(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
半導体メモリデバイスは、揮発性メモリデバイスおよび不揮発性メモリデバイスに分類されることがある。揮発性メモリデバイスとは対照的に、フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリデバイスは、電力のない場合でも記憶されたデータを維持する。したがって、フラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリデバイスは、メモリカードおよび電子デバイスで広く使用されている。デジタル情報技術の急速な成長により、デバイスの寸法が縮小しない場合には、その寸法を維持しつつ、フラッシュメモリデバイスのメモリ密度を増加させ続ける需要が存在する。
【0004】
三次元(3D)NANDフラッシュメモリデバイスは、メモリ密度を増加するために開発されてきた。3D−NANDアーキテクチャは、複数の電荷蓄積構造(例えば、浮遊ゲート、電荷トラップなど)を有するメモリセルの積層と、制御ゲートと誘電体材料との交互の積層と、電荷蓄積構造(以降、ほぼ浮遊ゲートとして例示的に称される)と隣接する制御ゲートとの間に配置された電荷ブロック材料と、を含む。酸化シリコンなどの酸化物材料は、従来、誘電体材料として使用される。電荷ブロック材料は、酸化物−窒化物−酸化物(ONO)材料などのインターポリ誘電体(IPD)材料であってもよい。
【0005】
図1は、3D−NANDフラッシュメモリデバイスを形成するためにさらに処理され得る半導体構造100を示す。半導体構造100は、選択ゲートソース(SGS)または選択ゲートドレイン(SGD)などの選択デバイスの制御ゲートとして使用するための、材料103上の制御ゲート108と誘電体材料105との交互の積層110と、複数の浮遊ゲート400と、浮遊ゲート400と隣接する制御ゲート108との間に配置された電荷ブロック材料(411、412、413)と、積層110、制御ゲート材料103、誘電体材料102およびソース101の一部を通って延びるチャネル材料500と、を含む。ソース101は、単結晶シリコンを含む半導体基板などの基板(図示せず)内、および/または基板上に形成することができる。任意で、半導体構造100は、エッチング停止時材料104を含んでもよい。本明細書には図示されていないが、他の実施形態においては、図示された材料101は、(例えば、ソースの代わりに)ビット線を形成するか、ビット線の一部であってもよい。制御ゲート108は、L
1の高さを各々有する。浮遊ゲート400は、L
2の高さを各々有する。個別の浮遊ゲート400の周囲に電荷ブロック材料(411、412、413)が存在することによって、各個別の浮遊ゲート400の高さL
2は、隣接する制御ゲートの高さL
1のほぼ半分である。例えば、電流の方向における(例えば、メモリセルのストリングのピラー内の)浮遊ゲートの高さは、約30nmである隣接する制御ゲートの高さと比較すると、約15nmである可能性がある。さらに、浮遊ゲートは、隣接する制御ゲートと整列されていない。
【0006】
使用中および動作中に、電荷は、浮遊ゲートと隣接する誘電体材料との間に水平方向に配置されたIPD材料の一部の上など、IPD材料の一部の上にトラップされ得る。IPD材料がONO材料であるとき、電荷は、制御ゲートと浮遊ゲートとの間にはないIPD材料の水平方向の窒化物部分内にトラップされ得る。トラップされた電荷は、プログラム、消去または温度サイクルなどを通じて、IPD材料に沿って移動することができる。IPD材料の存在は、IPD材料の窒化物材料へとプログラミング/消去用の直接の経路を生成し、セルプログラム−消去サイクルを低下させる。このような電荷トラップまたは電荷移動は、メモリセルの閾値電圧(V
t)を変化させるか、または窒化物内のこのような電荷トラップを有しないメモリセルに対して、インクリメンタルステップパルスプログラミング(ISPP)を低下させる可能性がある。電荷トラップは、3D−NANDフラッシュメモリデバイスのチャネル特性および信頼性の可制御性を脅かす。
【0007】
水平方向のIPD部分内の電荷トラップを最小限化するために、隣接する制御ゲートの高さに対して、浮遊ゲートの高さを増加させることなどによって、水平方向のIPD部分の量を減少させることが望ましい。望ましくない電荷トラップを減少させることに加えて、チャネルを通る電流の方向における浮遊ゲートの高さを増加させることは、より高度なチャネルコンダクタンス調整(例えば、より高いオン/オフ比)、セルノイズの減少(例えば、より大きい浮遊ゲート)および信頼性の獲得を提供することがある。隣接する制御ゲートとほぼ同一の高さに浮遊ゲートの高さを増加させるための試みは、多数の堆積/ドライ/ウェットエッチングステップの追加を必要とし、その結果、複雑かつよりコストの高い製造プロセスを生じる。さらに、これらの追加の堆積/ドライ/ウェットエッチングステップは、限界寸法の望ましくない増加としばしば関連する。
【0008】
したがって、比較的少ない追加処理を使用し、製造された構造の他の特性および性能を脅かすことなく、隣接する制御ゲートの高さとほぼ同一の高さを有する浮遊ゲートを形成するための製造プロセスを有することは、有益であろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の記述は、本開示の実施形態の十分な理解を提供するために、材料種、材料の厚さおよび処理条件などの具体的な詳細事項を提供する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの具体的詳細事項を使用することなく実施することができることを当業者には理解されたい。実際には、本開示の実施形態は、本産業で使用される従来の製造技術と組み合わせて使用されてもよい。
【0011】
さらに、本明細書に提供される記述は、半導体デバイス構造を形成するための完全なプロセスフローを形成せず、以下に記述される半導体デバイス構造は、完全な半導体デバイスを形成しない。本開示の実施形態を理解するために必要なプロセス処理および構造のみが、以下に詳細に記述される。完全な半導体デバイスを形成するための追加処理は、従来の製造技術によって実施されてもよい。また、本出願に添付する図面は、例示の目的のためだけのものであり、必ずしも同じ縮尺で描かれるとは限らない。図面間で共通の構成要素は、同一の参照番号を保持してもよい。さらに、本明細書に記述され、図示された材料は層として形成され得るが、材料は、それに限定されることはなく、他の三次元構造で形成されてもよい。
