(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれ板状に形成された第一の部材と第二の部材とが折曲げ可能に形成された連結部にて連結されて、前記第一の部材と前記第二の部材とにそれぞれ電極が設けられてそれぞれの前記電極の間には前記電極に対して変位可能な誘電体が設けられたコンデンサが形成された本体部と、
対向された前記第一の部材と前記第二の部材との間で挟持されて前記第一の部材と前記第二の部材との間隙を維持するスペーサと、
前記本体部及び前記スペーサを収容する収容部が形成されたケーシングとを備え、
該前記本体部には、人の特定の動作に基づいて所定の状態が変化するように構成された状態変化手段と、
静電容量を検出する静電容量検出手段とを備え、
前記誘電体は前記状態変化手段の前記状態の変化に依存して前記電極に対して変位して、該誘電体の変位に依存して前記静電容量検出手段において検出される前記静電容量が変化するように構成されて、
前記連結部が折曲げられた状態で、前記第一の部材と前記第二の部材とが対向した状態に折り畳まれ、対向された前記第一の部材と前記第二の部材との間に前記スペーサが挟持され、前記第一の部材と前記第二の部材とに前記スペーサが挟持された状態で前記本体部が前記ケーシングの前記収容部に収容されて、前記ケーシングによって前記第一の部材と前記第二の部材とが対向方向に挟持されるように構成されたことを特徴とする動作検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1においては、機器の機械的変位量を検出するために電磁石等の機械的構成が大きな体積を占めてしまう。同様に、上記特許文献2においては、機械的変位量を検出するために整流器や抵抗を備える必要がある。そのため、上記特許文献1や特許文献2においては、機械的変位量を検出するための構成が大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、人の動作を簡易かつ正確に検出できて、小型に形成できる動作検出装置、及び遊技機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、それぞれ板状に形成された第一の部材と第二の部材とが折曲げ可能に形成された連結部にて連結されて、前記第一の部材と前記第二の部材とにそれぞれ電極が設けられてそれぞれの前記電極の間には前記電極に対して変位可能な誘電体が設けられたコンデンサが形成された本体部
と、対向された前記第一の部材と前記第二の部材との間で挟持されて前記第一の部材と前記第二の部材との間隙を維持するスペーサと、前記本体部及び前記スペーサを収容する収容部が形成されたケーシングとを備え、該
前記本体部には、人の特定の動作に基づいて所定の状態が変化するように構成された状態変化手段と、静電容量を検出する静電容量検出手段とを備え、前記誘電体は前記状態変化手段の前記状態の変化に依存して前記電極に対して変位して、該誘電体の変位に依存して前記静電容量検出手段において検出される前記静電容量が変化するように構成されて、前記連結部が折曲げられた状態で、前記第一の部材と前記第二の部材とが対向した状態に折り畳まれ
、対向された前記第一の部材と前記第二の部材との間に前記スペーサが挟持され、前記第一の部材と前記第二の部材とに前記スペーサが挟持された状態で前記本体部が前記ケーシングの前記収容部に収容されて、前記ケーシングによって前記第一の部材と前記第二の部材とが対向方向に挟持されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の構成に加え、前記状態変化手段は前記誘電体に接続され、前記状態変化手段及び前記誘電体はそれぞれの前記電極に挟持された状態で前記電極に対して回動自在であって、前記静電容量検出手段は、前記状態変化手段の回動に伴う前記誘電体の回動によって変化する前記コンデンサの静電容量によって前記状態変化手段の回転角を検出することを特徴とする。
【0009】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載の構成に加え、前記状態変化手段は、前記人が接触した場合に前記コンデンサの前記静電容量を変化させる被接触部に電気的に接続され、前記静電容量検出手段は、前記被接触部に対する前記人の接触状態に依存する、前記コンデンサの前記静電容量の変化を検出するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項
