(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2通行ポイント通過判定部は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出部に指示する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の交通情報処理装置。
前記第1通行ポイント通過判定部および前記第2通行ポイント通過判定部のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定する
ことを特徴とする請求項3から請求項5の何れか一項に記載の交通情報処理装置。
前記第2通行ポイント通過判定部は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出部に指示する
ことを特徴とする請求項12または13に記載の処理方法。
前記第1通行ポイント通過判定部および前記第2通行ポイント通過判定部のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定する
ことを特徴とする請求項12から請求項14の何れか一項に記載の処理方法。
前記第2通行ポイント通過判定手段は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出手段に指示する
ことを特徴とする請求項18または19に記載のプログラム。
前記第1通行ポイント通過判定手段および前記第2通行ポイント通過判定手段のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定する
ことを特徴とする請求項18から請求項20の何れか一項に記載のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、欧州やシンガポールなどにおいては、実際に車両が通行した道路や、距離に応じて通行料を課金するロードプライシングとよばれる課金方法を用い、通行料を徴収することが検討されている。当該ロードプライシングでは、GPS衛星から受信した信号による車両の測位結果に基づいて移動経路を特定し、その移動経路における走行距離に応じた課金を行う予定である。
【0005】
ここで、このようなロードプライシングにおいては、日本の高速道路のように、車両のドライバがそのロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を明確に認識できない可能性がある。例えばロードプライシングの入口や出口には何らかのロードプライシングの対象の道路であることを通知するためのセンサが取り付けられる可能性がある。しかしそのセンサが小さい場合などには、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を車両が通過したことについてドライバは明確に認識できない可能性がある。この場合ドライバは、車両を運転して移動経路を通過した場合の課金金額を直ちに認識できないなどの不都合が生じる。従って、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を車両が通過したことや、ロードプライシングの対象となる道路を含む移動経路を通過した場合の課金金額について、ドライバが即時に認識できないような状況を減少させることのできる技術が望まれている。また、車両の移動経路に基づいて精度の高く課金金額を算出できる技術が望まれていた。
【0006】
そこでこの発明は、誤課金を防止しつつ、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を車両が通過したことや、ロードプライシングの対象となる道路を含む移動経路を通過した場合の課金金額について、ドライバが即時に認識できないような状況を減少させることのできる交通情報処理装置及びその処理方法とプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、センサ装置から入力した車両の位置センシング情報に基づいて
道路上の前記車両の現在位置を算出して出力する
リアルタイム処理部と、前記車両が課金対象となる移動経路上の通行ポイントを通過したか否かについて前記現在位置と前記通行ポイントの位置情報とに基づいて判定する第1通行ポイント通過判定部と、前記通行ポイントが、当該通行ポイントを通過したことを検知した時点で課金金額を決定する確定ポイントと、当該通行ポイントを通過した時点では前記課金金額を決定しない非確定ポイントのいずれであるかを判定する通行ポイント種別判定部と、前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定された場合であって、前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、前記通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する第1通行ポイント通過情報出力部と、
前記第1通行ポイント通過判定部によって前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定され、前記通行ポイント種別判定部によって当該通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、未確定の前記車両の移動経路であって移動経路特定処理に基づいて当該車両が通過したと推定された一つまたは複数の移動経路を示す推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を強制的に確定移動経路として特定して出力する移動経路特定部と、前記確定移動経路の課金金額を算出する課金金額算出部と、を備えることを特徴とする交通情報処理装置である。
【0008】
また本発明は、上述の交通情報処理装置
において前記移動経路特定部が、過去の推定の移動経路を示す道路の識別情報を含む前記推定移動経路のうち、移動経路外の推定移動経路以外の各推定移動経路に連続して共通に含まれる道路の識別情報と前記確定ポイントとによって示される前記確定移動経路を特定することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述の交通情報処理装置
において前記移動経路特定部が、前記通行ポイント種別判定部によって前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合においては、強制的に前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、前記通行ポイント種別判定部によって前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定された場合においては所定のタイミング間隔で前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、さらに、上述の交通情報処理装置が、前記通行ポイント種別判定部において前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定
された場合には、前記移動経路特定部より出力された、前記確定移動経路に基づいて、当該確定移動経路に含まれる現在の車両の位置に最も近い通行ポイントを検出して、前記現在位置がその通行ポイントを通過したと判定する第2通行ポイント通過判定部と、前記第2通行ポイント通過判定部の判定した通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する第2通行ポイント通過情報出力部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上述の交通情報処理装置が、前記課金対象となる移動経路の種別を判定する移動経路種別判定部と、を備え、前記課金金額算出部は、前記確定移動経路の課金金額を前記移動経路の種別に基づいて算出することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上述の交通情報処理装置において、前記第2通行ポイント通過判定部は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出部に指示することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上述の交通情報処理装置において、前記第1通行ポイント通過判定部および前記第2通行ポイント通過判定部のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上述の交通情報処理装置が、前記移動経路特定部より出力された前記確定移動経路における複数の地点の通過時刻と当該複数の地点の間の距離とに基づいて前記車両の速度を算出する速度算出部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上述の交通情報処理装置が、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報に対応する交通情報を読み込んで出力する交通情報出力部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上述の交通情報処理装置