【0012】
本明細書で用いられるように、“第一の(first)”“第二の(second)”“第三の(third)”または“上部(top)”“中間(middle)”“下部(bottom)”などの任意の相対的用語は、本開示および添付の図面を理解するうえで明瞭性および簡潔性のために用いられ、如何なる特定の優先、方向または順序を暗示したり、依存することはない。“第一の(first)”“第二の(second)”“上部(top)”“中間(middle)”“下部(bottom)”などの語は、種々の構成要素を記述するために本明細書で用いられるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの語は、ある構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ用いられる。
【0013】
本明細書で用いられるように、“水平方向(horizontal)”および“横方向(lateral)”という語は、ウェーハまたは基板の実際の方向とは関係なく、ウェーハまたは基板の平面または表面に平行な平面として定義される。“垂直方向(vertical)”という語は、上記で定義されるように、水平方向平面に垂直な方向のことを称する。“高さ(height)”という語は、上記で定義されるように、水平方向平面に垂直な方向における構造の寸法として定義される。
【0014】
本明細書で用いられるように、所与のパラメータ、特性もしくは条件に対する“実質的に(substantially)”という語は、許容可能な製造公差内など小程度の相違で、所与のパラメータ、特性もしくは条件が満たされることを当業者が理解する程度のことを意味する。
【0015】
本明細書で用いられるように、“限界寸法(最小径、critical dimension)”という語は、デバイスの所望の性能を達成するため、かつデバイスの性能の一貫性を維持するための、設計公差内の形体の寸法を意味し、含む。この寸法は、フォトリソグラフィー、エッチング(ドライ/ウエット)、拡散または堆積処理を含み得るがそのいずれにも限定はされない製造プロセスの様々な組み合わせの結果として、デバイス構造において得られてもよい。
【0016】
図2−
図14は、本開示の一実施形態により、3D−NANDフラッシュメモリデバイス用の複数の浮遊ゲートを形成する種々の段階の断面図である。
【0017】
図2は、ソース101と、ソース酸化物材料102と、選択デバイス(例えば、SGS)の制御ゲートとして使用される材料103と、任意でエッチング停止材料104と、(メモリセルの)酸化物材料105と制御ゲート108との交互の積層110と、を含む半導体構造100を示す。酸化物材料105は、異なる密度を有する複数の部分を含んでもよく、複数の部分は、
図2では参照番号105a、105b、105cによって示される。酸化物部分105a、105b、105cは、
図2では別々に示されているが、これは、酸化物部分105a、105b、105cが異なる材料から形成されることを必ずしも意味するものではない。むしろ、酸化物部分105a、105b、105cは、同一の材料から形成されることがあるが、密度が異なる。例示として、酸化物材料105は、上部酸化物部分105c、中間酸化物部分105b、下部酸化物部分105aを含んでもよく、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの密度は、互いに実質的に同一であるが、中間酸化物部分105bの密度よりも低い。酸化物材料105は、異なる密度を有する3つの部分を含むものとして図示されているが、酸化物材料105は、より詳細に記述されるように、より少ない部分またはより多い部分を含んでもよい。ソース101は、ドープされたポリシリコン、けい化タングステン(WSi
x)またはソース用の他の従来の材料から形成されてもよい。半導体構造100の他の材料を除去することなく、積層110の材料が選択的に除去され得るように、エッチング停止材料104は、酸化アルミニウムであるか、または他の従来のエッチング停止材料であってもよい。
【0018】
本明細書で用いられるように、“基板(substrate)”という語は、追加材料が形成されるベース材料または構造を意味し、含む。基板は、例えば、半導体基板、支持構造上のベース半導体基板、その上に形成された材料、構造もしくは領域のうち一つ以上を有する金属電極または半導体基板であってもよい。基板は、従来のシリコン基板または半導電性材料の層を含む他のバルク基板であってもよい。本明細書で用いられるように、“バルク基板(bulk substrate)”という語は、シリコンウェーハのみでなく、シリコン・オン・サファイア(SOS)基板およびシリコン・オン・グラス(SOG)基板などのシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板、ベース半導体基板もしくは他の半導体材料、シリコンゲルマニウム(Si
1−xGe
x、ここでxは例えば、0.2から0.8の間のモル分率である)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)またはリン化インジウム(InP)など光電子材料上のシリコンのエピタキシャル層も意味し、含む。さらに、以下の記述において、“基板(substrate)”に対して参照が行われるときには、ベース半導体構造もしくは基板内の材料、領域もしくは接合を形成するために、以前の処理動作が実施される。一実施形態においては、基板は、シリコン基板などのシリコン含有材料である。基板はドープされてもよいし、ドープされなくてもよい。一実施形態においては、基板は、p型にドープされたポリシリコンであってもよい。
【0019】
図2に示されるように、半導体基板100は、其々の材料の膜を含んでもよい。ソース101、ソース酸化物材料102、制御ゲート材料103、エッチング停止材料104および制御ゲート材料108は、本明細書では詳細には記述されない従来の技術によって形成されてもよい。
