(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6201050
(24)【登録日】2017年9月1日
(45)【発行日】2017年9月20日
(54)【発明の名称】三相漏電遮断器
(51)【国際特許分類】
H02H 3/347 20060101AFI20170911BHJP
H02H 3/44 20060101ALI20170911BHJP
G01R 31/02 20060101ALI20170911BHJP
【FI】
H02H3/347 D
H02H3/44 D
G01R31/02
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-531671(P2016-531671)
(86)(22)【出願日】2014年10月23日
(65)【公表番号】特表2017-502632(P2017-502632A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】KR2014010010
(87)【国際公開番号】WO2015072672
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2016年5月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0137624
(32)【優先日】2013年11月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516141185
【氏名又は名称】エルエル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ソンヨプ
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−015583(JP,A)
【文献】
特開2008−032660(JP,A)
【文献】
特開平09−019046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/347
G01R 31/02
H02H 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相漏電遮断器であって、
三相電源を遮断するための接点;
三相零相変流器;
前記三相零相変流器で漏洩電流を検出する漏洩電流検出部;
三相電源で任意の線間電圧を選んで基準電圧とする基準電圧検出部;
前記漏洩電流を基準電圧の半周期間隔で検出し、半周期の前と後に検出した2つの漏洩電流のベクトル値を減算し、半周期の間に変化した変化漏洩電流を算定する変化漏洩電流算定部;
変化漏洩電流許容値設定部;
前記変化漏洩電流算定部で算定された変化漏洩電流算定値と、前記変化漏洩電流許容値設定部で設定された変化漏洩電流許容値とを比較する比較器;および
前記変化漏洩電流算定値が前記変化漏洩電流許容値を超える場合に作動し、前記接点を開路する回路遮断器具を含み、
前記変化漏洩電流算定部は、前記基準電圧の毎半周期ごとに漏洩電流の平行成分と垂直成分を計算する平行成分および垂直成分計算部;前記平行成分と垂直成分とのそれぞれの半周期前後の計算結果を格納する、半周期前計算結果格納部および半周期後計算結果格納部;および前記半周期前計算結果と、半周期後計算結果との差を計算する漏洩電流減算部を含み、前記基準電圧の半周期の前と後に検出した2つの漏洩電流を各々前記基準電圧に対する平行成分と垂直成分とに分解し、変化漏洩電流を算定することを特徴とする三相漏電遮断器。
【請求項2】
前記基準電圧検出部は、前記基準電圧の毎半周期T/2の間に前記半周期の第1のT/4の第1矩形波電圧と、前記半周期の第2のT/4の第2矩形波電圧とを繰り返し発生し、
前記平行成分および垂直成分計算部は、前記第1矩形波電圧により作動する第1スイッチ;第2矩形波電圧により作動する第2スイッチ;前記第1スイッチが作動する時、漏洩電流の瞬時値を前記第1のT/4で積分して第1積分値を算出する第1積分器;前記第2スイッチが作動する時、前記第2のT/4で第2積分値を算出する第2積分器;前記第1積分値と第2積分値とを加算して平行成分を算定する加算器;および前記第1積分値で第2積分値を減算して垂直成分を算定する減算器とを含み、前記2つの漏洩電流の基準電圧に対する平行成分と垂直成分とを算定することを特徴とする請求項1に記載の三相漏電遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感電保護三相漏電遮断器