において前記移動経路特定部は、自装置の現在位置から誤差範囲内の位置に存在する道路情報を、現在の移動経路の候補と特定する道路情報特定部と、自装置を備えた車両の時間経過に応じた移動距離に基づいて、前記道路情報特定部の特定した現在の移動経路の候補の各道路上における現在位置に最も近い一方の端点からの推定移動位置を時間の経過に従って順次算出する推定移動位置算出部と、前記道路情報特定部の特定した道路情報に対して算出された推定移動位置が当該道路情報の他方の端点に最も早く近づいた道路情報を特定し、当該道路情報が示す道路に接続する道路情報を次の経路の候補と特定する次経路道路情報特定部と、前記道路情報特定部が現在の移動経路の候補と特定した道路情報の中から、前記次経路道路情報特定部が次の経路の候補と特定した道路情報と接続する道路情報を特定し、当該道路情報に含まれる道路の識別情報と、前記次経路道路情報特定部が次の経路の候補と特定した道路情報に含まれる道路の識別情報とを関連付けた推定移動経路を、前記次経路道路情報特定部が次の経路の候補と特定した道路情報の全てについて別々に生成する推定移動経路情報生成部と、前記次経路道路情報特定部が次の経路の候補と特定した道路情報を前記現在の移動経路の候補と設定して、前記推定移動位置算出部と、前記次経路道路情報特定部と、前記推定移動経路情報生成部の処理を順次行ない、前記生成した推定移動経路のうち、移動経路の候補の可能性の低い推定移動経路を移動経路外の推定移動経路と判定する移動経路外判定部と、過去の推定の移動経路を示す道路の識別情報を含む前記推定移動経路のうち、前記移動経路外判定部によって判定された移動経路外の推定移動経路以外の各推定移動経路に連続して共通に含まれる道路の識別情報と前記確定ポイントとによって示される前記確定移動経路と特定して出力する移動経路出力部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、交通情報処理装置の処理方法であって、
リアルタイム処理部が、センサ装置から入力した車両の位置センシング情報に基づいて
道路上の前記車両の現在位置を算出し、第1通行ポイント通過判定部が、前記車両が課金対象となる移動経路上の通行ポイントを通過したか否かについて前記現在位置と前記通行ポイントの位置情報とに基づいて判定し、通行ポイント種別判定部が、前記通行ポイントが、当該通行ポイントを通過したことを検知した時点で課金金額を決定する確定ポイントと、当該通行ポイントを通過した時点では前記課金金額を決定しない非確定ポイントのいずれであるかを判定し、第1通行ポイント通過情報出力部が、前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定された場合であって、前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、前記通行ポイントの通過を示す通過情報を出力
し、移動経路特定部が、前記第1通行ポイント通過判定部によって前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定され、前記通行ポイント種別判定部によって当該通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、未確定の前記車両の移動経路であって移動経路特定処理に基づいて当該車両が通過したと推定された一つまたは複数の移動経路を示す推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を強制的に確定移動経路として特定して出力し、課金金額算出部が、前記確定移動経路の課金金額を算出することを特徴とする処理方法である。
【0017】
また本発明は、上述の処理方法において、
前記移動経路特定部が、過去の推定の移動経路を示す道路の識別情報を含む前記推定移動経路のうち、移動経路外の推定移動経路以外の各推定移動経路に連続して共通に含まれる道路の識別情報と前記確定ポイントとによって示される前記確定移動経路を特定することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、上述の処理方法において、
前記移動経路特定部が、前記通行ポイント種別判定部によって前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合においては、強制的に前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、前記通行ポイント種別判定部によって前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定された場合においては所定のタイミング間隔で前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、第2通行ポイント通過判定部が、前記通行ポイント種別判定部において前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定
された場合には、前記移動経路特定部より出力された、前記確定移動経路に基づいて、当該確定移動経路に含まれる現在の車両の位置に最も近い通行ポイントを検出して、前記現在位置がその通行ポイントを通過したと判定し、第2通行ポイント通過情報出力部が、前記第2通行ポイント通過判定部の判定した通行ポイントの通過を示す通過情報を出力することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、上述の処理方法において、移動経路種別判定部が、前記課金対象となる移動経路の種別を判定し、前記課金金額算出部は、前記確定移動経路の課金金額を前記移動経路の種別に基づいて算出することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、上述の処理方法において、前記第2通行ポイント通過判定部は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出部に指示することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、上述の処理方法において、前記第1通行ポイント通過判定部および前記第2通行ポイント通過判定部のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、交通情報処理装置のコンピュータを、センサ装置から入力した車両の位置センシング情報に基づいて
道路上の前記車両の現在位置を算出して出力する
リアルタイム処理手段、前記車両が課金対象となる移動経路上の通行ポイントを通過したか否かについて前記現在位置と前記通行ポイントの位置情報とに基づいて判定する第1通行ポイント通過判定手段、前記通行ポイントが、当該通行ポイントを通過したことを検知した時点で課金金額を決定する確定ポイントと、当該通行ポイントを通過した時点では前記課金金額を決定しない非確定ポイントのいずれであるかを判定する通行ポイント種別判定手段、前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定された場合であって、前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、前記通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する第1通行ポイント通過情報出力手段、
前記第1通行ポイント通過判定手段によって前記車両が前記通行ポイントを通過したと判定され、前記通行ポイント種別判定手段によって当該通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合に、未確定の前記車両の移動経路であって移動経路特定処理に基づいて当該車両が通過したと推定された一つまたは複数の移動経路を示す推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を強制的に確定移動経路として特定して出力する移動経路特定手段、前記確定移動経路の課金金額を算出する課金金額算出手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0023】
また本発明において、
前記移動経路特定手段は、過去の推定の移動経路を示す道路の識別情報を含む前記推定移動経路のうち、移動経路外の推定移動経路以外の各推定移動経路に連続して共通に含まれる道路の識別情報と前記確定ポイントとによって示される前記確定移動経路を特定することを特徴とするプログラムである。
【0024】
また本発明は、
前記移動経路特定手段が、前記通行ポイント種別判定手段によって前記通行ポイントが前記確定ポイントであると判定された場合においては、強制的に前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、前記通行ポイント種別判定手段によって前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定された場合においては所定のタイミング間隔で前記推定移動経路の中から前記通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力し、さらに、前記通行ポイント種別判定手段において前記通行ポイントが前記非確定ポイントであると判定
された場合には、前記移動経路特定手段より出力された、前記確定移動経路に基づいて、当該確定移動経路に含まれる現在の車両の位置に最も近い通行ポイントを検出して、前記現在位置がその通行ポイントを通過したと判定する第2通行ポイント通過判定手段、前記第2通行ポイント通過判定手段の判定した通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する第2通行ポイント通過情報出力手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0025】
また本発明は、さらに、前記課金対象となる移動経路の種別を判定する移動経路種別判定手段として機能させ、前記課金金額算出手段が、前記確定移動経路の課金金額を前記移動経路の種別に基づいて算出することを特徴とするプログラムである。
【0026】
また本発明は、前記第2通行ポイント通過判定手段は、前記通行ポイントが前記非確定ポイントである場合であって、当該通行ポイントが距離課金を行う道路の入り口の通行ポイントであることを示す情報を入力した場合には、当該道路の走行距離に応じた課金金額を算出するよう前記課金金額算出手段に指示することを特徴とするプログラムである。
【0027】
