを示す。履歴情報162は、通信端末200がサーバ装置100にチェックインする度に更新される。
【0031】
図6は、第1実施形態に係る通信システム10の機能構成を示す図である。通信端末200は、プロセッサ210が記憶部270に記憶されたアプリケーションを実行することにより、受信部211、チェックイン部212、第1送信部213、及び通知部214として機能する。これらの機能構成は、プロセッサ210と他のハードウェア構成との協働により実現されてもよい。
【0032】
受信部211は、ビーコン300から発信された第1ビーコン識別子を受信する。チェックイン部212は、第1ビーコン識別子の受信に応じてサーバ装置100にチェックインする。第1送信部213は、サーバ装置100により第1ビーコン識別子を変更する条件を満たすと判断された場合には、ビーコン300と通信を確立し、第1ビーコン識別子を第2ビーコン識別子に変更するよう指示する第1変更指示をビーコン300に送信する。通知部214は、変更指示に従ってビーコン300のビーコン識別子が変更されると、ビーコン300のビーコン識別子の変更に成功したことをサーバ装置100に通知する。
【0033】
サーバ装置100は、プロセッサ110が記憶部160に記憶された1又は複数のプログラムを実行することにより、判断部111、生成部112、第2送信部113、及び確定処理部114として機能する。これらの機能構成は、プロセッサ110と他のハードウェア構成との協働により実現されてもよい。
【0034】
判断部111は、通信端末200がサーバ装置100にチェックインしたときに、第1ビーコン識別子を変更する条件を満たすか否かを判断する。生成部112は、第2ビーコン識別子を生成する。第2送信部113は、ビーコン300に対応するコンテンツとともに、ビーコン300の第1ビーコン識別子を第2ビーコン識別子に変更するよう指示する第2変更指示を通信端末200に送信する。確定処理部114は、通知部214からビーコン300のビーコン識別子の変更に成功したことが通知されると、ビーコン識別子の変更を確定する処理を行う。
【0035】
(2)動作
(2−1)ビーコン識別子の変更処理
図7は、第1実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャートである。この変更処理は、通信端末200がビーコン300の通信範囲30内に移動したときに開始される。ここでは、通信端末200−1(第1通信端末の一例)がビーコン300の通信範囲30内に移動したものとする。ビーコン300は、予め格納されたビーコン識別子を含むアドバタイズ情報を発信する。ここでは、ビーコン300のビーコン識別子は「B1」(第1識別子の一例)であるものとする。また、通信端末200−1の端末IDは「T1」であるものとする。
【0036】
ステップS101において、通信端末200−1の受信部211は、ビーコン300からアドバタイズ情報を受信する。このアドバタイズ情報には、ビーコン300のビーコン識別子「B1」が含まれる。
【0037】
ステップS102において、通信端末200−1のチェックイン部212は、ビーコン300から受信したアドバタイズ情報に含まれるビーコン識別子「B1」と自身の端末ID「T1」とをサーバ装置100に送信してチェックインを行う。
【0038】
ステップS103において、サーバ装置100の判断部111は、通信端末200−1からビーコン識別子及び端末IDを受信すると、このビーコン識別子を変更するための変更条件(条件の一例)を満たすか否かを判断する。この変更条件には、定期的にビーコン識別子を変更するための第1条件と、信頼度の低い通信端末200のチェックインに応じてビーコン識別子を変更するための第2条件とが含まれる。
【0039】
第1条件は、例えば以下の条件のいずれか一つ又は2つ以上の組み合わせである。
(a)基準の時刻、曜日、又は日付が経過してから最初のチェックインであること
(b)ビーコン識別子が前回変更された時点から所定の時間を経過したこと
(c)ビーコン識別子が前回変更された時点より後の期間におけるビーコン300の通信範囲30内でのチェックイン回数(アクセスした回数の一例)の合計が所定の回数に達したこと
【0040】
例えば第1条件が上述した(a)であり、基準の時刻が10:00であるものとする。この場合、履歴情報162に基づいて、通信端末200−1のチェックインが、本日10:00以降にビーコン300の通信範囲30内でサーバ装置100に対して行われた最初のチェックインであるか否かが判断される。通信端末200−1のチェックインが最初のチェックインである場合には、第1条件を満たすと判断される。
【0041】