4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記状態変化手段は、前記人が動作中の特定の機器の動作を停止させるための特定の操作を行った場合に前記コンデンサの前記静電容量を変化させる停止操作部に電気的に接続され、前記静電容量検出手段は、前記停止操作部の状態に依存する、前記コンデンサの前記静電容量の変化を検出するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項
5に記載の発明は、遊技機であって、請求項1乃至
45の何れか一つに記載の動作検出装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、本体部には、状態変化手段と静電容量検出手段とが設けられ、状態変化手段が人の特定の動作に基づいて変化したときに、この変化に依存してコンデンサの誘電体が変位して、静電容量検出手段が誘電体の変位に依存して変化する静電容量を検出することにより、人の特定の動作を静電容量の変化によって電気的に正確に検出できる。また、静電容量の変化のみで動作状態を検出できるので、動作検出のための構成を簡素化できる。また、本体部が、連結部が折曲げられた状態で、第一の部材と第二の部材とが対向した状態に折り畳まれるように構成されたことにより、動作検出装置を小さい形状に形成できる。これにより、人の動作を簡易かつ正確に検出できて、構成が小型に形成された動作検出装置を提供できる。
【0013】
請求項
1に記載の発明によれば、本体部は、連結部が折り曲げられて折り畳まれた状態でケーシングの収容部に収容されることにより、本体部を折り畳んだ状態で形状を固定できる。これにより、動作検出装
置を確実に小型に形成できる。
【0014】
請求項
2に記載の発明によれば、状態変化手段に接続された誘電体はそれぞれの電極に挟持された状態で電極に対して回動自在に構成されたことにより、状態変化手段が回動すれば誘電体も回動し、誘電体と電極とが対向する領域が変位し、コンデンサの静電容量が変化する。そして、静電容量検出手段が変化するコンデンサの静電容量を検出することで状態変化手段の回転角を検出できる。これにより、機器の機械的変位量を簡易かつ正確に検出できる構成を具体的に実現できて、動作検出装置を確実に小型に形成できる。
【0015】
請求項
3に記載の発明によれば、静電容量検出手段において、接触部に対する人の接触状態に依存する、コンデンサの静電容量の変化を検出するように構成されたことにより、特定の機器に対する人の接触の有無を、静電容量の変化によって検出できる。これにより、多様な人の動作を簡易かつ正確に検出することが可能になる。
【0016】
請求項
4に記載の発明によれば、静電容量検出手段において、特定の機器を任意の位置で固定させる操作に依存する、コンデンサの静電容量の変化を検出するように構成されたことにより、特定の機器の操作が固定されたことを、静電容量の変化によって検出できる。これにより、多様な人の動作を簡易かつ正確に検出することが可能になる。
【0017】
請求項
5に記載の発明によれば、遊技者の所定の動作を簡易かつ正確に検出できる構成が小型に形成された遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[発明の実施の形態1]
図1乃至
図8にこの発明の実施の形態1を示す。
【0020】
[動作検出装置と遊技機の基本構成]
図1は、この実施の形態1に係る動作検出装置1Aの全体構造を示す分解斜視図である。この動作検出装置1Aは、
図4に示す遊技機100としてのパチンコ機の「機器」としてのハンドル101に用いられて、遊技機100を使用する「人」としての遊技者(図示せず)の各種の動作を検出する。
【0021】
図4に示す通り、この実施の形態1のハンドル101は、所定の回転角(例えば110度)で回動可能に形成され、遊技者が手で把持して回動させることで、遊技機100の玉の打ち出しの強さを調節できる。ハンドル101には、被接触部102と「停止操作部」としてのストップボタン103とが設けられている。被接触部102とストップボタン103は導電性の部材、例えば金属や導電性ゴムで形成されている。