また本発明は、前記第1通行ポイント通過判定手段および前記第2通行ポイント通過判定手段のそれぞれは、前記現在位置に基づいて特定された現在の移動経路の識別情報を取得して、当該現在の移動経路の識別情報と前記現在位置とに基づいて所定の間隔で前記現在位置が通行ポイントを通過したか否かを判定し、その所定の間隔における前回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報と今回通行ポイントを通過したか否かの判定において取得した移動経路の識別情報とに基づいて前記車両が複数の移動経路を跨いだか否かを判定し、複数の移動経路を跨いだことを検出した場合には、前記現在位置が、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイントを通過したと判定することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、誤課金を防止しつつ、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を車両が通過したことや、ロードプライシングの対象となる道路を含む移動経路を通過した場合の課金金額について、ドライバが即時に認識できないような状況を減少させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態による交通情報処理装置を図面を参照して説明する。
交通情報処理装置1は、例えば車両内に設置されている。また交通情報処理装置1はカーナビゲーション装置やオーディオ装置に内蔵されてよい。
本実施形態における交通情報処理装置1は、車両が過去に通過(走行)した移動経路を推定すると共に、当該移動経路に設けられた通行ポイントのうち、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口において課金金額が発生する通行ポイントを通過した場合、その通行ポイントを車両が通過したことをリアルタイムにドライバに通知するものである。また、交通情報処理装置1は、ロードプライシングの対象となる道路を含む移動経路を通過した場合の課金金額についての情報を、課金金額が発生する通行ポイントを通過した場合にリアルタイムに出力する処理を行う。
【0031】
なお、本実施形態においては、ロードプライシングの対象となる道路における入口や出口には、課金金額を車両に対して適用すると確定するための通行ポイントが設けられている。通行ポイントにおいて確定された金額を車両に対し課金する手法としては、当該通行ポイントを車両が通過しただけで所定の金額を課金する手法(ポイント課金)、通行ポイントの設けられたエリア内に入った場合に所定の金額を課金する手法(コードン課金)、高速道路のように出口を出た場合に所定の金額を課金する手法(高速道路課金)、通過した道路の距離に応じた金額を課金する手法(距離課金)などが存在する。
【0032】
図1は同実施形態による交通情報処理装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1は交通情報処理装置である。当該交通情報処理装置1は、位置測位部10、マップマッチング部20、アプリケーション部30、表示部40、記憶部50、を少なくとも備えている。
【0033】
位置測位部10は、緯度経度測定センサ11、加速度センサ12、ジャイロセンサ13、車速信号出力装置14などのセンシング機能を有する構成と、位置情報算出部15とを備えている。緯度経度測定センサ11は、車両の現在の緯度経度をGPS衛星から受信した信号を用いて算出する処理部である。また加速度センサ12は車両の加速度を検出する処理部である。またジャイロセンサ13は、例えば車両が水平方向に回転する場合の角速度を検出する処理部である。また車速信号出力装置14は車両の車軸の回転数に比例したパルス信号(車速信号)を出力する処理部である。そして位置情報算出部15は、緯度経度測定センサ11から入力する緯度経度の情報や、加速度センサ12から入力する加速度の情報、ジャイロセンサ13から入力する角度や角速度の情報、車速信号出力装置14から入力する車速信号などのセンシング情報に基づいて、車両のセンシング位置を算出する処理部である。
【0034】
またマップマッチング部20は、リアルタイム処理部21と移動経路特定部22との処理部を備えている。
リアルタイム処理部21は、位置測位部10から入力した車両の位置情報に基づいて、地図上の車両の位置をリアルタイムに特定する処理等を行うほか、位置測位部10から入力した位置情報をリアルタイムにアプリケーション部30へ出力する処理部である。
また移動経路特定部22は、車両が通過した移動経路を推定する処理部である。また移動経路特定部22は、未確定の車両の移動経路であって当該車両が通過したと推定された一つまたは複数の移動経路を示す推定移動経路の中から通行ポイントを含む推定移動経路を、通過したことを確定させた確定移動経路として特定し、出力する処理部である。移動経路特定部22は、確定移動経路を出力すると、その後、車両が通過したと推定できる一つまたは複数の移動経路をさらに推定し、その推定結果である推定移動経路の中から通行ポイントを含む推定移動経路を確定移動経路として特定して出力する処理を繰り返して行う。
【0035】
またアプリケーション部30は、第1通行ポイント通過判定部301、第1通行ポイント通過情報出力部302、通行ポイント種別判定部303、課金金額算出部304、第2通行ポイント通過判定部305、第2通行ポイント通過情報出力部306、移動経路種別判定部307、速度算出部308、交通情報出力部309、現在位置出力部310、の各処理部を備えている。
【0036】
第1通行ポイント通過判定部301は、通行ポイントを車両が通過したか否かについて現在位置と通行ポイントの位置情報とに基づいて判定する処理部である。なお、通行ポイントとは、例えば
図4(a)で示すように、車両が通過したことを検知するために道路上に設けられたポイントである。当該通行ポイントは、実際に道路上に埋められたハードウェアとしての通行ポイント装置であってもよいし、交通情報処理装置1が記憶する地図データの地図上に仮想的に設けられた位置を示す情報であってもよい。
【0037】
本実施形態において通行ポイントは、車両が通行ポイントを通過した時点で課金金額を決定する確定ポイントと、車両が通行ポイントを通過した時点では課金金額を決定しない非確定ポイントの2つの通行ポイントに分類される。より具体的には、通行ポイントには、上述したように、ポイント課金を行うための通行ポイント、コードン課金を行うための通行ポイント、高速道路課金の対象の道路の出口に設けられた通行ポイント、距離課金の対象の道路の出口に設けられた通行ポイントが存在し、これらの通行ポイントは、確定ポイントに分類される。また高速道路の対象の道路の入口に設けられた通行ポイント、距離課金の対象の道路の入口に設けられた通行ポイントが存在し、これらの通行ポイントは、非確定ポイントに分類される。なお、これらの通行ポイントの分類は一例であり、通行ポイントが確定ポイントに分類されるか、非確定ポイントに分類されるかの分類方法はこれに限定されない。
【0038】
また、通行ポイント種別判定部303は、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305によって車両が通過したと判定された通行ポイントが、確定ポイントと、非確定ポイントのいずれであるかを判定する処理部である。
また、第1通行ポイント通過情報出力部302は、車両が通行ポイントを通過したと判定された場合であって、通行ポイントが確定ポイントであると判定された場合に、通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する処理部である。本実施形態においては、第1通行ポイント通過情報出力部302は、通過情報を表示部40に出力する。
また、課金金額算出部304は、確定移動経路の課金金額を算出する処理部である。
【0039】
また、第2通行ポイント通過判定部305は、移動経路特定部22より出力された、確定移動経路に含まれる通行ポイントを検出して、現在位置がその通行ポイントを通過したと判定する処理部である。
また、第2通行ポイント通過情報出力部306は、第2通行ポイント通過判定部305の判定した通行ポイントの通過を示す通過情報を出力する処理部である。本実施形態においては、第2通行ポイント通過情報出力部306は、通過情報を表示部40に出力する。
【0040】
また、移動経路種別判定部307は、課金対象となる移動経路の種別を判定する処理部である。移動経路の種別としては、例えば、高速道路、有料道路、橋などの情報である。
また、速度算出部308は、移動経路特定部22より出力された確定移動経路における複数の地点の通過時刻と、当該複数の地点の間の距離とに基づいて車両の速度を算出する処理部である。
また、交通情報出力部309は、現在位置に対応する交通情報を読み込んで出力する処理部である。
また、現在位置出力部310は、リアルタイム処理部21より出力された現在位置を出力する処理部である。
また、記憶部50は、マップマッチング部20やアプリケーション部30が処理に用いる各種情報を記憶する。
【0041】
上述のような構成により、交通情報処理装置1は、車両がロードプライシングの対象となる道路の入口や出口において課金金額が発生する通行ポイントを通過した際に、ロードプライシングの対象となる道路の入口や出口を車両が通過したことや、ロードプライシングの対象となる道路を含む移動経路を通過した場合の課金金額についての情報を、リアルタイムに出力する処理を行う。
【0042】
図2は交通情報処理装置1の処理フローを示す第1の図である。
以下、交通情報処理装置1の処理の詳細について順を追って説明する。
まず、位置測位部10の位置情報算出部15は、車両の移動に応じて緯度経度測定センサ11、加速度センサ12、ジャイロセンサ13、車速信号出力装置14などのセンサ装置から情報を入力し、現在の車両のセンシング位置(緯度経度)を算出する(ステップS101)。そして、位置情報算出部15は、算出したセンシング位置(位置センシング情報)をマップマッチング部20へ出力する。マップマッチング部20においてリアルタイム処理部21は、車両のセンシング位置を入力する。
【0043】