例えば第1条件が上述した(b)であり、所定の時間が1日であるものとする。この場合、通信端末200−1がサーバ装置100にチェックインした日時が、管理テーブル161にてビーコン識別子「B1」と関連付けられた変更日時から1日を経過しているか否かが判断される。1日を経過している場合には、第1条件を満たすと判断される。
【0042】
例えば第1条件が上述した(c)であり、所定の回数が100回であるものとする。この場合、履歴情報162に基づいて、管理テーブル161にてビーコン識別子「B1」と関連付けられた変更日時より後の期間において、通信端末200−1を含む少なくとも1の通信端末200がビーコン300の通信範囲30内にてサーバ装置100にチェックインした回数の合計が計算される。この回数が100回に達している場合には、第1条件を満たすと判断される。
【0043】
例えば第1条件が上述した(b)及び(c)の組み合わせ(論理和)であるものとする。この場合、上述した(b)又は(c)のいずれかに該当する場合には、第1条件を満たすと判断される。なお、2つ以上の条件、例えば(b)及び(c)の論理積が第1条件として用いられてもよい。
【0044】
第2条件は、例えばビーコン識別子を不正に使用する可能性が高い不正端末がチェックインしたことである。この不正端末とは、信頼度が基準より低い通信端末200をいう。通信端末200−1が不正端末であるか否かは、例えば予め作成された不正端末のリストに基づいて判定される。あるいは、正規の(不正でない)端末のリストに基づいて判定されてもよい。通信端末200−1が不正端末のリストに記載されている場合には、通信端末200−1が不正端末であると判定される。この場合、不正端末がチェックインしたため、第2条件を満たすと判断される。
【0045】
なお、通信端末200−1が不正端末であるか否かは、通信端末200−1のチェックイン日時、通信端末200−1のチェックイン履歴、通信端末200−1によるビーコン300の周辺に設置された他のビーコンのビーコン識別子の受信履歴、又は通信端末200−1の位置に基づいて判定されてもよい。
【0046】
第1条件を満たす場合、サーバ装置100はステップS104に進む。ステップS104において、サーバ装置100の生成部112は、ビーコン識別子の暫定変更処理を行う。具体的には、生成部112は、通信端末200−1から受信したビーコン識別子「B1」とは異なる新たなビーコン識別子を生成する。ここでは、ビーコン識別子「B2」(第2識別子の一例)が生成されるものとする。生成部112は、生成したビーコン識別子「B2」とステータス「暫定」とを管理テーブル161に格納する。この「暫定」というステータスは、暫定的に変更された状態を示す。
【0047】
図8は、新たなビーコン識別子が格納された管理テーブル161を示す図である。図8に示す例では、管理テーブル161には、ビーコン300の現状のビーコン識別子「B1」とコンテンツID「1」とが関連付けられている。この場合、このコンテンツID「1」と関連付けて、新たなビーコン識別子「B2」とステータス「暫定」とが格納される。
【0048】
ステップS105において、サーバ装置100の第2送信部113は、ビーコン300に対応するコンテンツと、ビーコン300のビーコン識別子「B1」をビーコン識別子「B2」に変更するよう指示する変更指示(第2変更指示の一例)を通信端末200−1に送信する。図8に示す例では、管理テーブル161には、ビーコン300の現状のビーコン識別子「B1」とコンテンツID「1」とが関連付けられている。この場合、コンテンツID「1」により識別されるコンテンツが記憶部160から読み出され、通信端末200−1に送信される。また、このコンテンツとともに、ステップS104で生成されたビーコン識別子「B2」を含む変更指示が通信端末200−1に送信される。
【0049】
ステップS106において、通信端末200−1の第1送信部213は、サーバ装置100からコンテンツ及び変更指示を受信すると、近距離無線規格に従って、ビーコン300と接続を行う。これにより、通信端末200−1とビーコン300との間に通信が確立される。
【0050】
ステップS107において、通信端末200−1の第1送信部213は、ビーコン300のビーコン識別子「B1」をビーコン識別子「B2」に変更するよう指示する変更指示(第1変更指示の一例)をビーコン300に送信する。この変更指示には、サーバ装置100から受信したビーコン識別子「B2」が含まれる。
【0051】
ステップS108において、ビーコン300は、通信端末200−1から変更指示を受信すると、格納されたビーコン識別子「B1」をビーコン識別子「B2」に書き換える。これにより、ビーコン300のビーコン識別子が「B1」から「B2」に変更される。以後、ビーコン300は、ビーコン識別子「B2」を含むアドバタイズ情報を発信する。