{THREE PHASE ELECTRIC LEAKAGE CURRENT CIRCUIT BRAKER WITH ELECTRIC SHOCK PROTECTION}に関し、より詳しくは、三相電路において対地静電容量または対地絶縁抵抗の変化により平常時に発生する漏電に対する保護はもとより、人体感電時に発生する漏電に対する保護まで可能である、三相漏電遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、商用化された三相漏電遮断器の感度電流の大部分は数百mAである。例えば、感度電流が150mAの三相漏電遮断器は、三相零相変流器(ZCT)で検出された漏洩電流が150mAを超えると漏電遮断器が作動する。例えば、三相電路において、平常時90mAの漏洩電流が流れている状態で人体感電により30mAの感電電流が突然大地に流れ、零相変流器(ZCT)に120mAの漏洩電流が検出された場合、人体に危険な感電電流が流れても、零相変流器(ZCT)に検出された漏洩電流が漏電遮断器の感度電流150mAに至らないので、漏電遮断器は作動しない。すなわち、現在の大部分の三相漏電遮断器は、人体感電に対して保護できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、三相電路において、対地静電容量または対地絶縁抵抗の変化により平常時発生する漏電に対する保護はもとより、人体感電時に発生する漏電に対する保護まで可能である、三相漏電遮断器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような問題点を解決するため、本発明では、平常時の漏洩電流は徐々に変化し、人体感電漏洩電流は突然変化するという点に着目し、零相変流器で検出した漏洩電流から突然変化した漏洩電流すなわち人体感電漏洩電流を算出できる方法を提案する。
【0005】
この方法は、零相変流器で比較的短い時間間隔で漏洩電流を連続的に検出し、リアルタイムで現在の漏洩電流と直前漏洩電流のベクトル差(引き算)を算定し、突然変化した漏洩電流すなわち人体感電漏洩電流を算出することである。
【0006】
したがって、本発明の三相漏電遮断器は、零相変流器(ZCT)で検出された漏洩電流が基準値が、例えば150mAを超えるか、突然変化した漏洩電流が、例えば30mAを超えると、電路を遮断する構造となっており、平常時の漏電はもとより人体感電保護まで可能である。
【0007】
本発明の一つの特徴に係って、本発明の三相漏電遮断器は、三相電源を遮断するための接点;零相変流器;前記零相変流器で漏洩電流を検出する漏洩電流検出部;漏洩電流許容値設定部;前記漏洩電流検出部で検出された漏洩電流検出値と、前記漏洩電流許容値設定部で設定された漏洩電流許容値とを比較する第1比較器;前記漏洩電流を三相電源の半周期間隔で検出し、半周期の前と後に検出した2つの漏洩電流のベクトル値を減算し、半周期の間に変化した変化漏洩電流を算定する変化漏洩電流算定部;変化漏洩電流許容値設定部;前記変化漏洩電流算定部で算定された変化漏洩電流算定値と、前記変化漏洩電流設定部で設定された変化漏洩電流許容値とを比較する第2比較器;および前記漏洩電流検出値が前記漏洩電流許容値を超える場合、または前記変化漏洩電流算定値が前記変化漏洩電流許容値を超える場合に作動し、前記接点を開路する回路遮断器具を含んでいる。
【0008】
本発明の他の特徴に係って、前記三相漏電遮断器は、基準電圧を検出する基準電圧検出部をさらに含み、前記変化漏洩電流算定部は、前記基準電圧の毎半周期ごとに漏洩電流の平行成分と垂直成分とを計算する平行成分および垂直成分計算部;前記平行成分と垂直成分のそれぞれの半周期前後の計算結果を格納する半周期前計算結果格納部および半周期後計算結果格納部;および前記半周期前計算結果と、半周期後計算結果との差を計算する漏洩電流差し引き部を含み、前記三相電源の半周期の前と後に検出した2つの漏洩電流をそれぞれ前記基準電圧に対する平行成分と垂直成分とに分解し、変化漏洩電流を算定する。
【0009】
本発明のさらに他の特徴に係って、前記基準電圧検出部は、前記三相電源で任意の線間電圧を選び、三相電源の毎半周期(T/2)の間に前記半周期の第1のT/4の第1矩形波電圧と、前記半周期の第2のT/4の第2矩形波電圧とを繰り返し発生し、前記平行成分および垂直成分計算部は、前記第1矩形波電圧により作動する第1スイッチ;第2矩形波電圧により作動する第2スイッチ;前記第1スイッチが作動する時、漏洩電流の瞬時値を前記第1のT/4で積分して第1積分値を算出する第1積分器;前記第2スイッチが作動する時、前記第2のT/4で第2積分値を算出する第2積分器;前記第1積分値と第2積分値とを加算して平行成分を算定する加算器;および前記第1積分値から第2積分値を減算して垂直成分を算定する減算器を含み、前記2つの漏洩電流の基準電圧に対する平行成分と垂直成分とを算定する。
【0010】
本発明のさらに他の特徴に係って、前記漏洩電流許容値設定部の漏洩電流許容値は、50mA乃至500mAであり、前記変化漏洩電流許容値設定部の変化漏洩電流許容値は、15mA乃至30mAである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の漏電遮断器が三相電路に適用されると、三相電路において人体感電による怪我または死亡事故を画期的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、三相電路において平常時の漏洩電流Igと、人体感電時の漏洩電流Isとの経路を示す。