ここで、リアルタイム処理部21は、位置測位部10から入力した車両のセンシング位置に基づいて、そのセンシング位置から誤差範囲内の位置に存在する道路(道路ID)を、記憶部50に記録されている複数の道路情報の中から特定する。そしてリアルタイム処理部21は、その道路上における最も尤もらしい(相応しい)位置と推定できる現在位置や走行方位や速度を、センシング位置に基づいて特定する(ステップS102)。なお特定した道路上における最も尤もらしい(相応しい)位置と推定できる現在位置は、例えば一例としては、特定した道路上におけるセンシング位置に最も近い位置とすることも可能である。またはセンシング位置に加えて走行方位や速度の情報を用いて現在位置を特定するようにしてもよい。記憶部50に記録されている道路情報には、当該道路情報が示す道路の端点の位置情報や、それら端点をつなぐ線上の所定の間隔ごとの位置情報や、道路の延伸方向の情報などが含まれてよい。そして、リアルタイム処理部21は、車両の道路上の現在位置と道路ID(道路の識別情報)とをリアルタイムにアプリケーション部30へ出力する。なお、リアルタイム処理部21は、移動経路特定部22に対しても車両の道路上の現在位置と道路IDとを出力してよい。
【0044】
次にアプリケーション部30の第1通行ポイント通過判定部301が、リアルタイム処理部21によって特定された現在位置と、車両の走行する道路を示す道路IDとを入力する。すると第1通行ポイント通過判定部301は、入力した道路IDに関連付けられて記憶部50に記録されている1つまたは複数の通行ポイントの位置情報を記憶部50から読み取る。そして、第1通行ポイント通過判定部301は、読み取った通行ポイントの位置情報のうち、現在位置に最も近い通行ポイントの位置情報を特定し、現在位置と、当該特定した通行ポイントの位置情報との距離を算出する。そして、第1通行ポイント通過判定部301は、現在位置と、特定した通行ポイントの位置情報との距離に基づいて、車両が通行ポイントを通過したかを判定する(ステップS103)。例えば、第1通行ポイント通過判定部301は、現在位置と、特定した通行ポイントの位置情報との距離が、通行ポイントを通過したと判定できる距離以下となった場合に、通行ポイントを通過したと判定する。第1通行ポイント通過判定部301は、通行ポイントを通過していないと判定した場合には、リアルタイム処理部21からの現在位置の入力を待機し、現在位置と道路IDを入力した場合には、再度ステップS103の判定を行う。
【0045】
そして、第1通行ポイント通過判定部301は通行ポイントを通過したと判定した場合、現在車両が走行している道路の道路種別判定要求を、移動経路種別判定部307へ出力する。当該道路種別判定要求には、リアルタイム処理部21から入力した道路IDが含まれる。移動経路種別判定部307は、道路IDに関連付けられて記憶部50に記録されている道路の種別の情報を読み取って道路種別(移動経路の種別)を判定し(ステップS104)、その道路種別の情報を第1通行ポイント通過判定部301へ出力する。
【0046】
次に第1通行ポイント通過判定部301は、通行ポイント種別判定部303に通行ポイントの種別判定を要求する。当該種別判定の要求の信号には、通行ポイントのIDが含まれる。通行ポイント種別判定部303は、種別判定の要求を入力すると、通過したと判定した通行ポイントが、確定ポイントと非確定ポイントのいずれであるかを判定する(ステップS105)。
より具体的には、通行ポイント種別判定部303は、通過したと判定した通行ポイントのIDに基づいて、当該IDに関連付けられて記録されている通行ポイントの種別の情報を記憶部50から読み取る。そして、通行ポイント種別判定部303は、記憶部50から読み取った通行ポイントの種別の情報が、確定ポイントを示す情報か、非確定ポイントを示す情報かを判定する。そして通行ポイント種別判定部303は、確定ポイントまたは非確定ポイントの何れかを示す判定結果の情報を、第1通行ポイント通過判定部301へ出力する。
【0047】
そして、第1通行ポイント通過判定部301は、通行ポイント種別判定部303からの判定結果が確定ポイントを示す情報である場合には、通行ポイント通過を示す情報を直ちに第1通行ポイント通過情報出力部302へ出力する(ステップS106)。すると第1通行ポイント通過情報出力部302は、表示部40に通行ポイントを通過したことを示す通過情報を表示する(ステップS107)。なお、第1通行ポイント通過情報出力部302はこの時、通行ポイントのIDに基づく通行ポイントの名称や、通行ポイントの種別の情報などについても、第1通行ポイント通過判定部301から取得して、表示部40に出力するようにしてもよい。また、通過情報等は文字列で液晶表示部に表示してもよいし、何らかの通行ポイントを通過したことを車両のドライバに通知するランプを点灯させるようにしてもよい。または表示部40の代わりに、音声出力部が音によって通行ポイントを通過したしたことを出力するようにしてもよい。
【0048】
第1通行ポイント通過判定部301は、通行ポイント通過を示す情報を第1通行ポイント通過情報出力部302へ出力した後、移動経路特定部22に過去に通過した移動経路の特定要求を出力する。当該移動経路の特定要求は、移動経路特定部22に対し、通過した通行ポイントまでの過去の移動経路を強制的に確定するよう要求する信号である。これにより、交通情報処理装置1は、通行ポイントを通過したときにおける、当該通行ポイントを通過したことを示す情報と、移動経路の確定に基づく通行ポイントまでの課金金額の情報とを表示部40に出力することを行うことができる。当該移動経路の特定要求には、現在時刻、リアルタイム処理部21から入力した道路ID、ステップS104で判定した道路種別、ステップS105で判定した通行ポイントの種別、ステップS105で判定した通行ポイントのIDなどの情報が含まれていて良い。なお通行ポイントのIDは記憶部50から第1通行ポイント通過判定部301が読み取ったものであるとする。すると移動経路特定部22は、過去に通過した移動経路を確定する(ステップS108)。この処理の詳細については後述する。
【0049】
当該移動経路の特定の処理は、リアルタイム処理部21における車両の現在位置に基づいて行った道路の特定とは異なり、より高精度に過去に走行した道路を特定する処理である。より具体的には、移動経路特定部22は、過去に推定した複数の移動経路を示す道路IDを含む推定移動経路情報のうち、移動経路でないと判定した推定移動経路情報を除く推定移動経路情報に含まれる道路IDを、過去の移動経路を示す道路IDと確定して出力する処理部である。従って、リアルタイム処理部21における道路の特定処理と比較して、過去に通過した移動経路であるという確定に若干時間がかかる。そして、移動経路特定部22は、ステップS103で通過したと判定した通行ポイントまでの、過去に通過した移動経路を確定すると、移動経路の特定要求に含まれる通行ポイントの種別を判定する(ステップS109)。そして、移動経路特定部22は、通行ポイントの種別が確定ポイントを示す場合には、その通行ポイントまでの過去の移動経路における課金金額を算出するよう指示する課金金額算出要求を、課金金額算出部304へ出力する。当該課金金額算出要求には、移動経路の特定要求に含まれていた道路ID、道路種別、通行ポイントの種別、通行ポイントのIDなどの情報が含まれているものとする。
【0050】
そして、課金金額算出部304は、今回入力した、確定移動経路の道路ID、道路種別、通行ポイントの種別、通行ポイントのIDや、過去に入力した、確定移動経路の道路ID、道路種別、通行ポイントの種別、通行ポイントのIDの情報を用いて課金金額を算出する(ステップS110)。より具体的には、複数の道路IDやその道路IDの道路種別に基づいて、記憶部50から道路の距離や、道路を走行した場合の課金金額を読み取り、また、通行ポイントの種別や通行ポイントのIDに基づいて、記憶部50からその通行ポイントを通過した場合の課金金額を読み取る。そして、それらの課金金額の合計を算出する。そして、課金金額算出部304は、算出した課金金額を表示部40へ出力する(ステップS111)。当該課金金額は文字列で液晶表示部に表示してもよいし、表示部40の代わりに、音声出力部が音によって課金金額を示す音声などを出力するようにしてもよい。
【0051】
上述の処理によれば、通行ポイントを通過するのみで課金金額が決定する確定ポイントに属する通行ポイント(ポイント課金を行うための通行ポイント、コードン課金を行うための通行ポイント、高速道路課金の対象の道路の出口に設けられた通行ポイント、距離課金の対象の道路の出口に設けられた通行ポイントなど)を車両が通過した場合には、直ちに通行ポイントを通過したことを示す情報を表示部40に出力する。これにより、ロードプライシングが適用される道路において、特に大きな目印がなくとも、通過するのみで課金金額が決定する通行ポイントを通過したことを、車両のドライバはリアルタイムで認識することができる。また、確定ポイントに属する通行ポイントを車両が通過した場合に、通行ポイントを通過したことを示す情報が表示部に出力された後、ステップS108の処理によってその確定ポイントに属する通行ポイントの位置までの精度の高い移動経路を特定し、その精度の高い移動経路用いて確定した課金金額が表示部40に出力される。これにより、確定ポイントに属する通行ポイントを通過した段階での精度の高い課金金額をドライバは直ぐに認識することができる。なお、リアルタイム処理部21に比べて移動経路特定部22における過去の移動経路の確定の処理に時間はかかるものの、その差は1秒程度である。この処理時間の差はドライバにとって違和感なく、課金対象となる通行ポイントの通過と、その通行ポイントまでの課金金額とが表示部40に出力される時間差である。
【0052】
上述のステップS105において、通過した通行ポイントが、当該通行ポイントを通過したことを検知した時点で課金金額を決定する確定ポイントでないと判定した場合、第1通行ポイント通過判定部301は、ステップS106の、通行ポイント通過を示す情報を第1通行ポイント通過情報出力部302へ出力する処理を行わずに、リアルタイム処理部21からの次の情報(現在位置,道路ID)を入力するまで待機し、その後、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0053】
