特許第6201139号(P6201139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 石原 茂の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6201139
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】マッサージ具として使用する多目的な袋
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20170914BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61H39/04 H
   A61H39/04 S
   A61H15/00 320Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-85038(P2016-85038)
(22)【出願日】2016年4月21日
【審査請求日】2016年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】517265059
【氏名又は名称】石原 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(72)【発明者】
【氏名】石原 茂
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−121817(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3043744(JP,U)
【文献】 特開平11−062942(JP,A)
【文献】 特開2013−094352(JP,A)
【文献】 特開2006−150017(JP,A)
【文献】 実開昭60−184537(JP,U)
【文献】 特開平11−056946(JP,A)
【文献】 特開平11−113997(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149306(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーズ、又は空気を収容した状態で指圧に使用できる小袋室、及び、球体を収容した状態で前記球体による指圧ができる空間室を備えたマッサージ具として使用する多目的な袋であり、
この袋には、前記空間室を開閉する蓋体と、この蓋体の近傍に当該袋の持ち手、又は引掛け用の紐体とを設ける構成としたマッサージ具として使用する多目的な袋。
【請求項2】
前記小袋室は、前記袋本体の長手方向に横一文字に併設し、かつ複数個設ける構成とした請求項1に記載のマッサージ具として使用する多目的な袋。
【請求項3】
前記小袋室は、前記袋本体の長手方向の横一文字のみに併設し、この横一文字のみ以外の外周面は、この小袋室を備えない構成とした請求項1に記載のマッサージ具として使用する多目的な袋。
【請求項4】
前記球体は、軟質性、及び/又は、硬質性のボールか、テニスボール、又は鋼球の何れか一種類の球体とする構成、或いは複数種類の球体を混合する構成とした請求項1に記載のマッサージ具として使用する多目的な袋。
【請求項5】
前記紐体の端部に磁石を付設し、磁着体に取付けできる構成とした請求項1に記載のマッサージ具として使用する多目的な袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的な袋であって、マッサージ用の袋とか、ポーチ用の袋等の如く、多目的、又は多用途(多目的とする)に活用できる袋に関する。
【背景技術】
【0002】
何処でも、かつ人目を気にすることなく使用できる。所謂、小型のマッサージ具は、市販品を初めとして、文献において知られている。例えば、市販では、クッションマッサージ、エアーマッサージとか、ツボ押しグッズ(フットマッサージ、ツボマッサージとか、棒状マッサージ等と云われたものが含まれる)、或いは磁気マッサージとか云われた商品が該当する。一方、文献関係では、特開平11−113997号公報に記載の発明がある(文献(1)とする)。この文献(1)は、布地の小袋に、ゴルフボールを収容するとともに、このゴルフボールを、小袋内で動き得る隙間をもって収容することを特徴とする。また、特開平11−56946号公報に記載の発明がある(文献(2)とする)。この文献(2)は、空気袋に、テニスボールを収容するとともに、このテニスボールを、空気袋内で動き得る隙間をもって収容することと、空気袋内の空気量を調整可能とすることを特徴とする。さらに、実開昭53−3490号公報に記載の考案がある(文献(3)とする)。この文献(3)は、袋状体を四分割し小袋体を形成し、各小袋体に、弾性球状体を収容するとともに、この弾性球状体を、小袋体内で動き得る隙間をもって収容することを特徴とする。