【
図2】
図2は、時間t1での漏洩電流I(t1)と時間t2での漏洩電流I(t2)とを、基準電圧Vへの平行成分と垂直成分とに分けた図である。
【
図3】
図3は、漏洩電流の瞬時値i(t)と、基準電圧の瞬時値v(t)とを示すが、漏洩電流が基準電圧より位相がθだけ進んでいる。
【
図4】
図4は、本発明の実施例により感電保護三相漏電遮断器の概略的な内部構成を示す。
【
図5】
図5は、基準電圧検出部での出力と漏洩電流の平行成分と垂直成分計算部との連結関係を示す。
【
図6】
図6は、
図4の変化漏洩電流(ΔI)算定部8の内部構成を具体的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、三相電路において発生する漏洩電流の経路を示す。平常時にはa相、b相、c相において、各相の対地静電容量と対地絶縁抵抗とにより大地に漏洩電流Ia、Ib、Icが流れる。したがって、大地には、各相の漏洩電流Ia、Ib、Icがベクトル的に合わされた漏洩電流Ig(Ig=Ia+Ib+Ic)が流れる。そして、三相零相変流器(ZCT)で検出される漏洩電流Iは、漏洩電流Igとなる。つまりI=Igである。
【0014】
ところで、
図1に示されたように、a相で突然人体感電が発生すると、a相で大地に感電電流Isが流れる。したがって、零相変流器(ZCT)で検出される漏洩電流Iは、平常時に流れた漏洩電流Igと突然発生した感電電流Isとがベクトル的に合わされた漏洩電流となる。つまりI=Ig+Isである。
【0015】
電路で平常時に流れる漏洩電流は、電路の対地静電容量と対地絶縁抵抗とに応じて流れるようになるが、この漏洩電流は、電路周囲の温度、湿度、埃などの影響で変化し、特に絶縁物の経年効果(Aging Effect)による絶縁抵抗の劣化により漏洩電流が徐々に増加する。一方、人体感電電流は、感電事故時、突然増加する。
【0016】
本発明では、平常時の漏洩電流は徐々に増加する一方、感電による漏洩電流は突然増加する現象に着目し、人体感電による漏洩電流をリアルタイムで算定する方法を提案する。そして、現在の韓国産業規格(KS)によると、人体感電保護のためには、漏電遮断時間を30ms以内にするべきであることから、人体感電による漏洩電流算定時間を10〜20ms以内にしなければならない。
【0017】
本発明では、零相変流器(ZCT)で電源の半周期(60Hz交流電源の場合、約8.3ms)ごとに漏洩電流を検出し、現在検出した漏洩電流から半周期前に検出した漏洩電流をベクトル的に減算(引き算)し、半周期の間に変化した漏洩電流を算定する。
図1において、感電事故直前の漏洩電流をI(t1)、感電事故直後の漏洩電流をI(t2)とすると、I(t1)=Igであり、I(t2)=Ig+Isであるから、感電による漏洩電流Isは、Is=I(t2)−I(t1)から算定することができる。
【0018】
よって、電源の半周期ごとに漏洩電流の変化をベクトル的に算出できる技術が要望される。
【0019】
本発明では、電源の半周期(T/2)前後の漏洩電流を互いにベクトル的に減算(引き算)し、半周期の間に変化した漏洩電流を算定する。すなわち、時間t1での漏洩電流をI(t1)、時間t2(t2=t1 + T/2)での漏洩電流をI(t2)とすると、漏洩電流I(t2)から漏洩電流I(t1)をベクトル的に減算(引き算)し、半周期の間に変化した漏洩電流ΔIを算定する。
【0020】
図2に示されたように、三相電源の線間電圧、例えばa相とb相との線間電圧Vを基準電圧として、漏洩電流I(t1)とI(t2)を基準電圧Vに対する平行成分xと垂直成分yとを計算する。したがって、
【数1】
【0021】
次に、この2つ漏洩電流の平行成分の差ΔIxと垂直成分の差ΔIyを求める。
【数2】
【0022】
したがって、2つの漏洩電流の差ΔIは、下記のように求められる。
【数3】
【0023】
本発明で課題解決の核心手段は、漏洩電流Iを速かに基準電圧Vに平行な成分と垂直な成分とに分ける方法である。本発明では、漏洩電流Iを基準電圧Vの半周期の間積分し、平行成分xと垂直成分yとを求める。つまり積分法を利用する。
【0024】
イ.漏洩電流Iを基準電圧Vへの平行成分Ixと垂直成分Iyとに分ける方法
図3は、漏洩電流Iの瞬時値i(t)と基準電圧Vの瞬時値v(t)とを示す。i(t)は、v(t)より位相がθだけ進んでいる。したがって、
【数4】
ここで、ω= 2πfで、fは電源の周波数である。
式(7)を解くと、
【数5】
であり、ここで
【数6】
式(8)のi(t)を0からπ/2まで積分した値をA、π/2からπまで積分した値をBとすると、
【数7】
であり、これを計算すれば
【数8】
となる。式(11)から
【数9】
である。
【0025】