【0022】
被接触部102は遊技者がハンドル101を把持しているか否かの検出に用いられる。ストップボタン103は、プッシュ式のボタンであって、プッシュ操作されたときに動作中の特定の機器の動作を停止させる機能を奏する。この実施の形態1では、ストップボタン103がプッシュされると、遊技機100の玉の発射が一時的に停止される機能を奏する。
【0023】
具体的には、例えば、被接触部102やストップボタン103に遊技者(図示せず)の手が接触した際に、この接触により被接触部102やストップボタン103の静電容量値が変化し、この変化が第一の導線104や第二の導線105を介してIC13(
図1、
図5参照)に伝導されるように構成される。但し、遊技者(図示せず)の被接触部102への接触やストップボタン103のプッシュを静電容量の変化としてIC13に伝導させる構成ならどのようなものでもよく、例えば、ハンドル101にコンデンサを設け、遊技者(図示せず)が被接触部102に接触した場合やストップボタン103をプッシュした場合にこのコンデンサの静電容量が変化し、この静電容量の変化をIC13に伝導させるような構成としてもよい。
【0024】
なお、被接触部102やストップボタン103はハンドル101のどの位置に設けられていてもよい。また、遊技機100の玉の発射を一時的に停止させるための構成は、ストップボタン103以外の構成、例えばスライド式のレバー等、どのようなものであってもよい。更に、「停止操作部」は遊技機100における玉の発射以外のどのような動作を停止させるものであってもよい。
【0025】
図4及び
図5に示すように、被接触部102は第一の導線104によって、ストップボタン103は第二の導線105によって、それぞれ、動作検出装置1Aの接続口部14を介してIC13(
図5参照)に接続されている。
【0026】
また、
図4に示すように、この実施の形態1の動作検出装置1Aの回動軸7は、ハンドル101の軸106に、ギア107を介して接続されている。ただし、回動軸7をハンドル101の軸106と同一の構成としてもよい。
【0027】
図1に示すように、動作検出装置1Aは本体部1とケーシング2とを備えている。使用状態において、本体部1はケーシング2に収容されている。
【0028】
本体部1は、「第一の部材」としての第一の基板3と、「第二の部材」としての第二の基板4と、連結部5とを備えている。
【0029】
第一の基板3は、非導電性の硬質の樹脂等によって略矩形の板状に形成されている。第一の基板3には 略中央部に貫通孔6が開口形成され、この貫通孔6には「状態変化手段」として、ハンドル101の回動軸7が回動自在に設けられている。
【0030】
この回動軸7は、遊技者の特定の動作として、ハンドル101の回転を検出する。回動軸7の先端側には、ハンドル101に挿通されたときにハンドル101と回動軸7とを固定させるための端面部7aが軸方向に沿って設けられている。回動軸7の基端寄りには、先端側よりも拡径された拡径部8が設けられ、拡径部8よりも基端側は、先端側よりも小経で、第一の基板3の貫通孔6と略同一径の挿通部9を形成する。挿通部9は第一の基板3の貫通孔6に挿通される。回動軸7の先端部は、被軸受部10を形成し、軸挿通孔15(後述)に収容される。
【0031】
第二の基板4も、非導電性の硬質の樹脂等によって略矩形の板状に形成されている。第二の基板4には、IC13が設けられている。このIC13は制御回路を備え、コンデンサ16(後述)における静電容量や蓄積された電荷を検出する、「静電容量検出手段」としての機能を有する。具体的には、IC13は、回動軸7の回転角に依存して変化するコンデンサ16の静電容量を検出する(詳しくは後述する)。また、IC13は、静電容量や電荷の検出結果に基づいてハンドル101の回転操作以外の遊技者の動作状態を検出する機能も有する(詳しくは後述する)。
【0032】
第二の基板4には接続口部14が突設されている。この接続口部14は内部にIC13等と各種配線(図示せず)で電気的に接続された端子(図示せず)等が設けられ、電気部品のコネクタ(図示せず)に接続可能に形成されている。第二の基板4の略中央部には軸挿通孔15が開口形成されている。この軸挿通孔15には回動軸7の被軸受部10が挿通されている。
【0033】