【0020】
酸化物材料105の異なる部分は、材料の形成中に処理条件を調整することによって、エッチング停止材料104上に形成されてもよい。一実施形態においては、酸化物材料105は、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)プロセスを使用して形成されてもよい。エッチング部分は、別の部分を形成する前に所望の厚さに形成されてもよい。酸化物部分105a、105b、105cは、適切なエッチング化学に晒されるとき、一部が選択的に除去され得るほど十分に異なる密度であってもよい。各酸化物部分の密度(g/cm
3の単位で測定される)は、従来技術であるため本明細書で詳細には記述されていないX線反射測定法(XRR)を使用して決定されてもよい。幾つかの実施形態においては、ある酸化物部分の密度は、隣接する(複数の)酸化物部分の密度の約6倍(6×)低い密度と、約2倍高い(2×)密度との間であってもよく、即ち、ある酸化物部分は、(複数の)隣接する酸化物部分に対して、約6倍低い密度から、約2倍高い密度の間の密度であってもよい。しかしながら、酸化物部分の密度における差異は、半導体構造の特定の集積スキームに依存して変化してもよいことを理解されたい。
【0021】
種々のプロセスパラメータは、異なる密度の酸化物部分を含む酸化物材料105を形成しながら、調製されてもよい。このような処理パラメータの例は、堆積プロセス中に印加されるRF電力/エネルギーの量およびRF周波数を含むがそのいずれにも限定はされない。限定しない例として、各酸化物部分の密度は、酸化物部分の形成中に印加される周波数および電力を変化させることによって適合されてもよい。高周波数(HF)は、約1MHzから約300MHzの間のRF周波数であり、低周波数(LF)は、約30KHzから約1MHzの間のRF周波数であってもよい。高周波数(HF)電力は、約10ワットから約1000ワットの間のRF電力であり、低周波数(LF)電力は、約10ワットから約500ワットの間のRF電力であってもよい。幾つかの実施形態においては、高周波数(HF)は、約13.56MHzのRF周波数であってもよい。幾つかの実施形態においては、低周波数(LF)は、約350KHzのRF周波数であってもよい。
【0022】
酸化物部分が高電力/低周波数を使用して形成される場合、イオンの表面衝突がより多く生じ、その結果、高密度の酸化物部分が生成され得る。逆に、低電力/低周波数が使用される場合、イオンの表面衝突はあまり生じなくなり、その結果、比較的低密度の酸化物材料の部分が生成され得る。
【0023】
調整され得るさらなる処理パラメータは、堆積時間、成分ガスの種類および比率、圧力、成分ガスの流速、温度または堆積後の処理などを含むがそのいずれにも限定はされない。これらの処理パラメータは、RF電力および周波数のうちの少なくとも一つを調整するのと比較すると、酸化物材料の密度に対して与える影響が少なく、酸化物材料の密度は、これらのパラメータのうちの一つ以上を調整することによってさらに適合され得る。例えば、堆積時間がより長くなると、より短い堆積時間と比較して、より高い密度を有する酸化物部分を生成することがある。幾つかの処理パラメータは、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を含む酸化物材料を得るために制御されてもよい。幾つかの実施形態においては、処理パラメータは、所望の密度の酸化物材料が達成されるようにプログラムされてもよい。
【0024】
堆積された酸化物材料の密度は、任意で、堆積後の処理によって改変されてもよい。限定しない例として、堆積後の処理は、高周波数(HF)および低周波数(LF)の混合周波数プラズマ処理に対して酸化物材料105を晒すことを含んでもよい。混合周波数プラズマ処理は、上部酸化物部分105cを高密度化する可能性がある。酸化物材料105の所望の深さの高密度化は、幾つかの要因に依存することがあり、この幾つかの要因は、堆積後の処理中に使用されるRF電力、堆積後の処理の期間またはその双方を含むがそのいずれにも限定はされない。
【0025】
幾つかの実施形態においては、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料は、堆積中のRF電力を調整し、混合周波数プラズマ処理を使用して堆積後の処理を適用することによって、達成されてもよい。幾つかの実施形態においては、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料は、約60ワットから約130ワットのRF電力で酸化物材料を形成することと、約350/0ワットから1200/100ワットの組み合わせの高周波数/低周波数電力(HF/LF)を有する混合周波数プラズマ処理を使用して、約2秒から約120秒の堆積後の処理を適用することと、によって得られてもよい。
【0026】
幾つかの実施形態においては、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料は、高周波数(HF)を使用して酸化物材料を堆積することと、その後、高周波数(HF)プラズマ処理に酸化物材料を晒すことによって達成されてもよい。幾つかの実施形態においては、これは、高周波数(HF)を使用して酸化物材料を堆積することと、その後、高周波数(HF)および低周波数(LF)の混合周波数プラズマ処理に酸化物材料を晒すことによって達成されてもよい。幾つかの実施形態においては、これは、高周波数(HF)および低周波数(LF)の混合周波数を使用して酸化物材料を堆積することと、その後、高周波数(HF)プラズマ処理に酸化物材料を晒すことによって達成されてもよい。幾つかの実施形態においては、これは、高周波数(HF)および低周波数(LF)の混合周波数を使用して酸化物材料を堆積することと、その後、高周波数(HF)および低周波数(LF)の混合周波数プラズマ処理に酸化物材料を晒すことによって達成されてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態においては、酸化物材料は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)および酸素を使用して堆積されてもよい。幾つかの実施形態においては、酸化物材料は、シラン(silane)および酸素を使用して堆積されてもよい。一実施形態においては、酸化物材料は酸化シリコンであってもよい。