したがって、漏洩電流Iの瞬時値i(t)をリアルタイムで積分してAとBを求めると、式(12)から漏洩電流Iの平行成分Ixと、垂直成分Iyとを電源の半周期ごとに求めることができる。
【0026】
ロ. 漏電遮断器の構成
図4は、本発明の漏電遮断器の構成を示す。漏電遮断器は、2つの場合に作動する。
【0027】
一番目は、平常時の漏洩電流Iの値が漏洩電流Iの許容値を超えると、漏電遮断器が作動する場合であって、現在の漏電遮断器の機能である。この機能を遂行するため、通常用いる零相変流器1、漏洩電流検出部2、漏洩電流I許容値設定部3、第1比較器4、回路遮断器具5および接点6を設ける。漏洩電流検出部2で検出された漏洩電流Iの値とIの許容値設定部3に設定された許容値、例えば150mAを第1比較器4で比較し、検出された漏洩電流Iの値が設定された許容値を超えると、回路遮断器具5が作動して接点6を開路(off)する。
【0028】
二番目は、人体感電により漏洩電流Iが瞬間的変化する場合である。この変化漏洩電流ΔIの値が変化漏洩電流ΔIの許容値を超えると、漏電遮断器が作動する場合であって、本発明で提案した機能である。この機能を遂行するため、基準電圧検出部7、変化漏洩電流ΔI算定部8、変化漏洩電流ΔI許容値設定部9、第2比較器10を追加で設ける。変化漏洩電流算定部8で算定された変化漏洩電流ΔIの値とΔIの許容値設定部9に設定された許容値、例えば30mAを第2比較器10で比較し、計算された変化漏洩電流ΔIの値が設定された許容値を超えると、回路遮断器具5が作動して接点6を開路(off)する。
【0029】
基準電圧検出部7は、三相電源で任意の線間電圧を選び、
図5に示されたように、電源の毎半周期(T/2)の間にt=0(θ=0)からt=T/4(θ=π/2)までの矩形波電圧aと、t=T/4(θ=π/2)からt=T/2(θ=π)までの矩形波電圧bとを繰り返し発生する。
【0030】
変化漏洩電流ΔI算定部8は、電源の半周期の間に漏洩電流Iの変化を計算するが、
図6に示されたように、漏洩電流の平行成分xおよび垂直成分y計算部11、半周期前計算結果格納部12および半周期後計算結果格納部13、漏洩電流減算部14により構成される。
【0031】
漏洩電流の平行成分xおよび垂直成分y計算部11は、
図5に示されたように、矩形波電圧aにより作動するスイッチSa、矩形波電圧bにより作動するスイッチSb、積分器A、積分器B、加算器および減算器により構成される。スイッチSaが作動(on)すると、積分器Aは、式(10)のようにi(t)をt=0(θ=0)からt=T/4(θ=π/2)まで積分してAを算出し、スイッチSbが作動(on)すると、積分器Bは、式(10)のようにi(t)をt=T/4(θ=π/2)からt=T/2(θ=π)まで積分してBを算出する。次に、加算器でAとBを合わせると、式(12)のように漏洩電流の平行成分Ixが得られ、減算器でAからBを減算すると、漏洩電流の垂直成分Iyが得られる。
【0032】
半周期前計算結果格納部12は、現在時間t2より半周期前t1での計算結果を格納し、半周期後計算結果格納部13は、現在時間t2での計算結果を格納する。すなわち、半周期前計算結果格納部12には、漏洩電流I(t1)の平行成分I(t1)xと垂直成分I(t1)yとを格納し、半周期後計算結果格納部13には、漏洩電流I(t2)の平行成分I(t2)xと垂直成分I(t2)yとを格納する。
【0033】
漏洩電流差し引き(引き算)部14は、現在時間t2での半周期後計算結果格納部13に格納された漏洩電流I(t2)の平行成分I(t2)xと垂直成分I(t2)yとから、それぞれの電源の半周期前(t1)での半周期前計算結果格納部12に格納された漏洩電流I(t1)の平行成分I(t1)xと垂直成分I(t1)yとを差し引き、半周期t2−t1期間での変化漏洩電流ΔIを式(3)、式(4)および式(5)を利用して計算する。この変化漏洩電流ΔIが突然変化する漏洩電流であり、通常感電による漏洩電流Isが発生する際、変化漏洩電流ΔIが現れる。
【0034】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明は、前記の実施例に限られるものではなく、本発明の技術的思想を外れない範囲の内で、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変更や修正が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
これまでは、三相電路において人体感電が発生するとほとんど保護されなかったが、本発明の漏電遮断器が三相電路に適用されれば、三相電路において人体感電による怪我または死亡事故を画期的に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0036】
1:零相変流器(ZCT)
2:漏洩電流検出部
3:漏洩電流許容値設定部
4:第1比較器
5:回路遮断器具
6:接点
7:基準電圧検出部
8:変化漏洩電流算定部
9;変化漏洩電流許容値設定部
10:第2比較器