図3は交通情報処理装置1の処理フローを示す第2の図である。
マップマッチング部20において、移動経路特定部22は、第1通行ポイント通過判定部301から移動経路の特定要求を入力するか否かに係らず、リアルタイム処理部21の処理結果に基づいて、過去に通過した移動経路を確定する処理を所定のタイミング間隔で行っている。しかしながら、移動経路特定部22は、第1通行ポイント通過判定部301より入力した移動経路の特定要求を入力し、その特定要求を入力したタイミングにおいても、過去に通過した移動経路を確定し、第2通行ポイント通過判定部305へ通行ポイント通過判定要求を出力する。そして第2通行ポイント通過判定部305が通行ポイント通過判定要求を入力する(ステップS201)。当該通行ポイント通過判定要求には、過去に通過したと確定した確定移動経路を示す道路IDや現在位置(例えば、確定移動経路の道路IDの道路上においてセンシング位置に最も近い位置)の情報が含まれる。
【0054】
次に第2通行ポイント通過判定部305は、入力した道路IDに関連付けられて記憶部50に記録されている通行ポイントの位置情報を記憶部50から読み取る。そして、第2通行ポイント通過判定部305は、読み取った通行ポイントの位置情報のうち、現在位置に最も近い通行ポイントの位置情報を特定し、現在位置と、当該特定した通行ポイントの位置情報との距離を算出する。そして、第2通行ポイント通過判定部305は、現在位置と、特定した通行ポイントの位置情報との距離に基づいて、車両が通行ポイントを通過したかを判定する(ステップS202)。例えば、第2通行ポイント通過判定部305は、現在位置と、特定した通行ポイントの位置情報との距離が、通行ポイントを通過したと判定できる距離以下となった場合に、通行ポイントを通過したと判定する。第2通行ポイント通過判定部305は、通行ポイントを通過していないと判定した場合には、移動経路特定部22からの道路IDや現在位置の入力を待機し、道路IDや現在位置を入力した場合には、再度ステップS202の判定を行う。
【0055】
そして、第2通行ポイント通過判定部305は通行ポイントを通過したと判定した場合、通行ポイント種別判定部303に通行ポイントの種別判定を要求する。当該種別判定には通行ポイントのIDが含まれているとする。通行ポイント種別判定部303は、種別判定の要求を入力すると、通過したと判定した通行ポイントが、確定ポイントと非確定ポイントのいずれであるかを判定する(ステップS203)。
より具体的には、通行ポイント種別判定部303は、通過したと判定した通行ポイントのIDに基づいて、当該IDに関連付けられている通行ポイントの種別の情報を記憶部50から読み取る。そして、通行ポイント種別判定部303は、記憶部50から読み取った通行ポイントの種別の情報が、確定ポイントを示す情報か、非確定ポイントを示す情報かを判定する。そして通行ポイント種別判定部303は、確定ポイントまたは非確定ポイントの何れかを示す判定結果の情報を、第2通行ポイント通過判定部305へ出力する。
【0056】
そして、第2通行ポイント通過判定部305は、通行ポイント種別判定部303からの判定結果が非確定ポイント(高速道路の対象の道路の入口に設けられた通行ポイント、距離課金の対象の道路の入口に設けられた通行ポイントなど)を示す情報である場合にのみ、通行ポイント通過を示す情報を直ちに第2通行ポイント通過情報出力部306へ出力する(ステップS204)。すると第2通行ポイント通過情報出力部306は、表示部40に通行ポイントを通過したことを示す通過情報を表示する(ステップS205)。当該通過情報は文字列で液晶表示部に表示してもよいし、何らかの通行ポイントを通過したことを車両のドライバに通知するランプを点灯させるようにしてもよい。または表示部40の代わりに、音声出力部が音によって通行ポイントを通過したしたことを出力するようにしてもよい。
【0057】
なお第2通行ポイント通過判定部305は、通行ポイント種別判定部303からの判定結果が確定ポイントを示す情報である場合には、通行ポイント通過を示す情報を第2通行ポイント通過情報出力部306へ出力しない。確定ポイントに属する通行ポイントを通過した場合には、第1通行ポイント通過判定部301と第1通行ポイント通過情報出力部302によって通過したことを示す情報が既に表示されているためである。
【0058】
以上の処理により、車両の通過した通行ポイントが非確定ポイントである場合には、マップマッチング部20の移動経路特定部22が、過去に通過した移動経路を確定する処理がされた後の、精度の高い緯度経路を用いて、当該移動経路上の通行ポイントを現在通過したかどうかの情報が表示されることとなる。これにより、通過するのみでは課金金額が決定しない非確定ポイントである通行ポイントを通過した場合には、より高精度に、通過のタイミングを通知することができる。
【0059】
なお、第2通行ポイント通過判定部305は、通行ポイント種別判定部303からの判定結果が非確定ポイントであって、かつ距離課金の対象の道路の入口に設けられた通行ポイントであることを示す情報を記憶部50から取得した場合には、距離課金の対象の道路の出口に設けられた通行ポイントを通過するまでの間、課金計算を行うよう、課金金額算出部304に指示する。すると課金金額算出部304は、移動経路特定部22が特定した移動経路と、現在位置とを入力し、時間経過による現在位置の遷移に応じた走行距離を算出し、その走行距離に応じた課金金額を算出する。この時、道路種別や、道路IDに基づいて得られた単位走行距離当たりの料金などの情報を記憶部50から読み取って、それらの情報を用いて課金金額を算出するようにしてよい。
【0060】
図4は通行ポイントの通過判定処理の概要を示す図である。
図4(a)は、上述のステップS103やステップS202において、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305が行った通行ポイントの通過判定の概要を示す図である。
図4(a)で示す通行ポイントの通過判定では、マップマッチング部20のリアルタイム処理部21や移動経路特定部22の前回の処理の結果(前回のマップマッチング結果)に基づいて入力した道路IDと、今回の処理の結果(今回のマップマッチング結果)に基づいて入力した道路IDとが同一の場合に有効である。つまり、所定の間隔で行われる、前回のマップマッチングの処理と今回のマップマッチング処理において、同一の道路を車両が移動している場合に有効である。このような場合には、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、今回のマップマッチング処理に基づいて入力した道路IDを用いて、当該道路IDの道路上の通行ポイントであって、現在位置に最も近い通行ポイントの位置情報を記憶部50から読み取る。そして第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、その読み取った位置情報が現在位置と所定距離以内にあれば、通行ポイントを通過したと判定することができる。
【0061】
一方、
図4(b)は、通行ポイントが道路の端部付近に存在する場合の通過判定の例を示している。具体的には、当該
図4(b)は道路ID=1の道路と、道路ID=2の道路と、道路ID=3の道路とが繋がるT字路における通過判定の例である。
ここで、通行ポイントが道路ID=1の道路の端部付近に存在する場合に、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305が、道路ID=2の道路上を走行しているタイミングおいて、
図4(a)で示すような通行ポイントの通過判定を行ってしまう場合を考える。このような場合、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、今回のマップマッチング処理の結果に基づいて道路ID(=2)の情報のみを取得する。そして第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、道路ID=2の情報に基づいて記憶部50から通行ポイントの位置情報を取得する。しかしながら、このような処理において第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、道路ID=1の情報を取得していないため、道路ID=1の情報に関連付けられた通行ポイントの情報を記憶部50から取得することができない。したがって、前回の通過判定を道路ID=1である道路の中央付近で行い、今回の通過判定を道路ID=2である道路上で行った場合であって、それらの通過判定の間に道路ID=1の道路の端部(道路ID=2の道路側の端部)にある通行ポイントを通過していた場合には、
図4(a)で示した手法のように今回のマップマッチング処理の結果に基づいて取得できた道路ID(ID=2)のみを用いて通行ポイントの通過判定を行おうとしても、通行ポイントを通過したと判定できない状況が発生してしまう。
【0062】
このような課題を解決するために、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、前回のマップマッチングの処理の結果(前回の通行ポイントを通過したか否かの判定結果)に基づいて入力した道路IDと、今回のマップマッチング処理の結果(今回の通行ポイントを通過したか否かの判定結果)に基づいて入力した道路IDの2つの道路IDとが異なるかを判定する。そして異なる場合(複数の移動経路を跨いだことを検出した場合)には、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、それら複数の道路IDに関連付けられて記憶部50に記録されている通行ポイントの位置情報を記憶部50から読み取る。これにより