【0052】
ステップS109において、ビーコン300は、ビーコン識別子の変更に成功したことを示す成功通知を通信端末200−1に送信する。ステップS110において、通信端末200−1の通知部214は、ビーコン300からこの成功通知を受信すると、ビーコン300のビーコン識別子の変更に成功したことを示す成功通知をサーバ装置100に送信する。ステップS111において、サーバ装置100の確定処理部114は、通信端末200−1から成功通知を受信すると、変更確定処理を行う。
【0053】
図9は、変更確定処理後の管理テーブル161を示す図である。具体的には、サーバ装置100は、管理テーブル161においてビーコン識別子「B2」に関連付けられたステータスを「暫定」から「確定」に変更する。この「確定」というステータスは、変更が確定した状態を示す。以後、ビーコン識別子「B2」がビーコン300のビーコン識別子として用いられる。また、サーバ装置100は、管理テーブル161においてビーコン識別子「B1」に関連付けられたステータスを「確定」から「変更前」に変更する。この「変更前」というステータスは、変更前に使用されていたが、変更により使用されなくなった状態を示す。以後、ビーコン識別子「B1」はビーコン300のビーコン識別子として使用されない。したがって、仮に通信端末200からビーコン識別子「B1」を用いてチェックインが行われても、サーバ装置100は、この通信端末200に対してコンテンツの配信を行わない。
【0054】
なお、ステップS103にて、第1条件及び第2条件のいずれも満たさないと判断された場合には、ビーコン300に対応するコンテンツだけが通信端末200−1に送信される。通信端末200−1は、サーバ装置100からコンテンツを受信すると、例えば受信したコンテンツを表示部260に表示する。また、上述したステップS105にてサーバ装置100からコンテンツを受信した場合にも、通信端末200−1は、受信したコンテンツを表示部260に表示する。これにより、ユーザは、コンテンツが配信されたことを認識することができる。
【0055】
一方、上述したステップS103にて第2条件を満たす場合、サーバ装置100は不正端末に対応する処理を行う。
【0056】
(2−2)不正端末に対応する処理
図10は、不正端末に対応する処理を示すシーケンスチャートである。この処理は、不正端末と判定された通信端末200−1の後にいずれかの通信端末200がビーコン300の通信範囲30内に移動したときに開始される。ここでは、通信端末200−1の後に通信端末200−2(第2通信端末の一例)がビーコン300の通信範囲30内に移動したものとする。
【0057】
ステップS121及びS122において、通信端末200−2は、上述したステップS101及びS102と同様に、サーバ装置100にチェックインする。ステップS123において、サーバ装置100の判断部111は、ビーコン300のビーコン識別子を変更する処理を開始するための開始条件を満たすか否かを判断する。この開始条件は、例えば不正端末と判定された通信端末200−1が次にビーコン300のビーコン識別子「B1」を用いてチェックインを行うまでに処理が開始されるような条件に設定される。
【0058】
この開始条件は、不正端末と判定された通信端末200−1がチェックインした時点から所定の時間が経過したこと、又は不正端末と判定された通信端末200−1がチェックインした時点より後の期間におけるビーコン300の通信範囲30内でのチェックイン回数の合計が所定の回数に達したことである。
【0059】
例えば、開始条件が前者の条件であり、所定の時間が1日であるものとする。この場合、通信端末200−2がチェックインした日時が、履歴情報162が示す通信端末200−1のチェックイン日時から1日を経過しているか否かが判断される。1日を経過している場合には、開始条件を満たすと判断される。例えば、サーバ装置100により同一の通信端末200による同一のビーコン識別子を用いたチェックインが、1日1回までに制限されている場合には、このような開始条件が有効である。
【0060】
例えば、開始条件が後者の条件であり、所定の回数が1回であるものとする。この場合、履歴情報162に基づいて、通信端末200−2が通信端末200−1の次にビーコン300の通信範囲30内にてチェックインを行ったか否かが判断される。通信端末200−2が通信端末200−1の次にチェックインを行った場合には、チェックイン回数の合計が1回に達するため、開始条件を満たすと判断される。
【0061】