【0003】
前記文献(1)〜文献(3)は、小袋、空気袋等の袋に、隙間を設けてゴルフボール、テニスボール等のマッサージ(指圧)用の球体を設けるとともに、球体を、袋内で動くことができる構造とし、マッサージ効果と、必要とする指圧を間欠的に行い得ることで、楽しみながら、かつ自由な動きができるようにしたことを特徴とする。
【0004】
【特許文献1】特開平11−113997号公報
【特許文献2】特開平11−56946号公報
【特許文献3】実開昭53−3490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市販製品、及び文献(1)〜文献(3)においては、袋は、球体を入れるためのものであり、原則として、他の目的を意図しているとは考えられない。また、球体による指圧が主体であり、容易で、かつ使い易いとの利点はあるが、定型的な球体の移動に留まり、必ずしも、十分とは考えられない。
【0006】
上記に鑑み、本発明は、袋を多目的に利用し、袋の有効活用を図ることと、球体による主体の指圧の他に、小袋室に収容したビーズ等の他の材料による副次的な指圧を図る構造とし、指圧の程度と、指圧場所の選択とを利用して、使用者(術者)の選択的な希望を満足できるマッサージ具、又は品物収容の袋を提供する。更には、紐体の端部に磁石を付設することで、例えば、金属性デスクの下等のスペースに収容できることと、仕事中での使用も可能となり重宝すること、或いは個人の小物入れとしての利用が図れること等の実用性があるマッサージ具、又は品物収容の袋を提供する。また、その他として、例えば、紐、及び/又は、磁石を付設した構造では、フック、磁着体等に係止できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述した袋の有効利用と、最適なマッサージ具の提供とを意図して、請求項1〜請求項5の発明を開示する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明は、ビーズ、又は空気を収容した状態で指圧に使用できる小袋室、及び、球体を収容した状態で球体による指圧ができる空間室を備えたマッサージ具として使用する多目的な袋であり、
袋には、空間室を開閉する蓋体と、蓋体の近傍に袋の持ち手、又は引掛け用の紐体とを設ける構成としたマッサージ具として使用する多目的な袋(マッサージ具、又は品物収容の袋)であり、例えば、袋を多目的に利用し、袋の有効活用が図れることと、球体による主体の指圧の他に、小袋室に収容したビーズ等の他の材料による副次的な指圧を図る構造とし、指圧の程度と、指圧場所の選択とを利用して、使用者(術者)の選択的な希望を満足できるマッサージ具、又は品物収容の袋を提供できて重宝する。
【0009】
請求項2の発明は、小袋室は、袋本体の長手方向に横一文字に併設し、かつ複数個設ける構成としたマッサージ具として使用する多目的な袋であり、請求項1の特徴である、袋の有効活用と、マッサージ具、又は品物収容ができる袋の提供と、併せて、指圧の押え程度と、指圧場所の選択ができる袋の提供とが可能となる。
【0010】
請求項3の発明では、小袋室は、袋本体の長手方向の横一文字のみに併設し、横一文字のみ以外の外周面は、小袋室を備えない構成としたマッサージ具として使用する多目的な袋であり、請求項1の特徴である、袋の有効活用と、マッサージ具、又は品物収容ができる袋の提供と、併せて、指圧の押え程度と、指圧場所の選択が容易に達成できる袋の提供とが可能となる。
【0011】
請求項4の発明では、球体は、軟質性、及び/又は、硬質性のボールか、テニスボール、又は鋼球の何れか一種類の球体とする構成、或いは複数種類の球体を混合する構成としたマッサージ具として使用する多目的な袋であり、請求項1の特徴である、袋の有効活用と、マッサージ具、又は品物収容ができる袋の提供と、併せて、指圧の押え程度と、指圧の強弱、及び/又は、指圧の効果を選択できる袋の提供とが可能となる。
【0012】
請求項5の発明では、紐体の端部に磁石を付設し、磁着体に取付けできるマッサージ具として使用する多目的な袋であり、請求項1の特徴である、袋の有効活用と、マッサージ具、又は品物収容ができる袋の提供と、併せて、デスクの下等のスペースに収容できることと、仕事中での使用も可能となり重宝すること等の特徴がある。