【0028】
幾つかの実施形態においては、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料の形成は、一つの反応室内で実施されてもよい。これらのインサイチュ(in−situ)堆積の実施形態においては、処理パラメータは、ある酸化物部分を形成するために調整され、その後、異なる密度を有する別の酸化物部分の形成用に調整されてもよい。
【0029】
或いは、幾つかの実施形態においては、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料の形成は、二つ以上の反応室内で実施されてもよい。限定しない例として、酸化物材料のある酸化物部分は、第一の反応室内で形成され、その後、異なる密度の別の酸化物部分が第二の反応室内で形成されてもよい。
【0030】
制御ゲート材料108は、如何なる従来の方法によって酸化物材料105上に形成されてもよいので、本明細書で詳細には記述されない。制御ゲート材料は、如何なる既知の導電性材料であってもよい。このような導電性材料の限定しない例としては、n型にドープされたポリシリコン、p型にドープされたポリシリコンまたはドープされていないポリシリコンを含むことがある。一実施形態においては、制御ゲート材料は、n型にドープされたポリシリコンであってもよい。酸化物材料105および制御ゲート材料108の形成は、酸化物材料105および制御ゲート108の交互の積層110を生成するために、繰り返されてもよい。
【0031】
図3を参照すると、エッチング停止材料104内で停止する、酸化物材料105および制御ゲート材料108の交互の積層110を通る開口200を作成するために、
図2の半導体構造100は、一度のエッチングプロセスまたは複数のエッチングプロセスを受けさせる。例示として、積層110は、異方性ドライエッチングプロセスを使用してエッチングされてもよい。制御ゲート材料103の表面は、その後のエッチングプロセスに晒されることがある。開口200は、如何なる従来のエッチング化学(即ち、反応性イオンエッチング)を使用して形成されてもよいので、本明細書では詳細には記述されていない。
図3の構造100は、唯一の開口200のみを図示しているが、半導体構造100は、二つ以上の開口を含んでもよいことを理解されたい。
【0032】
図4に示されるように、高さL
1を有する制御ゲート凹部301を作成するために、積層110内の制御ゲート材料108の一部は、隣接する酸化物材料105に対して、選択的に除去されてもよい。ここで、制御ゲート凹部301の上部境界および下部境界は、隣接する酸化物材料105の側壁によって画定される。制御ゲート凹部301の高さL
1は、隣接する制御ゲート材料108の厚さと実質的に同一であってもよい。制御ゲート凹部301は、制御ゲート材料108の一部を横方向に除去することによって形成されてもよい。幾つかの実施形態においては、制御ゲート凹部301は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の溶液を使用して半導体構造100をウェットエッチングすることによって形成されてもよい。
【0033】
図5に示されるように、積層110内の酸化物材料105の一部は、制御ゲート凹部301の高さを増加させるために除去されてもよい。制御ゲート凹部301に隣接する酸化物材料105の部分は、酸化物材料に対して、如何なる従来のウェットエッチング化学を使用して除去されてもよい。幾つかの実施形態においては、酸化物材料の一部は、フッ化水素(HF)溶液、ならびにHFおよびNH
4Fを含む酸化物エッチング緩衝(BOE)溶液から成る群から選択されたエッチャントでエッチングすることによって除去されてもよい。酸化物材料105は異なる密度の酸化物部分を有するため、酸化物部分は、エッチング化学に晒されると、異なる速度で除去されてもよい。例示として、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの一部は、中間酸化物部分105bの一部を除去することなく除去されてもよい。制御ゲート凹部301上の上部酸化物部分105cおよび制御ゲート凹部301下の下部酸化物部分105aは、制御ゲート材料108上の上部酸化物部分105cおよび制御ゲート材料108下の下部酸化物部分105aの一部をそのまま残しながら、エッチング化学によって除去されてもよい。
【0034】
図5に示されるように、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aは、結果として生じる制御ゲート凹部302が高さL
2を有するように除去されてもよく、ここで高さL
2は、制御ゲート凹部301の元の高さL
1よりも大きい。除去される酸化物材料105の量、制御ゲート凹部302の高さL
2および制御ゲート凹部302の外形は、種々の要因によって制御され得る。ここで、種々の要因とは、酸化物材料105の各酸化物部分の密度、酸化物材料105内の各酸化物部分の厚さ、またはエッチングの種類およびエッチング条件を含むがそのいずれにも限定はされない。制御ゲート凹部302の高さおよび外形は、
図6A−
図6Dを参照してより詳細に図示され、議論されるように、酸化物材料105の各酸化物部分の密度に依存することがある。
【0035】
図6A−
図6Dは、
図5内の“W”と表示された領域の拡大図である。