開始条件を満たす場合、サーバ装置100はステップS124に進む。ステップS124において、サーバ装置100の生成部112は、上述したステップS104と同様に、暫定変更処理を行う。ステップS125において、サーバ装置100の第2送信部113は、ステップS105と同様に、ビーコン300に対応するコンテンツと、ビーコン300のビーコン識別子「B1」を「B2」に変更するよう指示する変更指示を通信端末200−2に送信する。
【0062】
ステップS126〜S130において、通信端末200−2及びビーコン300は、上述したステップS106〜S110と同様の処理を行う。ステップS131において、サーバ装置100は、ステップS111と同様に変更確定処理を行う。
【0063】
なお、ステップS123にて、開始条件を満たさないと判断された場合には、ビーコン300に対応するコンテンツだけが通信端末200−2に送信される。そして、いずれかの通信端末200がビーコン300の通信範囲30内に移動したときに、再び不正端末に対応する処理が行われる。
【0064】
(2−3)リトライ処理
上述したステップS106〜S110の処理の間に、通信端末200−1又はビーコン300に異常が発生した場合には、通信端末200−1からビーコン300のビーコン識別子の変更に失敗したことを示すエラー通知がサーバ装置100に送信されるか、通信端末200−1から所定の時間内に成功通知が送信されず、タイムアウトする。例えば、ステップS106〜S110の間に、通信端末200−1の電池が切れた場合には、このような事態が発生する。この場合、リトライ処理が行われる。なお、ここでは、ビーコン識別子の変更処理で行われるリトライ処理について説明するが、不正端末に対応する処理についても、同様のリトライ処理が行われてもよい。
【0065】
図11は、リトライ処理を示すシーケンスチャートである。このリトライ処理は、サーバ装置100が通信端末200−1からエラー通知を受信した後、又は通信端末200−1から所定の時間内に成功通知が送信されず、タイムアウトした後、いずれかの通信端末200がビーコン300の通信範囲30内に移動したときに開始される。ここでは、通信端末200−1の後に通信端末200−3がビーコン300の通信範囲30内に移動したものとする。
【0066】
ステップS141及びS142において、通信端末200−3は、ステップS101及びS102と同様に、サーバ装置100にチェックインする。ステップS143において、サーバ装置100の判断部111は、通信端末200−3から受信したビーコン識別子が、変更前の「B1」であるか、変更後の「B2」であるかを判断する。
【0067】
通信端末200−3から受信したビーコン識別子が変更後の「B2」である場合には、ビーコン300に格納されたビーコン識別子が「B1」から「B2」に書き換えられた後、ビーコン300又は通信端末200−1に異常が発生したことを示す。この場合、サーバ装置100は上述したステップS111に進み、変更確定処理を行う。これにより、図9に示すように、管理テーブル161においてビーコン識別子「B2」に関連付けられたステータスが「暫定」から「確定」に変更されるとともに、ビーコン識別子「B1」に関連付けられたステータスが「確定」から「変更前」に変更される。
【0068】
一方、通信端末200−3から受信したビーコン識別子が変更前の「B1」である場合には、ビーコン300に格納されたビーコン識別子が「B1」から「B2」に書き換えられる前に、ビーコン300又は通信端末200−1に異常が発生したことを示す。この場合、サーバ装置100はステップS144に進む。
【0069】
ステップS144において、サーバ装置100の第2送信部113は、上述したステップS105と同様に、ビーコン300に対応するコンテンツと、ビーコン300のビーコン識別子「B1」を「B2」に変更するよう指示する変更指示を通信端末200−3に送信する。この変更指示には、上述したステップS104で生成されたビーコン識別子「B2」が含まれる。
【0070】
ステップS145〜S149において、通信端末200−3及びビーコン300は、ステップS106〜S110と同様の処理を行う。ステップS150において、サーバ装置100は、ステップS111と同様に変更確定処理を行う。
【0071】
通信システム10では、通信端末200を持ってビーコン300の通信範囲30内に入ると、誰でもビーコン300のビーコン識別子を取得することができる。仮にビーコン識別子を変更しない場合には、悪意のあるユーザによりビーコン識別子が複製され、複製したビーコン識別子を用いてサーバ装置100に繰り返しチェックインが行われ、不正にコンテンツが取得される恐れがある。しかし、第1実施形態によれば、ビーコン識別子が定期的に変更されるため、仮に悪意のあるユーザによりビーコン識別子が複製されても、限られた期間しかそのビーコン識別子を使用してチェックインを行うことができない。これにより、ビーコン300から発信されるビーコン識別子の不正使用を抑制することができる。