【図面の簡単な説明】
【0013】
図1-1】本発明の第1実施例を示し、その上面視した斜視図
図1-2】本発明の第1実施例を示し、その下面視した斜視図
図1-3】本発明の第1実施例を示し、その断面図
図1-4】本発明の第1実施例を示し、袋と、その要部を示した展開図
図1-5】小袋室の仕上がりを説明する展開図
図1-6】第1実施例の球体を取れ出し、品物を入れた状態の上面視した斜視図
図1-7】本発明の第1実施例の他の例を示し、その断面図
図1-8】本発明の第1実施例における小袋室に収容するゴム製の粒子体の一例を示した斜視図
図2】本発明の第2実施例を示し、一部欠截の上面視した斜視図
図3】本発明の第3実施例を示し、その上面視した斜視図
図4】本発明の第4実施例を示し、一部欠截の上面視した斜視図
図5-1】本発明の第5実施例を示し、その上面視した斜視図
図5-2】本発明の第5実施例を分解して示す平面図
図6-1】本発明の使用状態であり、仰臥して、肩部に指圧をする状態の側面図
図6-2】本発明の使用状態であり、着座して、尻部、及び/又は、股部に指圧をする状態の側面図
図6-3】本発明の使用状態であり、仰臥して、脚のふくらはぎ部に指圧をする状態の側面図
図7-1】本発明の袋を、物(構築物、例えば、柱)に支持する(保持する、引掛ける)状態を示した側面図
図7-2】本発明の袋を、物(乗り物、例えば、シート)に支持する(保持する、引掛ける)状態を示した側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい一例を図面を参照しながら説明する。
【0015】
図中1は、硬質性のボールか、テニスボール、又は鋼球でなる球体2を収容できる空間室3を内部に備えたなる袋で、この球体2は、硬質性のボールか、テニスボール、又は鋼球の何れか一種類か、これらの中でその選択された複数種類の集まりでなる混合態様とかにする。
【0016】
そして、袋1の構造は、図1−4に示すように袋1を構成する袋本体生地100と、この袋本体生地100の長手方向Yで、かつその内側100aにビーズの小粒子体8とか空気を収容する小袋室5と、前記空間室3、及び蓋部6、紐体7とでなる。袋1は円筒形状としたが、一例で有り、限定されないが、指圧効果(マッサージ効果)を発揮することと、指圧範囲を確保するためには、円筒形状が理想と考えられる。また、図1−7の例では、通常の形状の袋型とする。
【0017】
袋本体生地100は、図1−4の展開図で示すように略方形状であって、小袋室5を長手方向Yにおいて、横一文字Y1に一個、又は複数個設ける。小袋室5は、図1−5の展開図で示すようにと、一部を残して縫合して環状部500(形状は一例である)形成し、環状部500の一部に縫合しない箇所、入れ口501を形成し、この入れ口501より、小粒子体10を取入れた後、入れ口501を縫合して、完全な環状部502を形成して作り上げる。こみの小袋室5には、望ましくは、各図の如く(図5を除く)、ビーズの小粒子体10(、或いは磁気小玉、砂利等の粒子群)を充填(収容)する。小袋室5に小粒子体10を充填した各図に於いては、この小袋室5の外側となる袋本体8の外周面8a(袋1の外周面1a)は、膨出させる構造とする。この膨出させる構造であれば、例えば、指圧効果を発揮するためには有効と考えられる(図1−1、図2図4等参照)。
【0018】
小袋室5は、袋本体8の横一文字Y1に一個、又は複数個設ける構造は、例えば、小粒子体10の指圧と、球体2の指圧とを同時に取入れる所作に於いて、指圧効果が期待できる。小袋室5は、横一文字Y1に設けることを特徴としており、その他の部位には、小袋室5を設けない構造を採用する。その内、小袋室5を設けない構造の理由は、例えば、小袋室5のない、袋本体8のフラットな外周面8aを使用して、刺激の少ない(快い体感での)指圧を楽しめる。この横一文字Y1とは、図1−1の上面視した斜視図において、図面上で左右方向に一文字となることを意味する。尚、小袋室5を設ける理由は、後述する。小粒子体10は、図1−8に示したゴム製の粒子体(図面中に(10)で示す)が簡便で、かつ指圧効果が有り有益である。
【0019】