図6Aにおいては、酸化物材料105は、上部酸化物部分105c、中間酸化物部分105bおよび下部酸化物部分105aを含み、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの密度は、実質的に同一であり、中間酸化物部分105bの密度は、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105cの密度よりも高い。ある酸化物材料105の上部酸化物部分105cおよび別の酸化物材料105の下部酸化物部分105aは、各制御ゲート凹部301の境界を画定する。制御ゲート凹部301に隣接する上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aは、ほぼ同一の密度を有するため、これらの材料の一部は、実質的に同一速度で除去される一方、中間酸化物部分105bを含む他の露出された材料が実質的により遅い速度で除去される。したがって、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aに対する垂直方向の除去量は、実質的に同一である。しかしながら、制御ゲート材料108を被覆するか、制御ゲート材料108の下にある上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの一部は、中間酸化物部分105bに加えてそのままであってもよい。酸化物材料105の一部は水平方向にも除去され得るが、それは限界寸法(CD)における損失につながり、CDにおける損失は、開口200の最初のCDを適切に選択することによって補償されることがある。したがって、
図6A内の構造の酸化物材料105の水平方向のエッチングは、
図6B内の構造の酸化物材料105の水平方向のエッチングと比較して、CDに対して影響をあまり与えずに生じることがある。設計規則/要件に従い、それによって、所望のデバイス性能が確実に達成されるように、限界寸法の損失を最小限化することが望ましい。
【0036】
したがって、制御ゲート凹部302の寸法、高さおよび外形は、酸化物材料105内の酸化物部分(例えば、105a、105b、105c)の種類および密度、各酸化物部分の厚さ、エッチング条件および他の種々の既知の要因を適切に選択することによって制御されてもよい。
【0037】
図2−
図5は、上部酸化物部分105
c、中間酸化物部分105bおよび下部酸化物部分105
aを含むものとして上述され、図示されているが、上部酸化物部分105
cおよび下部酸化物部分105aは、中間酸化物部分105bよりも低い密度を有する場合、半導体構造100の意図される使用に応じて、酸化物部分の他の構成および他の相対密度が使用されることがある。他の実施形態においては、以下により詳細に説明されるように、酸化物材料105は、単一の酸化物部分を含んでもよいし、異なる密度の二つの酸化物部分を含んでもよい。
【0038】
図6Bにおいて、酸化物材料105は、酸化物材料105の高さにわたって、実質的に同一の密度を有する実質的に均一な酸化物材料を含み、さらなる処理ステップ後に
図1の半導体構造を提供する。
図5のウェットエッチングプロセス中、制御ゲート凹部302の高さL
2が高さL
1よりも大きくなるように、酸化物材料105の一部は、水平方向(矢印“H”で図示される)および垂直方向(矢印“V”で図示される)において除去されてもよい。積層110内の酸化物材料105は単一の密度を有する酸化物材料で形成されるので、垂直方向および水平方向内の除去量は実質的に同一である。
【0039】
図6Cにおいて、酸化物材料105は、酸化物部分105d上の酸化物部分105aを含み、酸化物部分105aは、酸化物部分105dよりも低い密度を有する。酸化物材料105の酸化物部分105dは、隣接する制御ゲート108の上部境界に直接接触し、酸化物部分105aは、隣接する制御ゲート108の下部境界に直接接触する。酸化物部分105aは酸化物部分105dよりも低い密度を有するため、同一のエッチング化学に晒されると、酸化物部分105aは、酸化物部分105dよりも速い速度で除去されることがある。したがって、制御ゲート凹部302隣接する酸化物部分105a、105dに対する垂直方向でのエッチング量は、同一のエッチング化学に晒されても、同一ではない。図示されるように、垂直方向内の酸化物部分105aのエッチングは、酸化物部分105a、105dの異なる密度によって、垂直方向における酸化物部分105dのエッチングよりも速い。
【0040】
図6Dにおいては、酸化物材料105は、酸化物部分105a上に酸化物部分105dを含み、酸化物部分105aは、酸化物部分105dよりも低い密度を有する。酸化物材料105の酸化物部分105aは、隣接する制御ゲート108の上部境界に直接接触し、酸化物部分105dは、隣接する制御ゲート108の下部境界に直接接触する。酸化物部分105aは酸化物部分105dよりも低い密度を有するため、酸化物部分105aは、同一のエッチング化学に晒されると、酸化物部分105dよりも速い速度で除去される。したがって、制御ゲート凹部302に隣接する酸化物部分105a、105dに対する垂直方向におけるエッチング量は、同一のエッチング化学に晒されても、同一ではない。図示されるように、垂直方向における酸化物部分105aのエッチングは、酸化物部分105a、105dの異なる密度によって、垂直方向における酸化物部分105dのエッチングよりも速い。
【0041】
幾つかの実施形態においては、酸化物材料105は、上部酸化物部分105c、中間酸化物部分105b、および下部酸化物部分105aを含んでもよく、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの密度は、実質的に同一であり、上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの密度は、中間酸化物部分105bの密度よりも約6倍低い(即ち、6倍小さい密度である)密度までの密度である。
【0042】
幾つかの実施形態においては、酸化物材料105は、上部酸化物部分105c、中間酸化物部分105b、および下部酸化物部分105aを含んでもよく、上部酸化物部分105cの密度は、中間酸化物部分105bの密度よりも約6倍低い密度(即ち、6倍小さい密度)から約2倍高い密度(即ち、2倍大きい密度)の間の密度であり、下部酸化物部分105aの密度は、中間酸化物部分105bの密度よりも約6倍低い密度(即ち、6倍小さい密度)から約2倍高い密度(即ち、2倍大きい密度)の間の密度である。上部酸化物部分105cおよび下部酸化物部分105aの密度は、互いに同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
【0043】
図7−
図9を参照すると、インターポリ誘電体(IPD)材料などの電荷ブロック材料は、