【0072】
また、第1実施形態によれば、不正端末によりチェックインが行われた場合には、不正端末に対応する処理に遷移し、不正端末の後にビーコン300の通信範囲30内でチェックインを行った通信端末200を介して、ビーコン識別子を変更する処理が行われる。この場合、不正端末は変更後のビーコン識別子を把握できないため、不正端末による変更後のビーコン識別子の複製を防ぐことができる。
【0073】
また、第1実施形態によれば、ビーコン300は、サーバ装置100及び通信端末200からの変更指示に従ってビーコン識別子を変更する。この場合、ビーコン300側で複雑な処理を行う必要がないため、ビーコン300の構成が複雑化せず、消費電力の増加も抑制される。
【0074】
また、第1実施形態によれば、ビーコン300からアドバタイズ情報を受信した通信端末200の一部だけがビーコン300に接続し、ビーコン識別子を変更する処理が行われる。したがって、ビーコン300からアドバタイズ情報を受信した全ての通信端末200がビーコン300に接続し、ビーコン識別子を変更する処理を行う場合に比べて、ビーコン300の電力消費を減らすことができる。
【0075】
2.第2実施形態
以下、図面を参照して本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、サーバ装置100に代えて通信端末200が新たなビーコン識別子を生成する処理を行う。以下の説明では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0076】
通信システム10の構成は、基本的には、第1実施形態の構成と同様である。ただし、第2実施形態に係る通信システム10は、第1実施形態に係る通信システム10と機能構成が異なる。
【0077】
図12は、第2実施形態に係る通信システム10の機能構成を示す図である。通信端末200は、第1実施形態で説明した受信部211、チェックイン部212、第1送信部213、及び通知部214に加えて、生成部215として機能する。この生成部215は、第1実施形態で説明したサーバ装置100の生成部112と同様に、第2ビーコン識別子を生成する。
【0078】
サーバ装置100は、第1実施形態で説明した判断部111、第2送信部113、及び確定処理部114として機能する。ただし、第2送信部113は、ビーコン300に対応するコンテンツとともに、ビーコン300のビーコン識別子を変更するよう指示する変更指示を通信端末200に送信する。なお、第2実施形態では、サーバ装置100が生成部112を有する必要はない。
【0079】
図13は、第2実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャートである。ステップS201〜S203の処理は、第1実施形態で説明したステップS101〜S103の処理と同様である。ステップS203において第1条件を満たす場合、サーバ装置100はステップS204に進む。
【0080】
ステップS204において、サーバ装置100の第2送信部113は、ビーコン300のビーコン識別子を変更するよう指示する変更指示を通信端末200−1に送信する。
【0081】
ステップS205において、通信端末200−1の生成部215は、サーバ装置100から変更指示を受信すると、ビーコン300から受信したビーコン識別子「B1」とは異なる新たなビーコン識別子を生成する。ここでは、ビーコン識別子「B2」が生成されるものとする。
【0082】
ステップS206〜S209の処理は、第1実施形態で説明したステップS106〜S109の処理と同様である。ステップS210において、通信端末200−1の通知部214は、ステップS205で新たに生成したビーコン識別子「B2」と成功通知とをサーバ装置100に送信する。
【0083】
ステップS211において、サーバ装置100の確定処理部114は、通信端末200−1から新たなビーコン識別子及び成功通知を受信すると、変更確定処理を行う。具体的には、サーバ装置100は、図9に示すように、コンテンツID「1」と関連付けて、ビーコン識別子「B2」と、ステータス「確定」とを管理テーブル161に格納する。また、サーバ装置100は、管理テーブル161においてビーコン識別子「B1」に関連付けられたステータスを「確定」から「変更前」に変更する。
【0084】