なお、
図5に示す通り、接続口部14には、第一の導線104、及び、第二の導線105が接続されている(後述の[回路構成]に詳述。)。
【0034】
図1に示す、連結部5は、弾性のある非導電性の部材によって帯状に形成されており、弾性変形させて弧状に折曲げることが可能である。
図1に示すように、連結部5を略U字状に弾性変形させて折り曲げると、第一の基板3と第二の基板4とが離間対向させて本体部1が折り畳まれた状態が形成される。連結部5の表面には導線5aが配設されており、この導線5aは、IC13等に接続されて、一方側電極17や、被接触部102やストップボタン103において生じた電流や、コンデンサ16の容量を検出するための信号をIC13に導通させる。連結部5のそれぞれの端部は、第一の基板3、第二の基板4に連結されている。
【0035】
第一の基板3と第二の基板4とは、コンデンサ16を形成する。具体的には、
図1及び
図2に示すように、第一の基板3と第二の基板4の対向面には、それぞれ「電極」としての一方側電極17と他方側電極18が設けられている。そして、
図1や
図2に示す、本体部1が折り畳まれた状態において、第一の基板3の一方側電極17と第二の基板4の他方側電極18との間には誘電体19が挟持された状態となる。
【0036】
図2及び
図3の(b)に示すように、一方側電極17と他方側電極18は、それぞれ導電性の金属によって板状に形成され、それぞれの板面が第一の基板3及び第二の基板4の板面に固着されている。一方側電極17は、回動軸7に沿って略弧状に形成されている。他方側電極18は、隣接して設けられた第一の電極部18aと第二の電極部18bとから成る。第一の電極部18aと第二の電極部18bは、貫通孔6(及び回動軸7)に沿って略弧状に形成されている。
【0037】
一方側電極17は、回動軸7を中心に、ハンドル101の回動可能な範囲(例えば110度の範囲)の略2倍の範囲(例えば220度の範囲)に配設されている。他方側電極18は、第一の電極部18aと第二の電極部18bとが、貫通孔6を中心に、それぞれハンドル101の回転可能な範囲(例えば約110度の範囲)に配設され、その結果、他方側電極18全体として、ハンドル101の回動可能な範囲の略2倍の範囲(例えば220度の範囲)に配設された状態となっている。
【0038】
誘電体19は、誘電率の高い材質例えば樹脂によって形成されている。誘電体19は、誘電率が空気よりも高ければどのようなものでもよい。誘電体19は板状に形成され、基端部には回動軸7の挿通部9が挿通される貫通孔20が貫通形成されている。誘電体19の先端側の拡開角度は、ハンドル101の回動可能な範囲と略等しい角度(例えば約110度)に拡開した略扇型に形成されている。誘電体19の挿通部9に回動軸7の挿通部9が挿通された状態で回動軸7と誘電体19は固着されている。誘電体19は回動軸7の回動に依存して変位可能に形成されている。即ち、回動軸7が回動すると誘電体19も一緒に回動する。
【0039】
図1に示すように、ケーシング2はケーシング本体部21と蓋部22とを有する。
【0040】
ケーシング本体部21は箱形に形成され、内部に本体部1を収容するための収容部23が形成されている。ケーシング本体部21の一端側には開口部24が開口形成され、他方側の底部25の略中央部には回動軸挿通孔26が開口形成されている。底部25の外方には、回動軸挿通孔26の位置に対応して筒状の回動軸用筒部27が突設されている。
図1に示すように、ケーシング本体部21の一側面には被係合孔部29a,29bが設けられ、対向する他側面には被係合孔部30a,30bが設けられている。
【0041】
蓋部22は、ケーシング本体部21の開口部24に略等しい形状に形成されている。即ち、蓋部22の略板状の蓋本体部31は、略矩形であって、背面側(
図1に表示された側とは反対側)には、回動軸7の被軸受部10の端部を回動自在に軸支する軸受32が突設されている。蓋本体部31の一部には、第一の基板3の接続口部14と略等しい形状の被接続部挿通孔部33が開口形成されている。また、蓋本体部31の周縁に沿って、フランジ34が設けられている。
【0042】
図1に示すように、本体部1が折り畳まれたときの高さL1は、ケーシング2のケーシング本体部21に蓋部22を嵌合させたときの収容部23の内部の高さL2と略等しくなる。
【0043】