図9の半導体構造を提供するために、制御ゲート凹部302の露出表面上および半導体構造100の開口200の側壁および底面上に形成されてもよい。本開示の一実施形態においては、電荷ブロック材料は、誘電体材料411、412および413を含むインターポリ誘電体(IPD)材料である。一実施形態においては、電荷ブロック材料は、酸化物411−窒化物412−酸化物413(ONO)材料のみから成るインターポリ誘電体(IPD)材料である。
【0044】
図7においては、酸化物材料などの第一の誘電体材料411は、制御ゲート材料108の側壁上に選択的に形成されてもよい。限定しない例として、第一の誘電体材料411は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンまたは他の高いkを有する絶縁体材料を含んでもよい。
【0045】
幾つかの実施形態においては、第一の誘電体材料411は、酸化シリコンであってもよい。誘電体材料を形成するために如何なる従来の方法が使用されてもよい。限定しない例として、誘電体材料は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)またはその組み合わせによって形成されてもよい。第一の誘電体材料411を選択的に形成するために、第一の誘電体材料411は、制御ゲート材料108上に成長してもよい。一実施形態においては、第一の誘電体材料411は、インサイチュ(in situ)水蒸気発生(ISSG)プロセス、物理蒸着(PVD)、炉成長(拡散)またはその組み合わせを通じて、制御ゲート材料108の露出表面上に成長してもよい。
【0046】
図8においては、窒化物材料などの第二の誘電体材料412は、酸化物材料105の露出表面と、制御ゲート凹部302内の第一の誘電体材料411と、エッチング停止材料104と制御ゲート材料103の露出表面との上に実質的にコンフォーマルに形成される。幾つかの実施形態においては、第二の誘電体材料412は窒化シリコンである。窒化物材料を形成するために如何なる従来の方法が使用されてもよいので、本明細書では詳細には記述されない。
【0047】
第三の誘電体材料413は、第二の誘電体材料412上に実質的のコンフォーマルに形成されてもよく、
図9の半導体構造100を提供する。化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)またはその組み合わせなど、第三の誘電体材料413を形成するための如何なる従来の方法が使用されてもよい。第三の誘電体材料413は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンまたは他の高いkを有する絶縁材料を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、第三の誘電体材料413は、酸化シリコンである。第一の誘電体材料411および第三の誘電体材料413は、同一の酸化物材料または異なる酸化物材料が使用されるように独立して選択されてもよい。選択された材料によって、インターポリ誘電体(IPD)材料は、開口200の側壁上の制御ゲート凹部303に隣接する領域の少なくとも上に、第一の誘電体酸化物材料411−第二の誘電体窒化物材料412−第
三の誘電体酸化物材料413の酸化物−窒化物−酸化物(ONO)材料を含んでもよい。IPD材料(411、412、413)は、結果として生じる制御ゲート凹部の高さL
3が隣接する制御ゲート108の高さL
1に実質的に等しくなるように、制御ゲート凹部303内の領域を占めることがある。
【0048】
図10を参照すると、浮遊ゲート材料400は、制御ゲート凹部303の残りの体積を実質的に充填するために、第三の誘電体材料413に隣接する制御ゲート凹部303内に形成されてもよい。浮遊ゲート材料400は、IPD材料(411、412、413)によって、隣接する制御ゲート材料108から分離されてもよい。したがって、半導体構造100は、別々であって、IPD材料(411、412、413)によって互いに、かつ制御ゲート108から分離された浮遊ゲート400を含む。限定しない例として、浮遊ゲート材料400は、シリコン、ゲルマニウム、またはシリコンゲルマニウムを含んでもよい。一実施形態においては、浮遊ゲート材料400は、n型にドープされたポリシリコン、p型にドープされたポリシリコン、またはドープされていないポリシリコンなどのポリシリコンである。制御ゲート材料108および浮遊ゲート材料400は、同一の材料または異なる材料が使用されるように独立して選択されてもよい。一実施形態においては、制御ゲート材料108および浮遊ゲート材料400は、ポリシリコンである。浮遊ゲート材料400を形成するための如何なる従来の方法が使用されてもよいので、本明細書には詳細には記述されない。
【0049】
制御ゲート凹部303を実質的に充填した後、アンモニア蒸気、フッ化アンモニウムと硝酸との混合物(NH
4F/HNO
3)、オゾンまたはフッ化水素酸(HF)混合物またはサイクル、フッ化水素酸と硝酸との混合物(HF/HNO
3)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)プロセスを使用して、あらゆる過剰の浮遊ゲート材料400が除去されてもよい。あらゆる過剰の浮遊ゲート材料400を除去するために使用されるプロセスは、浮遊ゲート材料400のドーピングの関数であってもよい。例えば、浮遊ゲート材料400がn型にドープされたポリシリコンである場合、過剰の浮遊ゲート材料400を除去するために、TMAHプロセスが使用されてもよい。浮遊ゲート材料400の垂直方向の露出表面は、第三の誘電体材料413の垂直方向の露出表面と実質的に同一平面であってもよい。
図10に示されるように、浮遊ゲート400の高さL
3は、制御ゲート材料108の高さL
1と実質的に同一であってもよい。
【0050】
図11を参照すると、開口200の深さは、その後、開口200が制御ゲート材料103を通ってソース酸化物材料102の少なくとも一部へと延びるように、増加してもよい。開口200の深さは、従来の技術によって制御ゲート材料103およびソース酸化物材料102をエッチングすることによって増加してもよく、本明細書で詳細には記述されない。
【0051】