また、不正端末に対応する処理についても同様に、通信端末200は、サーバ装置100に代えて新たなビーコン識別子を生成してもよい。具体的には、サーバ装置100は、開始条件を満たすと判断した場合に、ビーコン300のビーコン識別子を変更するよう指示する変更指示を通信端末200に送信する。通信端末200は、この変更指示を受信すると、ビーコン300から受信したビーコン識別子「B1」とは異なる新たなビーコン識別子を生成する。また、通信端末200は、ビーコン300から成功通知を受信すると、新たに生成したビーコン識別子と成功通知とをサーバ装置100に送信する。
【0085】
第2実施形態によれば、新たなビーコン識別子を生成する処理が通信端末200で行われるため、サーバ装置100の処理負担が軽減される。
【0086】
3.第3実施形態
以下、図面を参照して本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、基本的には、通信端末200とビーコン300との間でビーコン識別子を変更する処理が行われる。以下の説明では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0087】
通信システム10の構成は、基本的には、第1実施形態の構成と同様である。ただし、第3実施形態に係る通信システム10の機能構成は、第1実施形態に係る通信システム10の機能構成と異なる。
【0088】
図14は、第3実施形態に係る通信システム10の機能構成を示す図である。通信端末200は、第1実施形態で説明した受信部211、チェックイン部212、第1送信部213、及び通知部214に加えて、判断部216及び生成部215として機能する。判断部216は、第1実施形態で説明したサーバ装置100の判断部111と同様に、第1ビーコン識別子を変更する条件を満たすか否かを判断する。生成部215は、第1実施形態で説明したサーバ装置100の生成部112と同様に、第2ビーコン識別子を生成する。
【0089】
サーバ装置100は、第1実施形態で説明した第2送信部113及び確定処理部114として機能する。ただし、第2送信部113は、ビーコン300に対応するコンテンツだけを通信端末200に送信する。なお、第3実施形態では、サーバ装置100が判断部111及び生成部112を有する必要はない。
【0090】
また、通信端末200には、所定のタイミングでサーバ装置100から第1条件及び第2条件の判断に必要な情報が送信される。例えば、サーバ装置100は、管理テーブル161及び履歴情報162が更新される度に、更新後の管理テーブル161及び履歴情報162が通信端末200に送信される。他の例として、通信端末200は第1条件及び第2条件の判断に必要な情報をサーバ装置100に問い合わせて取得してもよい。
【0091】
図15は、第3実施形態に係るビーコン識別子の変更処理を示すシーケンスチャートである。ステップS301及びS302の処理は、第1実施形態のステップS101及びS102の処理と同様である。ステップS303において、サーバ装置100の第2送信部113は、ビーコン300に対応するコンテンツを通信端末200−1に送信する。通信端末200−1は、サーバ装置100からコンテンツを受信すると、例えば受信したコンテンツを表示部260に表示する。
【0092】
ステップS304において、通信端末200−1の判断部216は、第1実施形態で説明したステップS103と同様に、ビーコン識別子を変更するための変更条件を満たすか否かを判断する。
【0093】
第1条件を満たす場合、サーバ装置100はステップS305に進む。ステップS305において、通信端末200−1の生成部215は、ビーコン300から受信したビーコン識別子「B1」とは異なる新たなビーコン識別子を生成する。ここでは、ビーコン識別子「B2」が生成されるものとする。
【0094】
ステップS306〜S309の処理は、第1実施形態で説明したステップS106〜S109と同様である。ステップS310において、通信端末200−1の通知部214は、ステップS305で新たに生成したビーコン識別子「B2」と成功通知とをサーバ装置100に送信する。
【0095】
ステップS311において、サーバ装置100の確定処理部114は、通信端末200−1から新たなビーコン識別子及び成功通知を受信すると、変更確定処理を行う。具体的には、サーバ装置100は、図9に示すように、コンテンツID「1」と関連付けて、ビーコン識別子「B2」と、ステータス「確定」とを管理テーブル161に格納する。また、サーバ装置100は、管理テーブル161においてビーコン識別子「B1」に関連付けられたステータスを「確定」から「変更前」に変更する。
【0096】
一方、ステップS304にて第2条件を満たす場合には、通信端末200−1はこの処理を終了する。この場合、ステップS305〜S311の処理は行われない。