[回路構成]
図5に、この実施の形態1の動作検出装置1Aと遊技機の回路構成の該略図を示す。
【0044】
同図に示す通り、IC13は電源(図示せず)に接続されて所定値たとえば5Vの電圧で電流が供給されると共に接地されている。また、接続口部14も電源に接続されて所定値たとえば5Vの電圧で電流が供給されると共に接地されている。
【0045】
IC13には、動作検出装置1Aの他方側電極18を構成する第一の電極部18aがIC13の第1AチャンネルCH1Aに、第二の電極部18bがIC13の第1BチャンネルCH1Bに、それぞれ接続されている。なお、一方側電極17は接地されている。
【0046】
遊技機100のハンドル101の被接触部102はIC13の第2チャンネルCH2に、ストップボタン103はIC13の第3チャンネルCH3に、それぞれ電気的に接続されている。具体的には、
図5に示すように、被接触部102は、第一の導線104により接続口部14に接続され、さらに第2チャンネルCH2に接続されている。ストップボタン103は、第二の導線105により接続口部14に接続され、さらに第3チャンネルCH3に接続されている。IC13の第4チャンネルCH4には第一の出力用導線108が、第5チャンネルCH5には第二の出力用導線109が、それぞれ接続されている。
図4及び
図5に示すように、第一の出力用導線108、第二の出力用導線109は、それぞれ接続口部14に接続されている。第一の出力用導線108、第二の出力用導線109は、(接続口部14に接続された信号線(図示せず)等によって)それぞれ遊技機100の本体部の所定の構成(例えばモータの駆動装置や各種機構の駆動装置等)に接続されている。
【0047】
IC13は、各チャンネルCH1A,CH1B,CH2,CH3に入力される信号に基づいて静電容量を演算して算出する。また、IC13は、算出された静電容量の値に基づいて、ハンドル101の回転角、ハンドル101への遊技者(図示せず)の手110の接触の有無、ストップボタン103のプッシュの有無を検出する。そして、IC13は、第4チャンネルCH4から、ハンドル101の回転角に基づいて算出された信号値(電圧値)の出力信号を出力し、遊技機100の玉の発射の強さを調整する。またIC13は、第5チャンネルCH5から、ハンドル101への遊技者(図示せず)の手110の接触状態やストップボタン103のプッシュの有無に基づいて算出された信号値(電圧値)の出力信号を出力し、遊技機100の動作状態や玉の発射の一時停止を制御する。
【0048】
[動作検出装置の組立]
この実施の形態1の動作検出装置1Aを組み立てる際は、まず、
図3の(a)(b)に示す状態から、連結部5を弾性力に抗して略U字状に折曲げて、一方側電極17と他方側電極18とが対向した状態で、第一の基板3と第二の基板4を対向させた状態とする。回動軸7の被軸受部10は軸挿通孔15に挿通させる。これにより本体部1が完成する。
【0049】
次に、この状態の本体部1をケーシング2に収容する。具体的には、第一の基板3側をケーシング本体部21の底部25側に向け、本体部1の回動軸7を回動軸挿通孔26から回動軸用筒部27に嵌挿して、本体部1をケーシング本体部21の収容部23に収容する。この状態で、ケーシング本体部21の開口部24に蓋部22を嵌合させ、被係合孔部29a,29bと係合片部(図示せず)、被係合孔部30a,30bと係合片部35a,35bを係合させ、回動軸7の挿通部9を軸受32にて軸支させる。これにより、動作検出装置1Aを完成させる。
【0050】
本体部1の高さL1と収容部23の内部の高さL2は略一致しているので、連結部5の弾性力により、本体部1はケーシング2の底部25と蓋本体部31に押しつけられた状態でケーシング2の内部において位置が固定される。
【0051】
なお、上記は動作検出装置1Aの組立手順の一例であり、動作検出装置1Aの組立手順は上記以外のどのようなものであってもよい。
【0052】
[ハンドルの回転状態の検出]
この実施の形態1において、遊技機100のハンドル101が操作されていないとき、誘電体19は全て第一の電極部18aに対向した状態となる(
図5、
図6の(a)、
図7参照)。このとき、
図8のP1に示すように、IC13においては、第1AチャンネルCH1Aの静電容量111は最大値で、第1BチャンネルCH1Bの静電容量112は最小値となる。IC13はこの状態を回転角0度と検出する。