図12に示されるような幾つかの実施形態においては、トンネル誘電体材料511(以降、時に例として、“トンネル酸化物材料”と称される)は、浮遊ゲート400の露出表面および制御ゲート材料103上に形成されてもよい。幾つかの実施形態においては、トンネル酸化物材料511は、酸化シリコンであってもよい。トンネル酸化物材料を形成するための如何なる従来の方法が使用されてもよい。トンネル誘電体材料511を選択的に形成するために、トンネル酸化物材料511は、浮遊ゲート400の露出表面および制御ゲート材料103上に成長してもよい。
【0052】
幾つかの実施形態においては、ポリシリコンライナーなどのライナー材料が開口200の側壁上などの開口200の露出表面上に形成されてもよい。例えば、
図12に示されるように、ライナー材料512は、第三の誘電体材料413の露出表面上、トンネル酸化物材料511上およびソース酸化物材料102の露出側壁上に形成されてもよい。ライナー材料512は、下流の処理動作から酸化物材料を保護することがある。
【0053】
図13を参照すると、開口200の深さは、ソース101に対する電気的接触を可能とするために、ソース酸化物材料102を通って延びてもよい。
図13の実施形態に示されるように、開口200が積層110、エッチング停止材料104、制御ゲート材料103、ソース酸化物材料102およびソース101の少なくとも一部を通って延びるように、ソース酸化物材料102とソース101の少なくとも一部の残りの厚さは除去されてもよい。ソース酸化物材料102およびソース101の少なくとも一部を除去するための如何なる従来の方法が使用されてもよいので、本明細書では詳細には記述されない。
【0054】
図14においては、チャネル材料500は、半導体構造100の開口200を実質的に充填するために形成されてもよい。限定しない例として、チャネル材料500は、導電性を有するようにドープされたポリシリコンであってもよい。チャネル材料500を形成するための如何なる従来の方法が使用されてもよいので、本明細書では詳細には記述されない。
【0055】
幾つかの実施形態においては、
図13の半導体構造100は、チャネル材料500で開口200を実質的に充填する前に洗浄プロセスに晒されてもよい。洗浄プロセスのために如何なる従来の方法が使用されてもよいので、本明細書では詳細には記述されない。
【0056】
本明細書で記述されるように、本開示の一つ以上の実施形態は、限界寸法を脅かすことなく、かつ、プロセスに複雑な処理を追加することなく、より高い浮遊ゲートを形成することを可能にすることがある。同一の高さで浮遊ゲートおよび制御ゲートを形成するようにプロセスを改変することによって、浮遊ゲートおよび制御ゲートは整列してもよい。
【0057】
本明細書では誘電体材料とは異なる密度の部分を有する酸化物材料を使用して種々の実施形態が記述されているが、他の誘電体材料が使用されてもよいことを理解されたい。誘電体材料は、電力および周波数などの処理パラメータが調整可能であり、結果として異なる密度を有する絶縁体材料の一部を生じるPECVDプロセスによって形成することができる任意の絶縁体材料であってもよい。限定しない例として、誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンまたは他の高いkを有する絶縁体材料であってもよい。
【0058】
半導体構造は、酸化物材料と制御ゲートとの交互の積層であって、各酸化物材料は、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を含む交互の積層と、制御ゲートに横方向に隣接する電荷蓄積構造(例えば、浮遊ゲートまたは電荷トラップ)と、各電荷蓄積構造と横方向に隣接する制御ゲートとの間の電荷ブロック材料と、酸化物材料と制御ゲートとの交互の積層を通って延びるピラーと、を含んでもよい。
【0059】
半導体構造は、誘電体材料と制御ゲートとの交互の積層であって、誘電体材料は上部、中間部および下部を含み、上部および下部は中間部よりも低い密度を有する交互の積層と、隣接する制御ゲートの高さと実質的に同一の高さを有する電荷蓄積構造と、電荷蓄積構造と隣接する制御ゲートとの間の電荷ブロック材料と、酸化物材料および制御ゲートの交互の積層を通って延びるチャネル材料と、を含んでもよい。
【0060】
図15−
図18は、本開示の一実施形態による3D−NANDフラッシュメモリデバイスに対する複数の浮遊ゲートを形成する幾つかの段階の断面図であり、積層の交互の誘電体材料は、単一のエッチング化学(即ち、同一のエッチング化学)に晒されると、異なる除去速度を有する異なる材料の少なくとも二つの部分を含んでもよい。交互の誘電体材料における異なる材料は、実質的に同一の密度を有してもよいし、異なる密度を有してもよい。
【0061】
図15は、ソース101’と、ソース酸化物材料102と’、選択デバイス(例えば、SGS)の制御ゲートとして使用される材料103’と、任意でエッチング停止材料104’と、(メモリセルの)誘電体材料105’および制御ゲート108’の交互の積層110’と、積層110’を通って延びる開口200’と、を含む半導体構造100’を示す。誘電体材料105’は、同一のエッチング化学に晒されると、異なる除去速度を有する異なる材料の少なくとも二つの部分を含んでもよい。誘電体材料内の異なる材料は同一の密度であってもよいし、同一の密度でなくてもよい。交互の誘電体材料の異なる部分に対して適切な材料の限定しない例は、酸化物ベース材料、窒化物ベース材料、酸窒化物ベース材料またはその組み合わせを含んでもよい。
【0062】
幾つかの実施形態においては、積層の誘電体材料の各々は、少なくとも第一の材料部分と第二の材料部分とを含んでもよく、第一の材料部分は、同一のエッチング化学に晒されると、第二の材料部分のエッチング速度よりも少なくとも約2倍大きいエッチング速度を有する。しかしながら、半導体構造の特定の集積スキームによって、誘電体材料部分の除去速度の差異は変化し得ることを理解されたい。
【0063】
限定しない例として、
図15に示されるように、誘電体材料105’は、上部材料部分105c’、中間材料部分105b’、下部材料部分105a’を含んでもよく、同一のエッチング化学に晒されると、上部材料部分105c’は、下部材料部分105a’と実質的に同一の除去速度を有し、中間材料部分105b’よりも高い除去速度を有する。限定しない例として、誘電体材料105’の上部材料部分および下部材料部分(105c’と105a’)は、酸化シリコン(SiO