図4(b)に示すような道路において、道路ID=1の道路上の通行ポイントと、道路ID=2の道路上の通行ポイントの、各位置情報を読み取ることができる。そして、第1通行ポイント通過判定部301や第2通行ポイント通過判定部305は、それら跨いだ複数の移動経路上に含まれる通行ポイントのうち前回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報から今回通行ポイントを通過したか否かの判定を行ったタイミングの位置情報の間に位置する通行ポイント全てを特定し、車両の現在位置が、それら特定した全ての通行ポイントを通過したと判定する。
このような処理により、
図4(b)の上段で示すような道路ID=1の道路の端部に通行ポイントが存在する場合、および
図4(b)の下段で示すような道路ID=2道路の端部に通行ポイントが存在する場合の、何れの場合にも、通行ポイントを通過したことを判定することができる。
【0063】
上述の処理のほか、交通情報処理装置1は、現在位置や交通情報、速度情報を表示部40に表示する処理を行うようにしてもよい。
例えば、リアルタイム処理部21は、ステップS102の処理の後、車両の道路上の現在位置と道路IDとを、現在位置出力部310と交通情報出力部309に出力する。すると現在位置出力部310は、入力した現在位置を表示部40に出力して表示する。
また交通情報出力部309は、入力した道路IDや現在位置に基づいて記憶部50や、外部のサーバから交通情報を読み取り、その交通情報を表示部40に出力して表示する。具体的には、交通情報は、外部のサーバにおいて、道路IDや位置情報に対応付けられて記憶されている。そして外部のサーバは、交通情報出力部309から出力された道路IDと車両の現在位置とに基づいて、同一の道路IDに対応付けて記録されている交通情報のうち、車両の現在位置に近い位置情報に対応付けて記録されている所定の数の交通情報を読み取って、交通情報処理装置1へ送信する。そして、交通情報出力部309が、受信した交通情報を表示部40に出力して表示する。
【0064】
また移動経路特定部22は、特定した移動経路上の道路IDや各道路IDで示す道路上の通過位置とその通過時刻とを速度算出部308へ出力する。すると速度算出部308は、複数の通過位置の距離と、その通過位置を通過した通過時刻の時刻差とを用いて、車両の通過位置間の速度を算出し、複数の通過位置間の速度の平均を車両の速度として表示部40に出力して表示する。
【0065】
次に、上述のステップS108における過去に通過した移動経路を確定する処理の詳細について説明する。
図5は移動経路特定部22の構成を示すブロック図である。
移動経路特定部22は、入力部100、通信部110、地図データ記憶部120、道路情報特定部130、推定移動位置算出部140、次経路道路情報特定部150、推定移動経路情報生成部160、推定移動経路情報記憶部170、移動経路外判定部180、移動経路出力部190、確定移動経路記憶部200、課金要求部210、制御部1000の各処理部や記憶部を備えている。
【0066】
図6は地図データ記憶部が記憶する道路情報を説明するための図である。
地図データ記憶部120で記憶する道路情報は、地図データの示す地図に表れる各道路の情報であって、それら道路の道路IDと、当該道路の現実空間における位置(緯度、経度)と、延伸方向と、接続する他の道路を示す接続道路ID、の情報等が格納されている。地図データが示す地図に表れる道路は、例えば、道路の分岐点や始点や終点など位置において分割されており、分割された各道路には道路IDが割り当てられているものとする。例えば、
図6で示すような地図上の道路は、道路の始点や分岐点や他の道路との接続点に基づいてID1の道路からID9の道路までの9つの道路に分割されている。なお地図データ記憶部120は、説明の便宜上、移動経路特定部22内に設けられているように図示しているが、移動経路特定部22の外に設けられていてよい
【0067】
そして
図6のような道路については、ID1の道路からID9の道路の9つの道路情報が地図データ記憶部120に記録されている。そして、1つの道路情報には、当該道路の現実空間における位置として、道路IDで示される分割された1つの道路についての道路の始点や終点などの端点の位置情報や、中間点などの複数の位置情報が格納されてよい。例えば、
図6におけるID1の道路であれば、ID2の道路と接続する接続点の位置情報、ID3の道路と接続する接続点の位置情報、ID1の道路の中間点の位置情報などが、当該ID1の道路の道路情報内に格納される。または始点や終点などの端点の間の所定の間隔の各点の位置情報が道路情報内に格納されていてもよい。
【0068】
また道路情報に格納される延伸方向は、例えば、ある基準方向との成す角度である。例えば基準方向が真北の方向であれば、道路情報に含まれるある道路上の点の位置に対応する延伸方向は、当該点に隣接する同一道路上の他点の位置とを結ぶ直線の、基準方向との成す角度である。また例えば本実施形態においては、道路情報には、当該道路上の複数点の位置情報と、それら複数点の位置情報それぞれについての基準方向からの角度で示される延伸方向とが格納されていてもよい。
【0069】
また道路ID1を示す道路は、道路ID2で示される道路と、道路ID3で示される道路とが接続しているため、当該道路ID1を含む道路情報には、接続道路IDとして、接続道路ID2および接続道路ID3が格納されている。ここで、これら接続道路IDは、例えば、道路情報に含まれる端点の位置情報のうち、接続道路IDの示す道路が接続されている側の端点の位置情報に関連付けられて登録されている。つまり、例えば道路ID1の道路情報であれば、当該道路の端点Aに道路ID2が接続され、当該道路の端点Bに道路ID3が接続されている。従って道路ID1の道路情報としては、道路ID1、端点Aの位置情報、端点Bの位置情報が格納され、さらに端点Aの位置情報に関連付けられて道路ID2が、また端点Bの位置情報に関連付けられて道路ID3が格納されている。またこれ以外の形式で道路情報内の各種情報が格納されていてもよい。
【0070】
図7は推定移動経路情報記憶部の記憶する推定移動経路情報データテーブルを示す第1の図である。
推定移動経路情報記憶部170は、推定移動経路情報データテーブル内に、推定移動経路情報生成部160の生成した1つまたは複数の推定移動経路情報を格納する。
図7の例では、移動経路特定部22が処理を開始した直後に、地図データ記憶部120に記録されている道路情報の中から、車両が走行する道路と推定した4つの道路情報を特定し推定移動経路情報データテーブル内に記録した場合の例である。
【0071】
図7の例では、移動経路特定部22が処理を開始した直後に、ID=1,2,4,5のそれぞれを含む道路情報が4つ特定された場合の例であり、対応する4つの推定移動経路情報それぞれには、移動経路でないと判定されたかどうかを示す移動経路外フラグと、道路情報とが格納される。移動経路外フラグは本実施形態においては、移動経路でないと判定されていない状況においては「0」、移動経路でないと判定された状況においては「1」が設定される。また推定移動経路情報に格納される道路情報は、例えば道路IDと、推定尤度である。推定尤度は、当該道路が交通情報処理装置1を備えた車両の走行する道路と推定される度合い(尤もらしさ)を示す値であり、推定移動経路情報生成部160によって算出される値である。
なお推定移動経路情報記憶部170についても、説明の便宜上、移動経路特定部22内に設けられているように図示しているが、移動経路特定部22の外に設けられていてよい。
【0072】
図8は移動経路特定部22の処理フローを示す図である。
次に
図8を用いて移動経路特定部22の処理の詳細について順を追って説明する。
まず制御部1000が、外部からの指示等に基づいて、道路情報特定処理の開始要求信号を道路情報特定部130へ出力する。すると道路情報特定部130は道路情報特定処理を開始する(ステップS1010)。そして、移動経路特定部22の道路情報特定部130は、入力部100において位置情報算出部15よりセンシング位置を入力し、そのセンシング位置を用いて、当該センシング位置の誤差範囲内に存在する移動開始初期の道路情報を特定する(ステップS1020)。
【0073】
図9は道路情報特定部130の処理概要を示す第1の図である。
ステップS1020の処理をより詳細に説明すると、道路情報特定部130は、メモリ等から、予め記録されている誤差範囲の距離を読み取る。また道路情報特定部130は、地図データ記憶部120から1つの道路情報を読み取り、入力したセンシング位置と、地図データ記憶部120から読み取った道路情報に含まれる位置情報との距離を算出し、その距離が、誤差範囲で示される距離未満か否かを判定する。そして道路情報特定部130は、センシング位置と位置情報との距離が、誤差範囲で示される距離未満である道路情報を、移動経路上の可能性のある移動初期の道路の候補と推定して特定する。そして、道路情報特定部130は、地図データ記憶部120に格納されている各道路についての道路情報を用いて、同様に誤差範囲内の道路があるかの判定を行い、誤差範囲内の道路を示す道路情報を、移動経路上の可能性のある道路の候補を示す道路情報として推定して特定する。
【0074】
図9では、車両のセンシング位置が道路ID1の道路と道路ID2の道路の接続点付近にある場合の例を示している。この場合、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5の各道路IDを含む4つの道路情報それぞれに含まれる道路上の点(端点など)の位置と、現在位置との距離が誤差範囲内であるとする。すると、それら道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5の各道路IDを含む4つの道路情報が、移動経路上の可能性のある道路の候補を示す道路情報として推定され特定される。
そして道路情報特定部130は、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5の各道路IDを含む4つの特定した道路情報を、地図データ記憶部120から読み取って、推定移動位置算出部140へ出力する。また道路情報特定部130は、それら4つの特定した道路情報を移動開始初期の道路情報として推定移動経路情報生成部160へ出力する。