【0053】
次に、ハンドル101が遊技者(図示せず)によって次第に回動されていくと、誘電体19の位置が第一の電極部18a上から第二の電極部18b上に次第に移動する。すると、
図8(において左側から右側に移行する状態)に示すように、第1AチャンネルCH1Aの静電容量111は漸減し、第1BチャンネルCH1Bの静電容量112は漸増する。IC13は静電容量111,112の相対量に基づいてハンドル101の回転角を検出する。
【0054】
更に、ハンドル101が一杯まで回動されたとき、誘電体19は全て第二の電極部18bに対向した状態となる(
図6の(b)参照)。このとき、
図8のP2に示すように、IC13においては、第1AチャンネルCH1Aで検出される静電容量111は最小値で、第1BチャンネルCH1Bで検出される静電容量112は最大値となる。IC13はこの状態を回転角最大(110度)として検出する。IC13は、検出された回転角に基づいて遊技機100の玉の発射の強さを調整する。
【0055】
[接触状態の検出]
図5に示す、ハンドル101の被接触部102に遊技者(図示せず)の手110が触れた場合を考える。人体は概ね100〜200pFの静電容量を有する(
図5参照)ので、被接触部102に手110が触れると、IC13の第2チャンネルCH2には人体の静電容量を示す信号が新たに入力される。IC13はこの状態をハンドル101が遊技者(図示せず)によって把持された状態として検出する。
【0056】
[玉の発射停止状態の検出]
図5に示す、ハンドル101のストップボタン103がプッシュされた場合を考える。このとき、IC13の第3チャンネルCH3には遊技者(図示せず)や遊技機100の静電容量の有する静電容量を示す信号が新たに入力される。IC13はこの状態を遊技者(図示せず)が玉の発射を一時的に停止させた状態として検出する。そしてIC13は遊技機100の玉の発射を一時的に停止させるための制御を行う。
【0057】
以上、この実施の形態1においては、本体部1には、「状態変化手段」としての回動軸7と、「静電容量検出手段」としてのIC13とが設けられ、「状態変化手段」が遊技者(図示せず)の特定の動作に基づいて変化したときに、この変化に依存してコンデンサ16の誘電体19が変位して、IC13が誘電体19の変位に依存して変化する静電容量を検出することにより、人の特定の動作を静電容量の変化によって電気的に正確に検出できる。また、静電容量の変化のみで動作状態を検出できるので、動作検出のための構成を簡素化できる。また、本体部1が、連結部5が折曲げられた状態で、第一の基板3と第二の基板4とが対向した状態に折り畳まれるように構成されたことにより、動作検出装置1Aを小さい形状に形成できる。これにより、人の動作を簡易かつ正確に検出できて、構成が小型に形成された動作検出装置1Aを提供できる。
【0058】
この実施の形態1においては、本体部1は、連結部5が折り曲げられて折り畳まれた状態でケーシング2の収容部23に収容されることにより、本体部1を折り畳んだ状態で形状を固定できる。これにより、動作検出装置1Aを確実に小型に形成できる。
【0059】
この実施の形態1においては、本体部1が折り畳まれた状態において、第一の基板3の一方側電極17と第二の基板4の他方側電極18との間にはコンデンサ16を形成する誘電体19が挟持されることにより、本体部1が折り畳まれた状態を活用して、コンデンサ16を小型に形成できる。これにより、動作検出装置1Aを確実に小型に形成できる。
【0060】
この実施の形態1においては、回動軸7に接続された誘電体19は一方側電極17と他方側電極18に挟持された状態で一方側電極17と他方側電極18に対して回動自在に構成されたことにより、回動軸7が回動すれば誘電体19も回動し、誘電体19と一方側電極17及び他方側電極18とが対向する領域が変化し、コンデンサ16の静電容量が変化する。そして、IC13が変化するコンデンサ16の静電容量を検出することで回動軸7及びハンドル101の回転角を検出できる。これにより、ハンドル101の機械的変位量を簡易かつ正確に検出できる構成を具体的に実現できて、動作検出装置1Aを確実に小型に形成できる。
【0061】