x)材料を含んでもよく、中間材料部分105b’は、窒化シリコン(SiN
x)材料を含んでもよい。別の限定しない例として、誘電体材料105’の上部材料部分および下部材料部分(105c’と105a’)は、酸化シリコン材料(SiO
x)材料を含んでもよく、中間材料部分105b’は、酸窒化シリコン(SiO
xN
y)材料を含んでもよい。
【0064】
図15の構造100’は、唯一つの開口200’のみを図示しているが、半導体構造100’は、二つ以上の開口を含んでもよいことを理解されたい。さらに、
図15には、誘電体材料105’が3つの部分を含むものとして図示されているが、誘電体材料105’は、2つ以下の材料部分または4つ以上の材料部分を含んでもよいことを理解されたい。
【0065】
図16に示されるように、積層110’内の制御ゲート材料108’の一部および誘電体材料105’の一部は、制御ゲート凹部302’を作成するために除去されてもよく、制御ゲート凹部302’の上部境界および下部境界は、隣接する誘電体材料105’の側壁によって画定される。限定しない例として、
図16に示されるように、隣接する制御ゲート108’の高さL
1よりも大きい高さL
2を有する制御ゲート凹部302’を提供するために、誘電体材料105’の上部材料部分および下部材料部分(105c’、105a’)は、中間材料部分105b’の一部を実質的に除去することなく除去されてもよい。限定しない例として、誘電体材料105’の上部材料部分および下部材料部分(105c’および105a’)は、酸化シリコン材料(SiO
x)のみから成り、中間材料部分105b’は、窒化シリコン(SiN
y)材料のみから成り、上部材料部分および下部材料部分(105c’および105a’)の酸化シリコン(SiO
x)材料は、フッ化水素(HF)溶液およびHFとNH
4Fとを含む緩衝酸化物エッチング(BOE)溶液のみから成る群から選択されたエッチャントでエッチングすることによって、中間材料部分105b’の窒化シリコン(SiN
y)材料よりも速い速度で除去されてもよい。
【0066】
したがって、制御ゲート凹部302’の寸法、高さおよび外形は、誘電体材料105’内の各誘電体部分(例えば、105a’、105b’、105c’)の材料、各材料部分の厚さ、エッチング条件および他の種々の既知の要因を適切に選択することによって制御されてもよい。
【0067】
図17を参照すると、結果として生じる制御ゲート凹部の高さL
3が、隣接する制御ゲート材料108’の高さL
1に実質的に等しくなるように、制御ゲート凹部302’内の領域を占めるように、インターポリ誘電体(IPD)材料などの電荷ブロックトラップ構造(411’−412’−413’)が、制御ゲート凹部302’の露出表面上に形成されてもよい。浮遊ゲート材料400’は、その後、制御ゲート凹部の残りの体積を実質的に充填するために、制御ゲート凹部内に形成されてもよい。
【0068】
図18に示されるような幾つかの実施形態においては、トンネル誘電体材料511’が浮遊ゲート400’および制御ゲート材料103’の露出表面上に形成されてもよい。ライナー材料512’は、開口200’の露出表面上に形成されてもよく、チャネル材料500’が開口200’を実質的に充填するために形成されてもよい。
【0069】
半導体構造は、誘電体材料と制御ゲートとの交互の積層、制御ゲートに横方向に隣接し、其々の横方向に隣接する制御ゲートと実質的に同一の高さを有する電荷蓄積構造と、各電荷蓄積構造と其々の横方向に隣接する制御ゲートとの間の電荷ブロック材料と、誘電体材料と制御ゲートとの交互の積層を通って延びるピラーと、を含んでもよく、積層の各誘電体材料は、同一のエッチング化学に晒されると、異なる除去速度を有する異なる材料の少なくとも二つの部分を含む。
【0070】
半導体構造(
図14の100、
図18の100’)は、半導体デバイスの作成のためにさらなる処理に晒されることがある。一実施形態においては、半導体構造(100、100’)は、3D−NANDフラッシュメモリデバイスなどの半導体デバイスを形成するために、従来技術によってさらに処理されてもよい。しかしながら、3D−NANDフラッシュメモリデバイスに関連して実施形態が記述されたが、本開示はそのように限定されることはない。本開示は、電荷蓄積構造を使用し得る他の半導体構造およびメモリデバイスに適用可能である。
【0071】
図2−
図18は、3D−NANDデバイス用の電荷蓄積構造(400、400’)を有する半導体構造(100、100’)を形成する幾つかの実施形態を示し、積層(110、110’)内の交互の酸化物材料(105、105’)および制御ゲート材料(108、108’)の数を必ずしも限定するわけではない。さらに、電荷蓄積構造(400、400’)の位置、数および形状、またはチャネル材料(500、500’)の外形および形状は、図示された実施形態に限定されることはない。
【0072】
半導体構造を形成する方法は、酸化物材料の間に形成される電荷蓄積構造の高さを増加させるため、所定の構造に電荷蓄積構造の外形を形成するため、またはその双方のために、このような酸化物材料に対して最適化されたウェットエッチングプロセスと組み合わせて、異なる密度の少なくとも二つの酸化物部分を有する酸化物材料を使用することを含むことができる。
【0073】
このような一方法は、酸化物材料の堆積プロセスを改変し、制御ゲート凹部内に電荷ブロック材料を形成する前に、酸化物材料のウェットエッチングプロセスを追加する。このような一方法は、限界寸法を脅かすことなく、かつ複雑なステップを追加することなく、電荷蓄積構造の高さを増加させることを可能にすることがある。
【0074】
本開示は種々の改変および代替形態が可能であるが、本明細書では例示として、特定の実施形態が図面内で示され、記述されてきた。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定することを意図するものではない。むしろ、本開示は、以下に添付する請求項およびその法的均等物によって定義されるように、本開示の範囲内にある全ての改変、均等物および代替物を包含するものである。