この袋本体生地100の長手方向Yの端部100bと、一方の端部100cとを縫合して他方の端部100dを開放した袋本体8を作り上げ、他方の端部100dに蓋体6を取付ける。この袋本体生地100の各縫合と、蓋体6を取付けとで、前記空間室3が形成される。尚、この他方の端部100dと蓋体6とは、ファスナー等の締付け具11で開閉する。後述するように、蓋体6の開閉を利用して、空間室3に球体20を出し入れする。締付け具11の端部に、磁石、環体、又は輪等の取付部700を設けることもできる。また、締付け具11は二本の紐でも良い。図1−7に示した一例の如く、蓋体6に代わり、外周面1aの一部を、蓋体6aとして利用することも可能である。この蓋体6aはファスナー、ホック等で開閉する。この一例では、低コスト化と製作の簡便化に寄与できる。紐体7に磁石を付設した構造では、デスクの下等のスペースに収容、かつ磁着して支持できる特徴と、併せて、仕事中での使用も、問題とならず、大変重宝すること等の特徴がある。
【0020】
図5−1の例では、袋本体8の長手方向Yの外周面8aに、この長手方向Yに沿って締付け具11を設けた第5実施例を示しており、この締付け具11の開閉で、空間室3に球体2を挿入、又は空間室3から取出す構造である。その他の構造等は各実施例に準ずる。尚、締付け具11は、袋本体8の外周面8aに沿って、その一部、又は略全体に設けることも可能である。この一例は、締付け具11と紐体7が、長手方向Yに向かって一連に設けられた構造であり、落着いた瀟洒な感覚と、締付け具11の開閉が、紐体7を利用して簡便、かつスムーズに開閉できる。また、図5−2は、分解して示す平面図であり、この図に於いて、×の印は、縫合箇所を示す。
【0021】
本発明の袋1の使用状態は、図6−1〜図6−3に於いて、一例が示してあり、例えば、図6−1は、人Hが仰臥して、肩部H1に指圧をする状態を、また、図6−2は、人Hが着座して、尻部H2、及び/又は、股部H3に指圧をする状態を、さらに図6−3は、人Hが仰臥して、脚H4のふくらはぎ部に指圧をする状態をそれぞれ示した一例である。以上の如く、ポーチのような袋1であり、何時でも、何処に於いても簡易に使用できるので重宝することと、作業中、運転中や仕事中でも気兼ねなく使用できる利便性がある。また、使用中は危険性がないことも利点である。尚、ポーチとしての使用例は、図示しないが、蓋体6を開放して、球体2を取出し、空間室3を開放して品物を収容し、続いて蓋体6を閉める。これによって、品物を収容し、かつ持運びができる。また、前述したが、袋1の位置を変更することで、小袋室5がある外周面8aの箇所を選択し、この小袋室5と、本来(主体)の球体2とによる相乗の指圧効果を楽しめる。例えば、刺激の強い指圧が楽しめる。
【0022】
また、袋1の取付け状態は、図7−1〜図7−2に於いて、一例が示してあり、例えば、図7−1は、袋1を、紐体7、及び/又は、取付部700を利用して、物(構築物、例えば、柱A)に支持する(保持する、引掛ける)状態を、図7−2は、袋1を、物(乗り物、例えば、シートB)に支持する(保持する、引掛ける)状態と、を示してある。
【0023】
前述した各実施例は、本発明の好ましい一例の説明である。従って、本発明は前述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0024】
1 袋
1a 外周面
100 袋本体生地
100a 内側
100b 端部
100c 一方の端部
100d 他方の端部
2 球体
3 空間室
5 小袋室
500 環状部
501 入れ口
502 完全な環状部
6 蓋部
6a 蓋部
7 紐体
700 取付部
8 袋本体
8a 外周面
10 小粒子体
11 締付け具
A 柱
B シート
Y 長手方向
Y1 横一文字
【要約】
【課題】
従来の市販製品、及び文献においては、袋は、球体を入れるためのものであり、原則として、他の目的を意図しているとは考えられない。また、球体による指圧が主体であり、容易で、かつ使い易いとの利点はあるが、定型的な球体の移動に留まり、必ずしも、十分とは考えられない。
【解決手段】
本発明は、ビーズを収容できる小袋室を内側に備えた袋本体と、袋本体に形成したマッサージ用の球体を収容できる空間室とを備えた多目的な袋で、空間室を開閉する蓋体と、蓋の近傍に紐体とを設ける多目的な袋であり、袋を多目的に利用し、袋の有効活用が図れることと、球体による主体の指圧の他に、小袋室に収容したビーズ等の他の材料による副次的な指圧を図れる特徴がある。
【選択図】 図1−1
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図1-6】
図1-7】
図1-8】
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7-1】
図7-2】