この実施の形態1においては、IC13において、被接触部102に対する遊技者(図示せず)の接触状態に依存する、コンデンサ16の静電容量の変化を検出するように構成されたことにより、特定の機器に対する人の接触の有無を、静電容量の変化によって検出できる。これにより、多様な人の動作を簡易かつ正確に検出することが可能になる。
【0062】
この実施の形態1においては、IC13において、ハンドル101を任意の位置で固定させる操作に依存する、コンデンサ16の静電容量の変化を検出するように構成されたことにより、ハンドル101の操作が固定されたことを、静電容量の変化によって検出できる。これにより、多様な人の動作を簡易かつ正確に検出することが可能になる。
【0063】
[発明の実施の形態2]
図9乃至
図12にこの発明の実施の形態2を示す。
【0064】
図9は、この実施の形態2に係る動作検出装置1Bの全体構造を示す分解斜視図である。同図に示す動作検出装置1Bは、本体部41とケーシング42とを備えている。
【0065】
図9及び
図10に示す通り、本体部41は、第一の基板3と第二の基板4との間にスペーサ43が挟持されている。また、
図9に示す通り、回動軸7の先端側にはOリング44が挿通されている。
【0066】
図9に示す通り、この実施の形態2の第一の基板3と第二の基板4とには、角部に略凹状の嵌合凹部45,46がそれぞれ設けられている。
図9には図示しないが、第一の基板3と第二の基板4とには、正面視における、嵌合凹部45,46が設けられた角部とは対角線上の角部にも嵌合凹部45,46が設けられている。即ち、第一の基板3には一対の嵌合凹部45,45が、第二の基板4には一対の嵌合凹部46,46が設けられている。
【0067】
図11に、スペーサ43の斜視図を示す。このスペーサ43は、非導電性で剛性の高い部材例えばポリカーボネートやエポキシ等の樹脂によって一体に形成されている。スペーサ43は、正面視における外縁の大きさ及び形状が、第一の基板3及び第二の基板4の正面視形状の外縁の大きさ及び形状と略同一になるように形成されている。また、
図11に示す、スペーサ43の高さ方向大きさL3は、
図9に示す、第一の基板3と第二の基板4とを対向させた際の、第一の基板3と第二の基板4との対向面の幅方向大きさL4と等しい大きさに形成されている。
【0068】
そして、スペーサ43の一の対角線上の角部には、一対の嵌合凹部47,47が設けられている。この嵌合凹部47,47は、正面視形状が、第一の基板3の嵌合凹部45,45の正面視形状、及び、第二の基板4の嵌合凹部46,46の正面視形状と同一に形成されている。
【0069】
スペーサ43の正面視略中央部には、円形の貫通孔部48が貫通形成されている。
図11に示す、貫通孔部48の内径L5は、
図10に示す、一方側電極17、他方側電極18、誘電体19の弧状の周縁部よりもやや大きく(即ち、誘電体19が回動する際に誘電体19が接触しない大きさ(
図12の(a)及び(b)参照))に形成されている。
【0070】
Oリング44は、弾性の高い部材例えばフッ素ゴム等によって断面が円形且つ環状に形成されている。Oリング44の貫通孔部49の内径は、回動軸7の外径よりも大きく、貫通孔部49が回動軸7に挿通可能となるように形成されている。
【0071】
本体部41の上記以外の構成は、この発明の実施の形態1の本体部1と同じである。
【0072】
ケーシング42は、ケーシング本体部51と蓋部52とを有する。
図9に示す通り、蓋部52のフランジ34における一の対角線上の角部には、一対の嵌合凹部53,53が設けられている。この嵌合凹部53,53は、正面視形状が、第一の基板3の嵌合凹部45,45の正面視形状、及び、第二の基板4の嵌合凹部46,46の正面視形状と同一に形成されている。
【0073】
図9に示す通り、ケーシング本体部51の収容部23の側部のうち、一の対角線上の角部には、一対の嵌合凸部54,54が内方に突出して設けられている。この嵌合凸部54,54は、正面視形状が、第一の基板3の嵌合凹部45,45、第二の基板4の嵌合凹部46,46、スペーサ43の嵌合凹部47,47、蓋部52の嵌合凹部53,53の正面視形状に対応する凸状の形状に形成されている。
【0074】
ケーシング42の上記以外の構成は、この発明の実施の形態1のケーシング2と同じである。
【0075】
この実施の形態2においては、動作検出装置1Bを組み立てる際、