【0097】
第3実施形態によれば、サーバ装置100は、コンテンツを配信する処理は行うものの、ビーコン識別子を変更する処理には基本的には関与しないため、サーバ装置100を介さずにビーコン識別子を変更することができる。
【0098】
4.変形例
本発明は、上述した第1実施形態から第3実施形態に限定されない。例えば、第1実施形態から第3実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0099】
(1)変形例1
上述した第1実施形態から第3実施形態において、変更条件には、単位時間当たりのチェックイン回数が閾値を越えたことに応じてビーコン識別子を変更するための第3条件が含まれてもよい。第3の条件は、例えば同一のビーコン300の通信範囲30内での単位時間当たりのチェックイン回数が閾値より大きいことである。例えば、履歴情報162に基づいて、ビーコン300の通信範囲30内での単位時間当たりのチェックイン回数の合計が計算される。この回数が閾値より大きい場合には、第3条件を満たすと判断される。第3条件を満たす場合には、第1条件を満たす場合と同様の処理が行われる。
【0100】
(2)変形例2
上述した第1実施形態から第3実施形態において、変更条件には、ビーコン300に対応するコンテンツの変更に応じてビーコン識別子を変更するための第4条件が含まれてもよい。第4の条件は、例えばビーコン300に対応するコンテンツが変更された後、ビーコン300の通信範囲30内での最初のチェックインであることである。例えば、履歴情報162に基づいて、通信端末200のチェックインが、ビーコン300に対応するコンテンツが変更された後、ビーコン300の通信範囲30内でサーバ装置100に対して行われた最初のチェックインであるか否かが判断される。通信端末200のチェックインが最初のチェックインである場合には、第4条件を満たすと判断される。第4条件を満たす場合には、第1条件を満たす場合と同様の処理が行われる。
【0101】
(3)変形例3
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、第2条件を満たすと判断された場合、サーバ装置100は、不正端末からのチェックインを許可してもよいし、拒否してもよい。例えば、不正端末からのチェックインを許可する場合、サーバ装置100は、不正端末と判定された通信端末200にコンテンツを送信する。これは、不正端末と判定された通信端末200のユーザが、必ずしもビーコン識別子を不正に使用するとは限らないからである。一方、不正端末からのチェックインを拒否する場合、サーバ装置100は、不正端末と判定された通信端末200にはコンテンツを送信しない。他の例として、サーバ装置100は、各通信端末200の信頼度に応じて、チェックインを許可するか拒否するかを決定してもよい。
【0102】
(4)変形例4
上述した第1実施形態から第3実施形態において、店舗の責任者等の権限者が、ビーコン識別子を変更できるようにしてもよい。この場合、権限者は、ビーコン300の通信範囲30内で通信端末200を操作し、ビーコン識別子の変更指示を入力する。通信端末200は、この変更指示の入力に応じて、サーバ装置100に新たなビーコン識別子の生成を依頼し、生成されたビーコン識別子を取得するか、自身で新たなビーコン識別子を生成する。以降の処理は、上述したステップS106〜S111又はS206〜S211と同様である。
【0103】
(5)変形例5
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、通信端末200が変更条件を満たすか否かを一次判断し、サーバ装置100が変更条件を満たすか否かを二次判断してもよい。例えば、変更条件が、上述した第1条件の(a)であるものとする。この場合、一次判断では、現在時刻が所定の時間帯であるか否かが判断される。二次判断では、基準の時刻、曜日、又は日付が経過してから最初のチェックインであるか否かが判断される。
【0104】
例えば、基準の時刻が10:00であるものとする。この場合、通信端末200−1は、現在時刻が午前中であるか否かを判断する。現在時刻が午前中ではない場合には、変更条件を満たさないため、通信端末200−1は、サーバ装置100に問い合わせることなく、この処理を終了する。一方、現在時刻が午前中である場合には、変更条件を満たす可能性があるため、通信端末200−1は、変更条件を満たすか否かをサーバ装置100に問い合わせる。具体的には、通信端末200−1は、上述したステップS102と同様に、ビーコン300のビーコン識別子「B1」と端末IDとをサーバ装置100に送信する。以降の処理は、上述したステップS103〜S111と同様である。