【0075】
推定移動経路情報生成部160は、移動開始初期の道路情報を入力すると、推定移動経路情報記憶部170の推定移動経路情報データテーブル内に推定移動経路情報が既に記録されているかを判定する。ここで、初期の状態においては推定移動経路情報記憶部170の推定移動経路情報データテーブル内に推定移動経路情報が記録されていない。推定移動経路情報生成部160は、道路情報特定部130によって特定された移動開始初期の道路情報それぞれから道路IDを読み取り、当該道路IDを別々に含む推定移動経路情報を生成する(ステップS1030)。つまり、推定移動経路情報生成部160は、道路ID1を含む推定移動経路情報1と、道路ID2を含む推定移動経路情報2と、道路ID4を含む推定移動経路情報3と、道路ID5を含む推定移動経路情報4を生成する。そして推定移動経路情報生成部160は、それら推定移動経路情報1〜4の情報を推定移動経路情報データテーブルに登録する。
【0076】
このとき、推定移動経路情報生成部160は、推定移動経路情報1については、移動経路でないと判定されていない状況を示す移動経路外フラグ「0」と、道路情報としての道路ID1とを対応付けて推定移動経路情報記憶部170内の推定移動経路情報データテーブルに記録する。
また推定移動経路情報生成部160は、推定移動経路情報2については、移動経路でないと判定されていない状況を示す移動経路外フラグ「0」と、道路情報としての道路ID2とを対応付けて推定移動経路情報記憶部170内の推定移動経路情報データテーブルに記録する。
また推定移動経路情報生成部160は、推定移動経路情報3については、移動経路でないと判定されていない状況を示す移動経路外フラグ「0」と、道路情報としての道路ID4とを対応付けて推定移動経路情報記憶部170内の推定移動経路情報データテーブルに記録する。
また推定移動経路情報生成部160は、推定移動経路情報4については、移動経路でないと判定されていない状況を示す移動経路外フラグ「0」と、道路情報としての道路ID5とを対応付けて推定移動経路情報記憶部170内の推定移動経路情報データテーブルに記録する。
これにより推定移動経路情報生成部160は、
図7で示すような推定移動経路情報データテーブルを生成する。
【0077】
図10は道路情報特定部130の処理概要を示す第2の図である。
他方、推定移動位置算出部140は、道路情報特定部130より特定された移動開始初期の道路情報を入力すると、それら道路情報に含まれる位置情報のうちの端点の中から、車両の現実空間における現在位置に近い一方の端点の位置情報を特定する。例えば、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5を含む4つの道路情報から、それぞれ現在位置に近い一方の端点の位置情報を読み取る。そして、時間経過に応じて位置測位部10から入力した車速信号、加速度、各速度、緯度経度などを用いて移動距離を順次算出する。推定移動位置算出部140は、4つの特定された道路情報において特定した各一方の端点からの移動距離に応じた推定移動位置(
図10(a)参照)を順次算出して(ステップS1040)、道路情報特定部130の特定した道路情報と、それら特定された各道路情報について時間の経過に従って繰り返して算出した推定移動位置とを次経路道路情報特定部150へ出力する。
【0078】
次経路道路情報特定部150は、推定移動位置算出部140より、道路情報特定部130の特定した道路情報と、それら特定された各道路情報についての推定移動位置を順次入力する。そして、次経路道路情報特定部150は、4つの特定された道路情報において特定した各一方の端点とは異なる他方の端点の位置情報と、推定移動位置との距離を、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5が示す各道路情報について繰り返し算出し、所定の距離以内となったかを各道路情報それぞれについて判定する(ステップS1050)。そして、最も早く所定の距離以内となった道路情報を特定する(ステップS1060)。これにより道路情報特定部130によって特定された各道路情報が示す道路上それぞれについて、推定移動位置が示す移動距離に応じた移動を行なったと推定した場合における、最も早く他の道路との分岐点または接続点に達した道路を特定する。
【0079】
そして、次経路道路情報特定部150は、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5が示す各道路情報における他方の端点の位置に最も車両の現在位置が接近したと特定した道路情報の、当該他方の端点に接続する接続道路の道路情報を次の経路の候補を示す道路の道路情報(
図10(b)参照)と特定する(ステップS1070)。例えば次経路道路情報特定部150は、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5が示す各道路の他方の端点の位置に最も車両の現在位置が接近したと特定した道路の道路情報において、当該他方の端点の位置情報に対応付けられて保持している接続道路IDを検出する。そして次経路道路情報特定部150は、当該接続道路IDと同じIDの道路IDを含む道路情報を地図データ記憶部120から読み取り、その道路情報を、次の経路の候補の道路を示す道路情報と特定する。
図10(b)の例では、道路ID4の道路情報と、道路ID5の道路情報が、それぞれ次の経路の候補となる道路情報と特定される。そして、次経路道路情報特定部150は、道路情報特定部130によって特定された現在の移動経路の候補となる道路情報と、次経路道路情報特定部150で特定した次の経路の候補となる道路情報とを推定移動経路情報生成部160へ出力する。
【0080】
推定移動経路情報生成部160は、道路情報特定部130によって特定された現在の移動経路の候補となる道路情報と、次経路道路情報特定部150で特定された次の経路の候補となる道路情報とを、次経路道路情報特定部150より入力すると、現在の移動経路の候補となる道路情報が示す道路それぞれの推定尤度を算出する。当該推定尤度は、現在の移動経路の候補となる道路情報が示す道路を、車両が走行している可能性の度合い(尤もらしさ)を示す指標値である。
【0081】
具体的な計算手法は、例えば推定移動経路情報生成部160は、現在の移動経路の候補となる道路情報を走行中の、各処理タイミングそれぞれにおける車両の位置情報P1を位置測位部10から取得し、当該道路を走行した移動距離L1、進行方向D1をまず算出する。また、推定移動経路情報生成部160は、現在の移動経路の候補となる道路情報に含まれる各位置情報P2、当該道路の各端点間の延伸距離L2、延伸方向D2とを読み取る。そして推定移動経路情報生成部160は推定尤度算出式を用いて、各処理タイミングにおける位置情報P1とそのP1が示す位置に最も近い位置情報P2の差、移動距離L1と延伸距離L2との差、進行方向D1が示す角度(真北などの基準方位からの角度)と延伸方向D2が示す角度(真北などの基準方位からの角度)との差を算出し、それらについて重み付けをした値の総和を推定尤度として算出する。なお、推定尤度の算出手法は、現在の移動経路の候補となる道路を車両が走行している可能性の度合いを示す指標値が算出できるものであれば、どのような手法であってもよい。そして、推定移動経路情報生成部160は、現在の移動経路の候補となる道路情報について算出した推定尤度を道路情報の道路IDに対応付けて、
図7で示す推定移動経路情報データテーブル内に記録する(ステップS1080)。そしてその推定尤度の算出と推定移動経路情報データテーブル内への記録を、全ての現在の移動経路の候補となる道路情報について行う。
【0082】
なお、上述のステップS1060の処理の後、次経路道路情報特定部150は、次の経路の候補と特定した道路情報を、現在の移動経路の候補とし、当該現在の移動経路の候補を示す道路情報を推定移動位置算出部140へ出力する。そして、推定移動位置算出部140が次経路道路情報特定部150から入力した現在の移動経路の候補となる道路情報を用いて、上記と同様に推定移動位置を算出する。また、その推定移動位置に基づいて、次経路道路情報特定部150が次の経路の候補となる特定情報を特定する。そして、推定移動位置算出部140と、次経路道路情報特定部150において同様の処理を所定のタイミング(T1,T2,・・・)の間隔で繰り返し、次経路道路情報特定部150が所定の間隔で、現在の移動経路の候補となる道路情報と、次の経路の候補となる道路情報とを推定移動経路情報生成部160へ出力する。
【0083】
推定移動経路情報生成部160は、次経路道路情報特定部150より、所定の間隔で現在の移動経路の候補となる道路情報と、次の経路の候補となる道路情報とを入力する。そして、その入力の度に、推定移動経路情報を更新または生成する(ステップS1090)。より具体的には、推定移動経路情報生成部160は、推定移動経路情報記憶部170の推定移動経路情報データテーブル内に推定移動経路情報が既に記録されているかを判定する。ここで、上述の処理によって既に、移動開始初期の道路情報の道路IDを含む各推定移動経路情報が推定移動経路情報データテーブル内に記録されている。すると推定移動経路情報生成部160は、現在の移動経路の候補と特定した道路情報の中から、次の経路の候補と特定した道路情報に含まれる端点の位置情報に関連付けられている接続道路IDと同じ道路IDを保持する道路情報を特定する。そしてその道路情報に含まれる道路IDと、次の経路の候補と特定した道路情報に含まれる道路IDとを関連付けた推定移動経路情報を、次の経路の候補と特定した道路情報の全てについて別々に生成する。
【0084】
つまり
図9、
図10の例を用いて説明すると、現在の移動経路の候補と特定した道路情報は、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5をそれぞれ含む道路情報である。また次の経路の候補と特定した道路情報は道路ID4、道路ID5である。そして、推定移動経路情報生成部160は、次の経路の候補と特定した道路ID4と道路ID5の各道路情報の中から、端点の位置情報に関連付けられている接続道路IDをそれぞれ読み取る。この接続道路IDの中には接続道路ID2が含まれる。そして推定移動経路情報生成部160は、それら読み取った接続道路IDと同じ道路IDを保持する道路情報を、道路ID1、道路ID2、道路ID4、道路ID5をそれぞれ含む道路情報から特定する。つまり道路ID2を含む道路情報が特定される。