図10に示すように、第一の基板3と第二の基板4との間にスペーサ43を挟持した状態とする。次いで、
図12に示すように、回動軸7の先端側にOリング44を挿通する。このようにして組み立てられた本体部41はケーシング42の内部に収容される。ケーシング本体部51の収容部23に本体部41を収容して、ケーシング本体部51の開口部24に蓋部52を嵌合させる(
図9参照)と、蓋部52の軸受32がOリング44を第二の基板4の板面に押圧した状態となる。これにより、本体部41は、収容部23の内部において、Oリング44の弾性力を介して、蓋部52の軸受32によって恒常的に押圧された状態となる。そして、第一の基板3と第二の基板4とにスペーサ43が密着した状態で固定される。
【0076】
このような構成により、この実施の形態2においては、本体部1が折り畳まれたときの高さL1の大きさは一定となり、遊技機100のハンドル101の回動等によって高さL1が変動することが抑止される。これにより、高さL1の変動によってコンデンサ16の容量が変動してしまうような事態を抑止して、静電容量の変化による遊技者(図示せず)の動作状態の検出を正確に行うことが可能となる。
【0077】
さらに、この実施の形態2においては、動作検出装置1Bをケーシング42の内部に収容する際、第一の基板3の嵌合凹部45,45、第二の基板4の嵌合凹部46,46、スペーサ43の嵌合凹部47,47をケーシング本体部51の嵌合凸部54,54に嵌合させてケーシング本体部51の収容部23に収容する。さらに、ケーシング本体部51の嵌合凸部54,54に蓋部52の嵌合凹部53,53を嵌合させて、ケーシング本体部51の開口部24に蓋部52を嵌合させる。なお、このとき、スペーサ43は第一の基板3の板面と蓋部52の軸受32との間に挟持される。これにより、動作検出装置1Bはケーシング本体部51と蓋部52との間に挟持されて固定される。
【0078】
このような構成により、この実施の形態2においては、ケーシング42の収容部23の内部における動作検出装置1Bの水平方向の位置(特に、第一の基板3と第二の基板4との板面の面方向の相対的な位置)は、嵌合凹部45,45,46,46,47,47と嵌合凸部54,54との嵌合によって固定される。そのため、遊技機100のハンドル101の回動等によって動作検出装置1Bの水平方向の位置がずれてしまい、コンデンサ16の容量が変動してしまうような事態を抑止できる。これにより、静電容量の変化による遊技者(図示せず)の動作状態の検出を正確に行うことが可能となる。
【0079】
上記各実施の形態においては、動作検出装置1Aは、遊技者(図示せず)による遊技機100のハンドル101の回動、ハンドル101の把持、ハンドル101の固定を検出したが、遊技者(図示せず)のこれ以外の動作、例えば遊技機100に設けられた他のボタンやレバーへの接触や操作を静電容量の変化にて検出する構成としてもよい。また、遊技機100の操作以外の各種動作であってもよいし、遊技機100はパチンコ機以外の各種機器であってもよい。
【0080】
上記各実施の形態において、ハンドル101への手110の接触による静電容量の変化の信号を被接触部102からIC13の第2チャンネルCH2に入力し、ストップボタン103がプッシュされた信号をIC13の第2チャンネルCH3に入力する構成としたが、これ以外の構成、例えば被接触部102への手110の把持状態やストップボタン103の位置情報をIC13の一つのチャンネルで受信してもよい。
【0081】
また、上記各実施の形態において、「状態変化手段」は回動軸7とし、「静電容量検出手段」としてのIC13は、回動軸7に連結された誘電体19の回動によるコンデンサ16の静電容量の変化を検出する構成としたが、これに限定されず、例えば、「状態変化手段」を直線状に変位するスライドバーとして構成し、IC13が、スライドバーに連結された誘電体19の、第一の基板3や第二の基板4の板面に沿う方向に直線状にスライドしたことによる静電容量の変化を検出する構成とするなど、「状態変化手段」の可動状態と「静電容量検出手段」の静電容量の検出をどのようなものとしてもよい。
【0082】
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記各実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。