【0105】
この変形例によれば、通信端末200側で変更条件を満たさないと判断される場合には、サーバ装置100側で変更条件を満たすか否かを判断しなくてもよいため、サーバ装置100の処理負担が軽減される。
【0106】
(6)変形例6
上述したビーコン識別子は、Bluetooth Low Energyを用いたiBeacon(登録商標)のフレームワークに沿って、UUID、メジャー値、及びマイナー値により構成されてもよい。この場合、メジャー値及びマイナー値の両方を変更することにより新たなビーコン識別子が生成されてもよい。他の例として、メジャー値又はマイナー値のいずれかを変更することにより新たなビーコン識別子が生成されてもよい。また、ユーザによって変更する対象となる値を変えてもよい。このように、ビーコン識別子を変更する方法を多様化することにより、変更後のビーコン識別子を特定しにくくなるため、セキュリティを強化することができる。
【0107】
(7)変形例7
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、サーバ装置100は、あるタイミングで、全ての通信端末200に対して、特定のビーコン300のビーコン識別子を新たなビーコン識別子に変更するよう指示する変更指示を送信してもよい。この場合、新たなビーコン識別子は、第1実施形態のようにサーバ装置100により生成されてもよいし、第2実施形態のように通信端末200により生成されてもよい。通信端末200は、特定のビーコン300の通信範囲30内に移動すると、そのビーコン300に接続し、ビーコン300のビーコン識別子を新たなビーコン識別子に変更するよう指示する変更指示を送信する。
【0108】
この変形例によれば、ビーコン300の通信範囲30内に通信端末200が存在するか否かに関わらず、通信端末200がビーコン300の通信範囲30内に移動したときに、迅速にビーコン300のビーコン識別子を変更することができる。
【0109】
(8)変形例8
上述した第1実施形態から第3実施形態において、コンテンツは、サーバ装置100以外の装置に記憶されていてもよい。例えば、各通信端末200の記憶部270にコンテンツが記憶される場合、通信端末200は、サーバ装置100にチェックインすることにより、サーバ装置100からビーコン300に対応するコンテンツIDを取得する。通信端末200は、サーバ装置100からコンテンツIDを取得すると、取得したコンテンツIDにより識別されるコンテンツを記憶部270から読み出して、表示部260に表示する。
【0110】
(9)変形例9
上述したビーコン300は、識別子を発信する発信機の一例である。発信機は、ビーコン300に限定されない。例えば発信機は、音波で識別子を発信する音波装置であってもよいし、アクセスポイントであってもよい。
【0111】
(10)変形例10
上述した第1実施形態から第3実施形態では、通信端末200がスマートフォンである例について説明したが、通信端末200はスマートフォンに限定されない。例えば、通信端末200は、タブレット型コンピュータ、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、音楽プレーヤ、携帯ゲーム機であってもよい。
【0112】
(11)変形例11
上述した第1実施形態から第3実施形態では、サーバ装置100の機能及び通信端末200の機能がソフトウェアにより実現される例について説明した。しかし、サーバ装置100の機能の少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。同様に、通信端末200の機能の少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0113】
(12)変形例12
サーバ装置100のプロセッサ110により実行されるプログラムは、インターネット等の通信回線を介してダウンロードされてもよい。同様に、通信端末200のプロセッサ210により実行されるプログラムは、インターネット等の通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、これらのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10:通信システム、100:サーバ装置、111:判断部、112:生成部、113:第2送信部、114:確定処理部、200:通信端末、211:受信部、212:チェックイン部、213:第1送信部、214:通知部、215:生成部、216:判断部、300:ビーコン
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