【0085】
そして、推定移動経路情報生成部160は、その接続道路ID2を前回(タイミングT1で)特定した道路情報の道路IDとして含む推定移動経路情報(
図7の推定移動経路情報2)をコピーして、当該コピーした推定移動経路情報内に、次の(タイミングT2の)経路の候補と特定した道路情報の道路ID4を道路ID2に関連付けて格納した新たな推定移動経路情報2−2を生成する。また推定移動経路情報生成部160は、同様に、接続道路ID2を前回(タイミングT1で)特定した道路情報の道路IDとして含む推定移動経路情報(
図7の推定移動経路情報2)をコピーして、当該コピーした推定移動経路情報内に、次の(タイミングT2の)経路の候補と特定した道路情報の道路ID5を道路ID2に関連付けて格納した新たな推定移動経路情報2−3を生成する。
【0086】
また、推定移動経路情報生成部160は、既に推定移動経路情報記憶部170に記録されている推定移動経路情報1〜4については、それぞれ道路IDを読み取って、当該道路IDを、推定移動経路情報内の同じ道路IDに関連付けて更新する。つまり、推定移動経路情報1についてはタイミングT1で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID1と、タイミングT2で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID1とを関連付けて更新する。また同様に推定移動経路情報2についてはタイミングT1で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID2と、タイミングT2で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID2とを関連付けて更新する。また同様に推定移動経路情報3についてはタイミングT1で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID4と、タイミングT2で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID4とを関連付けて更新する。また同様に推定移動経路情報4についてはタイミングT1で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID5と、タイミングT2で推定移動経路と特定した道路の情報である道路ID5とを関連付けて更新する。
【0087】
図11は推定移動経路情報記憶部が記憶する推定移動経路情報データテーブルを示す第2の図である。
上述の推定移動経路情報生成部160の処理により、推定移動経路情報データテーブルは、
図11で示すような、推定移動経路情報1、推定移動経路情報2、推定移動経路情報2−2、推定移動経路情報2−3、推定移動経路情報3、推定移動経路情報4がそれぞれ格納される。なお
図11で示すように、上述した推定移動経路情報生成部160の処理の終了段階においては、推定移動経路情報データテーブル内の各推定移動経路情報には、移動開始初期(タイミングT1)に特定された道路情報(道路情報1)の道路IDとその推定尤度とが記録され、さらにその道路IDに関連付けて、タイミングT2において次経路道路情報特定部150が次の経路の候補と特定した道路情報(道路情報2)の道路ID、が記録されている。しかしながら、道路情報2で示す各道路IDに対応付けられる推定尤度はこの処理の時点では未だ登録されていない状況である。
【0088】
そして、推定移動経路情報生成部160は、次回、道路情報特定部130によって特定された現在の移動経路の候補となる道路情報と、次経路道路情報特定部150で特定した次の経路の候補となる道路情報とを次経路道路情報特定部150より入力した際に、上述した推定尤度の算出手法の同様の処理を行う。そして推定移動経路情報生成部160は、道路情報2で示す各道路IDの道路についての推定尤度を算出し、当該現在の移動経路の候補となる道路情報それぞれについて算出した推定尤度を、対応する道路情報の道路IDに対応付けて推定移動経路情報データテーブル内に記録する。これにより
図11の各推定移動経路情報の道路情報2として記録された各道路IDに対応付けられて推定尤度が記録される。
【0089】
そして次に移動経路外判定部180が、推定移動経路情報記憶部170に記録されている推定移動経路情報の中から、移動経路の可能性が低いと考えられる道路の道路IDが最近特定された道路情報の道路IDとして記録される推定移動経路情報を、候補から除外する処理を行う(ステップS1100)。
この処理においては、例えば、交通情報処理装置1の第1通行ポイント通過判定部301より道路IDの格納された移動経路の特定要求を入力している場合には、当該移動経路の特定要求から読み取った道路ID以外の道路IDを、最後に特定された道路情報の道路IDとして記録する推定移動経路情報を、候補から除外する。
または、例えば、最後に特定された道路情報の道路IDに対応付けられて推定移動経路情報内に記録されている推定尤度のうち、閾値以下の推定尤度を記録している推定移動経路情報を、候補から除外する。
【0090】
図12は移動経路外判定部の処理概要を示す図である。
図12は、
図11で示した推定移動経路情報を樹形図で示したものである。各推定移動経路情報には、タイミングT1,タイミングT2のそれぞれにおいて特定された道路情報が格納されている。このような状態において、移動経路外判定部180は、推定尤度に基づいて閾値(例えば推定尤度0.3)以下の推定尤度を、最新(タイミングT2)の道路情報に対応付けて記録している推定移動経路情報1、推定移動経路情報3、推定移動経路情報4を、候補から除外した場合の例を示している。
【0091】
図13は推定移動経路情報記憶部170が記憶する推定移動経路情報データテーブルを示す第3の図である。
移動経路外判定部180は、推定移動経路情報記憶部170に記録されている推定移動経路情報の中から、移動経路の可能性が低いと考えられる道路の道路IDを最後(タイミングT2)に特定した道路情報の道路IDとして記録する推定移動経路情報を除外する場合、
図13で示すように、その除外すると判定した推定移動経路情報に格納されている移動経路外フラグを、「0」から「1」に書き換える。そして、移動経路外判定部180は、移動経路出力部190に対して移動経路確定要求を出力する。
【0092】
次に移動経路出力部190は、移動経路外判定部180より移動経路確定要求を入力すると、推定移動経路情報記憶部170に記録されている移動経路外フラグ「0」を含む推定移動経路情報に含まれる道路IDを用いて、過去の移動経路と推定された道路を示す道路IDの中から、移動経路と確定する道路IDを特定する(ステップS1110)。具体的には、例えば移動経路出力部190は、推定移動経路情報記憶部170に記録されている移動経路外フラグを「0」を含む全ての推定移動経路情報の中の最初に記録された道路IDから順に道路IDを比較していき、連続して共通する道路IDを抽出する。そして、移動経路出力部190は、それら抽出した、最初の道路IDから連続して共通する道路IDの示す道路を、確定移動経路と特定し、当該確定移動経路を示す「最初の道路IDから連続して共通する道路ID」を確定移動経路記憶部200に記録する。
【0093】
図14は移動経路出力部の処理概要を示す第1の図である。
この図では、タイミングT1,T2,T3,T4のそれぞれのタイミングで特定した道路情報を含む、各推定移動経路情報を樹形図で示している。またそれら推定移動経路情報に基づいて、タイミングT1で特定した最初の道路IDから連続して共通する道路IDの示す道路を、確定移動経路と特定する場合の例を示している。
図14の例は、推定移動経路情報記憶部170に記録されている移動経路外フラグを「0」を含む推定移動経路情報が3つある場合の例である。そして移動経路出力部190は、それら3つの推定移動経路情報を用いて、タイミングT1で特定した道路ID2、タイミングT2で特定した道路ID4を、最初の道路IDから連続して共通する道路IDとして確定移動経路記憶部200に記録する例を示している。
【0094】
なお、マップマッチング部20においては、移動経路特定部22が上述のステップS1010〜S1110を行っているのと並行して、現在の位置をモニタなどの表示部に表示した地図上にプロットして表示するマップマッチングの処理を行っている。そして移動経路特定部22の制御部1000は、電源OFFや、駐車場への入場時に外部装置から受信した無線信号に含まれる処理一次停止要求信号、外部からの課金要求信号、などの入力に基づいて終了するか否かを判定し(ステップS1130)、終了しない場合には上記ステップS1040の処理から繰り返す。これにより、推定移動経路情報記憶部170の推定移動経路情報データテーブルに新たな推定移動経路情報の記録、または推定移動経路情報の更新、または推定移動経路情報の候補からの除外の処理が行われる。移動経路出力部190は、当該処理の繰り返しによって順次確定移動経路を示す道路IDを、ステップS1110の後に確定移動経路記憶部200に記録していく。そして移動経路特定部22の課金要求部210が、通行ポイントを通過すると判定されたことを制御部1000から入力すると、確定移動経路記憶部200に記録されている道路ID等の情報を格納した課金金額算出要求をアプリケーション部30の課金金額算出部304へ出力する。これにより、課金金額算出部304が課金金額を算出する。
【0095】
なお、上述の交通情報処理装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0096】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。